JP2005060899A - 伸縮性ダブルニット丸編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量で厚みの保持性に優れ、伸縮性も十分であり、通気性にも優れた嵩高なダブルニット丸編地を提供する。
【解決手段】 編地表面のループと編地裏面のループとが連結糸条により連結されているダブルニット丸編地において、表面編地及び裏面編地は、2種類の樹脂A、Bで形成され、当該樹脂A、Bが偏在してなる横断面を有する単糸から構成された弾性糸条を用いて製編されており、編地表面における1つのループS1と編地裏面における1つのループR1とが連結糸条により連結されており、かつ、編地表面における上記ループS1と同一コース上に存在しループS1と同一もしくは異なっていてもよいループS2と、編地裏面における上記ループR1とは異なるコース上に存在するループR2とが連結糸条により連結されている構造を有していることを特徴とする伸縮性ダブルニット丸編地。
【選択図】 図2

Description

本発明は、衣類の裏地、介護衣料等の衣料分野、コルセット、サポーター等のスポーツ・医療用品分野、土木資材、建設資材、車輌用シート等の産業資材分野をはじめ幅広く使用のできる、伸縮性と通気性に優れた嵩高なダブルニット丸編地に関するものである。
従来、ダブルニット丸編地は、嵩高で通気性の良い編地として、衣料用途や産業資材用途に広く利用されている。しかしながら、ダブルニット丸編地においては編地の厚みを保持させることが非常に困難なため、嵩高なダブルニット丸編地の利用における障害となっていた。
ダブルニット丸編地において厚みを保持させることが困難な理由としては、せっかく嵩高な編地を編成しても、染色加工時や編地の使用時における編地への力のかかり具合によって、表面と裏面とを連結する連結糸条が編地のコース方向に対しては倒れにくいものの、ウェール方向に倒れてしまい厚みを保持することが難しかったことが挙げられる。
そのような欠点を克服すべく、ダブルニット丸編地の連結部において連結糸以外に挿入糸を設けることによって連結部の強化を計る方法が用いられていた。さらには、連結糸そのものを熱融着させることにより連結糸が倒れるのを防ぐ方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、伸縮性に優れた編地としては、ポリウレタン繊維やポリエーテルエステル繊維等の弾性糸条を利用して他素材と交編したり、弾性繊維に他素材をカバーリングさせたカバーリング糸を編地に交編した編地が知られている。
特許第3208005号公報
上記した従来のダブルニット丸編地について、ダブルニット丸編地の連結部において連結糸以外に挿入糸を設けたものでは、編地全体の質量が重くなって取り扱いにくく、通気性も損なわれるという問題があった。また、連結糸そのものを熱融着させることにより連結糸が倒れるのを防ぐものでは、編地の伸縮性が熱融着糸の融着によって損なわれるという問題があった。
他方、ポリウレタン繊維やポリエーテルエステル繊維等の弾性糸条を利用して他素材と交編したり、弾性繊維に他素材をカバーリングさせたカバーリング糸を編地に交編した編地では、高伸縮性を有する弾性糸を高伸長状態で他の素材と交編することになるため、編地が縮んで高密度となり、通気性が悪くなるという問題があった。
このような現状に鑑み、本発明の課題は、軽量で厚みの保持性に優れ、伸縮性も十分であり、通気性にも優れた嵩高なダブルニット丸編地を提供することにある。
上記の課題を解決すべく、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)編地表面のループと編地裏面のループとが連結糸条により連結されているダブルニット丸編地において、表面編地及び裏面編地は、2種類の樹脂A、Bで形成され、当該樹脂A、Bが偏在してなる横断面を有する単糸から構成された弾性糸条を用いて製編されており、編地表面における1つのループS1と編地裏面における1つのループR1とが連結糸条により連結されており、かつ、編地表面における上記ループS1と同一コース上に存在しループS1と同一もしくは異なっていてもよいループS2と、編地裏面における上記ループR1とは異なるコース上に存在するループR2とが連結糸条により連結されている構造を有していることを特徴とする伸縮性ダブルニット丸編地。
(2)編地表面のループと編地裏面のループとが連結糸条により連結されているダブルニット丸編地において、表面編地及び裏面編地は、2種類の樹脂A、Bで形成され、当該樹脂A、Bが偏在してなる横断面を有する単糸から構成された弾性糸条を用いて製編されており、編地表面における1つのループS1と編地裏面における1つのループR1とが連結糸条により連結されており、かつ、編地表面における上記ループS1と、編地裏面における上記ループR1とは異なるコース上に存在するループR2とが連結糸条により連結されている構造を有することを特徴とする伸縮性ダブルニット丸編地。
(3)弾性糸条の単糸を形成する樹脂Aがナイロン12とポリエーテルとのブロック共重合体及びナイロン6からなるブレンドポリマーであり、樹脂Bがナイロン6であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の伸縮性ダブルニット丸編地。
(4)コース方向又はウェール方向の伸長率が30%以上、10回繰り返し時の圧縮弾性率が65%以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の伸縮性ダブルニット丸編地。
本発明のダブルニット丸編地は、コース方向に沿って配向された連結糸条に加えて、ウェール方向に沿って配向された連結糸条を有するという本発明独特の構成により、連結糸条がコース方向にもウェール方向にも倒れにくく、厚み保持性に優れたダブルニット丸編地である。また、弾性糸条を用いていることにより伸縮性にも優れており、しかも本発明固有の特定弾性糸条を用いた構成により、軽量で通気性にも優れている。
したがって本発明のダブルニット丸編地は、伸縮性と通気性に優れた耐久性のある嵩高なダブルニット丸編地として、一般の衣料用途はもとより、介護衣料用途、コルセットやサポーター等のスポーツ・医療用品用途、あるいは土木資材、建築資材、内装材、椅子材、寝具等の各種産業資材用途に幅広く好適に使用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の伸縮性ダブルニット丸編地(以下、本発明のダブルニット丸編地と記することがある)は、編地の表裏が連結糸条によって連結されており、詳細には、編地表面におけるループと編地裏面におけるループとが、連結糸条を介して連結されている。すなわち、編地表面における1のループS1と編地裏面における1のループR1とが連結糸条により連結されている。
なお、以下の説明においては、編地表面もしくは裏面におけるループと連結糸との接点を、連結点と略記することがある。
本発明のダブルニット丸編地においては、編地表面及び裏面のループの全てが連結点となっていることは必ずしも要しない。すなわち、連結糸条による表地と裏地との連結に寄与しないループが存在しても一向に差し支えないが、本発明の目的をより効果的に達成するという点においては、全てのループが連結点となっていることが好ましい。
本発明において重要なことは、上記ループS1とループR1とが連結糸条により連結されていることに加えて、編地表面における上記ループS1と同一コース上に存在するループS2と、編地裏面における上記ループR1とは異なるコース上に存在するループR2とが連結糸条により連結されている構造を有することである。すなわちループS1が存在する編地表面のコースと同一のコース上にあるループS2と、ループS1と連結されているループR1が存在する編地裏面のコースと同一のコース上にあるループR2とが連結糸条により連結されている構造を有することである。
従来のダブルニット丸編地においては、表面の1のコースは、裏面の1のコースと1対1の関係で連結されていた。すなわち、表面における特定の1コース上の各連結点から伸びた連結糸条の行く先は、全て裏面における特定の1コース上の連結点であり、裏面における複数のコース上の連結点と連結されていることはなかった。したがって、連結糸はコースに沿って平行に連なっているだけであるので、編地のコース方向の負荷に対しては丸編地特有の連結形態により連結糸条は倒れにくいが、ウェール方向の負荷に対しては連結糸が倒れてしまい編地本来のボリュームが損なわれていた。
本発明においては、上記のようなループS2とループR2とが連結された構成を導入したことにより、編地のウェール方向に沿った断面から見たとき、連結糸はコース方向のみならずウェール方向にも沿って上下(表裏)方向に対して斜めに入るため、ウェール方向の負荷に対しても連結糸が倒れにくい構造となるのである。このことについて模式図を用いて以下に説明する。
図1は、従来からの一般的なダブルニット丸編み地について、コース方向に沿った編地の断面を模式的に示したものである。この断面構造においては、丸編み地独特の連結形態により、コース方向の連結糸条3は斜めV字を連続させたような形態を呈しており、コース方向の負荷に対しては連結糸条が倒れにくいことがわかる。本発明の編地においても、少なくともこの形態を備えている。
一方、図2は、本発明のダブルニット丸編地の例について、ウェール方向に沿った編地の断面を模式的に示したものである。この断面構造においては、S1とR1を連結するコース方向の連結糸条3及び、S1と同一もしくは異なる点であるS2とR2とを連結するウェール方向の連結糸状4とによって、断面を見たときにN字状の形態を呈し、ウェール方向の負荷に対しても倒れにくいことがわかる。すなわち、従来のダブルニット丸編み地には、このウェール方向の連結糸条4が存在しないためウェール方向に倒れやすく、これに対して本発明のダブルニット丸編み地はこのウェール方向の連結糸条4が筋交いのような役割を果たすので、コース方向のみならずウェール方向にも倒れにくいのである。
本発明において、ループS1とS2は、同一コース上に存在するループであれば同一ループであっても異なるループであってもよい。すなわち、図2において、コース方向の連結糸条3の連結点は、同時にウェール方向の連結糸条4の連結点であってもよいが、それに限定されず、コース方向の連結糸条3の連結点ではあるがウェール方向の連結糸条4の連結点ではない連結点を有していてもよく、逆にウェール方向の連結糸条4の連結点ではあるがウェール方向の連結糸条4の連結点ではない連結点を有していてもよい。より倒れにくい構造とするためには、S1とS2が同一である構造、すなわち、コース方向の連結糸条3の連結点が同時にウェール方向の連結糸条4の連結点でもある構造を有することが好ましく、1コース上における連結点の全てがコース方向の連結糸条3の連結点でありかつウェール方向の連結糸条4の連結点である構造を有することが特に好ましい。
また、本発明のダブルニット編地においては、上記したようなウェール方向の連続糸条が連結された構造を有するコースを、少なくとも3コースに1コース以上の割合で有することが好ましく、これによりウェール方向への十分な倒れにくさを確保できる。倒れにくさという点では、全てのコースを上記したようなウェール方向の連続糸条が連結された構造を有するコースとするのが好ましく、さらには全コースの全連結点がコース方向及びウェール方向の連結糸条の連結点であることが特に好ましいが、その反面、連結糸条の糸量が増すことによる製造コストや質量の増加も僅少ではあるが伴うので、適宜選択すればよい。なお、先に引用した図1は、全てのコースを上記したようなウェール方向の連続糸条が連結された構造を有するコースとした例についてのものである。
ここで、本発明のダブルニット編地を製編するための糸条について説明する。
本発明のダブルニット編地は、その表面編地及び裏面編地が、2種類の樹脂A、Bで形成され、当該樹脂A、Bが偏在してなる横断面を有する単糸から構成された弾性糸条(以下、特定弾性糸条と略記することがある)を用いて製編されていることが必要である。そのような特有の構造を有する単糸を構成する樹脂Aとしては、弾性に寄与する樹脂を用いるのが好ましく、一方、樹脂Bとしては、耐候性のある樹脂を用いるのが好ましい。そのような観点から、樹脂A及び樹脂Bの組合わせとしては、以下のものを例示できる。すなわち、樹脂Aがポリウレタン系樹脂であり樹脂Bがポリエステル系樹脂である組合わせ、樹脂Aがポリエーテル・エステル系樹脂であり樹脂Bがナイロン系樹脂である組合わせ、樹脂Aがナイロン系とポリエーテルのブロック共重合体であり樹脂Bがナイロン系樹脂である組合わせ等を例示できる。
特に好ましい組み合わせは、樹脂Aがナイロン12とポリエーテルとのブロック共重合体及びナイロン6からなるブレンドポリマーであり、樹脂Bがナイロン6であるという組み合わせである。この組み合わせによれば、両樹脂を後述するようなサイドバイサイド型に貼り合わせ易く、剥がれにくいものとなる。
特定弾性糸条を構成する単糸(以下、特定弾性単糸と略記することがある)の横断面においては、樹脂Aと樹脂Bとが偏在した横断面となっており、例えば、サイドバイサイド型、芯鞘型、偏心型、海島型、フルーツセクション型等の横断面を形成している。このように樹脂Aと樹脂Bとを偏在させることにより、糸条がスパイラル捲縮形態をとろうとして、伸縮性が発現しやすくなるためである。したがって、スパイラル捲縮形態が最も促進されるサイドバイサイド型の横断面が特に好ましい。なお、特定弾性単糸の横断面の輪郭としては、特に限定されるものではなく、丸断面、異形断面、中空断面、偏平断面等のいずれを採用してもよい。また、ラスターについても、特に限定されるものではなく、ブライト、セミダル、フルダルのいずれでもよい。
特定弾性糸条は、6〜48本程度の単糸からなるマルチフィラメントであることが好ましい。なお、特定弾性糸条及び特定弾性単糸の繊度としては、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定すればよいが、単糸繊度としては0.1dtex以上とすることが好ましく、また、特定弾性糸条の繊度としては10dtex以上とすることが好ましい。単糸繊度を0.1dtex以上とすることは、特定弾性単糸の太さを均一にする点で好ましく、弾性糸条の繊度を10dtex以上とすることは、布帛に必要な厚みを付与する点で好ましい。
特定弾性糸条の伸長率としては、160%以上が好ましい。伸長率が160%未満の場合、編地の伸長性が不足する傾向にあるので好ましくない。ここでいう伸長率とは、以下の方法で求められる値である。
(特定弾性糸条の伸長率の測定法)
JIS L 1013 B法を利用した方法により測定する。すなわち、JIS L 1013 B法記載の方法により10本1束の試料を作り、これを24時間放置した後に、沸騰水中で30分間処理し、24時間風乾する。このような処理を経たものを試料として、JIS L 1013 B法の10本1束の試料を測定するのと同様の測定を行ない、伸長率を求める。
本発明のダブルニット丸編地では、特定弾性糸条を表面編地及び裏面編地において使用するが、その使用割合としては、表面編地及び裏面編地のそれぞれ40質量%以上、さらには50質量%以上を占める割合で使用することが好ましく、また、本発明のダブルニット丸編地全体の20質量%以上、さらには30質量%以上となるような割合で使用することが好ましい。特定弾性糸条の使用割合が少ないと、編地の伸縮性が低下する傾向にあるので好ましくない。
特定弾性糸条以外に、本発明に用いる糸条の種類としては、特に限定されるものではなく、ポリアミド、ポリエステル、ビニロン等の合成繊維からなる糸条や、レーヨン、テンセル等のセルロース系繊維糸条、あるいは綿、麻、ウール等の天然繊維糸条等を目的に応じて適宜選択して使用すればよい。
ただし、連結糸条として用いる糸条の種類としては、合成繊維からなるフィラメント糸条が好ましく、しかも単繊維繊度が5デシテックス以上であればなお好ましい。
合成繊維であることは、耐圧縮性や耐久性の点で好ましく、また、フィラメント糸条であれば、糸条自体のトルクが強い短繊維等のスパン糸条に比して連結糸としての形態安定性に勝る点で好ましい。さらに単糸繊度が5デシテックス以上であれば、編地の厚み方向からの負荷に強くなり厚み保持性に優れるので好ましい。合成繊維の中でも、圧縮弾性率に優れている点でポリアミド繊維が連結糸条の素材として特に好ましい。
なお、連結糸条に用いるフィラメント糸条としては、モノフィラメントでもマルチフィラメントでもよいが、編地の厚み方向からの負荷により強い編地にできる点では、圧縮弾性に優れたモノフィラメントが好ましい。
また、連結糸条に用いる糸条における繊維のラスターや、断面形状が丸断面か異形断面であるかについても特に限定されず、マルチフィラメントの場合の異繊度等及び異繊維混繊等も特に限定されない。
本発明のダブルニット丸編地は、上記した特定弾性糸条を用いて製編されているので、伸縮性に優れており、その伸長率としては、30%以上が好ましく、45〜120%がより好ましい。伸長率が30%未満では、伸縮性に乏しく、伸縮性編物としての性能が求められる用途に適用し難いものとなる。この伸長率としては、JIS L−1018(1999) 8.14.2のカットストリップ法により測定される4.9N荷重時の伸び率をいう
なお、この伸長率は本発明のダブルニット丸編地のコース方向又はウェール方向のいずれか一方について備わっていればよいが、両方向ともに備わっていてもよい。
さらに、本発明のダブルニット丸編地は、上記した特定弾性糸条を用いて製編されていることにより、同様の編地をポリウレタン繊維やポリエーテルエステル繊維等の弾性糸条を利用して他素材と交編したり、弾性繊維に他素材をカバーリングさせたカバーリング糸を編地に交編した場合と比較して通気性に優れたものとすることができる。この通気性について、JIS L−1096 6.27.1 A法に準じて測定される厚み方向の通気度としては、80〜250ml/cm2・secであることが好ましい。
また、本発明のダブルニット丸編地の厚みとしては、1mm以上が好ましく、2〜10mmがより好ましい。厚みが1mm未満の場合には本発明を適用する実益に乏しいので好ましくない。一方、10mmを超える場合、製編ができないことはないが、生産性が低下してコスト高になる傾向にあるので好ましくない。
また、編地の平面の単位面積あたりの連結糸条本数、すなわち連結糸条の連結密度としては、200本/cm2以上が好ましく、300〜1000本/cm2がより好ましい。連結密度が200本/cm2未満では、編地の伸縮によって、連結糸が倒れてしまったり、編地表面に連結部の柄癖などが現れてしまう傾向にあるので好ましくない。一方、1000本/cm2を超えると、製編に困難を伴い、生産性が低下する傾向にあるので好ましくない。
さらに、上記のような連結密度の範囲で、連結糸条の本数に占めるコース方向の連結糸条の本数と、ウェール方向の連続糸条の本数との割合としては、(コース方向/ウェール方向)=5/1〜1/5が好ましい。この範囲を外れると、コース方向もしくはウェール方向のいずれかの方向に連結糸条が倒れやすい傾向にあるので好ましくない。したがって、両方向についての倒れにくさのバランスを取るという観点から、上記割合としては概ね1/1とすることが特に好ましい。
また、厚み保持という視点から、本発明のダブルニット丸編地の10回繰り返し時の圧縮弾性率としては、65%以上が好ましく、75%以上がより好ましい。65%未満では、厚み方向の繰り返しの負荷に対する厚み保持性が乏しくヘタリやすい傾向にある。この10回繰り返し時の圧縮弾性率とは、JIS L−1018(1999) 8.19に記載の圧縮率及び圧縮弾性率の測定法に準じて測定を10回繰り返した時の、10回目の測定時の圧縮弾性率をいう。
以上のようにして構成された本発明のダブルニット丸編地は、厚みの大きい嵩高な編地としても、連結糸条がコース方向、ウェール方向のいずれにも倒れにくいので、従来にないボリューム保持に優れ、なおかつ軽量で伸縮性、通気性にも優れたダブルニット編地とすることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、実施例に記載の編地の特性は以下の方法により測定した。
(1)圧縮弾性率
JIS L−1018(1999) 8.19に記載の圧縮率及び圧縮弾性率の測定法に準じて測定を10回繰り返した時の、10回目の測定時の圧縮弾性率を採用した。
(2)伸長率
JIS L−1018(1999) 8.14.2のカットストリップ法に準じ、試料幅5cm、試料長30cm、つかみ間距離20cm、引張速度20cm/分、一定荷重を4.9Nとして定荷重時伸び率を測定し、これを伸長率とした。
(3)通気度
JIS L−1096 6.27.1 A法に準じて厚み方向の通気度を測定した。
(4)連結糸条の連結密度
連結糸条が編地表面と編地裏面とを1回連結する部分を1本と数えることとして、編地表面の単位面積あたりに存在する連結点に係る連結糸条の本数を計数して求めた。
(実施例1)
樹脂Aとしては、ナイロン12とポリエーテルとのブロック共重合体(テグサ株式会社製、ダイアミド−PAE−E47)80質量部と、ナイロン6(m−クレゾール溶媒中、濃度0.5g/dl、温度20℃で測定した相対粘度が2.60のもの)20質量部とをブレンドしたポリマーを用いた。樹脂Bとしては、ナイロン6を用いた。
常用の複合溶融紡糸装置に、サイドバイサイド型複合紡糸口金を装着し、樹脂Aと樹脂Bとの複合比(質量比)を1:1として、溶融温度を255℃として複合溶融紡糸して、速度600m/分で捲き取ることにより、300デシテックス/12フィラメントの未延伸糸を得た。さらに、得られた未延伸糸を3.8倍の延伸倍率で冷延伸しながら、速度680m/分で引き取ることにより、サイドバイサイド型の横断面を有する単糸で構成された78デシテックス/12フィラメントの弾性糸条(伸長率175%)を得た。
編地表面と裏面を編成する糸条として上記の弾性糸条を用い、連結糸条に用いる糸条として56デシテックスのナイロンモノフィラメントを用いて、図3に示す組織にて、ダブルニット丸編機(福原精機株式会社製LIL4−AL型、33インチ×24G)を用いて、ギャップ2.0mmでダブルニット丸編地を編成した。この編地に対し、サーキュラー染色試験機(株式会社日阪製作所製)にて、界面活性剤(日華化学株式会社製、サンモールFL)を濃度1g/リットルで用い、浴比1:30でリラックス精練(80℃×20分間)を行った。次いで、サーキュラー染色試験機(株式会社日阪製作所製)にて、酸性染料(日本化薬株式会社製、Kyanol Navy Bule R) を2% o.m.f、均染剤(丸菱油化株式会社製、レベランNDK)を2% o.m.fで使用し、酢酸(48%)を0.2cm3/リットルで併用して、100℃×30分間にて染色を行なった。その後、染料固着剤(日華化学株式会社製、サンライフ E−7)を2% o.m.fで用いてフィックス処理を行なうことにより、本発明のダブルニット丸編地を得た。この編地の厚みは1.6mm、弾性糸条の含有率は60%であった。
(実施例2)
実施例1において編地表面と裏面を構成する糸条のそれぞれ半分を、弾性糸条の代わりに78デシテックス/12フィラメントの1ヒーターナイロン仮撚加工糸(伸長率125%)とした以外は、実施例1と同様にして、本発明のダブルニット丸編地を得た。
(比較例1)
編地表面と裏面を編成する糸条に78デシテックス/12フィラメントの1ヒーターナイロン仮撚加工糸(伸長率125%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較用のダブルニット丸編地を得た。
以上の実施例及び比較例において得られたダブルニット丸編地の特性を下記表1に示す。
なお、伸長率は、いずれもウェール方向についての値である。
Figure 2005060899
上記の結果から明らかなように、実施例1及び2で得られた本発明のダブルニット丸編地は、繰り返しの圧縮に対しても高い圧縮弾性率を保持し、伸長率、通気度ともに高い値を示した。すなわち、厚み保持性に優れ、伸縮性と通気性をも兼ね備えたダブルニット丸編地であった。
これに対して比較例のダブルニット丸編地は、弾性糸条を用いなかったため、編地の伸長率が低くなって伸縮性に乏しく、また、仮撚加工糸を用いることでループのカバーファクターが増加したために通気度も劣っていた。
一般的なダブルニット丸編地のコース方向に沿った断面を模式的に示す断面模式図である。 本発明のダブルニット丸編地の例についてウェール方向に沿った断面を模式的に示す断面模式図である。 編地の編成方法を示す編成組織図である。
符号の説明
1…編地表面
2…編地裏面
3…コース方向の連結糸条
4…ウェール方向の連結糸
S1,S2…編地表面における連結点
R1,R2…編地裏面における連結点
Dy…ダイヤル針
Cy…シリンダー針
C1…編地表面を構成する糸条
D1…編地裏面を構成する糸条
L…連結部を構成する糸条
F1,F2,F3,F4…給糸口

Claims (4)

  1. 編地表面のループと編地裏面のループとが連結糸条により連結されているダブルニット丸編地において、表面編地及び裏面編地は、2種類の樹脂A、Bで形成され、当該樹脂A、Bが偏在してなる横断面を有する単糸から構成された弾性糸条を用いて製編されており、編地表面における1つのループS1と編地裏面における1つのループR1とが連結糸条により連結されており、かつ、編地表面における上記ループS1と同一コース上に存在しループS1と同一もしくは異なっていてもよいループS2と、編地裏面における上記ループR1とは異なるコース上に存在するループR2とが連結糸条により連結されている構造を有していることを特徴とする伸縮性ダブルニット丸編地。
  2. 編地表面のループと編地裏面のループとが連結糸条により連結されているダブルニット丸編地において、表面編地及び裏面編地は、2種類の樹脂A、Bで形成され、当該樹脂A、Bが偏在してなる横断面を有する単糸から構成された弾性糸条を用いて製編されており、編地表面における1つのループS1と編地裏面における1つのループR1とが連結糸条により連結されており、かつ、編地表面における上記ループS1と、編地裏面における上記ループR1とは異なるコース上に存在するループR2とが連結糸条により連結されている構造を有することを特徴とする伸縮性ダブルニット丸編地。
  3. 弾性糸条の単糸を形成する樹脂Aがナイロン12とポリエーテルとのブロック共重合体及びナイロン6からなるブレンドポリマーであり、樹脂Bがナイロン6であることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮性ダブルニット丸編地。
  4. コース方向又はウェール方向の伸長率が30%以上、10回繰り返し時の圧縮弾性率が65%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の伸縮性ダブルニット丸編地。

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