JP2005068062A - グリニャール反応を用いるカップリング化合物の製造方法 - Google Patents

グリニャール反応を用いるカップリング化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応によるカップリング化合物を収率よく製造する方法の提供。
【解決手段】下記(1)および(2)の工程をこの順に含む、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応によるカップリング化合物の製造方法:(1)グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の一部の量のハロゲン化物とマグネシウムとを溶媒中で反応させて、グリニャール試薬を含む反応液を得る工程、(2)上記工程(1)で得られた反応液に残りの量のハロゲン化物およびカルボニル化合物を添加することにより、ハロゲン化物とマグネシウムとのグリニャール試薬の生成反応と、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応とを同時に行ってカップリング化合物を製造する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリニャール反応を用いるカップリング化合物の製造方法を改良したものであって、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応によるカップリング化合物を収率よく製造する方法に関する。
従来、グリニャール反応は、ハロゲン化物とマグネシウムからグリニャール試薬を先に調製し、該調製液に、カルボニル化合物を含有する溶液を添加するか、あるいは、該調製液を、カルボニル化合物を含有する溶液中に滴下して、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応を行うのが一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、グリニャール試薬自体が不安定である場合などは、先に調製しておくと、保存中にグリニャール試薬の含量が減少し、反応収率を低下させるという問題があった。
特許第2997947号公報 特開2000−191666号公報
本発明は、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応によるカップリング化合物を収率よく製造する方法の提供を目的とする。
本発明者らは、解決法として、先にマグネシウムとカルボニル化合物を仕込んだ液に、ハロゲン化物を滴下する方法を試みたが、ハロゲン化物が対応するグリニャール試薬にならないか、いったん対応するグリニャール試薬が一部生成しても、ハロゲン化物を滴下中に、失活してしまうという知見を得た。そこで、先にマグネシウムを仕込んだ液中に、ハロゲン化物とカルボニル化合物を滴下するという方法を試みたが、それでも同様の現象が観察されるという知見を得た。
上記の知見から、本発明者らは、カルボニル化合物がグリニャール試薬を失活させるのではないかという新知見に至った。
そこで本発明者らは、グリニャール試薬の失活を防止するために種々研究を重ねたところ、先にグリニャール試薬をある程度調製し、その後、ハロゲン化物とカルボニル化合物を滴下することによって、グリニャール試薬が途中で失活することなく良好にカップリング反応することを見出し、さらに滴下するハロゲン化物のモル数をカルボニル化合物のモル数よりも過剰に(好ましくは常に過剰に)しておくことで、さらに滴下時間に依存せず、グリニャール試薬の失活を防止し、良好にカップリング反応できることを見出して本発明を完成させた。
本発明者らは、さらに鋭意研究を重ねた結果、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の0.1%−40%の量のハロゲン化物とマグネシウムとを溶媒中で反応させて、グリニャール試薬を含む反応液を得た後、得られた反応液に残りの量のハロゲン化物およびカルボニル化合物を添加することにより上記目的をより高度に達成できることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]下記(1)および(2)の工程をこの順に含む、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応によるカップリング化合物の製造方法:
(1)グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の一部の量のハロゲン化物とマグネシウムとを溶媒中で反応させて、グリニャール試薬を含む反応液を得る工程、
(2)上記工程(1)で得られた反応液に残りの量のハロゲン化物およびカルボニル化合物を添加することにより、ハロゲン化物とマグネシウムとのグリニャール試薬の生成反応と、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応とを同時に行ってカップリング化合物を製造する工程。
[2]工程(1)のハロゲン化物が、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の0.1%−40%の量のハロゲン化物である上記[1]記載の製造方法。
[3]工程(1)のハロゲン化物が、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の10%−40%の量のハロゲン化物である上記[1]記載の製造方法。
[4]工程(2)で、ハロゲン化物のモル数をカルボニル化合物のモル数よりも過剰にして添加する上記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]カルボニル化合物が、下記式I:
Figure 2005068062
(式中、Rはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基またはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよいアルキル基を示し、R1およびR2は、それぞれ独立にアルキル基を示すか、または一緒になって、メチレン基の一つが酸素原子によって置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキレンα,ω−ジイル基を示す。)
で示される化合物である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]ハロゲン化物が、下記式II:
Figure 2005068062
(式中、Arはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基を示し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
で示される化合物である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]Arが、少なくとも2位がフッ素原子で置換されたアリール基である上記[6]記載の製造方法。
本発明によれば、グリニャール試薬がカップリング反応前に失活することなく、良好にグリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応を行うことができるので、カップリング化合物を収率よく製造することができる。特にグリニャール試薬自体が不安定である場合でも、本発明によれば、良好にグリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応を行うことができカップリング化合物を収率よく製造することができる。
本発明の対象であるカップリング化合物とは、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応により、新たに、グリニャール試薬のマグネシウムが結合する炭素原子とカルボニル化合物が分子内に有するカルボニル基との炭素−炭素結合を形成することで得られる化合物をいう。
工程(1)は、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の一部の量、好ましくは0.1%−40%の量、さらに好ましくは10%−40%の量のハロゲン化物とマグネシウムとを溶媒中で反応させて、グリニャール試薬を含む反応液を得る工程である。
工程(1)は、例えば、ハロゲン化物の上記の量を、マグネシウムを分散させた溶媒中に滴下すること等により行うことができる。
マグネシウムは、予め、ヨウ素、1,2−ジブロモエタン、1−ブロモエタン、ヨウ化メチル、臭化アリル等の活性化剤で活性化させておくのが好ましい。活性化剤の使用量は、マグネシウム1モルに対して、通常0.0001〜0.05モルである。
ハロゲン化物とは、分子内の炭素原子にハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等、好ましくは臭素原子)が置換した化合物をいい、マグネシウムと反応してマグネシウムハライドとなってグリニャール試薬を生成しうるものであれば特に限定されないが、例えばグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい脂肪族化合物または芳香族化合物のハロゲン化物等が挙げられる。
ハロゲン化物としては、特に下記式II:
Figure 2005068062
(式中、Arはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基を示し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で示される化合物が好ましい。
式II中、Arで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基」の芳香族基としては、例えば環員数5〜14、好ましくは5〜6のアリール基、環を構成する原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子等から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個、好ましくは1〜2個含む、環員数5〜14、好ましくは5〜6のヘテロアリール基であって環中の炭素原子にXとの結合手を有するもの等が挙げられ、具体的には例えばフェニル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、フラニル、ナフチル、キノリル、ベンゾフラニル、アントラセニル等が挙げられ、フェニル、ナフチルが好ましい。Arで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基」の芳香族基に置換していてもよいグリニャール試薬に不活性な基としては、例えばフッ素原子、アルキル基(例えば炭素数1〜9のアルキル基、具体的には例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜8のアルコキシ基、具体的には例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等)、アルキルチオ基(例えば炭素数1〜8のアルキルチオ基、具体的には例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ等)、ジアルキルアミノ基(例えばアルキル部分の炭素数がそれぞれ1〜4であるジアルキルアミノ基、具体的には例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジn−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ等)等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。該不活性な置換基は、芳香族基の置換可能ないずれの位置に置換していてもよく、置換基が2個以上である場合には、置換基はそれぞれ同一または異なっていてもよい。置換基の個数は1〜5個であってもよく、1〜3個であるのが好ましい。Arで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基」の具体例としては、例えば2,5−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、フェニル等が挙げられる。式IIで示される化合物としては、例えば1−ブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−2,6−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−2−フルオロベンゼン、1−ブロモ−3−フルオロベンゼン、1−ブロモ−4−フルオロベンゼン、1−ブロモベンゼン等が挙げられる。これらのうち、1−ブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−2,6−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−2−フルオロベンゼンが好ましい。
式II中、Arで示される基が、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2−フルオロフェニル等の少なくとも2位がフッ素原子で置換されたアリール基である場合に特に本発明の効果が発揮される。2位にフッ素原子が置換しているアリールグリニャール試薬が特に不安定であるためである。なかでもArで示される基が2,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロフェニルである場合に効果が顕著である。
グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物の全体の量(工程(1)および後述の工程(2)に用いる量の総量)は、後述の工程(2)で用いるカルボニル化合物1モルに対して、通常0.8〜2.5モルであり、好ましくは1.0〜1.5モルである。工程(1)では、該全体の量(100%)のうちの一部の量、好ましくは0.1%−40%の量、さらに好ましくは10%−40%の量のハロゲン化物を用いる。
マグネシウムの使用量は、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物の全体の量1モルに対して、通常0.8〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.2モルである。また、前述の活性化剤を用いた場合は、活性化剤と同当量のマグネシウムをさらに使用する。
工程(1)の溶媒としては、通常のグリニャール反応に用いられるものであればいずれも用いることができるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、メチルシクロペンチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられ、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジグリムが好ましい。溶媒は1または2以上を組み合わせて用いることもできる。溶媒の使用量は、後述の工程(2)で用いるカルボニル化合物1kgに対して、通常1〜50Lであり、好ましくは5〜30Lである。
工程(1)の反応温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜50℃である。工程(1)の反応時間は、通常0.5〜24時間であり、好ましくは1〜8時間である。
工程(2)は、前述の工程(1)で得られた反応液に残りの量のハロゲン化物およびカルボニル化合物を添加することにより、ハロゲン化物とマグネシウムとのグリニャール試薬の生成反応と、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応とを同時に行ってカップリング化合物を製造する工程である。
工程(1)で得られた反応液に残りの量のハロゲン化物およびカルボニル化合物を添加する方法は、特に限定されないが、滴下が好ましい。例えば、該反応液に、残りの量のハロゲン化物、カルボニル化合物をそれぞれ後述の反応溶媒等の溶液としたものを同時に滴下する方法、残りの量のハロゲン化物、カルボニル化合物を後述の反応溶媒等に含有させた混合溶液として滴下する方法等が挙げられる。
「残りの量のハロゲン化物」とは、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の量(100%)から、前述の工程(1)で用いた量(すなわち該全体の量のうちの一部の量、好ましくは0.1%−40%の量、さらに好ましくは10%−40%の量)を差し引いた量のハロゲン化物である。
カルボニル化合物とは、分子内にカルボニル基を有する化合物をいい、グリニャール試薬とカップリング反応しうる化合物であれば特に限定されないが、例えばN,N−ジメチル−O−(1−エトキシエチル)乳酸アミド、N−〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)プロピオニル〕モルホリン、N,N−ジメチル−O−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)乳酸アミド、N−〔(2−ベンジルオキシ)プロピオニル〕モルホリン等の酸アミド、ベンズアルデヒド、2−フルオロベンズアルデヒド、4−フルオロベンズアルデヒド等のアルデヒド等が挙げられる。
カルボニル化合物としては、特に下記式I:
Figure 2005068062
(式中、Rはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基またはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよいアルキル基を示し、R1およびR2は、それぞれ独立にアルキル基を示すか、または一緒になって、メチレン基の一つが酸素原子によって置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキレンα,ω−ジイル基を示す。)で示される化合物が好ましい。
式I中、Rで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基」の芳香族基としては、例えば環員数5〜14、好ましくは5〜6のアリール基、環を構成する原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子等から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個、好ましくは1〜2個含む、環員数5〜14、好ましくは5〜6のヘテロアリール基が挙げられ、具体的には例えばピリジル、ピリミジニル、チエニル、フラニル、ナフチル、キノリル、ベンゾフラニル、アントラセニル等が挙げられ、フェニル、ナフチルが好ましい。Rで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基」の芳香族基に置換していてもよいグリニャール試薬に不活性な基としては、例えばアルキル基(例えば炭素数1〜9のアルキル基、具体的には例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜8のアルコキシ基、具体的には例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等)、アルキルチオ基(例えば炭素数1〜8のアルキルチオ基、具体的には例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ等)、ジアルキルアミノ基(例えばアルキル部分の炭素数がそれぞれ1〜4であるジアルキルアミノ基、具体的には例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジn−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ等)、フッ素原子等が挙げられる。該不活性な置換基は、芳香族基の置換可能ないずれの位置に置換していてもよく、置換基が2個以上である場合には、置換基はそれぞれ同一または異なっていてもよい。置換基の個数は1〜5個であってもよく、1〜3個であるのが好ましい。Rで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基」の具体例としては、例えば2−トリル、3−トリル、4−トリル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル等が挙げられ、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニルが好ましい。
式I中、Rで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基としては、例えば炭素数1〜14、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、あるいは炭素数3〜8、好ましくは5〜6の環状のアルキル基が挙げられ、具体的には例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられ、メチル、エチル、プロピルが好ましい。Rで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基に置換していてもよいグリニャール試薬に不活性な基としては、例えば水素原子が保護基で置換されたヒドロキシル基(該保護基としては、例えば、1−エトキシエチル基、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジル基等が挙げられる。)等が挙げられ、水素原子が1−エトキシエチル基、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル基、ベンジル基等の保護基で置換されたヒドロキシル基が好ましい。該不活性な置換基は、アルキル基の置換可能ないずれの位置に置換していてもよく、置換基が2個以上である場合には、置換基はそれぞれ同一または異なっていてもよい。置換基の個数は1〜4個であってもよく、1〜2個であるのが好ましい。Rで示される「グリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよいアルキル基」の具体例としては、例えば1−(1−エトキシエトキシ)エチル、1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル、1−(メトキシメトキシ)エチル、1−(エトキシメトキシ)エチル、1−(ベンジルオキシメトキシ)エチル、1−(ベンジルオキシ)エチル等が挙げられ、1−(1−エトキシエトキシ)エチル、1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル、1−(ベンジルオキシ)エチルが好ましい。
式I中、R1、R2で示されるアルキル基は、同一または異なっていてもよく、それぞれ例えば炭素数1〜14、好ましくは炭素数1〜6の、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、具体的には例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等が挙げられ、メチルが好ましく、R1、R2がともにメチルであるのが特に好ましい。
式I中、R1、R2が一緒になって示す、メチレン基の一つが酸素原子によって置換されていてもよい炭素数3〜6、好ましくは炭素数4〜6のアルキレンα,ω−ジイル基としては、例えばペンチレン−α,ω−ジイル基、ヘキシレン−α,ω−ジイル基、3−オキサ−ペンチレン−α,ω−ジイル基、3−オキサ−ヘキシレン−α,ω−ジイル基等が挙げられる。
式Iで示される化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−O−(1−エトキシエチル)乳酸アミド、N−〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)プロピオニル〕モルホリン、N,N−ジメチル−O−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)乳酸アミド、N−〔(2−ベンジルオキシ)プロピオニル〕モルホリン等が挙げられ、N,N−ジメチル−O−(1−エトキシエチル)乳酸アミド、N−〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)プロピオニル〕モルホリン、N−〔(2−ベンジルオキシ)プロピオニル〕モルホリンが好ましい。式Iで示される化合物の特に好適な例としては、(R)−N,N−ジメチル−O−(1−エトキシエチル)乳酸アミドが挙げられる。
カルボニル化合物の使用量は、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物の全体の量に対して、工程(1)で説明した量である。
工程(2)の反応溶媒としては、通常のグリニャール反応に用いられるものであればいずれも用いることができ、前述の工程(1)の溶媒と同一または異なるものを用いてもよく、例えばテトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、メチルシクロペンチルエーテル、ジブチルエーテル、トルエン等が挙げられ、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジグリムが好ましい。反応溶媒は1または2以上を組み合わせて用いることもできる。反応溶媒の使用量は、カルボニル化合物1kgに対して、通常1〜50Lであり、好ましくは5〜30Lである。
工程(2)のハロゲン化合物およびカルボニル化合物の添加(滴下)は、通常0.5〜24時間、好ましくは1〜8時間かけて、通常−20〜100℃、好ましくは0〜60℃で行う。
好ましくは上記ハロゲン化合物およびカルボニル化合物の添加終了後さらに、通常0〜24時間、好ましくは2〜10時間反応させる。このときの反応温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜70℃である。
工程(2)では、残りの量のハロゲン化物およびカルボニル化合物を添加する際に、ハロゲン化物のモル数をカルボニル化合物のモル数よりも過剰にして(特に常に過剰にして)添加することが好ましい。ハロゲン化物のモル数をカルボニル化合物のモル数よりも過剰にして(特に常に過剰にして)添加することで、添加(滴下)時間に依存せず、グリニャール試薬の失活を防止し良好にカップリング反応させることができ、カップリング化合物を収率よく製造することができる。
例えば、添加が終了するまでの間、添加したカルボニル化合物のモル数よりも常に過剰になるようにハロゲン化物を添加するには、ハロゲン化物、カルボニル化合物を混合溶液として滴下する場合は、ハロゲン化物のモル数をカルボニル化合物のモル数よりも過剰にした混合溶液を用いればよい。また、ハロゲン化物、カルボニル化合物をそれぞれ溶液としたものを同時に滴下する場合は、ハロゲン化物のモル数がカルボニル化合物のモル数よりも過剰になるようにそれぞれの滴下速度を調整すればよい。
ハロゲン化物のモル数をカルボニル化合物のモル数よりも過剰にして添加することが好ましい観点からは、工程(2)で添加するハロゲン化物のモル数は、カルボニル化合物1モルに対して、0.9モル以上であるのが好ましく、1モル以上であるが特に好ましく、1モルを超えるモル数であるのがさらに好ましい。反応に寄与しないハロゲン化物の無駄を抑える観点からは、工程(2)で添加するハロゲン化物のモル数は、カルボニル化合物1モルに対して、2モル以下であるのが好ましく、1.3モル以下であるのが特に好ましい。
本発明の方法により製造されるカップリング化合物としては、例えば、抗真菌剤の中間体として有用な(2R)−2−(1−エトキシエトキシ)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−プロパノン等が挙げられる。
以下、本発明を詳細に説明するために実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
参考例1 (R)-N,N-ジメチル-O-(1-エトキシエチル)乳酸アミドの合成
(D)-N,N-ジメチル乳酸アミド(46.69 g, 0.40 mole)のテトラヒドロフラン(THF, 47 mL)溶液にメタンスルホン酸(0.38 g, 4.0 mmole)とエチルビニルエーテル(31.61 g, 0.44 mole)を順次15〜20℃で滴下して、3時間撹拌し、トリエチルアミン(0.44 g, 4.4 mmole)を流入し、(R)-N,N-ジメチル-O-(1-エトキシエチル)乳酸アミドのTHF溶液を得た。
実施例1 (2R)-2', 5'-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピオフェノンの合成
マグネシウム(12.79 g, 0.53 mole)とTHF(140 mL)の混合溶液にヨウ素(0.10 g, 0.4 mmole)を添加後、30分撹拌し、温度上昇を確認しながら1-ブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン(3.85 g, 20 mmole)を30〜40℃で滴下した後、THF(70 mL)を流入した。さらに、30〜40℃で1-ブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン(11.54 g, 60 mmole)を滴下し、2,5-ジフルオロフェニルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を調製した。先に調製した(R)-N,N-ジメチル-O-(1-エトキシエチル)乳酸アミドのTHF溶液(参考例1で調製した全量)と1-ブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン(84.62 g, 0.44 mole)とTHF(70 mL)を混合した溶液を、先行調製した2,5-ジフルオロフェニルマグネシウムブロマイドのTHF溶液へ3時間かけて35〜40℃で滴下し、反応溶液をさらに38〜43℃で8時間撹拌した。HPLC分析により、(R)-N,N-ジメチル-O-(1-エトキシエチル)乳酸アミドは4%残存していることを確認した。反応溶液は塩化アンモニウム水溶液とトルエンに流入、クエン酸水溶液で中和後、水で2回洗浄し、(2R)-2 - (1-エトキシエトキシ)-1-(2,5-ジフルオロフェニル)-プロパノンのトルエン溶液を得た。引き続き、エチレングリコール(46 mL)とメタンスルホン酸(3.84 g, 39.9 mmole)を添加後、40℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を酒石酸ナトリウムカリウム(7.9 g)と食塩(9.3 g)の水溶液(2回)、イオン交換水(3回)で順次に洗浄後、有機層を減圧蒸留することにより、表題化合物を黄色オイルとして、42 g(収率55%)得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz, δppm) 1.40 (3H, d, J=7 Hz), 3.67 (1H, d, J=6 Hz), 4.99-5.07 (1H, m), 7.14-7.19 (1H, m), 7.26-7.32 (1H, m), 7.60-7.64 (1H, m).
比較例1 一般的グリニャール反応による、(2R)-2', 5'-ジフルオロ-2-ヒドロキシプロピオフェノンの合成の試み
マグネシウム(1.23 g, 50.6 mmole)とTHF(4 mL)の混合溶液にヨウ素(0.01 g, 0.04 mmole)を添加後、30分撹拌し、1-ブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン(0.09 g, 0.47 mmole)を30〜40℃で滴下し、温度上昇を確認した後、THF(21 mL)を流入した。さらに、30〜40℃で1-ブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン(9.91 g, 51.3 mmole)を滴下した後、3時間攪拌しグリニャール試薬を調製した。そこへ、先に調製した(R)-N,N-ジメチル-O-(1-エトキシエチル)乳酸アミドのTHF溶液(8.67 g, 45.8 mmoleのTHF溶液(全容量12.5 mL))を30〜35℃で2時間かけて滴下し、反応溶液を38〜43℃で8時間撹拌した。HPLC分析により(R)-N,N-ジメチル-O-(1-エトキシエチル)乳酸アミドは55%残存していることが確認された。

Claims (7)

  1. 下記(1)および(2)の工程をこの順に含む、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応によるカップリング化合物の製造方法:
    (1)グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の一部の量のハロゲン化物とマグネシウムとを溶媒中で反応させて、グリニャール試薬を含む反応液を得る工程、
    (2)上記工程(1)で得られた反応液に残りの量のハロゲン化物およびカルボニル化合物を添加することにより、ハロゲン化物とマグネシウムとのグリニャール試薬の生成反応と、グリニャール試薬とカルボニル化合物とのカップリング反応とを同時に行ってカップリング化合物を製造する工程。
  2. 工程(1)のハロゲン化物が、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の0.1%−40%の量のハロゲン化物である請求項1記載の製造方法。
  3. 工程(1)のハロゲン化物が、グリニャール試薬の生成反応に用いるハロゲン化物全体の10%−40%の量のハロゲン化物である請求項1記載の製造方法。
  4. 工程(2)で、ハロゲン化物のモル数をカルボニル化合物のモル数よりも過剰にして添加する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. カルボニル化合物が、下記式I:
    Figure 2005068062
    (式中、Rはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基またはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよいアルキル基を示し、R1およびR2は、それぞれ独立にアルキル基を示すか、または一緒になって、メチレン基の一つが酸素原子によって置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキレンα,ω−ジイル基を示す。)
    で示される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. ハロゲン化物が、下記式II:
    Figure 2005068062
    (式中、Arはグリニャール試薬に不活性な基で置換されていてもよい芳香族基を示し、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
    で示される化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. Arが、少なくとも2位がフッ素原子で置換されたアリール基である請求項6記載の製造方法。
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