JP2005061716A - 空調機の温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入館時のヒートショックなどを最小限に抑え、居住者の苦情、業務の生産性の低下を抑えつつ、省エネを図ることができる空調機の温度制御装置を得る。
【解決手段】空調機50の設定温度を演算するためのパラメータを設定する操作部40と、建物外の外気温度を検出する温度センサ10と、前記温度センサ10により検出された外気温度が基準以上の場合には、前記検出された外気温度の変化に応じて前記空調機の設定温度が段階的に変化するように、前記操作部40により設定されたパラメータ及び前記検出された外気温度を用いて前記設定温度を演算し、この演算値が所定の最大値を超えるときには前記所定の最大値を前記演算値とする制御部30とを設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、外気温度の変化に応じて、空調機の設定温度を自動変更する空調機の温度制御装置に関するものである。
従来の空調機の温度制御装置においては、室外気の温度を検出する外気温度検出手段と、室内気の温度を検出する室内気温度検出手段とを設け、外気温度検出手段の検出値と予め設定させた設定値とを比較し、この比較結果に基づき冷暖房機をオンオフ制御する外気温度制御手段と、室内気温度検出手段の検出値と予め設定させた設定値とを比較し、この比較結果に基づき冷暖房機をオンオフ制御する室内気温度制御手段と、これらの外気温度制御手段と室内気温度制御手段を切換える制御モード切換手段を設ける(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−193989号公報(第1頁、図2)
上述したような従来の空調機の温度制御装置では、外気温度制御手段が外気温度検出手段の検出値と予め設定させた設定値とを比較し、この比較結果に基づき冷暖房機をオンオフ制御するだけで、外気温度が高い場合には、外部から建物内に入館すると、ヒートショックなどを起こす恐れがあるという問題点があった。
さらに、現状では、自社ビルや工場などの建物で省エネの為、空調機の設定温度を、冷房時には高めに設定したり、暖房時には低めに設定したりする運用がなされている。通常、快適設定温度は25〜26℃であるが、例えば、冷房時に、無条件に28℃に設定すると、常に建物内が暑く、居住者の苦情が発生したり、業務の生産性が低下したりするという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、入館時のヒートショックなどを最小限に抑え、居住者の苦情、業務の生産性の低下を抑えつつ、省エネを図ることができる空調機の温度制御装置を得るものである。
この発明に係る空調機の温度制御装置は、空調機の設定温度を演算するためのパラメータを設定する操作部と、建物外の外気温度を検出する温度センサと、前記温度センサにより検出された外気温度が基準以上の場合には、前記検出された外気温度の変化に応じて前記空調機の設定温度が段階的に変化するように、前記操作部により設定されたパラメータ及び前記検出された外気温度を用いて前記設定温度を演算し、この演算値が所定の最大値を超えるときには前記所定の最大値を前記演算値とする制御部と設けたものである。
この発明に係る空調機の温度制御装置は、入館時のヒートショックなどを最小限に抑えることができ、また、居住者の苦情、業務の生産性の低下を抑えつつ、省エネを図ることができるという効果を奏する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る空調機の温度制御装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る空調機の温度制御装置の概略構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この実施の形態1に係る空調機の温度制御装置は、建物の玄関の外に設置され、玄関付近の外気温度を検出する外気の温度センサ10と、メモリ等を有するマイクロコンピュータなどの制御部30と、各種ボタンやテンキーで操作設定し赤外線等の無線で送信するリモコンなどの操作部40とを備える。制御部30は、空調機50の設定温度を演算して自動変更する。なお、制御部30がパソコンなどの場合には、キーボードやマウスが操作部40となる。また、外気の温度センサ10は1個に限られず、日当りのよい場所と日陰の場所ではかなりの温度差が生じると考えられるので玄関付近の数箇所に複数個設けてもよい。
つぎに、この実施の形態1に係る空調機の温度制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る空調機の温度制御装置の制御部の動作を示すフローチャートである。また、図3は、この発明の実施の形態1に係る空調機の温度制御装置の制御部の動作を示すタイミングチャートである。この図3では、横軸が時間、縦軸が温度(℃)を表し、例えば半日における外気温度310の変化と、空調機50の設定温度320の変化の関係を示す。
外気温度が高い場合は、空調機の設定温度が多少高くても、体感温度としては涼しく感じる。例えば、外気温度が38℃の場合は、設定温度が28℃でも、温度差が10℃あり、涼しく感じる。この実施の形態1では、このことを利用して、外気温度の変化に応じて、空調機の設定温度を自動変更し、建物内への入館時のヒートショックなどを最小限に抑え、居住者の苦情、業務の生産性の低下を抑えつつ、省エネを図るものである。
最初に、ステップ101において、制御部30は、空調機の設定温度を演算するためのパラメータの設定を実行する。このパラメータの設定は、居住者により操作部40の『パラメータの設定』ボタン、テンキーを通じて行われる。入力されたパラメータは、メモリに記憶される。
ここで、空調機50の設定温度を演算する際に使用されるパラメータについて説明する。パラメータとしては、基準設定温度(A)と、設定温度変更判定値(B)と、設定温度変更変化量(外気温度)(C1)と、設定温度変更変化量(設定温度)(C2)と、設定温度変更最大値(D)とがある。
パラメータの具体的数値例を以下に掲げておく。
基準設定温度(A)=26℃、
設定温度変更判定値(B)=5℃、
設定温度変更変化量(外気温度)(C1)=1℃、
設定温度変更変化量(設定温度)(C2)=0.5℃、
設定温度変更最大値(D)=28℃。
設定温度変更変化量(外気温度)及び(設定温度)の意味は、外気温度が+1℃上昇したら、設定温度を+0.5℃だけ上昇させることである。
なお、パラメータは、複数種類設けてもよい。例えば、上記のパラメータの具体的数値例を『快適モード』とし、基準設定温度(A)を28℃に設定した『省エネモード』を設けてもよい。この『省エネモード』のパラメータの具体的数値例は、次の通りである。
基準設定温度(A)=28℃、
設定温度変更判定値(B)=5℃、
設定温度変更変化量(外気温度)(C1)=1℃、
設定温度変更変化量(設定温度)(C2)=0.5℃、
設定温度変更最大値(D)=30℃。
次に、ステップ102において、制御部30は、冷房運転か否かを判断する。この冷房運転は、操作部40の『冷房運転』ボタンを通じて行われる。なお、操作部40に『快適モード』ボタンや『省エネモード』ボタンが設けてある場合には、このときに選択操作する。冷房運転の場合は次のステップへ進み、冷房運転でない場合には本処理を終了する。
次に、ステップ103において、制御部30は、外気温度を入力する。つまり、温度センサ10により検出された玄関付近の外気温度を入力する。温度センサ10を複数個設けた場合には、それぞれで検出された外気温度を平均する。
次に、ステップ104において、検出された外気温度が基準以上かを判断する。つまり、この検出された外気温度が、基準設定温度(A)+設定温度変更判定値(B)を超えていない場合はステップ105へ進み、超えている場合にはステップ106へ進む。
次に、ステップ105において、基準設定温度(A)を、空調機の設定温度とする。空調機は、建物内の温度が設定温度になるように動作する。この後、ステップ102へ戻る。
次に、ステップ106において、空調機の設定温度を演算する。検出された外気温度をEと表し、以下の式により、メモリに記憶されているパラメータを使用して設定温度の演算値を求める。
演算値=A+{(E−(A+B))×C2/C1}
次に、ステップ107において、上記の演算値が設定温度変更最大値(D)より大きいかを判断する。演算値が設定温度変更最大値(D)より大きい場合は次のステップ108へ進み、大きくない場合にはステップ108をスキップしてステップ109へ進む。
次に、ステップ108において、設定温度変更最大値(D)を演算値とする。
次に、ステップ109において、演算値を、空調機の設定温度とする。空調機は、建物内の温度が設定温度になるように動作する。この後、ステップ102へ戻る。
ここで、上述した『快適モード』のパラメータの具体的数値例を用いて、空調機の設定温度の自動変更について説明する。
図3に示すように、外気温度310が、基準設定温度(A)+設定温度変更判定値(B)(26℃+5℃=31℃)までは、空調機の設定温度を、基準設定温度(A)=26℃とする(ステップ104〜105)。
外気温度310が、31℃を超える場合には、設定温度変更変化量(外気温度)(C1=1℃)、及び設定温度変更変化量(設定温度)(C2=0.5℃)を使用して、外気温度310が+1℃上昇したら、設定温度320を+0.5℃だけ上昇するように、空調機の設定温度を自動変更する。
図3に示すように、外気温度310が31℃のときは、31℃−31℃=0℃であるので、空調機の設定温度320を26.0℃+0.0℃=26.0℃とする。外気温度310が32℃のときは、32℃−31℃=1℃であるので、空調機の設定温度320を26.0℃+0.5℃=26.5℃とする。すなわち、正確には外気温度310が32℃未満までは、空調機の設定温度320を26.0℃とする。
つづいて、外気温度310が33℃に上昇したときは、33℃−31℃=2℃であるので、空調機の設定温度320を26.0℃+1.0℃=27.0℃とする。外気温度310が34℃に上昇したときは、34℃−31℃=3℃であるので、空調機の設定温度320を26.0℃+1.5℃=27.5℃とする。外気温度310が35℃のときは、35℃−31℃=4℃であるので、空調機の設定温度320を26.0℃+2.0℃=28.0℃とする。
さらに、外気温度310が36℃に上昇したときは、36℃−31℃=5℃であるので、空調機の設定温度320を26.0℃+2.5℃=28.5℃としなければならないが、設定温度変更最大値(D)が28℃であるので、空調機の設定温度320を28.0℃に制限する。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る空調機の温度制御装置について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係る空調機の温度制御装置の概略構成を示す図である。
図4において、この実施の形態2に係る空調機の温度制御装置は、上記実施の形態1に係る空調機の温度制御装置に、建物内に設置され、内気温度を検出する内気の温度センサ20をさらに備える。なお、内気の温度センサ20は1個に限られず、人が出入りする玄関付近と空調機の傍や建物の奥ではかなりの温度差が生じると考えられるので建物内の数箇所に複数個設けてもよい。
つぎに、この実施の形態2に係る空調機の温度制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図5は、この発明の実施の形態2に係る空調機の温度制御装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップ201〜203は、上記の実施の形態1のステップ101〜103と同様である。
次に、ステップ204において、制御部30Aは、内気温度を入力する。つまり、温度センサ20により検出された建物内の内気温度を入力する。温度センサ20を複数個設けた場合には、それぞれで検出された内気温度を平均する。
次に、ステップ205において、制御部30Aは、入力した外気温度と内気温度の温度差が所定値以上か判断する。この所定値は、例えば、5℃〜10℃程度である。つまり、外内気温度差が、所定値を超えていない場合はステップ206へ進み、超えている場合にはステップ207へ進む。
この以降のステップ206〜210は、上記の実施の形態1のステップ105〜109と同様である。
この発明の実施の形態1に係る空調機の温度制御装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る空調機の温度制御装置の制御部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る空調機の温度制御装置の制御部の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る空調機の温度制御装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る空調機の温度制御装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 外気の温度センサ、20 内気の温度センサ、30、30A 制御部、40 操作部、50 空調機。

Claims (3)

  1. 空調機の設定温度を演算するためのパラメータを設定する操作部と、
    建物外の外気温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサにより検出された外気温度が基準以上の場合には、前記検出された外気温度の変化に応じて前記空調機の設定温度が段階的に変化するように、前記操作部により設定されたパラメータ及び前記検出された外気温度を用いて前記設定温度を演算し、この演算値が所定の最大値を超えるときには前記所定の最大値を前記演算値とする制御部と
    を備えたことを特徴とする空調機の温度制御装置。
  2. 空調機の設定温度を演算するためのパラメータを設定する操作部と、
    建物外の外気温度を検出する外気温度センサと、
    建物内の内気温度を検出する内気温度センサと、
    前記外気温度センサにより検出された外気温度と前記内気温度センサにより検出された内気温度の温度差が所定値以上の場合には、前記検出された外気温度の変化に応じて前記空調機の設定温度が段階的に変化するように、前記操作部により設定されたパラメータ及び前記検出された外気温度を用いて前記設定温度を演算し、この演算値が所定の最大値を超えるときには前記所定の最大値を前記演算値とする制御部と
    を備えたことを特徴とする空調機の温度制御装置。
  3. 前記パラメータは、少なくとも、基準設定温度、設定温度変更判定値、第1の設定温度変更変化量、及び第2の設定温度変更変化量から構成され、
    前記検出された外気温度をE、基準設定温度をA、設定温度変更判定値をB、第1の設定温度変更変化量をC1、第2の設定温度変更変化量をC2と表すと、
    前記制御部は、A+{(E−(A+B))×C2/C1}により前記設定温度を演算する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の空調機の温度制御装置。
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