JP2005059392A - 液体噴射ヘッドの製造方法およびそれによって得られた液体噴射ヘッド - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法およびそれによって得られた液体噴射ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】素材板に発生する塑性流動を抑制して、金型の耐久性を高めて均一な精度を有する液体噴射ヘッドの製造方法とそれによって得られた液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】圧力発生室29となる多数の溝状窪部33が成形されている圧力発生室形成板30と、圧力発生室29を封止する封止板32と、液体を加圧する圧力電振動子10と、ノズル開口48が設けられたノズルプレート31とを含んで構成された液体噴射ヘッド1の製造方法であって、突条部53が素材板55に加圧されたときの突条部列設方向の素材板55の塑性流動を第1型51および/または第2型52に設けた抑止部材65,66で抑止する。これにより、上記塑性流動が抑止され、突条部53の先端部に突条部列設方向の力が作用しないので、突条部53の折損等を防止できる。
【選択図】図14

Description

本発明は、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射ヘッドに関する。
加圧された液体をノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドは、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録ヘッドをあげることができる。そこで、従来の技術を上記インクジェット式記録ヘッドを例にとって説明する。
インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドと称する。)は、共通インク室から圧力発生室を経てノズル開口に至る一連の流路を、ノズル開口に対応させて複数備えている。そして、小型化の要請から各圧力発生室は、記録密度に対応した細かいピッチで形成する必要がある。このため、隣り合う圧力発生室同士を区画する隔壁部の肉厚は極めて薄くなっている。また、圧力発生室と共通インク室とを連通するインク供給口は、圧力発生室内のインク圧力をインク滴の吐出に効率よく使用するため、その流路幅が圧力発生室よりもさらに絞られている。このような微細形状の圧力発生室及びインク供給口を寸法精度良く作製する観点から、きわめて微細な鍛造加工が金属製の素材板に対して施されている。
特開2000−263799号公報
ところで、上記した圧力発生室は、図20に示すように、金属製の素材板70に多数の溝状窪部71を列設して構成されている。このような溝状窪部71の形成は、金型すなわち第1型72と第2型73の間で素材板70を加圧成形している。第1型72には、溝状窪部71を成形する突条部74が多数平行に列設され、各突条部74間には、圧力発生室の隔壁部75を成形する空隙部76が設けられている。
図20は第1型72と第2型73で素材板70が加圧された状態を示しており、第1型72の突条部74が素材板70に圧入されるときには、突条部74の列端近傍の素材が矢印線77の方向へ塑性流動をする。この塑性流動とともに列端近くの突条部74には矢印線78で示すように、突条部74の先端部を突条部列設方向に押し付ける力が作用する。このような力が作用すると、突条部74の根元付近に応力が集中し、符号79で示すようなクラックが発生し、引いては突条部74の折損にいたる場合がある。このようなクラック発生は、列端近傍の比較的少数の突条部74にあらわれる。
上記のように、クラック79の発生や突条部74の折損により、溝状窪部71が所定の形状にならなかったり、金型の寿命が短いことから、、金型の交換を頻繁におこなわなければならず設備経費の面で不経済であり、また、金型交換作業のため生産性の低下を来たす等の問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、素材板に発生する塑性流動を抑制して、金型の耐久性を高めて均一な精度を有する液体噴射ヘッドを製造することをその主たる目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、溝状窪部を成形する突条部が列設された第1型と、上記第1型と対をなす第2型との間で金属製の素材板を加圧することにより、圧力発生室となる多数の溝状窪部が成形されている圧力発生室形成板と、上記圧力発生室形成板に接合され上記圧力発生室を封止する封止板と、上記圧力発生室内の液体を加圧する圧力発生素子と、上記圧力発生室に連通したノズル開口が設けられ上記圧力発生室形成板に接合されたノズルプレートとを含んで構成された液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記溝状窪部を成形する際に、上記突条部が上記素材板に加圧されたときの突条部列設方向の素材板の塑性流動を上記第1型および/または第2型に設けた抑止部材で抑止することを要旨とする。
すなわち、上記溝状窪部を成形する際に、上記突条部が上記素材板に加圧されたときの突条部列設方向の素材板の塑性流動を上記第1型および/または第2型に設けた抑止部材で抑止する。このため、突条部列設方向に作用する塑性流動が抑止されるので、上記塑性流動に伴って突条部の先端部に作用する突条部列設方向の押圧力が大幅に減少し、突条部の根元にクラックが発生するような現象が皆無となる。したがって、第1型の耐久性が長期化され、素材板の成形品質の安定化、設備経費の節減、生産性の向上等が可能となる。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記第1型に設けられた上記抑止部材が、上記突条部の列端の近傍に突条部と略平行な状態で配置され、その先端部は、上記突条部よりも突出した位置である場合には、第1型が進出すると、まず最初に上記抑止部材が素材板の素材流動を受け止める位置に移動し、突条部列設方向への塑性流動に対する抑止状態(堰きとめ状態)が形成される。このような状態になった後に突条部が素材板に圧入され溝状窪部が成形される。したがって、突条部の圧入によって素材が突条部列設方向に流動しようとしても、抑止部材によって塑性流動が抑止され、突条部に対する上記のような押圧力(図20に示した矢印線78参照)が作用することなく、応力が突条部の根元に集中することがない。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記第2型に設けられた上記抑止部材が、上記突条部の列端の近傍に対応した位置で突条部と略平行な状態で配置され、その先端部は、第1型の方に向って突出した位置である場合には、第1型と第2型が接近すると、まず最初に第2型の抑止部材が素材板の素材流動を受け止める位置に移動し、突条部列設方向への塑性流動に対する抑止状態(堰きとめ状態)が形成される。このような状態になった後に突条部が素材板に圧入され溝状窪部が成形される。したがって、突条部の圧入によって素材が突条部列設方向に流動しようとしても、抑止部材によって塑性流動が抑止され、突条部に対する上記のような押圧力が作用することなく、応力が突条部の根元に集中することがない。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記第1型および第2型に設けられた抑止部材は略対向している場合には、第1型と第2型が接近すると、まず最初に上記両型に設けた抑止部材が素材板の素材流動を受け止める位置に移動し、突条部列設方向への塑性流動に対する抑止状態(堰きとめ状態)が形成される。このような状態になった後に突条部が素材板に圧入され溝状窪部が成形される。したがって、突条部の圧入によって素材が突条部列設方向に流動しようとしても、抑止部材によって塑性流動が抑止され、突条部に対する上記のような押圧力が作用することなく、応力が突条部の根元に集中することがない。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記第1型および第2型に設けた抑止部材同士または第1型または第2型に設けた抑止部材と相手方の部材とが近接している場合には、抑止されている素材に許される塑性流動の通過空間が上記のように近接した状態で絞られているので、抑止作用が一層確実に果たされる。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記抑止部材を受け入れる開口部が素材板にあらかじめ設けてある場合には、抑止部材が素材板に圧入されるときの圧入反力が大幅に低減できるので、抑止部材を所定の位置に容易に存在させることができ、突条部53の圧入に待機することが確実に行なえる。さらに、上記開口部と抑止部材を合致させることにより、第1型,第2型と素材板との相対位置を設定するのに有効である。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記開口部が、素材板に設けられた貫通穴である場合には、抑止部材が素材板に圧入されるときの圧入反力が実質的にゼロとなるので、抑止部材を突条部の圧入に待機させることが確実に行なえる。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記開口部が、素材板に設けられた凹部である場合には、抑止部材が素材板に圧入されるときの圧入反力が大幅に低減できるので、抑止部材を突条部の圧入に待機させることが確実に行なえる。
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記溝状窪部が成形された後、溝状窪部に穴あけ用のパンチで連通口を成形する場合には、上記突条部には、素材から突条部列設方向への押圧力が作用することがなく、成形された溝状窪部はその深さ方向に対して傾くような狂いが発生しない。このような高精度の溝状窪部内に上記パンチが挿入されるので、パンチは溝状窪部の内壁に干渉することがなく、溝状窪部に対して正しい相対位置を有する連通口が形成され、液体の流れが所定どおりに円滑になされ、気泡が停滞するようなことも回避できる。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、金属製の素材板を塑性変形することにより圧力発生室となる溝状窪部が形成された圧力発生室形成板と、上記圧力発生室形成板に接合され上記圧力発生室を封止する封止板と、上記圧力発生室内の液体を加圧する圧力発生素子と、上記圧力発生室に連通したノズル開口が設けられ上記圧力発生室形成板に接合されたノズルプレートとを含んで構成された液体噴射ヘッドであって、上記圧力発生室形成板には、その圧力発生室の列端の近傍に、溝状窪部と略平行な状態で開口部が設けられていることを要旨とする。
すなわち、上記圧力発生室形成板には、その圧力発生室の列端の近傍に、溝状窪部と略平行な状態で開口部が設けられている。このため、上記素材板に塑性加工で溝状窪部を形成するときに、上記開口部内に異常な塑性流動を抑止する抑止部材を進入させることができ、高精度の溝状窪部が形成できる。また、開口部を素材板の位置決め用として利用することができ、この点においても溝状窪部の高精度化を図ることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明において製造の対象となっている液体噴射ヘッドは、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、図示の実施例においてはその代表的な事例として、この液体噴射ヘッドをインクジェット式記録ヘッドに適用した例を示している。
図1および図2に示すように、記録ヘッド1は、ケース2と、このケース2内に収納される振動子ユニット3と、ケース2の先端面に接合される流路ユニット4と、先端面とは反対側のケース2の取付面上に配置される接続基板5と、ケース2の取付面側に取り付けられる供給針ユニット6等から概略構成されている。
上記の振動子ユニット3は、図3に示すように、圧電振動子群7と、この圧電振動子群7が接合される固定板8と、圧電振動子群7に駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル9とから概略構成される。
圧電振動子群7は、列状に形成された複数の圧電振動子10…を備える。各圧電振動子10…は、圧力発生素子の一種であり、電気機械変換素子の一種でもある。これらの各圧電振動子10…は、列の両端に位置する一対のダミー振動子10a,10aと、これらのダミー振動子10a,10aの間に配置された複数の駆動振動子10b…とから構成されている。そして、各駆動振動子10b…は、例えば、50μm〜100μm程度の極めて細い幅の櫛歯状に切り分けられ、180本設けられる。また、ダミー振動子10aは、駆動振動子10bよりも十分広い幅であり、駆動振動子10bを衝撃等から保護する保護機能と、振動子ユニット3を所定位置に位置付けるためのガイド機能とを有する。
各圧電振動子10…は、固定端部を固定板8上に接合することにより、自由端部を固定板8の先端面よりも外側に突出させている。すなわち、各圧電振動子10…は、いわゆる片持ち梁の状態で固定板8上に支持されている。そして、各圧電振動子10…の自由端部は、圧電体と内部電極とを交互に積層して構成されており、対向する電極間に電位差を与えることで素子長手方向に伸縮する。
フレキシブルケーブル9は、固定板8とは反対側となる固定端部の側面で圧電振動子10と電気的に接続されている。そして、このフレキシブルケーブル9の表面には、圧電振動子10の駆動等を制御するための制御用IC11が実装されている。また、各圧電振動子10…を支持する固定板8は、圧電振動子10からの反力を受け止め得る剛性を備えた板状部材であり、ステンレス板等の金属板が好適に用いられる。
上記のケース2は、例えば、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂で成形されたブロック状部材である。ここで、ケース2を熱硬化性樹脂で成形しているのは、この熱硬化性樹脂は、一般的な樹脂よりも高い機械的強度を有しており、線膨張係数が一般的な樹脂よりも小さく、周囲の温度変化による変形が小さいからである。そして、このケース2の内部には、振動子ユニット3を収納可能な収納空部12と、インクの流路の一部を構成するインク供給路13とが形成されている。また、ケース2の先端面には、共通インク室(リザーバ)14となる先端凹部15が形成されている。
収納空部12は、振動子ユニット3を収納可能な大きさの空部である。この収納空部12の先端側部分はケース内壁が側方に向けて部分的に突出しており、この突出部分の上面が固定板当接面として機能する。そして、振動子ユニット3は、各圧電振動子10の先端が開口から臨む状態で収納空部12内に収納される。
この収納状態において、固定板8の先端面は固定板当接面に当接した状態で接着されている。
先端凹部15は、ケース2の先端面を部分的に窪ませることにより作製されている。本実施形態の先端凹部15は、収納空部12よりも左右外側に形成された略台形状の凹部であり、収納空部12側に台形の下底が位置するように形成されている。
インク供給路13は、ケース2の高さ方向を貫通するように形成され、先端が先端凹部15に連通している。また、インク供給路13における取付面側の端部は、取付面から突設した接続口16内に形成されている。
上記の接続基板5は、記録ヘッド1に供給する各種信号用の電気配線が形成されると共に、信号ケーブルを接続可能なコネクタ17が取り付けられた配線基板である。そして、この接続基板5は、ケース2における取付面上に配置され、フレキシブルケーブル9の電気配線が半田付け等によって接続される。また、コネクタ17には、制御装置(図示せず)からの信号ケーブルの先端が挿入される。
上記の供給針ユニット6は、インクカートリッジ(図示せず)が接続される部分であり、針ホルダ18と、インク供給針19と、フィルタ20とから概略構成される。
インク供給針19は、インクカートリッジ内に挿入される部分であり、インクカートリッジ内に貯留されたインクを導入する。このインク供給針19の先端部は円錐状に尖っており、インクカートリッジ内に挿入し易くなっている。また、この先端部には、インク供給針19の内外を連通するインク導入孔が複数穿設されている。そして、本実施形態の記録ヘッド1は2種類のインクを吐出可能であるため、このインク供給針19を2本備えている。
針ホルダ18は、インク供給針19を取り付けるための部材であり、その表面にはインク供給針19の根本部分を止着するための台座21を2本分横並びに形成している。この台座21は、インク供給針19の底面形状に合わせた円形状に作製されている。また、台座底面の略中心には、針ホルダ18の板厚方向を貫通するインク排出口22を形成している。また、この針ホルダ18には、フランジ部を側方に延出している。
フィルタ20は、埃や成形時のバリ等のインク内の異物の通過を阻止する部材であり、例えば、目の細かな金属網によって構成される。このフィルタ20は、台座21内に形成されたフィルタ保持溝に接着されている。
そして、この供給針ユニット6は、図2に示すように、ケース2の取付面上に配設される。この配設状態において、供給針ユニット6のインク排出口22とケース2の接続口16とは、パッキン23を介して液密状態で連通する。
次に、上記の流路ユニット4について説明する。この流路ユニット4は、圧力発生室形成板30の一方の面にノズルプレート31を、圧力発生室形成板30の他方の面に弾性板32を接合した構成である。
圧力発生室形成板30は、図4に示すように、溝状窪部33と、連通口34と、逃げ凹部35とを形成した金属製の板状部材である。本実施形態では、この圧力発生室形成板30を、厚さ0.35mmのニッケル製の基板を加工することで作製している。
ここで、基板としてニッケルを選定した理由について説明する。第1の理由は、このニッケルの線膨張係数が、ノズルプレート31や弾性板32の主要部を構成する金属(本実施形態では後述するようにステンレス)の線膨張係数と略等しいからである。すなわち、流路ユニット4を構成する圧力発生室形成板30、弾性板32及びノズルプレート31の線膨張係数が揃うと、これらの各部材を加熱接着した際において、各部材は均等に膨張する。このため、膨張率の相違に起因する反り等の機械的ストレスが発生し難い。その結果、接着温度を高温に設定しても各部材を支障なく接着することができる。また、記録ヘッド1の作動時に圧電振動子10が発熱し、この熱によって流路ユニット4が加熱されたとしても、流路ユニット4を構成する各部材30,31,32が均等に膨張する。このため、記録ヘッド1の作動に伴う加熱と作動停止に伴う冷却とが繰り返し行われても、流路ユニット4を構成する各部材30,31,32に剥離等の不具合は生じ難い。
第2の理由は、防錆性に優れているからである。すなわち、この種の記録ヘッド1では水性インクが好適に用いられているので、長期間に亘って水が接触しても錆び等の変質が生じないことが肝要である。その点、ニッケルは、ステンレスと同様に防錆性に優れており、錆び等の変質が生じ難い。
第3の理由は、展性に富んでいるからである。すなわち、圧力発生室形成板30を作製するにあたり、本実施形態では後述するように塑性加工(例えば、鍛造加工)で行っている。そして、圧力発生室形成板30に形成される溝状窪部33や連通口34は、極めて微細な形状であり、且つ、高い寸法精度が要求される。そして、基板にニッケルを用いると、展性に富んでいることから塑性加工であっても溝状窪部33や連通口34を高い寸法精度で形成することができる。
なお、圧力発生室形成板30に関し、上記した各要件、すなわち、線膨張係数の要件、防錆性の要件、及び、展性の要件を満たすならば、ニッケル以外の金属で構成してもよい。
溝状窪部33は、圧力発生室29となる溝状の窪部であり、図5に拡大して示すように、直線状の溝によって構成されている。本実施形態では、幅約0.1mm,長さ約1.5mm,深さ約0.1mmの溝を溝幅方向に180個列設している。この溝状窪部33の底面は、深さ方向(すなわち、奥側)に進むに連れて縮幅されてV字状に窪んでいる。底面をV字状に窪ませたのは、隣り合う圧力発生室29,29同士を区画する隔壁部28の剛性を高めるためである。すなわち、底面をV字状に窪ませることにより、隔壁部28の根本部分(底面側の部分)の肉厚が厚くなって隔壁部28の剛性が高まる。そして、隔壁部28の剛性が高くなると、隣の圧力発生室29からの圧力変動の影響を受け難くなる。すなわち、隣の圧力発生室29からのインク圧力の変動が伝わり難くなる。また、底面をV字状に窪ませることにより、溝状窪部33を塑性加工によって寸法精度よく形成することもできる(後述する)。そして、このV字の角度は、加工条件によって規定されるが、例えば90度前後である。さらに、隔壁部28における先端部分の肉厚が極く薄いことから、各圧力発生室29…を密に形成しても必要な容積を確保することができる。
また、本記録ヘッド1における溝状窪部33に関し、その長手方向両端部は、奥側に進むにつれて内側に下り傾斜している。すなわち、溝状窪部33の長手方向両端部は、面取形状に形成されている。このように構成したのも、溝状窪部33を塑性加工によって寸法精度よく形成するためである。塑性加工による溝状窪部33の形成工程および溝状窪部33の形状は、後に詳しく説明する。
さらに、両端部の溝状窪部33,33に隣接させてこの溝状窪部33よりも幅広なダミー窪部36を1つずつ形成している。このダミー窪部36は、インク滴の吐出に関与しないダミー圧力発生室となる溝状の窪部である。本実施形態のダミー窪部36は、幅約0.2mm,長さ約1.5mm,深さ約0.1mmの溝によって構成されている。そして、このダミー窪部36の底面は、W字状に窪んでいる。これも、隔壁部28の剛性を高めるため、および、ダミー窪部36を塑性加工によって寸法精度よく形成するためである。
そして、各溝状窪部33…および一対のダミー窪部36,36によって窪部列が構成される。本記録ヘッド1では、この窪部列を横並びに2列形成している。
連通口34は、溝状窪部33の一端から板厚方向を貫通する貫通孔として形成している。この連通口34は、溝状窪部33毎に形成されており、1つの窪部列に180個形成されている。本実施形態の連通口34は、開口形状が矩形状であり、圧力発生室形成板30における溝状窪部33側から板厚方向の途中まで形成した第1連通口37と、溝状窪部33とは反対側の表面から板厚方向の途中まで形成した第2連通口38とから構成されている。
そして、第1連通口37と第2連通口38とは断面積が異なっており、第2連通口38の内寸法が第1連通口37の内寸法よりも僅かに小さく設定されている。これは、連通口34をプレス加工によって作製していることに起因する。すなわち、この圧力発生室形成板30は、厚さ0.35mmのニッケル板を加工することで作製しているため、連通口34の長さは、溝状窪部33の深さを差し引いても0.25mm以上となる。そして、連通口34の幅は、溝状窪部33の溝幅よりも狭くする必要があるので、0.1mm未満に設定される。このため、連通口34を1回の加工で打ち抜こうとすると、アスペクト比の関係で雄型(ポンチ)が座屈するなどしてしまう。そこで、本記録ヘッド1では、加工を2回に分け、1回目の加工では第1連通口37を板厚方向の途中まで形成し、2回目の加工で第2連通口38を形成している。なお、この連通口34の加工手順については、後で説明する。
また、ダミー窪部36にはダミー連通口39が形成されている。このダミー連通口39は、上記の連通口34と同様に、第1ダミー連通口40と第2ダミー連通口41とから構成されており、第2ダミー連通口41の内寸法が第1ダミー連通口40の内寸法よりも小さく設定されている。
なお、本記録ヘッド1では、上記の連通口34及びダミー連通口39に関し、開口形状が矩形状の貫通孔によって構成されたものを例示したが、この形状に限定されるものではない。例えば、円形に開口した貫通孔によって構成してもよい。
逃げ凹部35は、共通インク室14におけるコンプライアンス部の作動用空間を形成する。本記録ヘッド1では、ケース2の先端凹部15と略同じ形状であって、深さが溝状窪部33と等しい台形状の凹部によって構成している。
次に、上記の弾性板32について説明する。この弾性板32は、封止板の一種であり、例えば、支持板42上に弾性体膜43を積層した二重構造の複合材(本発明の金属材の一種)によって作製される。本実施形態では、支持板42としてステンレス板を用い、弾性体膜43としてPPS(ポリフェニレンサルファイド)を用いている。
図6に示すように、弾性板32には、ダイヤフラム部44と、インク供給口45と、コンプライアンス部46とを形成している。
ダイヤフラム部44は、圧力発生室29の一部を区画する部分である。すなわち、ダイヤフラム部44は溝状窪部33の開口面を封止し、この溝状窪部33と共に圧力発生室29を区画形成する。このダイヤフラム部44は、図7(a)に示すように、溝状窪部33に対応した細長い形状であり、溝状窪部33を封止する封止領域に対し、各溝状窪部33…毎に形成されている。具体的には、ダイヤフラム部44の幅は溝状窪部33の溝幅と略等しく設定され、ダイヤフラム部44の長さは溝状窪部33の長さよりも多少短く設定されている。長さに関し、本実施形態では、溝状窪部33の長さの約2/3に設定されている。そして、形成位置に関し、図2に示すように、ダイヤフラム部44の一端を、溝状窪部33の一端(連通口34側の端部)に揃えている。
このダイヤフラム部44は、図7(b)に示すように、溝状窪部33に対応する部分の支持板42をエッチング等によって環状に除去して弾性体膜43のみとすることで作製され、この環内には島部47を形成している。この島部47は、圧電振動子10の先端面が接合される部分である。
インク供給口45は、圧力発生室29と共通インク室14とを連通するための孔であり、弾性板32の板厚方向を貫通している。このインク供給口45も、ダイヤフラム部44と同様に、溝状窪部33に対応する位置に各溝状窪部33…毎に形成されている。このインク供給口45は、図2に示すように、連通口34とは反対側の溝状窪部33の他端に対応する位置に穿設されている。また、このインク供給口45の直径は、溝状窪部33の溝幅よりも十分に小さく設定されている。本実施形態では、23ミクロンの微細な貫通孔によって構成している。
このようにインク供給口45を微細な貫通孔にした理由は、圧力発生室29と共通インク室14との間に流路抵抗を付与するためである。すなわち、この記録ヘッド1では、圧力発生室29内のインクに付与した圧力変動を利用してインク滴を吐出させている。このため、インク滴を効率よく吐出させるためには、圧力発生室29内のインク圧力をできるだけ共通インク室14側に逃がさないようにすることが肝要である。この観点から本記録ヘッド1では、インク供給口45を微細な貫通孔によって構成している。
そして、本記録ヘッド1のように、インク供給口45を貫通孔によって構成すると、加工が容易であり、高い寸法精度が得られるという利点がある。すなわち、このインク供給口45は貫通孔であるため、レーザー加工による作製が可能である。従って、微細な直径であっても高い寸法精度で作製でき、作業も容易である。
コンプライアンス部46は、共通インク室14の一部を区画する部分である。
すなわち、コンプライアンス部46と先端凹部15とで共通インク室14を区画形成する。このコンプライアンス部46は、先端凹部15の開口形状と略同じ台形状であり、支持板42の部分をエッチング等によって除去し、弾性体膜43だけにすることで作製される。
なお、弾性板32を構成する支持板42及び弾性体膜43は、この例に限定されるものではない。例えば、弾性体膜43としてポリイミドを用いてもよい。また、この弾性板32を、ダイヤフラム部44になる厚肉部及び該厚肉部周辺の薄肉部と、コンプライアンス部46になる薄肉部とを設けた金属板で構成してもよい。
次に、上記のノズルプレート31について説明する。ノズルプレート31は、ノズル開口48を列設した金属製の板状部材である。本記録ヘッド1ではステンレス板を用い、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口48…を開設している。本実施形態では、合計180個のノズル開口48…を列設してノズル列を構成し、このノズル列を2列横並びに形成している。そして、このノズルプレート31を圧力発生室形成板30の他方の表面、すなわち、弾性板32とは反対側の表面に接合すると、対応する連通口34に各ノズル開口48…が臨む。
そして、上記の弾性板32を、圧力発生室形成板30の一方の表面、すなわち、溝状窪部33の形成面に接合すると、ダイヤフラム部44が溝状窪部33の開口面を封止して圧力発生室29が区画形成される。同様に、ダミー窪部36の開口面も封止されてダミー圧力発生室が区画形成される。また、上記のノズルプレート31を圧力発生室形成板30の他方の表面に接合するとノズル開口48が対応する連通口34に臨む。この状態で島部47に接合した圧電振動子10を伸縮すると、島部周辺の弾性体膜43が変形し、島部47が溝状窪部33側に押されたり、溝状窪部33側から離隔する方向に引かれたりする。この弾性体膜43の変形により、圧力発生室29が膨張したり収縮したりして圧力発生室29内のインクに圧力変動が付与される。
さらに、弾性板32(すなわち、流路ユニット4)をケース2に接合すると、コンプライアンス部46が先端凹部15を封止する。このコンプライアンス部46は、共通インク室14に貯留されたインクの圧力変動を吸収する。すなわち、貯留されたインクの圧力に応じて弾性体膜43が膨張したり収縮したりして変形する。そして、上記の逃げ凹部35は、弾性体膜43の膨張時において、弾性体膜43が膨らむための空間を形成する。
上記構成の記録ヘッド1は、インク供給針19から共通インク室14までの共通インク流路と、共通インク室14から圧力発生室29を通って各ノズル開口48…に至る個別インク流路とを有する。そして、インクカートリッジに貯留されたインクは、インク供給針19から導入されて共通インク流路を通って共通インク室14に貯留される。この共通インク室14に貯留されたインクは、個別インク流路を通じてノズル開口48から吐出される。
例えば、圧電振動子10を収縮させると、ダイヤフラム部44が振動子ユニット3側に引っ張られて圧力発生室29が膨張する。この膨張により圧力発生室29内が負圧化されるので、共通インク室14内のインクがインク供給口45を通って各圧力発生室29に流入する。その後、圧電振動子10を伸張させると、ダイヤフラム部44が圧力発生室形成板30側に押されて圧力発生室29が収縮する。この収縮により、圧力発生室29内のインク圧力が上昇し、対応するノズル開口48からインク滴が吐出される。
そして、この記録ヘッド1では、圧力発生室29(溝状窪部33)の底面がV字状に窪んでいる。このため、隣り合う圧力発生室29,29同士を区画する隔壁部28は、その根本部分の肉厚が先端部分の肉厚よりも厚く形成される。これにより、隔壁部28の剛性を従来よりも高めることができる。従って、インク滴の吐出時において、圧力発生室29内にインク圧力の変動が生じたとしても、その圧力変動を隣の圧力発生室29に伝わり難くすることができる。その結果、所謂隣接クロストークを防止でき、インク滴の吐出を安定化できる。
また、本記録ヘッド1では、共通インク室14と圧力発生室29とを連通するインク供給口45を、弾性板32の板厚方向を貫通する微細孔によって構成したので、レーザー加工等によって高い寸法精度が容易に得られる。これにより、各圧力発生室29…へのインクの流入特性(流入速度や流入量等)を高いレベルで揃えることができる。さらに、レーザー光線によって加工を行った場合には、加工も容易である。
また、本記録ヘッド1では、列端部の圧力発生室29,29に隣接させてインク滴の吐出に関与しないダミー圧力発生室(すなわち、ダミー窪部36と弾性板32とによって区画される空部)を設けたので、これらの両端の圧力発生室29,29に関し、片側には隣りの圧力発生室29が形成され、反対側にはダミー圧力発生室が形成されることになる。これにより、列端部の圧力発生室29,29に関し、その圧力発生室29を区画する隔壁の剛性を、列途中の他の圧力発生室29…における隔壁の剛性に揃えることができる。その結果、一列全ての圧力発生室29のインク滴吐出特性を揃えることができる。
さらに、このダミー圧力発生室に関し、列設方向側の幅を各圧力発生室29…の幅よりも広くしている。換言すれば、ダミー窪部36の幅を溝状窪部33の幅よりも広くしている。これにより、列端部の圧力発生室29と列途中の圧力発生室29の吐出特性をより高い精度で揃えることができる。
さらに、本記録ヘッド1では、ケース2の先端面を部分的に窪ませて先端凹部15を形成し、この先端凹部15と弾性板32とにより共通インク室14を区画形成しているので、共通インク室14を形成するための専用部材が不要であり、構成の簡素化が図れる。また、このケース2は樹脂成形によって作製されているので、先端凹部15の作製も比較的容易である。
次に、上記記録ヘッド1の製造方法について説明する。なお、この製造方法では、上記の圧力発生室形成板30の製造工程に特徴を有しているので、圧力発生室形成板30の製造工程を中心に説明することにする。なお、この圧力発生室形成板30は、順送り型による鍛造加工によって作製される。また、圧力発生室形成板30の素材として使用する帯板は、上記したようにニッケル製である。
圧力発生室形成板30の製造工程は、溝状窪部33を形成する溝状窪部形成工程と、連通口34を形成する連通口形成工程とからなり、順送り型によって行われる。なお、溝状窪部33の長手方向端部の成形については、後述する。
溝状窪部形成工程では、図8に示す雄型である第1型51と図9に示す雌型である第2型52とを用いる。この第1型51は、溝状窪部33を形成するための金型である。この第1型には、溝状窪部33を形成するための突条部53を、溝状窪部33と同じ数だけ列設してある。また、列設方向両端部の突条部53に隣接させてダミー窪部36を形成するためのダミー突条部(図示せず)も設ける。突条部53の先端部分53aは先細りした山形とされており、例えば図8(b)に示すように、幅方向の中心から45度程度の角度で面取りされている。すなわち、突条部53の先端に形成した山形の斜面により楔状の先端部分53aが形成されている。これにより、長手方向から見てV字状に尖っている。また、先端部分53aにおける長手方向の両端は、図8(a)に示すように、45度程度の角度で面取りしてある。このため、突条部53の先端部分53aは、三角柱の両端を面取りした形状となっている。
また、第2型52には、その上面に筋状突起54が複数形成されている。この筋状突起54は、隣り合う圧力発生室29,29同士を区画する隔壁の形成を補助するものであり、溝状窪部33,33の中心線と略対向した位置に配置されている。すなわち、突条部53と筋状突起54は、図10に示すように、対向している。この筋状突起54は四角柱状であり、その幅は、隣り合う圧力発生室29,29同士の間隔(隔壁の厚み)よりも若干狭く設定されており、高さは幅と同程度である。また、筋状突起54の長さは溝状窪部33(突条部53)の長さと同程度に設定されている。
そして、溝状窪部形成工程では、まず、図10(a)に示すように、第2型52の上面に素材板であるとともに圧力発生室形成板である帯板55を載置し、帯板55の上方に第1型51を配置する。次に、図10(b)に示すように、第1型51を下降させて突条部53の先端部を帯板55内に押し込む。このとき、突条部53の先端部分53aをV字状に尖らせているので、突条部53を座屈させることなく先端部分53aを帯板55内に確実に押し込むことができる。この突条部53の押し込みは、図10(c)に示すように、帯板55の板厚方向の途中まで行う。
突条部53の押し込みにより、帯板55の一部分が流動し、溝状窪部33が形成される。ここで、突条部53の先端部分53aがV字状に尖っているので、微細な形状の溝状窪部33であっても、高い寸法精度で作製することができる。すなわち、先端部分53aで押された部分が円滑に流れるので、形成される溝状窪部33は突条部53の形状に倣った形状に形成される。このときに、先端部分53aで押し分けられるようにして流動した素材は、突条部53の間に設けられた空隙部53b内に流入し隔壁部28が成形される。さらに、先端部分53aにおける長手方向の両端も面取りしてあるので、当該部分で押圧された帯板55も円滑に流れる。従って、溝状窪部33の長手方向両端部についても高い寸法精度で作製できる。
また、突条部53の押し込みを板厚方向の途中で止めているので、貫通孔として形成する場合よりも厚い帯板55を用いることができる。これにより、圧力発生室形成板30の剛性を高めることができ、インク滴の吐出特性の向上が図れる。また、圧力発生室形成板30の取り扱いも容易になる。
また、突条部53で押圧されたことにより、帯板55の一部は隣り合う突条部53,53の空間内に隆起する。ここで、第2型52に設けた筋状突起54は、突条部53と対向しているので、筋状突起54と突条部53との間の素材が最も大量に加圧される。このような大量加圧によって、空隙部53b内への帯板55の流れを補助する。これにより、突条部53間の空間に対して効率よく帯板55を導入することができ、隆起部を高く形成できる。
なお、図11は、上記第1型51,第2型52,素材板55等の位置関係を示す斜視図である。また、同図の33aは、溝状窪部33の列である。
本発明の前提となる溝状窪部33の成形は、基本的には上述のとおりである。ここで、図20にしたがって述べた上記問題点、すなわち本発明の主題である第1型51の耐久性の向上等を図るための実施例を、図12〜図15にしたがって説明する。なお、すでに説明された部位と同じ機能を果たす部位については、同一の符号を図中に記載してある。
なお、前述の第1型51および第2型52により帯板(素材板)55に塑性加工を行うときには、常温の温度条件下であり、また、以下に説明する塑性加工においても同様に常温の温度条件で塑性加工を行っている。
図12は、順送り式の鍛造加工装置における素材板55の移動を示す平面図であり、同図の右方に順送りされるようになっている。ニッケル製の素材板55には前工程63において各種の穴あけや凹部成形等がなされる。その代表的なものとして逃げ凹部35や貫通穴として成形した開口部61がある。上記前工程63に引続く本工程64(図11にも示されている)において図10等に示した溝状窪部33の成形が行なわれる。なお、複数の前工程63において、逃げ凹部35や開口部61等の工程順序はどちらが先であってもよい。
図14は、第2型52の上に素材板55が載置され、その上に第1型51が待機している状態を示す断面図である。
突条部53の列端に位置する突条部は、符号53cで示されており、以下の説明ではこの突条部53cを「列端」とも表現する。上記突条部53cすなわち列端53cの近傍とは、列端53cよりも少し外側の箇所を意味しており、換言すると、突条部53のなす列の端部から少し離れた箇所である。上記列端53cの近傍に突条部53と略平行な状態で抑止部材65が配置され、その先端部65aは突条部53の先端部分53aよりも突出した位置におかれている。この突出量はLで示されている。列端53cと上記抑止部材65との間隔Paは、図示の例では、突条部53のピッチPの2倍程度またはそれよりもやや下回る距離とされている。
図14に表されている上記抑止部材65の断面形状は、楔型であり、左右2つの平坦な傾斜面65bが図14の紙面に対して垂直方向に延びた状態で存在している。このような楔型を形成する平坦な傾斜面65bを、後述する素材の塑性流動量を考慮して、凹面あるいは凸面に変更することができる。
上記抑止部材65は第1型51に一体に設けられているものであるが、他方、第2型52にも、同様な形状の抑止部材66が、抑止部材65と略対向した状態で設けてある。筋状突起54の列端に位置する筋状突起は、符号54cで示されており、以下の説明ではこの筋状突起54cを「列端」とも表現する。上記筋状突起54cすなわち列端54cの近傍とは、列端54cよりも少し外側の箇所を意味しており、換言すると、筋状突起54のなす列の端部から少し離れた箇所である。上記列端54cの近傍に筋状突起54と略平行な状態で抑止部材66が配置され、その先端部66aは筋状突起54の先端部分54aよりも突出した位置におかれている。この突出量はL´で示されている。列端54cと上記抑止部材66との間隔P´aは、図示の例では、筋状突起54のピッチP´の2倍程度またはそれよりもやや下回る距離とされている。
したがって、上記第2型52に設けられた抑止部材66は、突条部53の列端53cの近傍に対応した位置で突条部53,53cと略平行な状態で配置され、その先端部66aは、第1型51の方に向って突出した位置である。また、前述のように、突条部53と筋状突起54は対向しているので、双方のピッチはP=P´であり、また、両抑止部材65と66は略対向しているので、やはりPa=P´aとなる。
図14に表されている上記抑止部材66の断面形状は、楔型であり、左右2つの平坦な傾斜面66bが図14の紙面に対して垂直方向に延びた状態で存在している。このような楔型を形成する平坦な傾斜面66bを、後述する素材の塑性流動量を考慮して、凹面あるいは凸面に変更することができる。
第1型51または第2型52の進退方向で見た抑止部材65,66の高さは、符号LおよびL´で示すように、突出しているのであるが、図15に示すように、素材板55に対する加圧が完了した状態では、抑止部材65,66の各先端部65a,66aは近接するようになっている。
抑止部材65,66を受け入れる空間を形成するために、上記の開口部61が設けられている。この例では、開口部61が素材板55を貫通した状態で形成してあり、図13に示すように、長辺の長さが溝状窪部33の長さと略同じとされた長方形である。そして、素材板55を第2型52に載置したときに、抑止部材66の一部が開口部61内に入り込むように、開口部61の大きさや位置が設定してある。開口部61は、溝状窪部33の列33aの列端の近傍に溝状窪部33の長手方向と略平行な状態で配置されている。この例では、溝状窪部の列33aに隣接した位置に配置されている。すなわち、圧力発生室29の列端に開口部61が配置されている。このような位置に開口部61が配置されることにより、溝状窪部33に最も近い箇所で抑止部材65,66による素材の塑性流動が抑止されるので、突条部53の根元に集中する応力を最も効果的に低減させることができる。
図14に示した状態から第1型51が進出すると、抑止部材65の傾斜面65bが開口部61の上側の角部61aに圧接され、さらに第1型51の進出が進行すると、上記角部61aが傾斜面65bで押し潰されるようにして変形する。このような上側の角部61aが加圧変形を来す時期には、突条部53が素材板55を加圧し始めるので、素材板55の下面に筋状突起54が食い込み始める。そのときには、傾斜面66bが下側の角部61aを押し潰すようにして変形させる。上記のような上下の角部61aが両傾斜面65b,66bで押し潰される状態になると、列端53cの外側に向う素材板55の塑性流動が抑止され始める。このように抑止機能が開始された状態のところへ突条部53が一斉に素材板55に圧入されると、突条部53の圧入による塑性流動が抑止部材65,66によって抑止される。
図15に示すように、素材板55が完全に加圧された状態では、上記角部61a,61aが両傾斜面65b,66bによって大きく変形するので、それに伴う塑性流動で抑止部材65,66の列端53c,54c側は、素材で満たされた状態になる。このとき、余剰の素材は近接した先端部65a,66aの間で絞られて流出部67となる。
上記角部61a,61aが両傾斜面65b,66bで押し潰されるようにして変形するときには、素材板55の厚さ方向の中央部付近の素材の一部が、突条部53や筋状突起54の方(図14の左方)へ流動しようとするが、この流動による応力成分に対して、各突条部53の圧入による抑止部材65,66の方に向かう流動による応力成分が対向して均衡が図られ、図20において説明した矢印線77方向の塑性流動が抑制されるのである。
図14に示した例では、間隔Pa,P´aがそれぞれピッチP,P´の2倍程度またはそれよりもやや下回る距離とされている。しかしながら、上記距離Pa,P´aは、素材板55の厚さ、成形される溝状窪部33の深さ、開口部61の開口面積、抑止部材65,66の傾斜面65b,66bの傾斜角度等が変更されて素材の塑性流動量や流動現象が変化するのに対応させて、ピッチP,P´の3倍以上程度ないしは5倍以下程度の範囲に設定することもできる。このように、Pa,P´aを選定することにより、上記のような各種寸法等が変更されても、良好な塑性流動の抑止が図られて、型の耐久性が向上する。
図15において、抑止部材65,66の左側は素材で充満しているが、このように充満するかどうかは、上記PaやP´aが長くなったりL,L´が変化したり、あるいは素材板55の厚さが変更されたりすると、傾斜面65b,66bと素材との間に空隙が生じる場合もある。
なお、上記L,L´の値が短く設定されているときには、抑止部材65,66による抑制機能が完全に整う前に突条部53が素材板55に食い込み始める。しかし、その時点では、突条部53の食い込み初期の塑性流動はほとんど発生していないので、突条部53の食い込みがある程度進行して塑性流動が発生する時期に、抑止部材65,66による抑制機能が整うようになっていればよい。すなわち、抑止部材65,66の抑止動作と突条部53による溝状窪部33の成形動作のタイミングを適正に設定して、抑止機能を正常に果たすのである。上記のようなタイミングを適正に設定することにより、型の加圧ストロークを短くすることができ、生産性の向上を図ることができる。
上記実施例による作用効果を列記すると次のとおりである。
上記第1型51および第2型52に設けた抑止部材65,66で突条部列設方向に作用する塑性流動が抑止されるので、上記塑性流動に伴って突条部53の先端部に作用する突条部列設方向の押圧力が大幅に減少し、突条部53の根元にクラックが発生するような現象が皆無となる。したがって、第1型51の耐久性が長期化され、素材板55の成形品質の安定化、設備経費の節減、生産性の向上等が可能となる。
第1型51が進出すると、まず最初に上記抑止部材65が素材板55の素材流動を受け止める位置に移動し、突条部列設方向への塑性流動に対する抑止状態(堰きとめ状態)が形成される。このような状態になった後に突条部53が素材板55に圧入され溝状窪部33が成形される。したがって、突条部53の圧入によって素材が突条部列設方向に流動しようとしても、抑止部材65によって塑性流動が抑止され、突条部53に対する上記のような押圧力(図20に示した矢印線78参照)が作用することなく、応力が突条部53の根元に集中することがない。
第1型51と第2型52が接近すると、まず最初に第2型52の抑止部材66が素材板55の素材流動を受け止める位置に移動し、突条部列設方向への塑性流動に対する抑止状態(堰きとめ状態)が形成される。このような状態になった後に突条部53が素材板55に圧入され溝状窪部33が成形される。したがって、突条部53の圧入によって素材が突条部列設方向に流動しようとしても、抑止部材66によって塑性流動が抑止され、突条部53に対する上記のような押圧力が作用することなく、応力が突条部53の根元に集中することがない。
第1型51および第2型52に設けられた抑止部材65,66が略対向していることにより、第1型51と第2型52が接近すると、まず最初に上記両型51,52に設けた抑止部材65,66が素材板55の素材流動を受け止める位置に移動し、突条部列設方向への塑性流動に対する抑止状態(堰きとめ状態)が形成される。このような状態になった後に突条部53が素材板55に圧入され溝状窪部33が成形される。したがって、突条部53の圧入によって素材が突条部列設方向に流動しようとしても、抑止部材65,66によって塑性流動が抑止され、突条部53に対する上記のような押圧力が作用することなく、応力が突条部53の根元に集中することがない。
第1型51および第2型52に設けた抑止部材65,66同士が近接していることから、抑止されている素材に許される塑性流動の通過空間が上記のように近接した状態で絞られているので、抑止作用が一層確実に果たされる。
上記開口部61によって、抑止部材65,66が素材板55に圧入されるときの圧入反力が大幅に低減できるので、抑止部材65,66を所定の位置に容易に存在させることができ、突条部53の圧入に待機することが確実に行なえる。さらに、上記開口部と抑止部材を合致させることにより、第1型,第2型と素材板との相対位置を設定するのに有効である。
上記開口部61を貫通穴の形態で配置することにより、抑止部材65,66が素材板55に圧入されるときの圧入反力が実質的にゼロとなるので、抑止部材65,66を突条部53の圧入に待機させることが確実に行なえる。
図16は、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の第2の実施例を示す。
この実施例においては、開口部61が、素材板55に非貫通状態で形成された凹部形状とされている。この例では、有底の溝構造とされ、底部形成部材68が設けられている。この例においては、抑止部材65,66により底部形成部材68が加圧変形し、それに伴う塑性流動の抑制も果たされている。それ以外は、上記実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記構成により、抑止部材65,66が素材板55に圧入されるときの圧入反力が大幅に低減されるので、抑止部材65,66を突条部53の圧入に待機させることが確実に行なえる。それ以外は、上記実施例と同様の作用効果を奏する。
図17は、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の第3の実施例を示す。
この実施例においては、抑止部材は抑止部材65だけが第1型51に配置されており、抑止部材65の先端部65aと相手方部材である第2型52の表面部分69とが近接している。なお、図示していないが、抑止部材を第2型52側にのみ配置してもよい。それ以外は、上記各実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記構成により、上記第1型51または第2型52に設けた抑止部材65または66で突条部列設方向に作用する塑性流動が抑止されるので、上記塑性流動に伴って突条部53の先端部分53aに作用する突条部列設方向の押圧力が大幅に減少し、突条部53の根元にクラックが発生するような現象が皆無となる。したがって、第1型51の耐久性が長期化され、素材板55の成形品質の安定化、設備経費の節減、生産性の向上等が可能となる。それ以外は、上記各実施例と同様の作用効果を奏する。
図18および図19は、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の第4の実施例を示す。
この実施例は、上記の開口部61をなくしたものである。それ以外は、上記各実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記構成により、抑止部材65,66が素材板55の両面に圧入され、この圧入の途上で素材の流動を抑止するように抑止部材65,66が位置付けられ、それとともに突条部53による溝状窪部33の成形がなされる。なお、開口部61が存在していないので、抑止部材65,66の高さすなわちL,L´を低くして、抑止部材65,66の圧入による素材の流動量を減少させて、突条部53の圧入による素材の流動量と均衡を図ることが望ましい。あるいは、上記PaやP´aを長くして上記均衡を図ることも可能である。それ以外は、上記各実施例と同様の作用効果を奏する。
上記製造方法によって得られた液体噴射ヘッドは、上記圧力発生室形成板30の圧力発生室29の列端の近傍に、溝状窪部33と略平行な状態で開口部61が設けられている。このため、上記素材板55に塑性加工で溝状窪部33を形成するときに、上記開口部61内に異常な塑性流動を抑止する抑止部材を進入させることができ、高精度の溝状窪部33が形成できる。また、開口部61を素材板55の位置決め用として利用することができ、この点においても溝状窪部33の高精度化を図ることができる。
第5の実施例は、上記のように素材板55の塑性流動を抑止して形成された溝状窪部33に、図5に示した連通口34を設けるものである。上記連通口34の穴あけは、通常の穴あけ用パンチ(図示していない)を溝状窪部33内に挿入し素材板55を打抜いて行なわれる。それ以外は、上記各実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記構成により、上記突条部53には、素材から突条部列設方向への押圧力が作用することがなく、成形された溝状窪部33はその深さ方向に対して傾くような狂いが発生しない。このような高精度の溝状窪部33内に上記パンチが挿入されるので、パンチは溝状窪部33の内壁に干渉することがなく、溝状窪部33に対して正しい相対位置を有する連通口34が形成され、インクの流れが所定どおりに円滑になされ、気泡が停滞するようなことも回避できる。それ以外は、上記各実施例と同様の作用効果を奏する。
上記各実施例は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によってえられた液体噴射ヘッドは、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施例では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレー,FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
インクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。 インクジェット式記録ヘッドの断面図である。 (A)及び(B)は、振動子ユニットを説明する図である。 圧力発生室形成板の平面図である。 圧力発生室形成板の説明図であり、(a)は図4におけるX部分の拡大図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図である。 弾性板の平面図である。 弾性板の説明図であり、(a)は図6におけるY部分の拡大図、(b)は(a)におけるC−C断面図である。 (a)及び(b)は、溝状窪部の形成に用いる第1型を説明する図である。 (a)及び(b)は、溝状窪部の形成に用いる第2型を説明する図である。 (a)〜(d)は、溝状窪部の形成を説明する模式図である。 第1型,素材板,第2型の位置関係を示す斜視図である。 素材板の順送り成形工程を示す平面図である。 溝状窪部を成形する部分を拡大して示した平面図である。 第1型,素材板,第2型の関係を示す加圧前の断面図である。 図14の状態から加圧が完了した状態を示す断面図である。 第2の実施例であり、第1型,素材板,第2型の関係を示す加圧前の断面図である。 第3の実施例であり、第1型,素材板,第2型の関係を示す加圧後の断面図である。 第4の実施例であり、第1型,素材板,第2型の関係を示す加圧前の断面図である。 図18の状態から加圧が完了した状態を示す断面図である。 従来技術の第1型,素材板,第2型の関係を示す加圧後の断面図である。
符号の説明
1 インクジェット式記録ヘッド
1' インクジェット式記録ヘッド
2 ケース
3 振動子ユニット
4 流路ユニット
5 接続基板
6 供給針ユニット
7 圧電振動子群
8 固定板
9 フレキシブルケーブル
10 圧電振動子
10a ダミー振動子
10b 駆動振動子
11 制御用IC
12 収納空部
13 インク供給路
14 共通インク室
15 先端凹部
16 接続口
17 コネクタ
18 針ホルダ
19 インク供給針
20 フィルタ
21 台座
22 インク排出口
23 パッキン
28 隔壁部
29 圧力発生室
30 圧力発生室形成板
31 ノズルプレート
32 弾性板
33 溝状窪部
33a 溝状窪部の列
34 連通口
35 逃げ凹部
36 ダミー窪部
37 第1連通口
38 第2連通口
39 ダミー連通口
40 第1ダミー連通口
41 第2ダミー連通口
42 支持板
43 弾性体膜
44 ダイヤフラム部
45 インク供給口
46 コンプライアンス部
47 島部
48 ノズル開口
51 第1型
52 第2型
53 突条部
53a 先端部分
53b 空隙部
53c 突条部,列端
54 筋状突起
54a 先端部分
54c 筋状突起,列端
55 帯板,素材板,(圧力発生室形成板)
61 開口部
61a 角部
63 前工程
64 本工程
65 抑止部材
65a 先端部
65b 傾斜面
66 抑止部材
66a 先端部
66b 傾斜面
67 流出部
68 底部成形部材
69 表面部分
70 素材板
71 溝状窪部
72 第1型
73 第2型
74 突条部
75 隔壁部
76 空隙部
77 矢印線
78 矢印線
79 クラック
P ピッチ
P´ ピッチ
Pa 間隔
P´a 間隔
L 突出量
L´ 突出量

Claims (10)

  1. 溝状窪部を成形する突条部が列設された第1型と、上記第1型と対をなす第2型との間で金属製の素材板を加圧することにより、圧力発生室となる多数の溝状窪部が成形されている圧力発生室形成板と、上記圧力発生室形成板に接合され上記圧力発生室を封止する封止板と、上記圧力発生室内の液体を加圧する圧力発生素子と、上記圧力発生室に連通したノズル開口が設けられ上記圧力発生室形成板に接合されたノズルプレートとを含んで構成された液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記溝状窪部を成形する際に、上記突条部が上記素材板に加圧されたときの突条部列設方向の素材板の塑性流動を上記第1型および/または第2型に設けた抑止部材で抑止することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 上記第1型に設けられた上記抑止部材は、上記突条部の列端の近傍に突条部と略平行な状態で配置され、その先端部は、上記突条部よりも突出した位置である請求項1記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 上記第2型に設けられた上記抑止部材は、上記突条部の列端の近傍に対応した位置で突条部と略平行な状態で配置され、その先端部は、第1型の方に向かって突出した位置である請求項1または2記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 上記第1型および第2型に設けられた抑止部材は略対向している請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 上記第1型および第2型に設けた抑止部材同士または第1型または第2型に設けた抑止部材と相手方の部材とは近接している請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 上記抑止部材を受け入れる開口部が素材板にあらかじめ設けてある請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  7. 上記開口部は、素材板に設けられた貫通穴である請求項6記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  8. 上記開口部は、素材板に設けられた凹部である請求項6記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  9. 上記溝状窪部が成形された後、溝状窪部に穴あけ用のパンチで連通口を成形する請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  10. 金属製の素材板を塑性変形することにより圧力発生室となる溝状窪部が形成された圧力発生室形成板と、上記圧力発生室形成板に接合され上記圧力発生室を封止する封止板と、上記圧力発生室内の液体を加圧する圧力発生素子と、上記圧力発生室に連通したノズル開口が設けられ上記圧力発生室形成板に接合されたノズルプレートとを含んで構成された液体噴射ヘッドであって、上記圧力発生室形成板には、その圧力発生室の列端の近傍に、溝状窪部と略平行な状態で開口部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
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