JP2005133131A - 屈折率変化層の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 所望の材料を成膜材料としてイオンプレーティング法により基材上に屈折率変化層を形成する方法として、成膜時に反応性ガスをその導入量を制御しながら導入することにより成膜される層の屈折率を変化させ、成膜材料を変更することなく、厚み方向で屈折率が変化した屈折率変化層を基材上に形成する。
【選択図】 なし
Description
また、従来のイオンプレーティング法やスパッタリング法、PVD法等の真空成膜法による積層化においても、複数種のターゲットもしくは蒸着材料を用いて異なる屈折率の積層体を形成するため、積層の層数に応じた成膜を繰り返して行う必要があり、製造効率の向上に支障を来たしていた。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、成膜材料を変更することなく厚み方向で屈折率が変化する屈折率変化層を基材上に形成することができる方法を提供することを目的とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記反応性ガスの導入量の制御を5〜300sccmの範囲内で行うような構成とした。
また、本発明の好ましい態様は、前記反応性ガスとして、O2、O3、N2O、NO、NO2、N2、H2Oの群から選択される1種以上のガスを用いるような構成とした。
また、本発明の好ましい態様は、成膜時に不活性ガスとして、少なくともヘリウムガスおよびアルゴンガスの1種を導入するような構成とした。
また、本発明の好ましい態様は、前記成膜材料が珪素、酸化珪素、酸化チタン、二酸化珪素および窒化珪素から選ばれる1種以上であるような構成とした。
また、本発明の好ましい態様は、予めハードコート層を前記基材に設け、該ハードコード層上に前記屈折率変化層を形成するような構成とした。
このような本発明では、成膜時に存在する反応性ガスの量が変わることにより、形成される層の組成が変化することを利用して、反応性ガスの導入量を制御することによって厚み方向で屈折率を変化させ屈折率変化層を形成することができる。
本発明の屈折率変化層の形成方法は、所望の成膜材料を蒸発させ基材上に成膜するイオンプレーティング装置により基材上に成膜する際に、反応性ガスをその導入量を制御しながら導入することにより、厚み方向で屈折率が変化した屈折率変化層を基材上に形成するものである。すなわち、成膜時に存在する反応性ガスの量が変わることにより形成される層の組成が変化することを利用し、反応性ガスの導入量を制御することによって厚み方向で屈折率を変化させ屈折率変化層を形成するものである。
本発明では、成膜材料として珪素、酸化珪素、酸化チタン、二酸化珪素、窒化珪素等を使用することができ、これらの1種を単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。
本発明により形成する屈折率変化層の厚みは、各層の厚みを20〜200nm、好ましくは50〜150nmの範囲で適宜設定することができる。また、形成する屈折率変化層の屈折率の変化幅は、使用する成膜材料、反応性ガスの種類、導入量により決定されるが、例えば、低屈折率層としては屈折率が1.4〜1.5の範囲、中屈折率層としては屈折率が1.7〜1.8の範囲、高屈折率層としては屈折率が2.1〜2.3の範囲であるようにすることができる。
尚、製造した屈折率変化層を反射防止膜として使用する場合、屈折率変化層のヘイズは2%以下、好ましくは1%以下とすることが望ましい。
図1は本発明の屈折率変化層の形成方法において使用できるイオンプレーティング装置の一例を示す図面である。図1において、イオンプレーティング装置1は、ホロカソード型イオンプレーティング装置であり、シャッター3によって被成膜体チャンバー2Aと成膜チャンバー2Bとに仕切られた真空チャンバー2と、成膜チャンバー2Bの所定位置(図示例では成膜チャンバー2Bの左側壁)に配設された圧力勾配型プラズマガン9とを備えている。
一方、成膜チャンバー2B内の下部には、成膜材料を保持するための坩堝7、アノード磁石8が配設されている。また、成膜チャンバー2Bに配設された圧力勾配型プラズマガン9には、収束用コイル10、圧力勾配型プラズマガン9へのアルゴンガス等の不活性ガス(キャリアガス)の供給量を調整するためのバルブ11が配設されている。さらに、成膜チャンバー2Bには、真空排気口12、反応性ガス供給口13,14、反応性ガスの導入量を調整するためのバルブ15,16が設けられている。
まず、坩堝7内に成膜材料(蒸発源)を配置し、成膜チャンバー2B内を所定の真空度(例えば、4.3×10-4Pa以下)まで排気する。この状態でアルゴンガス等のプラズマ用ガスを圧力勾配型プラズマガン9に導入する。圧力勾配型プラズマガン9で発生したプラズマビームは収束用コイル10によって形成される磁界によって成膜チャンバー2B内に引き出され、坩堝7の下方のアノード磁石8が作る磁界によって坩堝7内の成膜材料(蒸発源)を加熱する。その結果、加熱された部分の成膜材料は蒸発し、蒸発分子は坩堝7の近傍に存在する高密度のプラズマによりイオン化され、シャッター3を開くことにより、被成膜体チャンバー2A内の基材ホルダー5に保持されている基材4に衝突して薄膜が形成される。この成膜時に酸素ガス、窒素ガス等の反応性ガスを反応性ガス供給口13,14から真空チャンバー2内に導入することにより、反応性ガスのプラズマを発生させて、無機酸化物、もしくは、無機酸化窒化物からなる薄膜が形成される。そして、バルブ15,16により反応性ガスの導入量を経時で段階的に変化させるように制御することによって、屈折率が厚み方向で変化した積層膜からなる屈折率変化層を形成する。
[実施例]
イオンプレーティング装置として、図1に示されるような圧力勾配型プラズマガンを備えたホロカソード型イオンプレーティング装置を準備した。また、基材として、大きさ10cm×10cmのガラス板を準備し、イオンプレーティング装置の回転式基材ホルダー5に設置した。また、純度99.9%以上の酸化珪素を成膜材料として坩堝7内に載置した。この時の成膜材料とガラス板との距離(TS距離)は50cmに設定した。
次に、成膜時の添加ガスとしてアルゴンガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、また、反応性ガスとして酸素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9995%以上))、窒素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))を準備した。
次いで、シャッター3を開き、ガラス板上への成膜を開始した。成膜開始後、下記表1に示すように、段階的に窒素ガス導入量を減少させ、同時に酸素ガス導入量を増加させて成膜を行い、屈折率変化層(厚み300nm)を形成した。
屈折率の測定
光学分光器((株)島津製作所製 UV−3100PC)を用いて、屈折率変化層
の透過率と反射率を測定し、この測定結果から光学干渉法により633nmにおけ
る屈折率を算出した。
上記のように屈折率変化層を形成したガラス板について、下記の条件で反射率を測定した結果、反射率は4.9%であり、良好な反射防止性を有することが確認された。
反射率の測定
光学分光器((株)島津製作所製 UV−3100PC)を用いて波長550nm
における反射率を測定した。
2…真空チャンバー
2A…被成膜体チャンバー
2B…成膜チャンバー
3…シャッター
4…基材
5…基材ホルダー
6,12…真空排気口
7…坩堝
8…アノード磁石
9…圧力勾配型プラズマガン
10…収束用コイル
11…バルブ
13,14…反応性ガス供給口
15,16…バルブ
Claims (7)
- 所望の成膜材料を用いてイオンプレーティング装置により基材上に成膜する際に、反応性ガスをその導入量を制御しながら導入することにより、厚み方向で屈折率が変化した屈折率変化層を基材上に形成することを特徴とする屈折率変化層の形成方法。
- 前記反応性ガスの導入量の制御は、5〜300sccmの範囲内で行うことを特徴とする請求項1に記載の屈折率変化層の形成方法。
- 前記反応性ガスとして、O2、O3、N2O、NO、NO2、N2、H2Oの群から選択される1種以上のガスを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の屈折率変化層の形成方法。
- 成膜時に不活性ガスとして、少なくともヘリウムガスおよびアルゴンガスの1種を導入することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の屈折率変化層の形成方法。
- 前記不活性ガスの圧力調整は0.01〜1Paの範囲内で行うことを特徴とする請求項4に記載の屈折率変化層の形成方法。
- 前記成膜材料は珪素、酸化珪素、酸化チタン、二酸化珪素および窒化珪素から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の屈折率変化層の形成方法。
- 予めハードコート層を前記基材に設け、該ハードコード層上に前記屈折率変化層を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の屈折率変化層の形成方法。
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