JP2005060421A - 粒子固定用接着剤組成物、粒子固定方法及びマイクロアレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】固相担体表面に粒子を固定して結合可能な表面積を大きくして、DNA等の結合量を増やすことができ、粒子を効率的に基板上に固定することができる粒子固定用接着剤組成物、粒子固定方法及びマイクロアレイを提供する。
【解決手段】(A)平均分子量20000〜110000のポリアミック酸又は平均分子量10000〜70000のポリヒドロキシアミドから選ばれた(メタ)アクリル基を有するポリアミド酸と、(B)ビニルエーテル化合物と、(C)光重合開始剤とを含有することを特徴とし、熱重合によりBステージ状態とした後、光重合により硬化させることによって粒子をマイクロアレイ上に効率良く固定することができる粒子固定用接着剤組成物3、この接着剤組成物3を用いて粒子4を固定する方法及びマイクロアレイ1。
【選択図】 図1
【解決手段】(A)平均分子量20000〜110000のポリアミック酸又は平均分子量10000〜70000のポリヒドロキシアミドから選ばれた(メタ)アクリル基を有するポリアミド酸と、(B)ビニルエーテル化合物と、(C)光重合開始剤とを含有することを特徴とし、熱重合によりBステージ状態とした後、光重合により硬化させることによって粒子をマイクロアレイ上に効率良く固定することができる粒子固定用接着剤組成物3、この接着剤組成物3を用いて粒子4を固定する方法及びマイクロアレイ1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子固定用接着剤組成物、粒子固定方法及びマイクロアレイに係り、特に、熱重合によりBステージ状態とした後、光重合により硬化させることによって粒子をマイクロアレイ上に効率良く固定することができる粒子固定用接着剤組成物、この接着剤組成物を用いる粒子固定方法及びマイクロアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゲノムプロジェクトの進歩に伴って、大量の遺伝子情報を一度に処理、解析する必要性が高まり、このようなニーズを満たすための1つの有力な手段として、DNAマイクロアレイ又はDNAチップ(以下、総称してDNAマイクロアレイと称する。)が開発、実用化されている。
【0003】
DNAマイクロアレイは、多数のcDNA、DNA断片、オリゴヌクレオチド等(以下、DNAプローブと称する。)をシリコンやスライドガラス等の固相担体表面に固定したものであり、このDNAマイクロアレイに固定されたDNAプローブとこれに相補的なDNA断片試料とのハイブリダイゼーションを利用することによって試料に含まれるDNAの状態を定量的又は定性的に解析するものである。
【0004】
DNAマイクロアレイを製造するには、固相担体表面に多数のDNAプローブを高密度、かつ安定に整列させ固定することが必要であり、その作製方法としては、従来から、主に固相担体表面上でオリゴヌクレオチドを合成する方法と、あらかじめ調製したDNAプローブを固相担体表面に結合固定する2つの手法が用いられている。
【0005】
固相担体表面上で合成を行う方法は、固相担体表面に反応性保護基を有する化学リンカーを導入し、半導体製造で用いるフォトリソグラフィーの技術を用いて脱保護した後、固相合成の手法により保護基を有するヌクレオチドと反応させ、これを繰り返すことによって直接オリゴヌクレオチドを合成していく方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この方法により作製されたDNAマイクロアレイは、人工的に合成されたオリゴヌクレオチドが固相担体表面に共有結合で固定されているため、再現性に優れた測定を行うことができる利点がある。
【0007】
また、あらかじめ調製したDNAプローブを固相担体表面に結合固定する方法は、固相担体の表面がプラスの電荷を有するように表面処理を行い、DNAプローブのもつ電荷を利用して担体表面に静電結合させる方法(例えば、特許文献2及び3参照。)と、合成オリゴヌクレオチドに反応活性基を導入し、固相担体にも反応性基を形成させるように表面処理を行い、オリゴヌクレオチドを固相担体表面に共有結合させる方法(例えば、特許文献3参照。)とが知られている。
【0008】
この方法により作製されたDNAマイクロアレイは、スポット用のDNAプローブが用意できれば比較的低コストで製造することができ、既知のDNAの測定には限られない。また、使用者がカスタマイズを容易に行うこともできる利点がある。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第5424186号明細書
【特許文献2】
特開2002−71686号公報
【特許文献3】
特開2002−60671号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのDNAマイクロアレイは、1つのマイクロアレイで一度に多数の測定を行うために、マイクロアレイ上には測定項目に対応する多種類のDNAプローブが固定されているが、より多種類のDNAプローブを固定しようとすると1つの種類に対して固定する面積が小さくなり感度が落ちる問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、固相担体表面に粒子を固定して結合可能な表面積を大きくして、DNAプローブの結合量を増やすために、粒子を効率的に基板上に固定することができる粒子固定用接着剤組成物、粒子固定方法及びマイクロアレイを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、固相担体表面に直接DNAプローブを固定するのではなく、固相担体表面に粒子を固定して表面積を大きくし、その粒子上にDNAを結合することでこれらの結合量を増やすことができること及び粒子を基板に固定するに際して効率良く固定を行うことができる接着剤組成物を見出し本発明を完成した。
【0013】
本発明の粒子固定用接着剤組成物は、(A)平均分子量20000〜110000のポリアミック酸又は平均分子量10000〜70000のポリヒドロキシアミドから選ばれた(メタ)アクリル基を有するポリアミド酸と、(B)ビニルエーテル化合物と、(C)光重合開始剤とを含有することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の粒子固定方法は、基板上に、本発明の粒子固定用接着剤組成物を付着させ、付着した接着剤組成物を70〜150℃で加熱してBステージ状態にし、Bステージ状態の接着剤組成物を粒子が分散されている分散液中に浸漬して効率良く粒子を接着剤組成物表面に接触させ、粒子が接触した接着剤組成物に可視光線を照射して接着剤組成物を硬化させることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明のマイクロアレイは、粒子を固定するための基板と、生体関連物質導入部位を有する粒子とを有し、粒子が本発明の接着剤組成物を介して基板に固定されていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明の接着剤組成物の構成要素である(A)平均分子量20000〜110000のポリアミック酸又は平均分子量10000〜70000のポリヒドロキシアミドから選ばれた(メタ)アクリル基を有するポリアミド酸は、例えば、次の一般式(I)
【化4】
(式中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基、R3は
【化5】
(式中、R4は水素又はメチル基である。)で表される基であり、nは20〜190の整数である。)又は次の一般式(II)
【化6】
(ここで、式中、R5は2価の有機基、R6は4価の有機基、R3は前記と同一の基であり、nは10〜130の整数である。)で表すことができる。
【0018】
一般式(I)で表されるポリアミック酸の平均分子量は20000〜110000であるが、粒子固定の際の作業性や接着性の観点から、平均分子量が30000〜80000であることが好ましい。このことから、一般式(I)で表される化合物においては、nが20〜190の整数であり、30〜140の整数であることが好ましい。
【0019】
また、一般式(II)で表されるポリヒドロキシアミドの平均分子量は10000〜70000であるが、粒子固定の際の作業性や接着性の観点から、平均分子量が20000〜60000であることが好ましい。このことから、一般式(I)で表される化合物においては、nが10〜130の整数であり、30〜110の整数であることが好ましい。
【0020】
一般式(I)で表されるポリアミドの合成は、R1骨格となるテトラカルボン酸二無水物とR2骨格となるジアミンとを反応させて脱水縮合することにより行うことできる。
【0021】
R1骨格となるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−2,2´,3,3´−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−2,3,3´,4´−テトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[5−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[5−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
R2骨格となるジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、1,2−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、1,4−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、1,5−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3,3−ジメチルシクロヘキシルアミン)、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフォン、o−ジトルイジルスルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、1,3−ビス[3−アミノプロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−メトキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、ビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、3,3´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0023】
また、置換基R3は、この脱水縮合反応をする前に、R2骨格となるジアミンと(メタ)アクリル酸グリシジルを反応させることで、アミノ基に導入することができる。この反応は、反応温度が80℃を超えると副生成物が生じてしまい、70℃未満だと反応性が著しく低下するため、70〜80℃に加熱しながら行うことが好ましい。
【0024】
一般式(II)で表されるポリアミドの合成は、R5骨格となるジカルボン酸クロリドとR6骨格となるシリル化されたジアミンとを反応させて縮合することにより行うことできるが、このとき、ジアミンはヒドロキシル基を有しているため、エステルを生成しないようにヒドロキシル基に保護基等の置換基を導入する等によりポリアミドの合成を行う必要がある。
【0025】
R5骨格となるジカルボン酸クロリドとしては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テトラフルオロイソフタル酸、テトラフルオロフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、4,4´−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1´−ジカルボン酸、パーフルオロスベリン酸、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ビフェニレンジカルボン酸、4,4´−オキシビス安息香酸等由来の酸クロリドであるが、必ずしもこれらに限られるものではない。また、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0026】
R6骨格となるフェノール性水酸基を有するジアミンとしては、例えば、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(5−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、2,2´−ヒドロキシ−3,3´−オキシジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−4,4´−オキシジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−6,6´−オキシジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−5,5´−チオジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−3,3´−チオジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−4,4´−チオジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−6,6´−チオジアニリン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0027】
また、置換基R3は、この脱水縮合反応をする前に、R6骨格となるジアミンと(メタ)アクリル酸グリシジルを反応させることで、アミノ基に導入することができるが、このとき、ジアミンをトリメチルシリルクロリド等と反応させて保護基をアミノ基及びヒドロシキル基に導入してテトラシリル体に変換した後、(メタ)アクリル酸グリシジルをアミノ基へ導入することが好ましい。メタクリル酸グリシジルとの反応は、反応温度が80℃を超えると副生成物が生じてしまい、70℃未満だと反応性が著しく低下するため、70〜80℃に加熱しながら行うことが好ましい。
【0028】
本発明の接着剤組成物の構成要素である(B)ビニルエーテル化合物は、(A)(メタ)アクリル基を有するポリアミドの架橋剤として働き、3次元架橋構造を形成することで接着剤組成物を硬化させるものである。
【0029】
この(B)ビニルエーテル化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]テレフタレート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]1,6−ヘキサンジイルビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]サクシネート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル](メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル](4−メチル−1,3−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル](メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]アジペート、ビス[[[4−(ビニロキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]イソフタレート、ビス[[[4−(ビニロキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]テレフタレート、ビス[4−(ビニロキシメチル)シクロヘキシルメチル]グルタレート等が挙げられる。
【0030】
本発明の接着剤組成物の構成要素である(C)光重合開始剤は、可視光線照射によりラジカルを発生することで重合反応を開始させるものであって、例えば、カンファーキノン、α−ナフチル、アセトナフセン、p,p−ジメトキシベンジルアセチル、ペンタンジオン、1,2−フェナントレンキノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレンキノン、9,10−フェナントレンキノン、ナフトキノン等のα−ジケトン類、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類が挙げられ、この中でも特にカンファーキノンが好ましい。
【0031】
さらに、光重合開始剤と同時に重合促進剤を添加することもでき、これを用いることとすれば重合反応を早く進めることができるため、硬化時間を短縮することができる。
【0032】
このような重合促進剤としては、トリエチルアミン、N,N−ジアルキルアニリン、N,N−ジアルキル−p−トルイジン、N−アルキルジエタノールアミン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ジメチルアミノアセトエフェノン、p−ジメチルアミノベンゼン酸アルキルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン等の3級アミン系重合促進剤が挙げられる。
【0033】
また、本発明の構成成分としてポリアミノ酸を加えることとすれば、粒子が荷電性を有する場合に、粒子が接着剤組成物に静電的に引き寄せられるため、接着剤組成物を塗布した表面に粒子を誘導することができ、さらに効率良く粒子を固定することができる。
【0034】
本発明においては、粒子が生体関連物質導入部位を有しており、この生体関連物質導入部位としては、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基等を挙げることができるため、本発明で用いる粒子は、通常、荷電性を有する粒子である。
【0035】
ここで、ポリアミノ酸としては、ポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−グルタミン酸又はポリ−L−リシンを用いることができ、ポリ−L−アスパラギン酸及びポリ−L−グルタミン酸を構成成分としたときは、正電荷を有する粒子を誘導することができ、ポリ−L−リシンを用いたときは、負電荷を有する粒子を誘導することができる。
【0036】
また、ポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−グルタミン酸については、カルボン酸のアルカリ金属塩に、ポリ−L−リシンについては酸性塩にしたものを同様に用いることもできる。さらに、これらのアルカリ金属塩、酸性塩をそれぞれ交互に積層させて、最上層を粒子の誘導が可能なアルカリ金属塩又は酸性塩とすることで、基板表面への粒子の配列をより均一にすることができる。
【0037】
また、(A)アクリル基を有するポリアミドがフェノール系水酸基を有する場合、すなわち一般式(II)で表される化合物である場合には、ビニルエーテルの炭素カチオン生成を容易にすることができる観点から、さらに塩化コバルト又は酢酸水銀を加えることが好ましい。
【0038】
これら構成要素の配合割合は、(メタ)アクリル基を有するポリアミド 100重量部に対して、ビニルエーテル化合物1〜10重量部、重合開始剤0.3〜10重量部の範囲で用いることが好ましく、さらに、接着剤としての性質を阻害しない範囲で他の成分を添加することもできる。このような成分としては、例えば、先に挙げた重合反応促進剤0.01〜20重量部、ポリアミノ酸0.5〜2重量部等を挙げることができる。
【0039】
本発明の粒子固定用接着剤組成物は、これらの配合成分をメカニカルスターラー等によって均一に混合することによって製造することができる。
【0040】
次に、本発明の粒子固定方法について説明する。
【0041】
本発明の粒子固定方法は、基板上に本発明の粒子固定用接着剤組成物を付着させ、付着した接着剤組成物を70〜150℃で加熱してBステージ状態にし、Bステージ状態の接着剤組成物を粒子が分散されている分散液中に浸漬して、粒子を接着剤組成物表面に接触させ、粒子が接触した接着剤組成物に可視光線を照射して接着剤組成物を硬化させることを特徴とするものである。
【0042】
接着剤組成物を基板上に付着させるには、スピンコート法やディッピング法等の樹脂薄膜を形成する方法、インクジェットによる印刷等の公知の様々な方法で行うことができる。
【0043】
接着剤組成物を付着させた後は、加熱して接着剤組成物を半硬化状態であるBステージ状態にする。接着剤組成物をBステージ状態にすることで、接着剤組成物は基板上から流れ落ちることなく保持され、基板の取り扱いが容易となり、また、固定する粒子との接触の際に、接着剤組成物が粒子を効率良く保持することができる。
【0044】
Bステージ状態とする際の加熱は、150℃を超えると接着剤組成物の硬化反応が進みすぎ、70℃未満だと硬化反応が進まないため、70〜150℃で行うことが好ましく、作業性と粒子の接着する効率の面から、90〜130℃の範囲で行うことがより好ましい。
【0045】
次に、固定する粒子が分散している溶液中に、Bステージ状態となった接着剤組成物が塗布された基板を浸漬して、Bステージ状態とした接着剤組成物の表面に固定する粒子を接触させる。このようにして、粒子は接着剤組成物表面に接着し保持される。
【0046】
粒子が保持された接着剤組成物に、490〜510nmの波長を有する可視光線を照射することによって接着剤組成物の硬化反応をさらに進行させて、最終的に粒子を基板上に固定することができる。
【0047】
したがって、従来の光硬化性接着剤組成物は、その硬化の際に照射される光が250〜290nmの波長を有するものであったため、これをそのままDNAマイクロアレイに適用することはDNAプローブを損傷させることとなっていたが、本発明によればこのような不具合を抑制することができる。
【0048】
さらに、本発明のマイクロアレイは、粒子を固定するための基板と、生体関連物質導入部位を有する粒子とを有し、粒子が請求項1乃至5のいずれか1項記載の接着剤組成物を介して基板に固定されていることを特徴とするものである。
【0049】
図1に、DNAプローブを結合したマイクロアレイの模式的な側面図を示したが、図1(a)は、粒子にDNAプローブを導入する前のDNAマイクロアレイ、図1(b)は、粒子にDNAプローブを導入した後のDNAマイクロアレイである。図1(a)のマイクロアレイは、測定用のDNAプローブを適宜結合させる操作を行うことで、使用者がカスタマイズできる構成をとっており、図1(b)のマイクロアレイは、すぐに測定を行うことができるように、DNAプローブを結合させた構成をとるものである。
【0050】
このDNAマイクロアレイ1は、基板2、接着剤組成物3、粒子4からなり、基板2上に接着剤組成物3の薄膜が形成されており、粒子4が接着剤組成物3により基板2に固定される構成からなるものである。
【0051】
また、DNAプローブ5は、粒子4と結合しており、基板2上に接着剤組成物3及び粒子4を介して強固に結合、固定されているものである。
【0052】
粒子4を固定するための基板2としては、シリコンやガラス等のマイクロアレイで使用されているものやその他の生体関連物質測定のために使用されているものを用いることができる。
【0053】
また、粒子4は、生体関連物質導入部位を有しており、例えば、粒子表面にカルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有するものを挙げることができる。
【0054】
粒子4上に導入する生体関連物質としては、その末端にアミノ基等の官能基やビオチン等が導入されたものであり、測定対象物と特異的に結合する機能を有するもの、例えば、DNA及びRNAとそれに相補的な配列を持つDNA及びRNA、酵素と基質、抗原と抗体等のように特異的に結合するものであれば種類は特に限定されず用いることができる。
【0055】
粒子上への生体関連物質の導入をオリゴヌクレオチドを例に挙げて説明すると、そのオリゴヌクレオチドの末端にも反応性の置換基を形成させ、オリゴヌクレオチド末端の反応性基と粒子表面の反応性基(生体関連物質導入部位)とを相互に反応させて結合することとすればよい。例えば、粒子表面にカルボキシル基を有する場合には、オリゴヌクレオチド末端にはアミノ基を導入しておき、これらの基を反応させて塩を形成させたり、または縮合剤を共存させることによりアミド結合を形成させたりすることにより、オリゴヌクレオチドを粒子上に導入することができる。
【0056】
また、粒子としては、平均粒径70nm〜100μmの範囲のものであれば使用することができ、分散性、作業の効率性の観点から粒径のばらつきは少ない方がよく、平均粒径は100nm〜10μmであることが好ましい。
【0057】
本発明に用いる粒子は、生体関連物質導入部位として粒子表面にカルボキシル基、スルホ基、アミノ基等の反応性基を有しているため、荷電性を有する粒子が大部分を占めている。そのため、マイクロアレイを製造する際には、ポリアミノ酸を有する接着剤組成物を用いると効率良く、粒子を基板上に誘導することができる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明について実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0059】
(実施例1)
メタクリル酸グリシジル 22.0g(154.8mmol)のジメチルホルムアミド 100mL溶液に、4,4´−オキシジアニリン 14.1g(70mmol)のジメチルホルムアミド140mL溶液を加え、液温が80℃を超えないように温度制御し、24時間撹拌した。反応終了後、氷水400mL中に注ぎ、反応溶液をエーテルで3回抽出し、次いで、合わせたエーテル層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジアクリレート誘導体 17.72g(36.6mol、収率52%)を得た。
【0060】
得られたジアクリレート誘導体 14.06g(29.0mmol)のN−メチルピロリジノン 160mL溶液に、冷却下、2,2−ビス(3,4−カルボキシフェニル)パーフルオロプロパン酸二無水物 25.8g(58.2mmol)を加え、室温で24時間撹拌して平均分子量45000のポリアミック酸35.8gを得た。
【0061】
得られたポリアミック酸 30.3g、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 303mg、光重合開始剤としてカンファーキノン 300mg、重合促進剤としてN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン 300mg、N−メチルピロリジン 120mLをメカニカルスターラーで混合し、均一な接着剤組成物とした。
【0062】
(実施例2)
3,3´−ジアミノ−4,4−ジヒドロキシビフェニル 152.0g(703mmol)、トリエチルアミン 412.3mL(2.96mol)のテトラヒドロフラン 2.85L溶液に0℃下、トリメチルシリルクロリド 374.3mL(2.96mol)を加え、徐々に20℃まで昇温し、同温度で1時間、ついで60℃で4時間撹拌した。反応終了後、固形物をアルゴン雰囲気下ろ過し、ろ液の有機溶剤を窒素雰囲気下留去し、残渣をリグロインで再結晶し、テトラシリル体 191.9g(380mmol、収率 54%)を得た。
【0063】
メタクリル酸グリシジル 136.8g(961.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液665mLに、得られたテトラシリル体 153.9g(305.9mmol)のジメチルホルムアミド 1.52L溶液を加え、液温が80℃を超えないように、温度制御し24時間撹拌した。反応終了後、氷水 2.66L中に注ぎ、反応溶液をエーテルで3回抽出し、次いで、合わせたエーテル層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジアクリレート 76.4g(152.8mol、収率 50%)を得た。
【0064】
得られたジアクリレート 73.6g(115.0mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド300mL溶液に冷却下イソフタロイルジクロリド 23.0g(115.0mmol)を0℃下で洗浄し、減圧乾燥して平均分子量15000のポリヒドロキシアミド 52.9gを得た。
【0065】
得られたポリヒドロキシアミド 50.7g、塩化コバルト 376mg、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 576mg、光重合開始剤としてカンファーキノン 48.2mg、重合促進剤としてN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン 48.3mg、N−メチルピロリドン 200mLをメカニカルスターラーで混合し、均一な接着剤組成物を得た。
【0066】
(実施例3)
シリコン基板上に、実施例1及び2で得られた接着剤組成物をそれぞれスピンコーターで基板上に塗布し、80℃に加熱してBステージ状態を形成後、これをアニオン性高分子微粒子(ポリ(4−スチレンカルボン酸)、平均粒径3.2μm)が分散した水溶液中に浸漬し、引き上げることで粒子を表面に接触させ、高分子微粒子が付着したシリコン基板を得た。
【0067】
(実施例4)
末端にアミノ基を導入したプローブDNAを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸に溶解し、その濃度が0.5mg/mLとなるように調整した溶液に、実施例3で得られた粒子が付着した基板を浸漬し、75℃で1時間インキュベートし、順次0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水、エタノールに浸漬後、室温で乾燥することにより基板に付着した粒子へオリゴヌクレオチドプローブを導入した。
【0068】
次いで、ハロゲンランプを光源とする490〜510nmの可視光を照射することによって接着剤組成物を硬化させ、粒子を基板上に固定した。
【0069】
次に、ターゲットDNAとしてその配列が先のプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(Cy5)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸に溶解し、その濃度が200ng/mLとなるように調整した溶液を垂らし、45℃で24時間インキュベートした。その後、このものを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸(pH=7.0)水溶液で洗浄した後、基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測した結果、蛍光が確認されハイブリダイズ体が得られたことが確認できた。
【0070】
【発明の効果】
本発明の粒子固定用接着剤組成物及び粒子固定方法によれば、接着剤組成物をBステージ状態としてから固定したい粒子を付着させ、その後に接着剤組成物を硬化するため、容易かつ効率的に基板上に粒子を固定することができる。
【0071】
また、本発明の粒子固定用接着剤組成物及び粒子固定方法によれば、490〜510nmの可視光を照射することで接着剤組成物を硬化させて粒子を固定することができるため、マイクロアレイ上にDNAプローブが存在していてもDNAを損傷する危険が極めて小さい。
【0072】
さらに、ポリアミノ酸を含有する本発明の粒子固定用接着剤組成物及び粒子固定方法によれば、固定する粒子が荷電性粒子である場合には接着剤組成物の表面に粒子を効率的に誘導することができるため、簡便に荷電性粒子の固定を行うことができる。
【0073】
また、本発明のマイクロアレイは、粒子を用いることで、結合可能な表面積が大きくなりDNAプローブの結合量を増やすことができ、なおかつ、接着剤組成物を用いることによって容易かつ強固に生体関連物質を導入した粒子を基板上に固定することができるため、製造が容易で、経済性も高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロアレイを模式的に示した側面図である。
【符号の説明】
1…DNAマイクロアレイ、2…基板、3…接着剤組成物、4…粒子、5…DNAプローブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子固定用接着剤組成物、粒子固定方法及びマイクロアレイに係り、特に、熱重合によりBステージ状態とした後、光重合により硬化させることによって粒子をマイクロアレイ上に効率良く固定することができる粒子固定用接着剤組成物、この接着剤組成物を用いる粒子固定方法及びマイクロアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゲノムプロジェクトの進歩に伴って、大量の遺伝子情報を一度に処理、解析する必要性が高まり、このようなニーズを満たすための1つの有力な手段として、DNAマイクロアレイ又はDNAチップ(以下、総称してDNAマイクロアレイと称する。)が開発、実用化されている。
【0003】
DNAマイクロアレイは、多数のcDNA、DNA断片、オリゴヌクレオチド等(以下、DNAプローブと称する。)をシリコンやスライドガラス等の固相担体表面に固定したものであり、このDNAマイクロアレイに固定されたDNAプローブとこれに相補的なDNA断片試料とのハイブリダイゼーションを利用することによって試料に含まれるDNAの状態を定量的又は定性的に解析するものである。
【0004】
DNAマイクロアレイを製造するには、固相担体表面に多数のDNAプローブを高密度、かつ安定に整列させ固定することが必要であり、その作製方法としては、従来から、主に固相担体表面上でオリゴヌクレオチドを合成する方法と、あらかじめ調製したDNAプローブを固相担体表面に結合固定する2つの手法が用いられている。
【0005】
固相担体表面上で合成を行う方法は、固相担体表面に反応性保護基を有する化学リンカーを導入し、半導体製造で用いるフォトリソグラフィーの技術を用いて脱保護した後、固相合成の手法により保護基を有するヌクレオチドと反応させ、これを繰り返すことによって直接オリゴヌクレオチドを合成していく方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この方法により作製されたDNAマイクロアレイは、人工的に合成されたオリゴヌクレオチドが固相担体表面に共有結合で固定されているため、再現性に優れた測定を行うことができる利点がある。
【0007】
また、あらかじめ調製したDNAプローブを固相担体表面に結合固定する方法は、固相担体の表面がプラスの電荷を有するように表面処理を行い、DNAプローブのもつ電荷を利用して担体表面に静電結合させる方法(例えば、特許文献2及び3参照。)と、合成オリゴヌクレオチドに反応活性基を導入し、固相担体にも反応性基を形成させるように表面処理を行い、オリゴヌクレオチドを固相担体表面に共有結合させる方法(例えば、特許文献3参照。)とが知られている。
【0008】
この方法により作製されたDNAマイクロアレイは、スポット用のDNAプローブが用意できれば比較的低コストで製造することができ、既知のDNAの測定には限られない。また、使用者がカスタマイズを容易に行うこともできる利点がある。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第5424186号明細書
【特許文献2】
特開2002−71686号公報
【特許文献3】
特開2002−60671号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのDNAマイクロアレイは、1つのマイクロアレイで一度に多数の測定を行うために、マイクロアレイ上には測定項目に対応する多種類のDNAプローブが固定されているが、より多種類のDNAプローブを固定しようとすると1つの種類に対して固定する面積が小さくなり感度が落ちる問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、固相担体表面に粒子を固定して結合可能な表面積を大きくして、DNAプローブの結合量を増やすために、粒子を効率的に基板上に固定することができる粒子固定用接着剤組成物、粒子固定方法及びマイクロアレイを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、固相担体表面に直接DNAプローブを固定するのではなく、固相担体表面に粒子を固定して表面積を大きくし、その粒子上にDNAを結合することでこれらの結合量を増やすことができること及び粒子を基板に固定するに際して効率良く固定を行うことができる接着剤組成物を見出し本発明を完成した。
【0013】
本発明の粒子固定用接着剤組成物は、(A)平均分子量20000〜110000のポリアミック酸又は平均分子量10000〜70000のポリヒドロキシアミドから選ばれた(メタ)アクリル基を有するポリアミド酸と、(B)ビニルエーテル化合物と、(C)光重合開始剤とを含有することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の粒子固定方法は、基板上に、本発明の粒子固定用接着剤組成物を付着させ、付着した接着剤組成物を70〜150℃で加熱してBステージ状態にし、Bステージ状態の接着剤組成物を粒子が分散されている分散液中に浸漬して効率良く粒子を接着剤組成物表面に接触させ、粒子が接触した接着剤組成物に可視光線を照射して接着剤組成物を硬化させることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明のマイクロアレイは、粒子を固定するための基板と、生体関連物質導入部位を有する粒子とを有し、粒子が本発明の接着剤組成物を介して基板に固定されていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明の接着剤組成物の構成要素である(A)平均分子量20000〜110000のポリアミック酸又は平均分子量10000〜70000のポリヒドロキシアミドから選ばれた(メタ)アクリル基を有するポリアミド酸は、例えば、次の一般式(I)
【化4】
(式中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基、R3は
【化5】
(式中、R4は水素又はメチル基である。)で表される基であり、nは20〜190の整数である。)又は次の一般式(II)
【化6】
(ここで、式中、R5は2価の有機基、R6は4価の有機基、R3は前記と同一の基であり、nは10〜130の整数である。)で表すことができる。
【0018】
一般式(I)で表されるポリアミック酸の平均分子量は20000〜110000であるが、粒子固定の際の作業性や接着性の観点から、平均分子量が30000〜80000であることが好ましい。このことから、一般式(I)で表される化合物においては、nが20〜190の整数であり、30〜140の整数であることが好ましい。
【0019】
また、一般式(II)で表されるポリヒドロキシアミドの平均分子量は10000〜70000であるが、粒子固定の際の作業性や接着性の観点から、平均分子量が20000〜60000であることが好ましい。このことから、一般式(I)で表される化合物においては、nが10〜130の整数であり、30〜110の整数であることが好ましい。
【0020】
一般式(I)で表されるポリアミドの合成は、R1骨格となるテトラカルボン酸二無水物とR2骨格となるジアミンとを反応させて脱水縮合することにより行うことできる。
【0021】
R1骨格となるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−2,2´,3,3´−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−2,3,3´,4´−テトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3´,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[5−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[5−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
R2骨格となるジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、1,2−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、1,4−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、1,5−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3,3−ジメチルシクロヘキシルアミン)、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフォン、o−ジトルイジルスルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、1,3−ビス[3−アミノプロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−メトキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、ビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、3,3´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0023】
また、置換基R3は、この脱水縮合反応をする前に、R2骨格となるジアミンと(メタ)アクリル酸グリシジルを反応させることで、アミノ基に導入することができる。この反応は、反応温度が80℃を超えると副生成物が生じてしまい、70℃未満だと反応性が著しく低下するため、70〜80℃に加熱しながら行うことが好ましい。
【0024】
一般式(II)で表されるポリアミドの合成は、R5骨格となるジカルボン酸クロリドとR6骨格となるシリル化されたジアミンとを反応させて縮合することにより行うことできるが、このとき、ジアミンはヒドロキシル基を有しているため、エステルを生成しないようにヒドロキシル基に保護基等の置換基を導入する等によりポリアミドの合成を行う必要がある。
【0025】
R5骨格となるジカルボン酸クロリドとしては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テトラフルオロイソフタル酸、テトラフルオロフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、4,4´−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1´−ジカルボン酸、パーフルオロスベリン酸、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ビフェニレンジカルボン酸、4,4´−オキシビス安息香酸等由来の酸クロリドであるが、必ずしもこれらに限られるものではない。また、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0026】
R6骨格となるフェノール性水酸基を有するジアミンとしては、例えば、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(5−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、2,2´−ヒドロキシ−3,3´−オキシジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−4,4´−オキシジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−6,6´−オキシジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−5,5´−チオジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−3,3´−チオジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−4,4´−チオジアニリン、2,2´−ヒドロキシ−6,6´−チオジアニリン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0027】
また、置換基R3は、この脱水縮合反応をする前に、R6骨格となるジアミンと(メタ)アクリル酸グリシジルを反応させることで、アミノ基に導入することができるが、このとき、ジアミンをトリメチルシリルクロリド等と反応させて保護基をアミノ基及びヒドロシキル基に導入してテトラシリル体に変換した後、(メタ)アクリル酸グリシジルをアミノ基へ導入することが好ましい。メタクリル酸グリシジルとの反応は、反応温度が80℃を超えると副生成物が生じてしまい、70℃未満だと反応性が著しく低下するため、70〜80℃に加熱しながら行うことが好ましい。
【0028】
本発明の接着剤組成物の構成要素である(B)ビニルエーテル化合物は、(A)(メタ)アクリル基を有するポリアミドの架橋剤として働き、3次元架橋構造を形成することで接着剤組成物を硬化させるものである。
【0029】
この(B)ビニルエーテル化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]テレフタレート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]1,6−ヘキサンジイルビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]サクシネート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル](メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル](4−メチル−1,3−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル](メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニロキシ)ブチル]アジペート、ビス[[[4−(ビニロキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]イソフタレート、ビス[[[4−(ビニロキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]テレフタレート、ビス[4−(ビニロキシメチル)シクロヘキシルメチル]グルタレート等が挙げられる。
【0030】
本発明の接着剤組成物の構成要素である(C)光重合開始剤は、可視光線照射によりラジカルを発生することで重合反応を開始させるものであって、例えば、カンファーキノン、α−ナフチル、アセトナフセン、p,p−ジメトキシベンジルアセチル、ペンタンジオン、1,2−フェナントレンキノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレンキノン、9,10−フェナントレンキノン、ナフトキノン等のα−ジケトン類、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類が挙げられ、この中でも特にカンファーキノンが好ましい。
【0031】
さらに、光重合開始剤と同時に重合促進剤を添加することもでき、これを用いることとすれば重合反応を早く進めることができるため、硬化時間を短縮することができる。
【0032】
このような重合促進剤としては、トリエチルアミン、N,N−ジアルキルアニリン、N,N−ジアルキル−p−トルイジン、N−アルキルジエタノールアミン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ジメチルアミノアセトエフェノン、p−ジメチルアミノベンゼン酸アルキルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン等の3級アミン系重合促進剤が挙げられる。
【0033】
また、本発明の構成成分としてポリアミノ酸を加えることとすれば、粒子が荷電性を有する場合に、粒子が接着剤組成物に静電的に引き寄せられるため、接着剤組成物を塗布した表面に粒子を誘導することができ、さらに効率良く粒子を固定することができる。
【0034】
本発明においては、粒子が生体関連物質導入部位を有しており、この生体関連物質導入部位としては、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基等を挙げることができるため、本発明で用いる粒子は、通常、荷電性を有する粒子である。
【0035】
ここで、ポリアミノ酸としては、ポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−グルタミン酸又はポリ−L−リシンを用いることができ、ポリ−L−アスパラギン酸及びポリ−L−グルタミン酸を構成成分としたときは、正電荷を有する粒子を誘導することができ、ポリ−L−リシンを用いたときは、負電荷を有する粒子を誘導することができる。
【0036】
また、ポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−グルタミン酸については、カルボン酸のアルカリ金属塩に、ポリ−L−リシンについては酸性塩にしたものを同様に用いることもできる。さらに、これらのアルカリ金属塩、酸性塩をそれぞれ交互に積層させて、最上層を粒子の誘導が可能なアルカリ金属塩又は酸性塩とすることで、基板表面への粒子の配列をより均一にすることができる。
【0037】
また、(A)アクリル基を有するポリアミドがフェノール系水酸基を有する場合、すなわち一般式(II)で表される化合物である場合には、ビニルエーテルの炭素カチオン生成を容易にすることができる観点から、さらに塩化コバルト又は酢酸水銀を加えることが好ましい。
【0038】
これら構成要素の配合割合は、(メタ)アクリル基を有するポリアミド 100重量部に対して、ビニルエーテル化合物1〜10重量部、重合開始剤0.3〜10重量部の範囲で用いることが好ましく、さらに、接着剤としての性質を阻害しない範囲で他の成分を添加することもできる。このような成分としては、例えば、先に挙げた重合反応促進剤0.01〜20重量部、ポリアミノ酸0.5〜2重量部等を挙げることができる。
【0039】
本発明の粒子固定用接着剤組成物は、これらの配合成分をメカニカルスターラー等によって均一に混合することによって製造することができる。
【0040】
次に、本発明の粒子固定方法について説明する。
【0041】
本発明の粒子固定方法は、基板上に本発明の粒子固定用接着剤組成物を付着させ、付着した接着剤組成物を70〜150℃で加熱してBステージ状態にし、Bステージ状態の接着剤組成物を粒子が分散されている分散液中に浸漬して、粒子を接着剤組成物表面に接触させ、粒子が接触した接着剤組成物に可視光線を照射して接着剤組成物を硬化させることを特徴とするものである。
【0042】
接着剤組成物を基板上に付着させるには、スピンコート法やディッピング法等の樹脂薄膜を形成する方法、インクジェットによる印刷等の公知の様々な方法で行うことができる。
【0043】
接着剤組成物を付着させた後は、加熱して接着剤組成物を半硬化状態であるBステージ状態にする。接着剤組成物をBステージ状態にすることで、接着剤組成物は基板上から流れ落ちることなく保持され、基板の取り扱いが容易となり、また、固定する粒子との接触の際に、接着剤組成物が粒子を効率良く保持することができる。
【0044】
Bステージ状態とする際の加熱は、150℃を超えると接着剤組成物の硬化反応が進みすぎ、70℃未満だと硬化反応が進まないため、70〜150℃で行うことが好ましく、作業性と粒子の接着する効率の面から、90〜130℃の範囲で行うことがより好ましい。
【0045】
次に、固定する粒子が分散している溶液中に、Bステージ状態となった接着剤組成物が塗布された基板を浸漬して、Bステージ状態とした接着剤組成物の表面に固定する粒子を接触させる。このようにして、粒子は接着剤組成物表面に接着し保持される。
【0046】
粒子が保持された接着剤組成物に、490〜510nmの波長を有する可視光線を照射することによって接着剤組成物の硬化反応をさらに進行させて、最終的に粒子を基板上に固定することができる。
【0047】
したがって、従来の光硬化性接着剤組成物は、その硬化の際に照射される光が250〜290nmの波長を有するものであったため、これをそのままDNAマイクロアレイに適用することはDNAプローブを損傷させることとなっていたが、本発明によればこのような不具合を抑制することができる。
【0048】
さらに、本発明のマイクロアレイは、粒子を固定するための基板と、生体関連物質導入部位を有する粒子とを有し、粒子が請求項1乃至5のいずれか1項記載の接着剤組成物を介して基板に固定されていることを特徴とするものである。
【0049】
図1に、DNAプローブを結合したマイクロアレイの模式的な側面図を示したが、図1(a)は、粒子にDNAプローブを導入する前のDNAマイクロアレイ、図1(b)は、粒子にDNAプローブを導入した後のDNAマイクロアレイである。図1(a)のマイクロアレイは、測定用のDNAプローブを適宜結合させる操作を行うことで、使用者がカスタマイズできる構成をとっており、図1(b)のマイクロアレイは、すぐに測定を行うことができるように、DNAプローブを結合させた構成をとるものである。
【0050】
このDNAマイクロアレイ1は、基板2、接着剤組成物3、粒子4からなり、基板2上に接着剤組成物3の薄膜が形成されており、粒子4が接着剤組成物3により基板2に固定される構成からなるものである。
【0051】
また、DNAプローブ5は、粒子4と結合しており、基板2上に接着剤組成物3及び粒子4を介して強固に結合、固定されているものである。
【0052】
粒子4を固定するための基板2としては、シリコンやガラス等のマイクロアレイで使用されているものやその他の生体関連物質測定のために使用されているものを用いることができる。
【0053】
また、粒子4は、生体関連物質導入部位を有しており、例えば、粒子表面にカルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有するものを挙げることができる。
【0054】
粒子4上に導入する生体関連物質としては、その末端にアミノ基等の官能基やビオチン等が導入されたものであり、測定対象物と特異的に結合する機能を有するもの、例えば、DNA及びRNAとそれに相補的な配列を持つDNA及びRNA、酵素と基質、抗原と抗体等のように特異的に結合するものであれば種類は特に限定されず用いることができる。
【0055】
粒子上への生体関連物質の導入をオリゴヌクレオチドを例に挙げて説明すると、そのオリゴヌクレオチドの末端にも反応性の置換基を形成させ、オリゴヌクレオチド末端の反応性基と粒子表面の反応性基(生体関連物質導入部位)とを相互に反応させて結合することとすればよい。例えば、粒子表面にカルボキシル基を有する場合には、オリゴヌクレオチド末端にはアミノ基を導入しておき、これらの基を反応させて塩を形成させたり、または縮合剤を共存させることによりアミド結合を形成させたりすることにより、オリゴヌクレオチドを粒子上に導入することができる。
【0056】
また、粒子としては、平均粒径70nm〜100μmの範囲のものであれば使用することができ、分散性、作業の効率性の観点から粒径のばらつきは少ない方がよく、平均粒径は100nm〜10μmであることが好ましい。
【0057】
本発明に用いる粒子は、生体関連物質導入部位として粒子表面にカルボキシル基、スルホ基、アミノ基等の反応性基を有しているため、荷電性を有する粒子が大部分を占めている。そのため、マイクロアレイを製造する際には、ポリアミノ酸を有する接着剤組成物を用いると効率良く、粒子を基板上に誘導することができる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明について実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0059】
(実施例1)
メタクリル酸グリシジル 22.0g(154.8mmol)のジメチルホルムアミド 100mL溶液に、4,4´−オキシジアニリン 14.1g(70mmol)のジメチルホルムアミド140mL溶液を加え、液温が80℃を超えないように温度制御し、24時間撹拌した。反応終了後、氷水400mL中に注ぎ、反応溶液をエーテルで3回抽出し、次いで、合わせたエーテル層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジアクリレート誘導体 17.72g(36.6mol、収率52%)を得た。
【0060】
得られたジアクリレート誘導体 14.06g(29.0mmol)のN−メチルピロリジノン 160mL溶液に、冷却下、2,2−ビス(3,4−カルボキシフェニル)パーフルオロプロパン酸二無水物 25.8g(58.2mmol)を加え、室温で24時間撹拌して平均分子量45000のポリアミック酸35.8gを得た。
【0061】
得られたポリアミック酸 30.3g、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 303mg、光重合開始剤としてカンファーキノン 300mg、重合促進剤としてN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン 300mg、N−メチルピロリジン 120mLをメカニカルスターラーで混合し、均一な接着剤組成物とした。
【0062】
(実施例2)
3,3´−ジアミノ−4,4−ジヒドロキシビフェニル 152.0g(703mmol)、トリエチルアミン 412.3mL(2.96mol)のテトラヒドロフラン 2.85L溶液に0℃下、トリメチルシリルクロリド 374.3mL(2.96mol)を加え、徐々に20℃まで昇温し、同温度で1時間、ついで60℃で4時間撹拌した。反応終了後、固形物をアルゴン雰囲気下ろ過し、ろ液の有機溶剤を窒素雰囲気下留去し、残渣をリグロインで再結晶し、テトラシリル体 191.9g(380mmol、収率 54%)を得た。
【0063】
メタクリル酸グリシジル 136.8g(961.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液665mLに、得られたテトラシリル体 153.9g(305.9mmol)のジメチルホルムアミド 1.52L溶液を加え、液温が80℃を超えないように、温度制御し24時間撹拌した。反応終了後、氷水 2.66L中に注ぎ、反応溶液をエーテルで3回抽出し、次いで、合わせたエーテル層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジアクリレート 76.4g(152.8mol、収率 50%)を得た。
【0064】
得られたジアクリレート 73.6g(115.0mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド300mL溶液に冷却下イソフタロイルジクロリド 23.0g(115.0mmol)を0℃下で洗浄し、減圧乾燥して平均分子量15000のポリヒドロキシアミド 52.9gを得た。
【0065】
得られたポリヒドロキシアミド 50.7g、塩化コバルト 376mg、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 576mg、光重合開始剤としてカンファーキノン 48.2mg、重合促進剤としてN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン 48.3mg、N−メチルピロリドン 200mLをメカニカルスターラーで混合し、均一な接着剤組成物を得た。
【0066】
(実施例3)
シリコン基板上に、実施例1及び2で得られた接着剤組成物をそれぞれスピンコーターで基板上に塗布し、80℃に加熱してBステージ状態を形成後、これをアニオン性高分子微粒子(ポリ(4−スチレンカルボン酸)、平均粒径3.2μm)が分散した水溶液中に浸漬し、引き上げることで粒子を表面に接触させ、高分子微粒子が付着したシリコン基板を得た。
【0067】
(実施例4)
末端にアミノ基を導入したプローブDNAを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸に溶解し、その濃度が0.5mg/mLとなるように調整した溶液に、実施例3で得られた粒子が付着した基板を浸漬し、75℃で1時間インキュベートし、順次0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水、エタノールに浸漬後、室温で乾燥することにより基板に付着した粒子へオリゴヌクレオチドプローブを導入した。
【0068】
次いで、ハロゲンランプを光源とする490〜510nmの可視光を照射することによって接着剤組成物を硬化させ、粒子を基板上に固定した。
【0069】
次に、ターゲットDNAとしてその配列が先のプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(Cy5)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸に溶解し、その濃度が200ng/mLとなるように調整した溶液を垂らし、45℃で24時間インキュベートした。その後、このものを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸(pH=7.0)水溶液で洗浄した後、基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測した結果、蛍光が確認されハイブリダイズ体が得られたことが確認できた。
【0070】
【発明の効果】
本発明の粒子固定用接着剤組成物及び粒子固定方法によれば、接着剤組成物をBステージ状態としてから固定したい粒子を付着させ、その後に接着剤組成物を硬化するため、容易かつ効率的に基板上に粒子を固定することができる。
【0071】
また、本発明の粒子固定用接着剤組成物及び粒子固定方法によれば、490〜510nmの可視光を照射することで接着剤組成物を硬化させて粒子を固定することができるため、マイクロアレイ上にDNAプローブが存在していてもDNAを損傷する危険が極めて小さい。
【0072】
さらに、ポリアミノ酸を含有する本発明の粒子固定用接着剤組成物及び粒子固定方法によれば、固定する粒子が荷電性粒子である場合には接着剤組成物の表面に粒子を効率的に誘導することができるため、簡便に荷電性粒子の固定を行うことができる。
【0073】
また、本発明のマイクロアレイは、粒子を用いることで、結合可能な表面積が大きくなりDNAプローブの結合量を増やすことができ、なおかつ、接着剤組成物を用いることによって容易かつ強固に生体関連物質を導入した粒子を基板上に固定することができるため、製造が容易で、経済性も高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロアレイを模式的に示した側面図である。
【符号の説明】
1…DNAマイクロアレイ、2…基板、3…接着剤組成物、4…粒子、5…DNAプローブ
Claims (8)
- (A)平均分子量20000〜110000のポリアミック酸又は平均分子量10000〜70000のポリヒドロキシアミドから選ばれた(メタ)アクリル基を有するポリアミド酸と、
(B)ビニルエーテル化合物と、
(C)光重合開始剤とを含有することを特徴とする粒子固定用接着剤組成物。 - 前記(C)光重合開始剤が、カンファーキノン系光重合開始剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の粒子固定用接着剤組成物。
- 前記(A)(メタ)アクリル基を有するポリアミド100重量部に対して、前記(B)ビニルエーテル化合物が1〜10重量部、前記(C)光重合開始剤が0.01〜20重量部の範囲で配合されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の粒子固定用接着剤組成物。
- 基板上に、請求項1乃至5のいずれか1項記載の粒子固定用接着剤組成物を付着させ、
付着した接着剤組成物を70〜150℃で加熱してBステージ状態にし、
Bステージ状態の接着剤組成物を粒子が分散されている分散液中に浸漬して、前記粒子を接着剤組成物表面に接触させ、
粒子が接触した接着剤組成物に可視光線を照射して接着剤組成物を硬化させることを特徴とする粒子固定方法。 - 粒子を固定するための基板と、
生体関連物質導入部位を有する粒子とを有し、
前記粒子が請求項1乃至5のいずれか1項記載の粒子固定用接着剤組成物を介して前記基板に固定されていることを特徴とするマイクロアレイ。 - 前記生体関連物質導入部位を有する粒子に、DNAプローブが導入されていることを特徴とする請求項7記載のマイクロアレイ。
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JP2007218824A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | バイオアッセイ用基材 |
JP2007322265A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Kawamura Inst Of Chem Res | 多孔質体の固着方法 |
CN113488743A (zh) * | 2021-06-23 | 2021-10-08 | 万向一二三股份公司 | 一种锂电池正极极耳绝缘涂层及其制备方法 |
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2003
- 2003-08-11 JP JP2003207135A patent/JP2005060421A/ja not_active Withdrawn
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