JP2005059045A - 差厚板材の製造方法および差厚板材の製造装置 - Google Patents

差厚板材の製造方法および差厚板材の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便に差厚板材を形成することができ、もって、加工賃の増加を抑え得る差厚板材の製造方法および差厚板材の製造装置を提供する。
【解決手段】 板状のブランク材20に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部21を部分的に形成して、差厚板材Wを製造する方法であって、まず、断面波形のプレス面を備える第1のプレス加工装置によって、ブランク材のうち薄肉部とする対象領域22を、断面波形に張出成形して延ばす第1のプレス工程を実施する。次いで、断面フラット形のプレス面を備える第2のプレス加工装置によって、断面波形に成形された対象領域22を、元の平板形状に戻す第2のプレス工程を実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、差厚板材の製造方法および差厚板材の製造装置に関するものである。
材料を節約するとともに部品の軽量化を図るために、薄肉部が部分的に形成された差厚板材が広く使用されている。差厚板材は、部品の各部位のうち比較的強い強度が要求される部位を構成する領域を厚肉部とする一方、強い強度がそれほど要求されない部位を構成する領域を薄肉部としたものである。
従来、差厚板材を製造する際には、圧延ロールを回転して薄肉部を部分的に形成する手法が採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
しかしながら、圧延ロールを備える設備は比較的大掛かりであり、加工時間も比較的長時間を要する。このため、加工賃が高価になるという問題がある。
特開2002−239605号公報 特開2002−248503号公報
本発明は、上記従来技術に伴なう課題を解決するためになされたものであり、簡便に差厚板材を形成することができ、もって、加工賃の増加を抑え得る差厚板材の製造方法および差厚板材の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、下記の手段により達成される。
本発明は、板状のブランク材に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部を部分的に形成して、差厚板材を製造する方法において、
断面波形のプレス面を備える第1のプレス加工装置によって、前記ブランク材のうち前記薄肉部とする対象領域を、断面波形に張出成形して延ばす第1のプレス工程と、
断面フラット形のプレス面を備える第2のプレス加工装置によって、断面波形に成形された前記対象領域を、元の平板形状に戻す第2のプレス工程と、を含んでいることを特徴とする差厚板材の製造方法である。
また、本発明は、板状のブランク材に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部を部分的に形成して、差厚板材を製造する装置において、
前記ブランク材のうち前記薄肉部とする対象領域を、断面波形に張出成形して延ばすために、断面波形のプレス面を備えた第1のプレス加工装置と、
断面波形に成形された前記対象領域を、元の平板形状に戻すために、断面フラット形のプレス面を備えた第2のプレス加工装置と、を含んでいることを特徴とする差厚板材の製造装置である。
本発明によれば、プレス加工という比較的簡単な設備を用いて差厚板材を形成することができ、しかも、加工時間も圧延加工に比べて短くなる。したがって、差厚板材を簡便に形成することができ、もって、加工賃の増加を抑えることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1(A)〜(C)は、本発明の第1の実施の形態に係る差厚板材Wの製造方法の工程を示す図、図2(A)〜(C)は、製造した差厚板材Wから部品を製作する工程を示す図である。また、図3は、本発明の第1の実施の形態に係る差厚板材Wの製造装置に備えられ、図1(B)に示される第1のプレス工程を実施する第1のプレス加工装置30を示す概略構成図、図4(A)(B)は、本発明の第1の実施の形態に係る差厚板材Wの製造装置に備えられ、図1(C)に示される第2のプレス工程を実施する第2のプレス加工装置40を示す概略構成図である。
差厚板材Wを適用して軽量化を図る部品として、自動車部品においては、例えば、サスペンション構成部品の一つであるサスペンションメンバが挙げられる。図2には、サスペンションメンバにおけるフロント・エクステンション・デフ・マウント・ロア部品を製作する工程の概略が示されている。概説すれば、製造した差厚板材Wにピアス加工を施し(図2(A))、部品形状にするプレス加工を施し(図2(B))、符号11で示される部位にカムフラット加工を施し(図2(C))、フロント・エクステンション・デフ・マウント・ロア部品10を製作している。差厚板材Wの製造に際して、本発明が適用されている。
図1(A)〜(C)を参照して、差厚板材Wの製造方法は、概説すれば、板状のブランク材20に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部21を部分的に形成して、差厚板材Wを製造する方法において、断面波形のプレス面を備える第1のプレス加工装置30によって、ブランク材20のうち薄肉部21とする対象領域22を、断面波形に張出成形して延ばす第1のプレス工程(図1(A)(B)を参照)と、断面フラット形のプレス面を備える第2のプレス加工装置40によって、断面波形に成形された対象領域22を、元の平板形状に戻す第2のプレス工程(図1(C)を参照)と、を含んでいる。ブランク材20の材質や厚さは、特に限定されないが、例えば、アルミニウム板(例えば、A5154)であり、その厚さは、例えば4.5mmである。図示例にあっては、薄肉部21とする対象領域22はブランク材20の略中央部分であり、対象領域22の図中左右両側は、薄肉化しない非対象領域23となっている。
なお、図1(B)(C)のそれぞれにおいては、板材26、Wの平面図および断面図が示されている。図1(B)に示すように、断面波形の頂点部として、山の頂点部24および谷の頂点部25の両者があるが、山の頂点部24には2点鎖線を付し、谷の頂点部25は破線を付してある。さらにまた、図1(C)の断面図においては、理解の容易のために、差厚の程度を誇張して示している。
図3および図4を参照して、上記製造方法を具現化する差厚板材Wの製造装置は、概説すれば、板状のブランク材20に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部21を部分的に形成して、差厚板材Wを製造する装置であって、ブランク材20のうち薄肉部21とする対象領域22を、断面波形に張出成形して延ばすために、断面波形のプレス面を備えた第1のプレス加工装置30(図3を参照)と、断面波形に成形された対象領域22を、元の平板形状に戻すために、断面フラット形のプレス面を備えた第2のプレス加工装置40(図4を参照)と、を含んでいる。
図3に示すように、前記第1のプレス加工装置30は、相対的に接近離反移動自在な上型31と下型32とを含んでいる。ブランク材20のうち薄肉部21とする対象領域22を張出成形して延ばすために、上型31には断面円弧面を備えるダイ33が複数個(図示例では4個)設けられ、下型32には断面円弧面を備えるポンチ34が複数個(図示例では3個)設けられている。ダイ33は上下動自在に上型31に保持され、ポンチ34は上下動自在に下型32に保持されている。各ポンチ34は、ダイ33の間に位置するように配置されている。また、ダイ33およびポンチ34は、それぞれの軸線が平行をなすように配置されている。ダイ33およびポンチ34は、第1のプレス加工装置30が備える断面波形のプレス面に相当する。
前記対象領域22の両端部を拘束するために、上型31には上ブランクホルダ35が、下型32にはクッションピン36に支持された下ブランクホルダ37が設けられている。
図中、T字により簡略化された部材は、油圧などによるクッション圧が付与されるクッション38を示している。ダイ33およびポンチ34は、クッション圧が付与され、実線で示される位置から破線で示される位置まで駆動される。また、上下のブランクホルダ35、37は、クッション圧が付与されて、対象領域22の両端部を挟持している。このとき、両端のダイ33も下ブランクホルダ37との間で対象領域22の両端部を挟持している。図1(A)(B)に明らかに示されているように、対象領域22には、非対象領域23からの材料の流入がある程度は許容されている。対象領域22の両端部を挟持する圧力は、対象領域22への材料の流入をある程度許容し、かつ、対象領域22を断面波形に張出成形して薄肉化し得る範囲内で適宜選択される。
図4(A)(B)に示すように、前記第2のプレス加工装置40は、相対的に接近離反移動自在な上型41と下型42とを含んでいる。断面波形に成形された対象領域22を元の平板形状に戻すために、上下型41、42には平坦なダイフェース43、44が設けられている。これらダイフェース43、44は、第2のプレス加工装置40が備える断面フラット形のプレス面に相当する。
次に、作用を説明する。
まず、第1のプレス工程を実施する(図1(B))。すなわち、図3に示すように、第1のプレス加工装置30の上下型31、32の間にブランク材20を搬送した後、上下のブランクホルダ35、37にクッション圧を付与し、ブランク材20の対象領域22の両端部を挟持する。さらに、ダイ33およびポンチ34にもクッション圧を付与し、これらダイ33およびポンチ34を実線で示される位置から破線で示される位置まで駆動する。このプレス加工により、対象領域22は、断面波形に張出成形されて均等に延ばされ、薄肉化される。この第1のプレス工程においては、対象領域22の両端部は、非対象領域23から対象領域22への材料の流入をある程度許容しながら拘束されている。このため、図1(A)(B)に示されるように、第1のプレス工程を経た板材は、図中左右の幅方向において、ブランク材20よりも若干縮んでいる。ダイ33およびポンチ34のそれぞれの軸線は平行をなすため、張出成形が施された対象領域22は、平行なウェーブ形状を呈している。
次に、第2のプレス工程を実施する(図1(C))。すなわち、図4(A)に示すように、第2のプレス加工装置40の上下型41、42の間に、第1のプレス工程を経た板材26を搬送した後、平坦なダイフェース43、44でプレスする。このプレス加工により、図4(B)に示すように、断面波形に成形された対象領域22は、元の平板形状に戻される。対象領域22のウェーブ形状が平板形状に戻される結果、図1(A)(C)に示されるように、差厚板材Wは、幅方向において、ブランク材20よりも若干伸びている。この伸び寸法L分だけ、材料の歩留まりが向上する。
第1と第2のプレス工程を経ることにより、対象領域22の硬度が高くなり、加工硬化による引張強度も向上する。テストピースを用いて試験したところ、アルミ材では、引張強度が1.1倍〜1.3倍に向上した。
このように、プレス加工という比較的簡単な設備を用いて差厚板材Wを形成することができ、しかも、プレス加工であるため、加工時間も圧延加工に比べて短くなる。したがって、差厚板材Wを簡便に形成することができ、もって、加工賃の増加を抑えることが可能となる。
以上説明したように、第1の実施の形態の差厚板材Wの製造方法は、板状のブランク材20に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部21を部分的に形成して、差厚板材Wを製造する方法において、断面波形のプレス面を備える第1のプレス加工装置30によって、ブランク材20のうち薄肉部21とする対象領域22を、断面波形に張出成形して延ばす第1のプレス工程(図1(B)参照)と、断面フラット形のプレス面を備える第2のプレス加工装置40によって、断面波形に成形された対象領域22を、元の平板形状に戻す第2のプレス工程(図1(C)参照)と、を含んでいるので、差厚板材Wを簡便に形成することができ、もって、加工賃の増加を抑えることが可能となる。
また、第1の実施の形態の差厚板材Wの製造装置は、板状のブランク材20に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部21を部分的に形成して、差厚板材Wを製造する装置において、ブランク材20のうち薄肉部21とする対象領域22を、断面波形に張出成形して延ばすために、断面波形のプレス面を備えた第1のプレス加工装置30(図3参照)と、断面波形に成形された対象領域22を、元の平板形状に戻すために、断面フラット形のプレス面を備えた第2のプレス加工装置40(図4参照)と、を含んでいるので、差厚板材Wを簡便に形成することができ、もって、加工賃の増加を抑えることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図5(A)は、第2のプレス工程を経た後において、断面波形の頂点部24、25であった部位に曲げくせ50が残存した差厚板材Wを示す断面図、図5(B)は、本発明の第2の実施の形態に係る差厚板材Wの製造装置に備えられ、第2のプレス工程を実施する第2のプレス加工装置60を示す概略構成図、図5(C)は、曲げくせ50が矯正された差厚板材Wを示す断面図である。また、図6(A)(B)は、第2のプレス加工装置60のプレス面64に付加した逆曲げ用突起66を示す斜視図である。
図5(A)に示すように、ブランク材20の材質、厚さ、張出成形の程度などによっては、第2のプレス工程を経た後においても、断面波形の頂点部24、25であった部位に、加工硬化によって、曲げくせ50が残存する虞がある。断面波形の頂点部24、25には、山の頂点部24(図1(B)の2点鎖線を参照)および谷の頂点部25(図1(B)の破線を参照)の両者が含まれる。曲げくせ50は、平坦面から約1mm程度突出し、山の頂点部24であった部位では図中上方向への凸形状をなし、谷の頂点部25であった部位では図中下方向への凸形状をなしている。
第2の実施の形態にあっては、差厚板材Wをより一層フラットに戻すことを意図している。そこで、第2のプレス工程は、第2のプレス加工装置60のプレス面であるダイフェース63、64に付加した逆曲げ用突起65、66により、断面波形の頂点部24、25であった部位に残存する曲げくせ50を矯正する逆曲げ加工を含んでいる。
なお、図5(A)(B)および図6(A)(B)においては、理解の容易のために、曲げくせ50および逆曲げ用突起65、66を誇張して示している。
図5(B)に示すように、第2のプレス加工装置60の上型61には、山の頂点部24であった部位に残存する曲げくせ50を矯正する逆曲げ用突起65が複数個(図示例では3個)設けられ、下型62には、谷の頂点部25であった部位に残存する曲げくせ50を矯正する逆曲げ用突起66が複数個(図示例では4個)設けられている。
逆曲げ用突起65、66は、断面波形に成形された対象領域22が元の平板形状に戻された状態において、頂点部24、25であった部位に対応する位置に設けられている。また、第2のプレス工程を実施する際には、第2のプレス加工装置60に設けた図示しない位置決め機構により、逆曲げ用突起65、66と頂点部24、25であった部位との位置合わせがなされる。
逆曲げ用突起65、66は、例えば、頂点部24、25に沿って長手方向に伸びるリブ形状(図6(A)を参照)、あるいは、頂点部24、25に沿って点在するディンプル形状(図6(B)を参照)など、曲げくせ50の寸法などに応じて、任意の形状を採用することができる。逆曲げ用突起65、66の高さは、残存する曲げくせ50の程度に応じて適宜寸法を採用し得るが、残存する曲げくせ50の高さが約1mmの場合には、例えば、0.5mm〜1mm程度に設定すればよい。また、曲げくせ50との当接面は、円弧面に設定するのが好ましい。
第2の実施の形態にあっては、第2のプレス工程を実施すると、第1の実施の形態と同様に、断面波形に成形された対象領域22が元の平板形状に戻され、さらに、逆曲げ用突起65、66により、断面波形の頂点部24、25であった部位に逆曲げ加工が施される。この逆曲げ加工により、頂点部24、25であった部位に残存する曲げくせ50が矯正され、除去ないし解消される。したがって、図5(C)に示すように、より一層フラットな差厚板材Wを得ることができる。
なお、逆曲げ用突起65、66に対向するプレス面に、微小な凹部を設けてもよい。
以上説明したように、第2の実施の形態の差厚板材Wの製造方法にあっては、第2のプレス工程は、第2のプレス加工装置60のプレス面63、64に付加した逆曲げ用突起65、66により、断面波形の頂点部24、25であった部位に残存する曲げくせ50を矯正する逆曲げ加工を含んでいるので、第1の実施の形態の作用効果に加えて、差厚板材Wをより一層フラットに形成することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図7(A)は、本発明の第3の実施の形態に係る第2のプレス工程を経た後において、ビード71、72が形成された差厚板材Wを示す正面図、図7(B)は、図7(A)の7B−7B線に沿う断面図である。また、図8は、本発明の第3の実施の形態に係る差厚板材Wの製造装置に備えられ、第2のプレス工程を実施する第2のプレス加工装置80を示す概略斜視図である。この図8には、特に、第2のプレス加工装置80のプレス面83、84に付加したビード用突起86、87が詳細に示されている。
第1または第2の実施の形態で説明した第1と第2のプレス工程を経ると、差厚板材Wの対象領域22には、均等な間隔で平行な曲げ跡が形成される。対象領域22には加工硬化によって引張強度は増しているが、曲げ戻しによる疲労強度の低下が生じる虞がある。このため、差厚板材Wを部品形状にプレス成形した後、何らかの原因で部品に破損が発生すると、この破損が前記曲げ跡に沿って進行する虞がある。
第3の実施の形態にあっては、破損が曲げ跡に沿って進行することを防止することを意図している。そこで、第2のプレス工程は、第2のプレス加工装置80のプレス面であるダイフェース83、84に付加したビード用突起86により、断面波形の頂点部24、25に対して交差する第1の方向に沿って伸びるビード71を形成するビード形成加工を含んでいる。
なお、図7および図8において、断面波形の頂点部24、25に対して交差する第1の方向をX方向とし、第1の方向に対して直交する第2の方向をY方向とする。このY方向は、一の頂点部24、25が伸びる方向でもある。したがって、前記曲げ跡は、Y方向に伸び、かつ、X方向に並列的に複数本形成されることになる。図7(A)においては、差厚板材Wの表面Wa(図において紙面表面)に現れる谷形状をなすビード71、72については破線で表し、山形状をなすビード71、72については2点鎖線で表してある。図7および図8においては、理解の容易のために、ビード71、72およびビード用突起86、87を誇張して示している。また、本明細書においては、Y方向を「列」と定義する。
図7(A)(B)に示すように、対象領域22において、ビード71は、X方向に複数個、かつ、Y方向に複数個形成されている。より詳しくは、差厚板材Wの表面Waを基準にして谷形状をなす3列の谷ビード列73と、山形状をなす4列の山ビード列74とが交互に形成されている。谷ビード列73のそれぞれには、X方向に伸びる5個のビード71が含まれ、山ビード列74のそれぞれには、X方向に伸びる4個のビード71が含まれている。さらに、ビード列73、74のそれぞれには、X方向に伸びるビード71の略中央部を通ってY方向に伸びるビード72も形成されている。以下の説明においては、X方向に伸びるビード71を「X方向ビード71」とも略称し、Y方向に伸びるビード72を「Y方向ビード72」とも略称する。また、X方向ビード71およびY方向ビード72の両者を総称して、単に、ビード70と称することもある。
一の列における複数個のX方向ビード71と、当該一の列に相互に隣り合う他の列における複数個のX方向ビード71とは、互い違いに交互に配置されている。
さらに、一の列におけるX方向ビード71と、当該一の列に相互に隣り合う他の列におけるX方向ビード71とは、図7(A)に符号「m」で示される寸法だけ、X方向に沿ってオーバーラップしている。
上記のX方向ビード71およびY方向ビード72を形成するための第2のプレス加工装置80が図8に示される。
図示するように、第2のプレス加工装置80の下型42には、X方向に複数個、かつ、Y方向に複数個のビード用突起86が設けられている。上型41にも同様に、X方向に複数個、かつ、Y方向に複数個のビード用突起が設けられている。上下型41、42には、ビード用突起86が嵌まり込むX方向に伸びる凹溝96が設けられている。
ビード用突起列には、X方向に伸びるビード用突起86の略中央部を通ってY方向に伸びるビード用突起87が設けられている。これに対応して、凹溝列には、X方向に伸びる凹溝96の略中央部を通ってY方向に伸びる凹溝97が設けられている。以下の説明においては、X方向に伸びるビード用突起86を「X方向ビード用突起86」とも略称し、Y方向に伸びるビード用突起87を「Y方向ビード用突起87」とも略称し、X方向に伸びる凹溝96を「X方向凹溝96」とも略称し、Y方向に伸びる凹溝97を「Y方向凹溝97」とも略称する。
Y方向ビード用突起87に、第2の実施の形態で説明した逆曲げ用突起65、66の機能を持たせることが好ましい。
一の列における複数個のX方向ビード用突起86と、当該一の列に相互に隣り合う他の列における複数個のX方向凹溝96とは、交互に配置されている。
また、一の列におけるX方向ビード用突起86と、当該一の列に相互に隣り合う他の列におけるX方向凹溝96とは、図8に符号「m」で示される寸法だけ、X方向に沿ってオーバーラップしている。
第3の実施の形態にあっては、第2のプレス工程を実施すると、第2の実施の形態と同様に、断面波形に成形された対象領域22が元の平板形状に戻され、Y方向ビード用突起87により、断面波形の頂点部24、25であった部位に逆曲げ加工が施される。さらに、X方向ビード用突起86およびY方向ビード用突起87により、ビード形成加工が施される。逆曲げ加工により、頂点部24、25であった部位に残存する曲げくせ50が矯正され、ビード形成加工により、X方向ビード71およびY方向ビード72が形成される。
微小なX方向ビード71が形成されるので、断面波形の頂点部24、25に対して交差する方向、つまり、曲げ跡に対して交差する方向での曲げに対する強度が高められる。さらに、微小なY方向ビード72も形成されるので、断面波形の頂点部24、25に沿う方向、つまり、曲げ跡に沿う方向での曲げに対する強度も高められる。このため、第1と第2のプレス工程を経ることによる対象領域22の加工硬化と、微小ビード70の効果とが相まって、曲げ戻しによる疲労強度の低下が抑制され、応力の分散が図られる。したがって、差厚板材Wを部品形状にプレス成形した後、何らかの原因で部品に破損が発生しても、この破損が曲げ跡に沿って進行することが防止される。
ここで、X方向ビード71は、X方向に複数個、かつ、Y方向に複数個形成されるので、対象領域22のほぼ全面にわたって、曲げ戻しによる疲労強度の低下を抑制できるとともに応力を分散させることができ、破損が曲げ跡に沿って進行することが確実に防止される。
また、一の列における複数個のX方向ビード71と、当該一の列に相互に隣り合う他の列における複数個のX方向ビード71とは、交互に配置されるので、応力を好適に分散させることができ、破損が曲げ跡に沿って進行することがより確実に防止される。
さらに、一の列におけるX方向ビード71と、当該一の列に相互に隣り合う他の列におけるX方向ビード71とは、X方向に沿ってオーバーラップしているので、応力をより好適に分散させることができ、破損が曲げ跡に沿って進行することがより一層確実に防止される。
以上説明したように、第3の実施の形態の差厚板材Wの製造方法にあっては、第2のプレス工程は、第2のプレス加工装置80のプレス面に付加したビード用突起86(X方向ビード用突起86)により、断面波形の頂点部24、25に対して交差する第1の方向(X方向)に沿って伸びるビード71(X方向ビード71)を形成するビード形成加工を含んでいるので、第1の実施の形態の作用効果に加えて、曲げ戻しによる疲労強度の低下を抑制できるとともに応力の分散を図ることができ、差厚板材Wからなる部品に何らかの原因で破損が発生しても、当該破損が曲げ跡に沿って進行することを防止することが可能となる。
また、ビード71(X方向ビード71)を、第1の方向(X方向)に複数個、かつ、第1の方向に対して直交する第2の方向(Y方向)に複数個形成するので、対象領域22のほぼ全面にわたって、曲げ戻しによる疲労強度の低下を抑制できるとともに応力を分散させることができ、破損が曲げ跡に沿って進行することを確実に防止することができる。
また、一の列における複数個のビード71(X方向ビード71)と、当該一の列に相互に隣り合う他の列における複数個のビード71(X方向ビード71)とは、交互に配置されているので、応力を好適に分散させることができ、破損が曲げ跡に沿って進行することをより確実に防止することができる。
また、一の列におけるビード71(X方向ビード71)と、当該一の列に相互に隣り合う他の列におけるビード71(X方向ビード71)とは、第1の方向(X方向)に沿ってオーバーラップしているので、応力をより好適に分散させることができ、破損が曲げ跡に沿って進行することをより一層確実に防止することができる。
なお、差厚板材Wの表面Waを基準にして谷形状をなすビード70および山形状をなすビード70を形成した実施の形態について説明したが、谷形状または山形状をなすいずれか一方のビード70のみを形成してもよい。また、X方向ビード71およびY方向ビード72の両者を形成した場合を示したが、X方向ビード71のみを形成しても、曲げ戻しによる疲労強度の低下を抑制できるとともに応力の分散を図ることができ、差厚板材Wからなる部品に何らかの原因で破損が発生しても、当該破損が曲げ跡に沿って進行することを防止することが可能である。
本発明は、プレス加工という比較的簡単な設備を用いて差厚板材を形成するために適用できる。
図1(A)〜(C)は、本発明の第1の実施の形態に係る差厚板材の製造方法の工程を示す図である。 図2(A)〜(C)は、製造した差厚板材から部品を製作する工程を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る差厚板材の製造装置に備えられ、図1(B)に示される第1のプレス工程を実施する第1のプレス加工装置を示す概略構成図である。 図4(A)(B)は、本発明の第1の実施の形態に係る差厚板材の製造装置に備えられ、図1(C)に示される第2のプレス工程を実施する第2のプレス加工装置を示す概略構成図である。 図5(A)は、第2のプレス工程を経た後において、断面波形の頂点部であった部位に曲げくせが残存した差厚板材を示す断面図、図5(B)は、本発明の第2の実施の形態に係る差厚板材の製造装置に備えられ、第2のプレス工程を実施する第2のプレス加工装置を示す概略構成図、図5(C)は、曲げくせが矯正された差厚板材を示す断面図である。 図6(A)(B)は、第2のプレス加工装置のプレス面に付加した逆曲げ用突起を示す斜視図である。 図7(A)は、本発明の第3の実施の形態に係る第2のプレス工程を経た後において、ビードが形成された差厚板材を示す正面図、図7(B)は、図7(A)の7B−7B線に沿う断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る差厚板材の製造装置に備えられ、第2のプレス工程を実施する第2のプレス加工装置を示す概略斜視図である。
符号の説明
20 ブランク材、
21 薄肉部、
22 対象領域、
24、25 断面波形の頂点部、
30 第1のプレス加工装置、
33 ダイ(第1のプレス加工装置の断面波形のプレス面)、
34 ポンチ(第1のプレス加工装置の断面波形のプレス面)、
40、60、80 第2のプレス加工装置、
43、44 ダイフェース(第2のプレス加工装置40の断面フラット形のプレス面)、
50 曲げくせ、
63、64 ダイフェース(第2のプレス加工装置60のプレス面)、
65、66 逆曲げ用突起、
71 X方向ビード(断面波形の頂点部に対して交差する第1の方向に沿って伸びるビード)、
72 Y方向ビード、
83、84 ダイフェース(第2のプレス加工装置80のプレス面)、
86 X方向ビード用突起(ビード用突起)、
87 Y方向ビード用突起、
96 X方向凹溝、
97 Y方向凹溝、
W 差厚板材、
X 断面波形の頂点部に対して交差する第1の方向、
Y 第1の方向に対して直交する第2の方向。

Claims (7)

  1. 板状のブランク材に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部を部分的に形成して、差厚板材を製造する方法において、
    断面波形のプレス面を備える第1のプレス加工装置によって、前記ブランク材のうち前記薄肉部とする対象領域を、断面波形に張出成形して延ばす第1のプレス工程と、
    断面フラット形のプレス面を備える第2のプレス加工装置によって、断面波形に成形された前記対象領域を、元の平板形状に戻す第2のプレス工程と、を含んでいることを特徴とする差厚板材の製造方法。
  2. 前記第2のプレス工程は、前記第2のプレス加工装置の前記プレス面に付加した逆曲げ用突起により、断面波形の頂点部であった部位に残存する曲げくせを矯正する逆曲げ加工を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の差厚板材の製造方法。
  3. 前記第2のプレス工程は、前記第2のプレス加工装置の前記プレス面に付加したビード用突起により、断面波形の頂点部に対して交差する第1の方向に沿って伸びるビードを形成するビード形成加工を含んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の差厚板材の製造方法。
  4. 前記ビードを、前記第1の方向に複数個、かつ、前記第1の方向に対して直交する第2の方向に複数個形成することを特徴とする請求項3に記載の差厚板材の製造方法。
  5. 一の列における複数個のビードと、当該一の列に相互に隣り合う他の列における複数個のビードとは、交互に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の差厚板材の製造方法。
  6. 一の列におけるビードと、当該一の列に相互に隣り合う他の列におけるビードとは、前記第1の方向に沿ってオーバーラップしていることを特徴とする請求項5に記載の差厚板材の製造方法。
  7. 板状のブランク材に、他の部位に比べて肉厚が薄い薄肉部を部分的に形成して、差厚板材を製造する装置において、
    前記ブランク材のうち前記薄肉部とする対象領域を、断面波形に張出成形して延ばすために、断面波形のプレス面を備えた第1のプレス加工装置と、
    断面波形に成形された前記対象領域を、元の平板形状に戻すために、断面フラット形のプレス面を備えた第2のプレス加工装置と、を含んでいることを特徴とする差厚板材の製造装置。
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