JP2006068767A - 微細穴の穿設加工方法およびそれに用いる工具および液体噴射ヘッドの製造方法ならびに液体噴射ヘッドの製造装置 - Google Patents

微細穴の穿設加工方法およびそれに用いる工具および液体噴射ヘッドの製造方法ならびに液体噴射ヘッドの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 塑性加工により微細穴を精度よく形成することができる微細穴の穿設加工方法および工具および液体噴射ヘッドの製造方法ならびに液体噴射ヘッドの製造装置を提供する。
【解決手段】プレス加工により金属基板55に微細穴34を穿設加工する方法,工具,液体噴射ヘッドの製造方法ならびに製造装置であって、上記方法,工具等に、所定のピッチで列状に並んだ窪み状部33が形成された金属基板55と、上記ピッチと同ピッチのポンチ56,58でポンチ列56a,58aが形成された雄型57,59とを準備し、上記ポンチの各窪み状部33に対する押込み時期が略同じとなるよう上記金属基板55に向って雄型57,59を進出させることにより、上記窪み状部33に微細穴34を穿設して金属基板55に列状に並んだ微細穴列を形成することが含まれている。よって、微細穴34の配列精度が向上し、ポンチ56,58の磨耗や損傷も大幅に低減できる。
【選択図】図11

Description

本発明は、プレス加工により金属基板に直径や長辺が0.5mm以下程度の円形や矩形等の微細穴を穿設加工する微細穴の穿設加工方法およびそれに用いる工具および液体噴射ヘッドの製造方法ならびに液体噴射ヘッドの製造装置に関するものである。
液体噴射ヘッドの一例として用いられているインクジェット式記録ヘッド(以下「記録ヘッド」という)は、共通インク室から圧力発生室を経てノズル開口に至る一連の流路を、ノズル開口に対応して複数備えている。そして、小型化の要請から各圧力発生室は、記録密度に対応した細かいピッチで形成する必要がある。このため、隣り合う圧力発生室同士を区画する隔壁部の肉厚は極めて薄くなっている。また、圧力発生室と共通インク室とを連通するインク供給口は、圧力発生室内のインク圧力をインク滴の吐出に効率よく使用するため、その流路幅が圧力発生室よりもさらに絞られている。
そして、これらの圧力発生室や圧力発生室をノズル開口に連通する連通口等は、金属製基板に塑性加工を行なって成形されている。特に、上記連通口は、圧力発生室を成形した後から加工されるので、圧力発生室成形時に発生した圧力発生室形成板の変形状態に適合した加工が望まれる。
特開2004−98164号公報
ところで、雄型と雌型との間に圧力発生室形成板を配置し、雄型と雌型との動作ストロークが最大値になって金属製基板の塑性変形が完了した状態から、雄型と雌型が元位置に復帰すると、雄型と雌型から開放された圧力発生室形成板は内部応力によって、圧力発生室の列設方向で見て緩やかな湾曲形状となる。この湾曲形状は、圧力発生室が開口している側を上側に圧力発生室の底部を下側にして圧力発生室形成板を略水平状態にした場合、列設された圧力発生室の列設端部が上位に位置し、この列設端部から中央部に向って徐々に下位になって行く形状となっている。
このように湾曲形状に沿って配列されている圧力発生室の底部に上記連通口を成形するため、圧力発生室の列設ピッチと同じピッチを有する列状のポンチが準備される。しかし、この多数列設されたいわゆるポンチ列の先端位置が一直線状に配列されているため、ポンチを溝状窪部の深さ方向押込んで行くと、ポンチ列の端部もしくは端部近傍のポンチが最初に列設端部またはその近傍の溝状窪部の底部に食込み、その後、各ポンチが中央側の溝状窪部の底部に順次食込んで行く。
このようなポンチの食込みは、端部もしくは端部近傍のポンチの加工負荷が最も大きく、中央部に移行するにしたがって加工負荷が小さくなる。したがって、ポンチ列の端部もしくは端部近傍のポンチが早期の内に磨耗したり曲がったりして連通口の加工精度が低下し、ポンチの耐久性も低下するという問題がある。さらに、ポンチが折損するようなことが発生した場合には、交換のために生産が一時休止したり種々な処理費用がかかったりして不経済である。また、圧力発生室に設けられる連通口の大きさが著しく微細であるために、各ポンチは非常に細く、また、所定の長さが長くなり、それに伴って加工抵抗に対する剛性が不足しやすく、上記の問題点が一層重要なものとなる。
上記の問題点は、溝状窪部の列設方向における各ポンチの剛性に関するものであるが、他方、溝状窪部すなわち圧力発生室の長手方向における各ポンチの剛性を確保することも重要な課題である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、塑性加工により微細穴を精度よく形成することができる微細穴の穿設加工方法およびそれに用いる工具および液体噴射ヘッドの製造方法ならびに液体噴射ヘッドの製造装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の微細穴の穿設加工方法は、プレス加工により金属基板に微細穴を穿設加工する方法であって、所定のピッチで列状に並んだ窪み状部が形成された金属基板と、上記ピッチと同ピッチのポンチでポンチ列が形成された雄型とを準備し、上記ポンチの各窪み状部に対する押込み時期が略同じとなるよう上記金属基板に向って雄型を進出させることにより、上記窪み状部に微細穴を穿設して金属基板に列状に並んだ微細穴列を形成することを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の微細穴の穿設加工用工具は、プレス加工により金属基板に微細穴を穿設加工する工具であって、雄型の先端部にポンチを所定ピッチで列設してポンチ列を形成し、上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、ポンチ列の端部近傍よりも中央部近傍が、雄型の進出方向に向かって突出していることを要旨とする。
さらに、上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、圧力発生室となる溝状窪部が列設されると共に、各溝状窪部の一端に板厚方向に貫通する連通口を形成した金属製の圧力発生室形成板と、上記連通口と対応する位置にノズル開口を穿設した金属製のノズルプレートと、上記溝状窪部の開口面を封止する金属材製の封止板とを備え、上記圧力発生室形成板における溝状窪部側に封止板を、反対側にノズルプレートをそれぞれ接合してなる液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記圧力発生室形成板の連通口を請求項1〜11のいずれか一項に記載の微細穴の穿設加工方法によって形成することを要旨とする。
さらに、上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドの製造装置は、圧力発生室となる溝状窪部が列設されると共に、各溝状窪部の一端に板厚方向に貫通する連通口を形成した金属製の圧力発生室形成板と、上記連通口と対応する位置にノズル開口を穿設した金属製のノズルプレートと、上記溝状窪部の開口面を封止する金属製の封止板とを有し、上記圧力発生室形成板における溝状窪部側に封止板を、反対側にノズルプレートをそれぞれ接合してなる液体噴射ヘッドの製造装置であって、上記溝状窪部が形成された圧力発生室形成板を支持する第1型と、上記溝状窪部内に連通口を穿設するポンチが列設されたポンチ列を有する雄型が取り付けられた第2型とを備え、上記ポンチ列におけるポンチ先端列を、溝状窪部の配列形状に適合または近似させた状態で、各ポンチを溝状窪部内に押込むことを要旨とする。
すなわち、本発明の微細穴の穿設加工方法によれば、金属基板に所定のピッチで列状に並んだ窪み状部が形成される際に、金属基板の成形局部に発生する内部応力等が列状であることにより集積されて、窪み状部の列状の配列形態が、窪み状部の列設方向で見て、例えば、金属基板が湾曲したような異形形態を呈する。このような異形形態であっても、ポンチ列の各ポンチが各窪み状部に対して略同じ時期に押込まれるので、各窪み状部における加工形状が均一に確保され、異形形態による加工精度の低下を防止して良好な精度品質が得られる。さらに、各ポンチに対する加工負荷は偏ることがないので、特定の部分のポンチが曲がったり折損したりすることがなく、ポンチの耐久性を向上することができる。上記のような利点は、例えば、液体噴射ヘッドにおける微細穴を列状に設ける場合において、とくに有効なものである。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、ポンチ列の端部近傍よりも中央部近傍が、雄型の進出方向に向かって突出している場合には、上記窪み状部の配列状態が湾曲した異形形態であっても、上記ポンチ先端列を上記湾曲形状に適合または近似させることにより、窪み状部に各ポンチを略同時期に押込むことができる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記ポンチ列におけるポンチ先端列が、滑らかな曲線状である場合には、窪み状部の湾曲配列状態に対してポンチ先端列を正確に適合させることができ、各ポンチを同時に押込むことが可能となる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記ポンチ列におけるポンチ先端列が、ポンチ列の端部近傍部分が傾斜する直線状に形成されている場合には、窪み状部の湾曲配列状態に対してポンチ先端列を近似させて適合させることができ、各ポンチを略同時に押込むことが可能となる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記ポンチ列におけるポンチ先端列が、ポンチ列の端部近傍部分が傾斜する直線状に形成されるとともに、ポンチ列の中央近傍は列方向に延びる直線状に形成されている場合には、窪み状部の湾曲配列状態に対してポンチ先端列を近似させて適合させることができ、各ポンチを略同時に押込むことが可能となる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記ポンチ列におけるポンチ先端列が、ポンチ列の端部近傍から中央部側に向って段階的に突出する段状に形成されている場合には、窪み状部の湾曲配列状態に対してポンチ先端列を近似させて適合させることができ、各ポンチを略同時に押込むことが可能となる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記ポンチの長さが、ポンチ列の端部近傍のポンチが、ポンチ列の略中央部のポンチよりも短くなるよう設定されている場合には、端部近傍のポンチの加工負荷が大きくなっても、上記のように端部近傍のポンチ長さが短くしてあるので、この部分の耐久性が中央部側よりも低下するようなことが防止できる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記ポンチの断面形状が矩形である場合には、各ポンチが略同時に窪み状部に押込まれることにより、形状精度の高い矩形の微細穴が得られる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、第1ポンチにより金属基板に非貫通状の窪部を形成する第1工程と、第2ポンチにより上記窪部の底部を膨出させて非貫通状の窪部を形成する第2工程と、上記膨出した箇所を切除する第3工程を含んでいる場合には、窪み状部に対する各ポンチの押込み時期が略同じで押込み量も各ポンチにおいて略均一であることにより、第1工程および第2工程における各窪部が正確な形状となり、上記膨出箇所の膨出量も略均一となる。したがって、第3工程における切除厚さも各窪部毎に一定となり、切除工程が簡素化され、微細穴の長さが均一なものとなる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記窪み状部が溝状窪部である場合には、溝状窪部のピッチに適合させて溝状窪部の所定の箇所に正確に微細穴を列状に形成することができる。
本発明の微細穴の穿設加工方法において、上記溝状窪部がV字状の底部を有している場合には、V字状の底部を有する溝状窪部に微細穴を穿設する場合、溝状窪部が列設方向に異形形態であると、V字状の傾斜面によってポンチの曲がりや逃げが発生しやすく加工精度が低下しがちであるが、各ポンチの押込み時期を上記異形形態に合わせて略同じにすることにより、このような加工精度の問題を解消することができる。
また、本発明の微細穴の穿設加工用工具によれば、上記窪み状部の配列状態が湾曲した異形形態であっても、上記ポンチ先端列を上記湾曲形状に適合または近似させることにより、窪み状部に各ポンチを略同時期に押込むことができる。同時に、各ポンチの加工負荷が略均一であるから、特定の箇所のポンチが早期の内に損傷したりすることがなく、高価な工具としての寿命を長期化することができ、経済的である。
さらに、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法によれば、上記圧力発生室形成板の連通口を請求項1〜11のいずれか一項に記載の微細穴の穿設加工方法によって形成するものであるから、圧力発生室形成板に上記異形形態が生じても、精密構造部である溝状窪部の連通口が極めて高い精度で形成することができ、液体噴射ヘッドとしての噴射特性を良好に保つことができる。
さらに、本発明の液体噴射ヘッドの製造装置によれば、上記ポンチ列におけるポンチ先端列を、溝状窪部の配列形状に適合または近似させた状態で、各ポンチを溝状窪部内に押込むものであるから、溝状窪部の配列が異形形態であっても、各ポンチを均一に溝状窪部に押込むことができる。よって、精密構造部である溝状窪部の連通口が極めて高い精度で形成することができ、液体噴射ヘッドとしての噴射特性を良好に保つことができる。
つぎに、本発明の微細穴の穿設加工方法およびそれに用いる工具および液体噴射ヘッドの製造方法ならびに液体噴射ヘッドの製造装置を実施するための最良の形態を説明する。以下、本発明の実施例として、本発明の微細穴の穿設加工方法を用いた液体噴射ヘッドの製造方法について説明する。以下の説明では、液体噴射ヘッドとしてインクジェット式記録ヘッドを例示するが、本発明がこれに限定されるものでないことはいうまでもない。
図1および図2は、インクジェット式記録ヘッド(以下「記録ヘッド」という)を示す図であり、記録ヘッド1は、ケース2と、このケース2内に収納される振動子ユニット3と、ケース2の先端面に接合される流路ユニット4と、先端面とは反対側のケース2の取付面上に配置される接続基板5と、ケース2の取付面側に取り付けられる供給針ユニット6等から概略構成されている。
上記の振動子ユニット3は、図3に示すように、圧電振動子群7と、この圧電振動子群7が接合される固定板8と、圧電振動子群7に駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル9とから概略構成される。
圧電振動子群7は、列状に形成された複数の圧電振動子10…を備える。各圧電振動子10…は、本発明の圧力発生素子の一種であり、電気機械変換素子の一種でもある。これらの各圧電振動子10…は、列の両端に位置する一対のダミー振動子10a,10aと、これらのダミー振動子10a,10aの間に配置された複数の駆動振動子10b…とから構成されている。そして、各駆動振動子10b…は、例えば、50μm〜100μm程度の極めて細い幅の櫛歯状に切り分けられ、180本設けられる。
また、ダミー振動子10aは、駆動振動子10bよりも十分広い幅であり、駆動振動子10bを衝撃等から保護する保護機能と、振動子ユニット3を所定位置に位置付けるためのガイド機能とを有する。
各圧電振動子10…は、固定端部を固定板8上に接合することにより、自由端部を固定板8の先端面よりも外側に突出させている。すなわち、各圧電振動子10…は、所謂片持ち梁の状態で固定板8上に支持されている。そして、各圧電振動子10…の自由端部は、圧電体と内部電極とを交互に積層して構成されており、対向する電極間に電位差を与えることで素子長手方向に伸縮する。
フレキシブルケーブル9は、固定板8とは反対側となる固定端部の側面で圧電振動子10と電気的に接続されている。そして、このフレキシブルケーブル9の表面には、圧電振動子10の駆動等を制御するための制御用IC11が実装されている。また、各圧電振動子10…を支持する固定板8は、圧電振動子10からの反力を受け止め得る剛性を備えた板状部材であり、ステンレス板等の金属板が好適に用いられる。
上記のケース2は、例えば、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂で成型されたブロック状部材である。ここで、ケース2を熱硬化性樹脂で成型しているのは、この熱硬化性樹脂は、一般的な樹脂よりも高い機械的強度を有しており、線膨張係数が一般的な樹脂よりも小さく、周囲の温度変化による変形が小さいからである。そして、このケース2の内部には、振動子ユニット3を収納可能な収納空部12と、インクの流路の一部を構成するインク供給路13とが形成されている。また、ケース2の先端面には、共通インク室(リザーバ)14となる先端凹部15が形成されている。
収納空部12は、振動子ユニット3を収納可能な大きさの空部である。この収納空部12の先端側部分はケース内壁が側方に向けて部分的に突出しており、この突出部分の上面が固定板当接面として機能する。そして、振動子ユニット3は、各圧電振動子10の先端が開口から臨む状態で収納空部12内に収納される。
この収納状態において、固定板8の先端面は固定板当接面に当接した状態で接着されている。
先端凹部15は、ケース2の先端面を部分的に窪ませることにより作製されている。本実施例の先端凹部15は、収納空部12よりも左右外側に形成された略台形状の凹部であり、収納空部12側に台形の下底が位置するように形成されている。
インク供給路13は、ケース2の高さ方向を貫通するように形成され、先端が先端凹部15に連通している。また、インク供給路13における取付面側の端部は、取付面から突設した接続口16内に形成されている。
上記の接続基板5は、記録ヘッド1に供給する各種信号用の電気配線が形成されると共に、信号ケーブルを接続可能なコネクタ17が取り付けられた配線基板である。そして、この接続基板5は、ケース2における取付面上に配置され、フレキシブルケーブル9の電気配線が半田付け等によって接続される。また、コネクタ17には、制御装置(図示せず)からの信号ケーブルの先端が挿入される。
上記の供給針ユニット6は、インクカートリッジ(図示せず)が接続される部分であり、針ホルダ18と、インク供給針19と、フィルタ20とから概略構成される。
インク供給針19は、インクカートリッジ内に挿入される部分であり、インクカートリッジ内に貯留されたインクを導入する。このインク供給針19の先端部は円錐状に尖っており、インクカートリッジ内に挿入し易くなっている。また、この先端部には、インク供給針19の内外を連通するインク導入孔が複数穿設されている。そして、本実施例の記録ヘッド1は2種類のインクを吐出可能であるため、このインク供給針19を2本備えている。
針ホルダ18は、インク供給針19を取り付けるための部材であり、その表面にはインク供給針19の根本部分を止着するための台座21を2本分横並びに形成している。この台座21は、インク供給針19の底面形状に合わせた円形状に作製されている。また、台座底面の略中心には、針ホルダ18の板厚方向を貫通するインク排出口22を形成している。また、この針ホルダ18には、フランジ部を側方に延出している。
フィルタ20は、埃や成型時のバリ等のインク内の異物の通過を阻止する部材であり、例えば、目の細かな金属網によって構成される。このフィルタ20は、台座21内に形成されたフィルタ保持溝に接着されている。
そして、この供給針ユニット6は、図2に示すように、ケース2の取付面上に配設される。この配設状態において、供給針ユニット6のインク排出口22とケース2の接続口16とは、パッキン23を介して液密状態で連通する。
次に、上記の流路ユニット4について説明する。この流路ユニット4は、圧力発生室形成板30の一方の面にノズルプレート31を、圧力発生室形成板30の他方の面に弾性板32を接合した構成である。
圧力発生室形成板30は、図4に示すように、溝状窪部33と、連通口34と、逃げ凹部35とを形成した金属製の板状部材である。本実施例では、この圧力発生室形成板30を、厚さ0.35mmのニッケル製の金属基板を加工することで作製している。
ここで、金属基板としてニッケルを選定した理由について説明する。第1の理由は、このニッケルの線膨張係数が、ノズルプレート31や弾性板32の主要部を構成する金属(本実施例では後述するようにステンレス)の線膨張係数と略等しいからである。すなわち、流路ユニット4を構成する圧力発生室形成板30、弾性板32およびノズルプレート31の線膨張係数が揃うと、これらの各部材を加熱接着した際において、各部材は均等に膨張する。このため、膨張率の相違に起因する反り等の機械的ストレスが発生し難い。その結果、接着温度を高温に設定しても各部材を支障なく接着することができる。また、記録ヘッド1の作動時に圧電振動子10が発熱し、この熱によって流路ユニット4が加熱されたとしても、流路ユニット4を構成する各部材30,31,32が均等に膨張する。このため、記録ヘッド1の作動に伴う加熱と作動停止に伴う冷却とが繰り返し行なわれても、流路ユニット4を構成する各部材30,31,32に剥離等の不具合は生じ難い。
第2の理由は、防錆性に優れているからである。すなわち、この種の記録ヘッド1では水性インクが好適に用いられているので、長期間に亘って水が接触しても錆び等の変質が生じないことが肝要である。その点、ニッケルは、ステンレスと同様に防錆性に優れており、錆び等の変質が生じ難い。
第3の理由は、展性に富んでいるからである。すなわち、圧力発生室形成板30を作製するにあたり、本実施例では後述するように塑性加工(例えば、鍛造加工)で行なっている。そして、圧力発生室形成板30に形成される溝状窪部33や連通口34は、極めて微細な形状であり、且つ、高い寸法精度が要求される。そして、金属基板にニッケルを用いると、展性に富んでいることから塑性加工であっても溝状窪部33や連通口34を高い寸法精度で形成することができる。
なお、圧力発生室形成板30に関し、上記した各要件、すなわち、線膨張係数の要件、防錆性の要件、および、展性の要件を満たすならば、ニッケル以外の金属で構成してもよい。
溝状窪部33は、圧力発生室29となる溝状の窪部であり、図5に拡大して示すように、直線状の溝によって構成されている。本実施例では、幅約0.1mm,長さ約1.5mm,深さ約0.1mmの溝を溝幅方向に180個列設している。この溝状窪部33の底面は、深さ方向(すなわち、奥側)に進むに連れて縮幅されてV字状に窪んでいる。底面をV字状に窪ませたのは、隣り合う圧力発生室29,29同士を区画する隔壁部28の剛性を高めるためである。すなわち、底面をV字状に窪ませることにより、隔壁部28の根本部分(底面側の部分)の肉厚が厚くなって隔壁部28の剛性が高まる。そして、隔壁部28の剛性が高くなると、隣の圧力発生室29からの圧力変動の影響を受け難くなる。すなわち、隣の圧力発生室29からのインク圧力の変動が伝わり難くなる。また、底面をV字状に窪ませることにより、溝状窪部33を塑性加工によって寸法精度よく形成することもできる(後述する)。そして、このV字の角度は、加工条件によって規定されるが、例えば90度前後である。
さらに、隔壁部28における先端部分の肉厚が極く薄いことから、各圧力発生室29…を密に形成しても必要な容積を確保することができる。
また、本実施例における溝状窪部33に関し、その長手方向両端部は、奥側に進むにつれて内側に下り傾斜している。すなわち、溝状窪部33の長手方向両端部は、面取形状に形成されている。このように構成したのも、溝状窪部33を塑性加工によって寸法精度よく形成するためである。
さらに、両端部の溝状窪部33,33に隣接させてこの溝状窪部33よりも幅広なダミー窪部36を1つずつ形成している。このダミー窪部36は、インク滴の吐出に関与しないダミー圧力発生室となる溝状の窪部である。本実施例のダミー窪部36は、幅約0.2mm,長さ約1.5mm,深さ約0.1mmの溝によって構成されている。そして、このダミー窪部36の底面は、W字状に窪んでいる。これも、隔壁部28の剛性を高めるため、および、ダミー窪部36を塑性加工によって寸法精度よく形成するためである。
そして、各溝状窪部33…および一対のダミー窪部36,36によって窪部列が構成される。本実施例では、この窪部列を横並びに2列形成している。
連通口34は、溝状窪部33の底部の一端から板厚方向を貫通する微細貫通孔として形成している。この連通口34は、溝状窪部33毎に形成されており、1つの窪部列に180個形成されている。本実施例の連通口34は、図5に示すように、開口形状が矩形状であり、圧力発生室形成板30における溝状窪部33側から板厚方向の途中まで形成した第1連通口37と、この第1連通口37に連続して圧力発生室形成板30の裏面に開口している第2連通口38とから構成されている。
そして、第1連通口37と第2連通口38とは断面積が異なっており、第2連通口38の内寸法が第1連通口37の内寸法よりも僅かに小さく設定されている。これは、連通口34をプレス加工によって作製していることに起因する。すなわち、この圧力発生室形成板30は、厚さ0.35mmのニッケル板を加工することで作製しているため、連通口34の長さは、溝状窪部33の深さを差し引いても0.25mm以上となる。そして、連通口34の幅は、溝状窪部33の溝幅よりも狭くする必要があるので、0.1mm未満に設定される。このため、連通口34を1回の加工で打ち抜こうとすると、アスペクト比の関係で雄型(ポンチ)が座屈するなどしてしまう。
そこで、本実施例では、加工を2回に分け、1回目の加工では第1連通口37を板厚方向の途中まで形成し、2回目の加工で第2連通口38を形成している。なお、この連通口34の加工手順については、後で説明する。
また、ダミー窪部36にはダミー連通口39が形成されている。このダミー連通口39は、上記の連通口34と同様に、第1ダミー連通口40と第2ダミー連通口41とから構成されており、第2ダミー連通口41の内寸法が第1ダミー連通口40の内寸法よりも小さく設定されている。
なお、本実施例では、上記の連通口34およびダミー連通口39に関し、開口形状が矩形状の微細貫通孔によって構成されたものを例示したが、この形状に限定されるものではない。例えば、円形に開口した貫通孔や多角形状の貫通孔によって構成してもよい。
図2および図4に示すように、逃げ凹部35は、共通インク室14におけるコンプライアンス部の作動用空間を形成する。本実施例では、ケース2の先端凹部15と略同じ形状であって、深さが溝状窪部33と等しい台形状の凹部によって構成している。
次に、上記の弾性板32について説明する。この弾性板32は、封止板の一種であり、例えば、支持板42上に弾性体膜43を積層した二重構造の複合材(本発明の金属材の一種)によって作製される。本実施例では、支持板42としてステンレス板を用い、弾性体膜43としてPPS(ポリフェニレンサルファイド)を用いている。
図6に示すように、弾性板32には、ダイヤフラム部44と、インク供給口45と、コンプライアンス部46とを形成している。
ダイヤフラム部44は、圧力発生室29の一部を区画する部分である。すなわち、ダイヤフラム部44は溝状窪部33の開口面を封止し、この溝状窪部33と共に圧力発生室29を区画形成する。このダイヤフラム部44は、図7(a)に示すように、溝状窪部33に対応した細長い形状であり、溝状窪部33を封止する封止領域に対し、各溝状窪部33…毎に形成されている。具体的には、ダイヤフラム部44の幅は溝状窪部33の溝幅と略等しく設定され、ダイヤフラム部44の長さは溝状窪部33の長さよりも多少短く設定されている。長さに関し、本実施例では、溝状窪部33の長さの約2/3に設定されている。そして、形成位置に関し、図2に示すように、ダイヤフラム部44の一端を、溝状窪部33の一端(連通口34側の端部)に揃えている。
このダイヤフラム部44は、図7(b)に示すように、溝状窪部33に対応する部分の支持板42をエッチング等によって環状に除去して弾性体膜43のみとすることで作製され、この環内には島部47を形成している。この島部47は、圧電振動子10の先端面が接合される部分である。
インク供給口45は、圧力発生室29と共通インク室14とを連通するための孔であり、弾性板32の板厚方向を貫通している。このインク供給口45も、ダイヤフラム部44と同様に、溝状窪部33に対応する位置に各溝状窪部33…毎に形成されている。このインク供給口45は、図2に示すように、連通口34とは反対側の溝状窪部33の他端に対応する位置に穿設されている。また、このインク供給口45の直径は、溝状窪部33の溝幅よりも十分に小さく設定されている。本実施例では、23ミクロンの微細な貫通孔によって構成している。
このようにインク供給口45を微細な貫通孔にした理由は、圧力発生室29と共通インク室14との間に流路抵抗を付与するためである。すなわち、この記録ヘッド1では、圧力発生室29内のインクに付与した圧力変動を利用してインク滴を吐出させている。このため、インク滴を効率よく吐出させるためには、圧力発生室29内のインク圧力をできるだけ共通インク室14側に逃がさないようにすることが肝要である。この観点から本実施例では、インク供給口45を微細な貫通孔によって構成している。
そして、本実施例のように、インク供給口45を貫通孔によって構成すると、加工が容易であり、高い寸法精度が得られるという利点がある。すなわち、このインク供給口45は貫通孔であるため、レーザー加工による作製が可能である。従って、微細な直径であっても高い寸法精度で作製でき、作業も容易である。
コンプライアンス部46は、共通インク室14の一部を区画する部分である。
すなわち、コンプライアンス部46と先端凹部15とで共通インク室14を区画形成する。このコンプライアンス部46は、先端凹部15の開口形状と略同じ台形状であり、支持板42の部分をエッチング等によって除去し、弾性体膜43だけにすることで作製される。
なお、弾性板32を構成する支持板42および弾性体膜43は、この例に限定されるものではない。例えば、弾性体膜43としてポリイミドを用いてもよい。また、この弾性板32を、ダイヤフラム部44になる厚肉部および該厚肉部周辺の薄肉部と、コンプライアンス部46になる薄肉部とを設けた金属板で構成してもよい。
次に、上記のノズルプレート31について説明する。ノズルプレート31は、ノズル開口48を列設した金属製の板状部材である。本実施例ではステンレス板を用い、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口48…を開設している。本実施例では、合計180個のノズル開口48…を列設してノズル列を構成し、このノズル列を2列横並びに形成している。
そして、このノズルプレート31を圧力発生室形成板30の他方の表面、すなわち、弾性板32とは反対側の表面に接合すると、対応する連通口34に各ノズル開口48が連通した状態となる。
そして、上記の弾性板32を、圧力発生室形成板30の一方の表面、すなわち、溝状窪部33の形成面に接合すると、ダイヤフラム部44が溝状窪部33の開口面を封止して圧力発生室29が区画形成される。同様に、ダミー窪部36の開口面も封止されてダミー圧力発生室が区画形成される。また、上記のノズルプレート31を圧力発生室形成板30の他方の表面に接合するとノズル開口48が対応する連通口34に臨む。この状態で島部47に接合した圧電振動子10を伸縮すると、島部周辺の弾性体膜43が変形し、島部47が溝状窪部33側に押されたり、溝状窪部33側から離隔する方向に引かれたりする。この弾性体膜43の変形により、圧力発生室29が膨張したり収縮したりして圧力発生室29内のインクに圧力変動が付与される。
さらに、弾性板32(すなわち、流路ユニット4)をケース2に接合すると、コンプライアンス部46が先端凹部15を封止する。このコンプライアンス部46は、共通インク室14に貯留されたインクの圧力変動を吸収する。すなわち、貯留されたインクの圧力に応じて弾性体膜43が膨張したり収縮したりして変形する。そして、上記の逃げ凹部35は、弾性体膜43の膨張時において、弾性体膜43が膨らむための空間を形成する。
上記構成の記録ヘッド1は、インク供給針19から共通インク室14までの共通インク流路と、共通インク室14から圧力発生室29を通って各ノズル開口48…に至る個別インク流路とを有する。そして、インクカートリッジに貯留されたインクは、インク供給針19から導入されて共通インク流路を通って共通インク室14に貯留される。この共通インク室14に貯留されたインクは、個別インク流路を通じてノズル開口48から吐出される。
例えば、圧電振動子10を収縮させると、ダイヤフラム部44が振動子ユニット3側に引っ張られて圧力発生室29が膨張する。この膨張により圧力発生室29内が負圧化されるので、共通インク室14内のインクがインク供給口45を通って各圧力発生室29に流入する。その後、圧電振動子10を伸張させると、ダイヤフラム部44が圧力発生室形成板30側に押されて圧力発生室29が収縮する。この収縮により、圧力発生室29内のインク圧力が上昇し、対応するノズル開口48からインク滴が吐出される。
そして、この記録ヘッド1では、圧力発生室29(溝状窪部33)の底面がV字状に窪んでいる。このため、隣り合う圧力発生室29,29同士を区画する隔壁部28は、その根本部分の肉厚が先端部分の肉厚よりも厚く形成される。これにより、隔壁部28の剛性を従来よりも高めることができる。従って、インク滴の吐出時において、圧力発生室29内にインク圧力の変動が生じたとしても、その圧力変動を隣の圧力発生室29に伝わり難くすることができる。その結果、所謂隣接クロストークを防止でき、インク滴の吐出を安定化できる。
また、本実施例では、共通インク室14と圧力発生室29とを連通するインク供給口45を、弾性板32の板厚方向を貫通する微細孔によって構成したので、レーザー加工等によって高い寸法精度が容易に得られる。これにより、各圧力発生室29…へのインクの流入特性(流入速度や流入量等)を高いレベルで揃えることができる。さらに、レーザー光線によって加工を行なった場合には、加工も容易である。
また、本実施例では、列端部の圧力発生室29,29に隣接させてインク滴の吐出に関与しないダミー圧力発生室(すなわち、ダミー窪部36と弾性板32とによって区画される空部)を設けたので、これらの両端の圧力発生室29,29に関し、片側には隣りの圧力発生室29が形成され、反対側にはダミー圧力発生室が形成されることになる。これにより、列端部の圧力発生室29,29に関し、その圧力発生室29を区画する隔壁の剛性を、列途中の他の圧力発生室29…における隔壁の剛性に揃えることができる。その結果、一列全ての圧力発生室29のインク滴吐出特性を揃えることができる。
さらに、このダミー圧力発生室に関し、列設方向側の幅を各圧力発生室29…の幅よりも広くしている。換言すれば、ダミー窪部36の幅を溝状窪部33の幅よりも広くしている。これにより、列端部の圧力発生室29と列途中の圧力発生室29の吐出特性をより高い精度で揃えることができる。
さらに、本実施例では、ケース2の先端面を部分的に窪ませて先端凹部15を形成し、この先端凹部15と弾性板32とにより共通インク室14を区画形成しているので、共通インク室14を形成するための専用部材が不要であり、構成の簡素化が図れる。また、このケース2は樹脂成型によって作製されているので、先端凹部15の作製も比較的容易である。
次に、上記記録ヘッド1の製造方法について説明する。なお、この製造方法では、上記の圧力発生室形成板30の製造工程に特徴を有しているので、圧力発生室形成板30の製造工程を中心に説明することにする。
なお、この圧力発生室形成板30は、順送り型による鍛造加工によって作製される。また、圧力発生室形成板30の素材として使用される帯状の金属基板55(図10参照)は、上記したようにニッケル製である。
圧力発生室形成板30の製造工程は、窪み状部である溝状窪部33を形成する溝状窪部形成工程と、連通口34を溝状窪部33の底部に形成する連通口形成工程とからなり、順送り型によって行なわれる。
溝状窪部形成工程では、図8に示す第1雄型51と図9に示す雌型52とを用いる。この第1雄型51は、溝状窪部33を形成するための金型である。この雄型には、溝状窪部33を形成するための突条部53を、溝状窪部33と同じ数だけ列設してある。また、列設方向両端部の突条部53に隣接させてダミー窪部36を形成するためのダミー突条部(図示せず)も設ける。突条部53の先端部分53aは先細りしており、例えば図8(b)に示すように、幅方向の中心から45度程度の角度で面取りされている。これにより、長手方向から見てV字状に尖っている。また、先端部分53aにおける長手方向の両端は、図8(a)に示すように、45度程度の角度で面取りしてある。このため、突条部53の先端部分53aは、三角柱の両端を面取りした形状となっている。
また、図9に示すように、雌型52には、その上面に筋状突起54が複数形成されている。この筋状突起54は、隣り合う圧力発生室29,29同士を区画する隔壁の形成を補助するものであり、突条部53に対向した位置に突条部53の長手方向と同方向に設けられている。そして、筋状突起54は、図9,図10に示すように、断面が楔形とされ尖った部分が突条部53の先端部分53aに対向している。また、筋状突起54の長さは溝状窪部33(突条部53)の長さと同程度に設定されている。
そして、溝状窪部形成工程では、まず、図10(a)に示すように、雌型52の上面に金属基板55を載置し、金属基板55の上方に第1雄型51を配置する。次に、図10(b)に示すように、第1雄型51を下降させて突条部53の先端部を金属基板55内に押込む。このとき、突条部53の先端部分53aをV字状に尖らせているので、突条部53を座屈させることなく先端部分53aを金属基板55内に確実に押込むことができる。この突条部53の押込みは、図10(c)に示すように、金属基板55の板厚方向の途中まで行なう。
突条部53の押込みにより、金属基板55の一部分が流動し、溝状窪部33が形成される。ここで、突条部53の先端部分53aがV字状に尖っているので、微細な形状の溝状窪部33であっても、高い寸法精度で形成することができる。すなわち、先端部分53aで押された部分が円滑に流れるので、形成される溝状窪部33は突条部53の形状に倣った形状に形成される。さらに、先端部分53aにおける長手方向の両端も面取りしてあるので、当該部分で押圧された金属基板55も円滑に流れる。従って、溝状窪部33の長手方向両端部についても高い寸法精度で形成できる。
上記のように先端部分53aが金属基板55に食込むと、先端部分53aに対向している筋状突起54と先端部分53aとの間で金属素材が挟みつけられ、それに伴う素材の流動が突条部53,53の間の空間内に向ってなされる。
また、突条部53の押込みを板厚方向の途中で止めているので、貫通孔として形成する場合よりも厚い金属基板55を用いることができる。これにより、圧力発生室形成板30の剛性を高めることができ、インク滴の吐出特性の向上が図れる。また、圧力発生室形成板30の取り扱いも容易となるうえ、平面精度の向上にも有利である。
また、突条部53で押圧されたことにより、金属基板55の一部は隣り合う突条部53,53の空間内に隆起する。ここで、雌型52に設けた筋状突起54は、突条部53,53と対向するよう配置されているので、この空間内への金属基板55の流れを補助する。これにより、突条部53間の空間に対して効率よく金属基板55を導入することができ、隆起部を高く形成できる。
つぎに、金属基板に窪み状部を多数形成した場合における金属基板の変形挙動について説明する。
図10(c)は第1雄型51が進出し切って最大ストロークとなっている状態である。この状態では、金属基板55は第1雄型51と雌型52との間で完全に拘束された状態になっている。ここで、第1雄型51が元の位置に復帰すると、金属基板55は開放状態となる。このときに金属基板55の内部応力によって、圧力発生室形成板30は図10(d)に示すように、中央部が低く端部側が高い位置をとるような滑らかな曲線状の変形を呈する。この変形は略円弧状である。上記のように湾曲するのは、金属基板55の多肉部55aが内部応力によって溝状窪部33の列設方向に延びる現象と、多肉部55aの上側に位置する溝状窪部33が空間部になっていて上記列設方向の延びを制約できない現象とが複合して発生しているものと考えられる。
換言すると、上述のように、この湾曲形状は、溝状窪部33が開口している側を上側に溝状窪部33の底部を下側にして圧力発生室形成板30を略水平状態にした場合、列設された溝状窪部33の列設端部が上位に位置し、この列設端部から中央部に向って徐々に下位になって行く形状となっている。
このようにして溝状窪部33を形成したならば、連通口形成工程に移行して溝状窪部33の底部に微細穴である連通口34を形成する。
この連通口形成工程では、図11に示すように、第2雄型57と第3雄型59とを用いる。ここで、第2雄型57は、第1連通口37の形状に対応する角柱状の第1ポンチ56を複数本櫛歯状に設けたもの、すなわち、複数の第1ポンチ56…をベース部材に所定ピッチで列設したものである。また、第3雄型59は、第2連通口38の形状に対応した角柱状の第2ポンチ58を複数本櫛歯状に形成したものであり、同様に、複数の第2ポンチ58…をベース部材に所定ピッチで列設したものである。なお、第2ポンチ58は、第1ポンチ56よりも一回り細い形状に作製されている。
図10(d)に示すように、溝状窪部33の底部も略円弧状の線上に配列されているので、第1ポンチ56におけるポンチ列56aのポンチ先端列56bは、図11(d)に示すように、溝状窪部33の円弧形状に略等しい略円弧状になっている。上記ポンチ先端列56bは、各ポンチ56の先端部をポンチの配列方向に連ねることによって形成される形状線を意味している。なお、図11(d)〜(h)においては、圧力発生室形成板30(金属基板55)にあらかじめ成形されている溝状窪部33は、短い線を細かく並べて簡略的に図示してある。
この連通口形成工程では、ベース部材を昇降させて列設された第1ポンチ56および第2ポンチ58を一斉に上下させて、列状に並んだ微細穴である連通口34を同時に穿設加工する。すなわち、まず、図11(a)に示すように、第2雄型57の第1ポンチ56を金属基板55における溝状窪部33側の底部から板厚方向の途中まで押込んで第1連通口37となる非貫通状の窪部を形成する(第1連通口形成工程)。この第1連通口形成工程においては、ポンチ先端列56bが図11(d)に示すように、滑らかな曲線状である略円弧状になっているので各ポンチ56の先端部すなわちポンチ先端列56bは、略同時期に溝状窪部33の底部に押込まれる。
上記のように、各ポンチ56が溝状窪部33の底部に押込まれる時期が略同じなので、各ポンチ56に課せられる加工負荷が均一になり、ポンチ先端列56bの特定の箇所が早期の内に損耗するようなことがない。また、各加工箇所の押込み深さが均一になるので、加工精度を向上させることができる。
第3雄型59の第2ポンチ58においても、図11(b)に示すように、上記ポンチ56と同様に、ポンチ列58aと各ポンチ58の先端部で形成されるポンチ先端列58bが形成されている。上記ポンチ先端列58bは圧力発生室形成板30の円弧線上に配列されている。上記のように、第1連通口37となる窪部を形成したならば、図11(b)に示すように、第3雄型59の第2ポンチ58を溝状窪部33側から押込んで第1連通口37の底部に押込み、第2連通口38となる非貫通状の窪部を形成する(第2連通口形成工程)。この第2連通口形成工程において、金属基板55の裏面に膨出部38aが形成される。
その後、上記膨出部38aを図11(b)に2点鎖線で示す仮想平面30aのところまで研磨して、第2連通口38を圧力発生室形成板30の裏面側に開通させる(第3連通口形成工程)。
図11(e)は、ポンチ先端列56bを直線状にした比較例を示す。このような場合は、ポンチ先端列56bの端部近傍のポンチ56が最初に溝状窪部33の底部に押込まれ、順次、押込み箇所が溝状窪部33の列設中央部側に移行して行く。したがって、ポンチ先端列56bの端部近傍のポンチ56が果たしている素材変形の時間が長時間にわたり、そのために加工負荷が大きくなって端部近傍のポンチ56が早期の内に損耗する。
溝状窪部33の列設方向における湾曲形状と、ポンチ先端列56bの湾曲形状とが、図11(d)に示すように、略同じになっているのが最も望ましいのであるが、それに近似した状態であっても本発明の課題は解決される。すなわち、図11(f)に示す変形例は、ポンチ先端列56bが、ポンチ列56aの端部近傍部分が傾斜する直線状部分56cに形成されるとともに、ポンチ列56aの中央近傍は列方向に延びる直線状部分56dに形成されている。また、(g)に示すように、ポンチ先端列56bは、ポンチ列の端部近傍から中央部側に向って段階的に突出する段状に形成されている。あるいは、(h)に示すように、ポンチ先端列56bは、ポンチ列56aの端部近傍部分が傾斜する直線状部分56cに形成されている。
上記微細穴の穿設加工方法の実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
すなわち、本発明の微細穴の穿設加工方法によれば、金属基板55における圧力発生室形成板30に所定のピッチで列状に並んだ溝状窪部33が形成される際に、圧力発生室形成板30の成形局部に発生する内部応力等が列状であることにより集積されて、溝状窪部33の列状の配列形態が、溝状窪部33の列設方向で見て、例えば、圧力発生室形成板30が湾曲したような異形形態を呈する。このような異形形態であっても、ポンチ列56a,58aの各ポンチ56,58が各溝状窪部33に対して略同じ時期に押込まれるので、各溝状窪部33における加工形状が均一に確保され、異形形態による加工精度の低下を防止して良好な精度品質が得られる。さらに、各ポンチ56,58に対する加工負荷は偏ることがないので、特定の部分のポンチが曲がったり折損したりすることがなく、ポンチの耐久性を向上することができる。上記のような利点は、例えば、液体噴射ヘッドにおける微細穴を列状に設ける場合において、とくに有効なものである。
上記ポンチ列56a,58aにおけるポンチ先端列56b,58bは、ポンチ列56a,58aの端部近傍よりも中央部近傍が、雄型57,59の進出方向に向かって突出しているので、上記溝状窪部33の配列状態が湾曲した異形形態であっても、上記ポンチ先端列56b,58bを上記湾曲形状に適合または近似させることにより、溝状窪部33に各ポンチ56,58を略同時期に押込むことができる。
上記ポンチ列56a,58aにおけるポンチ先端列56b,58bが、滑らかな曲線状である場合には、溝状窪部33の湾曲配列状態に対してポンチ先端列56b,58bを正確に適合させることができ、各ポンチ56,58を同時に押込むことが可能となる。
図11(f)や(h)に示すように、上記ポンチ列56a,58aにおけるポンチ先端列56b,58bが、ポンチ列56a,58aの端部近傍部分が傾斜する直線状部分56cに形成されているので、溝状窪部33の湾曲配列状態に対してポンチ先端列56b,58bを近似させて適合させることができ、各ポンチ56,58を略同時に押込むことが可能となる。
図11(f)に示すように、上記ポンチ列56a,58aにおけるポンチ先端列56b,58bが、ポンチ列56a,58aの端部近傍部分が傾斜する直線状部分56cに形成されるとともに、ポンチ列の中央近傍は列方向に延びる直線状部分56dに形成されているので、溝状窪部33の湾曲配列状態に対してポンチ先端列56b,58bを近似させて適合させることができ、各ポンチ56,68を略同時に押込むことが可能となる。量産レベルで耐用テストを行なった結果、この例(f)が他のポンチ先端列に比して約5倍の耐久性が認められた。
図11(g)に示すように、上記ポンチ列56,58におけるポンチ先端列56b,58bが、ポンチ列56a,58aの端部近傍から中央部側に向って段階的に突出する段状に形成されているので、溝状窪部33の湾曲配列状態に対してポンチ先端列56b,58bを近似させて適合させることができ、各ポンチ56,58を略同時に押込むことが可能となる。
図11(d),(f),(g)および(h)に示すように、上記ポンチ56,58の長さが、ポンチ列56a,58aの端部近傍のポンチ56,58が、ポンチ列56a,58aの略中央部のポンチ56,58よりも短くなるよう設定されているので、端部近傍のポンチ56,58の加工負荷が大きくなっても、上記のように端部近傍のポンチ長さが短くしてあるので、この部分の耐久性が中央部側よりも低下するようなことが防止できる。
上記の矩形断面形状の各ポンチ56,58が略同時に溝状窪部33に押込まれることにより、形状精度の高い矩形の微細穴が得られる。
第1ポンチであるポンチ56により圧力発生室形成板30に非貫通状の窪部を形成する第1工程と、第2ポンチであるポンチ58により上記窪部の底部を膨出させて非貫通状の窪部を形成する第2工程と、上記膨出した箇所である膨出部38aを研磨加工で切除する第3工程を含んだ工程で連通口34が形成されている。したがって、溝状窪部33に対する各ポンチ56,58の押込み時期が略同じで押込み量も各ポンチ56,58において略均一であることにより、第1工程および第2工程における各窪部が正確な形状となり、上記膨出箇所(38a)の膨出量も略均一となる。したがって、第3工程における研磨加工の研磨量も各窪部毎に一定となり、第3工程が簡素化され、微細穴の長さが均一なものとなる。
上記窪み状部が溝状窪部33あることから、溝状窪部33のピッチに適合させて溝状窪部33の所定の箇所に正確に微細穴を列状に形成することができる。
上記溝状窪部33がV字状の底部を有しているので、V字状の底部を有する溝状窪部33に連通口34を穿設する場合、溝状窪部33が列設方向に異形形態であると、V字状の傾斜面によって第1連通口37を成形するポンチ56の曲がりや逃げが発生しやすく加工精度が低下しがちであるが、ポンチ56の押込み時期を上記異形形態に合わせて略同じにすることにより、このような加工精度の問題を解消することができる。
上記微細穴の穿設加工に使用する工具は、雄型57,59の先端部にポンチ56,58を所定ピッチで列設してポンチ列56a,58aを形成し、上記ポンチ列56a,58aにおけるポンチ先端列56b,58bは、ポンチ列56a,58aの端部近傍よりも中央部近傍が、雄型57,59の進出方向に向かって突出している。
したがって、上記溝状窪部33の配列状態が湾曲した異形形態であっても、上記ポンチ先端列56b,58bを上記湾曲形状に適合または近似させることにより、溝状窪部33に各ポンチ56,58を略同時期に押込むことができる。同時に、各ポンチ56,58の加工負荷が略均一であるから、特定の箇所のポンチ56,58が早期の内に損傷したりすることがなく、高価な工具としての寿命を長期化することができ、経済的である。
つぎに、図12に示すように、上記櫛歯状の両ポンチ56,58でのプレス加工による連通口34を穿設加工する第1連通口形成工程および第2連通口形成工程において、第1ポンチ56および第2ポンチ58をそれぞれガイド部材70a,70bで挟持してガイドしながら加工することが行なわれる。以下、この点について説明する。
図12(a)は、所定ピッチで櫛歯状に列設されたポンチ56,58と、各ポンチ56,58をガイドするガイド部材70a,70bを示す模式図である。これを実際のポンチに適用した状態が図12(b)に示されている。
図13(a)は図12(a)の横断面図、(b)は列設方向の縦断面図である。なお、図ではポンチ56,58を5つしか示していないが、実際には、圧力発生室29となる溝状窪部33と同じ数だけ列設される。
上記第1および第2ポンチ56,58は、図14に示すように、それぞれ断面形状が矩形であり、上記矩形の平行な2辺を含む面A,Bが、それぞれ列設方向Lに沿うよう所定ピッチで列設されている。そして、上記列設された各ポンチ56,58の列設方向に沿った両側面A,Bを2方向からガイド部材70a,70bにより挟持してガイドしている(図13(a)参照)。
上記ガイド部材70a,70bは、ポンチ56,58の列設方向Lに延びる一対の角棒状であり、ガイド部材70a,70bの対面する内側面で各ポンチ56,58の列設方向に沿った両側面A,Bをガイドするようになっている。
上記各ガイド部材70a,70bには、列設されたポンチ56,58同士の間隙72に面するポンチ56,58の側面C,D(図14参照)をガイドする突部71が設けられている。上記突部71は、ガイド部材70a,70bの対面する内側面に、ガイド部材70a,70bの上端から下端にわたって上下方向に延びるよう形成されている。また、列設されたポンチ56,58の両端部に位置するポンチ56,58の列設方向Lの外側面をガイドする突部71は、いわゆる凸状ではなく段状に形成されている。本実施例において、上記間隙72に面するポンチ56,58の側面C,Dをガイドする突部71は、この両端部の突部71も含むものとする。
このような突部71は、ガイド部材70a,70bの対面する内側面に研削による溝加工を施すことにより、溝と溝の間に残される突条により形成される。このように、比較的安価な加工手段である研削による溝加工によって突部71を形成することによりガイド部材70a,70bの加工コストを低減し、全体的な加工コストの低減を図ることができる。しかも、突部71を高い加工精度で加工することが可能で、ポンチ56,58のガイド精度を十分確保し、連通口34の加工精度も確保できる。
上記突部71は、一方のガイド部材70aにおいて、列設されたポンチ56,58同士の間隙72の1つおきに設けられ、他方のガイド部材70bにおいても、上記間隙72の1つおきに設けられている。そして、上記1つおきに設けられた突部71は、列設されたポンチ56,58の一側面A側に配置された一方のガイド部材70aと、他側面B側に配置された他方のガイド部材70bとの間においては、千鳥状に配置されている。
そして、一方のガイド部材70aでは突部71同士の間にポンチ56,58が2つずつ配置され、他方のガイド部材70bでは、一方のガイド部材70aと1つずれた位置において同様に2つずつ配置されている。
上記ガイド部材70a,70bによる下記の作用効果と、上述の本発明によるパンチ列56a,58aやパンチ先端列56b,58b等の作用効果が複合することにより、より一層優れた微細穴の穿設加工方法や工具が確保でき、さらには、品質的に安定した記録ヘッド1の製造やその装置が得られるのである。
上記突部71をこのような配置とすることにより、ポンチを列設方向Lに沿った2面A,Bの2方向だけからガイドするだけでなく、千鳥状に配置された突部71により、1つのポンチ56,58の間隙72に対応する面C,Dを含めた4方向からガイドすることができ、加工途中のポンチ56,58の曲がりや逃げを大幅に抑え、各連通口34の形状精度や寸法精度ならびに連通口34の配列精度を飛躍的に向上させることができる。
しかも、上記突部71をポンチ56,58同士の間隙72の1つおきに設けたことにより、ガイド部材70a,70bに形成される突部71の数をそれだけ少なくすることができ、突部71を形成させるガイド部材70a,70bの研削加工を簡略化でき、加工コストが比較的安価な研削の加工コストをさらに低減し、全体的なコストの低減を図ることができる。
このようなガイド部材70a,70bにより、列設されたポンチ56,58の列設方向Lに沿った両側面A,Bをガイド部材70a,70bにより挟持し、断面矩形の各ポンチ56,58の4面をガイド部材70a,70bの内側面および各突部71でガイドし、ガイドされた状態で各ポンチ56,58を金属基板55に押込むことにより、列状に並んだ開口形状矩形の連通口34を形成する。
このように、列設された各ポンチ56,58の列設方向Lに沿った両側面A,Bおよび間隙72に対応する面C,Dをガイドしながらプレス加工を行なうため、加工によって生じる応力によるポンチ56,58の曲がりや逃げが防止され、1つ1つの連通口34の形状精度や寸法精度を向上させるとともに、列状の並んだ連通口34の配列精度も向上させることができる。また、ポンチ56,58の曲がりや逃げが防止された状態で加工できることから、ポンチ56,58の磨耗や損傷を大幅に低減でき、工具寿命を大幅に延長することができ、連通口34の精度を長期間にわたって維持でき、工程管理や精度管理の面でも有利である。そして、隣接する溝状窪部33やV字状底部の加工形状を損なうことなく寸法精度良く加工でき、高精度の加工が比較的困難な所定ピッチで多数列設された微細穴を高精度で加工できる。
また、上記連通口形成工程では、金属基板55における塑性加工による加工部である溝状窪部33のV字状の底部をプレス加工により打ち抜いて微細な連通口34を形成する。このように、塑性加工による加工部は加工硬化によって加工性が低下し、微細な連通口34を形成する加工を行なう場合に精度や型寿命をあげるのがより困難であるが、ポンチ56,58をガイドしながら加工することにより、ポンチの曲がりや逃げを防止して高精度の加工ができる。また、V字状の底部を有する溝状窪部33に微細な連通口34を穿設する場合、ポンチ56,58の曲がりや逃げを起こしやすく、加工精度が低下しがちであるが、本実施例によれば、ポンチの曲がりや逃げを防止して高精度の加工ができる。
さらに、図15に示す一般的な手法である丸穴74によりガイド部75を形成するガイド部材73によって断面形状矩形のポンチ56,58をガイドする場合、ガイド部75の摺動面積が極めて微小なものとなり、ガイド部75の磨耗や損傷が激しく、ガイド部材73の寿命が極めて短いが、本実施例のように列設されたポンチ56,58を列設方向Lに沿った両面から一対のガイド部材70a,70bで挟持してガイドすることにより、ガイド面の摺動面積を広く確保でき、ガイド部材70a,70bの寿命を大幅に延長することができる。
また、上記のような丸穴74によるガイドによって列設されたポンチ56,58をガイドしようとすると、ピッチ寸法Pがある程度必要で、微小ピッチで列状に並ぶ穴を同時に穿設加工することができなかったが、本実施例によれば、ピッチ寸法Pを微小にしても、安定してガイドすることができ、高い加工精度を確保することができるのである。
本発明では、上記第1および第2ポンチ56,58のピッチ寸法Pは、0.3mm以下に設定し、このピッチで列設された連通口34を形成する場合に効果的であり、上記ピッチ寸法Pは0.25mm以下であるときにより効果的で、0.2mm以下であれば一層効果的である。
また、本発明は、特に、開口の大きさが0.2mm以下の連通口34を形成させる場合や、連通口34の開口寸法に対する金属基板55の厚みすなわち貫通寸法の比が0.5以上の微細穴を形成する場合に効果的である。また、上記比として0.8以上の微細穴を形成するのであればなお効果的であり、1以上の微細穴の加工であれば一層効果的である。なお、上記実施例では、連通口34の開口寸法は、0.095mm×0.16mmの矩形である。
さらに、本実施例では、太さの異なるポンチ56,58を用い、複数回の加工によって連通口34を作製しているので、極く微細な連通口34であっても寸法精度良く作製することができる。しかも、溝状窪部33側から作製する第1連通口37を板厚方向の途中までしか作製しないので、第1連通口37の作製時において、圧力発生室29の隔壁部28等が過度に引っ張られてしまう不具合を防止できる。これにより、溝状窪部33のV字状底部や隔壁部28の形状を損なうことなく寸法精度良く作製することができる。
なお、本実施例では、2回の加工によって連通口34を作製する工程を例示したが、3回以上の加工によって連通口34を作製してもよい。また、上記の不具合が生じなければ、1回の加工で連通口34を作製してもよい。
連通口34を作製したならば、金属基板55における溝状窪部33側の表面および反対側の表面を研磨して平坦化する(研磨工程)。すなわち、図11(c)に一点鎖線で示すように、溝状窪部33側の表面、および、溝状窪部33とは反対側の表面を研磨し、これらの各表面を平坦化すると共に、板厚を所定厚さ(本実施例では0.3mm)に調整する。
なお、上記の溝状窪部形成工程と連通口形成工程は、別ステージで行なってもよく、同一ステージで行なってもよい。そして、同一ステージで行なった場合には、両工程において金属基板55が移動しないため、溝状窪部33内に連通口34を位置精度良く作製することができる。
以上の各工程により圧力発生室形成板30を作製したならば、別途作製された弾性板32とノズルプレート31とを圧力発生室形成板30に接合して流路ユニット4を作製する。本実施例では、これらの各部材の接合を接着により行なっている。この接着時において、上記の研磨工程で圧力発生室形成板30の表面を平坦化しているので、弾性板32やノズルプレート31を確実に接着できる。
また、弾性板32はステンレス板を支持板42とする複合材であるので、その線膨張率は支持板42であるステンレスによって規定される。そして、ノズルプレート31もステンレス板によって作製されている。さらに、圧力発生室形成板30を構成するニッケルは、上記したように、線膨張率がステンレスと略等しい。以上から、接着温度を高めても線膨張率の差に起因する反りが発生しない。その結果、シリコン基板を用いていた時よりも接着温度を高めることができ、接着時間の短縮化が図れて製造効率が向上する。
流路ユニット4を作製したならば、別途作製されたケース2に、振動子ユニット3と流路ユニット4とを接合する。この場合にも、これらの各部材の接合は接着によって行なわれている。従って、接着温度を高めても流路ユニット4には反りが発生せず、接着時間の短縮化が図れる。
ケース2に、振動子ユニット3と流路ユニット4とを接合したならば、振動子ユニット3のフレキシブルケーブル9と接続基板5とを半田付けし、その後、供給針ユニット6を取り付け、液体噴射ヘッドが得られる。
図16は、連通口形成工程の第2例を示す。この例では、ガイド部材70a,70b内面の突部71をポンチ56,58同士の間隙72の1つおきに設けるのではなく、上記間隙72の全てに設けている。このようにすることにより、断面矩形の各ポンチ56,58の4側面をしっかりとガイドでき、より高精度の加工が可能となる。
図17は、連通口形成工程の第3例を示す。この例では、ガイド部材70a,70b内面に突部71が形成されておらず、断面矩形の各ポンチ56,58の列設方向Lに沿った2面A,Bをガイドしている。この例によれば、列設されたポンチ56,58の列設方向Lに沿った両側面を2方向から挟持することにより、ガイド部材70a,70bのガイド面が平面状であっても各ポンチ56,58の被ガイド面である両側面A,Bと面接触することから、ガイド効果を確保しながらガイド部材70a,70bの形状を単純化し、コストを節減できる。
上述のような金属基板55すなわち圧力発生室形成板30に、溝状窪部33を列設し、この列設された溝状窪部33に対して上記の各加工方法により、連通口34が形成されることによって、本発明の記録ヘッド1の製造方法が実施される。したがって、圧力発生室形成板30に上記異形形態が生じても、精密構造部である溝状窪部33の連通口34が極めて高い精度で形成することができ、記録ヘッド1としてのインク吐出特性を良好に保つことができる。
つぎに、上記連通口の穿設加工方法を実施するための液体噴射ヘッドの製造装置について説明する。
図19〜図23は、本発明の液体噴射ヘッドの製造装置の第1の実施例を示す。
符号76は記録ヘッド1あるいは図18に示す記録ヘッド1'の製造装置全体を示す断面図である。上記製造装置76は、主としてプレス装置を形成する上側動作部77と下側動作部78と、上記下側動作部78に固定された第1型79と、上記上側動作部77に固定された第2型80と、上記第2型80に固定された雄型81と、上記雄型81をガイドし第2型80に取り付けられているガイド部材82とによって構成されている。
上記上側動作部77と下側動作部78からなるプレス装置は、一般的に使用されている形式のもので、上側動作部77が駆動装置(図示していない)によって進退動作をする。
上記第1型79は、前述の金属基板55に相当する圧力発生室形成板30を、第1型79に固定した位置決めピン83で所定位置に位置決めして支持すると共に、図10(b)に示した上記膨出部38aを形成する凹部84が設けられている。なお、上記圧力発生室形成板30には、溝状窪部33が図10に示した溝状窪部形成工程であらかじめ成形されている。
上記に第2型80は、上側動作部77に結合されているベース部材85と、上記ベース部材85に結合されているパンチプレート86によって構成されている。パンチプレート86には雄型81が固定片87を介して取り付けてある。雄型81は、列設された溝状窪部33の列の2つの列にそれぞれ連通口を成形するために、2つ取り付けてある。
上記ガイド部材82は、ガイドプレート88とガイドベース部材89が一体化されたものであり、固定片87との干渉を避け後述の相対変位を許容する空間部90が設けてある。このガイド部材82は、前述のガイド部材70a,70bに相当するものであり、また、ガイドプレート88とガイドベース部材89の2部材を図示のボルトで一体化した構造とされているが、これらを単一の部材で構成してもよく、あるいは、3部材以上で構成してもよい。
上記ガイド部材82は、雄型81の進退方向と同方向に相対移動ができる状態で第2型80に対して取り付けられている。進退部材である断面円形の進退軸91が上側動作部77の進退方向と同方向の状態でガイドベース部材89に固定され、その上部はベース部材85に形成した進退室92内に進入させてある。上記進退室92は断面円形のシリンダ状の空間であり、その内径は進退軸91の直径よりも大きく設定されている。進退軸91の上端にはストッパ片93が固定され、上記ストッパ片93がピストンのようにして進退室92内を上下に摺動できるようになっている。進退室92内に付勢手段である圧縮コイルスプリング94が挿入され、そのばね力がストッパ片93に作用している。そして、上記ばね力は、ガイド部材82が第2型から離れる方向に作用している。ストッパ片93に作用するばね力を調整するために、ばね座95とばね座95の位置を調整する調整ボルト96が設けられている。なお、圧縮コイルスプリング94に代えて弾性ゴム片を採用することもできる。
第2型80に対するガイド部材82の相対移動を行なわせるために、第2型80とガイド部材82との間に変位空間Sが設けられている。また、上記の空間部90にも固定片87の下面とガイドプレート88の上面との間に、同様な変位空間Sが設けられている。
図22および図23は、雄型81の全体形状とポンチ部分を示す斜視図である。雄型81は、前述の第2雄型57または第3雄型59に相当し、その先端部に多数のポンチ97が一列に設けてあり、上記ポンチ97の固定部側に連続させて高剛性部98が設けてある。上記高剛性部98の断面積は、ポンチ97の部分の断面積よりも大きく設定してある。さらに、上記高剛性部98の固定部側に連続させて固定基部99が設けてある。上記固定基部99の断面積は、高剛性部98の部分の断面積よりも大きく設定してある。ここで組み込まれている雄型81は、図12に示したものと同じである。図22にポンチ列やポンチ先端列を示すために、図12と同じ符号、すなわちポンチ列56a,58aおよびポンチ先端列56b,58bが付してある。
そして、固定基部99に、雄型81の進退方向に略直交する向きの押圧面100が形成してある。上記の固定片87(図19参照)には、固定基部99が挿入される細長い挿入穴101と上記押圧面100を押える固定面102が設けてある。また、ポンチ97と高剛性部98との間および高剛性部98と固定基部99との間は、図22に示すように、それぞれ曲面103,104で滑らかに連続してある。
図23に示すように、隣合うポンチ97の間には分離スリット105が設けられ、各ポンチ97のピッチは列設された溝状窪部33のピッチと同じである。
雄型81は、ポンチ97が列設された溝状窪部33の端部を押込む位置すなわちポンチ97の列が溝状窪部33の長手方向に直交するように、その取り付け位置が設定されている。この例では、雄型81をガイドしている箇所がポンチ97の部分であり、そのために図21に示すように、ポンチ97が貫通するスリット穴106が設けられている。上記スリット穴106の対向する内面が規制面107a,107bとされ、ポンチ97が溝状窪部33の長手方向に変位するのを抑止している。この抑止機能を確実に達成するために、上記規制面107a,107bがポンチ97の両側部に摺動する状態とされている。もしくは、規制面107a,107bとポンチ97の両側部の間にわずかな間隙を設けてある。なお、図19および図21等には、上記間隙がかなり大きく図示されているが、実際には上記のような摺動関係とされている。また、ガイドプレート88には、高剛性部98を受け入れる細長い凹溝108が、スリット穴106に連通した状態で形成してある。
図19は、ガイド部材82と雄型81との成形動作開始前の状態を示しており、この状態のときには、圧縮コイルスプリング94のばね力でストッパ片93が進退室92の下面に密着し、ガイドプレート88とポンチ97との相対位置が設定されている。この例では、上記成形動作開始前の状態は、ガイドプレート88の下面とポンチ97の先端部の端面とが、一仮想平面上に存在するようになっている。
図24は、上記押圧面100の形成箇所を雄型81の両端部に変更した場合である。
上記記録ヘッドの製造装置76の動作を説明する。
図19に示した状態から第2型80が進出し、これとともにガイドプレート88とポンチ97は両者の相対位置が不変のまま移動すると、最初にガイドプレート88が圧力発生室形成板30に密着して、ガイド部材82は停止する。その後、さらに第2型80が進出すると、今度は、圧縮コイルスプリング94が圧縮されながらポンチ97がガイドプレート88から相対的に突出し、溝状窪部33の端部に押込まれる。ポンチ97の押込み長さが所定長さに達すると、第2型80が復帰動作を開始し、ガイドプレート88が圧縮コイルスプリング94で圧力発生室形成板30を加圧したままポンチ97が圧力発生室形成板30から引き抜かれる。
上記記録ヘッドの製造装置76によれば、上記ポンチ列56a,58aにおけるポンチ先端列56b,58bを、溝状窪部33の配列形状に適合または近似させた状態で、各ポンチ56,58を溝状窪部33内に押込むものであるから、溝状窪部33の配列が異形形態であっても、各ポンチ56,58を均一に溝状窪部33に押込むことができる。よって、精密構造部である溝状窪部33連通口34が極めて高い精度で形成することができ、記録ヘッド1,1’としてのインク吐出特性を良好に保つことができる。
さらに、本装置によれば、ポンチ97の両側部をガイドプレート88に形成したスリット穴106の規制面107a,107bでガイドしながらプレス加工を行なう装置構造であるから、加工によって生じる応力によるポンチ97の曲がりや逃げが防止され、1つ1つの微細な連通口34の形状精度や寸法精度を向上させるとともに、列状の並んだ連通口34の配列精度も向上させることができる。また、ポンチ97の曲がりや逃げが防止された状態で加工できることから、ポンチ97の磨耗や損傷を大幅に低減でき、工具寿命を大幅に延長することができ、連通口34の精度を長期間にわたって維持でき、工程管理や精度管理の面でも有利である。そして、隣接する連通口34や加工形状を損なうことなく寸法精度良く加工でき、高精度の加工が比較的困難な所定ピッチで多数列設された連通口34を高精度で加工できる。
さらに、あらかじめ成形される溝状窪部33は、塑性加工による加工硬化によって加工性が低下し、微細な連通口34を形成する加工を行なう場合に精度や型寿命をあげるのがより困難であるが、ポンチ97をガイドしながら加工することにより、ポンチ97の曲がりや逃げを防止して高精度の加工ができる。
雄型81のポンチ97は進退可能なガイドプレート88にガイドされているので、圧力発生室形成板30に対するポンチ97の押込み長さが長くなっても、ガイドプレート88が、圧力発生室形成板30の表面に密着しているかまたは圧力発生室形成板30のごく近傍に位置している。このため、加工によって生じる応力の発生箇所にできるだけ近い箇所でガイドプレート88のガイド機能が果たされ、加工応力によるポンチ97の曲がりや逃げがより一層確実に防止される。
上記規制面107a,107bが、ポンチ97が上記溝状窪部33の長手方向に変位するのを抑止する。したがって、ポンチ97は、その列設方向よりもこれに略直交する上記長手方向に曲がりや逃げが発生しやすいのであるが、そのようなポンチ97の変位を規制面107a,107bで抑止することにより、ポンチ97の曲がりや逃げを防止し、加工精度の高い連通口34の形成がなされる。
上記規制面107a,107bが、スリット穴106の対向する内面によって形成されているので、上記内面が大きな荷重に耐えられる高い剛性の下で存在する。したがって、規制面107a,107bに安定したガイド機能を行なわせることができる。また、上記スリット穴106の形成により直ちに規制面107a,107bが確保できるので、規制面107a,107bが簡単な構成によって得られる。
第2型80が進出してガイドプレート88が圧力発生室形成板30に押し付けられると、ポンチ97が相対的にガイドプレート88から突出して圧力発生室形成板30に押込まれ、圧力発生室形成板30に対するポンチ97の押込み長さが長くなっても、ガイドプレート88が、圧力発生室形成板30の表面に密着しているかまたは圧力発生室形成板30のごく近傍に位置している。このため、加工によって生じる応力の発生箇所にできるだけ近い箇所でガイドプレート88のガイド機能が果たされ、加工応力によるポンチ97の曲がりや逃げがより一層確実に防止される。
上記ポンチ97,高剛性部98,固定基部99にかけての断面積が順次大きくなって、雄型81全体の剛性が固定基部99において最も大きく設定されている。したがって、雄型81の剛性系が徐々に固定部側に向って大きくなっているので、押込み時や引き抜き時に雄型81の特定個所に応力が異常に集中することがなく、雄型81の全体構造の耐久性を向上することができる。また、雄型81の第2型80に対する取り付け剛性が安定した状態で確保でき、頻繁に行なわれる加圧成形にとって十分な耐久性が得られる。
上記固定片87で上記押圧面100を強く加圧した状態で雄型81が取り付けられるので、雄型81の第2型80に対する取り付け剛性を高めることができる。特に、圧力発生室形成板30に押込まれているポンチ97を引き抜くときには、大きな引き抜き力を第2型80から雄型81に伝達する必要があり、このような際に上記押圧面100を固定片87の固定面102が押え付けているので、雄型81と第2型80とは確実な一体性をもって引き抜くことができ、このような面からも動作安定性のよい製造装置76が得られる。
複数の上記雄型81により、1回の成形ストロークで、列設された複数の溝状窪部33の列の各々に、連通口34を一時に成形することができ、生産性の向上が図れる。また、上記連通口を2列平行に形成できるよう上記雄型を2つ配置した場合においても、同様に生産性の向上が図れる。
なお、ガイドプレート88には、ガイド機能を果たすスリット穴106と、圧力発生室形成板30を押える面との2機能部位分が設けてあるので、簡単な構造のガイド部材で多機能化を果たすことができる。
図25および図26は、本発明の液体噴射ヘッドの製造装置の第2の実施例を示す。
この実施例は、溝状窪部33の端部に傾斜面109が形成され、上記傾斜面109にポンチ97が押込まれるものである。上記傾斜面109を成形するために、図25に示した突条部53の先端部分53aの長手方向端部に、面取りをして斜面成形部53bが設けられている。上記の突条部53が圧力発生室形成板30に押込まれると、長手方向の端部に傾斜面109を有する溝状窪部33が成形される。上記傾斜面109を有する圧力発生室形成板30を第1型79の所定位置に支持し、傾斜面109にポンチ97が圧入されるよう、ポンチ97と圧力発生室形成板30との相対位置が設定される。この状態で雄型81を進出させて傾斜面109に連通口34が成形される。それ以外は、上記実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記構成により、ポンチ97の先端部が押込み初期の段階で上記傾斜面109に加圧されるので、ポンチ97には大きな曲げモーメントが作用するのであるが、ポンチ97の部分がガイドプレート88でガイドされているので、上記曲げモーメントがガイドプレート88で確実に受け止められ、上記のような傾斜面109であっても、ポンチ97に曲がりや逃げが発生することなく、正常な状態で連通口34が形成できる。さらに、上記のような傾斜面109にポンチが正確に圧入できるので、圧入によって流動する素材は傾斜面109から滑らかに押込まれて行き、溝状窪部33の空間部分に突出した「返り」等の発生が防止でき、インク中の気泡が滑らかに流下してゆき、インク噴射ヘッドのインク滴の吐出状態を正常に維持できる。それ以外は、上記実施例と同様の作用効果を奏する。
なお、溝状窪部33はV字型の断面形状とされているので、図23に示すように、四角い断面のポンチ97を溝状窪部33の端部に押込むときには、ポンチ97の先端部が上記V字型の傾斜面と上記傾斜面109の両方に対して押込まれる。したがって、V字型の傾斜面においても上記のような「返り」等の発生が防止できる。
図27は、本発明の液体噴射ヘッドの製造装置の第3の実施例を示す。
この実施例は、上記高剛性部98をガイドプレート88でガイドするものである。それ以外は、上記各実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
上記構成により、雄型81の剛性の高い部分である高剛性部98をガイドしているので、雄型81のガイド状態が安定したものとなる。これと同時に、ポンチ部分には、ガイドに要する長さを確保することなく、ポンチ97の圧入に要するポンチ長さだけを確保すればよいので、実質的にポンチ97の長さを短くすることができて、ポンチ97自体の曲げや逃げ等に対する剛性を高めることができる。それ以外は、上記各実施例と同様の作用効果を奏する。
ところで、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、隔壁部28に関し、その根本部分が先端部分よりも厚肉であれば、隔壁部28の剛性を従来よりも高めることができ、圧力発生室29として必要な容積を確保できる。この観点からすれば、溝状窪部底面の窪み形状はV字状に限られない。例えば、溝状窪部33の底面を円弧状に窪ませてもよい。そして、このような底面形状の溝状窪部33を作製するためには、先端部分が円弧状に先細りした突条部53を有する第1雄型51を用いればよい。
また、圧力発生素子に関し、圧電振動子10以外の素子を用いてもよい。例えば、静電アクチュエータや磁歪素子等の電気機械変換素子を用いてもよい。さらに、圧力発生素子として発熱素子を用いてもよい。
図18に例示した記録ヘッド1'は、圧力発生素子として発熱素子61を用いたものである。この例では、上記の弾性板32に代えて、コンプライアンス部46とインク供給口45とを設けた封止基板62(本発明の封止板の一種)を用い、この封止基板62によって圧力発生室形成板30における溝状窪部33側を封止している。また、この例では、圧力発生室29内における封止基板62の表面に発熱素子61を取り付けている。この発熱素子61は電気配線を通じて給電されて発熱する。
なお、圧力発生室形成板30やノズルプレート31等、その他の構成は上記実施例と同様であるので、その説明は省略する。
この記録ヘッド1'では、発熱素子61への給電により、圧力発生室29内のインクが突沸し、この突沸によって生じた気泡が圧力発生室29内のインクを加圧する。この加圧により、ノズル開口48からインク滴が吐出される。
そして、この記録ヘッド1'でも、圧力発生室形成板30を金属の塑性加工で作製しているので、上記した実施例と同様の作用効果を奏する。
なお、上記各実施例において、微細穴の穿設加工方法,圧力発生室形成板30における圧力発生室形成工程および連通口形成工程において行なわれる鍛造加工やプレス加工等の塑性加工は、所望の精度を得るために冷間加工を行なうのが好適であり、高精度の加工を行なうためには、ワークの温度が一定範囲内になるよう温度管理を行なうのが好ましい。
また、圧力発生室形成板30の加工に関し、上記実施例では塑性加工の一種である鍛造加工で作製した例について説明したが、これに限らない。さらに、圧力発生室形成板30を作製するための素材に関し、隔壁部28の根本部分を先端部分よりも厚肉に形成する観点においては、単一の金属板に限定されるものではない。例えば、複数の板材を積層して作製した積層板材を用いても良く、金属基板の表面に樹脂をコーティングしたコーティング板材によって作製してもよい。
また、連通口34に関し、上記実施例では、溝状窪部33の一端部に設けた例を説明したが、これに限らない。例えば、連通口34を溝状窪部33における長手方向略中央に形成して、溝状窪部33の長手方向両端にインク供給口45及びそれと連通する共通インク室14を配置してもよい。このようにすることにより、インク供給口45から連通口34に至る圧力発生室29内におけるインクの淀みを防止できるので、好ましい。
上記各実施例は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によってえられた液体噴射ヘッドは、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施例では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレー,FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
さらに、上述した各実施例では、本発明の微細穴の穿設加工方法を液体噴射ヘッドの製造に適用した例を示したが、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではないことはいうまでもない。
インクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。 インクジェット式記録ヘッドの断面図である。 振動子ユニットを説明する図である。 圧力発生室形成板の平面図である。 圧力発生室形成板の説明図であり、(a)は図4におけるX部分の拡大図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図である。 弾性板の平面図である。 弾性板の説明図であり、(a)は図6におけるY部分の拡大図、(b)は(a)におけるC−C断面図である。 溝状窪部の形成に用いる第1雄型を説明する図である。 溝状窪部の形成に用いる雌型を説明する図である。 溝状窪部を形成する工程を説明する模式図である。 連通口を形成する工程を説明する模式図である。 微細穴の穿設加工方法を適用した連通口の形成工程を説明する斜視図である。 上記工程を説明する図であり、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。 被ガイド面を説明する図である。 丸穴によるガイド部材を示す図である。 本発明の微細穴の穿設加工方法の第2例を説明する横断面図である。 本発明の微細穴の穿設加工方法の第3例を説明する横断面図である。 変形例のインクジェット式記録ヘッドを説明する断面図である。 インク噴射ヘッドの製造装置を示す断面図である。 図19の〔20〕−〔20〕断面図である。 ガイド部分の部分的な拡大断面図である。 雄型単体の斜視図である。 ポンチ部分の部分的な拡大斜視図である。 他の雄型単体の斜視図である。 溝状窪部の形成に用いる第1雄型を説明する図である。 傾斜面が成形された溝状窪部の平面図と断面図である。 高剛性部をガイドした場合の断面図である。
符号の説明
1 記録ヘッド,1' 記録ヘッド,2 ケース,3 振動子ユニット,4 流路ユニット,5 接続基板,6 供給針ユニット,7 圧電振動子群,8 固定板,9 フレキシブルケーブル,10 圧電振動子,10a ダミー振動子,10b 駆動振動子,11 制御用IC,12 収納空部,13 インク供給路,14 共通インク室,15 先端凹部,16 接続口,17 コネクタ,18 針ホルダ,19 インク供給針,20 フィルタ,21 台座,22 インク排出口,23 パッキン,28 隔壁部,29 圧力発生室,30 圧力発生室形成板,30a 仮想平面,31 ノズルプレート,32 弾性板,33 溝状窪部,34 連通口,35 逃げ凹部,36 ダミー窪部,37 第1連通口,38 第2連通口,38a 膨出部,39 ダミー連通口,40 第1ダミー連通口,41 第2ダミー連通口,42 支持板,43 弾性体膜,44 ダイヤフラム部,45 インク供給口,46 コンプライアンス部,47 島部,48 ノズル開口,51 第1雄型,52 雌型,53 突条部,53a 先端部分,53b 斜面成形部,54 筋状突起,55 金属基板,55a 多肉部,56 第1ポンチ,56a ポンチ列,56b ポンチ先端列,56c 直線状部分,56d 直線状部分,57 第2雄型,58 第2ポンチ,58a ポンチ列,58b ポンチ先端列,59 第3雄型,61 発熱素子,62 封止基板,70a ガイド部材,70b ガイド部材,71 突部,72 間隙,73 ガイド部材,74 丸穴,P ピッチ寸法,75 ガイド部,76 インク噴射ヘッドの製造装置,77 上側動作部,78 下側動作部,79 第1型,80 第2型,81 雄型,82 ガイド部材,83 位置決めピン,84 凹部,85 ベース部材,86 パンチプレート,87 固定片,88 ガイドプレート,89 ガイドベース部材,90 空間部,S 変位空間,91 進退軸,92 進退室,93 ストッパ片,94 圧縮コイルスプリング,95 ばね座,96 調整ボルト,97 ポンチ,98 高剛性部,99 固定基部,100 押圧面,101 挿入穴,102 固定面,103 曲面,104 曲面,105 分離スリット,106 スリット穴,107a 規制面,107b 規制面,108 凹溝,109 傾斜面

Claims (14)

  1. プレス加工により金属基板に微細穴を穿設加工する方法であって、所定のピッチで列状に並んだ窪み状部が形成された金属基板と、上記ピッチと同ピッチのポンチでポンチ列が形成された雄型とを準備し、上記ポンチの各窪み状部に対する押込み時期が略同じとなるよう上記金属基板に向って雄型を進出させることにより、上記窪み状部に微細穴を穿設して金属基板に列状に並んだ微細穴列を形成することを特徴とする微細穴の穿設加工方法。
  2. 上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、ポンチ列の端部近傍よりも中央部近傍が、雄型の進出方向に向かって突出している請求項1記載の微細穴の穿設加工方法。
  3. 上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、滑らかな曲線状である請求項2記載の微細穴の穿設加工方法。
  4. 上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、ポンチ列の端部近傍部分が傾斜する直線状に形成されている請求項2記載の微細穴の穿設加工方法。
  5. 上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、ポンチ列の端部近傍部分が傾斜する直線状に形成されるとともに、ポンチ列の中央近傍は列方向に延びる直線状に形成されている請求項2記載の微細穴の穿設加工方法。
  6. 上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、ポンチ列の端部近傍から中央部側に向って段階的に突出する段状に形成されている請求項2記載の微細穴の穿設加工方法。
  7. 上記ポンチの長さは、ポンチ列の端部近傍のポンチが、ポンチ列の略中央部のポンチよりも短くなるよう設定されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の微細穴の穿設加工方法。
  8. 上記ポンチの断面形状は矩形である請求項1〜7のいずれか一項に記載の微細穴の穿設加工方法。
  9. 第1ポンチにより金属基板に非貫通状の窪部を形成する第1工程と、第2ポンチにより上記窪部の底部を膨出させて非貫通状の窪部を形成する第2工程と、上記膨出した箇所を切除する第3工程を含んでいる請求項1〜8のいずれか一項に記載の微細穴の穿設加工方法。
  10. 上記窪み状部が溝状窪部である請求項1〜9のいずれか一項に記載の微細穴の穿設加工方法。
  11. 上記溝状窪部がV字状の底部を有している請求項10記載の微細穴の穿設加工方法。
  12. プレス加工により金属基板に微細穴を穿設加工する工具であって、雄型の先端部にポンチを所定ピッチで列設してポンチ列を形成し、上記ポンチ列におけるポンチ先端列は、ポンチ列の端部近傍よりも中央部近傍が、雄型の進出方向に向かって突出していることを特徴とする微細穴の穿設加工用工具。
  13. 圧力発生室となる溝状窪部が列設されると共に、各溝状窪部の一端に板厚方向に貫通する連通口を形成した金属製の圧力発生室形成板と、上記連通口と対応する位置にノズル開口を穿設した金属製のノズルプレートと、上記溝状窪部の開口面を封止する金属材製の封止板とを備え、上記圧力発生室形成板における溝状窪部側に封止板を、反対側にノズルプレートをそれぞれ接合してなる液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記圧力発生室形成板の連通口を請求項1〜11のいずれか一項に記載の微細穴の穿設加工方法によって形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  14. 圧力発生室となる溝状窪部が列設されると共に、各溝状窪部の一端に板厚方向に貫通する連通口を形成した金属製の圧力発生室形成板と、上記連通口と対応する位置にノズル開口を穿設した金属製のノズルプレートと、上記溝状窪部の開口面を封止する金属製の封止板とを有し、上記圧力発生室形成板における溝状窪部側に封止板を、反対側にノズルプレートをそれぞれ接合してなる液体噴射ヘッドの製造装置であって、上記溝状窪部が形成された圧力発生室形成板を支持する第1型と、上記溝状窪部内に連通口を穿設するポンチが列設されたポンチ列を有する雄型が取り付けられた第2型とを備え、上記ポンチ列におけるポンチ先端列を、溝状窪部の配列形状に適合または近似させた状態で、各ポンチを溝状窪部内に押込むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造装置。
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