図1〜図19は、本発明の実施の形態の例を示すものである。即ち、図1〜図7は本発明の防水型電子機器の第1実施例を示すディスク式防水型撮像装置であり、図1は正面図、図2は底面図、図3は平面図、図4は背面図、図5は左側面図、図6は右側面図、図7は外観斜視図である。図8は本発明に係るディスク式防水型撮像装置のバックルを開いて正面側から見た斜視図、図9は同じくディスク蓋体とバックルを共に開いてディスク蓋体側から見た斜視図、図10はセンタ枠体とレンズ側外装体と電子機器本体を分解した斜視図である。
また、図11はセンタ枠体にバッテリーホルダを取り付けた斜視図、図12はバッテリーホルダの平面図、図13は同じく斜視図、図14はバッテリー収納部の断面図、図15はディスク式防水型撮像装置の中央部を断面した概略説明図、図16は同じく使用状態を示す説明図、図17は本発明の防水型電子機器の第2実施例を示すディスク式防水型撮像装置の斜視図、図18は同じくバックルを開いた斜視図、図19は同じくディスク蓋体を開いた斜視図である。
図1〜図9に示すディスク式防水型撮像装置1は、情報記憶メディアとしてディスク状記録媒体の一具体例を示すDVD−R(Digital Video Disc−Recordable)を使用し、光学的な画像をCCD(固体撮像素子)で電気的な信号に変換してDVD−Rに記録したり、液晶ディスプレイ等の平面モニタからなる表示装置に表示できるようにしたもの(以下「ディスク式撮像装置」という。)である。しかしながら、本発明の防水型撮像装置に係る情報記憶メディアとしては、DVD−Rに限定されるものではなく、DVD−RWその他の記録可能な光学ディスクは勿論のこと、光磁気ディスク、磁気ディスク等のように他の記録方式のディスク状記録媒体を用いることができると共に、他の形式の記録媒体、例えば、磁気テープ、半導体記録媒体等も用いることができるものである。
このディスク式防水型撮像装置1は、図1〜図9に示すように、複数の開閉可能な蓋体が取り付けられる電子機器本体の一具体例を示す撮像装置本体2と、着脱自在に装着されるDVD−Rを回転駆動して情報信号の記録(書き込み)及び再生(読み出し)を行うディスクドライブ装置3と、このディスクドライブ装置3の駆動制御等を行う制御回路等が設けられた図示しない制御装置と、被写体の像を光として取り込んで撮像手段としてのCCDに導くレンズ装置5と、そのCCDら出力される映像信号に基づき映像を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置からなる平面モニタを有するタッチパネル装置7と、CCDから出力される映像信号を一時的に記憶する図示しない記憶装置等を備えて構成されている。これらディスクドライブ装置3とレンズ装置5とタッチパネル装置7等は、すべて撮像装置本体2内に収納されている。
図1〜図9に示すように、撮像装置本体2は、中央部に配置されたセンタ枠体10と、このセンタ枠体10の一面側を覆うレンズ側外装体11と、このレンズ側外装体11に設けた開口部17を開閉可能に覆うバックル12と、ディスク蓋体13とから構成されている。このセンタ枠体10のレンズ側外装体11と反対側は、ディスク状記録媒体が着脱自在に装着されるディスク装着部47とされており、そのディスク装着部47は、センタ枠体10に回動自在に取り付けられた蓋体の一具体例を示すディスク蓋体13によって開閉可能に覆われている。
センタ枠体10は、平面形状が略馬蹄形をなしており、略U字状をなす曲線枠部16と、その曲線枠部16の開口側を略直線状に連結する横桟部15とを有する枠体からなっている。このセンタ枠体10は、ディスクドライブ装置3等を収納できる高さを有しているが、横桟部15側が高く設定されており、その反対側である曲線枠部16の高さは、中央に至るに伴って逐次的に低くなるように勾配を有する形状とされている。このセンタ枠体10内に、ディスクドライブ装置3や制御装置その他の装置及び機器が配置されている。このセンタ枠体10のディスク蓋体13と反対側の面に、レンズ側外装体11が複数個の固定ネジによってネジ止めされて固定されている。
レンズ側外装体11の横桟部15側には、横方向に延在された前枠部11dと、前後方向に延在された左右の横枠部11e,11fとが設けられており、これにより開口部17が大きく開口されて設けられている。レンズ側外装体11の組立時、前枠部11dはセンタ枠体10の横桟部15に重ね合わされ、左右の横枠部11e,11fは曲線枠部16の横桟部15側に重ね合わされ、センタ枠体10の横桟部15側に開口部17が開口されている。この開口部17がバックル12によって開閉自在とされており、そのバックル12は、センタ枠体10に回動自在に支持された一対のヒンジアーム23,23によって回動自在に支持されている。
この一対のヒンジアーム23,23の回動動作によってバックル12が、図7に示す閉鎖位置若しくは図8に示す開放位置、又はこれら閉鎖位置から開放位置までの間の任意の位置で停止可能に構成されている。また、バックル12の内面の外周縁には、その全周に亘ってシール部材24が取り付けられている。このシール部材24は、バックル12と撮像装置本体2との間の液密性を確保し、バックル12内部の防水(若しくは防滴)構造を実現するものである。シール部材24は、例えば、2色成形によってバックル12と一体に形成しても良く、また、紐状のシール部材を接着剤でバックル12に一体的に固定する構成としてもよい。
このバックル12は、バッテリー収納部18を有する開口部17を開閉する蓋体としての機能の他に、ディスク蓋体13を閉じた位置に強く締め付けて固定する締結具の機能も兼ね備えている。そのため、バックル12の先端側の略中央部には、回動自在に支持されたローラ30を有する締結具29が設けられている。これに対応させて、ディスク蓋体13の先端側の略中央部には、ローラ30が着脱自在に係合される係合突起31が設けられている。この係合突起31にローラ30を乗り越えさせて締結具29を係合することにより、ディスク蓋体13をバックル12で強固に締め付けて閉じた位置に保持することができる。
この締め付け動作と逆動作を締結具29に加え、ディスク蓋体13の係合突起31から離れる方向にローラ30を回動させてその係合状態を解除することにより、バックル12を開放して開口部17を開口させることができる。この開口部17内にはバッテリー収納部18と3つの操作手段が配置されており、これらがバックル12によって閉塞又は開放可能とされている。3つの操作手段は、記録手段によるディスク状記録媒体への記録動作を停止させる第1の操作手段である記録停止スイッチ21と、第2の操作手段であるスライドツマミ22と、何らかのトラブルによって起動停止されたディスク式防水型撮像装置1を再起動させるための再起動スイッチ27である。
かくして、バックル12が図7に示す閉じた位置にあるときには、開口部17がバックル12によって閉じられるため、バッテリー収納部18と3つの操作手段とが共に覆い隠される。しかも、バックル12の内面の外周縁に設けたシール部材24が全周に亘ってレンズ側外装体11に液密に密着されるため、その接触部から撮像装置本体2の内部に埃やゴミ等が入り込むのを防止できることは勿論のこと、水や水分等の液体が入り込むことをも確実に防止することができる。
一方、バックル12が、図8に示す開放位置にあるときには、バッテリー収納部18と記録停止スイッチ21とスライドツマミ22と再起動スイッチ27とがそれぞれ露出される。そのため、バックル12の開放状態では、バッテリー収納部18から電源の一具体例を示すバッテリー28を取り出したり、そのバッテリー収納部18に新たなバッテリー28を装着したりすることができる。また、バックル12が開放位置にあるときにのみ記録停止スイッチ21とスライドツマミ22と再起動スイッチ27とが操作可能な状態となるため、バックル12が開放される前にスライドツマミ22が誤って操作されたり、所定の情報信号が記録される前に誤ってディスク蓋体13が開放されて、記録漏れ等の不具合が発生するのを防止することができる。
バッテリー収納部18は、図12及び図13に示すバッテリーホルダ19によって構成されている。バッテリーホルダ19は、上面と前面に開口された長方形の筐体からなり、底面部19aと背面部19bと左右の側面部19c,19dとが設けられている。バッテリーホルダ19の底面部19aには、これを貫通する長方形の開口穴93が設けられている。更に、底面部19aと左右の側面部19c,19dとが交わる角部には、それぞれ通気用の通気口94a,94bが設けられている。そして、背面部19bには端子部19eが設けられている。この端子部19eには、バッテリー28の端子部に接続される本体側の接続端子89が取り付けられる(図11を参照)。
更に、バッテリーホルダ19の左側面部19cの前部には、記録停止スイッチ21を保持するスイッチ受け台95が設けられている。また、バッテリーホルダ19の右側面部19dには、外側に突出するセンサ受部96が設けられている。このセンサ受部96には、図示しない結露センサ(結露感知装置)が取り付けられる。このような底面部19aと背面部19bと左右の側面部19c,19dとで囲まれたバッテリーホルダ19の領域によってバッテリー収納部18が構成されている。
このような構成を有するバッテリーホルダ19は、図11に示すような状態でセンタ枠体10に取り付けられている。即ち、バッテリーホルダ19は、前面をセンタ枠体10の横桟部15に揃えるようにして複数の固定ネジで締め付け固定されている。図14は、バッテリーホルダ19によって構成されるバッテリー収納部18を、横桟部15が延びる方向に断面して示すもので、バッテリーホルダ19とプリント配線基板161との位置関係を示す説明図である。
一般に、電子機器を小型化しようとするとき、装置本体の使用時における温度上昇が問題となるが、その主な要因としては、バッテリー自体の発熱の他に、多数の電子機器が搭載される大型のプリント配線基板の発熱がある。そのため、バッテリーと大型のプリント配線基板を近くに配置すると、それぞれの温度上昇が高くなるという問題がある。そのため、従来では、バッテリーとメインとなるプリント配線基板とは、ある程度離して配置しなければならないことから、設計に際して構造上の制限が加えられており、電子機器の小型化が困難になっていた。
このような問題点は、図14に示すような構造とすることにより、装置の大型化を招くことなく解決することが可能である。即ち、多量に熱を発生するプリント配線基板161とバッテリー18との間に、熱の伝導性の高い薄い金属製の放熱板(例えば、アルミニウム合金板、ステンレス板等)163を配置するようにする。プリント配線基板161に対して薄い金属の放熱板163を配置し、その放熱板163の上にバッテリーホルダ19を配置し、そのバッテリーホルダ19にバッテリー18を収納する。
このとき、バッテリーホルダ19の一部を空洞(この実施例では開口穴93)にし、その空洞部である開口穴93の下部に位置するように、放熱板163に放熱部163aを設ける。この放熱部163aによってその上下にそれぞれ空間部164,165を形成する。このように、放熱板163に放熱部163aを設け、その放熱部163aをバッテリーホルダ19の開口穴(空洞部)93内に挿入し、その放熱部163aの上下にそれぞれ空間部164,165を設けることにより、多量に熱を発生するプリント配線基板161からの熱をバッテリー18に伝えることなく(伝え難くして)、その放熱板163を介して放熱することが可能となる。その結果、プリント配線基板161とバッテリー18とを電子機器の内部で効率の良い配置をすることが可能になる。
また、バッテリーホルダ19は、図15に概略構成を示すように、撮像装置本体2の内部空間を、ディスク装着部47を有する第1の室97と、バックル12によって液密に閉じられる開口部17を有する第2の室98とに仕切る仕切り部材の一具体例を示している。第1の室97と第2の室98は、バッテリーホルダ19の左右両側に設けた通気口94a,94bによって連通され、これらの通気口94a,94bを介して第1の室97と第2の室98との間に空気が循環されるようになっている。
図9に示すように、ディスクドライブ装置3は、メカデッキ35とテーブル回転装置36と光学ピックアップ装置37とピックアップ移動装置等を備えて構成されている。メカデッキ35は、DVD−Rと略同程度の大きさを有する枠状の部材からなり、図示しない複数個のマウント部材を介してセンタ枠体10に弾性的に支持されている。このメカデッキ35の中央から一方へ偏倚した位置に、テーブル回転装置36が搭載されている。テーブル回転装置36は、メカデッキ35に固定されたスピンドルモータ40と、このスピンドルモータ40の回転部に固定されたターンテーブル41等から構成されている。
ターンテーブル41は、DVD−Rの中心孔が嵌合されるディスク嵌合部41aと、その中心孔の周縁部が載置されるディスク載置部41bとからなっている。更に、嵌合部41aには、DVD−Rの中心孔の周縁部に係合してDVD−Rを保持する複数個のクランプ爪42(本実施例では3個)が周方向に等間隔あけて設けられている。各クランプ爪42は、それぞれコイルバネによって半径方向外側へ付勢されている。このコイルバネのバネ力によるクランプ爪42の保持力により、DVD−Rがターンテーブル41の中央にセンタリングされて、一定の保持力で保持される。このコイルバネのバネ力に抗してクランプ爪42を後退させることにより、ターンテーブル41に対するDVD−Rの装着動作及び離脱動作が可能となる。
光学ピックアップ装置37は、DVD−Rの情報記録面に対向されるピックアップレンズ44を有する二軸アクチュエータと、この二軸アクチュエータが搭載されたスライド部材45等を備えて構成されている。スライド部材45は、図に表れないピックアップ移動装置によって往復移動自在とされていて、ターンテーブル41に対して接近及び離反可能に構成されている。ピックアップ移動装置は、互いに平行に配置された2本のガイド軸と、これらガイド軸と平行に設けられた送りネジ軸と、この送りネジ軸を回転駆動する送りモータ等から構成されている。
ピックアップ移動装置の2本のガイド軸は、スピンドルモータ40を両側から挟んでディスク式撮像装置1の前後方向に延在されている。この2本のガイド軸にスライド部材45が摺動可能に保持されており、そのスライド部材45に取り付けられたナット部材が送りネジ軸のネジ部に係合されている。かくして、ピックアップ移動装置の送りモータを回転駆動することにより、送りネジ軸の回転方向に応じて光学ピックアップ装置37が、ターンテーブル41に近づく方向とそのターンテーブル41から離れる方向とに選択的に移動される。
このような構成を有するディスクドライブ装置3が、ターンテーブル41をディスク蓋体13側に配した状態でセンタ枠体10に取り付けられている。このディスクドライブ装置3のターンテーブル41側に、DVD−R等のディスク状記録媒体が着脱可能に装着されるディスク装着部47が設定されている。更に、撮像装置本体2内のディスクドライブ装置3の奥にはレンズ装置用の空間部が設定されており、その空間部内にレンズ装置5が配設されている。
図4及び図9に示すように、ディスク蓋体13には、円形に盛り上げられた膨出部13aが設けられている。この膨出部13aは、ターンテーブル41に装着されるディスク状記録媒体(例えば、直径が8cmのDVD−R等)の大きさに見合う大きさとされている。このディスク蓋体13の膨出部13aの略中央部には長方形をなす開口窓48が設けられており、その開口窓48には表示手段を備えたタッチパネル装置7が取り付けられている。
タッチパネル装置7は、タッチパネルと表示パネルとバックライトパネルとホルダと押え板等を備えて構成されている。タッチパネルの一面に表示パネルが接着剤によって接着され、その表示パネルの他面にバックライトパネルが配置されている。表示パネルとバックライトパネルの周囲は、四角形の枠体からなるスペーサによって囲われており、このスペーサがタッチパネルとバックライトパネルで挟持されていて、これにより、全体で1つの組立体をなすタッチパネル装置7が構成されている。表示パネルとしては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やEL(Electroluminescence)パネル等の平面モニタが好適である。
更に、ディスク蓋体13の膨出部13aのタッチパネル装置7の下部には、電源をオン・オフ等するための切換スイッチ50等が配設されている。切換スイッチ50は、円弧状にスライド可能とされていると共に、所定位置において押圧操作可能に構成されている。即ち、切換スイッチ50は、スライド操作によって電源のオン・オフが切り換えられると共に、その電源のオン位置において押圧操作することにより、撮影モード(例えば、静止画撮影、動作撮影、再生表示等)の切り換えが可能とされている。ディスク蓋体13の膨出部13aより外側の右上部には、撮像装置本体2を把持するための把持部52の一部を構成する第1の指掛け部52aが設けられている。この第1の指掛け部52aには、右手の親指が当接される。
図3及び図9に示すように、センタ枠体10の曲線枠部16における横桟部15側の一方の端部には、撮影の開始と終了を実行する録画ボタン54と、一対のズームボタンが配置されている。一対のズームボタンは、レンズ装置5をワイド(広角)側に移動させるワイドボタン55と、レンズ装置5をテレ(望遠)側に移動させるテレボタン56とから構成されている。ワイドボタン55とテレボタン56は、所定の範囲内においてそれぞれのボタンを押し続ける間だけ画面の拡大又は縮小が連続して実行され、それぞれの終端においてワイド側又はテレ側への移動が停止されるようになっている。
図2及び図7に示すように、センタ枠体10の曲線枠部16における横桟部15側の他方の端部には、このディスク式防水型撮像装置1を、図示しない三脚に取り付けるための三脚用固定金具58が埋め込まれ、複数個の固定ネジ59によって着脱可能に取り付けられている。三脚用固定金具58は、長手方向両端の円弧部分の曲率半径が異なる略長円形の部材からなり、その大径側に三脚の固定ネジが螺合されるネジ穴58aが設けられている。
図1、図7及び図10等に示すように、ディスク式防水型撮像装置1の正面に配置されたレンズ側外装体11のバックル12と反対側の端部には、正面に撮像レンズ62を露出させた状態でレンズ装置5が配設されている。このレンズ装置5を配置するためレンズ側外装体11には、正面側に突き出したレンズ用膨出部11aが設けられており、そのレンズ用膨出部11aにはレンズカバー65が装着されている。そして、レンズ用膨出部11aに設けた凹陥部11b内に、撮像レンズ62を保護するためのレンズ保護ガラスを有するレンズ防水装置が設けられている。
レンズ装置5は、複数個の筒体の組み合わせからなるレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒に保持された撮像レンズ62を含む複数枚のレンズの組み合わせからなるレンズユニットとを備えて構成されている。そのレンズユニットの光軸上の後方に、撮像手段の一具体例を示すCCD(固体撮像素子)が配置されている。CCDはレンズ鏡筒に固定されていて、その受光面の略中央部にレンズユニットの光軸が設定されている。このレンズ装置5のレンズユニットを透過した被写体の光がCCDに受光されることにより、その被写体に対応した電気信号からなる映像信号がCCDから制御装置や表示装置等に出力される。
レンズカバー65は、レンズ側外装体11のレンズ用膨出部11aに見合う形状とされていて、凹陥部11b内に開口穴11cが設けられている。レンズ用膨出部11aの開口穴11cには、レンズ保護ガラスを固定する固定部材67が嵌合されている。このレンズカバー65は、複数個の固定ネジによってレンズ側外装体11に着脱可能に取り付けられている。
このような構成を有するディスク式防水型撮像装置1によれば、バックル12の内周縁には、その全周に亘ってシール部材24が装着されており、バックル12を閉じると、シール部材24を介してバックル12がレンズ側外装体11に液密に密着される。そのため、バックル12を閉じるだけで、バックル12の内部の防水(防滴)構造とすることができる。これにより、バッテリー収納部18や記録停止スイッチ21、スライドツマミ22等を個別に防水構造とする必要がないため、その防水構造によって装置全体が大型化されることがなく、小型でありながら防水性能(防滴性能)に優れた電子機器を得ることができる。
また、図7に示すように、バックル12を閉じると、締結具29によってディスク蓋体13が少々引っ張り込まれる。即ち、ディスク蓋体13のロックに必要なバックラッシュ分を、バックル12によって引き込むことができる。そのため、ディスク蓋体13をセンタ枠体10にしっかりと密着させることができ、これにより、ディスク蓋体13の防水機能をより安定したものとすることができる。
この際、撮像装置本体2の内部に水が入り込み、或いは内部の湿気が異常に高くなることによって内部に結露が生じると、その結露状態が結露センサによって検出され、場合によっては、RMD(Recording Management Data)やTOC(Table of contents)が書き込まれない状態になる。その結果、このディスク式防水型撮像装置1は、ディスク蓋体13にロックが掛かり、そのディスク蓋体13が強制的に開けられない状態となる。この状態は、撮像装置本体2内の結露状態が解消されるまで持続されるため、ディスク蓋体13を開放可能な状態とするには、内部の結露状態を解消する必要がある。
このような場合において、本実施例では、バックル12を開くと、バッテリーホルダ19に設けた2つの通気口94a,94bによって第1の室97と第2の室98が連通される。そのため、これら通気口94a,94bを介して外気が撮像装置本体2の内部に流入され、その空気が循環することによって内部を乾燥させることができ、撮像装置本体2内の結露状態を早期に解消させることができる。これにより、ディスク式防水型撮像装置1による快適な撮影を行うことができる。
また、撮像装置本体2の内部に通気口94a,94bを設けることにより、撮像装置本体2内にある各種の熱源から熱を奪って内部温度の上昇を防ぐことができる。しかも、撮像装置本体2内に空気が循環することにより、結露センサその他の内蔵部品の湿気による劣化や消耗等を防ぐこともできる。
図16は、本実施例に係るディスク式防水型撮像装置1の使用状態の一例を示すものである。右手は撮影装置本体2の把持部52を把持するように用いられ、左手は撮影装置本体2のレンズ装置5の近傍を把持するように用いられる。そのため、図1〜図3に示すように、レンズ側外装体11のレンズ装置5と反対側の端部には、撮影装置本体2の把持部52の一部を構成する第2の指掛け部52bが設けられている。
ディスク式防水型撮像装置1の把持部52の第2の指掛け部52bには、右手の中指や薬指が当接される。この第2の指掛け部52bに掛けられる右手の中指等と、第1の指掛け部52aに掛けられる右手の親指によって把持部52が把持される。そして、右手の人差し指は、撮影装置本体2の上方に回され、録画ボタン54とワイドボタン55とテレボタン56との3つの操作ボタン54〜56の操作に供される。このようにしてディスク式防水型撮像装置1がユーバーに保持され、人差し指による3つの操作ボタン54〜56の操作を経て所望の被写体を、所望の構図、大きさ等によって撮影することができる。
図17乃至図19は、本発明の防水型電子機器に係る防水型撮像装置の第2の実施例を示すものである。この第2実施例として示すディスク式防水型撮像装置101は、バックル112でディスク蓋体113を直接ロック可能にすると共に、開口部117も同時に開閉可能に構成したものである。撮像装置本体102は、中空の略四角形をなす筐体からなり、その前側の上部にレンズ装置105が配置され、撮像レンズ162が前面に露出されている。そして、撮像装置本体102の後側の上部には、ビューファインダ108が配置されている。
図19に示すように、撮像装置本体102の一方の側面にディスクドライブ装置103が配置されている。ディスクドライブ装置103は、テーブル回転装置136の回転軸を水平方向へ向けた状態で撮像装置本体102に取り付けられている。これにより、テーブル回転装置136に装着されたDVD−R109は、垂直方向に回転駆動される。このテーブル回転装置136のターンテーブル及びその周縁部であるディスク装着部147は、ディスク蓋体113によって開閉自在とされている。ディスク蓋体113は略円形をなす偏平の部材からなり、ヒンジ114によって撮像装置本体102の下部に回動自在に取り付けられている。そして、ディスク蓋体113の自由端側の略中央部には、バックル用の係合突起131が設けられている。
図17〜図19に示すように、バックル112は、撮像装置本体102の上部に設けた突起部119に回動自在に取り付けられている。突起部119には、上面に開口する開口部117が設けられている。開口部117は撮像装置本体102の内部に連通されており、この開口部117を開くことによって撮像装置本体102の内部に外気を導入することができる。更に、突起部119には、重要な操作スイッチの一具体例を示すディスク蓋体113を開放可能とするための記録媒体取出しスイッチの一具体例を示すディスク取出しスイッチ120が設けられている。このディスク取出しスイッチ120を操作しないうちは図示しないロック機構が働いて、ディスク蓋体113を開放動作させることができないようになっている。
これらの開口部117及びディスク取出しスイッチ120は、バックル112によって液密に密封可能とされている。バックル112は、突起部119の上面を覆うに十分な大きさを有しており、ピンによって突起部119に回動自在に支持されている。バックル112の突起部119の上面と接触する面には、開口部117の全体を覆い隠すことができるシール部材としてのゴム状弾性体からなるパッキン127が設けられている。更に、パッキン127には、ディスク取出しスイッチ120を逃がすための逃がし穴132が設けられている。
また、バックル112の自由端側には、締結具のローラ130が設けられている。バックル112の閉鎖時、ローラ130を係合突起131を乗り越えさせて係合することにより、バックル112でディスク蓋体113を強固に締め付けて固定することができる。図16に示すように、バックル112の表面には、バックル112のロックを解除して開放操作を可能とするためのスライドスイッチ143が設けられている。なお、図17〜図19に示す符号133a,133bは、ズームスイッチの操作ボタンである。また、符号134は、ディスク式防水型撮像装置101を持つ撮影者の手を保持し、ディスク式防水型撮像装置101の落下を防止するグリップバンドである。
このような構成を備えた第2実施例に係るディスク式防水型撮像装置101によっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。即ち、バックル112の内面にシート状のパッキン127が設けられており、バックル112を閉じると、バックル112はバックル機構によって撮像装置本体102にしっかりと強固に締付固定され、パッキン127が突起部119の上面全体に密着されるために、バックル112内部の防水構造(若しくは防滴構造)をより確実なものとすることができる。
また、バックル112を開けると、ディスク蓋体113が開放される前に、開口部117が開かれて外気が撮像装置本体102内に導入される。そのため、導入された空気が撮像装置本体102内を循環することによって内部を乾燥させることができ、撮像装置本体2内の結露状態を早期に解消させることができる。また、撮像装置本体102内にある各種の熱源から熱を奪って内部温度の上昇を防ぐことができる。そして、撮像装置本体102内に空気が循環することにより、結露センサその他の内蔵部品の湿気による劣化や消耗等を防ぐこともできる。
以上説明したように、本発明によれば、防水機能を持つディスク式防水型撮像装置1,101等の防水型電子機器において、開閉蓋の機能を有するバックル12,112を防水構造とし、その締結具を電子機器本体に係合することにより、バックル12,112の内部に配設される操作スイッチやバッテリー収納部及びその周囲の部品等を個別に防水構造にする必要性をなくすことができ、装置全体の小型化を図ることができる。また、バックル12,112を閉じる際に、そのバックル12,112でディスク蓋体13,113を引き込む構造にすることにより、バックラッシュ分の隙間を無くしてバックル12,112の密着性を向上させ、防水若しくは防滴効果を高めることができる。
更に、バックル12,112の内部にディスク取出しボタンを配置することにより、その誤操作をなくすことができる。即ち、バックル12,112が閉じているときにはディスク取出しボタンに接触するおそれがないから、誤ってディスク取出しボタンを操作するおそれがなく、REDやTOC等を書き込む動作のために所定の時間使えなくなって、録画するチャンスを逃がすことを防止することが可能である。また、前記実施例においては、バックル12,112にシール部材24,127を設けた例について説明したが、シール部材は撮像装置本体2,102に設けるようにしてもよく、また、バックル12,112と撮像装置本体2,102の両方にシール部材を設ける構成としてもよい。
1,101…ディスク式防水型撮像装置(防水型電子機器)、 2,102…撮像装置本体(電子機器本体)、 3,103…ディスクドライブ装置、 5,105…レンズ装置、 7…タッチパネル装置、 10…センタ枠体、 11…レンズ側外装体、 12,112…バックル、 13,113…ディスク蓋体(蓋体)、 17,117…開口部、 18…バッテリー収納部、 19…バッテリーホルダ、 21…記録停止スイッチ(第1の操作手段)、 22…スライドツマミ(第2の操作手段)、 24…シール部材、 29…締結具、 36,136…テーブル回転装置、 47,147…ディスク装着部(記録媒体収納部)、 52…把持部、 62,162…撮像レンズ、 65…レンズカバー、 94a,94b…通気口、 97…第1の室、 98…第2の室、 119…突起部、 120…ディスク取出しスイッチ(記録媒体取出しスイッチ)、 127…パッキン(シール部材)