JP2005059297A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

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広信 岩下
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茂 西尾
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Abstract

【課題】液滴の微小化、吐出の安定化、吐出印加電圧の低減、着弾精度の向上、着弾ドットの径の大きさの安定を課題とする。
【解決手段】 帯電した溶液の液滴を基材Kに吐出する液体吐出装置10であって、先端部から液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズル51を有する液体吐出ヘッド56と、ノズル51内に溶液を供給する溶液供給手段53と、ノズル51内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段35とを備え、液体吐出ヘッド56の吐出を行う雰囲気を、液体吐出ヘッド56の吐出時の雰囲気の相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持する吐出雰囲気調節手段70を備えている。
【選択図】図11

Description

本発明は、基材に液体を吐出する液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
従来の静電吸引方式のインクジェットプリンタとして、特許文献1に記載のものが挙げられる。かかるインクジェットプリンタは、その先端部からインクの吐出を行う複数の凸状インクガイドと、各インクガイドの先端に対向して配設されると共に接地された対向電極と、各インクガイドごとにインクに吐出電圧を印加する吐出電極とを備えている。そして、凸状インクガイドは、インクを案内するスリット幅が異なる二種類のものを用意し、これらのものを使い分けることで、二種類の大きさの液滴を吐出可能とすることを特徴とする。
そして、この従来のインクジェットプリンタは、吐出電極にパルス電圧を印加することでインク液滴を吐出し、吐出電極と対向電極間で形成された電界によりインク液滴を対向電極側に導いている。
また、他の静電界吸引方式のインクジェット記録装置として、より画像形成を良好に行うために、画像描画時の版面温度を30〜40℃の範囲内に設定するものがあった(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−277747号公報 (第2図及び第3図) 特開平8−238774号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のインクジェットプリンタには以下の問題あった。
(1)微小液滴形成の安定性
ノズル径が大きいため、ノズルから吐出される液滴の形状が安定しない。
(2)高印加電圧
微小液滴の吐出のためには、ノズルの吐出口の微細化を図ることが重要因子となってくるが、従来の静電吸引方式の原理では、ノズル径が大きいことにより、ノズル先端部の電界強度が弱く、液滴を吐出するのに必要な電界強度を得るために、高い吐出電圧(例えば2000[V]に近い非常に高い電圧)を印加する必要があった。従って、高い電圧を印加するために、電圧の駆動制御が高価になり、さらに、安全性の面からも問題があった。
(3)吐出応答性
上記の特許文献1、2に開示されたインクジェットプリンタでは、上記(2)と同様の理由により高い吐出電圧の印加により吐出を行うため、メニスカス部の中心に電荷が移動するための電荷の移動時間が吐出応答性に影響し、印字速度の向上において問題となっていた。
(4)着弾位置精度の低下
上記特許文献2記載のインクジェットプリンタは、インク吐出時の温度設定を30〜40℃の範囲とすることで、着弾した液滴の水分を速やかに乾かすことをねらいとしている。
しかしながら、液滴の着弾を受ける基材や基材の支持部、液滴を吐出する各構成は、温度変化、湿度変化により寸法変動を生じ得るが、上記特許文献2のインクジェットプリンタは、かかる問題に対処することはできなかった。
ところで、昨今の液滴の吐出技術では、液滴の微細化と着弾位置精度の向上が臨まれているが、特許文献2記載のインクジェットプリンタは、液滴の微細化に伴う着弾位置の高精度化に貢献するものではなかった。
特に、静電吸引方式のインクジェットプリンタにあっては、インク吐出を行う際に、ノズル自体が帯電してしまった場合に、吐出されるインク液滴が、影響を受けて、液滴が所定の位置に到達せず、解像度を低下させたりするという問題があったが、上記特許文献2のインクジェットプリンタは、かかる問題に対処することはできなかった。
(5)着弾ドット径の不安定性
また、或いは、先に到達した液滴の電化又は帯電したノズルの影響を受けて次の液滴の吐出量が変動し、不安定になるため、形成されるドット径の大きさも不安定となるという問題もあった。
そこで、微小液滴を吐出可能な液体吐出装置を提供することを第一の目的とする。また同時に、安定した液滴を吐出することが可能な液体吐出装置を提供することを第二の目的とする。さらに、印加電圧を低減することが可能な液体吐出装置を提供することを第三の目的とする。
さらに、微小液滴を吐出可能で且つ着弾精度の高い液体吐出装置を提供することを第四の目的とする。また、微小液滴を吐出可能で且つ吐出液滴及び着弾ドットの径の大きさも安定した液体吐出装置を提供することを第五の目的とする。
請求項1記載の発明は、帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出装置であって、先端部から液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、液体吐出ヘッドの吐出時の雰囲気の相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持する吐出雰囲気調節手段を備える、という構成を採っている。
また、請求項7記載の発明は、帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出方法であって、先端部から液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備える液体吐出装置により液滴を吐出すると共に、液体吐出ヘッドの周囲の雰囲気の相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持して吐出を行う、という構成を採っている。
特許請求の範囲及び明細書の記載において、「基材」とは吐出された溶液の液滴の着弾を受ける対象物をいい材質的には特に限定されない。従って、例えば、上記構成をインクジェットプリンタに適応した場合には、用紙やシート等の記録媒体が基材に相当し、導電性ペーストを用いて回路の形成を行う場合には回路が形成されるべきベースとなる基板が基材に相当することとなる。
また、「相対湿度」とは、ある気体中の水蒸気と、その気体の飽和水蒸気圧との比を100分率で表わしたものです。関係湿度(Relative humidity) ともいい、蒸気分圧とその温度の 飽和蒸気圧の比をいう。
本件でいう相対湿度とは、吐出する液体の溶媒が、単一溶媒の場合は、単一溶媒の関係湿度を示し、吐出する液体の溶媒が、混合溶媒の場合は、混合溶媒の関係湿度を示す。
ここでいう溶媒には、後述する実施の形態の(溶液)の段落番号0027に記載の無機液体、有機液体が使用可能である。
また、特許請求の範囲及び明細書の記載において、ノズル径という場合には、液滴を吐出する先端部におけるノズルの内部直径(ノズルの先端部の内部直径)を示すものとする。なお、ノズル内の液体吐出穴の断面形状は円形に限定されるものではない。例えば、液体吐出穴の断面形状が多角形、星形その他の形状である場合にはその断面形状の外接円が25[μm]以下となることを示すものとする。以下、ノズル径或いはノズルの先端部の内部直径という場合において、他の数値限定を行っている場合にも同様とする。また、ノズル半径という場合には、このノズル径(ノズルの先端部の内部直径)の1/2の長さを示すものとする。
上記構成にあっては、ノズルの先端部に基材の液滴の受け面が対向するように、ノズル又は基材が配置される。これら相互の位置関係を実現するための配置作業は、ノズルの移動又は基材の移動のいずれにより行っても良い。
そして、溶液供給手段により液体吐出ヘッド内に溶液が供給される。ノズル内の溶液は吐出を行うために帯電した状態にあることが要求される。なお、溶液の帯電に必要な電圧印加を行う帯電専用の電極を設けても良い。
そして、ノズル内において溶液が帯電することにより電界が集中し、溶液はノズル先端部側への静電力を受け、ノズル先端部において溶液が盛り上がった状態(凸状メニスカス)が形成される。そして、溶液の静電力が凸状メニスカスにおける表面張力を上回ることにより、凸状メニスカスの突出先端部から溶液の液滴が基材の受け面に対して飛翔し、基材の受け面上には溶液のドットが形成される。
上記構成にあっては、ノズルを従来にない超微細径とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある。ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。かかる超微細径のノズル先端部に対向させて基材を配置した場合、基材の受け面を規準としてノズル先端部の面対称となる位置に逆極性の鏡像電荷が誘導され、基材の受け面を規準として基材の誘電率により定まる対称位置に逆極性の映像電荷が誘導される。そして、ノズル先端部に誘起される電荷と鏡像電荷又は映像電荷間での静電力により液滴の飛翔が行われる。従って、微小径の液滴の吐出が、低電圧で行われると共に、低電圧化により応答性が向上する。
上記各構成では、吐出時におけるノズル周囲の雰囲気の相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持することとしている。これにより、吐出後の溶液中の溶剤の蒸発挙動を一定にし、着弾径の変動を抑えられる。
さらに、基材が雰囲気に含まれる溶媒の吸収性を有する場合、その相対湿度を±5%以内に維持することで、基材の溶媒の吸収による膨張による変形を防ぐことが可能である。
また、基材や基材の支持部、液滴を吐出する各構成の湿度変化による寸法変動も抑制する。
なお、相対湿度が高くなると、結露を生じやすくなるため、相対湿度の中心値は、結露しない範囲に定めることが望ましい。
また、変動範囲5%RHを越えると、着弾径の変動が大きくなるので、±5%RH以内に規制している。
なお、変動範囲は、好ましくは±2%RH以下が好ましい(後述する実施例2、図15参照)。
請求項2記載の発明は、帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出装置であって、先端部から液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、液体吐出ヘッドの吐出時の雰囲気の温度の変動範囲を±5℃に維持する吐出雰囲気調節手段を備える、という構成を採っている。
また、請求項8記載の発明は、帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出方法であって、先端部から液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備える液体吐出装置により液滴を吐出すると共に、液体吐出ヘッドの周囲の雰囲気の温度の変動範囲を±5℃に維持して吐出を行う、という構成を採っている。
上記各構成において、液滴の吐出が行われる動作については請求項1又は7記載の発明と同様に行われる。
そして、上記各構成では、液滴の吐出時の雰囲気の温度の変動範囲を±5℃に維持することとしている。これにより、吐出後の溶液中の溶剤の蒸発挙動を一定にし、着弾径の変動が抑えられる。
また、基材や基材の支持部、液滴を吐出する各構成の温度変化による寸法変動も抑制する。
なお、吐出ヘッド周囲の雰囲気の温度が高くなりすぎると溶液の水分や溶剤の蒸発を促進してしまい、着弾精度の低下やノズルの目詰まりの可能性を生じるため、かかる実状を勘案した結果、変動範囲を±5℃以内に規制している。
なお、変動範囲は、より好ましくは±2℃以下が良い(図16 実施例2)。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、液体吐出ヘッドの吐出を行う雰囲気を、露点温度9度(℃)以上に維持する、という構成を採っている。
また、請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の発明と同様の構成を備えると共に、液体吐出ヘッドの吐出を行う雰囲気を、露点温度9度(℃)以上に維持する、という構成を採っている。
ここでいう露点とは、水の露点をいう。温度t、水蒸気分圧pにある湿り空気を冷却 すると、飽和蒸気圧曲線と交わったところで凝縮がおこる。このときの温度をその空気の露点tdewという。さらに冷却を続けると飽和空気は飽和蒸気圧曲線に沿って水蒸気分圧を下げその分の水が凝縮する。
微細なノズルから、液滴を吐出する際に、ノズル及び液体に剥離帯電が発生する。液滴に対する接触長が長いことと高速で吐出することにより、その剥離帯電量は大きいことが考えられる。特に、液体の電気伝導度が低く、誘電率が小さい場合には、剥離帯電量が大きくなる。ここで、絶対湿度を一定以上に維持することで、ノズルからの射出量のばらつきが少なくなることが分かった。絶対湿度とは、乾き空気に対して、それに含まれる水蒸気の質量の割合をいう。
そして、露点温度を9℃以上とすると、吐出時の雰囲気の絶対湿度が0.007[kg/kg]以上となり、ノズルや基材表面からの電荷の漏洩を効果的に行うことができ、ノズル又は基材表面の電界の影響が抑制される。
なお、各上記構成において、ノズル径を20[μm]未満とすることにより、電界強度分布が狭くなる。このことにより、電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、対向電極に近づくにつれ、鏡像力により加速される。この空気抵抗による減速と鏡像力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
また、ノズルの内部直径は、10[μm]以下であることが好ましい。
この構成により、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
また、ノズルの内部直径が8[μm]以下であることが好ましい。ノズル径を8[μm]以下とすることにより、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
さらに、電界集中の度合いが高まることにより、多ノズル化時のノズルの高密度化で課題となる電界クロストークの影響が軽減し、一層の高密度化が可能となる。
さらに、ノズルの内部直径が4[μm]以下とすることにより、顕著な電界の集中を図ることができ、最大電界強度を高くすることができ、形状の安定な液滴の超微小化と、液滴の初期吐出速度を大きくすることができる。これにより、飛翔安定性が向上することにより、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
さらに、電界集中の度合いが高まることにより、多ノズル化時のノズルの高密度化で課題となる電界クロストークの影響が受けにくくなり、より一層の高密度化が可能となる。
また、上記構成において、ノズルの内部直径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。ノズルの内径を0.2[μm]より大きくすることで、液滴の帯電効率を向上させることができるので、液滴の吐出安定性を向上させることができる。
さらに、上記各請求項の構成において、
(1)ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に吐出電圧印加用の電極を挿入あるいは当該電極として機能するメッキ形成を行うことが好ましい。
(2)上記各請求項の構成又は上記(1)の構成において、ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に電極を挿入或いは電極としてのメッキを形成すると共にノズルの外側にも吐出用の電極を設けることが好ましい。
ノズルの外側の吐出用電極は、例えば、ノズルの先端側端面或いは、ノズルの先端部側の側面の全周若しくは一部に設けられる。
(3)上記各請求項の構成、上記(1)又は(2)の構成において、ノズルに印加する電圧Vを
Figure 2005059297
で表される領域において駆動することが好ましい。
ただし、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル直径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
(4)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)又は(3)の構成において、印加する任意波形電圧が1000V以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御を容易とすると共に装置の耐久性の向上及び安全対策の実行により確実性の向上を容易に図ることが可能となる。
(5)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成において、印加する吐出電圧が500V以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御をより容易とすると共に装置の耐久性のさらなる向上及び安全対策の実行により確実性のさらなる向上を容易に図ることが可能となる。
(6)上記各請求項の構成、上記(1)〜(5)いずれかの構成において、ノズルと基板との距離が500[μm]以下とすることが、ノズル径を微細にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(7)上記各請求項の構成、上記(1)〜(6)いずれかの構成において、ノズル内の溶液に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(8)上記各請求項の構成、上記(1)〜(7)いずれかの構成において、単一パルスによって吐出する場合、
Figure 2005059297
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としても良い。ただし、ε:溶液の誘電率(F/m)、σ:溶液の導電率(S/m)とする。
本発明は、ノズルを従来にない超微細径である25[μm]以下とすることで、ノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めると共にその際に誘導される基材側の鏡像電荷或いは映像電荷までの間に生じる電界の静電力により液滴の飛翔を行っている。このため、ノズルの微細化によりノズル径が大きい場合のように、吐出される液滴の形状が不安定とならず、安定させることができる。
また、電界を集中させて電界強度を高められるため、高い吐出電圧を液滴に印加することなく液滴を吐出するのに必要な電界強度を得ることができ、微小液滴であっても吐出電圧の低減を図ると共にその駆動制御が簡易且つ安価な構成で実現させることが可能となる。
また、吐出電圧の低減化により、ノズルの先端部に形成されるメニスカス部の中心に電荷が移動するための電荷の移動時間が短縮化され、吐出応答性の向上を図ることが可能となる。
また、液体吐出ヘッドの吐出を行う雰囲気における相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持するか或いは雰囲気の温度の変動範囲を±5℃に維持することにより、これにより、吐出後の溶剤の蒸発挙動を一定にし、着弾径の変動を抑えることが可能となる。
さらに、基材が雰囲気に含まれる溶媒を吸収性ある場合、その相対湿度を±5%以内に維持することで、基材の溶媒の吸収による膨張による変形を防ぐことが可能となる。
従って、吐出位置精度の向上及び吐出液適量を一定化して着弾ドット径の安定化を図ることが可能となる。
また、液体吐出ヘッドの吐出を行う雰囲気を、露点温度9度(℃)以上に維持する場合、絶対湿度が0.007[kg/kg]以上となり、ノズルや基材表面からの電荷の漏洩を効果的に行うことができ、ノズル又は基材表面の電界の影響が抑制されて、液滴の着弾位置精度が向上すると共に、吐出液滴及び着弾ドットの径の大きさの変動も抑制されて安定化を図ることができる。
さらに、ノズルの内部直径20,8,4[μm]以下とすることで、径に応じてさらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
以下の各実施形態で説明する液体吐出装置のノズル径(内部直径)は、25[μm]以下であることが好ましく、さらに好ましくは20[μm]未満、さらに好ましくは10[μm]以下、さらに好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下とすることが好ましい。また、ノズル径は、0.2[μm]より大きいことが好ましい。以下、ノズル径と電界強度との関係について、図1〜図6を参照しながら以下に説明する。図1〜図6に対応して、ノズル径をφ0.2,0.4,1,8,20[μm]及び参考として従来にて使用されているノズル径φ50[μm]の場合の電界強度分布を示す。
ここで、各図において、ノズル中心位置とは、ノズルの液体吐出孔の液体吐出面の中心位置を示す。また、各々の図の(a)は、ノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。なお、印加電圧は、各条件とも200[V]と一定にした。図中の分布線は、電荷強度が1×106[V/m]から1×107[V/m]までの範囲を示している。
図7に、各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。
図1〜図6から、ノズル径がφ20[μm](図5)以上だと電界強度分布は広い面積に広がっていることが分かった。また、図7の図表から、ノズルと対向電極の距離が電界強度に影響していることも分かった。
これらのことから、ノズル径がφ8[μm](図4)以下であると電界強度は集中すると共に、対向電極の距離の変動が電界強度分布にほとんど影響することがなくなる。従って、ノズル径がφ8[μm]以下であれば、対向電極の位置精度及び基材の材料特性のバラ付きや厚さのバラツキの影響を受けずに安定した吐出が可能となる。
次に、上記ノズルのノズル径とノズルの先端位置に液面があるとした時の最大電界強度と強電界領域の関係を図8に示す。
図8に示すグラフから、ノズル径がφ4[μm]以下になると、電界集中が極端に大きくなり最大電界強度を高くすることができるのが分かった。これによって、溶液の初期吐出速度を大きくすることができるので、液滴の飛翔安定性が増すと共に、ノズル先端部での電荷の移動速度が増すために吐出応答性が向上する。
続いて、吐出した液滴における帯電可能な最大電荷量について、以下に説明する。液滴に帯電可能な電荷量は、液滴のレイリー分裂(レイリー限界)を考慮した以下の(3)式で示される。
Figure 2005059297
ここで、qはレイリー限界を与える電荷量(C)、ε0は真空の誘電率(F/m)、γは溶液の表面張力(N/m)、d0は液滴の直径(m)である。
上記(3)式で求められる電荷量qがレイリー限界値に近いほど、同じ電界強度でも静電力が強く、吐出の安定性が向上するが、レイリー限界値に近すぎると、逆にノズルの液体吐出孔で溶液の霧散が発生してしまい、吐出安定性に欠けてしまう。
ここで、ノズルのノズル径とノズル先端部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示すグラフを図9に示す。
図9に示すグラフから、ノズル径がφ0.2[μm]からφ4[μm]の範囲において、吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比が0.6を超え、液滴の退園効率が良い結果となっており、該範囲において安定した吐出が行えることが分かった。
例えば、図10に示すノズル径とノズル先端部の強電界(1×106[V/m]以上)の領域の関係で表されるグラフでは、ノズル径がφ0.2[μm]以下になると電界集中の領域が極端に狭くなることが示されている。このことから、吐出する液滴は、加速するためのエネルギーを十分に受けることができず飛翔安定性が低下することを示す。よって、ノズル径はφ0.2[μm]より大きく設定することが好ましい。
[実施形態]
(液体吐出装置の全体構成)
以下、本発明の実施形態である液体吐出装置10について図11乃至図14に基づいて説明する。図11は液体吐出装置10の概略構成を示すブロック図である。
この液体吐出装置10は、基材Kと、帯電した溶液の液滴を基材Kに吐出する液体吐出機構50と、液体吐出機構50及び吐出液滴が着弾される基材Sとを収容する恒温槽41と、恒温槽41内の雰囲気に対する温湿度の調節を行う吐出雰囲気調節手段としての空調機70と、恒温槽41と空調機70との間で循環する空気の塵芥を除去するエアーフィルタ42と、恒温槽41内部と外部との圧力差を検出する差圧計43と、恒温槽41と空調機70との間の空気の循環流量を調節する流量調節弁44と、恒温槽41と空調機70との間で循環する空気の排気量の流量を調節する排気流量調節弁45と、恒温槽41内の露点を検出する露点計46と、流量調節弁44、排気流量調節弁45、空調機70の動作制御を行う制御装置60とを備えている。
以下各部について詳細に説明する。
(溶液)
上記液体吐出装置10による吐出を行う溶液の例としては、無機液体としては、水、COCl2、HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl2、SO2Cl2、FSO3Hなどが挙げられる。有機液体としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、などのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N',N'−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなどの炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン(cis−)、テトラクロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類、などが挙げられる。また、上記各液体を二種以上混合して溶液として用いても良い。
さらに、高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを溶液として使用し、吐出を行う場合には、上述した液体に溶解又は分散させる目的物質としては、ノズルで目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。PDP、CRT、FEDなどの蛍光体としては、従来より知られているものを特に制限なく用いることができる。例えば、赤色蛍光体として、(Y,Gd)BO3:Eu、YO3:Euなど、緑色蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・α−Al23:Mnなど、青色蛍光体として、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1017:Euなどが挙げられる。上記の目的物質を記録媒体上に強固に接着させるために、各種バインダーを添加するのが好ましい。用いられるバインダーとしては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースおよびその誘導体;アルキッド樹脂;ポリメタクリタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート・メタクリル酸共重合体、ラウリルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などの(メタ)アクリル樹脂およびその金属塩;ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドなどのポリ(メタ)アクリルアミド樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・イソプレン共重合体などのスチレン系樹脂;スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合体などのスチレン・アクリル樹脂;飽和、不飽和の各種ポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のポリアセタール樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂などのポリエチレン系樹脂;ベンゾグアナミン等のアミド樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂及びそのアニオンカチオン変性;ポリビニルピロリドンおよびその共重合体;ポリエチレンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオキサイド等のアルキレンオキシド単独重合体、共重合体及び架橋体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;ポリエーテルポリオール;SBR、NBRラテックス;デキストリン;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン及びその誘導体、カゼイン、トロロアオイ、トラガントガム、プルラン、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、カラギニン、にかわ、アルブミン、各種澱粉類、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、大豆蛋白等の天然或いは半合成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹脂;ロジン及びロジンエステル;ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸、ポリビニルスルフォン酸などを用いることができる。これらの樹脂は、ホモポリマーとしてだけでなく、相溶する範囲でブレンドして用いても良い。
液体吐出装置10をパターンニング方法として使用する場合には、代表的なものとしてはディスプレイ用途に使用することができる。具体的には、プラズマディスプレイの蛍光体の形成、プラズマディスプレイのリブの形成、プラズマディスプレイの電極の形成、CRTの蛍光体の形成、FED(フィールドエミッション型ディスプレイ)の蛍光体の形成、FEDのリブの形成、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(RGB着色層、ブラックマトリクス層)、液晶ディスプレイ用スペーサー(ブラックマトリクスに対応したパターン、ドットパターン等)などが挙げることができる。ここでいうリブとは一般的に障壁を意味し、プラズマディスプレイを例に取ると各色のプラズマ領域を分離するために用いられる。その他の用途としては、マイクロレンズ、半導体用途として磁性体、強誘電体、導電性ペースト(配線、アンテナ)などのパターンニング塗布、グラフィック用途としては、通常印刷、特殊媒体(フィルム、布、鋼板など)への印刷、曲面印刷、各種印刷版の刷版、加工用途としては粘着材、封止材などの本発明を用いた塗布、バイオ、医療用途としては医薬品(微量の成分を複数混合するような)、遺伝子診断用試料等の塗布等に応用することができる。
(恒温槽)
恒温槽41は、図示しない基材Kの搬入口と搬出口とを備え、液体吐出機構50の液体吐出ヘッド26を内部に格納している。また、恒温槽41は、空調機70から温度及び湿度が調節された空気が供給される吸気管48と空調機70へ内部の空気を送る排気管49とが接続されており、これら以外では外気との流通が遮断された密閉構造となっている。また、外気温の影響の少ない断熱構造となっている。
なお、排気管49の空調機70よりも上流側には、外気取込口49aが設けられ、ここから取り込まれた外気は空調機70により空調されて恒温槽41に供給される。また、この排気管49の途中に送風機を設け、排気又は外気の取り込みを積極的に行っても良い。また、吸気管48又は排気管49には流量計を設け、流量検出を行うと共に制御装置60に出力しても良い。
また、本実施形態では外気である空気を流通させているが外気を取り込まず、不活性ガスの供給手段を設けて、窒素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガスが主体となる不活性ガスを循環させる構成としても良い。
また、エアーフィルタ42は、吸気管48の途中に設けられており、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)等が使用される。さらに、このエアーフィルタは外気取込口49aにも設けても良い。
(差圧計、流量調節弁及び排気流量調節弁)
差圧計43は、恒温槽41の内部と外部との差圧を検出し、制御装置60に出力する。流量調節弁44及び排気流量調節弁45は、制御装置60からの制御信号によりその開度が制御される電磁弁である。制御装置60は、差圧計43の検出する差圧に基づいて、恒温槽41内部が外部圧力と等しいか外部圧力よりも若干高くなるように流量調節弁44及び排気流量調節弁45により空気の通過流量を調節する制御を行う。恒温槽41内に、目標値と異なる温度又は湿度の外気の流入を防止するために、内部圧力を外部よりも若干高めに設定することが望ましい。
(露点計)
露点計46は、恒温槽41の内部温度及び相対湿度を検出し、制御装置60に出力する。制御装置60は、内部温度及び相対湿度から露点温度を算出する。また、露点計46に替えて温湿度計を設け、その出力から制御装置60により算出する構成としても良い。
(空調機)
空調機70は、恒温槽41への空気の循環を行うための送風機と、通過空気の加熱或いは冷却を行う熱交換機と、その下流側に設けられた加湿器及び除湿器とを備えている。そして、制御装置60の制御に従って、空調機70を通過する空気に対して加熱若しくは冷却又は加湿若しくは除湿を行う。
(制御装置)
制御装置60は、前述した恒温槽41の内部圧力制御に加えて、内部雰囲気の相対湿度の制御を行う。即ち、液滴の吐出の際に露点計46の出力から相対湿度を認識し記録する。そして、その後、吐出動作の終了まで、開始時の相対湿度から±5%RHの範囲を超える変動が生じないように、空調機70による加温、冷却、加湿又は除湿の制御を行う。
また、相対湿度の計測は、露点計46に限らず、湿度計で行っても良い。また、溶液が溶剤の場合は、溶剤濃度計で相対湿度の計測を行えばよい。
また、制御装置60は、内部雰囲気の露点温度の制御も行う。即ち、液滴の吐出の際に露点計46の出力から露点温度を算出する。そして、その後、吐出動作の終了まで、露点温度が9℃以上となるように、空調機70による加温、冷却、加湿又は除湿の制御を行う。なお、この時、前述した相対湿度の変動範囲を超えないように空調機70の制御が行われる。
なお、上述の露点温度及び相対湿度の制御は、PID(Proportion-Integration-Differential)制御等の制御方法を用いて、空調機70に対する制御が行われる。
(液体吐出機構)
液体吐出機構50は、前述した恒温槽41内に配設され、その液体吐出ヘッド56は図示しないヘッド駆動手段により所定方向に搬送される。
図12は、ノズルに沿った液体吐出機構50の断面図である。
この液体吐出装置50は、帯電可能な溶液の液滴をその先端部から吐出する超微細径のノズル51と、ノズル51の先端部に対向する対向面を有すると共にその対向面で液滴の着弾を受ける基材Kを支持する対向電極23と、ノズル51内の流路52に溶液を供給する溶液供給手段53と、ノズル51内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段35とを備えている。なお、上記ノズル51と溶液供給手段53の一部の構成と吐出電圧印加手段35の一部の構成は液体吐出ヘッド56により一体的に形成されている。
なお、説明の便宜上、図12ではノズル51の先端部が上方を向いた状態で図示されているが、実際上は、ノズル51が水平方向か或いはそれよりも下方、より望ましくは垂直下方に向けた状態で使用される。
(ノズル)
上記ノズル51は、後述するノズルプレート56cのプレート部と共に一体的に形成されており、当該ノズルプレート56cの平板面上から垂直に立設されている。また、液滴の吐出時においては、ノズル51は、基材Kの受け面(液滴が着弾する面)に対して垂直に向けて使用される。さらに、ノズル51にはその先端部からノズル51の中心に沿って貫通するノズル内流路52が形成されている。
ノズル51についてさらに詳説する。ノズル51は、その先端部における開口径とノズル内流路52とが均一であって、前述の通り、これらが超微細径で形成されている。具体的な各部の寸法の一例を挙げると、ノズル内流路52の内部直径は、25[μm]以下、さらに20[μm]未満、さらに10[μm]以下、さらに8[μm]以下、さらに4[μm]以下が好ましく、本実施形態ではノズル内流路52の内部直径が1[μm]に設定されている。そして、ノズル51の先端部における外部直径は2[μm]、ノズル51の根元の直径は5[μm]、ノズル51の高さは100[μm]に設定されており、その形状は限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。また、ノズルの内部直径は0.2[μm]より大きい方が好ましい。なお、ノズル51の高さは、0[μm]でも構わない。
なお、ノズル内流路52の形状は、図14に示すような、内径一定の直線状に形成しなくとも良い。例えば、図14(A)に示すように、ノズル内流路52の後述する溶液室54側の端部における断面形状が丸みを帯びて形成されていても良い。また、図14(B)に示すように、ノズル内流路52の後述する溶液室54側の端部における内径が吐出側端部における内径と比して大きく設定され、ノズル内流路52の内面がテーパ周面形状に形成されていても良い。さらに、図14(C)に示すように、ノズル内流路52の後述する溶液室54側の端部のみがテーパ周面形状に形成されると共に当該テーパ周面よりも吐出端部側は内径一定の直線状に形成されていても良い。
(溶液供給手段)
溶液供給手段53は、液体吐出ヘッド56の内部であってノズル51の根元となる位置に設けられると共にノズル内流路52に連通する溶液室54と、溶液室54へ溶液を供給する供給路57と、溶液室54への溶液の供給圧力を付与する図示しない供給ポンプとを備えている。
上記供給ポンプは、ノズル51の先端部まで溶液を供給し、当該先端部からこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持して溶液の供給を行う(図12(A)参照)。
供給ポンプとは、液体吐出ヘッドと供給タンクの配置位置による差圧を利用する場合も含み、別途、溶液供給手段を設けなくとも溶液供給路のみで構成しても良い。ポンプシステムの設計にもよるが、基本的にはスタート時に液体吐出ヘッドに溶液を供給するときに稼動し、液体吐出ヘッド56から液体を吐出し、それに応じた溶液の供給は、液体吐出ヘッド56内の容積変化及び供給ポンプの各圧力の最適化を図って溶液の供給が実施される。
(吐出電圧印加手段)
吐出電圧印加手段35は、液体吐出ヘッド56の内部であって溶液室54とノズル内流路52との境界位置に設けられた吐出電圧印加用の吐出電極58と、この吐出電極58に常時,直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、吐出電極28にバイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とする吐出パルス電圧を印加する吐出電圧電源31と、を備えている。
上記吐出電極58は、溶液室54内部において溶液に直接接触し、溶液を帯電させると共に吐出電圧を印加する。
バイアス電源30によるバイアス電圧は、溶液の吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
吐出電圧電源31は、溶液の吐出を行う際にのみパルス電圧をバイアス電圧に重畳させて印加する。このときの重畳電圧Vは次式(1)の条件を満たすようにパルス電圧の値が設定されている。
Figure 2005059297
ただし、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル直径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300[V]で印加され、パルス電圧は100[V]で印される。従って、吐出の際の重畳電圧は400[V]となる。
(液体吐出ヘッド)
液体吐出ヘッド56は、図12において最も下層に位置するベース層56aと、その上に位置する溶液の供給路を形成する流路層56bと、この流路層56bのさらに上に形成されるノズルプレート56cとを備え、流路層56bとノズルプレート56cとの間には前述した吐出電極58が介挿されている。
上記ベース層56aは、シリコン基板或いは絶縁性の高い樹脂又はセラミックにより形成され、その上に溶解可能な樹脂層を形成すると共に供給路57及び溶液室54を形成するための所定のパターンに従う部分のみを残して除去し、除去された部分に絶縁樹脂層を形成する。この絶縁樹脂層が流路層56bとなる。そして、この絶縁樹脂層の上面に導電素材(例えばNiP)のメッキにより吐出電極58を形成し、さらにその上から絶縁性のレジスト樹脂層を形成する。このレジスト樹脂層がノズルプレート56cとなるので、この樹脂層はノズル51の高さを考慮した厚みで形成される。そして、この絶縁性のレジスト樹脂層を電子ビーム法やフェムト秒レーザにより露光し、ノズル形状を形成する。ノズル内流路52も露光・現像により形成される。そして、供給路57及び溶液室54のパターンに従う溶解可能な樹脂層を除去し、これら供給路57及び溶液室54が開通して液体吐出ヘッド56が完成する。
なお、ノズルプレート56c及びノズル51の素材は、具体的には、エポキシ、PMMA、フェノール、ソーダガラス、石英ガラス等の絶縁材の他、Siのような半導体、Ni、SUS等のような導体であっても良い。但し、導体によりノズルプレート56c及びノズル51を形成した場合には、少なくともノズル51の先端部における先端部端面、より望ましくは先端部における周面については、絶縁材による被膜を設けることが望ましい。ノズル51を絶縁材から形成し又はその先端部表面に絶縁材被膜を形成することにより、溶液に対する吐出電圧印加時において、ノズル先端部から対向電極23への電流のリークを効果的に抑制することが可能となるからである。
(対向電極)
対向電極23は、ノズル51の突出方向に垂直な対向面を備えており、かかる対向面に沿うように基材Kの支持を行う。ノズル51の先端部から対向電極23の対向面までの距離は、500[μm]以下さらには100[μm]以下が好ましく、一例としては100[μm]に設定される。
また、この対向電極23は接地されているため、常時,接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはノズル51の先端部と対向面との間に生じる電界による静電力により吐出された液滴を対向電極23側に誘導する。
なお、液体吐出装置50は、ノズル51の超微細化による当該ノズル51の先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル51と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。また、帯電した液滴の電荷を対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
(液体吐出装置による微小液滴の吐出動作)
図12及び図13により液体吐出装置50の吐出動作の説明を行う。
ノズル内流路52には供給ポンプにより溶液が供給された状態にあり、かかる状態でバイアス電源30により吐出電極58を介してバイアス電圧が溶液に印加されている。かかる状態で、溶液は帯電すると共に、ノズル51の先端部において溶液による凹状に窪んだメニスカスが形成される(図13(A))。
そして、吐出電圧電源31により吐出パルス電圧が印加されると、ノズル51の先端部では集中された電界の電界強度による静電力により溶液がノズル51の先端側に誘導され、外部に突出した凸状メニスカスが形成されると共に、かかる凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついには溶液の表面張力に抗して微小液滴が対向電極側に吐出される(図13(B))。
(液体吐出装置の全体的な動作)
恒温槽41内における液体吐出機構50の対向電極23上に基材Kが搬入される。なお、恒温槽41内に搬送した後の基材Kの寸法変化を抑制するために、基材Kの熱容量や伝熱係数に応じた時間だけ、前もって恒温槽41内と同じ温度、湿度環境化で保存しておくことが望ましい。
そして、差圧計43の検出に応じて制御装置60は、流量調節弁44及び排気流量調節弁45を制御して外部よりも恒温槽41内が幾分高めの圧力となるように調節する。また、空調機70の作動により恒温槽41内の空気は循環を行い、制御装置60は、吐出開始からの相対湿度変動を±5%RH以内となる範囲に抑えながら、露点計46により求まる露点温度が9℃未満の時には空調機70により温度調節、湿度調節を行うことにより露点温度9℃以上となるように調節する。
そして、かかる雰囲気中で上述した液体吐出機構50による液滴の吐出動作が行われる。
(実施形態の効果)
上記液体吐出装置50は、従来にない微細径のノズル51により液滴の吐出を行うので、ノズル内流路52内で帯電した状態の溶液により電界が集中され、電界強度が高められる。このため、従来のように電界の集中化が行われない構造のノズル(例えば内径100[μm])では吐出に要する電圧が高くなり過ぎて事実上吐出不可能とされていた微細径でのノズルによる微小液滴の吐出を従来よりも低電圧で行うことを可能としている。
また、低電圧で吐出を行うことができるので、高電圧で溶液の帯電を行う場合と比して、溶液が迅速に帯電され、吐出の反応性の向上を図ることが可能となる。
そして、微細径であるがために、ノズルコンダクタンスの低さによりその単位時間あたりの吐出流量を低減する制御を容易に行うことができると共に、パルス幅を狭めることなく十分に小さな液滴径(上記各条件によれば0.8[μm])による溶液の吐出を実現している。
さらに、吐出される液滴は帯電されているので、微小の液滴であっても蒸気圧が低減され、蒸発を抑制することから液滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、液滴の着弾精度の低下を防止する。
また、液体吐出装置10では、制御装置60が恒温槽41内の雰囲気における相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持するように調節するため、これにより吐出後の、溶剤の蒸発挙動を一定にし、着弾径の変動を抑えることができる。
さらに、基材が雰囲気に含まれる溶媒を吸収性ある場合、その相対湿度を±5%以内に維持することで、基材の溶媒の吸収による膨張による変形を防ぐことが可能である。
このため、吐出位置精度の向上及び吐出液適量を一定化して着弾ドット径の安定化を図ることが可能となる。また、基材や液体吐出装置10の各構成の湿度変化による寸法変動も抑制し、かかる面からも吐出位置精度の向上を図ることができる。
また、液体吐出装置10では、制御装置60が恒温槽41内の雰囲気における露点温度を9℃以上に維持するように調節するため、ノズル51や着弾した液滴の基材表面からの電荷の漏洩がすすみ、これらの電荷による電界の影響が抑制される。これにより、液滴の着弾位置精度が向上すると共に、吐出液滴及び着弾ドットの径の大きさの変動も抑制されて安定化を図ることができる。
(その他)
制御装置60は、恒温槽41の内部雰囲気の湿度及び露点温度制御を行っているが、内部雰囲気の温度及び露点温度制御を行っても良い。即ち、恒温槽41内の液滴吐出開始からの温度変化を±5℃の範囲を超える変動が生じないように空調機70により加温又は冷却を行うと共に、露点温度が9℃以上となるように、空調機70による加温、冷却、加湿又は除湿の制御を行う。
これにより湿度制御の場合と同様に、吐出液滴に対するノズル51の帯電の影響を低減し、吐出位置精度の向上及び吐出液適量を一定化して着弾ドット径の安定化を図ることが可能となる。また、基材や液体吐出装置10の各構成の湿度変化による寸法変動も抑制し、かかる面からも吐出位置精度の向上を図ることができる。
また、ノズル51にエレクトロウェッティング効果を得るために、ノズル51の外周に電極を設けるか、また或いは、ノズル内流路52の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆しても良い。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極58により電圧が印加されている溶液に対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路52の内面のぬれ性を高めることができ、ノズル内流路52への溶液の供給を円滑に行うことができ、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
また、吐出電圧印加手段35ではバイアス電圧を常時印加すると共にパルス電圧をトリガーとして液滴の吐出を行っているが、吐出に要する振幅で常時交流又は連続する矩形波を印加すると共にその周波数の高低を切り替えることで吐出を行う構成としても良い。液滴の吐出を行うためには溶液の帯電が必須であり、溶液の帯電する速度を上回る周波数で吐出電圧を印加していても吐出が行われず、溶液の帯電が十分に図れる周波数に替えると吐出が行われる。従って、吐出を行わないときには吐出可能な周波数より大きな周波数で吐出電圧を印加し、吐出を行う場合にのみ吐出可能な周波数帯域まで周波数を低減させる制御を行うことで、溶液の吐出を制御することが可能となる。かかる場合、溶液に印加される電位自体に変化はないので、より時間応答性を向上させると共に、これにより液滴の着弾精度を向上させることが可能となる。
また、上述した液体吐出ヘッド56は、そのノズル51の材料自体が絶縁性を有するものであったが、形成されたノズルの絶縁破壊強度が10[kV/mm]以上、好ましくは21[kV/mm]以上、さらに好ましくは30[kV/mm]以上であれば良い。かかる場合もノズル51とほぼ同様の効果を得ることが可能である。
[各種試験]
(相対湿度変動と着弾径変動率及び着弾位置変動との関係試験)
図15は相対湿度変動と着弾径変動率及び着弾位置変動との関係を示す図表である。かかる試験は、上述した液体吐出機構50と同じ構造であってノズル径6[μm]とするガラス製の吐出ノズルを備えた吐出ヘッドを用いて、吐出ノズルの先端部から基材Kまでの距離を100[μm]とした状態で、基材Kに対して、相対湿度を図15記載のように、変動させて吐出を行った。基材は、可撓性支持体である、厚さ100μm、幅、500mm、長さ1000mmのポリエチレンテレフタレート支持体を用いた。
また、吐出電圧を500[V]とする矩形波により、基材の幅方向中央から240mm離れた両端部の対称位置に、長手方向ピッチ10μm間隔で、100000点、吐出させ、平均着弾径6μmのドット(=着弾物)を形成した。吐出周波数は10Hzで吐出を行った。
溶液は、10wt%のPVA水溶液(クラレ PVA205(商標))を使用し、吐出開始当初、23℃、50%RHの環境で行われた(温度変動は±1℃以内)。ここで、50RH%とは、吐出する液体の溶媒である、水の相対湿度である。
図15における比較例、実施例1,2は大気中での吐出を行い、実施例3は液体窒素から蒸発した窒素を吹き込ませて酸素濃度5%以下の窒素雰囲気内で吐出を行った。
着弾径の計測は、キーエンス社製レーザー顕微鏡を用いて、着弾したドットの画像より画像処理を行い、外径を計測した。また、着弾径のばらつきの変動率は、標準偏差/平均値から算出した。
また、中心間距離は、レーザー顕微鏡と、リニアスケールを内蔵し距離の計測機能をもつ高精度なXY移動ステージを組み合わせ、レーザー顕微鏡で求めた着弾物の中心座標と、高精度なXYステージで移動させた移動距離より、中心間距離を求めた。さらに、左右両対称の、左右2点のドット(=着弾物)の中心座標間の距離を、全て計測し、その、距離の最大、最小値の差をもとめた。これを、中心間距離の変動とし図15に記す。なお、計測は、23℃、50RH%の環境で計測を行った。
かかる結果によれば、相対湿度変動が±5%以下の範囲で、着弾径変動及び着弾位置間距離変動が低減され、相対湿度変動が±5%以下に抑えることにより、着弾径変動及び着弾位置変動の抑制に貢献することが観測された。
(環境温度変動と着弾径変動率及び着弾位置変動との関係試験)
図16は環境温度変動と着弾径変動率及び着弾位置変動との関係を示す図表である。かかる試験は、上述した液体吐出機構50と同じ構造であってノズル径1[μm]とするガラス製の吐出ノズルを備えた吐出ヘッドを用いて、吐出ノズルの先端部から基材Kまでの距離を100[μm]とした状態で、基材Kに対して、相対温度を図16記載のように、変動させて吐出を行った。基材は、可撓性支持体である、厚さ100μm、幅、500mm、長さ1000mmのポリエチレンテレフタレート支持体を用いた。
また、吐出電圧を350[V]とする矩形波により、基材の幅方向中央から240mm離れた両端部の対称位置に、長手方向ピッチ10μm間隔で、100000点、吐出させ、ドット(=着弾物)を形成した。吐出周波数は10Hzで吐出を行った。
溶液は、銀ナノペースト((商標)ハリマ化成製)を使用し、その溶媒の有機溶剤濃度は、溶剤濃度計で測定したところ、その有機溶剤の相対湿度で±4%RH以内であった。また、吐出開始当初の雰囲気は、23℃、水の相対湿度が50RH%(露点11.97℃)の環境で行われた(水の相対湿度変動は±1%RH以内)。
図16における比較例、実施例1,2は全て大気中での吐出を行った。
着弾径の計測は、キーエンス社製レーザー顕微鏡を用いて、着弾したドットの画像より画像処理を行い、外径を計測した。また、着弾径のばらつきの変動率は、標準偏差/平均値から算出した。
また、中心間距離は、レーザー顕微鏡と、リニアスケールを内蔵し距離の計測機能をもつ高精度なXY移動ステージを組み合わせ、レーザー顕微鏡で求めた着弾物の中心座標と、高精度なXYステージで移動させた移動距離より、中心間距離を求めた。さらに、左右両対称の、左右2点のドット(=着弾物)の中心座標間の距離を、全て計測し、その、距離の最大、最小値の差をもとめた。これを、中心間距離の変動として図16に記す。
かかる結果によれば、温度変動が±5℃以下の範囲で、着弾径変動及び着弾位置間距離変動が低減され、温度変動が±5℃以下に抑えることにより、着弾径変動及び着弾位置変動の抑制に貢献することが観測された。
(露点温度変動と着弾径変動率及び着弾位置変動との関係試験)
図17は、露点温度変動と着弾形状変動との関係を示す図表である。かかる試験は、上述した液体吐出機構50と同じ構造であってノズル径1[μm]とするガラス製の吐出ノズルを備えた吐出ヘッドを用いて、吐出ノズルの先端部から基材Kまでの距離を100[μm]とした状態で、シリコン基板からなる基材Kに対して露点温度を変化させつつ吐出を行った。吐出電圧を350[V]とする矩形波により、5000点の吐出を行った。
溶液は、銀ナノペースト((商標)ハリマ化成製)を使用し、室温である環境温度の変動は±1℃以内とした。
図17における比較例、実施例1,2は全て大気中での吐出を行った。そして、かかる状況下で、顕微鏡を用いて、着弾形状を目視評価した。即ち、着弾形状が円形ではなく、いびつな形状又は欠けを生じている場合を欠陥としてその個数を数えた。
かかる結果によれば、露点温度が9℃以上の範囲で、着弾形状不良が低減され、露点温度を9℃以上とすることにより、着弾形状不良の発生の防止に貢献することが観測された。
[液体吐出装置の理論説明]
以下に、本発明による液体吐出の理論説明及びこれに基づく基本例の説明を行う。なお、以下に説明する理論及び基本例におけるノズルの構造、各部の素材及び吐出液体の特性、ノズル周囲に付加する構成、吐出動作に関する制御条件等全ての内容は、可能な限り上述した各実施形態中に適用しても良いことはいうまでもない。
(印加電圧低下および微少液滴量の安定吐出実現の方策)
従前は以下の条件式により定まる範囲を超えて液滴の吐出は不可能と考えられていた。
Figure 2005059297
λCは静電吸引力によりノズル先端部からの液滴の吐出を可能とするための溶液液面における成長波長(m)であり、λC=2πγh20V2で求められる。
Figure 2005059297
Figure 2005059297
本発明では、静電吸引型インクジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微小液滴を形成することができる。
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明した液体吐出装置に適用可能である。
いま、内径dのノズルに導電性溶液を注入し、基材としての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図21に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
Figure 2005059297
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷(C)、ε0:真空の誘電率(F/m)、ε:基材の誘電率(F/m)、h:ノズル−基材間距離(m)、d:ノズル内部の直径(m)、V:ノズルに印加する総電圧(V)である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にd<<hのときほぼ1程度となる。
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q’が誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q’が誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける凸状メニスカスの先端部の電界強度Eloc.[V/m]は、凸状メニスカス先端部の曲率半径をR[m]と仮定すると、
Figure 2005059297
で与えられる。ここでk:比例定数で、ノズル形状などにより異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D.A. Smith, Surface Science, 23 (1970) 198-210)。
今簡単のため、d/2=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で導電性溶液がノズルの半径と同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をS[m2]とするとすると、
Figure 2005059297
(7)、(8)、(9)式よりα=1とおいて、
Figure 2005059297
と表される。
一方、ノズル先端部に於ける液体の表面張力をPsとすると、
Figure 2005059297
ここで、γ:表面張力(N/m)、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
Figure 2005059297
となる。十分に小さいノズル直径dをもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとdの関係を求めると、
Figure 2005059297
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(6)および式(13)より、
Figure 2005059297
が、本発明の動作電圧となる。
ある内径dのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を前述した図9に示す。この図より、微細ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズル径の減少に伴い低下する事が明らかになった。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微細ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微細ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
静電吸引による吐出は、ノズル端部における流体の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
Figure 2005059297
ここで、ε:溶液の誘電率(F/m)、σ:溶液の導電率(S/m)である。溶液の比誘電率を10、導電率を10-6 S/m を仮定すると、τ=1.854×10-5secとなる。あるいは、臨界周波数をfc[Hz]とすると、
Figure 2005059297
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10 kHz程度となる。このとき、ノズル半径2μm、電圧500V弱の場合、ノズル内流量Gは10-13m3/sと見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10kHzでの吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10fl(フェムトリットル、1fl:10-15 l)程度を達成できる。
なお、各上記本実施の形態においては、図21に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される鏡像力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にすることや、これら基板または基板支持体への電圧の印加は必ずしも必要はない。すなわち、基板として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
さらに、ノズルと基材との距離は、500[μm]以下に保つことにより、溶液の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基材に対し一定に保つようにする。
また、基材を、導電性または絶縁性の基材ホルダーに裁置して保持するようにしても良い。
図22は、本発明の他の基本例の一例としての液体吐出装置のノズル部分の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内溶液3との間に制御された電圧が引加される。この電極15の目的は、Electrowetting 効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともElectrowetting効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすようにしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、先端部におけるノズルの管厚が1μm、ノズル内径が2μm、印加電圧が300Vの場合、約30気圧のElectrowetting効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが溶液のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
前述した図9は、本発明における吐出開始電圧のノズル径依存性を示したものである。液体吐出装置として、図12に示すものを用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
上記各実施形態において、溶液吐出の条件は、ノズル基材間距離(h)、印加電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
この様子を図23を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズル径、溶液の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル基材間距離(h)と印加電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル間距離を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
逆に、ノズル基材間距離(h)を極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体液滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。
ノズル径をφ0.2 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図1(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図1(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ0.4 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図2(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図2(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ1 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図3(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図3(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ8 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図4(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図4(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ20 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図5(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図5(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ50 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図6(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図6(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 図1〜図6の各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。 ノズルのノズル径のメニスカス部の最大電界強度と強電界領域の関係を示す線図である。 ノズルのノズル径とメニスカス部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。 本発明の実施の形態における印字ドット径のノズル径依存性を示したものである。 液体吐出装置の概略構成図である。 ノズルに沿った液体吐出機構の断面図である。 溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、図13(A)は吐出を行わない状態であり、図13(B)は吐出状態を示す。 ノズル内流路の他の形状の例を示す一部切り欠いた斜視図であり、図14(A)は溶液室側に丸みを設けた例であり、図14(B)は流路内壁面をテーパ周面とした例であり、図14(C)はテーパ周面と直線状の流路とを組み合わせた例を示す。 相対湿度変動と着弾径変動率及び着弾位置変動との関係を示す図表である。 環境温度変動と着弾径変動率及び着弾位置変動との関係を示す図表である。 露点温度変動と着弾形状変動との関係を示す図表である。 本発明の実施の形態として、ノズルの電界強度の計算を説明するために示したものである。 本発明の一例としての液体吐出装置の側面断面図を示したものである。 本発明の液体吐出装置における距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。
符号の説明
10 液体吐出装置
35 吐出電圧印加手段
50 液体吐出機構
51 ノズル
53 溶液供給手段
56 液体吐出ヘッド
70 空調機(吐出雰囲気調節手段)
K 基材

Claims (12)

  1. 帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出装置であって、
    先端部から前記液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、
    前記液体吐出ヘッドの吐出時の雰囲気の相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持する吐出雰囲気調節手段を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出装置であって、
    先端部から前記液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、
    前記液体吐出ヘッドの吐出時の雰囲気の温度の変動範囲を±5℃に維持する吐出雰囲気調節手段を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記吐出雰囲気調節手段は、前記液体吐出ヘッドの吐出を行う雰囲気を、露点温度9度(℃)以上に維持することを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出装置。
  4. 前記ノズルの内部直径が20[μm]未満であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の液体吐出装置。
  5. 前記ノズルの内部直径が8[μm]以下であることを特徴とする請求項4記載の液体吐出装置。
  6. 前記ノズルの内部直径が4[μm]以下であることを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
  7. 帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出方法であって、
    先端部から前記液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備える液体吐出装置により前記液滴を吐出すると共に、
    前記液体吐出ヘッドの周囲の雰囲気の相対湿度の変動範囲を±5%RHに維持して吐出を行うことを特徴とする液体吐出方法。
  8. 帯電した溶液の液滴を基材に吐出する液体吐出方法であって、
    先端部から前記液滴を吐出する先端部の内部直径が25[μm]以下のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備える液体吐出装置により前記液滴を吐出すると共に、
    前記液体吐出ヘッドの周囲の雰囲気の温度の変動範囲を±5℃に維持して吐出を行うことを特徴とする液体吐出方法。
  9. 前記液体吐出ヘッドの吐出を行う雰囲気を、露点温度9度(℃)以上に維持することを特徴とする請求項7又は8記載の液体吐出方法。
  10. 前記ノズルの内部直径が20[μm]未満であることを特徴とする請求項7,8又は9記載の液体吐出方法。
  11. 前記ノズルの内部直径が8[μm]以下であることを特徴とする請求項10記載の液体吐出方法。
  12. 前記ノズルの内部直径が4[μm]以下であることを特徴とする請求項11記載の液体吐出方法。
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