JP2005063897A - 転写方法、転写装置、並びに表示装置の蛍光面の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複雑な表面形状を有するパネル上であっても、均一な膜厚の蛍光体層を有する蛍光面を形成することができる、転写方法、転写装置、並びに表示装置の蛍光面形成方法を提供するものである。
【解決手段】 表示装置のパネル19をパネル外面と同じ形状の下型23に載置し、基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートをパネル内面に配置し、パネル内面と同じ形状の上型24により転写シートを加熱・加圧してパネル内面に蛍光面形成材料層を転写する。
【選択図】 図4
【解決手段】 表示装置のパネル19をパネル外面と同じ形状の下型23に載置し、基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートをパネル内面に配置し、パネル内面と同じ形状の上型24により転写シートを加熱・加圧してパネル内面に蛍光面形成材料層を転写する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、陰極線管などの表示装置の蛍光面形成に適用される転写方法、転写装置、並びに表示装置の蛍光面形成方法に関する。より詳しくは、複雑な面形状のパネル内面へ蛍光面を形成するのに適した転写方法、転写装置、及び蛍光面形成方法に関する。
近年、カラー陰極線管等の表示装置においては、感熱性転写シートを用いた転写方法により蛍光面を形成することが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。また、同特許文献2には、例えばカラー陰極線管のパネルガラスにダークガラスを用い、蛍光面としてパネルガラスと蛍光体層との間に蛍光体層の発光色と同色のカラーフィルム層を形成して、色純度及びコントラストを共に向上させる方法も記載されている。
陰極線管等の表示装置のパネル内面に蛍光体層を形成する方法としては、スラリー法、沈降法、さらにローラ転写法等が一般的に用いられている。
陰極線管等の表示装置のパネル内面に蛍光体層を形成する方法としては、スラリー法、沈降法、さらにローラ転写法等が一般的に用いられている。
特許文献3には、陰極線管のパネル内面に蛍光面を形成する転写方法及び転写装置が示されている。この例では、パネル内面に対向してベースフィルム上に蛍光体層を積層した転写シートを供給し、転写シート上から切欠部を有する熱転写ローラを降下させて転写シートをパネル内面に持ち来す。この状態で熱転写ローラを転接しながら転写シートをパネル内面に貼着し、その後、ベースフィルムを剥離してパネル内面に蛍光体層を転写するように成される。
例えば陰極線管の場合、蛍光体層は画像を映しだす通常の陰極線管のパネル内面に形成される。このような陰極線管パネルは、光学的に発光面の発光むらをなくすこと、薄型にすること、面積の大きい場合には強度を持たせて大気圧で壊れるのを防ぐこと等を目的として、厚みが部分的に異なるように構成さる。このようなパネルとしては、内面が複雑な表面形状の3次元曲面に形成されるものがある。
ところで、複雑な内面形状の陰極線管用のパネル内面に沿って均一な膜厚の蛍光体層を、作業性良く形成することは、上述のスラリー法、沈降法、ローラ転写法などでは難しい。例えばローラ転写法においては、3次元形状のパネル内面に対して均等に加圧することが難しく、均等に荷重が掛からないと、転写シートに対して面方向にストレスを与えることがあり、転写シートに皺寄せが発生したり、もしくは発泡が発生する虞れがある。
本発明は、上述の点に鑑み、複雑な表面形状を有するパネル上であっても、均一な膜厚の蛍光体層を有する蛍光面を形成することができる、転写方法、転写装置、並びに表示装置の蛍光面形成方法を提供するものである。
本発明に係る転写方法は、表示装置のパネルを該パネル外面と同じ形状の下型に載置し、基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートをパネル内面に配置し、パネル内面と同じ形状の上型により前記転写シートを加熱・加圧してパネル内面に蛍光面形成材料層を転写する。
本発明の転写方法では、パネル外面と同じ形状の下型とパネル内面と同じ形状の上型により転写シートを加熱・加圧してパネル内面に蛍光面形成材料層を転写するので、転写シートの全面に対して等しい圧力で加圧することができる。気泡の発生、皺寄せの発生が抑えられる。
本発明に係る転写装置は、基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートを、表示装置のパネル内面に貼着し、加熱・加圧して蛍光面を形成する転写装置であって、転写装置の上型の面がパネルの内面形状と同じ形状を有し、転写装置の下型の面がパネルの外面形状と同じ形状を有した構成とする。
本発明の転写装置では、転写時にパネル内面と共に転写シートを上型と下型で挟み込むようにして加熱・加圧するが、上型の面がパネル内面形状と同じ形状を有し、下型の面がパネル外面形状と同じ形状を有しているので、転写シートの全面が等しい圧力で加圧され、気泡、皺寄せの発生が抑えられる。
本発明に係る表示装置の蛍光面形成方法は、表示装置のパネルをこのパネル外面と同じ形状の下型に載置する工程と、基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートを、接着層がパネル内面に接するようにパネル内面に配置する工程と、パネル内面形状と同じ形状の上型により転写シートを加熱、加圧してパネル内面に貼着する工程を有する。
本発明の表示装置の蛍光面形成方法では、パネルをこのパネル外面と同じ形状の下型に載置し、転写シートを接着層がパネル内面に接するようにパネル内面に配置し、パネル内面形状と同じ形状の上型により転写シートを加熱、加圧してパネル内面に貼着することにより、転写シートが全面にわたって等しい圧力で加圧さることになる。従って、気泡、皺寄せの発生がなく蛍光面形成材料層の転写が良好に行える。
本発明に係る転写方法によれば、パネル内面、外面の形状が複雑な形状であっても、転写時に、転写シートに対して全面等しい圧力で加圧できる。従って、転写シートの皺寄せ、気泡の発生を抑えて全面均一な蛍光面形成材料層の転写することができ、その結果、全面均一な蛍光面を形成することができる。
本発明に係る転写装置によれば、上型及び下型のぞれぞれの面をパネルの内面形状及び外面形状と同じ形状をなしているので、パネル内面、外面の形状が複雑であっても、転写シートに対して全面等しい圧力で加圧することができる。従って、転写シートの皺寄せ、気泡の発生を抑えて全面均一な蛍光面形成材料層の転写することができ、結果的に全面均一な蛍光面を形成することができる。
本発明に係る表示装置の蛍光面形成方法によれば、転写シートをパネル内面に皺寄せ、気泡を発生させることなく貼着することができ、全面均一な蛍光面を形成することができる。
以下、図面を参照して本実施の形態を説明する。
図1は、本発明に適用される転写シート、即ち感熱性転写シートの基本的な構成を示す。本例の感熱性転写シートは、カラー陰極線管のパネル内面に形成するカラー蛍光面用の転写シートに適用した場合である。
本実施の形態に係る感熱性転写シート11は、図1に示すように、可撓性シートであるベースフィルム12上に、順次クッション層13、蛍光面形成材料層14、接着層(いわゆるヒートシール層)15及びカバーフィルム16を積層して構成される。なお、図示せざるもクッション層13と蛍光面形成材料層14との間には剥離面が形成される。また、カバーフィルム16としては、転写シート11の貼着の際、剥離除去される材料で形成することができる。この場合、接着層15及びカバーフィルム16との間には剥離面が形成される。蛍光面形成材料層14は、蛍光体層、蛍光体層と同色のカラーフィルタ層、中間膜のうちの1種、あるいはこれらの任意の組み合わせ層で形成することができる。例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の単色の蛍光体層、単色のカラーフィルタ層、中間膜、あるいは単色の蛍光体層と同色のカラーフィルタ層の組み合わせ層、等により蛍光面形成材料層14を形成することができる。ベースフィルム12としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の可撓性フィルムを用いることができる。
本実施の形態に係る感熱性転写シート11は、図1に示すように、可撓性シートであるベースフィルム12上に、順次クッション層13、蛍光面形成材料層14、接着層(いわゆるヒートシール層)15及びカバーフィルム16を積層して構成される。なお、図示せざるもクッション層13と蛍光面形成材料層14との間には剥離面が形成される。また、カバーフィルム16としては、転写シート11の貼着の際、剥離除去される材料で形成することができる。この場合、接着層15及びカバーフィルム16との間には剥離面が形成される。蛍光面形成材料層14は、蛍光体層、蛍光体層と同色のカラーフィルタ層、中間膜のうちの1種、あるいはこれらの任意の組み合わせ層で形成することができる。例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の単色の蛍光体層、単色のカラーフィルタ層、中間膜、あるいは単色の蛍光体層と同色のカラーフィルタ層の組み合わせ層、等により蛍光面形成材料層14を形成することができる。ベースフィルム12としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の可撓性フィルムを用いることができる。
次に、上述の感熱性転写シート11を用いた本発明の実施の形態に係る転写方法、転写装置と共に、本発明の実施の形態に係る表示装置の蛍光面形成方法について説明する。本例ではカラー陰極線管のカラー蛍光面の作成に適用した場合について説明する。
図2は、本発明に係る転写装置の一実施の形態を示す。本実施の形態に係る転写装置21は、転写シート11から蛍光面形成材料層を転写する被転写体、本例では陰極線管のパネル19が載置されるパネル載置台23と、転写シートをパネル19の内面に加熱、加圧して貼着するための転写ヘッド24と、この転写ヘッド24を上下動させる駆動手段、本例ではシリンダ25とを備えてなる。これらパネル載置台24、転写ヘッド24及びシリンダ25は、支持基体22上に設けられる。この転写装置21では、転写シート11が転写ヘッドによりプレス圧着されるため、パネル載置台23がいわゆる下型に相当し、転写ヘッド24がいわゆる上型に相当する。
パネル載置台23は、支持基体22の主面上に一方向に延長するように配置された一対のガイドレール32、33上に跨がって摺動可能に配置される。パネル載置台23では、図3に示すように、一対のガイドレール32及び33の間に配置され一方向に延長する中央支持部材31にシリンダ61が固定され、シリンダ61のロッド61aがパネル載置台23の摺動板62の先端側に固定される。従って、パネル載置台23は、シリンダ61により、転写時に両側のガイドレール32、33上を摺動して転写ヘッド24の下方位置に持ち来されるようになされる。
パネル載置台23は、摺動板62上に配置されスペーサ34を介して中空部を有して形成されたプレート35と、その上に配置された位置決めユニット36と、位置決めユニット36上に配置された下型となるパネル受け部37とを有して成る。
位置決めユニット36は、パネルの位置決めに供されるもので、ユニットベース38上にパネル受け部37の外側に位置して、対をなす突き当て部39と受け部40を相対向して設けて構成される。この突き当て部39はパネル外面の一辺に対応して2つ設けられ、この一辺に隣接する他辺に1つ設けられる。各受け部40は夫々突き当て部39に対向するパネル外面の辺に設けられる。パネルは外面の3箇所で突き当て部39により押圧され、受け部40に当接して位置決めされるようになされる。
パネル載置台23は、摺動板62上に配置されスペーサ34を介して中空部を有して形成されたプレート35と、その上に配置された位置決めユニット36と、位置決めユニット36上に配置された下型となるパネル受け部37とを有して成る。
位置決めユニット36は、パネルの位置決めに供されるもので、ユニットベース38上にパネル受け部37の外側に位置して、対をなす突き当て部39と受け部40を相対向して設けて構成される。この突き当て部39はパネル外面の一辺に対応して2つ設けられ、この一辺に隣接する他辺に1つ設けられる。各受け部40は夫々突き当て部39に対向するパネル外面の辺に設けられる。パネルは外面の3箇所で突き当て部39により押圧され、受け部40に当接して位置決めされるようになされる。
パネル受け部37は、パネル19の内面を上向きにした状態で載置するように形成され、特に、パネル受け部37の表面37aがパネル外面の3次元形状と同じ3次元形状に形成されて成る。このパネル受け部37の表面37aには、図7に示すように、パネル19の外面形状の誤差分を吸収するための吸収層42が設けられる。この吸収層42は例えばゴム材で形成される。位置決めユニット36は、陰極線管の管種に応じて取り替え可能になされる。
転写ヘッド24は、図8に示すように、例えばポール43を介して中空部44を有する構造の断熱プレート45の面に多数のヒータ46が埋設されたヒータプレート47が設けられ、このヒータプレート47の面に一体に加圧子48が形成れて成る。転写ヘッド24のプレス面、いわゆる加圧子48の加圧面48aは、パネル19の内面の3次元形状と同じ3次元形状に形成される。加圧子48は例えばアルミニウム等により形成される。さらに、図7に示すように、加圧子48の加圧面48aの表面には、耐熱性弾性体層49、例えばシリコーンゴム等の弾性体層が設けられる。耐熱性弾性体層は、通気性を有するものを使用したほうが良い。動作時、ヒータプレート47は、例えば180℃程度に加熱され、加圧子48の耐熱性層49は120℃程度に加熱されるようになされる。
転写ヘッド24は、ガイド支柱52により上下動可能に配置された可動プレート51の下面に固着されて成る。ガイド支柱52の上端には、固定プレート54が取付けられ、この固定プレート54上に可動プレート51を上下駆動するための駆動手段、本例では油圧シリンダ25が取付けられる。油圧シリンダ25のロッド25aが可動プレート51に固着され、シリンダ25の駆動により可動プレート51と一体に転写ヘッド24が上下動される。転写ヘッド24の転写圧力は、圧力制御可能な油圧シリンダにより、所要の圧力、例えば3kgf/cm2〜20kgf/cm2一定になるように管理される。この転写圧力は、図示しない圧力計により監視するようになされる。
上述の転写装置21は、3次元形状の内面を有するパネルの他、2次元形状の内面を有するパネル、内面がフラットなフラットパネル等、どのような形状の内面を有するパネルに転写シートを転写する場合にも適用できる。但し、その際には転写ヘッド24の加圧面を例えばパネル内面の2次元形状、フラット形状に合せたものを用い、パネル受け部37の表面を例えばパネル外面の2次元形状、フラット形状に合わせたものを用いる。
本実施の形態は、この転写装置21を用いてパネル19の内面に転写シート11を転写し、パネル19の内面にカラー蛍光面を形成する。
先ず、図4に示すように、転写装置21のパネル載置台23のパネル受け部37の表面に陰極線管のパネル19を載置する(図8A参照)。
次に、パネル19の内面、例えば有効画面領域に対応する位置に蛍光体層等の蛍光面形成材料層14を形成した転写シート11を配置する(図8B参照)。このとき、転写シート11はカバーフィルム16を剥離して、接着層15をパネル19の内面に接触するように配置される。各工程で使用される転写シート11は、一例を挙げると、例えば青色フィルタ層と青色蛍光体層が積層された転写シート、緑色蛍光体層が積層された転写シート、赤色フィルタが積層された転写シート、赤色蛍光体層が積層された転写シート及び中間膜が積層された転写シート等を用いることができる。
次に、パネル19が位置決めユニット36の突き当て部39及び受け部40により、位置決めされる。
先ず、図4に示すように、転写装置21のパネル載置台23のパネル受け部37の表面に陰極線管のパネル19を載置する(図8A参照)。
次に、パネル19の内面、例えば有効画面領域に対応する位置に蛍光体層等の蛍光面形成材料層14を形成した転写シート11を配置する(図8B参照)。このとき、転写シート11はカバーフィルム16を剥離して、接着層15をパネル19の内面に接触するように配置される。各工程で使用される転写シート11は、一例を挙げると、例えば青色フィルタ層と青色蛍光体層が積層された転写シート、緑色蛍光体層が積層された転写シート、赤色フィルタが積層された転写シート、赤色蛍光体層が積層された転写シート及び中間膜が積層された転写シート等を用いることができる。
次に、パネル19が位置決めユニット36の突き当て部39及び受け部40により、位置決めされる。
次に、図5に示すように、パネル載置台23がシリンダ61の駆動により、ガイドレール32、33に沿って摺動し、転写ヘッド24の真下位置に持ち来される。
次に、転写ヘッド24が降下する(図8C参照)。転写ヘッド24の加圧子48は、ヒータパネル47により例えば180℃程度に加熱され、加圧子48の加圧面の耐熱弾性体層49は例えば120℃程度に加熱される。この転写ヘッド24の降下により、転写シート11は加熱されながらパネル19の内面に圧接され、ブラックマトリクスとなるカーボンパターンが形成されたパネル内面に第1色目、例えば青色フィルタ層と青色蛍光体層の積層膜が転写される。
次に、転写ヘッド24が降下する(図8C参照)。転写ヘッド24の加圧子48は、ヒータパネル47により例えば180℃程度に加熱され、加圧子48の加圧面の耐熱弾性体層49は例えば120℃程度に加熱される。この転写ヘッド24の降下により、転写シート11は加熱されながらパネル19の内面に圧接され、ブラックマトリクスとなるカーボンパターンが形成されたパネル内面に第1色目、例えば青色フィルタ層と青色蛍光体層の積層膜が転写される。
次に、図6に示すように、シリンダ61によりパネル載置台23を移動させて元の位置に戻す。そして、クッション層13と共にベースフィルム12を剥離して、パネル219の内面に青色フィルタ層と青色蛍光体層の積層膜のみを残す。
その後、パネル19を転写装置21より取出し、露光装置に移載して所定のパターンに露光し、次いで現像を行い、青色のフィルタ及び蛍光体層を形成する。
引き続いて、第2色目、例えば緑色蛍光体層が積層された転写シート11を用いて同様の転写を行い、その後露光、現像を行って所定パターンの緑色蛍光体層を形成する。同様にして、第3色目、例えば赤色フィルタ層が積層された転写シート11、赤色蛍光体層が積層された転写シート11を用いて所定パターンの赤色フィルタ及び赤色蛍光体層を形成する。最後に、中間膜が積層された転写シート11を用いて中間膜を形成する。その後、中間膜上にメタルバック層を形成し、焼成工程を経て目的のカラー蛍光面を作成する。
本実施の形態によれば、転写装置の上型の相当する転写ヘッド24の加圧面48aが陰極線管のパネル19の内面形状と同じ形状になされ、下型に相当するパネル受け部37のパネルを受ける表面37aが陰極線管のパネル19の外面形状と同じ形状になされているため、転写ヘッド24の加圧時に、転写シート11をパネル内面の全面に対して等しい圧力で加圧することができる。これにより、転写シート11とパネル内面間の気泡を抑え、また皺寄せを防ぎ、パネル内面全面に均一な膜厚の蛍光面を形成することができる。
因みに、本発明者らは、加圧面の中央が凸になる転写ヘッドを用いて転写の実験を繰り返したが、均一に蛍光面を形成することができなかった。あくまでも、転写装置21の転写ヘッド24の加圧面48aは陰極線管のパネルの内面形状とされ、パネル受け部37の表面37aはパネルの外面形状とすることで、気泡、皺寄せ等が発生することなく、蛍光面を形成することができるものと思われる。
そして、本実施の形態においては、複雑な表面形状を有すパネル上であっても、均一な膜厚の蛍光体層を有する蛍光面を形成することができる。例えば、3次元形状のパネル内面に対しても、皺寄せ、発泡が生ぜず、パネル内面形状に沿って膜厚にばらつきのない均一な蛍光体層を有する蛍光面を形成することができる。
上例では、本発明を陰極線管の蛍光面の形成に適用したが、その他、例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)やフィールドエミッションディスプレイ(FED)等の表示装置の蛍光面形成にも適用できる。この場合、PDPパネルに形成された隔壁(リブ)間に上述した本発明の転写方法、転写装置及び蛍光面形成方法を適用して蛍光面を形成すれば良い。
11・・転写シート、12ベースフィルム、13・・クッション層、14・・蛍光面形成材料層、15・・接着層、16・・カバーフィルム、21・・転写装置、22・・支持基体、23・・パネル載置台、24・・転写ヘッド、25・・シリンダ、31・・支持部材、32、33・・ガイドレール、35・・中空プレート、36・・位置決めユニット、37・・パネル受け部、38・・ユニットベース、39・・突き当て部、40・・受け部、42・・吸収層、48・・加圧子、49・・耐熱性層、61・・シリンダ、61a・・ロッド
Claims (3)
- 表示装置のパネルを該パネル外面と同じ形状の下型に載置し、
基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートをパネル内面に配置し、
前記パネル内面と同じ形状の上型により前記転写シートを加熱・加圧して前記パネル内面に前記蛍光面形成材料層を転写する
ことを特徴とする転写方法。 - 基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートを、表示装置のパネル内面に貼着し、加熱・加圧して蛍光面を形成する転写装置であって、
前記転写装置の上型の面が前記パネルの内面形状と同じ形状を有し、
前記転写装置の下型の面が前記パネルの外面形状と同じ形状を有して成る
ことを特徴とする転写装置。 - 表示装置のパネルを該パネル外面と同じ形状の下型に載置する工程と、
基体シート上に蛍光面形成材料層が積層されてなる転写シートを、接着層が前記パネル内面に接するように該パネル内面に配置する工程と、
前記パネル内面形状と同じ形状の上型により前記転写シートを加熱、加圧してパネル内面に貼着する工程を有する
ことを特徴とする表示装置に蛍光面形成方法。
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