JP2005062350A - 反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】平均反射率が小さくて光学特性が良好な反射防止フィルムの生産性を改善して容易に作製できるようにする。
【解決手段】基材フィルム上に1層以上の金属酸化物薄膜が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、金属酸化物薄膜層のうち少なくとも1層に、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層を用いる。また、基材フィルム上に、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層を含む3層以上の層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層を中屈折率層に用いる。
【選択図】なし
【解決手段】基材フィルム上に1層以上の金属酸化物薄膜が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、金属酸化物薄膜層のうち少なくとも1層に、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層を用いる。また、基材フィルム上に、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層を含む3層以上の層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層を中屈折率層に用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、反射防止フィルムに関し、さらに詳しくは、平均反射率が小さくてフラットパネルディスプレイに好適な反射防止フィルムに関する。
従来から、反射防止フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどのフラットパネルディスプレイにおいて、蛍光灯や太陽光等の外部光による写り込み低減のため広く用いられている。
反射防止フィルムとしては、380nmから780nmまでの平均反射率が0.5%以下になるように、金属酸化物を4層もしくはそれ以上積層し成膜したものが一般的に用いられている。また、透明プラスチックフィルム(基材フィルム)上に、真空蒸着法、スパッタリング法、塗工法などにより、高屈折率である金属酸化物膜と低屈折率である金属酸化物膜とを交互に積層して多層反射防止層を設けた反射防止フィルムも製造されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
ところが、反射防止層の多層化にともなって、工程の複雑化・生産性の低下が生じている。その解決法の1つとして、中屈折率層を設けることにより、層構成を1層もしくはそれ以上減少させることが可能であることが一般的に知られている。
例えば、4層構成の場合、基材側から、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順に積層されているが、これに替えて、基材側の層に中屈折率である金属酸化物薄膜層を設けることで、低屈折率層と高屈折率層の2層と等価の働きをもたせ、基材側から中屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の3層構成で4層構成並みの反射防止機能を発現させることができる。
これまで、中屈折率層として用いることのできる化合物のうち、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、金属フッ化物としては、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化アルミニウム、フッ化鉛、また、ポリマー中に高屈折率の金属酸化物微粒子を分散させた系等が使われてきた。しかしながら、中屈折率層として選べる材料が限られており、また、屈折率は、化合物の物性特性により決まり、成膜手法も塗工法が主に用いられるため、中屈折率層の上層の高屈折率層、低屈折率層の成膜手法として真空蒸着もしくはスパッタリングを用いた場合、工程が煩雑になることから、このような方法は多くは用いられていない。なお、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の3層の全ての積層に塗工法を用いた場合、工程は単純化できるが、反射防止性能の点で問題がある。
特開平10−176118号公報
特開2001−164117号公報
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、平均反射率が小さくて光学特性が良好であり、しかも容易に製作することが可能な反射防止フィルムを提供することにある。
まず、本出願人らの研究によって、基材フィルム上に、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより金属酸化物薄膜層を形成すると、その金属酸化物薄膜層が反射防止フィルムの屈折率層に使用
可能であることを見出した。本発明はそのような点を利用したものであり、その具体的な構成を以下に示す。
可能であることを見出した。本発明はそのような点を利用したものであり、その具体的な構成を以下に示す。
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、1層以上の金属酸化物薄膜が積層されてなる反射防止フィルムであって、前記金属酸化物薄膜層のうち少なくとも1層が、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層で構成されていること特徴としている。
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、3層以上の層が積層されてなる反射防止フィルムであって、空気側最表層から低屈折率層、高屈折率層の順で積層されているとともに、上記高屈折率層から基材フィルムの間のいずれかの層に中屈折率層が積層されており、上記中屈折率層が、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層で構成されていることを特徴としている。
本発明の反射防止フィルムにおいて、上記金属酸化物薄膜について、化学量論的組成からなる金属酸化物及びボイドを複合した形で、光学フィッティングを行った場合に、上記金属酸化物薄膜中に含有するボイドの体積が、膜中体積比で10〜50%であることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムにおいて、上記金属酸化物薄膜層は、酸化ジルコニウム、酸化チタンまたは酸化ハフニウムから選ばれる1種以上の金属酸化物からなることが好ましい。
次に、本発明の詳細を説明する。
本発明(請求項1に係る発明)の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、1層以上の金属酸化物薄膜が積層されてなるものであれば構成については問わないが、反射防止機能を発現するには、例えば、空気側最表層から低屈折率層、高屈折率層の順で積層した構成などが好ましい。
本発明(請求項2に係る発明)の反射防止フィルムは、基材フィルム上に積層された3層以上の層からなり、空気側最表層から低屈折率層、高屈折率層の順で積層されているとともに、高屈折率層から基材フィルムの間のいずれかの層に中屈折率層を積層しているものであり、例えば、空気側最表層から、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層の順で積層した5層構成や、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の順で積層した4層構成などが挙げられる。この発明において、積層数を増加させることにより、反射防止性能が高まるが、生産性及び反射防止機能性の点から、基材フィルム上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順に積層した3層構成の反射防止層が好ましい。
上記高屈折率層及び低屈折率層の屈折率は、波長550nmにおける低屈折率層の屈折率をn2、高屈折率層の屈折率をn3とすると、n2<n3であれば、特に限定されるものではないが、n2とn3との差が大きいことが好ましい。一般的にはn2=1.3〜1.5、n3=1.7〜2.5の範囲である。
上記中屈折率層の波長550nmにおける屈折率n1は、n2<n1<n3であれば特に限定されるものではないが、n2とn3の平均値を示すものが好ましく、一般的にはn1=1.5〜2.0の範囲である。
本発明のように、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させる成膜手法を用いて形成した金属酸化物薄膜層は、例えば、光学特性計算ソフト(J.A.Woollam社 V.A.S.E.for Windows(R))を用いて、化学量論的組成からなる金属酸化物及びボイド(屈折率(n)=1,吸収係数(k)=0)を複合した形で、光学フィッティングを行った場合に、金属酸化物中に含有するボイドの体積が、膜中体積比で10〜50%であり、それに伴い、屈折率が0.05〜0.75低下している。例えば、ある金属化合物の化学量論的組成を有した場合の屈折率が2.0であるとすると、本発明の成膜手法を用いた場合、成膜条件により1.5〜1.9の範囲の金属酸化物を作製することができる。なお、一般的に、上記光学フィッティングとは、上記光学特性計算ソフトなどを用いて、薄膜の膜厚を、薄膜材料の波長に対する屈折率及び吸収係数を用いて、反射率などの光学特性データから最小二乗法を用いて計算する手法をいう。
本発明に用いる中屈折率層は、上記計算により、屈折率が1.5〜2.0の範囲に入っている金属酸化物であれば特に限定されるものではないが、加水分解性を有する金属化合物の蒸気圧が高くて水分に対して活性であり、さらに生成した金属酸化物の安全性が高いという観点から、酸化ジルコニウム、酸化チタン及び酸化ハフニウムが特に好ましい。
本発明に用いる金属酸化物薄膜層を成膜する際の圧力雰囲気は、特に限定されるものではないが、大気圧近傍の圧力下(1.33×104〜10.66×104Paの圧力)、中でも、圧力調整の容易で装置構成が容易となる9.33×104〜10.40×104Paの圧力範囲とすることが好ましい。
上記反射防止フィルムに用いる基材フィルムは、成膜時の基材温度において裏面を保持したときに、表面からの水分蒸発濃度が露点計を用いて測定した結果が20mg/m3以上検知される量の水分を含有させたフィルムであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ノルボルネン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、再生セルロース、アルカリ処理されたトリアセチルセルロース等のプラスチックなどが挙げられる。
また、基材フィルム(板状のもの含む)としては、基材裏面にプロテクトフィルムの貼り付けもしくは糊塗工されたものや、セパレートフィルムが貼り付けたものであってもよい。これらの基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、30〜200μm程度である。
また、基材フィルムは、表面にハードコートが塗工されているものが一般的に用いられる。そのハードコートの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば5μm程度である。
上記基材フィルム中の表面水分検知は以下の方法を用いて確認する。
(1)水分濃度が1ppm以下の状態に乾燥ガスで置換した気密性のある箱(10cm×10cm×4cm)内において、基材フィルム(10cm×10cm)を温度制御可能な平板上に貼り付ける。(2)平板を0.3MPaの加圧下で成膜時の温度に制御し、1分間保持する。(3)1分間の保持が完了した後、露点を測定し、露点・水分濃度換算表から水分量に換算する水分検知法にて確認する。
上記基材フィルムは、必要量の水分を保持させるため、温度湿度を制御した環境下に保管し調湿した後に成膜に使用する必要がある。例えば、厚さ30μmのトリアセチルセルロースフィルムである場合、25℃,50%RHの環境下において、少なくとも24時間保持して調湿しておくことが好ましい。
本発明において金属酸化物薄膜層の成膜に用いる原料ガスは、加水分解性を有する金属化合物とそれを希釈するキャリアガスとを混合したガスとする。
上記加水分解性を有する金属化合物は、水分に対してより活性なものが好ましく、20mg/m3以上の水分を含む環境中に1g滴下したときに、水分と反応して白煙を生じる程度の加水分解性を有する化合物が特に好ましい。具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セリウム及びまたは酸化インジウム錫などの金属酸化物の原料となる金属の金属アルコキシド、金属アセチル化物、金属錯体、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物、金属アミノ化物、金属水素化物であり、気化器によるガス化が可能であり、また、基材フィルムとの反応前に液化しない必要があるため、150℃において1Pa以上の蒸気圧を有する必要がある。
上記加水分解性を有する金属化合物のうち、例えば、酸化チタンに関しては、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラノルマルプロポキシキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラノルマルブトキシチタニウム、テトライソブトキシチタニウム、テトラセカンダリーブトキシチタニウム、テトラターシャリーブトキシチタニウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)チタニウム、テトラキスジメチルアミノチタニウム、テトラキスジエチルアミノチタニウム、シクロペンタジエニルシクロオクタテトラエニルチタニウム、ジシクロペンタジエニルビスジメチルアミノチタニウム、四塩化チタニウム、四臭化チタニウム、ジ(イソプロポキシ)ビス(ジアセチルアセトネート)チタニウム、ジ(ノルマルブトキシ)ビス(ジアセチルアセトネート)チタニウム、ジ(エトキシ)ビス(ジアセチルアセトネート)チタニウム、ジ(イソプロポキシ)ビス(ジピバロイルメタネート)チタニウムなどが挙げられる。また、酸化ジルコニウムに関しては、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、テトラセカンダリーブトキシジルコニウム、テトラターシャリーブトキシジルコニウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ジルコニウム、ジルコニウムテトラボロンハイドライド、テトラキスアセチルアセトネートジルコニウム、テトラキスジピバロイルメタネートジルコニウム、テトラキス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオネート)ジルコニウム、テトラキスヘキサフルオロアセチルアセトネートジルコニウム、(イソプロポキシ)トリス(ジピバロイルメタネート)ジルコニウム、テトラキスジメチルアミノジルコニウム、テトラキスジエチルアミノジルコニウムなどが挙げられる。さらに、酸化ハフニウムに関しては、テトラエトキシハフニウム、テトライソプロポキシハフニウム、テトラターシャリーブトキシハフニウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ハフニウム、テトラキスアセチルアセトネートハフニウム、テトラキスジピバロイルメタネートハフニウム、テトラキスジメチルアミノハフニウム、テトラキスジエチルアミノハフニウム等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
希釈用のキャリアガスとしては、水分が5ppm以下の含有量であり、上記加水分解性を有する金属化合物と反応しないガスを用いる。例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、酸素、二酸化炭素等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
不活性ガス中の加水分解性を有する金属化合物の混合比は、0.01〜20体積%の範囲内であることが好ましい。金属化合物の混合比が20%を超えると、原料量が多くなりすぎ、水分と気相中での反応が進行し粉化してしまう。また、金属化合物の混合比が0.01%未満であると、ほとんど成膜が進行しない。
原料ガスのガス温度は、特に限定されるものではないが、加水分解性を有する金属化合物が気化している必要があるため、0〜300℃の範囲が好ましい。
成膜時の基材フィルムの温度は、基材フィルム中に含有させた水分を適度に成膜エリアに蒸発させる必要があるため、0℃以上である必要がある。また、あまり基材フィルムの温度を高温にすると基材フィルム中に含有させた水分が全て蒸発してしまうこと、及び、基材フィルムが熱により劣化することから200℃以下である必要がある。その中でも、50〜90℃の範囲が好ましい。
本発明において、金属化合物の成膜時における基材フィルムの表面温度は、特に限定されるものではないが、金属化合物が熱分解することにより成膜されないように、金属化合物の熱分解温度以下の温度とすることが好ましい。一般的には、50〜200℃以下で成膜を行うことが好ましい。また、基材フィルムの耐熱性の観点から、使用する基材フィルムの耐熱温度も考えて設定する必要があり、例えば基材フィルムがプラスチックフィルムである場合、基材フィルムの表面温度は50〜90℃程度とすることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを製作する際に用いる装置は、特に限定されるものではないが、基材フィルムの搬送部、原料ガスを供給するノズル、及び、原料ガスを排気するノズルからなる装置が好ましい。また、原料ガス供給するノズルと基材フィルムの搬送部の配置方式としては、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造などが挙げられる。
具体的な装置としては、例えば、図1に示すように、基材フィルム搬送用の平板1及びこの平板1に平行に対向配置された平板2からなる平行平板10と、それら一対の平板1,2間に原料ガスを供給する給気ノズル3と、原料ガスを排気する排気ノズル4とを備えた装置が挙げられる。
フィルムを保持する平板1と、この平板1に平行に対向配置された平板2は、ともに0〜200℃の間で温度制御できる必要がある。平板の材質としては、耐熱性物質が求められ、好ましくは、ステンレス鋼、アルミニウム等が挙げられる。
また、原料ガスを供給する給気ノズルの構造に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、ガス供給方向に対向する斜板を設け、ガス供給通路を次第に狭めて給気ノズル付近に狭窄部を設け、その狭窄部を通過した原料ガスを拡散させると同時に、基材フィルムの搬送方向に略平行に混合ガス流を変更させた後、スリット状もしくは多数の小孔が一列に並べられた吹き出し口から成膜空間(例えば平行平板間)に向けて吹き出す方式であってもよい。排気ノズルも給気ノズルと同じ構造であってもよい。各ノズルの材質としては、耐熱性物質であることが求められ、好ましくは、ステンレス鋼、アルミニウムなどが挙げられる。
原料ガスを給気ノズルから、例えば平行平板間に供給する場合、原料ガスは平行平板内の全域にわたって供給され周囲に漏れのないことが好ましい。また、平行平板内への外気の流入を防ぐことが好ましい。これらを実現する方式は、特に限定されるものではないが、例えば、平行平板のガス及び基材フィルムの進入をシールする方式、あるいは成膜装置
周囲を希釈用キャリアガスに用いるものと同様のガスで置換する方式などが挙げられる。
周囲を希釈用キャリアガスに用いるものと同様のガスで置換する方式などが挙げられる。
原料ガスの供給方式としては、原料である有機金属化合物が室温で液体である場合、例えば図2に示すように、原料供給容器11にて加圧・供給された液体を、液体マスフローコントローラ12に導いて液量を制御した後に、気化器13において加熱・気化し、この加熱・気化したガス(加水分解性を有する金属化合物ガス)と、マスフローコントローラ14にて流量制御したキャリアガスとを混合して原料ガスとし、給気ノズルから供給する方式を挙げることができる。
また、金属化合物が室温で固体の場合は、(1)溶媒で溶液にして、図2の方式で供給する方法、あるいは、(2)金属化合物を加熱し昇華させキャリアガスと混合する手法を挙げることができるが、原料制御の観点からは、(1)の溶液状態での供給方式が好ましい。
本発明によれば、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより金属酸化物薄膜(中屈折率層等)を形成しているので、平均反射率が小さくて光学特性が良好な反射防止フィルムを容易に作製することができる。さらに、多種にわたる金属酸化物による中屈折率層の作製が可能となり、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の3層構成により、4層構成と同等の光学特性を有する反射防止フィルムを実現できる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、1層以上の金属酸化物薄膜が積層されてなる反射防止フィルムであって、上記金属酸化物薄膜層のうち少なくとも1層が、前記した図1の成膜装置を用いて、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層で構成されていることを特徴としている。
また、本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、3層以上の層が積層されてなる反射防止フィルムであって、空気側最表層から低屈折率層、高屈折率層の順で積層されているとともに、上記高屈折率層から基材フィルムの間のいずれかの層に中屈折率層が積層されており、その中屈折率層が、前記した図1の成膜装置を用いて、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層(例えば酸化チタン層)で構成されていることを特徴としている。
以上の本発明の反射防止フィルムの具体的な実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
図1に示した成膜装置を用いて以下の条件で成膜を行った。
図1に示した成膜装置を用いて以下の条件で成膜を行った。
[装置構成]
図1の成膜装置において平板1と平板2との間隔を5mmに設定し、平板1及び平板2の表面温度をともに90℃、原料ガスの温度を150℃、給気ノズル3及び排気ノズル4の温度をともに100℃に設定した。また、平行平板10内(平板1と平板2との間)に外気の水分が入らないように、周囲を窒素ガスにて置換した。
図1の成膜装置において平板1と平板2との間隔を5mmに設定し、平板1及び平板2の表面温度をともに90℃、原料ガスの温度を150℃、給気ノズル3及び排気ノズル4の温度をともに100℃に設定した。また、平行平板10内(平板1と平板2との間)に外気の水分が入らないように、周囲を窒素ガスにて置換した。
[基材フィルム]
厚み75μm、幅1300mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)上に、厚み5μmのアクリル系ハードコート層が塗工されたものを基材フィルムSとし、そのPETフィルムを、25℃,50RH%の環境下に24時間保管したものを成膜に用いた。
厚み75μm、幅1300mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)上に、厚み5μmのアクリル系ハードコート層が塗工されたものを基材フィルムSとし、そのPETフィルムを、25℃,50RH%の環境下に24時間保管したものを成膜に用いた。
[条件]
前記PETフィルムを、図1の成膜装置の平板1上に密着させた状態で、走行速度1m/分にてPETフィルムを走行させた。また、給気ノズル3から[窒素]:[テトライソプロポキチタン]=100:0.03(体積比)の混合ガスを、平行平板10内(平板1と平板2との間)に100slm導入するとともに、排気ノズル4にて100slmの排気を行って、PETフィルム上に第1層の酸化チタン層を成膜した。
前記PETフィルムを、図1の成膜装置の平板1上に密着させた状態で、走行速度1m/分にてPETフィルムを走行させた。また、給気ノズル3から[窒素]:[テトライソプロポキチタン]=100:0.03(体積比)の混合ガスを、平行平板10内(平板1と平板2との間)に100slm導入するとともに、排気ノズル4にて100slmの排気を行って、PETフィルム上に第1層の酸化チタン層を成膜した。
続けて連続搬送により、第2層として酸化ケイ素層を成膜した。ただし、酸化ケイ素層は、下記の処理条件の常圧プラズマCVD法にて成膜した。
−プラズマCVDの処理条件−
電極として、ロール電極(100mm×φ700mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被膜からなる固体誘電体を配置)と、曲面電極(長さ方向(幅)100mm×投影面積(長さ)100mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被膜からなる固体誘電体を配置)とを用い、それらロール電極と曲面電極とを放電空間が2mmとなるように対向して配置した。そして、ロール電極の表面温度を70℃に温度制御した状態で、[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.05(体積比)の混合ガスを、ロール電極と曲面電極との間の放電空間(80℃に温度制御)に、60リットル/分の総量で供給するとともに、それらロール電極と曲面電極との間の電極間に、立ち上がり速度5μsec・印加電圧30kV/cmのパルス電界を印加してプラズマを発生させ、同時にロール電極を回転させた状態で、PETフィルムを走行速度1m/分にて走行させ上記放電空間に供給することにより、PETフィルム上に、酸化ケイ素層(第2層)を成膜した。
電極として、ロール電極(100mm×φ700mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被膜からなる固体誘電体を配置)と、曲面電極(長さ方向(幅)100mm×投影面積(長さ)100mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被膜からなる固体誘電体を配置)とを用い、それらロール電極と曲面電極とを放電空間が2mmとなるように対向して配置した。そして、ロール電極の表面温度を70℃に温度制御した状態で、[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.05(体積比)の混合ガスを、ロール電極と曲面電極との間の放電空間(80℃に温度制御)に、60リットル/分の総量で供給するとともに、それらロール電極と曲面電極との間の電極間に、立ち上がり速度5μsec・印加電圧30kV/cmのパルス電界を印加してプラズマを発生させ、同時にロール電極を回転させた状態で、PETフィルムを走行速度1m/分にて走行させ上記放電空間に供給することにより、PETフィルム上に、酸化ケイ素層(第2層)を成膜した。
続けて連続搬送により、第3層として酸化チタンを、第4層として酸化ケイ素を成膜して4層構成の反射防止フィルムを作製した。
ただし、第3層の酸化チタン層については、混合ガスとして、[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.10(体積比)を用いたこと以外は、前記した第1層の酸化チタン層と同じ条件にて成膜を行った。また、第4層の酸化ケイ素層については、混合ガスとして、[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.20(体積比)を用いたこと以外は、第2層の酸化ケイ素層と同じ条件にて成膜を行った。
以上の処理により得られた反射防止フィルムの光学特性を以下の方法で測定した。
まず、作製した反射防止フィルムを5cm角に切り抜き、裏面を#400のサンドペーパーで荒らした後に、黒インクにて直径2cm程度の大きさに塗りつぶしてサンプルを作製した。この裏面処理したサンプルについて、波長380〜780nmの反射率スパクトルを分光度計(島津製作所社製、型式「UV−3101PC」)を用いて測定した。その測定結果を図3に示す。また、測定した反射率スパクトルから、最低反射波長、最低反射率及び視感度補正平均反射率(Y)を読み取った。さらに、反射率スパクトルを、光学特性計算ソフト(J.A.Woollam社 V.A.S.E.for Windows(R))にて解析して、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の各膜厚及び波長550nmにおける各層の屈折率並びにボイドの体積を算出した。その各結果を下記の表1に示す。
<実施例2>
実施例1と同じ基材フィルムを用い、PETフィルム上に酸化ジルコニウム層、酸化チタン層、酸化ケイ素層の順に3層連続成膜した反射防止フィルムを作製した。
実施例1と同じ基材フィルムを用い、PETフィルム上に酸化ジルコニウム層、酸化チタン層、酸化ケイ素層の順に3層連続成膜した反射防止フィルムを作製した。
第1層の酸化ジルコニウム層については、[窒素]:[テトラターシャリーブトキシジルコニウム]=100:0.20(体積比)の混合ガスを用いたこと以外は、実施例1の酸化チタン層と同じ条件にて成膜を行った。
第2層の酸化チタン層及び第3層の酸化ケイ素層は、実施例1の常圧プラズマCVD法を用いて成膜した。 ただし、第2層目の酸化チタン層については、[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.05(体積比)の混合ガスを用いて、電極間の印加電圧を10kV/cmとしたこと以外は、実施例1のプラズマCVD処理と同じ条件にて成膜を行った。また、第3層目の酸化ケイ素層については、[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.20(体積比)の混合ガスを用いたこと以外は、実施例1のプラズマCVD処理と同じ条件にて成膜を行って反射防止フィルム(サンプル)を作製した。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性を評価した。その結果を、図3及び下記の表1に示す。
<実施例3>
実施例2において、第1層に酸化チタン層を用いたこと、及び、第1層の酸化チタン層、第2層の酸化チタン層、第3層の酸化ケイ素層の混合ガスを下記のガスとしたこと以外は、実施例2と同じ条件にて成膜を行って反射防止フィルム(サンプル)を作製した。
実施例2において、第1層に酸化チタン層を用いたこと、及び、第1層の酸化チタン層、第2層の酸化チタン層、第3層の酸化ケイ素層の混合ガスを下記のガスとしたこと以外は、実施例2と同じ条件にて成膜を行って反射防止フィルム(サンプル)を作製した。
第1層の酸化チタン層の成膜には[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.15(体積比)の混合ガス、第2層の酸化チタン層の成膜には[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.07(体積比)の混合ガス、第3層の酸化ケイ素層の成膜には[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.19(体積比)の混合ガスをそれぞれ用いた。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性を評価した。その結果を、図3及び下記の表1に示す。
<実施例4>
実施例2において、第1層に酸化ハフニウム層を用いたこと、及び、第1層の酸化ハフニウム層、第2層の酸化チタン層、第3層の酸化ケイ素層の混合ガスを下記のガスとしたこと以外は、実施例2と同じ条件にて成膜を行って反射防止フィルム(サンプル)を作製した。
実施例2において、第1層に酸化ハフニウム層を用いたこと、及び、第1層の酸化ハフニウム層、第2層の酸化チタン層、第3層の酸化ケイ素層の混合ガスを下記のガスとしたこと以外は、実施例2と同じ条件にて成膜を行って反射防止フィルム(サンプル)を作製した。
第1層の酸化ハフニウム層の成膜には[窒素]:[テトラターシャリーブトキシハフニウム]=100:0.18(体積比)の混合ガス、第2層の酸化チタン層の成膜には[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.05(体積比)の混合ガス、第3層の酸化ケイ素層の成膜には[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.20(体積比)の混合ガスをそれぞれ用いた。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性を評価した。その結果を、図3及び下記の表1に示す。
<比較例1>
実施例1と同じ基材フィルムを用い、そのPETフィルム上に、酸化チタン層、酸化ケイ素層、酸化チタン層、酸化ケイ素層の順に4層連続成膜して反射防止フィルムを作製した。それら酸化チタン層及び酸化ケイ素層の全ての層を常圧プラズマCVD法を用いて成膜した。
実施例1と同じ基材フィルムを用い、そのPETフィルム上に、酸化チタン層、酸化ケイ素層、酸化チタン層、酸化ケイ素層の順に4層連続成膜して反射防止フィルムを作製した。それら酸化チタン層及び酸化ケイ素層の全ての層を常圧プラズマCVD法を用いて成膜した。
具体的には、第1層の酸化チタン層、第2層の酸化ケイ素層、第3層の酸化チタン層、第4層の酸化ケイ素層の各層成膜時の混合ガスを下記のガスとしたこと以外は、実施例1と同じ条件の常圧プラズマCVD処理にて成膜を行った。ただし、酸化チタン層及び酸化ケイ素の各成膜時における電極間の印加電圧を、酸化チタン層については10kV/cmとし、酸化ケイ素層については30kV/cmとした。
第1層の酸化チタン層の成膜には[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.06(体積比)の混合ガス、第2層の酸化ケイ素層の成膜には[窒素]:[酸素]:テトラメトキシシラン=84:16:0.06(体積比)の混合ガス、第3層の酸化チタン層の成膜には[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.20(体積比)の混合ガス、第4層の酸化ケイ素層の成膜には[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.18(体積比)の混合ガスをそれぞれ用いた。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性を評価した。その結果を、図3及び下記の表1に示す。
<比較例2>
実施例1と同じ基材フィルムを用い、そのPETフィルム上に、酸化チタン層、酸化チタン層、酸化ケイ素層の順に3層連続成膜して反射防止フィルムを作製した。それら第1層目から第3層目の全ての層を常圧プラズマCVD法を用いて成膜した。
実施例1と同じ基材フィルムを用い、そのPETフィルム上に、酸化チタン層、酸化チタン層、酸化ケイ素層の順に3層連続成膜して反射防止フィルムを作製した。それら第1層目から第3層目の全ての層を常圧プラズマCVD法を用いて成膜した。
具体的には、第1層の酸化チタン層、第2層の酸化チタン層、第3層の酸化ケイ素層の各層の成膜時の混合ガスを下記のガスとしたこと以外は、実施例1と同じ条件の常圧プラズマCVD処理にて成膜を行った。ただし、酸化チタン層及び酸化ケイ素の各成膜時における電極間の印加電圧を、第1層の酸化チタン層については7kV/cm、第2層の酸化チタン層については10kV/cmとし、第3層の酸化ケイ素層については30kV/cmとした。
第1層の酸化チタン層の成膜には[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.12(体積比)の混合ガス、第2層の酸化チタン層の成膜には[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.11(体積比)、第3層の酸化ケイ素層の成膜には[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.18(体積比)の混合ガスをそれぞれ用いた。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性を評価した。その結果を、図3及び下記の表1に示す。
(1)表1の実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1の場合、第1層及び第3層
の酸化チタン層の屈折率が低下しているが、ほぼ同等の光学特性を有する反射防止フィルムが作製可能であることがわかる。
(2)実施例2と実施例3及び実施例4を比較すると、3層構成の反射防止フィルムにおいて、第1層の中屈折率層が、酸化ジルコニウム層、酸化チタン、酸化ハフニウムいずれの層である場合でも、3層で4層同等の光学特性を有していることがわかる。このことから、「加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、基材フィルムから発生する水蒸気と反応させる成膜手法」を用いることにより、幅広い金属酸化物を中屈折率層として使用可能となることがわかる。
(3)実施例3と比較例2を比較すると、第1層の酸化チタン層を、常圧プラズマCVD法を用いて成膜した場合、電極間の印加電圧を下げることにより、若干屈折率を低下させることができるが、「加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、基材フィルムから発生する水蒸気と反応させる成膜手法」を用いた場合ほど大きく変化しない。これにより、常圧プラズマCVD法を用いた反射防止フィルムは、本発明のようなガス成分を水蒸気と反応させる成膜手法を用いた3層構成反射防止フィルムと比較して、光学性能的に大きく劣っていることがわかる。
本発明の反射防止フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどのフラットパネルディスプレイにおいて、蛍光灯や太陽光等の外部光による写り込みを低減するのに有効に利用できる。
1,2 平板
3 給気ノズル
4 排気ノズル
10 平行平板
11 液体原料容器
12 液体マスフローコントローラ
13 気化器
14 マスフローコントローラ
S 基材フィルム
3 給気ノズル
4 排気ノズル
10 平行平板
11 液体原料容器
12 液体マスフローコントローラ
13 気化器
14 マスフローコントローラ
S 基材フィルム
Claims (4)
- 基材フィルム上に、1層以上の金属酸化物薄膜が積層されてなる反射防止フィルムであって、上記金属酸化物薄膜層のうち少なくとも1層が、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層であることを特徴とする反射防止フィルム。
- 基材フィルム上に、3層以上の層が積層されてなる反射防止フィルムであって、空気側最表層から低屈折率層、高屈折率層の順で積層されているとともに、上記高屈折率層から基材フィルムの間のいずれかの層に中屈折率層が積層されており、上記中屈折率層が、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、上記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより形成された金属酸化物薄膜層であることを特徴とする反射防止フィルム。
- 上記金属酸化物薄膜について、化学量論的組成からなる金属酸化物及びボイドを複合した形で、光学フィッティングを行った場合に、上記金属酸化物薄膜中に含有するボイドの体積が、膜中体積比で10〜50%であることを特徴とする請求項1または2記載の反射防止フィルム。
- 上記金属酸化物薄膜層は、酸化ジルコニウム、酸化チタンまたは酸化ハフニウムの中から選ばれる1種以上の金属酸化物からなることを特徴とする請求項1、2または3記載の反射防止フィルム。
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JP2003290626A JP2005062350A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | 反射防止フィルム |
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-
2003
- 2003-08-08 JP JP2003290626A patent/JP2005062350A/ja active Pending
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