JP2005058855A - 高純度ホウ素の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 メッキ、ガラス、医薬等の各種製造工程及び各種処理工程から排出されるホウ素及びリン酸含有排水から高純度のホウ素を回収する方法を提供する。
【解決手段】 ホウ素選択性吸着樹脂にホウ素及びリン酸を含有する水を通水し、次いで鉱酸溶液を通液して該ホウ素選択性吸着樹脂に吸着されたホウ素を脱離させるホウ素の回収方法において、該鉱酸溶液の通液をアルカリ水溶液を通水した後に行うことを特徴とする高純度ホウ素の回収方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホウ素を含有する水からホウ素を高純度で回収する方法に関するものである。詳しくは、本発明はホウ素及びリン酸を含有する水を通水して、ホウ素が吸着されたホウ素選択性樹脂から、高純度のホウ素を回収し、且つホウ素選択性樹脂を再生する方法に関するものである。
ホウ素化合物は、メッキ、ガラス、医薬、染料、合成繊維製造工程等で広く利用されており、これらの製造工程からはホウ素含有水が排出される。また、発電所における排煙脱硫処理の排水やゴミ焼却炉での処理排水などにもホウ素が含有されている。従来、これらの製造工程や処理工程から排出されるホウ素含有水はホウ素選択性樹脂によリホウ素を吸着・脱離し、得られた脱離液を濃縮して回収していた。しかしながら、得られる脱離液のホウ素濃度が比較的低く、また純度が低いこともあり回収再利用されず、濃縮物を産業廃棄物として処理するか、或いはセメント等により固形化し埋め立て処理する等の手段がとられている。
更に、ホウ素はある濃度以上存在すると植物の生長を阻害したり、また動物に対しても神経障害を起こすおそれがあるため、環境保護の点からより厳しい排水基準が設けられる傾向にありホウ素含有排水に関しては効率良くホウ素を回収・再利用する処理方法が強く望まれている。
この間題を解決するために、特開2001−104807公報においては、ホウ素を含む排水より、ホウ素選択性吸着樹脂によりホウ素を吸着させ、この吸着したホウ素を鉱酸溶液によって溶離させて得た脱離液を、OH形弱塩基性陰イオン交換樹脂に通液して、ホウ素溶液と鉱酸溶液とに分画し、高純度のホウ素溶液を回収する方法が提案されている。 また、特開2001−247305公報には、ホウ素を吸着したホウ素選択性樹脂から鉱酸水溶液により脱離する際、鉱酸水溶液の温度を40〜90℃に維持することにより、濃縮液の廃液量を低減することが提案されている。
特開2001−104807公報 特開2001−247305公報
一般に、ホウ素含有排水は、各種製造工程や各種処理工程などから生じるため、排水中にはホウ素以外に種々の成分を含有している。ホウ素は、排水中においてホウ酸或いはその塩の形態で存在しているため、排水中に共存する陰イオンの種類によってはホウ素の吸着・脱離に影響を及ぼし、高純度のホウ素を回収できない場合がある。特に処理しようとする排水中にホウ素とリン酸が共存する場合、例えば、前記特開2001−104807に提案されている回収方法を採用すると、鉱酸溶液によりホウ素とリン酸が同時に溶離されるため、ホウ素溶離液よりホウ素を回収する際に、ホウ素回収純度が低下する等の問題が発生する。そのため、この方法では高純度のホウ素溶離液の回収が希求されている場合、要求に応えることが難しい。
本発明者は、ホウ素と陰イオン、特にリン酸を含有する排水からホウ素を高純度で回収する方法について鋭意検討し、ホウ素選択性樹脂、特にN‐メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂に吸着されたホウ素はアルカリ水溶液では溶離されにくいが、リン酸は溶離されやすいことを見出し、本発明を達成した。
本発明は高純度のホウ素溶離液を回収する方法を提供することを目的とし、その要旨は、ホウ素選択性吸着樹脂にホウ素及びリン酸を含有する水を通水し、次いで鉱酸溶液を通液して該ホウ素選択性吸着樹脂に吸着されたホウ素を脱離させるホウ素の回収方法において、該鉱酸溶液の通液をアルカリ水溶液を通水した後に行うことを特徴とする高純度ホウ素の回収方法に存する。
本発明方法によれば、簡単な方法で、ホウ素及びリン酸を含有する排水をホウ素選択性樹脂、例えばN‐メチルグルカミン基を有するホウ素選択性吸着樹脂に通水処理した後、該樹脂からリン酸を殆ど含有しない高純度のホウ素溶離液を回収することが可能となる。
本発明で使用するホウ素選択性樹脂としては、ホウ素吸着能力を有し、かつホウ素を選択的に吸着するイオン交換樹脂であれば特に限定されるものではなく、公知のホウ素選択性樹脂から適宜選定して使用することができる。特に交換基としてN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂が最も好ましく用いられる。この様なN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂としては、「ダイヤイオン(登録商標:三菱化学(株))CRB01、CRB02」、「アンバーライト(登録商標:ローム&ハース社)IRA743」、「デユオライト(登録商標)ES−371」、「ユニセレック(登録商標)UR−3500」等の市販品から適宜選ぶことができる。
本発明において、ホウ素選択性樹脂で処理されるホウ素含有水は、メッキ、ガラス、医薬、染料、合成繊維、電子部品製造工程、或いは発電所の排煙脱硫処理やゴミ焼却炉での処理工程から排出される排水が使用され、ホウ素及びリン酸イオンを含むものである。通常、排水中においてホウ素は、ホウ酸又はホウ酸塩として含まれている。本明細書中、ホウ素はホウ酸及びホウ酸塩の総称を意味する。リン酸としては、オルトリン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸等が挙げられるが、中でもオルトリン酸に対して有効である。
上記の製造工程などから排出されるホウ素含有排水は、通常10〜200ppm程度のホウ素を含有している。また、リン酸含有量は10〜2000ppm程度である。
ホウ素及びリン酸を含有する排水は、通常、原水槽等に貯槽されるが、その際予め濾過器等により水中に含まれる不溶解性の不純物を除去しておくことが好ましい。また。ホウ素含有排水はカセイソーダ等のアルカリ剤によりpH4〜10、好ましくは7〜10に調整される。pH調整することによりホウ素選択性樹脂によるホウ素吸着をより効果的に行うことができる。
pH調整されたホウ素及びリン酸含有排水は、ホウ素選択性樹脂に通液することによりホウ素の吸着除去を行う。通常、ホウ素選択性樹脂はホウ素吸着塔に充填されており、pH調整されたホウ素及びリン酸含有排水は、ホウ素吸着塔に空間速度(SV)5〜10h−1で供給され、主としてホウ素が樹脂に吸着除去されるが、ホウ素と共にリン酸の一部が樹脂に吸着される。
ホウ素吸着塔から流出する処理水は、樹脂に吸着されなかったリン酸及びその他種々の成分を含むがホウ素を含まないので系外に放出され得るが、その際、必要に応じてpH調整後放流するのが好ましい。また処理水に重金属等が含まれているおそれがある場合には、さらにキレート樹脂による処理、或いはカセイソーダ、消石灰等のアルカリ剤により金属水酸化物を形成させて固液分離処理する等の後処理工程に付した後放流するのが好ましい。
本発明方法では、次に、ホウ素及びリン酸含有排水の通液によりホウ素を吸着した樹脂が充填されているホウ素吸着塔に、アルカリ水溶液を通液し、ホウ素と共に樹脂に吸着されたリン酸を脱離させる。アルカリ水溶液としては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液が挙げられ、水溶液濃度2〜5w/w%、空間速度(SV)1〜5h−1でホウ素吸着塔に通液する。ホウ素吸着塔から排出される排水には、ホウ素は含まれずリン酸を主成分とするが、必要に応じpH調整等を施した後、適宜後処理工程に付される。
アルカリ水溶液による通水処理をした後のホウ素吸着塔に、溶離液として鉱酸、例えば、硫酸、塩酸等の水溶液液を通液し吸着したホウ素を樹脂から脱離するが、硫酸水溶液を用いるのが好ましい。その際の溶離液は、濃度1〜10w/w%の鉱酸水溶液であり、ホウ素吸着塔には空間速度(SV)1〜5h−1で通液して脱離処理する。また、ホウ素の脱離効果を高めるために鉱酸水溶液の温度を40〜90℃に維持して通水しても良い。
この様にしてホウ素吸着塔から流出する脱離液は、主としてホウ素を含有し、そのホウ素の純度は極めて高いのでそのまま、あるいは必要に応じ精製した後再利用することができる。再利用は、ホウ素含有排水の源由である製造工程に戻しても良く、又別のプロセスで実施することも出来る。
本発明においては、鉱酸水溶液によりホウ素を脱離処理した後のホウ素吸着塔にアルカリ水溶液を通水し、ホウ素選択性樹脂の再生を行うことが好ましい。アルカリ水溶液としては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液が挙げられ、アルカリ水溶液濃度2〜5w/w%、空間速度(SV)1〜5h−1でホウ素吸着塔に通液し、樹脂を再生する。再生された樹脂が充填されているホウ素吸着塔は、ホウ素を吸着させるために再びホウ素及びリン酸含有水の通液に供することができる。
本発明方法はホウ素化合物を使用する製造工程や各種処理工程から排出されるホウ素含有水からホウ素を効率的、且つ高純度で回収・分離することができ、そのまま製造工程での循環再使用を可能にする。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例 1
表1に示すような組成を有するホウ素とリン酸を含有する排水を原水とし、予めこの原水をカセイソーダにより約pH8に調整した。内径10mmのガラス製カラムに、カセイソーダ溶液の通液による再生済みのホウ素選択性樹脂[ダイヤイオン(登録商標)CRB−01:三菱化学(株)製]60mLを充填したホウ素吸着塔に、pH調整された原水を空問速度(SV)3h‐1で1.7L(リツトル)通液し、ホウ素を吸着させた。ホウ素吸着塔から流出する処理水組成は表1のようであった。
Figure 2005058855
次いで、このホウ素が吸着処理されたホウ素吸着塔のカラムに、2w/w%濃度の水酸化ナトリウム水溶液120mLを空間速度(S∨)3h‐lで通液し、リン酸を脱離させてリン酸含有脱離液250mLを得た。表2にリン酸含有脱離液の組成を示す。
その後、5w/w%濃度の硫酸水溶液120mLを空間速度(SV)1.5h‐1で通薬し、ホウ素を脱離させてホウ素含有脱離液250mLを得た。ホウ素含有脱離液の組成を表2に示す。
引き続いて、2w/w%農度の水酸化ナトリウム水溶液120mLを空間速度(SV)3h‐1で通液し、次サイクルのための樹脂調整を実施し、流出液250mLを得た。その時の流出液組成を表2に示す。
ホウ素選択性吸着樹脂に吸着されたホウ素及びリン酸に対する脱着効果を表すそれそれの溶離率を表2に示す。
Figure 2005058855
表2から明らかなように、リン酸含有脱離液は、高濃度のリン酸を含むので要すれば製造工程等で再利用することも可能である。また、ホウ素含有脱離液も同様に、回収利用することが可能であるし、更に精製することにより、高純度のホウ素として工業原料としての利用も可能になる。
アルカリ排液は、ホウ素及びリン酸濃度が極めて低いので、中和することで工程外へ排出することが可能となる。
比較例
上記実施例と同様に、表lに示す原水を予めpH8に調整した後、内径10mmのガラス製カラムに、カセイソーダ溶液の通液による再生済みのホウ素選択性樹脂[ダイヤイオン(登録商標)CRB一01]60mLを充填したホウ素吸着カラムに、pH調整された原水を空間速度(S∨)3h‐1で1.7L(リットル)通液し、ホウ素を吸着させた。その時のホウ素吸着塔からの処理水組成は、上記と同様に、表1に示す結果が得られた。
続いて、5w/w%農度の硫酸溶液120mLを空間速度(SV)1.5h‐1で通薬し、ホウ素を脱離させてホウ素含有脱離液250mLを得た。ホウ素含有脱離液の組成を表3に示す。
このホウ素選択性吸着樹脂に対して、吸着されたホウ素及びリン酸に対する脱着効果を表すそれそれの溶離率を表3に示す。
Figure 2005058855

Claims (5)

  1. ホウ素選択性吸着樹脂にホウ素及びリン酸を含有する水を通水し、次いで鉱酸溶液を通液して該ホウ素選択性吸着樹脂に吸着されたホウ素を脱離させるホウ素の回収方法において、該鉱酸溶液の通液をアルカリ水溶液を通水した後に行うことを特徴とする高純度ホウ素の回収方法。
  2. ホウ素選択性樹脂がN−メチルグルカミン基を有するイオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の高純度ホウ素の回収方法。
  3. 鉱酸が硫酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度ホウ素の回収方法。
  4. 鉱酸水溶液の通液を行った後、更にアルカリ水溶液を通水することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高純度ホウ素の回収方法。
  5. アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高純度ホウ素の回収方法。
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