JP2005064146A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発熱部材と外装ケースの接合部が、円筒状をしていたり、凹凸の多い部品等である場合には、互いの接触面積を大きくできないため、伝熱効果が悪く、また、組立性にも劣る。
【解決手段】 外装ケース7と発熱するCCD5との間に介在される伝熱ゴム104を設け、伝熱ゴム104は、外装ケース7の組立時にCCD5及び外装ケース7に密着される柔軟性と所定以上の熱伝導性とを有する。
【選択図】 図12
【解決手段】 外装ケース7と発熱するCCD5との間に介在される伝熱ゴム104を設け、伝熱ゴム104は、外装ケース7の組立時にCCD5及び外装ケース7に密着される柔軟性と所定以上の熱伝導性とを有する。
【選択図】 図12
Description
本発明は、外装ケース内に発熱部材(例えば、LSIやCCD等)が収納された電子機器に関し、特に、発熱部材の熱を外装ケースに逃がして発熱部材の温度上昇を抑えるようにした電子機器に関するものである。
従来の、この種の発熱部材が収納された電子機器としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、カメラ一体型ビデオテープレコーダに関するものが記載されている。
この特許文献1に記載されたカメラ一体型ビデオテープレコーダは、レンズ部、撮像部、レコーダ部をそれぞれ制御し、駆動するカメラ一体型ビデオテープレコーダであって、レンズ部と撮像部との間に熱伝導性の高い部材を介して熱電半導体素子が配設された、ことを特徴としている。
このような構成を有するカメラ一体型ビデオテープレコーダによれば、熱伝達材を介して、CCD素子とレンズ群との間に熱電半導体素子又は熱電半導体モジュールを配設して、所定のタイミングでCCD素子を冷却すると同時にレンズ群を温めることにより、様々な環境下においてもレンズのくもりもなく、画像の乱れのない一体型VTRを実現できる。
しかしながら、かかる電子機器においては、レンズ群を支持する熱伝導性に優れた鏡筒が熱電半導体素子を介して熱伝導部材に取り付けられ、同時に熱伝導部材にはCCD素子が取り付けられているが、従来の熱伝導部材は、一般に板状若しくはシート状の部材により形成されていた。そのため、熱伝導部材に取り付けられる部品が鏡筒のように円筒状をなしていたり、凹凸のある部品である場合には、互いに接触する面積を大きく取ることができないことから有効に使用することができず、本来の放熱効果を得ることができないという課題があった。
特開平7−15636号公報
解決しようとする問題点は、発熱部材と外装ケースの接合部が、円筒状をしていたり、凹凸の多い部品等である場合には、互いの接触面積を大きくできないため、伝熱効果が悪く、また、組立性にも劣ると言う点である。
本出願の請求項1に記載の発明は、外装ケース内に発熱部材が収納された電子機器において、外装ケースと発熱部材との間に介在される熱伝導部材を設け、熱伝導部材は、外装ケースの組立時に発熱部材及び外装ケースに密着される柔軟性と所定以上の熱伝導性とを有することを最も主要な特徴とする。
本出願の請求項2に記載の発明は、熱伝導部材は、伝熱性シリコンゴムからなることを特徴とする。
本出願の請求項3に記載の発明は、熱伝導部材は、外装ケースの分解時に外装ケース又は発熱部材のいずれか一方に残留される粘着性を有することを特徴とする。
また、本出願の請求項4に記載の発明は、熱伝導部材が密着される外装ケース又は発熱部材のいずれか一方の面は平面ではなくて、曲面であって凹凸のある面であり、外装ケース内面の形状に適合させたことを特徴とする。
本出願の請求項1に記載の発明によれば、外装ケースと発熱部材との間に、一方に密着される柔軟性と所定以上の熱伝導性を有する熱伝導部材を介在させて設ける構成としたため、外装ケースと発熱部材をピッタリと合わせることができると共に、組立・分解が容易であって簡単に仮固定することができ、放熱効率を十分に高めることができる。
本出願の請求項2に記載の発明によれば、熱伝導部材として伝熱性シリコンゴムを使用することにより、取り扱いが簡単であって、十分な伝熱効率を確保することができる。
本出願の請求項3に記載の発明によれば、熱伝導部材として所定の粘着性を有する材料を使用することにより、仮固定が可能であって、組立性・分解性の向上を図ることができる。
本出願の請求項4に記載の発明によれば、外装ケース及び発熱部材の少なくとも一方の接合面が平面ではなくて、曲面であって凹凸のある面であり、外装ケース内面の形状に適合させた場合においても、外装ケースと発熱部材の間を確実に密着させて、伝熱効率を高めることができる。
自由に成形できる放熱用シリコンゴム等の熱伝導部材を使用することにより、発熱部材と外装ケースをピッタリと密着させて放熱効率を高めることができると共に、仮固定が簡単にできて組立・分解時の作業性を向上させることができる。
図1〜図14は、本発明の実施の形態を示すものである。即ち、図1〜図4は本発明のディスク記録及び/又は再生装置の一実施例を示す撮像装置の図、図5は撮像装置の基板側パネルを取り除いた斜視図、図6は撮像装置の中央縦断面図、図7〜図9は撮像装置の仕切り壁とディスクドライブ装置の組立図、図10は仕切り壁の斜視図、図11はダクト部材の斜視図、図12〜図14は熱伝導部材の組立状態を示す説明図である。
図1等に示す撮像装置1は、ディスク記録及び/又は再生装置を備えた電子機器の一実施例を示すもので、情報記憶メディアであるディスク状記録媒体の一具体例としてDVD(Digital Versatile Disc)を使用し、光学的な画像をCCD(固体撮像素子)で電気的な信号に変換してDVDに記録したり液晶モニタ等の表示装置に表示できるようにしたもの(以下「ディスク式撮像装置」という。)である。しかしながら、本発明のディスク状記録媒体としてはDVDに限定されるものではなく、CD−ROMその他の記録可能な光学ディスクを用いることができることは勿論のこと、例えば光磁気ディスク、磁気ディスク等のように他の記録方式のディスク状記録媒体を適用できるものである。
このディスク式撮像装置1は、図1〜図6に示すように、着脱自在に装着されるDVD2を回転駆動して情報信号の記録(書き込み)及び再生(読み出し)を行うディスクドライブ装置3と、このディスクドライブ装置3の駆動制御等を行う制御回路が設けられたプリント基板4(4A,4B及び4C)と、被写体の像を光として取り込んでCCD5に導くレンズ装置6と、これらディスクドライブ装置3等が収納される外装ケース7と、この外装ケース7に回動自在に取り付けられてディスク収納部8を開閉可能に覆うことができるディスク蓋9と、外装ケース7の内部を2つの室に仕切る仕切り壁10と、この仕切り壁10の一面の略全体を覆う絶縁板11等を備えて構成されている。
外装ケース7は、ディスクドライブ装置3等を両側から挟むように組み合わされるディスク側パネル12及び基板側パネル13と、レンズ装置6の光軸方向の前後に配置されて両パネル12,13と組み合わされるフロントパネル14及びリアパネル15とからなり、これらによって中空の筐体が構成されている。レンズ装置6は外装ケース7の上部に固定されていて、その対物レンズ16がフロントパネル14の上部を前方に貫通して前面に露出されている。外装ケース7の内部において、レンズ装置6の後方にCCD5が配置されており、そのCCD5の後方にビューファインダ17が配置されている。
ビューファインダ17は外装ケース7の上部に露出されていて、前側を回動中心として後部を上下方向へ回動可能に構成されている。これによりビューファインダ17は、レンズ装置6の光軸と平行をなす水平状態から、後部を上方へ持ち上げた上向き状態まで所定角度範囲内で任意角度に角度調節可能とされている。更に、外装ケース7の上部には、ビデオライトや外付けマイクロホン等が着脱自在に装着されるアクセサリーシュー18がビューファインダ17の前側に取り付けられている。そして、フロントパネル14のレンズ装置6の下側にはステレオ方式のマイクロホン20が内蔵されている。
図2及び図4に示すように、外装ケース7のリアパネル15の略中央部には、電源バッテリー21が着脱自在に装着されるバッテリー収納部22が設けられている。バッテリー収納部22は外装ケース7の上面及び背面に開口されていて、電源バッテリー21は後方斜め上方から差し込み及び取り出し可能とされている。更に、リアパネル15には、吊り下げ用ストラップのための2個の取付金具25が設けられている。2個の取付金具25のうち、一方の取付金具25は右サイドの上部に配置され、他方の取付金具25は左サイドの下部に配置されている。
図3及び図4に示すように、外装ケース7の基板側パネル13には、表示装置27が姿勢変更可能に取り付けられている。表示装置27は、平板状の液晶モニタ28と、この液晶モニタ28が収納されたパネルケース29と、このパネルケース29を外装ケース7に対して姿勢変更可能に支持するパネル支持機構30とから構成されている。
パネル支持機構30は、垂直軸を回動中心としてパネルケース29を水平方向に略90度回動可能とした水平回動機能と、水平軸を回動中心としてパネルケース29を前後方向に略180度回動可能とした前後回動機能とを有している。これにより表示装置27は、図3に示す収納状態と、図4に示すパネルケース29を90度回動させて液晶モニタ28を後方へ対向させた状態と、図4の状態からパネルケース29を180度回動させて液晶モニタ28を前方へ対向させた状態とを選択的に取ることができる。
更に、基板側パネル13には、パネルケース29によって開閉自在に覆われる多数の操作ボタンからなる内側操作部32と、パネルケース29の上方に配された多数の操作ボタンからなる外側上操作部33と、パネルケース29の前方に配された複数の操作ボタンや操作ダイヤルからなる外側前操作部34が設けられている。図3等に示す符号35は、パネルケース29を閉じ状態でロックするパネルロック機構である。
図1に示すように、外装ケース7のディスク側パネル12には、ディスクドライブ装置3の一部を露出させるための開口部からなるディスク収納室8が設けられている。このディスク収納室8の略中央部にはディスクドライブ装置3のテーブル回転装置が配置され、その状態でディスクドライブ装置3が外装ケース7に支持されている。このディスク収納室8はディスク蓋9によって開閉可能に構成されている。
ディスク蓋9は、ディスク収納室8の形状に見合う形状とされていて、ディスク収納室8の平面側を覆う平面部9aと、この平面部9aの一部に連続してディスク収納室8の側面切欠き部を覆う側面部9bを有している。更に、ディスク蓋9の下端両側部には一対の軸受部9c,9cが設けられており、これらの軸受部9c,9cには支持軸38が回動自在に挿通されている。支持軸38の両端は各軸受部9cから外側に突出されていて、それらの突出端がディスク側パネル12に固定されている。これによりディスク蓋9が、支持軸38を介してディスク側パネル12に回動自在に支持されている。
また、支持軸38には捩りバネ39が装着されており、捩りバネ39の一端のバネ片はディスク蓋9に係止され、他端のバネ片はディスク側パネル12に係止されている。これによりディスク蓋9は、捩りバネ39のバネ力によってディスク収納室8を開放する方向に常時付勢されている。更に、ディスク蓋9とディスク側パネル12との間には、ディスク蓋9の開放量を制限するリンク機構40が掛け渡されている。リンク機構40は、ディスク蓋9に回動自在に支持された蓋側リンク41と、ディスク側パネル12に回動自在に支持されたパネル側リンク42とからなり、両リンク41,42の先端部は互いに回動自在に連結されている。
ディスク蓋9は、支持軸38から最も離れた部分に配設された蓋ロック装置44により、ディスク収納室8を閉じた状態においてロック可能に構成されている。この蓋ロック装置44は、ディスク蓋9に固定された図に表れないロック部材と、ディスク側パネル12に摺動可能に取り付けられた操作部材51及びスライド部材等を備えて構成されている。ロック部材にはロック爪が設けられている一方、スライド部材にはロック爪に係合可能な爪ストッパが設けられている。スライド部材の爪ストッパは、バネ部材のバネ力によってロック爪の移動軌跡上に配置されている。
かくして、ディスク蓋9をディスク側パネル12側に押し付けることにより、爪ストッパに係合されるロック爪がバネ部材のバネ力に抗してスライド部材を後退させる。その結果、爪ストッパがロック爪を乗り越え、爪ストッパとロック爪が互いに係合される。これにより、ディスク収納室8がディスク蓋9によって閉じられ、ディスク蓋9がディスク側パネル12にロックされる。このロックの解除は、バネ部材のバネ力に抗して操作部材51をロック解除方向へスライド動作させることによって行うことができる。
また、ディスク側パネル12には、ディスク蓋9を囲うようにハンドストラップ60が取り付けられている。ハンドストラップ60は、外装ケース7の把持部とされたディスク蓋9部分を把持するユーザーの手の部分を支えて、ディスク式撮像装置1の取り落とし等を防止するものである。
このハンドストラップ60は、両端がディスク側パネル12に固定された支持ベルト61と、この支持ベルト61に装着されてユーザーの手の甲部分に当接される保護パッド62から構成されている。支持ベルト61の一端はディスク側パネル12の前側下部に固定された取付金具63に固定され、他端はディスク側パネル12の後側中途部に設けた貫通穴から内側に挿入されて、その内部に設けられた取付金具に固定されている。
図2等に示すように、ディスク側パネル12の後側中途部には、電源スイッチ64と録画ボタン65とモード切換ダイヤル66が配置されている。そして、ディスク側パネル12の後側上部には、シャッタボタン67とズームレバー68が配置されている。ディスク側パネル12のズームレバー68と操作部材51の間には凹部12aが設定されていて、この凹部12a側に開口する排出口70が設けられている。排出口70は後述するダクトの一方の開口をなすものである。この排出口70に対応してディスク側パネル12の下部には、ダクトの他方の開口をなす吸入口71が設けられている(図6参照)。
このような構成を有する外装ケース7の材料としては、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)が好適であるが、その他のエンジニアリングプラスチックを適用できることは勿論のこと、合成樹脂以外のアルミニウム合金等の金属を用いることもできる。
図5及び図6に示すように、上述した外装ケース7の内部は仕切り壁10によって左右方向(レンズ装置6の光軸と交差する方向)に仕切られて、ディスクドライブ装置3側の第1の室72とプリント基板4側の第2の室73が設けられている。仕切り壁10は、図10に示すような形状を有しており、板状の部材で形成されていて、外装ケース7の内部にネジ等の固着手段によって締付固定されている。この仕切り壁10はフレームの役割をなすもので、一面側にはディスクドライブ装置3を支持するための支持突起74が複数個(本実施例では4個)設けられ、他面側にはプリント基板4等を支持するための支持片75が多数個設けられている。
更に、仕切り壁10には、重量を軽くするための開口部10aや切欠き10bが複数箇所に設けられている。仕切り壁10の材料としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)が好適であるが、スチール鋼、アルミニウム合金その他の金属を適用できることは勿論のこと、金属以外のエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。尚、開口部10a及び切欠き10bの大部分は、第1の室72と第2の室73間を仕切って熱が伝わり難い構造とするため、次に説明する絶縁板11によって塞がれている。
即ち、仕切り壁10の一面には、図5及び図7〜図9において格子模様で示すように、仕切り壁10の略全体を覆うように所定の形状及び構造を有する絶縁板11が重ね合わされて一体的に構成されている。更に、第1の室72に配置されるディスクドライブ装置3と第2の室73に配置されるプリント基板4を電気的に接続するため絶縁板11には、フレキシブル配線板が挿通される連通穴76が設けられている。
絶縁板11を仕切り壁10に固定する手段としては、例えば、固定ネジを複数個使用してネジ止めする方法が好適であるが、その他にも接着剤による接合、ビス止めによる固定等のように各種の固着手段を用いることができる。絶縁板11の材料としては、例えば、軽くて断熱性に優れたABSが好適であるが、他のエンジニアリングプラスチックを適用できることは勿論のこと、セラミックやニューセラミック等を用いることもできる。図6に示すように、仕切り壁10の絶縁板11が重ね合わされた面には、弾性体からなるインシュレータ77を介してディスクドライブ装置3が弾性的に支持されている。インシュレータ77は、円筒状に形成されたゴム状弾性体からなり、その外周面の軸方向中途部には周方向に連続する環状溝77aが設けられている。
このインシュレータ77の所定個数(本実施例では4個)が、ディスクドライブ装置3の導体からなるメカシャーシ80の4箇所のインシュレータ受け部80aやインシュレータ受け片80bに設けた切欠き穴に、それぞれ環状溝77aを嵌合させることによって装着されている。そして、これら4個のインシュレータ77が、仕切り壁10の一面に突設された4個の支持ピン74にそれぞれ嵌合されている。各支持ピン74は、インシュレータ77と同程度の直径を有する支持部74aと、この支持部74aの中央部に突出された突起部74bとからなり、仕切り壁10にそれぞれカシメ等の固着手段により固定されている。
この支持ピン74の突起部74bにインシュレータ77の中央穴を嵌合することにより、4個のインシュレータ77が支持ピン74にそれぞれ装着されている。そして、各支持ピン74の突起部74b先端に螺合される取付ネジ78により、それぞれのインシュレータ77の脱落が防止されている。このようなインシュレータ77を介して仕切り壁10に弾性支持されたメカシャーシ80は、十分に大きな強度を有する枠状の部材によって構成されている。そして、仕切り壁10とメカシャーシ80は、電気の導電性に優れた図示しないアース部材によって互いに導通されている。
また、メカシャーシ80には、図6及び図7に示すように、DVD2が着脱自在に装着されるテーブル回転装置82と、ピックアップ装置の一具体例を示す光学ピックアップ装置86が搭載されている。テーブル回転装置82は、メカシャーシ80に固定されたスピンドルモータ83と、このスピンドルモータ83の回転部に固定されたターンテーブル84から構成されている。
ターンテーブル84は、DVD2のセンタ穴2aが嵌合される嵌合部84aと、センタ穴2aの周縁部が載置される載置部84bとからなっている。更に、嵌合部84aには、DVD2のセンタ穴2aの周縁部に係合してDVD2を保持する複数個の係合爪85aが周方向に等間隔あけて配置されている。各係合爪85aはスプリング85bによって半径方向外側へ付勢されており、このスプリング85bのバネ力に抗して係合爪85aを後退させることにより、嵌合部84aに対するDVD2の装着動作及び離脱動作が可能となる。尚、載置部84bの面は、メカシャーシ80の面と平行に設定されている。
また、光学ピックアップ装置86は、DVD2の情報記録面に対向されるピックアップレンズ87を有する二軸アクチュエータ88と、この二軸アクチュエータ88が搭載されたスライド部材89等を備えて構成されている。スライド部材89は、図に表れない2本のガイド軸にガイドされて移動可能とされている。2本のガイド軸は、スピンドルモータ83を挟んで互いに平行とされており、一方のガイド軸の近傍にピックアップ移動装置90が設けられている。
図7に示すように、ピックアップ移動装置90は、スライド部材89に固定された図示しない送りナットに係合される送りネジ軸91と、この送りネジ軸91を回転軸とした送りモータ92とから構成されている。送りネジ軸91は、光学ピックアップ装置86のガイド軸と平行に設定されて、メカシャーシ80に回転自在に支持されている。かくして、送りモータ92を回転駆動することにより、送りネジ軸91の回転方向に応じて光学ピックアップ装置86がターンテーブル84に近づく方向とターンテーブル84から離れる方向とに選択的に移動される。
前記メカシャーシ80とテーブル回転装置82と光学ピックアップ装置86とピックアップ移動装置90とによってディスクドライブ装置3が構成されている。このディスクドライブ装置3の上面は、ターンテーブル84と光学ピックアップ装置86のための所定領域と送りモータ92の部分を除く大部分が防護カバー93によって覆われている。
このような構成を有するディスクドライブ装置3が、図5に示すように仕切り壁10を外装ケース7内の所定位置に取り付けることにより、外装ケース7内を左右方向に仕切る仕切り壁10を介して第1の室72内の所定位置に位置決めされている。このとき、ディスクドライブ装置3のターンテーブル84とその周辺部分がディスク側パネル12のディスク収納室8に臨まれ、ディスク蓋9に対向されている。そして、図6に示すように、ディスクドライブ装置3と仕切り壁10又は絶縁板11との間には、空気層からなる断熱隙間100Aが設定されていて、仕切り壁10からの熱がディスクドライブ装置3に伝わり難い構造とされている。
仕切り壁10の絶縁板11と反対側の面の前後方向中途部には、前後方向と交差する上下方向に延在されたダクト部材95がネジ止め等の固着手段によって固定されている。ダクト部材95は、外装ケース7の略中央部において上下方向に貫通する流体の通路(ダクト)を設定するもので、仕切り壁10との間に流体通路96が形成されている。
ダクト部材95は、図11に示すように前後方向に偏倚されたクランク形状とされていて、上端には偏移部95aと膨出部95bと台座部95cが設けられている。ダクト部材95の下端にはディスク側パネル12の下面に設けた吸入口71に連通される下端開口部96bが形成され、偏移部95aにはディスク側パネル12の上面に設けた排出口70に連通される上端開口部96aが形成されている。
図に表れないが、ダクト部材95の偏移部95aにつながる部分には隔壁が設けられており、その隔壁により排出口70から上端開口部96aを経て流体通路96内に入り込むことがある雨水を下端開口部96b側に導くようにしている。図5及び図6に示すように、ダクト部材95の台座部95cには、流体通路96に外気(空気)を強制的に流すファン97が弾性体からなるインシュレータを介して取付ネジ97aによる固着手段により締付固定されている。この台座部95cには外部に開口された第1の開口部98aが設けられ、また、偏移部95aに続く膨出部95bには台座部95c側に開口する第2の開口部98bが設けられている。
ダクト部材95の第1の開口部98aはファン97の吸気口に対向されていると共に、第2の開口部98bはファン97の吐出口に対向されている。これにより、ファン97を回転駆動すると、流体通路96の下端開口部96bに負圧が作用し、外気の冷たい空気が外装ケース7の下面に開口された吸入口71から下端開口部96bを経て流体通路96内に導入される。そして、第1の開口部98aからファン97の吸気口内に入り込み、その空気がファン97の吐出口から第2の開口部98bを経て上端開口部96aに吐出される。更に、上端開口部96aに吐出された空気が、外装ケース7の上面に開口された排出口70から外部に排出される。
このような構成を有するダクト部材95には、これを仕切り壁10に固定するために取付ネジが挿入される取付片95dが複数個設けられている。ダクト部材95の材料としては、例えば、熱伝導性に優れたアルミニウム合金その他の金属が好適であるが、熱伝導性を有するエンジニアリングプラスチック等を用いることもできる。
かくして、外装ケース7の略中央部にはダクト部材95によって形成される流体通路96が上下方向へ貫通するように設けられているため、この流体通路96を用いて外装ケース7内の熱を外部に放熱することができる。そのため、ディスクドライブ装置3のスピンドルモータ83や二軸アクチュエータ88等の温度が必要以上に高くなるのを防止することができ、これにより、温度上昇によるスピンドルモータ83等の回転不良や誤作動の発生を防ぐことができる。しかも、流体通路96内にはファン97が配設されており、このファン97を駆動することによって流体通路96内に外気を強制的に流通させ、内部装置の冷却効率を高めることができる。
その一方、排出口70がディスク側パネル12の上面に開口されているため、例えば、雨天時の野外撮影等においては、雨水が排出口70から流体通路96内に入り込むことがある。かかる場合にも、流体通路96内に入り込んだ雨水は、隔壁によって形成された排水路から下端開口部96b側に導かれる。しかも、ファン97の吸気口は、排水路と離れた膨出部95bの側面に設けられた第1の開口部98aに対向されているため、上端開口部96a内に入り込んだ雨水がファン97の吸気口内に流れ込むことがない。そのため、ファン97が雨水に接触して錆付くという不具合の発生を防止することができる。
また、図6に示すように、外装ケース7の第2の室73内には、複数枚のプリント基板4(図6には3枚のプリント基板4A,4B,4Cを示している。)が配設されている。3枚のプリント基板4A,4B,4Cは互いに適当な隙間をあけて層状に配置されており、隣り合うプリント基板間、及びプリント基板と仕切り壁10又は基板側パネル13との間には空気層からなる断熱隙間100B,100C,100D及び100Eが設定されている。
例えば、第1のプリント基板4Aは、仕切り壁10に立設された複数の支持片75の先端に取付ネジ99aによって締付固定されており、これにより仕切り壁10との間に断熱隙間100Bが設定されている。第2のプリント基板4Bは、基板側パネル13の内面に固定された複数のブラケット101に取付ネジ99bによって締付固定されていて、これにより第1のプリント基板4Aとの間に断熱隙間100Cが設定されている。
更に、第3のプリント基板4Cは、基板側パネル13に設けられた支持突起13aに取付ネジ99cによって締付固定されている。これにより、第3のプリント基板4Cと第2のプリント基板4Bとの間には断熱隙間100Dが設定され、第3のプリント基板4Cと基板側パネル13との間には断熱隙間100Eが設定されている。
第1のプリント基板4Aに実装された電子部品102(例えば、動作時における発熱の激しいLSIやマイクロプロセッサ等)とダクト部材95との間には、熱伝導性に優れた熱伝導成形体からなる伝熱ゴム104Aが介在されている。また、ダクト部材95の膨出部95bの上面には、熱伝導性に優れた放熱板105が取付ネジ106aによって締付固定されている。この放熱板105と第1のプリント基板4Aとの間には伝熱ゴム104Bが介在され、放熱板105と第2のプリント基板4Bとの間には伝熱ゴム104Cが介在されている。
伝熱ゴム104A,104B及び104Cとしては、例えば、北川工業株式会社製の「クールプロバイド」を挙げることができる。このクールプロバイドは、熱伝導性を有するシリコーンゲルの成形体からなるもので、優れた柔軟性を有しており、様々な形状に容易に成形することができる。クールプロバイドの特長としては、例えば、次のような事項を挙げることができる。クールプロバイドの色は目視にて「グリーン」、熱伝導率は試験方法(QTM法)で2(W/m・K)、比重は1.92、硬度(ASKERC)はJISK6253で20であり、難燃性を有していて試験方法UL94で測定値はV−1であった。更に、クールプロバイドはタック性(物体に貼り付く、又は物体を貼り付ける性質)を有しており、ある程度の重量の物体、部品であれば、ネジ等の固着手段を用いることなく、表面部分の接着力だけで部品等を仮固定することができる。
このような性質を有する伝熱ゴム104において、伝熱ゴム104Aの一面がダクト部材95の表面に接着され、その他面が第1のプリント基板4Aの一面に接着されている。第1のプリント基板4Aの他面には伝熱ゴム104Bの一面が接着され、その他面には放熱板105の一面が接着されている。そして、放熱板105の他面には伝熱ゴム104Cの一面が接着され、その他面には第2のプリント基板4Bの一面が接着されている。尚、第3のプリント基板4Cには伝熱ゴム104が用いられていないが、その理由は、発熱の著しい電子部品が第3のプリント基板4Cには実装されていないためである。
このような構成としたことにより、実装されている電子部品等の動作によって第1のプリント基板4Aが発熱すると、一方では電子部品102から伝熱ゴム104Aを介してダクト部材95に熱が伝導され、他方では伝熱ゴム104B及び放熱板105を介してダクト部材95に熱が伝導される。また、電子部品等の動作によって第2のプリント基板4Bが発熱すると、伝熱ゴム104C及び放熱板105を介してダクト部材95に熱が伝導される。その結果、伝熱ゴム104及び放熱板105のいずれもが熱を良く伝達する導体で形成されているため、第1のプリント基板4A及び第2のプリント基板4Bの熱を効率良くダクト部材95に伝導することができる。
更に、ダクト部材95が熱の導体で形成されているばかりでなく、その内部には流体通路96が形成されていて、その流体通路96内にはファン97が設けられているため、ファン97を駆動して流体通路96内に外気を流通させることによりダクト部材95の熱を奪って冷却することができる。そのため、伝熱ゴム104、放熱板105及びダクト部材95を介して第1及び第2のプリント基板4A及び4Bの熱を効率良く外部に放出し、第2の室73内の温度が必要以上に高くなるのを防ぐことができる。
また、図5に示すように、外装ケース7の第2の室73内には、対物レンズ16を外装ケース7外に露出させた状態でレンズ装置6が収納されている。レンズ装置6は、対物レンズ16を含む複数枚のレンズが収納されたレンズ鏡筒110を備えており、このレンズ鏡筒110の背面の光軸上にCCD5が配置されている。図5に示す符号111は、レンズ鏡筒110の上面、一方の側面及び背面を囲う放熱板である。この放熱板111は、レンズ装置6やCCD5等の発熱を抑制してレンズ装置6やCCD5のスムースな動作を確保するためのものである。
図12〜図14に示すように、放熱板111は、上面部111aと側面部111bと背面部111cとを有しており、図示しない取付ネジ等の固着手段によってレンズ鏡筒110に固定されている。放熱板111の上面部111a及び側面部111bの各内面にレンズ鏡筒110の外面が接触され、背面部111cの前面にCCD5が固定されている。レンズ装置6等の発熱源としては、例えば、その動作に伴って発熱するズームレンズ用モータやCCD5、LSI等の電子部品等を挙げることができる。放熱板111の材料としては、例えば、熱の導体である銅板が好適であるが、他の金属を用いることができることは勿論のこと、熱の導体であればエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。
放熱板111と基板側パネル13との間には、熱伝導性に優れた熱伝導成形体からなる伝熱ゴム(伝熱性シリコンゴム)130が介在されている。伝熱ゴム130は、前述した伝熱ゴム104と同じものであり、放熱板111と基板側パネル13間の所定範囲内において隙間なく充填されている。即ち、伝熱ゴム130は、放熱板111の側面部111bの略全体に山盛りとなるよう盛り上げられており、その状態で基板側パネル13に組み立てることにより、伝熱ゴム130の表面全体が基板側パネル13の内面に満遍なく密着するようになされている。
その結果、伝熱ゴム130の表面には、基板側パネル13に固定された金属製のエンブレム131の固定用突起131aの先端が係合されることによって形成される凹欠部132が設けられている。ここで、基板側パネル13に金属製のエンブレム131を設けた理由は、次のようなものである。一般に、この種の電子機器に使用される外装ケースの材料は、絶縁性のプラスチックが主流であり、この実施例においても同様である。そのため、伝熱ゴム130が放熱板111から奪った熱を基板側パネル13側に流す必要があり、そのための導体としてエンブレム131を使用しているのである。従って、基板側パネル13自体が導体である場合には、エンブレム131は設ける必要がないものである。図12に示す符号133は、アクセサリーシュー18を収容するための嵌合凹部である。
また、放熱板111の上面部111aの先端には、放熱板111の熱をフロントパネル14側に直接逃がすための放熱片134が設けられている。この放熱片134は、フロントパネル14に設けられた金属部(例えば、レンズ装置6のフィルタネジ部など)135に接触させて、外装ケース7から放熱することを目的とするものである。そのため、金属部135には舌片135aが設けられていて、この舌片135aに放熱片134が接触するように構成されている。
このような構成としたことにより、本発明では、自由に成形できる伝熱ゴム130を使用してレンズ装置6に組み立てられた発熱部材であるCCD5と基板側パネル13を接続し、また、プリント基板4に搭載された電子部品102(LSI等)とダクト部材95を伝熱ゴム104Aで接続する構成としたため、これら伝熱ゴム130,104A等を使用してCCD5や電子部品102の熱を外装ケース7に逃がすことができる。特に、伝熱ゴム130,104A等は、成形することが容易であって自由に形状を変えることができ、接続する部材の外形にピッタリと合わせて成形できるという性質を有している。
しかも、伝熱ゴム130,104A等は、ある程度の粘着性を有するため、ネジ等の固着手段を用いることなく、それ自体の粘着力によって放熱板111又は外装ケース7に簡単に仮固定することができる。従って、組立・分解時において、工具を必要とすることなく作業を行うことができると共に、何度でも使用することができる。更に、接続する部材の材料の如何を問うことなく、プラスチック成形体であっても確実に接着させて、十分に放熱させることができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、DVDを記録媒体として用いたディスク式撮像装置に適用した例について説明したが、光磁気ディスクや磁気ディスク等の他の記録方式のディスク状記録媒体を用いることができることは勿論である。また、前記実施例では、ディスク記録及び/又は再生装置として再生のみならず、記録も可能な装置に適用したが、再生専用のディスク再生装置や、記録専用のディスク記録装置に適用できることは勿論である。更に、例えば、カメラ一体型VTR、電子スチルカメラ、電子辞書、パーソナルコンピュータその他各種の電子機器に適用することができる。
1…ディスク撮像装置(ディスク記録及び/又は再生装置)、 2…DVD(ディスク状記録媒体)、 3…ディスクドライブ装置、 4A,4B,4C…プリント基板、 5…CCD(固体撮像素子)、 6…レンズ装置、 7…外装ケース、 8…ディスク収納室、 9…ディスク蓋、 10…仕切り壁、 12…ディスク側パネル、 13…基板側パネル、 27…表示装置、 28…液晶モニタ、 35…パネルロック機構、 50…蓋ロック装置、 72…第1の室、 73…第2の室、 80…メカシャーシ、 82…テーブル回転装置、 84…ターンテーブル、 86…光学ピックアップ装置、 90…ピックアップ移動装置、 95…ダクト部材、 96…流体通路、 104,130…伝熱ゴム(伝熱性シリコンゴム)、 105,111…放熱板、 131…エンブレム、 135…フィルタネジ部
Claims (4)
- 外装ケース内に発熱部材が収納された電子機器において、
前記外装ケースと前記発熱部材との間に介在される熱伝導部材を設け、
前記熱伝導部材は、前記外装ケースの組立時に前記発熱部材及び前記外装ケースに密着される柔軟性と所定以上の熱伝導性とを有することを特徴とする電子機器。 - 前記熱伝導部材は、伝熱性シリコンゴムからなることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 前記熱伝導部材は、前記外装ケースの分解時に当該外装ケース又は前記発熱部材のいずれか一方に残留される粘着性を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 前記熱伝導部材が密着される前記外装ケース又は前記発熱部材のいずれか一方の面は平面ではなくて、曲面であって凹凸のある面であり、外装ケース内面の形状に適合させたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
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2003
- 2003-08-08 JP JP2003290715A patent/JP2005064146A/ja active Pending
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