JP2005062357A - 画像形成装置および該装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 装置のガンマ特性を精度よく求め、その結果に基づいて適切な階調補正特性を得る。
【解決手段】 濃度制御因子を最適化する濃度制御処理と、装置の階調補正特性を制御する階調制御処理とを相次いで実行する。階調制御用のパッチ画像Itは、濃度センサの検出領域Pより大きいベタ画像部Ihと、検出領域Pの直径dより細かいピッチで階調レベルが変化する階調画像部Igとを有する画像である。ベタ画像部Ihおよび階調画像部Igにおける濃度検出結果に基づき装置の階調特性を求め、その結果により階調補正テーブルを更新する。
【選択図】 図10
【解決手段】 濃度制御因子を最適化する濃度制御処理と、装置の階調補正特性を制御する階調制御処理とを相次いで実行する。階調制御用のパッチ画像Itは、濃度センサの検出領域Pより大きいベタ画像部Ihと、検出領域Pの直径dより細かいピッチで階調レベルが変化する階調画像部Igとを有する画像である。ベタ画像部Ihおよび階調画像部Igにおける濃度検出結果に基づき装置の階調特性を求め、その結果により階調補正テーブルを更新する。
【選択図】 図10
Description
この発明は、パッチ画像としてのトナー像の濃度検出結果に基づき、装置の画像形成条件を制御する画像形成装置およびその制御方法に関するものである。
プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置では、必要に応じて、所定の画像パターンを有するテスト用の小画像(パッチ画像)を形成するとともに、濃度センサによりその画像濃度を検出し、その検出結果に基づいて、装置各部の動作条件を調整することで、所定の画像品質を安定して得られるようにしている。
例えば、本願出願人の出願にかかる特許文献1に記載の画像処理装置においては、パッチ画像の濃度検出結果に基づき装置の階調補正特性を制御している。すなわち、所定パターンのテスト画像の濃度をパッチセンサにより検出し、その検出結果から装置のガンマ特性を把握して、階調補正のための補正変換テーブルを生成する。そして、こうして新たに生成された補正変換テーブルを参照しながら、画像信号をレーザ駆動パルス幅データに変換している。その結果、装置のガンマ特性の変動に対応して最適な印刷結果を得ることができる。
また、例えば、特許文献2に記載の画像形成装置においては、装置の周囲環境の変化や画像形成枚数等の諸条件によって画像濃度が大きく変動する一方、画像濃度が安定していれば装置の階調特性は比較的安定であることに鑑み、装置の最大濃度制御および階調制御を次のようにして実行している。すなわち、最大濃度制御については比較的高い頻度で実行するのに対し、階調制御についてはこれより低い頻度で実行する。また、階調制御をする際には、それに先立って最大濃度制御を実行する。
階調補正特性の制御に用いるパッチ画像の画像濃度には、例えば装置各部に付与するバイアス電圧の大きさなど装置の全体的な画像濃度に関わる動作特性と、装置の階調再現性に関わるガンマ特性との双方の影響が現れている。従来技術の画像形成装置において、これらの影響が明確に分離されていない場合には、装置のガンマ特性を正しく把握することができず、適切な補正を実行できないという問題があった。
例えば、上記した特許文献2に記載の従来技術においては、所定の現像バイアスで形成したパッチ画像の画像濃度を実測し、その実測値と目標濃度との差に応じたオフセット値を単に上記現像バイアスに加算した電圧を最適現像バイアスとしているため、この最適現像バイアスの下で実際に目標濃度どおりの画像濃度が得られることが必ずしも保証されるわけではない。仮に、目標濃度からのずれが生じていれば、装置のガンマ特性としてパッチ画像の濃度検出結果から求めた結果にはこのずれの影響が含まれてしまい、結果として適切な階調制御が行えなくなってしまう。
また、目標濃度を得るべく動作条件の調整を行っても、装置特性の経時変化や周囲環境の変化により形成される画像の濃度は変化してゆく。したがって、階調補正特性の制御のみを単独で実行した場合、その時点において得られる画像濃度が目標濃度から外れている可能性があり、この場合にも上記と同様の問題を生じることとなる。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、装置のガンマ特性を精度よく求め、その結果に基づいて適切な階調補正特性を得ることを目的とする。
この発明にかかる画像形成装置およびその制御方法は、上記目的を達成するため、画像濃度に影響を与える濃度制御因子を多段階に変更設定しながら濃度制御用パッチ画像としてのトナー像を形成し、その濃度検出結果に基づいて前記濃度制御因子の最適値を求めることで画像濃度を制御するとともに、前記濃度制御因子を前記最適値に設定しながら、所定面積のベタ画像であるベタ画像部と、その階調レベルが所定方向に沿って次第に変化する階調画像部とを有するトナー像を階調制御用パッチ画像として形成し、前記ベタ画像部および前記階調画像部の濃度検出結果に基づき装置の階調補正特性を制御することを特徴としている。
このように構成された発明では、濃度制御因子の最適化により画像濃度の制御(以下、「濃度制御」と略す)を行うとともに、階調補正特性の制御(以下、「階調制御」と略す)を行う。そのため、画像濃度が適正に制御された状態で階調制御が行われる。そして、この階調制御においては、パッチ画像として、装置のガンマ特性の影響が画像濃度に現れないベタ画像部と、装置のガンマ特性を反映する階調画像部とを有するトナー像を使用する。そのため、装置の全体的動作特性により現出される画像濃度と、装置のガンマ特性により現出される画像濃度とをそれぞれ求めることができる。これにより、この画像形成装置および制御方法では、装置のガンマ特性をより精度よく把握して、適切な階調補正特性を得ることが可能となる。
例えば、前記ベタ画像部における濃度検出結果を最大階調レベルに対応する濃度情報とするとともに、前記階調画像部内の互いに異なる複数の位置における濃度検出結果を各階調レベルに対応する濃度情報とし、それらの濃度情報から前記装置のガンマ特性を求め、そのガンマ特性を補償するように前記階調補正特性を設定することができる。
特に、前記階調画像部内の互いに異なる複数の位置における濃度検出結果を前記ベタ画像部における濃度検出結果を用いて補正した値を前記各階調レベルに対応する濃度情報とし、それらの濃度情報から前記装置のガンマ特性を求めるようにするのが好ましい。こうすることによって、濃度制御の結果が理想的なものからずれていたとしても、そのずれの影響を抑えてより精度よく装置のガンマ特性を求めることができる。というのは、ベタ画像部の濃度検出結果から、濃度制御の結果としての画像濃度を把握することができ、この結果を用いて各階調レベルでの濃度検出結果を補正することで、パッチ画像濃度に対する装置のガンマ特性の寄与分のみを分離することができるからである。このような補正としては、例えば、各階調レベルでの濃度検出結果をベタ画像部の濃度検出結果で正規化する方法がある。
このような動作を可能とする装置構成として、例えば、その表面にトナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体表面のうち所定の検出領域の画像濃度に対応する信号を出力する濃度検出手段と、前記濃度検出手段からの出力信号をサンプリングし、そのサンプリング結果に基づいて前記像担持体表面に担持されたトナー像の画像濃度を求める制御手段とを設けることが好ましい。
ここで、前記制御手段は、前記像担持体表面に担持されたトナー像についてのサンプリング結果と、トナー像を担持しない前記像担持体表面についてのサンプリング結果とに基づいて、当該トナー像の画像濃度を求めるようにしてもよい。こうすることで、像担持体の表面状態の影響をキャンセルして、トナー像の画像濃度をより精度よく求めることが可能となる。
この場合、前記階調制御用パッチ画像を、前記像担持体表面のうち前記画像濃度の制御において前記濃度制御用パッチ画像を担持する領域の少なくとも一部と重複するように形成するのが好ましい。つまり、階調制御用パッチ画像と濃度制御用パッチ画像との少なくとも一部が像担持体上の同一位置に形成されるようにすれば、その重複部分については、トナー像を担持しない状態でのサンプリング結果を共有することができる。すなわち、濃度制御と階調制御とで、トナー像を担持しない状態での像担持体のサンプリングを個別に行う必要がない。そのため、サンプリング動作に要する時間を短縮して全体的な処理時間を短縮することができるとともに、サンプリング結果を記憶しておくメモリ資源の節減を図ることが可能となる。
また、ベタ画像部の大きさは、少なくとも、濃度検出手段により検出可能な像担持体上の検出領域よりも大きくなるようにすることが望ましい。こうすることで、一様なベタ画像を用いてベタ画像部の濃度検出をより確実に行うことができる。
一方、階調画像部については、前記検出領域の前記所定方向に沿った長さよりも細かいピッチでその階調レベルが変化していてもよい。というのは、階調レベルの設定値と濃度実測値との対応関係を求めて装置のガンマ特性を算出する処理プロセスにおいては、必ずしも各階調レベルでの一様な画像を必要としないからである。こうすることによって、階調制御用パッチ画像全体の長さを抑えることができ、トナー消費量の節約および処理時間の短縮を図ることができる。
また、前記階調制御用パッチ画像を、前記ベタ画像部と前記階調画像部とが前記所定方向に沿って互いに隣接するように形成してもよい。つまり、ベタ画像部と階調画像部とを所定方向に沿って一列に並ぶようにすれば、一方向のみの走査によって必要な位置での濃度検出を行うことができ、簡単な構成にて装置を実現することができる。
特に、前記階調画像部では、その前記所定方向における両端部のうち前記ベタ画像部と接している一端部においてその階調レベルが最大レベルとなる一方、他端部においてその階調レベルが最小レベルとなるようにするのが好ましい。こうすれば、一端部側ではベタ画像部と階調画像部との境界で画像濃度が滑らかに変化することとなるとともに、他端部側では画像濃度が次第に低下してやがてゼロとなる。このように、装置のガンマ特性を知る上で重要な階調画像部の全体においてその濃度変化が滑らかになるようにすれば、その濃度検出結果に対し適宜のスムージング処理を行うことが容易となる。このようなスムージング処理を施すことにより、画像濃度に現れる種々の変動要因の影響を排して、装置のガンマ特性をより精度よく求めることが可能となる。
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10に設けられたCPU101がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。この実施形態では、エンジンコントローラ10およびメインコントローラ11が一体として本発明の「制御手段」として機能する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置本体に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ44が感光体22に対し対向配置され、その対向位置において現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された「像担持体」である中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76が配置されている。このクリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナ76のブレードがローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。
さらに、ローラ75の近傍には、本発明の「濃度検出手段」として機能する濃度センサ60が配置されている。この濃度センサ60は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、必要に応じ、中間転写ベルト71の外周面に形成されるトナー像の画像濃度を測定する。そして、その測定結果に基づき、この装置では、画像品質に影響を与える装置各部の動作条件、例えば各現像器に与える現像バイアスや、露光ビームLの強度、さらには装置の階調補正特性などの調整を行っている。
この濃度センサ60は、例えば反射型フォトセンサを用いて、中間転写ベルト71上の所定面積の領域の画像濃度に対応した信号を出力するように構成されている。そして、CPU101は、中間転写ベルト71を周回移動させながらこの濃度センサ60からの出力信号を定期的にサンプリングすることで、中間転写ベルト71上のトナー像各部の画像濃度を検出することができる。
なお、外部から入射する光の影響を抑えて濃度検出の精度向上を図るため、この濃度センサ60では、濃度センサ60から中間転写ベルト71に向けた照射光の光路上、および、中間転写ベルト71で反射して濃度センサ60に入射する反射光の光路上に、それぞれ偏光ビームスプリッタ(図示省略)が設けられている。こうして照射光の偏光成分を制限するとともに、反射光のうち特定の偏光成分のみを受光することで、出力信号のS/N比を高め、濃度検出を精度よく行うことができる。この実施形態の濃度センサ60では、単一の偏光成分(以下、「p偏光成分」という)を有する照射光を中間転写ベルト71に向けて照射するとともに、反射光のうち、照射光と同じp偏光成分およびこれと垂直な偏光成分(以下、「s偏光成分」という)を個別に受光し、それぞれの受光光量に応じた電圧を出力信号として出力する。以下では、pおよびs偏光成分に対応する濃度センサ60の出力電圧を、それぞれVpおよびVsと表すこととする。
図3はこの画像形成装置の階調処理ブロックを示す図である。メインコントローラ11は、色変換部114、階調補正部115、ハーフトーニング部116、パルス変調部117、階調補正テーブル118および補正テーブル演算部119などの機能ブロックを備えている。
また、エンジンコントローラ10は、図2に示すCPU101、ROM106、RAM107以外に、露光ユニット6に設けられたレーザ光源を駆動するためのレーザドライバ121と、濃度センサ60の検出結果に基づきエンジン部EGのガンマ特性を示す階調特性を検出する階調特性検出部123を備えている。
ホストコンピュータ100から画像信号が与えられたメインコントローラ11では、色変換部114がその画像信号に対応する画像内の各画素のRGB成分の階調レベルを示したRGB階調データを、対応するCMYK成分の階調レベルを示したCMYK階調データへ変換する。この色変換部114では、入力RGB階調データは例えば1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)であり、出力CMYK階調データも同様に1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)である。色変換部114から出力されるCMYK階調データは階調補正部115に入力される。
こうして補正された補正CMYK階調データは、ハーフトーニング部116に入力される。このハーフトーニング部116は誤差拡散法、ディザ法、スクリーン法などのハーフトーニング処理を行い、1画素1色当たり8ビットのハーフトーンCMYK階調データをパルス変調部117に入力する。
このパルス変調部117に入力されたハーフトーニング後のCMYK階調データは、各画素に付着させるべきCMYK各色のトナードットのサイズおよびその配列を示しており、かかるデータを受け取ったパルス変調部117は、そのハーフトーンCMYK階調データを用いて、エンジン部EGのCMYK各色画像の露光レーザパルスをパルス幅変調するためのビデオ信号を作成し、図示を省略するビデオインターフェースを介してエンジンコントローラ10に出力する。そして、このビデオ信号を受けたレーザドライバ121が露光ユニット6の半導体レーザをON/OFF制御して各色成分の静電潜像を感光体22上に形成する。このようにして通常の印刷を行う。
また、この画像形成装置では、所定のタイミングで、各トナー色毎に、画像品質を適正に維持するための画像形成条件の調整処理を実行する。この調整処理は、例えば、装置の電源投入直後や、画像形成を行わないスタンバイ状態が長時間継続したときなどに実行される。
図4はこの実施形態における画像形成条件の調整処理を示すフローチャートである。この調整処理では、まず、感光体22および中間転写ベルト71のクリーニングや、現像ユニット4の所定位置への位置決めなどを含む初期化処理を行う(ステップS1)。これに続いて、所定の画像濃度を得るために装置の動作条件を調整する濃度制御(ステップS2)および装置のガンマ特性を補償して良好な階調再現性を得るための階調制御(ステップS3)を相次いで実行する。
図5はこの実施形態における濃度制御処理を示すフローチャートである。画像濃度に影響を与える濃度制御因子としては、従来より種々のものが知られており、それらを最適化して所望の画像濃度を得るための技術についても既に多くの提案がなされている。この実施形態においてもそれらの技術を適用することが可能であり、ここではその一例として、現像ローラ44に与える現像バイアス電圧を濃度制御因子としてその最適値を求める技術について説明するが、濃度制御因子およびその調整方法についてはこの記載に限定されるものではない。
図5はこの実施形態における濃度制御処理を示すフローチャートである。この濃度制御処理では、まず、トナー像を担持しないクリーニング直後の中間転写ベルト71表面について、濃度センサ60からの出力信号をサンプリングする下地サンプリングを行う(ステップS201)。この下地サンプリングは、後に行うパッチ画像の濃度検出結果に中間転写ベルト71の表面状態が及ぼす影響をキャンセルするために行う。すなわち、この濃度センサ60で受光するパッチ画像からの反射光には、画像の下地である中間転写ベルト71表面で反射された光成分も含まれている。そこで、パッチ画像を担持した状態での中間転写ベルト71表面からの反射光量に加えて、画像を担持しない状態での反射光量についてもサンプリングしておき、それらの結果からパッチ画像濃度を求めることで、中間転写ベルト71の表面状態の影響を除いている。その具体的な計算方法については後述する。
また、下地サンプリングは、中間転写ベルト71表面の複数箇所について行う。すなわち、中間転写ベルト71を一定速度で周回移動させながら、CPU101が濃度センサ60の出力を一定時間間隔で複数回サンプリングすることにより、中間転写ベルト71の移動方向D2に沿って互いに位置の異なる複数箇所でのサンプリング結果が得られる。これらのサンプリング結果については、エンジンコントローラ10に設けられたRAM107に記憶しておく。このときのサンプリング位置x(x=0,1,2,…)における濃度センサ出力Vp、VsをそれぞれTp1(x)、Ts1(x)と表すこととする。
ここで、下地サンプリングを行う中間転写ベルト71上の位置について説明する。後に詳述するように、この実施形態では、パッチ画像の形成前後それぞれにおける中間転写ベルト71上の同一位置でのサンプリング結果に基づき、正味のパッチ画像濃度を指標するパラメータである「評価値」の算出を行っている。したがって、この下地サンプリングは、中間転写ベルト71表面のうち、後にパッチ画像を形成される位置において行う必要がある。この実施形態では、下地サンプリングを行う位置を次のように決定している。
図6は中間転写ベルト上におけるパッチ画像形成位置を示す図である。この実施形態では、その濃度制御処理において4つのパッチ画像Ivを形成する一方、階調制御処理においては1つのパッチ画像Itを形成する。これらのうち、濃度制御用のパッチ画像Ivは、中間転写ベルト71の移動方向D2に沿って延びる短冊状に形成され、しかも、4つのパッチ画像Ivは、図6に示すように、中間転写ベルト71上の仮想的な領域Zの中に互いに適当な間隔をおいて配置される。また、階調制御用のパッチ画像Itも、領域Zの中に、中間転写ベルト71の移動方向D2に沿って延びる短冊状に形成される。すなわち、濃度制御用パッチ画像Ivと階調制御用パッチ画像Itとは、中間転写ベルト71上においてその形成位置ができるだけ重複するように配慮されている。
したがって、中間転写ベルト71上の領域Z内の各位置について下地サンプリングを行っておけば、そのサンプリング結果を、濃度制御処理および階調制御処理のいずれにおいても使用することができる。そして、これ以外の領域についてはサンプリングを行う必要がない。このように、濃度制御用パッチ画像Ivと階調制御用パッチ画像Itとを、その形成位置ができるだけ重複するようにするとともに、その重複部分については下地サンプリング結果を共通使用することによって次のような作用効果が得られる。すなわち、これらを全く異なる位置に形成する場合と比較して、下地サンプリングに要する時間を短縮することができるとともに、下地サンプリング結果を記憶しておくためのメモリ容量を節約することができる。なお、この効果は濃度制御用パッチ画像と階調制御用パッチ画像とでその形成位置を少なくとも一部重複するようにすることで得られるが、本実施形態のように、できるだけ広い範囲で両者が重複するようにすることで、その効果は顕著なものとなる。
図5に戻り、濃度制御処理の説明を続ける。下地サンプリングに続いて、エンジン部EG各部を駆動して、濃度制御因子である現像バイアス電圧を多段階に変更設定しながら、各バイアス値で、中間転写ベルト71上に所定画像パターンのパッチ画像を形成し(ステップS202)、こうして形成したパッチ画像の各位置について、濃度センサ60からの出力信号をサンプリングする。このときのサンプリング位置xにおける濃度センサ出力Vp、VsをそれぞれDp1(x)、Ds1(x)と表すこととする。以下では、現像バイアスVbを4段階に変更設定してパッチ画像を形成するものとして説明する。
図7は濃度制御用のパッチ画像を示す図である。図7(a)は1つのパッチ画像Ivの形状を示している。すなわち、パッチ画像Ivは、中間転写ベルト71の移動方向D2に沿って延びる短冊状のベタ画像であり、その長さは、現像ローラ44の周長Ldr以上である。このように、パッチ画像Ivの長さを現像ローラ周長Ldr以上とするのは、以下の理由による。この種の画像形成装置では、現像ローラ44の構造上の理由、例えばその偏心や特性ばらつき等に起因して、画像濃度に周期的な変動が現れることがある。そこで、パッチ画像Ivの長さを現像ローラ周長Ldr以上とすれば、各位置で検出した濃度を平均化することによって、このような濃度変動の影響を除くことができる。
また、パッチ画像Ivの幅は、濃度センサ60により反射光の検出が可能な中間転写ベルト71上の表面領域の幅よりは大きくなるように形成される。すなわち、濃度センサ60からの出力信号を読み込むことによって、パッチ画像Iv内のある1つの領域からの反射光量を検出することができる。この領域が本発明にいう「検出領域」に相当するが、この幅よりもパッチ画像Ivの幅を大きくすることによって、検出領域内では一様な画像となり、濃度センサ60の出力信号は、パッチ画像Ivであるベタ画像の画像濃度を反映したものとなる。また、パッチ画像Ivの長さは、当然に検出領域の長さよりも大きくなっている。図7(b)は、中間転写ベルト71を移動させながらサンプリングを行うことによって、パッチ画像Iv内の複数の検出領域P1、P2、…における濃度検出が可能であることを示している。
こうしてサンプリングした下地およびパッチ画像Ivについてのサンプリング結果には、中間転写ベルト71表面の傷や汚れ、またセンサ出力に混入する電気的ノイズに起因して、スパイク状のノイズ成分が含まれることがある。そこで、このようなスパイク状ノイズを除くための処理を行う(図5のステップS204)。このノイズ除去処理は、例えば次のようにして行うことができる。
サンプリングデータ列に含まれる各サンプリングデータについて、当該サンプリングデータおよびその前後のデータを用いたスムージングまたはフィルタリング処理を行うことにより、ノイズを除去された有効な濃度情報を得ることができる。図7(c)は、1つのサンプリング位置におけるサンプリングデータを、当該位置およびその前後各1箇所のサンプリング位置の計3箇所におけるサンプリング結果の中央値に置き換えることによって、スパイク状のノイズを除去することができることを示している。
すなわち、例えば、図7(b)において斜線を付した検出領域P6についてのサンプリング結果A6については、周囲の位置におけるサンプリング結果から突出した値となっていることからノイズの影響が現れているとみられる。そこで、その前後に位置する検出領域P5およびP7についてのサンプリング結果A5およびA7との比較を行う。そして、これらの値の中央値(A5)を、当該検出領域P6の画像濃度を表す濃度情報B6とすることで、ノイズの影響を抑えることができる。他の各位置についても同様にすることで、図7(c)の×印で示す元のサンプリングデータ列は、図7(c)の丸印で示すように、ノイズの影響が除かれたデータ列に置き換えられる。この方法は、後に述べる階調制御用のパッチ画像のサンプリング結果に対しても適用可能である。
なお、濃度制御用パッチ画像Ivのように、一様な画像であることを前提として形成された画像に対しては、次のようにしてノイズ除去を行うことができる。すなわち、画像内における複数位置についてのサンプリング結果のうち、その値が最も大きいものおよび小さいものから順に、それぞれノイズの発生態様に合わせて設定される所定個数ずつのデータを除外し、それ以外のデータの平均値に置き換える。例えば、パッチ画像Iv内において20箇所のサンプリングを行い、事前の実験によりそのサンプリングデータに含まれるノイズの発生頻度が20%程度であることがわかっているとすると、20個のサンプリングデータのうち上位2個、下位2個に相当するデータを選び出す。そして、残り16個のデータの平均値を求め、これら4個のデータに代えてこの平均値をそれぞれの位置に対応する濃度情報とする。
このスパイク状ノイズの除去処理は、下地サンプリングの結果およびパッチ画像についてのサンプリング結果のそれぞれに対して行い、下地およびパッチ画像それぞれについて、ノイズの影響を排除した濃度情報を得る。以下では、サンプリングデータTp1(x)、Ts1(x)、Dp1(x)およびDp1(x)それぞれに対して、上記ノイズ除去処理を行った後の濃度情報を、それぞれTp2(x)、Ts2(x)、Dp2(x)およびDp2(x)と表記する。なお、こうして求めた処理後の数値を記憶するについては、それぞれに相当する処理前の数値を記憶していたメモリ領域に上書きすることで、メモリ容量の増加を抑えることができる。
また、下式(式1)、(式2)により、濃度情報の平均値TaveおよびTpaveを求めて記憶しておく:
Tave=Sg・AVG(Tp2(x)−Vp0)−AVG(Ts2(x)−Vs0) …(式1)
Tpave=AVG(Tp2(x)−Vp0) …(式2)
ここで、AVG(f(x))は、xを変数とする関数f(x)についてxの全範囲においてその平均値を求める演算子として定義する。また、値Vp0およびVs0は、濃度センサ60の「暗出力」、つまり照射光量をゼロとしたときに濃度センサ60から出力される出力電圧VpおよびVsであり、濃度センサ60の出力回路の出力オフセットに相当する値である。
Tave=Sg・AVG(Tp2(x)−Vp0)−AVG(Ts2(x)−Vs0) …(式1)
Tpave=AVG(Tp2(x)−Vp0) …(式2)
ここで、AVG(f(x))は、xを変数とする関数f(x)についてxの全範囲においてその平均値を求める演算子として定義する。また、値Vp0およびVs0は、濃度センサ60の「暗出力」、つまり照射光量をゼロとしたときに濃度センサ60から出力される出力電圧VpおよびVsであり、濃度センサ60の出力回路の出力オフセットに相当する値である。
また、係数Sgは、濃度センサ60のゲイン補正係数である。この実施形態では、反射光に含まれる偏光成分のうち、照射光と同じ偏光成分であるp偏光成分に比してs偏光成分の光量が少ないことを考慮して、信号のS/N比改善のため、濃度センサ60のs偏光成分受光部に、p偏光成分受光部より大きなゲインを与えている。このゲイン差を補償し両偏光成分の重みを同じにするための係数が、上記したゲイン補正係数Sgである。
そして、こうして求められた濃度情報に基づいて、パッチ画像の正味の画像濃度を求めるが、ここでは画像濃度を直接求めるのではなく、画像濃度を指標する値としての「評価値」を算出する(ステップS205)。
なお、この実施形態では、カラートナーと無彩色のブラックトナーとで光学的特性が大きく相違していることに鑑み、カラートナーで形成したパッチ画像とブラックトナーで形成したパッチ画像との間で異なる計算式を用いて処理を行っている。しかしながら、その基本的な考え方は共通しているので、以下ではカラートナーによるパッチ画像に対する処理について主に説明し、ブラックトナーにおいて異なる計算式については後にまとめて示すこととする。
まず、中間転写ベルト71の表面状態の影響を差し引く下記の計算式により、カラートナーによるパッチ画像の正味の画像濃度を示す濃度データFc(x)を得る:
Fc(x)=Sg・{Dp2(x)−Vp0}−{Ds2(x)−Vs0}
×Tave/[Sg・{Tp2(x)−Vp0}−{Ts2(x)−Vs0}] … (式3)
ここで、左辺の添え字cは、カラートナーに対応した値であることを示し、計算式自体はシアン、マゼンタおよびイエローの各トナー色で共通であるが、濃度データFc(x)の値は各トナー色毎に異なった値となることは言うまでもない。このことは以下の計算式においても同じである。
Fc(x)=Sg・{Dp2(x)−Vp0}−{Ds2(x)−Vs0}
×Tave/[Sg・{Tp2(x)−Vp0}−{Ts2(x)−Vs0}] … (式3)
ここで、左辺の添え字cは、カラートナーに対応した値であることを示し、計算式自体はシアン、マゼンタおよびイエローの各トナー色で共通であるが、濃度データFc(x)の値は各トナー色毎に異なった値となることは言うまでもない。このことは以下の計算式においても同じである。
次に、こうして求めた濃度データFc(x)を評価値Gvc(x)に変換する。この「評価値」は、パッチ画像濃度を0から1までの値で正規化して表現したものである。反射型フォトセンサを用いた濃度センサ60では、受光光量が多いほど出力電圧が低くなるため、上記した濃度データFc(x)の値は画像濃度が高いほど小さくなってしまい扱いにくい。そこで、画像濃度が高いほど大きな値を示す評価値G1c(x)を導入する。評価値G1c(x)は次式により算出する:
Gvc(x)=1−Fc(x)/Tave … (式4)
ここで、サンプリングおよび計算処理の過程で生じる誤差のため、(式4)の結果が負の値または1を超える値となる場合がある。このような場合には、計算結果をそれぞれ0または1に丸めることとする。
Gvc(x)=1−Fc(x)/Tave … (式4)
ここで、サンプリングおよび計算処理の過程で生じる誤差のため、(式4)の結果が負の値または1を超える値となる場合がある。このような場合には、計算結果をそれぞれ0または1に丸めることとする。
一方、ブラックトナーについても同様に考えることができる。この場合、上式(式3)および(式4)に代えて、それぞれ以下の計算式(式3A)および(式4A)を用いることができる:
Fk(x)={Dp2(x)−Vp0}×Tpave/{Tp2(x)−Vp0} … (式3A)
Gvk(x)=1−Fk(x)/Tpave … (式4A)
ここで、左辺の添え字kはブラックトナーに対応した値であることを示している。
Fk(x)={Dp2(x)−Vp0}×Tpave/{Tp2(x)−Vp0} … (式3A)
Gvk(x)=1−Fk(x)/Tpave … (式4A)
ここで、左辺の添え字kはブラックトナーに対応した値であることを示している。
こうして求めた評価値Gvc(x)、Gvk(x)に対する以後の扱いは、カラートナーとブラックトナーとで共通である。そこで、以後の記述においては、カラートナーに対応する評価値Gvc(x)とブラックトナーに対応する評価値Gvk(x)を特に区別せず、いずれもトナー色を示す添え字を省略したGv(x)と表すこととする。
続いて、こうして求めた評価値Gv(x)について、各パッチ画像毎の平均値を算出する(ステップS206)。これにより、現像ローラ44の偏心等による濃度ムラの影響をキャンセルした各パッチ画像についての評価値が求まる。その結果に基づき、画像濃度を目標濃度に制御するための現像バイアスの最適値を算出する(ステップS207)。
図8は最適現像バイアスの算出方法を示す原理図である。現像バイアスVbを互いに値の異なる4段階の電圧値Vb1、Vb2、Vb3およびVb4に設定して形成したパッチ画像についての評価値(平均値)GvをそれぞれGv1、Gv2、Gv3およびGv4としてプロットすると、例えば図8のようなグラフが得られる。この関係から、目標とする画像濃度に対応する評価値Gv_tgtを得られる現像バイアスの最適値Vboptを求めることができる。この例では、2つの現像バイアスVb3およびVb4に対応する2点の間を適宜に補間することによって、目標画像濃度を得る最適現像バイアスVboptを算出することができる。
以上のようにして、画像濃度を目標濃度とするための現像バイアスの最適値Vboptが算出される。また、他の濃度制御因子、例えば露光ビームLの強度についても同様にして最適化を行うことができる。こうして濃度制御因子の最適値が求まると、以後の画像形成動作においては濃度制御因子をその最適値に設定しながら画像形成動作を実行することにより、所望の画像濃度のトナー像を得ることができる。
次に、濃度制御処理に続いて行うこの実施形態における階調制御処理(図4のステップS3)について説明する。この階調制御処理では、各トナー色毎に、ガンマ特性を測定するために予め用意された階調補正用の階調パッチ画像がエンジン部EGによって中間転写ベルト71上に形成され、各階調パッチ画像の画像濃度を濃度センサ60が読み取り、その濃度センサ60からの信号に基づき階調特性検出部123が各階調パッチ画像の階調レベルと、検出した画像濃度とを対応させた階調特性(エンジン部EGのガンマ特性)を作成し、メインコントローラ11の補正テーブル演算部119に出力する。そして、補正テーブル演算部119が、階調特性検出部123から与えられた階調特性に基づき、実測されたエンジン部EGの階調特性を補償して理想的な階調特性を得るための階調補正テーブルデータを計算し、階調補正テーブル118の内容をその計算結果に更新する。こうして階調補正テーブル118を変更設定する。以下、この階調制御処理についてさらに詳しく説明する。
図9はこの実施形態における階調制御処理を示すフローチャートである。この階調制御処理の基本的な流れは、図5に示す濃度制御処理と類似している。ただし、前記したように、階調制御用パッチ画像と濃度制御用パッチ画像とでその形成位置をできるだけ重複させるようにしており、これらの形成位置に相当する領域Zについては既に下地サンプリングを済ませている。そのため、ここでは、下地サンプリングを省略していきなりパッチ画像を形成することができる(ステップS301)。
図10は階調制御用パッチ画像を示す図である。図10(a)に示すように、この実施形態における階調制御用パッチ画像Itは、中間転写ベルト71の移動方向D2に沿って延びる短冊形状で、しかも、その階調レベルは一様ではなく、移動方向D2に沿って最大レベル(レベル255)から最小レベル(レベル0)まで連続的に変化するように形成される。ただし、画像の先頭部(x=0〜x0)には、現像ローラ44の周長Ldr以上の長さを有するベタ画像部を設ける。その理由については後述する。この階調パッチ画像Ipのうち、上記したベタ画像部Ihを除く部分Igが本発明の「階調画像部」に相当する。また、この実施形態では、中間転写ベルト71の移動方向D2が本発明にいう「所定方向」に相当する。
つまり、この階調パッチIpが形成される過程では、まず一定幅で方向D2に沿った長さLdr以上のベタ画像部Ihが感光体22上に形成され、それに続いて、階調レベルが最大レベルから最小レベルまで次第に変化する同じ幅の(またはヘッダ部より幅の狭い)階調画像部Igが形成される。そして、こうして形成された画像が中間転写ベルト71に転写されたものが階調制御用のパッチ画像Itである。なお、パッチ画像Itとしては、その階調レベルが連続的に変化する図10(a)に示す画像のほか、図10(b)に示すように、階調レベルが階段状に変化する画像を用いることができる。
いずれの画像パターンにおいても、図10(c)に示すように、濃度センサ60による中間転写ベルト71上の検出領域P内で階調レベルが変化している。このように、検出領域P内で階調レベルが一様でなくても、各階調レベルでの画像濃度を検出し、装置の階調特性を適切に求めることが可能である。その理由を以下に説明する。
図11は濃度センサの検出領域を例示する図である。濃度センサ60は、中間転写ベルト71表面のうち検出領域Pの各位置から反射される光を受光し、その光量に応じた電圧を出力する。検出領域Pの形状は濃度センサ60の構造によって決まるが、ここでは図11に示すように直径dの円形として説明する。これ以外の、例えば長円形や矩形であっても構わないが、検出精度を高めるためには、図11に示すように、その中心線(x=x0)に対して対称な形状であることが好ましい。
この検出領域P内の各位置における感度は、一般的には、例えば図11のガウス曲線aで示すように、検出領域Pの中央部で高く、周辺部ほど低くなっている。ただし、ここでは理解を容易とするために、曲線bに示すように、濃度センサ60がその検出領域P内において一様な感度を有するものとして説明し、感度が一様でない場合については後に考察する。
このような感度特性を有する濃度センサ60で、例えば図10(a)に示すパッチ画像Itの濃度を検出する場合を考える。検出領域P内におけるパッチ画像Itの画像濃度は連続的かつ一様に変化している。そのため、方向D2において検出領域Pの中央部(x=x0)の画像濃度に対して、その一端側で画像濃度が次第に減少する一方、他端側では画像濃度が次第に増加する。しかし、濃度センサ60ではこのような濃度変化を検出することはできず、検出領域Pからの受光量に基づき求めたこの領域の画像濃度は当該領域の平均的な画像濃度を表すこととなる。したがって、濃度センサ60の出力から求めた検出領域Pの画像濃度は、その検出領域P内で階調レベルが変化しているにもかかわらず、その中央部すなわち位置x=x0に対応する1つの階調レベルでの画像濃度を表すこととなる。
従来の画像形成装置では、1つの階調レベルでの画像濃度を求めるためには、検出領域Pより大きく、しかも階調レベルの一様なパッチ画像を形成する必要があり、多階調での画像濃度を求めるためにはこのようなパッチ画像を多数形成しなければならず、トナー消費量や処理時間の増大を招くという問題があった。またこのような問題を回避するために、いくつかの離散的な階調レベルで代表的に形成されたパッチ画像の画像濃度から階調特性を推定している従来技術では、実測されたサンプル数が少なく、その間の細かな濃度変化が測定にかからないこともあり、十分な精度で補正を行うに至っていなかった。
一方、複写機やスキャナ機能を備えた画像形成装置のように、与えられた原稿から画像信号を生成するための高分解能の読み取りセンサを必須的に備えた画像形成装置では、この読み取りセンサをパッチセンサとして用いることが考えられる。
例えば、特開平6−311365号公報には、連続的に階調の変化するテストパターンを記録紙上にプリントし、そのテストパターンの画像濃度をCCDラインセンサにより読み取って装置の階調補正に供する画像入出力装置が記載されている。しかし、この装置における階調補正処理は、テストパターンを印刷された記録紙を取り出して原稿台にセットし、所定のキーで読み取りを開始させるというユーザによる操作の介在を前提としている。すなわち、濃度センサ60を設け、後述するように階調補正を装置内部での処理のみで実行する本願発明にかかる画像形成装置およびその制御方法とは、その構成において大きく相違するものである。
また、同号公報の趣旨によれば、CCDラインセンサが原稿読み取りに必要な分解能を有しているため、CCDラインセンサの1画素で読み取れる範囲内ではテストパターンの階調レベルが変化しないことを前提としていると理解される。すなわち、同号公報には、CCDラインセンサの1画素で読み取れる範囲内に複数の階調レベルを含むテストパターンについて、各階調レベルごとの濃度データをどのようにして求めるかに関しては、一切の記載も示唆もされていない。
これに対して、この実施形態の画像形成装置では、上記したように、濃度センサ60の分解能に対応する検出領域P内に複数の階調レベルを含むパッチ画像Itを用いることができる。そのため、各階調レベルごとに大きなパッチ画像を形成しなくても、それぞれの階調レベルでの画像濃度を精度よく求めることが可能である。また、その階調レベルが連続的かつ一様に変化している階調パッチ画像It内のどこに検出領域Pを設けても、濃度センサ60による検出結果はその検出領域Pの中央部に対応する階調レベルでの画像濃度を表すこととなる。そのため、このようなパッチ画像It内において検出領域Pを適当な位置に設け濃度検出を行うことで、任意の階調レベルでの画像濃度を求めることが可能である。したがって、1つの階調パッチ画像Itにおいて検出領域Pの位置を変えながら必要回数の濃度検出を繰り返すことで、任意のサンプル数でエンジン部EGの階調特性の実測値を得ることができる。そして、このように細かいピッチで階調レベルを変化させることにより、パッチ画像Itの長さを短くすることができ、パッチ画像の形成および濃度検出に要する時間やトナー消費量の節約を図ることができる。
さらに、上記した従来技術の装置においては、テストパターンとともにレジストレーションマークを形成しているが、このレジストレーションマークは、単に装置によるテストパターンの読み取り領域の基準位置を与えるためにのみ設けられたものである。後述するように、本実施形態では、装置の階調特性を求める際にベタ画像の濃度検出結果を使用しており、したがって、本実施形態において形成するベタ画像部Ihは、このレジストレーションマークとは全く異なる作用を果たすものである。
この実施形態の装置では、より滑らかな階調特性を求めてきめ細かな階調補正を行うべく、サンプル数をできるだけ多くしている。すなわち、図7に示す濃度制御用パッチ画像Ivの場合と同様に、階調制御用パッチ画像Itのうち中間転写ベルト71の搬送方向D2において互いに位置の異なる複数箇所について濃度検出を行い、しかも、各箇所に対応する検出領域Pのうち相互に隣接する各検出領域Pの一部が互いに重なるようにしている。こうすることで、階調レベル変化に対応するパッチ画像Itの濃度変化を見落とすことなくきめ細かく検出することができるので、こうして実測した階調特性に基づいてより精度の高い補正を行うことが可能である。なお、互いに隣接する各検出領域Pについては、必ずしもその一部が互いに重なり合っている必要はなく、互いに離隔していてもよい。
また、図10(b)に示すように、パッチ画像Itが階段状の階調レベル変化を有している場合も同様である。すなわち、このようなパッチ画像では、濃度センサ60の検出領域Pの直径dよりも細かいピッチで階調レベルが変化しているため、検出領域P内には複数の階調レベルでの画像が含まれる。そして、検出領域Pの中心部(x=x0)に対し、その両側で階調レベルが相反するように変化しているから、両側での階調レベルの差に基づく濃度の増減は相殺され、結果として、検出領域Pの中央部における画像濃度にほぼ匹敵する出力が濃度センサ60から出力されることとなる。つまり、濃度センサ60からみれば、階段状のパッチ画像Itにおけるこのような微視的な階段状の変化は、ほぼ連続的かつ一様な変化と同等に扱うことができる。
なお、上記では検出領域Pにおける濃度センサ60の検出感度を一様と仮定して説明したが、実際の装置においては、図11の曲線aに示すように、一般にその検出感度は検出領域Pの中央部で高く周辺部で低くなっている。そのため、実際には、検出領域Pの周辺部での画像濃度はより検出結果に反映されにくい一方、中央部での画像濃度がより大きく結果に反映されることになる。つまり、検出領域Pでは、その周辺部において濃度センサ60の感度が低下しているため周辺部の画像濃度が濃度検出の結果に及ぼす影響がもともと小さいことに加えて、中央部に対する両端部での濃度の増減がキャンセルされるので、上記のようにして濃度検出を行うことにより、パッチ画像Itのうち検出領域Pのほぼ中央部のみの画像濃度を精度よく検出することが可能である。
図9に戻って、階調制御処理の説明を続ける。こうして形成したパッチ画像Itについては、サンプリング位置を変化させながら複数位置で濃度センサ60の出力信号をサンプリングする(ステップS302)。そして、濃度制御処理の場合と同様に、そのサンプリング結果についてスパイク状ノイズの除去処理を実行する(ステップS303)。さらに、パッチ画像It内の各位置について、その位置におけるパッチ画像の濃度を指標する評価値の算出を行う(ステップS304)。以下では、位置xに対応する評価値をGt1(x)と表すこととする。
階調制御用パッチ画像Itにおいても、濃度制御用パッチ画像Ivの場合と同様に、周期的な濃度変動が現れることがある。濃度制御用パッチ画像Ivについては、本来画像濃度が一様であるという前提のもとに、該画像内で評価値を平均化することでこのような濃度変動の影響をキャンセルしていた。しかしながら、階調制御用のパッチ画像Itでは、階調レベルの変化に伴う濃度勾配を本来的に有しており、しかも、各位置毎の画像濃度を個別に求める必要があるため、同じ方法で周期的な濃度変動をキャンセルすることができない。そこで、この実施形態の階調制御処理では、濃度制御処理の場合とは異なる方法の補正処理を行うことにより、濃度変動の影響を抑えている(ステップS306)。
図12は階調制御処理におけるデータ補正処理を説明するための原理図である。このデータ補正処理では、先に求めたパッチ画像Itの各位置についての評価値に対し下記のスムージング処理を施すことによって、現像ローラ周長Ldrに対応した繰り返し周期で現れる変動をキャンセルする。
図12の実線で示すように、パッチ画像Itについての評価値は、ベタ画像部Ih(図10(a))に相当するサンプリング位置ではほぼ一定となり、階調画像部Igに相当するサンプリング位置では階調レベルの低下に伴い次第に低下するはずである。しかし、現像ローラ44に起因するパッチ画像Itの濃度変動のため、図12の破線に示すように、先に求めた評価値Gt1(x)の計算結果(白丸印で示す)も現像ローラ周長Ldrに対応して周期的な変動を示す。そこで、この補正処理では、1つのサンプリング位置において求めた評価値Gt1(x)を、当該位置を中心として現像ローラ周長Ldrの範囲に含まれる各サンプリング位置での評価値の平均値Gt2(x)に置き換える補正を行うことによって、このような周期的変動をキャンセルする。図12は、現像ローラ周長Ldrの範囲に11箇所のサンプリング位置が含まれる場合を示しており、例えば、サンプリング位置(x=x1)における補正後の評価値Gt2(x1)(黒丸印で示す)は次のように表される:
Gt2(x1)={Gt1(x1-5)+Gt1(x1-4)+…+Gt1(x1)+…+Gt1(x1+4)+Gt1(x1+5)}/11 … (式5)
ここで、Gt1(x1-5)、Gt1(x1-4)、…はそれぞれ、現在対象としているサンプリング位置(x=x1)に対して5サンプル前、4サンプル前、…の各サンプリング位置における評価値Gt1(x)である。
Gt2(x1)={Gt1(x1-5)+Gt1(x1-4)+…+Gt1(x1)+…+Gt1(x1+4)+Gt1(x1+5)}/11 … (式5)
ここで、Gt1(x1-5)、Gt1(x1-4)、…はそれぞれ、現在対象としているサンプリング位置(x=x1)に対して5サンプル前、4サンプル前、…の各サンプリング位置における評価値Gt1(x)である。
このスムージング処理は、一般に「移動平均処理」として知られている処理技術である。移動平均処理によるスムージング処理では、連続するサンプリングデータ列に含まれる変動分を平滑化することが可能である。そして、ここでは、処理に用いるサンプリングデータの範囲を現像ローラ周長Ldrに対応させているので、現像ローラ44の回転に伴って生じる周期的な濃度変動の影響をキャンセルすることができる。
なお、移動平均処理によるスムージング処理では、データの急峻な変化が鈍ってしまうという問題がある。この実施形態の階調パッチ画像Ipでは、階調画像部Igの階調レベルを連続的に変化させているので、問題となるのは階調画像部Igの両端部のみである。このうち、階調レベル最大の先端部については、さらにその前方に接してベタ画像部Ihが設けられているため端部での評価値の変化は緩やかである。また、後端部については、階調レベルの低下に伴って評価値も次第にゼロに近づくため、やはり急激な値の変化は生じない。このように、パッチ画像Ipとして、最大階調レベルでのベタ画像部Ihと、ベタ画像部Ihの後端に接してその階調レベルが最大レベルから最小レベルまで順次変化する階調画像部Igとを有する画像として構成することによって、スムージング処理に伴うデータ変化の鈍りの問題を回避することができる。
なお、階調画像部Igの後端部以降での所要個数のサンプリングデータを取ることができない場合には、後端部付近についてはスムージング処理に使用するデータ個数を適宜変更してもよい。例えば、当該サンプリング位置より後方側のデータがn個(nは10より小さい自然数)しかない場合に、当該サンプリング位置に対応するデータおよびその前後各n個のデータの計(2n+1)個のデータによるスムージング処理を行うことができる。
このように、現像ローラ周長Ldrに相当する長さ範囲内でのスムージング処理を行うことによって、現像ローラ44の回転に伴って周期的に現れる濃度変動の影響を抑制することができる。この目的のためには、ベタ画像部Ihの長さを現像ローラ周長Ldrの1/2以上とすれば足りる。しかし、この実施形態では、より濃度変動の少ない階調画像部Igを形成する目的で、ベタ画像部Ihの長さを現像ローラ周長Ldr以上とし、階調画像部Igが現像ローラ44上に新たに供給されたトナーを用いて形成されるようにしている。
こうしてスムージング処理を行うことにより、装置の階調特性を示す曲線が得られる。そして、この階調特性実測値と理想値との乖離を補償するように、階調補正テーブル118の更新を行う(図9のステップS306)。こうすることで、エンジン部EG単独でのガンマ特性と、階調補正テーブル118による階調補正特性とを合成した装置の全体的なガンマ特性が理想的な状態に保たれ、この実施形態では、エンジン部EGのガンマ特性の変動によらず、優れた階調再現性で画像形成を行うことができる。
階調補正テーブルを更新するための演算方法については従来より各種の提案がなされており本実施形態においてもこれらの技術を適用することが可能である。ただし、このとき、階調画像部Igにおける濃度検出結果(評価値)を各階調レベルに対応した絶対的な画像濃度とみなすべきでない。
図13は階調レベルと画像濃度との関係を示す図である。装置の濃度制御因子がいずれもその最適値に設定された理想的な状態では、図13の曲線aに示すように、階調レベル最大(レベル255)で形成した画像(すなわちベタ画像)が想定された最大画像濃度Dmとなる一方、階調レベルの変化に応じて画像濃度も変化する。この曲線aが装置本来の階調特性曲線であり、階調補正テーブル118の更新は、この階調特性曲線をより理想的なものに近づけるように行われなければならない。
一方、濃度制御因子のいずれかがその最適値から外れた状態では、階調レベル最大のときの画像濃度が、想定値Dmよりも高濃度または低濃度となってしまう。これに伴って、各階調レベルでの画像濃度も高濃度側または低濃度側にシフトしてしまい、その結果、図13の曲線bまたはcに示すように、本来の階調特性とは異なる曲線が得られることとなる。これらの曲線に基づき階調補正テーブル118の更新を行ったのでは、理想的な階調再現性を得られない。
この実施形態では、濃度制御因子を最適化を行った後、ベタ画像部Ihを有するパッチ画像Itを形成して階調制御処理を行っているので、このような問題は生じない。すなわち、濃度制御因子の最適化処理後、ベタ画像部Ihを形成しその濃度検出を行うことにより、目標濃度が得られているかどうか、つまり濃度制御因子が適正に設定されたかどうかを確認することができる。
また、階調画像部Igの画像濃度には、装置の階調特性と、濃度制御因子の設定値により現出される画像濃度特性との双方の影響が現れているのに対し、ベタ画像部Ihの画像濃度は、装置の階調特性とは関係なく濃度制御因子の設定値によって決まる。したがって、ベタ画像部Ihの濃度検出結果(または評価値)を使うことで、階調画像部Igの濃度検出結果(または評価値)から装置の階調特性の寄与分のみを分離して求めることができる。例えば、階調画像部Igの各位置における濃度検出結果をベタ画像部Ihの濃度検出結果で正規化した値は、各階調レベルでの濃度検出結果を最大階調レベルでの画像濃度に対する比を表す数値となる。この数値は、濃度制御因子の設定値のずれに伴う濃度変化の影響を受けず、装置の階調特性のみを反映したものとなる。なお、このずれは、濃度制御処理の結果としてのみ現れるものではなく、例えば装置の経時変化によっても生じてくるものである。
また、次のようにしてもよい。図13の曲線bまたはcに示す濃度検出結果が得られた場合、各階調レベルでの濃度検出結果にそれぞれ(Dm/Dmb)または(Dm/Dmc)を乗ずる補正を行うと、補正後の曲線は曲線aとなり、濃度制御因子の設定値と関係なく装置本来の階調特性を示す曲線が得られる。もちろん、縦軸を評価値に置き換えても同様の議論が成り立つ。
このように、各階調レベルでの濃度検出結果(または評価値)がそのまま装置の階調特性を表すものと考えず、ベタ画像部の濃度検出結果を用いて補正した上で装置の階調特性を表す濃度情報とすることによって、濃度制御因子の設定値のずれの影響を受けず、より精度よく装置の階調特性を求めることができる。そして、その結果に基づいて、階調補正テーブル118の更新を行うことによって、この実施形態では、優れた階調再現性で安定して画像形成を行うことが可能となる。
ただし、ベタ画像部についての濃度検出結果(評価値)が高い精度でその目標値と一致している場合には、必ずしもこのような補正を行う必要はない。このような場合には、ベタ画像部Ihについての濃度検出結果を最大階調レベルに対応する濃度情報とするとともに、階調画像部Igの各位置における濃度検出結果を、各位置に対応する階調レベルにおける濃度情報とすることができる。
以上のように、この実施形態の画像形成装置では、画像濃度に影響を与える濃度制御因子を最適化する濃度制御処理と、装置の階調補正特性を制御する階調制御処理とを実行する。このとき、階調制御において形成されるパッチ画像Itは、所定面積を有するベタ画像部と、階調レベルが次第に変化する階調画像部とを有する画像である。そして、ベタ画像部および階調画像部についての濃度検出結果に基づいて装置の階調特性を求め、その結果を用いて装置の階調補正テーブルを更新する。こうすることにより、濃度制御因子の設定値が多少ずれていても、そのずれの影響を受けることなく、装置の階調特性を精度よく求めることができる。そのため、この装置では、画像信号に対し、装置の階調特性に応じた適正な階調補正特性を得ることができ、その結果、優れた階調再現性で安定して画像形成を行うことができる。
また、濃度制御処理と階調制御処理とを相次いで行うとともに、濃度制御用パッチ画像Ivと階調制御用パッチ画像Itとの間でその中間転写ベルト71上への形成位置が一部重複するようにしているので、下地サンプリング結果を共通に使用することができ、下地サンプリングのための処理時間の短縮およびデータ記憶のためのメモリ容量の節約を図ることができる。
また、ベタ画像部Ihを階調画像部Igの高階調レベル側端部に隣接するように配置しているので、階調画像部Igについての濃度検出結果のスムージング処理にベタ画像部Ihについての濃度検出結果を用いることができ、装置の構造に起因する濃度変動の影響を抑えることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、階調制御用のパッチ画像Itの先頭部にベタ画像部Ihを設け、階調画像部Igをこれに続けて形成しているが、これらは逆の順序で形成されてもよい。この場合には、ベタ画像部Ihと階調画像部Igとの境界における連続性を確保するため、階調画像部Igはその階調レベルが次第に増加するように形成されることが好ましい。また、ベタ画像部の長さも上記に限定されるものではなく、少なくともその濃度検出を精度よく行える程度の大きさがあればよい。ただし、現像ローラ44上のトナーを更新するとともに、濃度変動の影響を抑えるという効果の点からは、本実施形態のようにベタ画像部Ihを階調画像部Igに先立って形成し、しかもその長さを現像ローラ周長Ldr以上とするのが好ましい。
また、上記した実施形態の濃度制御処理では、パッチ画像Ivとしてのベタ画像を形成し、濃度制御因子としての現像バイアスの調整を行っているが、先にも述べた通り、他の動作パラメータを濃度制御因子として用いてもよく、また濃度制御処理において形成すべきパッチ画像Ivの画像パターンとしては、上記に限定されず適宜他の画像パターンを有するものを用いてもよい。
また、上記した実施形態では、中間転写ベルト71上に担持されたパッチ画像の濃度検出を行うようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、感光体22上に担持されたパッチ画像の濃度検出を行うようにしてもよい。また、中間転写ベルト71に代えて、転写ドラムなど他の転写媒体を備えた装置では、それらの転写媒体上でパッチ画像の濃度検出を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーを用いて画像を形成する装置に本発明を適用したものであるが、トナー色の種類および数については上記に限定されるものでなく任意である。また、本発明のようなロータリー現像方式の装置のみでなく、各トナー色に対応した現像器がシート搬送方向に沿って一列に並ぶように配置された、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に対しても本発明を適用可能である。さらに、本発明は、上記実施形態のような電子写真方式の装置に限らず、画像形成装置全般に対して適用可能である。
10…エンジンコントローラ(制御手段)、 11…メインコントローラ(制御手段)、 22…感光体、 44…現像ローラ、 60…濃度センサ(濃度検出手段)、 71…中間転写ベルト(像担持体)、 Ig…階調画像部、 Ih…ベタ画像部、 It…階調制御用パッチ画像、 Iv…濃度制御用パッチ画像、 Ldr…(現像ローラ44の)周長
Claims (11)
- 画像濃度に影響を与える濃度制御因子を多段階に変更設定しながら濃度制御用パッチ画像としてのトナー像を形成し、その濃度検出結果に基づいて前記濃度制御因子の最適値を求めることで画像濃度を制御するとともに、
前記濃度制御因子を前記最適値に設定しながら、所定面積のベタ画像であるベタ画像部と、その階調レベルが所定方向に沿って次第に変化する階調画像部とを有するトナー像を階調制御用パッチ画像として形成し、前記ベタ画像部および前記階調画像部の濃度検出結果に基づき装置の階調補正特性を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ベタ画像部における濃度検出結果を最大階調レベルに対応する濃度情報とするとともに、前記階調画像部内の互いに異なる複数の位置における濃度検出結果を各階調レベルに対応する濃度情報とし、それらの濃度情報から前記装置のガンマ特性を求め、そのガンマ特性を補償するように前記階調補正特性を設定する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ベタ画像部における濃度検出結果を最大階調レベルに対応する濃度情報とするとともに、前記階調画像部内の互いに異なる複数の位置における濃度検出結果を前記ベタ画像部における濃度検出結果を用いて補正した値を前記各階調レベルに対応する濃度情報とし、それらの濃度情報から前記装置のガンマ特性を求め、そのガンマ特性を補償するように前記階調補正特性を設定する請求項1に記載の画像形成装置。
- その表面にトナー像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体表面のうち所定の検出領域の画像濃度に対応する信号を出力する濃度検出手段と、
前記濃度検出手段からの出力信号をサンプリングし、そのサンプリング結果に基づいて前記像担持体表面に担持されたトナー像の画像濃度を求める制御手段と
を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記像担持体表面に担持されたトナー像についてのサンプリング結果と、トナー像を担持しない前記像担持体表面についてのサンプリング結果とに基づいて、当該トナー像の画像濃度を求める請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記階調制御用パッチ画像を、前記像担持体表面のうち前記画像濃度の制御において前記濃度制御用パッチ画像を担持する領域の少なくとも一部と重複するように形成するとともに、
該重複部分については、前記画像濃度の制御と前記階調補正特性の制御との間で、トナー像を担持しない状態でのサンプリング結果を共通で使用する請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記検出領域よりも大きい前記ベタ画像部を形成する請求項4ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記階調画像部では、前記検出領域の前記所定方向に沿った長さよりも細かいピッチでその階調レベルが変化している請求項4ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記階調制御用パッチ画像を、前記ベタ画像部と前記階調画像部とが前記所定方向に沿って互いに隣接するように形成する請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記階調画像部では、その前記所定方向における両端部のうち前記ベタ画像部と接している一端部においてその階調レベルが最大レベルとなる一方、他端部においてその階調レベルが最小レベルとなっている請求項9に記載の画像形成装置。
- 画像濃度に影響を与える濃度制御因子を多段階に変更設定しながら濃度制御用パッチ画像としてのトナー像を形成し、その濃度検出結果に基づいて前記濃度制御因子の最適値を求めることで画像濃度を制御するとともに、
前記濃度制御因子を前記最適値に設定しながら、所定面積のベタ画像であるベタ画像部と、その階調レベルが所定方向に沿って次第に変化する階調画像部とを有するトナー像を階調制御用パッチ画像として形成し、前記ベタ画像部および前記階調画像部の濃度検出結果に基づき装置の階調補正特性を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
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