JP2005062022A - 分注装置及び分注方法 - Google Patents

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克己 宗仲
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Abstract

【課題】液体試料を分注し、吐出描画の準備を行う際に、ヘッド吸引装置を使わなくても良く、従来の装置では吸引に要していた時間を節約して生産性を向上させるとともに、液体試料のロスが生じない経済的に優位性がある分注装置あるいは分注方法を提供する。
【解決手段】シリンジポンプと、ピペットと、駆動手段と、吐出された液体試料が受容される液体保持部と、を備えた液体分注装置であって、液体保持部に振動手段を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、分注装置あるいは分注方法、特にノズル開口が平面内にマトリックス状に配列されたインクジェットヘッドへ液体試料を分注する分注装置あるいは分注方法に関する。
従来の分注装置および分注方法を図6ないし図8を用いて説明する。図6は従来の分注装置の要部斜視図である。101は液体試料の吸入・吐出を行うチップである。分注関連作業の効率化をはかるために通常は複数のチップ101が所定の間隔で配列されてチップ群が形成されている。チップ101の各々は、ピストンとシリンダとから成るシリンジポンプ(不図示)の液体試料の吸入・吐出口に接続されている。102はシリンジボックスであり、該シリンジボックス102は前記複数のシリンダを備え、さらに前記複数のピストンを駆動する駆動手段(不図示)を備えている。また、シリンジボックス102全体は、分注装置の支柱103にそって図6中の矢印Z方向に移動駆動可能に構成されている。104はステージであり、図6中の矢印XY方向に移動駆動可能に構成されている。ステージ104には、洗浄槽105や各種液槽106a、106b、106cがセットできるようになっており、さらには前記チップ101から吐出された液体試料を受容する分注先としてインクジェットヘッド111がセットできるようになっている。以上のような構成により、洗浄槽105でチップ101を洗浄しつつ、所望の液槽106から液体試料を吸引し、インクジェットヘッド111に所望の液体試料を必要な量だけ分注することができる。
図7は上記分注装置よって分注した液体試料を受容するインクジェットヘッド111の概観斜視図である。112はインクジェットヘッド111の枠体である。113はインクタンクでる。インクタンク113は上部が大気に開放され直径が数mm程度の円柱状の空間を形成しており、液体試料を蓄える働きをする。インクタンク113はM行N列のマトリックス状に設けられている。図8は図7のI−I断面の一部(ヘッド内の流路構成)を表したものである。114は液体試料の吐出口であるノズルであり、直径が16μm程度のオリフィスを形成している。
インクジェットヘッド111においては、ノズル114もM行N列のマトリックス状に設けられている。インクタンク113とノズル114は一対一に対応して連通しており、連通している流路の途中にフィルタ115が設けられている。フィルタ115は液体試料が通過できる隙間が10μm〜15μm程度で、インクタンク113中の液体試料に万一ゴミ等の異物が混入していた場合に、異物がノズル114に達しないようにすることで目詰まりを起こすことを防止する働きをする。116はヒーターであり所定のパルス電圧を印加することにより液体試料をノズル114から吐出させる。
図6に示したように、インクジェットヘッド111は分注装置のステージ104にセット可能であり、分注装置のチップ101のそれぞれがインクタンク113に入り込む形で、上面から液体試料が所定量分注される。図8に示したように、分注された液体試料は重力と流路が発生する毛細管力によってノズル114近傍まで達する。しかし、液体試料はノズル114まで必ず充填されてすぐに吐出できる状態になるという保証はない。液体試料の表面張力・粘度等の物性値やインクジェットヘッド111の流路を構成する部分とフィルタ115の材質や表面性によっては、液体試料はノズル114まで達さずに途中で止まってしまうこともある。したがって、インクジェットヘッド111を使って液体試料を吐出し描画を行うための準備段階として、ノズル114を吸引できる装置を別途用意し、インクジェットヘッド111のノズル114のひとつひとつに対して個別にノズル114側から微小量の吸引動作を行い、液体試料がノズル114のオリフィスまで確実に充填されてメニスカスを張った状態にする必要がある。
次に、従来のヘッド吸引装置とその動作を図9ないし図15を用いて説明する。図9は従来例のヘッド吸引装置の上面図である。ベースプレート121に側板122aと側板122bが設けられ、側板122aと側板122b上にヘッドプレート123が取り付けられている。ヘッドプレート123にはインクジェットヘッド111がビス124a、ビス124b、ビス124cにより取り付けられている。インクジェットヘッド111には、前述したようにインクタンク113がM行N列のマトリックス状に設けられている。(図9ないし図15においては、簡単のために3行3列の場合を表している。各インクタンク113はそれぞれ別々のノズル114に連通している。各インクタンク113はそれぞれ異なる液体試料が分注されている。そのため各々のノズル114からは異なる液体試料が吐出される。
図10は、図9のJ−J断面図である。前述したように、インクジェットヘッド111にはノズル114が設けられている。J−J断面図ではノズル114はM個表れるが、前述したように図面上では簡単のために3個で代表させている。ベースプレート121上にはXステージ125が搭載されている。Xステージ125にはレール126が設けられており、レール126上をXステージ可動部127が左右に移動する。Xステージ可動部127上にはZステージ128が取り付けられている。Zステージ128に可動状態にて設けられたZステージ可動部129がZステージ128に対して上下方向に移動する。Zステージ可動部129上にはキャップ台130が取り付けられている。キャップ台130にはキャッププレート131が取り付けられている。ノズル114に対向する位置にキャップ132が設けられている。キャップ132はゴム部材で構成されている。キャップ132はキャップパイプ133に圧入されている。キャップ132のインクジェットヘッド111への密着部は、ノズル114の1個づつをカバーでき、他のノズル114に非接触の状態で近づくことができる構成である。また、キャップ132の吸引口はノズル114の開口よりも広く構成されている。
キャップパイプ133はキャップジョイント134に接着されている。キャップジョイント134はキャップ台130に対して移動可能である。キャップジョイント134の位置はキャッププレート131に設けられた穴にキャップジョイント134が挿入されることで位置決めされている。キャップジョイント134の外周部にはキャップバネ135が設けられている。キャップバネ135とキャップ台130の間にはキャップワッシャ136が設けられている。キャップジョイント134にはチューブ137が接着されている。
Zステージ可動部129を上昇することで、キャップ132はインクジェットヘッド111に接触する。さらにZステージ可動部129を上昇することでキャップ台130・キャップワッシャ136が上昇する。その結果、キャップバネ135が圧縮されキャップ132が撓み、キャップ132とインクジェットヘッド111は密着する。そして、チューブ137に連通しているポンプ(不図示)を作動させることで、キャップ132を介してノズル114より空気または液体試料を吸引する。ノズル114より空気または液体試料を吸引することで、ノズル114内に液体試料を確実に充填させオリフィスにインク試料のメニスカスが張った状態にする。
次に、Zステージ可動部129を下降させるとキャップ132はインクジェットヘッド111より離れる。Xステージ可動部127を図10上で右方向に移動することで、他行のノズル114から上記吸引動作を行うことができる。
図11は図9の右側面図である。キャップ132がインクジェットヘッド111にマトリックス状に配置されたノズル114群の列数N(図示はN=3)だけ設けられている。
図12は図10のK−K断面図である。チューブ137は各々キャップ132と連通している。チューブ137は各々大気弁138に連結されている。大気弁138は3方向弁である。
大気弁138の1つの連結部は大気チューブ139に連結されている。大気チューブ139の先端は大気口140となっており大気に開放されている。大気弁138の1つの連結部はチューブを介してポンプ141に連結されている。また、ポンプ141には廃液チューブ142が連結されている。廃液チューブ142の他端は廃液タンク143に連結されている。大気弁138、ポンプ141、廃液タンク143はキャップ132に対して各々1個ずつ設けられている。
図13は、インクジェットヘッド111単体の上面図である。前述したようにインクジェットヘッド111にはインクタンク113が(M×N)箇所設けられている。図14は図13のL−L断面図である。前述したようにインクジェットヘッド111にはノズル114が設けられておりインクタンク113は各々別々のノズル114に連通している。
図15は、インクジェットヘッド111に設けられたノズル114から液体を吸引する場合の流路図である。図15(a)は待機時の状態を示している。図15(b)は吸引時の状態を示している。図15(c)はキャップ解除時の状態を示している。
待機時図15(a)において、インクタンク113には各々異なる液体試料が分注されている。キャップ132はインクジェットヘッド111から離れている。キャップ132はノズル114の1個ずつに、他のノズル114に非接触の状態で近づくことができる。キャップ132の吸引口はノズル114の開口よりも広い。キャップ132に連通しているチューブ137は大気弁138に連結されている。待機時には、チューブ137は大気弁138を介して大気チューブ139に連通している。大気チューブ139の大気口140は大気に開放されている。
吸引時図15(b)において、キャップ132はインクジェットヘッド111に密着している。大気弁138は電磁弁であり電気信号により連通する連結部を変更できる。キャップ132をインクジェットヘッド111に密着後に大気弁138はチューブ137とポンプ141を連結するように動作している。その後、ポンプ141を動作することで、キャップ132を介してノズル114より液体を吸引する。その結果、吸引した液体は廃液チューブ142から廃液タンク143に排出される。
キャップ解除時図15(c)において、ポンプ141の動作完了後、大気弁138をチューブ137と大気チューブ139を連通するように動作させ、その後、キャップ132を下降させることでキャップ132をインクジェットヘッド111より離している。
図15(a)、(b)及び(c)の動作完了後にXステージ可動部127を動作させキャップ132を移動し、図15(a)、(b)及び(c)と同じ動作を行うことで、全てのノズル114より空気または液体試料を吸引することが可能である。ノズル114の個数が増加しても、同様の構成をノズル数に応じて増加することで同様の動作を行うことが可能である。
また、複数個設けられているノズル114の一部のノズル114より液体を吸引することも可能である。方法としては液体を吸引しないノズル114にキャップ132が密着する場合、上記図15(b)及び(c)の動作時に大気弁138・ポンプ141を動作させない。液体を吸引するノズル114にキャップ132が密着する場合、上記図15(a)、(b)及び(c)の動作を行なう。このような動作を行うことで一部のノズル114より液体を吸引することが可能である。
また、ノズル114と対応する位置にノズル114と同数のキャップ132を設け、キャップ132に対応して大気弁138・ポンプ141・廃液タンク143等を設けることで、Xステージ可動部127を設けなくても、全てのノズル114または一部のノズル114より空気または液体試料を吸引することは不可能ではない。
また、特許文献1及び2には気泡除去を行なう手段を備えたインクジェットヘッドが開示されている。特許文献1には複数のインクノズルから一括してインクや気泡の除去を行なう吸引機構を備えた記録装置が開示されている。特許文献2には、インクカートリッジ充填時にインクカートリッジ内のインクを、ノズル先端まで充填する初期充填作業を吸引機構を利用して行なう記録装置が開示されている。
特開2000−85153号公報 特開平8−267785号公報
ところが、上述したように従来例では、分注装置によってインクジェットヘッドに液体試料を分注する場合、上部が開放された形態のインクタンクに分注装置のチップから液体試料を滴下している。この場合、分注しただけで液体試料がノズル先端まで達するかどうかは重力と毛細管力に頼るのみであり、安定的にノズル先端まで液体試料を充填できない場合があった。そのような場合への対応が必要であるときには、一般的に液体試料がノズル先端まで確実に充填されるよう別途、ヘッド吸引装置を用意し、ノズルの一つ一つに対して個別にキャップを当接させて吸引動作をしなければならなかった。従来の吸引装置ではこの吸引動作は、所定区間に存在するノズルについて分注動作だけで液体試料がノズル先端まで充填されているものも、液体試料が途中で止まってノズル先端まで充填されていないものも分け隔てなく一律に行う必要があった。従来のインクジェットプリンター等の記録用のインクジェット吐出装置においては、インク色の異なるノズルのインクを単一のキャップにて一括して吸引していた。しかし、各ノズルに異なる液体試料を分注し、液体試料が分注されていないノズルが存在した場合に、各ノズルから単一のキャップを用いて一括して吸引を行うと、液体試料が分注されていないノズルより空気を吸引してしまい、液体試料が分注されているノズルからは吸引できない場合があった。そのため、上述したように各ノズルから個別に吸引する構成が必須となる。
しかし、ノズルから一括して液体試料を吸引する方式及び各ノズルから個別に吸引する方式の何れの方式であっても、以下のような問題点が生じる場合があった。
(1)複雑で大掛かりなヘッド吸引装置が必要になる。
上述したように、ヘッド吸引装置はインクジェットヘッドの各ノズルのそれぞれについて個別に吸引できるような装置構成とすると、一般的にインクジェットヘッドのノズル数が増えれば増えるほど、それに対応するヘッド吸引装置は、キャップから吸引ポンプに至る吸引系統をはじめとして、構成する部品点数が多くなり複雑で大掛かりな装置が必要となってしまう。
(2)ヘッド吸引動作に長い時間を費やしてしまう。
各ノズルから個別に吸引できるような装置構成とすると、ヘッド吸引装置によるヘッド吸引動作は、待機・吸引・解除・ステージの移動という動作を繰り返して、インクジェットヘッドの全てのノズルに対して吸引を行うものである。そのため、一般的にインクジェットヘッドのノズル数が増えれば増えるほど、繰返しの動作回数は増やさざるをえず、実際に装置を運用した経験によれば数十分単位の長い時間を費やしてしまう。
(3)高価な液体試料を無駄に廃棄することになる。
所定区間のノズルについて一括して吸引する装置構成とすると、ヘッド吸引装置によるヘッド吸引は、分注動作だけで液体試料がノズル先端まで充填されているものも、液体試料が途中で止まってノズル先端まで充填されていないものも分け隔てなく一律に行う必要がある。また、吸引後は全ての液体を同一タンクに混入させるために回収後は再利用できない廃液となり、使用できる用途はなかった。このため例えば、DNAチップを製造するために必要なDNA試薬等の高価な液体試料を扱う場合では、高価な液体試料を無駄に廃棄することとなる場合があった。
本発明は上述した従来技術の有する課題を解決するためになされたものである。本発明はインクジェットヘッドのインクタンクに液体試料を分注し、吐出描画の準備を行う際に、ヘッド吸引装置を使わなくても良く、従来の装置では吸引に要していた時間を節約して生産性を向上させるとともに、液体試料のロスが生じない経済的に優位性がある分注装置あるいは分注方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有することを特徴とする。すなわち、本発明は、ピペットと、該ピペット内への液体試料の吸引及び該ピペット外への液体試料の吐出を行なうための圧力制御手段と、該ピペットから吐出された液体試料が保持される液体保持部を載置するためのステージと、該液体保持部を振動させるための振動手段と、を備えることを特徴とする分注装置に関する。
本発明は更に、前記液体保持部がインクジェットヘッドであることが好ましい。
本発明は更に、前記液体保持部がマトリックス状に配列された複数のノズル開口を有することが好ましい。
本発明は更に、前記振動手段が周波数20kHz以上の超音波振動子であることが好ましい。
本発明は更に、前記振動手段がランジュバン振動子であることが好ましい。
本発明は、ピペットを用いて、液体試料の吸入と該吸入された液体試料の液体保持部への吐出とを行なう液体分注方法であって、振動手段により、該液体試料が保持された液体保持部を振動させることを特徴とする分注方法に関する。
本発明は更に、前記振動が、周波数20kHz以上の超音波振動であることが好ましい。
本発明は更に、前記振動手段が、ランジュバン振動子の超音波振動子であることが好ましい。
本発明の文注装置及び文注方法を用いることによって、複雑で大掛かりなヘッド吸引装置が不要となり、装置の簡素化を図ることができる。また、ヘッド吸引動作が不要であるため、ヘッドの描画準備のための準備時間が短縮できる。更に高価な液体試料を無駄に廃棄することがなく、液体試料のロスが生じない。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例にかかる分注装置の概略構成を示す斜視図である。1は液体試料の吸入・吐出を行うピペット(チップ)である。分注関連作業の効率化をはかるために通常は複数のチップ1が所定の間隔で配列されてチップ群が形成されている。チップの本数、配置は分注操作を行なうのに好適な数であれば良く、特に限定されない。チップ1の各々は、ピストンとシリンダとから成るピペット内の細管中の圧力制御手段としてのシリンジポンプ(不図示)の液体試料の吸入・吐出口に接続されている。2はシリンジボックスであり、該シリンジボックス2は前記シリンダを備え、更に前記ピストンを駆動する駆動手段(不図示)を備えている。なお、ピペット内への液体試料の吸引及びピペット外への液体試料の吐出のための手段は、シリンジを用いたものに限定されず他の手段を用いても良い。また、シリンジボックス2全体は、分注装置の支柱3にそって図1中の矢印Z方向に移動駆動可能に構成されている。一つの分注装置内のこのチップ1、シリンジボックス2、支柱3を含む構成要素の数は分注操作を行なうのに好適な数であれば良く、特に限定されない。4はステージであり、図1中の矢印XY方向に移動駆動可能に構成されている。ステージ4には、洗浄槽5や各種液槽6a、6b、6c、・・・がセットできるようになっており、さらには前記チップから吐出された液体試料を受容する分注先としてインクジェットヘッド11がセットできるようになっている。以上のような構成により、洗浄槽5でチップ1を洗浄しつつ、所望の液槽6から液体試料を吸引し、インクジェットヘッド11に所望の液体試料を必要な量だけ分注することができる。なお、チップとさらに、ステージ4でインクジェットヘッド11を搭載する部分には、本発明の眼目となるところの、インクジェットヘッド11に対して超音波振動を与える手段が構成されている。このような振動手段が構成されていることによって、複雑で大掛かりなヘッド吸引装置を用いることなく、高い吐出精度を達成することができる。また、ヘッド吸引動作が不要であるため、ヘッドの描画準備のための準備時間が短縮できる。更に高価な液体試料を無駄に廃棄することがなく、液体試料のロスが生じない。
図2は、図1におけるA−A断面図である。4はステージであり、インクジェットヘッド11を搭載する部分には凹部7が設けられている。凹部7の縁を構成する部分にはインクジェットヘッド11を位置決め固定するプレート61およびプレート62がそれぞれ独立して設けられている。プレート61およびプレート62はそれぞれゴム製のダンパーシート63およびダンパーシート64を介して、ステージ4の上面から一段下がった面65および66に取り付けられている。プレート61およびプレート62には位置決めピン(不図示)が2本設けられていて、インクジェットヘッド11はこの位置決めピンにかん合して位置決めされ、手回しネジ8によってプレート61およびプレート62すなわちステージ4に固定されている。一方のプレート61には超音波振動子であるランジュバン振動子67が取り付けられている。ランジュバン振動子67から出るリード線はステージ4の表面を処理されて、ランジュバン振動子67に駆動電圧信号を与える制御部(不図示)に接続されている。本実施例においては、ランジュバン振動子67は、超音波洗浄機や超音波溶接機などで一般に使われているクラスの、周波数が50kHzのものを採用している。
分注装置のステージ4の凹部7にセットされたインクジェットヘッド11にはプレート61を介してランジュバン振動子67が発生する超音波振動が伝えられる。プレート61とステージ4の間には前述したようにダンパーシート64が挟まっているため、ステージ4には無用な超音波振動が伝わりにくい構成になっている。たとえステージ4にランジュバン振動子67が発生する超音波振動が伝わってもステージ4にセットされている洗浄槽5や各種液槽6a、6b、6c、・・・に悪影響を及ぼすわけではない。また、ステージ4の移動駆動源に超音波振動が伝わっても悪影響を及ぼすわけではないので、ダンパーシート64で超音波振動の伝搬を防ぐのは必須のことではない。しかし、ランジュバン振動子67が発生する超音波振動を効率よくインクジェットヘッド11に与えることにより、ランジュバン振動子67の駆動エネルギを少なく抑えることが可能になる。
本実施例では、ステージ4でインクジェットヘッド11を搭載する部分に、インクジェットヘッド11に対して超音波振動を与える手段が構成されている。しかし、インクジェットヘッド11の寸法が大きい場合などは、ランジュバン振動子67からインクジェットヘッド11内の超音波振動を与えたい部分までの距離が大きくなり、ランジュバン振動子67が発生する超音波振動を効率よくインクジェットヘッド11に与えることが難しくなる惧れがある。このような場合は、ランジュバン振動子67をインクジェットヘッド11に直接取り付けるような構成をとってもよい。また、ランジュバン振動子67が超音波振動を発生するタイミングは、チップ1からインクジェットヘッド11に対して液体を分注する瞬間とその後の数秒間をカバーすることが好ましい。具体的には、分注装置が稼動している間じゅう超音波振動を発生している必要はなく、チップ1からインクジェットヘッド11に対して液体を分注する瞬間から5秒間程度超音波振動を発生していれば十分である。ランジュバン振動子67は、その発生する超音波の振動数が20kHz以上であることが好ましい。超音波の振動数が20kHz以上である所望の効果が得られる。
図3は、インクジェットヘッド11の断面の一部(ヘッド内の流路構成)を表したものである。13は液体試料を蓄えるインクタンクでる。14は液体試料の吐出口であるノズルであり、直径が16μm程度のオリフィスを形成している。インクタンク13とノズル14は一対一に対応して連通しており、連通している流路の途中にフィルタ15が設けられている。液路中には液体試料をノズルから吐出させるためのエネルギーが作用する部分(不図示)が設けられている。フィルタ15は液体試料が通過できる隙間が10μm〜15μm程度で、インクタンク13中の液体試料に万一ゴミ等の異物が混入していた場合に、異物がノズル14に達しないようにすることで目詰まりを起こすことを防止する働きをする。16はヒーターであり所定のパルス電圧を印加することにより液体試料をノズル14から吐出させる。
一般的に、液体試料は、粘度が低いものはノズル14への充填性が良いが、5mPa・s程度の比較的高粘度のものでも、本発明の装置及び方法を用いることにより充填性が向上する。また、表面張力が小さいものはノズル14への充填性が良いが、純水に近い70mN/m程度の大きな表面張力のものでも、本発明の装置及び方法を用いる充填性が向上する。液体保持部のノズル径やノズル形状、タンク容積については特に制約がなく、本発明の効果を発揮することができる。
固体中を伝搬する超音波振動は、縦波・横波・表面波が存在するが、振動の振幅がサブミクロン程度と小さいので振動の方向は本発明において問題にはならない。ランジュバン振動子67が発生する超音波振動はインクジェットヘッド11全体に伝搬し、インクタンク13からノズル14にかけての流路全体を高いエネルギで振動させる。インクタンク13に分注された液体試料は重力による働きおよび流路の形状によって左右される毛細管力の働きによってノズル14近傍まで達する。また、広い意味では毛細管力に包括されるが、流路を構成する物質の表面エネルギの大きさによってその物質の濡れ性すなわち液体試料の充填されやすさは左右される。物質の表面エネルギが大きい状態とは、言い換えれば物質(固体)と液体(試料)の接触角が小さいことを意味しており、物質の濡れ性がよい状態である。一般にインクジェットヘッド11のインク流路は、使用するインクの物性に合わせてインクが充填されやすい材質や表面処理が選択されているが、数種の液体試料を扱う場合は必ずしもすべてにおいて簡単に充填されるとは限らない。本発明では、分注装置によってインクタンク13へ液体試料を分注する際に、インクタンク13からノズル14にかけての流路全体を超音波振動で振動させることにより、液体試料がノズル14の先端まで確実に充填される構成としている。
図4と図5は、図3におけるノズル14近傍の流路の拡大模式図である。例えば、超音波振動が与えられていない状態で、図4のように液体試料の充填が途中で止まり、空気と液体と固体の三相境界を形成している場合には、超音波振動を与えることにより固体(流路)の表面エネルギが大きくなったのと同じ効果をもたらし、図5のようにノズル14の先端まで液体試料が到達しやすくなる。
インクジェットヘッド11のインクタンク13にチップ1によって液体試料を順次分注していく際に、インクジェットヘッド11には超音波振動が与えられているので、液体試料をインクタンク13内に分注滴下すると、液体試料は重力と流路が発生する毛細管力という従来の要因に加えて、前述したような原理により、ノズル14先端のオリフィスまで液体試料が確実に充填される。このあと、分注装置のステージ4のXY方向の動作とシリンジボックス2のZ方向の動作の繰返しにより、インクジェットヘッド11の残りのインクタンク13にもチップ1によって液体試料が順次分注されていく。そして最終的にはインクジェットヘッド11の必要なすべてのインクタンク13に対して液体試料の分注動作が終了する。このあと、手回しネジ8を緩めて外すことで、インクジェットヘッド11は分注装置のステージ4から外されて、インクジェット方式によって描画ができる準備が整ったことになる。
以上は、インクジェットヘッド11のインクタンク13に液体試料を分注するのと同時にインクジェットヘッド11に超音波振動を与える構成を説明したが、分注を先に済ませてからインクジェットヘッド11に超音波振動を与えても同様な効果が得られる。また、液体試料の分注操作(ピペットの洗浄を含む。)は従来、用いられている操作方法を利用することもできる。
本発明の第1の実施例の分注装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施例の図1におけるA−A断面図である。 本発明の第1の実施例のインクジェットヘッドの一部断面図である。 本発明の第1の実施例の図3におけるノズル近傍の流路の拡大模式図である。 本発明の第1の実施例の図3におけるノズル近傍の流路の拡大模式図である。 従来の分注装置の要部斜視図である。 従来例におけるインクジェットヘッドの概観斜視図である。 従来例における図7のI−I断面の一部である。 従来例のヘッド吸引装置の上面図である。 従来例における図10のK−K断面図である。 従来例における図9の右側面図である。 従来例における図9の右側面図である。 従来例におけるインクジェットヘッド単体の上面図である。 従来例における図13のL−L断面図である。 従来例におけるノズルから液体を吸引する場合の流路図である。
符号の説明
1 チップ
2 シリンジボックス
3 支柱
4 ステージ
5 洗浄槽
6、6a、6b、6c 各種液槽
7 凹部
8 手回しネジ
11 インクジェットヘッド
13 インクタンク
14 ノズル
15 フィルタ
16 ヒーター
61 プレート
62 プレート
63 ダンパーシート
64 ダンパーシート
65 面
66 面
67 ランジュバン振動子
101 チップ
102 シリンジボックス
103 支柱
104 ステージ
105 洗浄槽
106、106a、106b、106c 各種液槽
108 手回しネジ
111 インクジェットヘッド
112 枠体
113 インクタンク
114 ノズル
115 フィルタ
116 ヒーター
121 ベースプレート
122a、122b 側板
123 ヘッドプレート
124a、124b、124c ビス
125 Xステージ
126 レール
127 Xステージ可動部
128 Zステージ
129 Zステージ可動部
130 キャップ台
131 キャッププレート
132 キャップ
133 キャップパイプ
134 キャップジョイント
135 キャップバネ
136 キャップワッシャ
137 チューブ
138 大気弁
139 大気チューブ
140 大気口
141 ポンプ
142 廃液チューブ
143 廃液タンク

Claims (8)

  1. ピペットと、該ピペット内への液体試料の吸引及び該ピペット外への液体試料の吐出を行なうための圧力制御手段と、該ピペットから吐出された液体試料が保持される液体保持部を載置するためのステージと、
    該液体保持部を振動させるための振動手段と、を備えることを特徴とする分注装置。
  2. 前記液体保持部がインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項1記載の分注装置。
  3. 前記液体保持部がマトリックス状に配列された複数のノズル開口を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の分注装置。
  4. 前記振動手段が周波数20kHz以上の超音波振動子であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の分注装置。
  5. 前記振動手段がランジュバン振動子であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の分注装置。
  6. ピペットを用いて、液体試料の吸入と該吸入された液体試料の液体保持部への吐出とを行なう液体分注方法であって、
    振動手段により、該液体試料が保持された液体保持部を振動させることを特徴とする分注方法。
  7. 前記振動が、周波数20kHz以上の超音波振動であることを特徴とする請求項6記載の分注方法。
  8. 前記振動手段が、ランジュバン振動子の超音波振動子であることを特徴とする請求項6又は7に記載の分注方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111474151A (zh) * 2020-04-18 2020-07-31 杭州准芯生物技术有限公司 液体检测方法

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