JP2005057052A - 半導体基板の加工方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 半導体回路の形成面とは反対側表面が平坦になり、回路基板との良好な接続を実現することができる半導体素子を得ることができる半導体基板の加工方法を提供する。
【解決手段】 研削工程K3では、基板の一方面側に互いに間隔をあけて設定された複数の回路形成領域内にそれぞれ半導体回路が形成された半導体基板を、所定の厚さになるまで半導体回路が形成された回路形成面とは反対側表面から研削手段で研削する。切削工程K4では、反対側表面から回路形成領域間の境界領域に対応する領域を、所定の深さまで切削手段で切削して回路形成面側に切り残し部を形成する。エッチング工程K5では、反対側表面から半導体基板をエッチングすることによって、研削面および切削面に生じた破砕層を除去するとともに、切り残し部を除去して半導体基板を複数の半導体素子に分割する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板の一方面側に間隔をあけて設定された複数の回路形成領域内にそれぞれ半導体回路が形成された半導体基板を、回路形成領域間の境界領域で回路形成領域ごとに分割して複数の半導体素子に加工する半導体基板の加工方法に関する。
半導体素子は、単結晶シリコンなどから成る基板の一方表面側に、フォトリソグラフィ技術等を用いて回路部品を作り込むことによって形成された個片状の半導体部品である。このような半導体素子は、図2および図3に示される半導体基板1を複数に分割することによって得られる。
半導体基板1は、図2および図3に示されるように、単結晶シリコンなどから成る基板2の一方面2a側に、等しい間隔をあけて設定された複数の矩形状の回路形成領域R内にそれぞれ半導体回路3が形成されて構成される。なお、図2では回路形成領域Rと半導体回路3の関係を分かりやすくするために半導体回路3を回路形成領域Rよりも小さく描いているが、実際は図3に示すように半導体回路3の大きさは回路形成領域Rの大きさと等しい。
回路形成領域R間の境界領域Sは、スクライブラインと称され、基板2の一方面(以下、回路形成面という。)2a上で複数の回路形成領域Rを区切って縦横に延びている。また、図3に示されるように、半導体回路3の電極パッド部(図示せず)上には、フリップチップ接続に用いる凸状の突起電極4が複数個形成されている。フリップチップ接続とは、半導体素子をパッケージに搭載する際に、半導体素子の突起電極とパッケージの電極とを対向させて接触させ、熱あるいは圧力等を加えて直接接続する実装技術である。
このような構成の半導体基板1を、回路形成領域R間の境界領域であるスクライブラインSで回路形成領域Rごとに分割することによって、複数個の半導体素子が得られる。半導体基板1を複数の半導体素子に分割する加工方法としては、まず、半導体基板1の厚さが所定の厚さになるまで、回路形成面2aとは反対側表面(以下、裏面という。)2b側から半導体基板1を研削する研削工程を行い、その後、回路形成面2a側からスクライブラインSに沿って切削して半導体基板1を分割する切削(ダイシング)工程を行っていた。切削工程に先立って、半導体基板1の裏面2bを研削するのは、切削(ダイシング)による半導体基板1のチッピング抑制や、得られる半導体素子における裏面2b側の電気抵抗の低減等が目的である。
なお、半導体回路3を形成した後に半導体基板1を研削するのは、半導体回路3を形成する際に、基板2が割れたり欠けたりすることを防止するためである。つまり、分割後の半導体素子の厚みと同じ厚みの基板2を用いると、基板2の衝撃に対する強度が弱くなり、基板2の搬送時の衝撃や製造器具との接触による衝撃などによって、割れたり欠けたりする可能があり、このような基板2の損傷を避けるためである。
ところで、近年、携帯通信端末や携帯情報端末等の携帯型電子機器の急速な小型化・薄型化・軽量化に対応するため、厚みが100μm以下の半導体素子を薄型パッケージに搭載する必要が生じている。しかしながら、上記の加工方法における研削工程で半導体基板1を100μm以下の厚みまで研削して得られた半導体素子では、研削面に生じる微細なクラックである破砕層によって、外部から加えられる力(外的応力)に対する強度である抗折強度が極端に低くなる。抗折強度が低くなると、たとえば半導体素子の動作時の発熱によって、パッケージと半導体素子との間に熱膨張率の差による外的応力が発生して半導体素子に加えられた場合、半導体素子が破損し易く、半導体素子を搭載した半導体製品の寿命を著しく低下させるという問題があった。
そこで、半導体素子の抗折強度を高めるために、半導体基板1の研削後に、回路形成面2aとは反対側の裏面2bから化学的エッチングを行い、研削面の破砕層を除去する方法が試みられた。しかし、化学的エッチング処理の後に、切削によって半導体基板1を分割すると、今度は切削面である半導体素子の側面に破砕層が生じる。そのため、研削後にエッチングを行ってから切削するという加工方法では、破砕層による抗折強度の低下を回避できなかった。
上記問題を解決できる加工方法として、先ダイシング法と称される半導体基板の加工方法が特許文献1に記載されている。先ダイシング法は、半導体基板を切削してから研削して半導体基板を複数の半導体素子に分割し、その後、エッチングによって切削面と研削面の破砕層を除去する方法である。以下、図10〜図12を参照しながら、先ダイシング法を説明する。
図10は、切削工程を説明するための断面図である。まず、半導体基板1の裏面2bに粘着性樹脂からなるダイシングシート51を貼り付け、ダイシングシート51が貼り付けられた半導体基板1を、切削処理するためのダイシング装置のステージ52に、裏面2bがステージ52に対向する状態で、すなわちダイシングシート51がステージ52に接触する状態で半導体基板1を載置し、載置した半導体基板1を真空吸着して保持する。
ダイシング装置の切削用工具である回転ブレード53は、円盤形状であり、その円盤の外周部に、切削用の刃を有している。回転ブレード53は、円盤の中心を通り、一方面に対して垂直な回転軸まわりに回転し、回転軸を半導体基板1の回路形成面2aに対して平行になるように配置されている。切削工程では、この回転ブレード53を、回転させながら半導体基板1にスクライブラインSに沿って押し当てて、半導体基板1を回路形成面2a側から、裏面2bまで達しないように所定の深さまで切削する。このように所定の深さまで切削することによって、溝部54が形成され、溝部54の底面と裏面2bとの間には、所定の厚みの切り残し部55が残る。以上の切削工程によって、溝部54が、スクライブラインSに沿って回路形成面2a側に形成される。
図11は、研削工程を説明するための断面図であり、(a)は研削前の状態を示しており、(b)は研削中の状態を示しており、(c)は研削後の状態を示している。切削工程後、半導体基板1の裏面2bからダイシングシート51をはがしてから、回路形成面2aに表面保護部材56を貼り付ける。表面保護部材56は、弾性を有する粘着層56aと比較的硬質な材料から成る基材56bとを積層して構成され、粘着層56aを回路形成面2aに接着することによって、半導体基板1に貼り付けられる。それから、表面保護部材56が貼り付けられた半導体基板1を、研削装置の定盤57上に、回路形成面2aが定盤57に対向する状態で、すなわち表面保護部材56が定盤57に接触する状態で載置し、載置した半導体基板1を真空吸着して保持する(図11(a)参照)。
定盤57は、半導体基板1が載置される載置面のたとえば中心位置を通り、載置面に対して垂直な回転軸線C1まわりに回転する。半導体基板1は、裏面2bの中心が回転軸線C1に一致するように定盤57に載置して保持される。
研削装置の研削盤58は、円盤形状であり、一方面に研削材を有し、円盤の中心を通り、一方面に対して垂直な回転軸線C2まわりに回転する。研削盤58は、定盤57に対向する位置、すなわち研削材を有する一方面が半導体基板1の裏面2bに対向する位置に配置されている。研削工程では、定盤57と研削盤58とを研削盤58側から見て同じ方向に回転させるとともに、研削盤58を半導体基板1の裏面2bに押し付けて、半導体基板1に荷重をかけながら裏面2bから切り残し部55の厚み分研削する(図11(b)参照)。
このようにして裏面2bから切り残し部55の厚み分研削することによって図11(c)に示すように、切り残し部55が完全に除去され、半導体基板1が半導体回路3ごとに分割され、半導体素子59が形成される。
なお、表面保護部材56を回路形成面2aに貼り付けるのは、研削時における半導体回路3の保護のためである。つまり、図3に示すように、半導体回路3の突起電極4によって、回路形成面2a側には凹凸が生じている。そのため、研削工程で半導体基板1を裏面2bから研削するときに、研削盤58からの圧力が凸部に集中し、半導体回路3が損傷する可能性がある。そこで損傷防止のために、回路形成面2aに表面保護部材56を貼り付けて半導体回路3を保護している。
また、半導体基板1の研削を均一に行うためには、裏面2bが水平になるようにかつ位置ずれが生じないように半導体基板1を定盤57に固定する必要があり、そのためには、定盤57と表面保護部材56との間に均一な密着性を確保する必要がある。そこで、上述したように、基材56bと弾性を有する粘着層56aとからなる表面保護部材56を用いて、粘着層56aの弾性によって突起電極4による凹凸を吸収して、基材56bの表面の平坦度を確保し、これによって定盤57と表面保護部材56との間に均一な密着性を確保している。そのため、粘着層56bとしては、弾性率の高い材料が用いられている。
図12は、エッチング工程を説明するための断面図である。研削工程後、分割して得られた複数の半導体素子59を、回路形成面59aに表面保護部材56を貼り付けた状態のままで定盤57からはずし、エッチング装置のエッチングステージ60の上に、回路形成面59aがエッチングステージ60に対向する状態で、すなわち表面保護部材56がエッチングステージ60に接触する状態で載置する。それから半導体素子59の裏面59bと側面59cとに化学的エッチングを行い、研削時に生じた裏面59b側の破砕層61と、切削時に生じた側面59c側の破砕層62とを除去する。
以上の工程によって、半導体基板1を分割して半導体素子59を得ることができ、また半導体素子59の破砕層61,62を除去することによって充分な抗折強度が確保される。
特開2002−16021号公報(第3−5頁、図3、図4、図6)
上述した先ダイシング法は切削工程、研削工程、エッチング工程の順番で処理を行うので、先ダイシング法を行うことによって、切削および研削によって生じた破砕層61,62がエッチングによって除去され、充分な抗折強度が確保された半導体素子59を得ることができる。
しかし、先ダイシング法には、得られた半導体素子59の裏面59bに凹凸が生じ、平坦にならないという問題がある。半導体素子59の裏面59bが平坦にならないのは、図11に示すように、研削工程において、回路形成面2aに表面保護部材56が貼り付けられた半導体基板1を、表面保護部材56が定盤57に対向するように配置して裏面2bに研削盤58を押し当てて研削する場合に、半導体基板1の裏面2bに均一な圧力が印加されないことが原因である。
つまり、研削工程では、突起電極4および溝部54が形成された回路形成面2aに、弾性率の高い材料から成る粘着層56aを接着して表面保護部材56が貼り付けられた半導体基板1を、表面保護部材56が定盤57に対向するように配置して裏面2bに研削盤57を押し当てて研削している。
そのため、半導体基板1の裏面2bに研削盤58を均一な圧力で押圧して研削しようとした場合、弾性率の高い材料から成る粘着層56aが半導体基板1と定盤57との間に介在されていること、半導体基板1に中空部分(溝部54)が存在すること、突起電極4が存在すること等が原因で、半導体基板1が撓むなどして、研削盤58が裏面2bに均一に接触することができず、裏面2bに均一な圧力を印加することができなくなってしまう。そのため、半導体基板1の裏面2bに凹凸が生じ、平坦にならないという問題が生じる。また、図12に示すように、半導体素子59の裏面59bの破砕層61をエッチングによって除去しても、エッチングは裏面59bに対して均等に進行するので、凹凸はそのまま残り、裏面59bは平坦にならない。
そして、このような裏面59bが平坦ではない半導体素子59は、回路基板に接続した場合に接続不良が発生する可能性が高くなるという問題を招来する。
すなわち、半導体素子59を回路基板に接続させる場合、まず図13に示すように、裏面59bを吸着コレット64で真空吸着して半導体素子59を表面保護部材56から取り外し、それから図14に示すように、半導体素子59を吸着コレット64に吸着させた状態で半導体素子59の複数の突起電極4を、回路基板63に設けられた凸状の複数の電極パターン65に接触させて圧力をかけて、突起電極4と電極パターン65とを接続させている。
この接続方法を用いた場合、半導体素子59の裏面59bが平坦でないと、吸着コレット64で半導体素子59の裏面59bを吸着した際に傾斜した状態で吸着されることになり、突起電極4が形成された回路形成面59aが回路基板63の電極パターン65の形成面に対して平行にならず、傾いてしまう。このように傾斜した状態では、半導体素子59の突起電極4を回路基板63の電極パターン65に接触させて圧力をかけても、加わる圧力の大きさにばらつきが生じ、均一な接続状態を実現することができない。そのため、裏面59bが平坦ではない半導体素子59を回路基板63に接続した場合は、接続不良が発生する可能性が高くなってしまう。
本発明の目的は、半導体回路の形成面とは反対側表面が平坦になり、回路基板との良好な接続を実現することができる半導体素子を得ることができる半導体基板の加工方法を提供することである。
本発明は、基板の一方面側に互いに間隔をあけて設定された複数の回路形成領域内にそれぞれ半導体回路が形成された半導体基板を、回路形成領域間の境界領域で回路形成領域ごとに分割して複数の半導体素子に加工する半導体基板の加工方法において、
前記半導体基板を、所定の厚さになるまで前記半導体回路が形成された回路形成面とは反対側表面から研削手段で研削する研削工程と、
前記研削工程の後に、前記反対側表面から前記回路形成領域間の境界領域に対応する領域を、所定の深さまで切削手段で切削して前記回路形成面側に切り残し部を形成する切削工程と、
前記切削工程の後に、前記回路形成面とは反対側から前記半導体基板をエッチングすることによって、研削面および切削面に生じた破砕層を除去するとともに、前記切り残し部を除去して前記半導体基板を分割するエッチング工程とを有することを特徴とする半導体基板の加工方法である。
本発明に従えば、まず半導体基板は、所定の厚さになるまで半導体回路が形成された回路形成面とは反対側表面から研削手段によって研削される。つまり、半導体基板内に中空部分がない状態で研削される。そのため、研削時に研削手段を半導体基板の反対側表面に押し付けた際に、半導体基板が撓むことがなくなるので、半導体基板の反対側表面に均一な圧力が印加される。これによって、研削後の半導体基板の反対側表面を平坦にすることができる。
次に、研削後の半導体基板は、回路形成領域間の境界領域に対応する領域が反対側表面から所定の深さまで切削手段によって切削されて、回路形成面側に切り残し部が形成される。このように完全に切断せずに切り残し部を残したことによって、エッチング工程に移行する際に、半導体基板の状態で移動させることができる。したがって、半導体回路ごとに分割した状態のものを移動させる場合に比べて、半導体基板を簡単に移動させることができる。
次に、切り残し部が形成された半導体基板は、反対側表面からエッチングされる。ここで、上記の研削工程および切削工程を経た半導体基板においては、反対側表面が研削面であり、切り残し部を形成したことによって形成された溝部の壁面および底面が切削面であり、この研削面および切削面には破砕層が生じている。そして、前記溝部は、反対側表面に開いている。したがって、反対側表面から半導体基板をエッチングすると、研削面と切削面に生じた破砕層が除去されるとともに、前記溝部の底面にエッチングが進行することによって切り残し部も除去される。そして、切り残し部が除去されたことによって半導体基板は半導体回路ごとに分割され、回路形成面とは反対側表面が平坦な半導体素子を得ることができる。また、破砕層が除去されているので、充分な抗析強度を確保することができる。
また、研削、切削、エッチングは、半導体基板の反対側表面から行われる。そのため、工程間や工程の途中で半導体基板を裏返す必要がないので、従来技術のように回路形成面側から行う工程と回路形成面とは反対側表面から行う工程とが混在する場合に比べて、手間を省くことができ、処理時間を短縮することができる。
また本発明は、前記研削工程の前に、前記半導体基板の回路形成面を保護部材で予め被覆する被覆工程を有することを特徴とする。
本発明に従えば、研削工程の前に、半導体基板の回路形成面が保護部材で被覆され、研削工程、切削工程、エッチング工程では、回路形成面とは反対側表面から処理が行われる。本発明では、半導体基板の研削、切削およびエッチングは、回路形成面とは反対側表面から行うので、研削時、切削時またはエッチング時には、半導体基板は回路形成面側が作業台の基板載置面に対向する状態で保持される。
研削工程および切削工程では、半導体基板の回路形成面とは反対側表面に研削手段および切削手段を押し付けて、研削および切削が行われる。このとき、研削手段および切削手段を押し付けることによって、回路形成面には、作業台から圧力が印加される。一方、回路形成面は、回路を構成する回路部品が作り込まれているので、凹凸が生じている。そのため、作業台からの圧力は凸部に集中し、半導体回路が損傷するおそれがある。本発明では、回路形成面と作業台との間に保護部材が存在するため、作業台からの圧力が凸部に集中せず、半導体回路の損傷を防ぐことができる。また、回路形成面を保護部材で保護することによって、研削時および切削時に生じた半導体基板の削りくずが回路形成面に付着することを防止できる。
また、エッチング工程では、半導体基板の回路形成面とは反対側表面から、エッチングが行われる。このとき、回路形成面は保護部材で保護されているので、回路形成面側からエッチングが進行することがなく、半導体回路の損傷を防ぐことができる。
さらに、研削工程の前に回路形成面を保護部材で被覆して保護しておくので、工程ごとに回路形成面を個別に保護部材で保護する場合に比べて、処理時間を短縮することができる。
また本発明は、前記保護部材は、前記半導体基板の回路形成面に流動性を持った材料を塗布して硬化させることで形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、半導体基板の回路形成面は、流動性をもった材料を塗布して硬化させることで形成された保護部材で被覆されて保護される。このように流動性を持った材料を回路形成面に塗布することで、回路形成面の凹部に流動性を持った材料が流入して充填されるので、この状態で材料を硬化させることによって回路形成面の凹凸を吸収して回路形成面側を平坦な面とすることができる。これによって、研削工程および切削工程で回路形成面側に作用する力が、半導体回路の凸部に集中することなく、全体に均一に作用するので、半導体回路の凸部が損傷することをより確実に防止することができる。
また本発明は、前記保護部材は、粘着層と基材とが積層されて構成され、前記粘着層を前記半導体基板の回路形成面に接触させて保護部材を貼ることで前記回路形成面を被覆して保護することを特徴とする。
本発明に従えば、半導体基板の回路形成面は、粘着層と基材とが積層されて構成された保護部材をその粘着層を使用して貼ることで被覆されて保護される。このように保護部材を回路形成面に貼るという簡単な作業だけで、回路形成面を被覆して保護することができる。したがって、上述したように流動性をもった材料を塗布して硬化させて回路形成面を被覆する場合に比べて、保護部材を貼り付けるという簡単な作業で回路形成面を被覆することができ、作業時間を短縮することができる。
また本発明は、前記粘着層は、加熱することによって粘着力が弱まることを特徴とする。
本発明に従えば、保護部材を加熱することで、その一部である粘着層が加熱され、粘着層の粘着力を弱めることができる。したがって、保護部材をはがすときは、保護部材を加熱することで容易にはがすことができる。また、粘着層の粘着力を弱めてから保護部材をはがすので、半導体回路に過大な引張力が作用することがなく、半導体回路が損傷することを防止することができる。
また本発明は、前記研削手段は、一方面側に研削材を有する円盤状の研削部材を有し、該研削部材をその一方面に対して垂直な回転軸線まわりに回転させて研削を行い、
前記研削工程では、半導体基板を、回路形成面とは反対側表面が前記研削部材の研削材に接触するように配置するとともに、回路形成面に対して垂直な回転軸線まわりであって、研削部材側から見て同じ回転方向に回転させて研削を行い、前記半導体基板の回転軸線を、前記研削部材の周縁部の回転軌跡よりも内側であって該周縁部近傍に設定し、前記研削部材の回転軸線を前記半導体基板の周縁部の回転軌跡よりも外側であって該周縁部近傍に設定することを特徴とする。
本発明に従えば、研削工程では、半導体基板の回路形成面とは反対側表面は、半導体基板を研削部材側から見て同じ回転方向に回転させた状態で、回転する円盤状の研削部材によって研削される。このとき、半導体基板の回転軸線は研削部材の周縁部の回転軌跡よりも内側であって該周縁部近傍に設定されるので、半導体基板の回転軸線周辺の反対側表面は、研削部材の周縁部近傍の研削材によって研削される。また、研削部材の回転軸線は半導体基板の周縁部の回転軌跡よりも外側であって該周縁部近傍に設定されるので、半導体基板の周縁部近傍の反対側表面は、研削部材の回転軸線周辺の研削材で研削される。
上記のように、研削部材を回転させて研削する場合、研削部材の回転による研削材の単位時間当りの移動距離は、研削部材の回転軸線周辺から周縁部近傍に向かうに従って連続的に増加する。このような研削材の移動距離にばらつきがある研削部材によって半導体基板を静止させた状態で研削を行うと、半導体基板に対する研削材の移動距離にばらつきが生じて研削量に大きなばらつきが生じ、均一な厚みとなるように研削することが困難になる。
そこで、本発明では、半導体基板を研削部材と同じ方向に回転させるとともに、半導体基板の回転軸線と研削部材の回転軸線との位置関係を上記のように設定して研削することによって、研削量のばらつきを小さくしている。すなわち、半導体基板を回転させることによって、半導体基板の反対側表面の単位時間当りの移動距離は、上記の研削部材と同様に、半導体基板の回転軸線周辺から周縁部近傍に向かうに従って連続的に増加する。そして、上記のように、移動距離が短い半導体基板の回転軸線周辺の反対側表面を、移動距離が長い研削部材の周縁部近傍の研削材で研削し、移動距離が長い半導体基板の周縁部近傍の反対側表面を、移動距離が短い研削部材の回転軸線周辺の研削材で研削する。これによって、半導体基板に対する研削材の移動距離が平均化されてばらつきが小さくなり、半導体基板の反対側表面の研削量のばらつきが小さくなり、均一な厚みとなるように半導体基板を研削することができる。
また本発明は、前記被覆工程の前に、前記半導体基板の回路形成面を撮像して画像情報を取り込み、該画像情報を用いて前記回路形成領域間の境界領域の位置情報を算出して格納する位置情報算出工程を有し、
前記切削工程では、算出して格納された前記境界領域の位置情報に基づいて、前記半導体基板を前記回路形成面とは反対側表面から切削することを特徴とする。
本発明に従えば、被覆工程の前に回路形成領域間の境界領域の位置情報が算出され格納される。これによって、切削工程では、予め算出して格納されている位置情報を読み出し、この位置情報に基づいてすぐに切削を行うことができる。
仮に、切削工程の最初の段階で境界領域の位置情報を求めようとすると、半導体基板の回路形成面は保護部材で被覆されているので、この保護部材を除去してから位置情報を求め、再び保護部材で回路形成面を被覆する必要がある。そのため、保護部材を一旦除去して再び保護部材で被覆するという余分な作業が必要となり、手間がかかり、また加工時間も長時間となり、加工効率を低下させる要因となる。
これに対し、本発明では、半導体基板の回路形成面を保護部材で被覆する前に位置情報を求めておくので、切削工程の最初の段階で保護部材を一旦除去してから再び保護部材で被覆するという余分な作業を行う必要がなく、手間もかからず、加工時間も短時間となり、加工効率を向上させることができる。
また本発明は、前記切削工程では、前記境界領域に対応する領域の中央部を切削して切り残し部を形成し、該切り残し部の厚みは、前記破砕層の厚み以上であり、切削によって生じた溝部の壁面と該壁面に最も近い前記回路形成領域の外周との距離以下であることを特徴とする。
本発明に従えば、半導体基板は、切り残し部の厚みが、破砕層の厚み以上で、溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域の外周との間の距離以下になるように、回路形成領域間の境界領域の中央部を切削される。
このような半導体基板を回路形成面とは反対側表面からエッチングすると、溝部は反対側表面に開いているため、溝部の内部もエッチングされ、溝部の壁面と底面からエッチングが進行する。切り残し部の厚みは、破砕層の厚み以上であるので、切り残し部が除去されるまでエッチングを行うと、研削面および切削面に生じている破砕層が除去される。また、切り残し部の厚みは、溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域の外周との間の距離以下であるので、切り残し部が除去されるまでエッチングを行っても、エッチングは、回路形成領域の外周までしか進行せず、回路形成領域内に進行することはない。なお、エッチング前の半導体基板の厚みが、エッチング後の目標の厚みに切り残し部の厚みを加えた厚みになるように、研削工程では半導体基板を研削しておくことが必要である。こうすることで、切り残し部を除去するまで、半導体基板をエッチングすれば、回路形成面とは反対側表面から切り残し部の厚み分が除去され、半導体基板の厚みは、前記目標の厚みになる。
仮に、切り残し部の厚みが破砕層の厚み以下であれば、切り残し部が除去されるまでエッチングを行っても、破砕層が除去されず残ってしまう可能性がある。また、切り残し部の厚みが、溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域の外周との間の距離以上であれば、切り残し部が除去されるまでエッチングを行うと、溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域の外周との間の部分が除去された後も、過剰にエッチングされ、回路形成領域内にエッチングが進行し、半導体回路の一部が除去されて損傷する可能性がある。回路形成領域内にエッチングを進行させないために、たとえば破砕層が除去された時点で、一旦エッチングを中止し、溝部の底面を除いた面を耐エッチング性のある物質で被覆してから切り残し部のみエッチングする方法も考えられる。しかし、この方法では、溝部の底面を除く面の被覆および2回のエッチングが必要となり、処理に手間がかかる。
本発明では、切り残し部の厚みが、破砕層の厚み以上、溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域の外周との間の距離以下になるように半導体基板が切削されるので、切り残し部が除去されるまで半導体基板がエッチングされることで、破砕層が除去され、また溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域内までエッチングが進行せず、半導体回路の一部が除去され損傷することを防止できる。また、切り残し部を除去するまでエッチングを行っても、回路形成領域内までエッチングが進行しないので、1回のエッチングで半導体基板を分割でき、処理に手間がかからない。
本発明によれば、半導体基板を回路形成面とは反対側表面から中空部分のない状態で研削するので、回路形成面とは反対側表面が平坦な半導体素子を得ることができる。また、回路形成面側に切り残し部を形成することによって、半導体基板としての形状が保たれるので、エッチング工程に移行する際に、半導体基板全体を支える部品を用いなくても、半導体基板を直接把持することで簡単に移動させることができる。また、回路形成面とは反対側表面からエッチングして、研削面と切削面に生じた破砕層の除去と、切り残し部の除去との2つの処理を並行して行うので、短時間で処理を行うことができる。また、破砕層が除去されるので、充分な抗析強度を確保することができる。さらに、研削工程、切削工程、エッチング工程のすべての工程で回路形成面とは反対側表面から処理を行うことによって、工程の間や工程の途中で半導体基板を裏返す必要がないので、手間がかからず処理時間を短縮することができる。
本発明によれば、半導体回路の形成面を保護部材で保護した状態で研削、切削およびエッチングを行うので、半導体回路の損傷を防ぐことができる。また、半導体回路の形成面を保護部材で保護することによって、研削時および切削時に生じた半導体基板の削りくずが回路形成面に付着するのを防ぐことができる。さらに、研削工程の前に、半導体回路の形成面を保護部材で予め被覆することによって、研削工程、切削工程、エッチング工程ごとに個別に保護部材で保護する必要がなくなるので、処理時間を短縮することができる。
本発明によれば、半導体基板の回路形成面の凹凸を吸収して表面が平坦な保護部材を形成することによって、研削工程および切削工程で、回路形成面側に作用する力が、凸部に集中することなく全体に均一に作用するので、半導体回路の凸部が損傷することをより確実に防止することができる。
本発明によれば、粘着層と基材とが積層されて構成された保護部材を半導体基板の回路形成面に貼り付けるという簡単な作業で、回路形成面を被覆することができるので、作業時間を短縮することができる。
本発明によれば、保護部材を加熱することによって粘着層の粘着力を弱めることができるので、半導体基板の回路形成面から保護部材を容易にはがすことができる。また、回路形成面から保護部材をはがすときに半導体回路に過大な引張力が作用することなく、半導体回路が損傷することを防止することができる。
本発明によれば、移動距離が短い半導体基板の回転軸線周辺の反対側表面を、移動距離が長い研削部材の周縁部近傍の研削材で研削し、移動距離が長い半導体基板の周縁部近傍の反対側表面を、移動距離が短い研削部材の回転軸線周辺の研削材で研削することで、半導体基板に対する研削材の移動距離が平均化されてばらつきが小さくなり、半導体基板の反対側表面の研削量のばらつきが小さくなるので、半導体基板を均一な厚みに研削することができる。
本発明によれば、被覆工程の前に、回路形成領域間の境界領域の位置情報を算出して格納しておくので、切削工程の最初の段階で保護部材を一旦除去してから保護部材で被覆するという余分な作業を行う必要がなく、手間もかからず、加工時間も短時間となり、加工効率を向上させることができる。
本発明によれば、切り残し部の厚みが、破砕層の厚み以上、溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域の外周との間の距離以下になるように半導体基板を境界領域に対応する領域の中央部を切削するので、切り残し部が除去されるまで半導体基板をエッチングすることで、溝部の壁面の破砕層を除去でき、また溝部の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域内までエッチングが進行せず、半導体回路の一部が除去されて損傷することを防止できる。また、切り残し部を除去するまでエッチングを行っても、回路形成領域内までエッチングが進行せず、1回のエッチングで半導体基板を分割できるので、処理に手間がかからない。
図1は、本発明の実施の一形態である半導体基板の加工方法を説明するための工程図である。本実施形態の半導体基板の加工方法は、半導体基板を分割して複数の半導体素子を得るものである。半導体素子は、単結晶シリコンなどから成る基板の一方表面側に、フォトリソグラフィ技術等を用いて回路部品を作り込むことによって形成された個片状の半導体部品である。このような半導体素子は、図2および図3に示される半導体基板1を複数に分割することによって得られる。
半導体基板1は、図2および図3に示されるように、単結晶シリコンなどから成る基板2の一方面2a側に、等しい間隔をあけて設定された複数の矩形状の回路形成領域R内にそれぞれ半導体回路3が形成されて構成される。なお、図2では回路形成領域Rと半導体回路3の関係を分かりやすくするために半導体回路3を回路形成領域Rよりも小さく描いているが、実際は図3に示すように半導体回路3の大きさは回路形成領域Rの大きさと等しい。
回路形成領域R間の境界領域Sは、スクライブラインと称され、基板2の一方面(以下、回路形成面という。)2a上で複数の回路形成領域Rを区切って縦横に延びている。また、図3に示されるように、半導体回路3の電極パッド部(図示せず)上には、フリップチップ接続に用いる凸状の突起電極4が複数個形成されている。フリップチップ接続とは、半導体素子をパッケージに搭載する際に、半導体素子の突起電極とパッケージの電極とを対向させて接触させ、熱あるいは圧力を加えて直接接続する実装技術である。
このような構成の半導体基板1を、回路形成領域R間の境界領域であるスクライブラインSで回路形成領域Rごとに分割することによって、複数個の半導体素子が得られる。
本実施形態では、まず半導体基板1の厚さが所定の厚さになるまで裏面2b側から研削し、研削後、裏面2b側からスクライブラインSに沿って所定の深さまで切削して切り残し部を形成し、切削後、エッチングすることによって切り残し部と研削および切削によって生じた破砕層とを除去して半導体基板1を複数の半導体素子に分割する。図1を参照しながら、加工方法の各工程を簡単に説明する。
工程K1では、スクライブラインSの位置情報を検出する。工程K1を位置情報検出工程と称する。工程K2では、半導体回路3を保護するための表面保護部材を回路形成面2aに被覆する。工程K2を被覆工程と称する。工程K3では、半導体基板1を裏面2bから所定の厚さまで研削する。工程K3を研削工程と称する。工程K4では、スクライブラインSに沿って半導体基板1を裏面2bから所定の深さまで切削して切り残し部を形成する。工程K4を切削工程と称する。工程K5では、半導体基板1を裏面2bからエッチングし、これによって切り残し部と研削および切削によって生じた破砕層とを除去して半導体基板1を複数の半導体素子に分割する。工程K5をエッチング工程と称する。工程K6では、表面保護部材から半導体素子を分離する。工程K6をチップ分離工程と称する。本実施形態では、以上の工程K1〜K6を行うことによって半導体基板1を複数の半導体素子に分割する。
続いて、図4〜図10を参照しながら、各工程K1〜K6を詳細に説明する。図4は、位置情報検出工程K1を説明するための模式断面図である。工程K1では、スクライブラインSの位置情報を検出する。スクライブラインSの位置情報は、位置情報検出装置10によって検出される。位置情報検出装置10は、撮像部10aと、信号処理部10bと、記憶部10cとを備えて構成されている。
撮像部10aは、その光軸が半導体基板1の回路形成面2aに対して垂直をなすように、回路形成面2aに対向する状態で配置される。また撮像部10aは、半導体基板1の回路形成面2aに対して平行な平面内で移動可能であって、かつ撮像部10a自身の位置情報を検出する機能を有している。撮像部10aは、移動しながら半導体基板1を撮像し、スクライブラインSの像や半導体基板1の外形像などを取り込み、取り込んだ画像を画像信号に変換し、画像信号と自身の位置情報とを信号処理部10bに出力する。
信号処理部10bは、撮像部10aから与えられる信号(情報)、すなわち撮像部10aの位置情報とスクライブラインSの画像情報と半導体基板1の外形の画像情報とに基づいて、スクライブラインSの位置情報を算出し、記億部10cに出力する。出力されたスクライブラインSの位置情報は、記億部10cに格納される。
次に、被覆工程K2について説明する。被覆工程K2では、図5(a)に示されるように、半導体基板1の回路形成面2aを表面保護部材5で被覆する。表面保護部材5としては、保護レジストまたはシート状部材を用いる。本実施形態では、シート状部材である表面保護部材5を用いた場合を説明する。
表面保護部材5は、粘着性を有する粘着層5aと、粘着層5aの形状を維持するための比較的硬質材料から成る基材5bとを積層して構成される。表面保護部材5は、粘着層5aを回路形成面2aに接着することによって貼り付けられ、これによって回路形成面2aが表面保護部材5によって被覆されて保護される。
なお、保護レジストを表面保護部材として用いる場合は、保護レジストは流動性を有し、所定の波長光を照射することによって硬化する感光性樹脂であるので、スピンコート法または印刷法によって保護レジスト(感光性樹脂)を回路形成面2a上に塗布した後、保護レジストに所定の波長光たとえば紫外線を照射して保護レジストを硬化させる。これによって、回路形成面2a上に表面保護部材が形成され、回路形成面2aが被覆されて保護される。
次に、研削工程K3について説明する。図5は、研削工程K3を説明するための模式断面図であり、図5(a)は研削前の状態を示し、図5(b)は研削中の状態を示し、図5(c)は研削後の状態を示している。研削工程K3では、半導体基板1の裏面2bから、所定の厚さになるまで研削する。
表面保護部材5が貼り付けられた半導体基板1は、図5(a)に示すように、回路形成面2aが研削装置の作業台である定盤11に対向する状態で、すなわち表面保護部材5が定盤11に接触する状態で載置され、載置された半導体基板1は真空吸着されて保持される。定盤11は、半導体基板1が載置されている載置面上の所定位置(たとえば中心)を通り、載置面に対して垂直な回転軸線C1まわりに回転する。半導体基板1は、裏面2bの中心が回転軸線C1に一致するように定盤11に載置されて保持される。
研削装置の研削用工具である研削盤12は、円盤形状であり、一方面に研削材を有し、研削盤12の一方面上の中心を通り、一方面に対して垂直な回転軸線C2まわりに回転する。研削盤12は、定盤11に対向する位置、すなわち研削材を有する一方面が半導体基板1の裏面2bに対向する位置に配置されている。このとき、研削盤12の回転軸線C2は、半導体基板1の周縁部1sの回転軌跡より外側で、その近傍に配置される。また、半導体基板1の回転軸線C1は、研削盤12の周縁部12sの回転軌跡より内側で、その近傍に配置される。
上記のような配置状態で、図5(b)に示すように、定盤11と研削盤12を、研削盤12側から見て同じ方向に回転させ、研削盤12を半導体基板1の裏面2bに押し付けて、半導体基板1に荷重をかけながら所定の厚さになるまで研削する。このようにして半導体基板1を裏面2bから研削することによって、半導体基板1は、図5(c)に示すように、所定の厚みまで研削される。
半導体基板1の研削は、研削後の厚みが、エッチング工程K5の後の目標厚みにエッチング工程K5で除去する厚みを加えた値になるように行う。たとえば、研削前の半導体基板1の厚みが725μmであり、エッチング後の目標厚みが約100μmであり、エッチング工程K5で除去する厚みが約25μmである場合は、研削後の厚みが約125μmになるように600μm程度研削する。
次に、切削工程K4について説明する。図6は、切削工程K4を説明するための模式断面図であり、(a)は切削中の状態を示し、(b)は切削位置近傍を拡大して示している。切削工程K4では、半導体基板1を裏面2bから所定の深さまで切削する。研削後の半導体基板1は、定盤11から取り外され、表面保護部材5を被覆させたままで、ダイシング装置の作業台であるダイシングステージ13上に、回路形成面2aがダイシングステージ13に対向する状態で、すなわち表面保護部材5がダイシングステージ13に接触する状態で載置され、載置された半導体基板1は真空吸着されて保持される(図6(a)参照)。
また、切削に先立って、位置検出工程K1で算出して格納した位置情報の反転処理を行う。この反転処理は、位置情報を所定の対称軸に関して線対称の関係に変換する処理である。反転処理を行うのは、位置検出工程K1で算出して格納した位置情報は回路形成面2a側から見たときの位置情報であるのに対し、切削は半導体基板1を裏返して裏面2b側から行うので、格納されている位置情報をそのまま使用すると位置ずれが生じ、スクライブラインSに沿って切削することができないからである。位置情報の反転処理は、信号処理部10bによって行われる。信号処理部10bは、記憶部10cからスクライブラインSの位置情報を読出して位置情報の反転処理を行い、反転位置情報を作成する。なお、反転位置情報の作成は、位置情報検出工程K1において、スクライブラインSの位置情報を算出した際に続けて反転処理を行い、記憶部10cに格納しておくようにしてもよい。
ダイシング装置の切削用工具である回転ブレード14は、円盤形状であり、その円盤の外周部に切削用の刃を有している。回転ブレード14は、円盤の中心を通り、一方面に対して垂直な回転軸C3まわりに回転する。この回転ブレード14は、回転軸C3を半導体基板1の回路形成面2aに対して平行になるように配置されている。そして回転ブレード14を回転させながら半導体基板1の裏面2bに押し付けて、スクライブラインSの反転位置情報に基づいて、スクライブラインSに沿って半導体基板1を裏面2b側から切削する。このとき、回路形成面2aまで達しないように所定の深さまで切削する。
このように所定の深さまで切削することによって、裏面2b側から溝部6が形成され、溝部6の底面と回路形成面2aとの間には、所定の厚みの切り残し部7が残る。図6(b)に示すように、スクライブラインSの幅W1が150μmであり、回転ブレード14による切削幅W2が100μmである場合は、溝部6の側面と該側面に最も近い半導体回路3(回路形成領域R)の外周との距離W3は25μmとなり、後述するエッチング工程K5で25μmのエッチングを行う必要があるので、切り残し部7の厚みHは25μm以下にすることが好ましい。
以上の切削工程K4によって、裏面2b側であってスクライブラインSに沿って溝部6が形成され、これによって回路形成面2a側に切り残し部7が形成されることになる。
次に、エッチング工程K5について説明する。図7は、エッチング工程K5を説明するための模式断面図であり、(a)はエッチング前の状態を示し、(b)はエッチング後の状態を示している。エッチング工程K5では、半導体基板1の裏面2b側からエッチングすることによって切り残し部7を除去して、半導体基板1を分割して複数の半導体素子20を形成する。
切削後の半導体基板1は、ダイシングステージ13から取り外され、回路形成面2aを表面保護部材5で被覆して保護したままで、エッチング装置の作業台であるエッチングステージ15上に、回路形成面2aがエッチングステージ15に対向する状態で、すなわち表面保護部材5がエッチングステージ15に接触する状態で載置され、載置された半導体基板1は真空吸着されて保持される(図7(a)参照)。
エッチングは、フッ酸と硝酸の混酸等のエッチング液を裏面2bから一様に接触させることによって行う。これによって、裏面2bおよび溝部6の壁面と底面とにエッチングが進行し、研削時に生じた裏面2bの破砕層8aおよび切削時に生じた溝部6の壁面と底面の破砕層8bが除去される。さらに、エッチングが進行して切削時に生成された切り残し部7が除去され。これによって、半導体基板1は半導体回路3ごとに分割されて複数の半導体素子20が形成される(図7(b)参照)。
次に、チップ分離工程K6について説明する。図8は、チップ分離工程K6を説明するための模式断面図である。チップ分離工程K6では、半導体素子20を表面保護部材5から取り外す。具体的には、エッチング工程K5の終了後、エッチングステージ15から表面保護部材5に複数の半導体素子20が接着した状態のものを取り外す。それから、図8に示すように、裏面20bを吸着コレット16で真空吸着して、半導体素子20を上方に引き上げて、表面保護部材5から取り外す。
以上の工程K1〜K6によって、半導体基板1を分割して複数の半導体素子20が得られる。
本実施形態では、半導体基板1を切削する前に裏面2b側から研削するので、半導体基板1に中空部分のない状態で研削することになる。これによって、研削盤12を裏面2bに押し付けた際に、半導体基板1の裏面2bに均一に圧力を加えることができるので、半導体基板1が撓むことがなく、裏面2bを平坦にすることができる。よって、裏面20bが平坦な半導体素子20を得ることができる。
また、半導体素子20の裏面20bが平坦であるので、半導体素子20を回路基板17に接続する際に良好な接続状態を実現することができる。図9は、半導体素子20を回路基板17に接続する状態を示す模式断面図である。図9に示すように、吸着コレット16で半導体素子20を吸着したとき、半導体素子20の裏面20bは平坦な面であるので、半導体素子20は吸着コレット16の先端面に対して平行な状態で吸着される。したがって、半導体素子20を吸着コレット16に吸着させた状態で、半導体素子20の複数の突起電極4を回路基板17に設けられた凸状の複数の電極パターン18に対向させて接触させたとき、突起電極4と電極パターン18とが均等に接触する。そして、突起電極4と電極パターン18とが均等に接触した状態で、加圧しながら熱または超音波振動もしくはその両方を印加して突起電極4と電極パターン18とを接合させる。これによって、突起電極4と電極パターン18との均一な接続状態を実現できるので、均一で良好な電気的接続を実現することができる。
また本実施形態では、表面保護部材5で回路形成面2aを被覆する前に、スクライブラインSの位置情報を算出して記憶部10cに格納しておく。これによって切削前に位置情報を算出する必要がないので、切削工程においては格納されている位置情報を記憶部10cから読み出してすぐに使用することができる。また、位置情報検出のために、表面保護部材5を一旦はがしてから再度被覆する必要もないので、手間がかからず、処理時間も短時間となり、加工効率を向上させることができる。
また本実施形態では、表面保護部材5で回路形成面2aを被覆して保護した状態で、研削および切削を行う。これによって、研削盤12および回転ブレード14からの圧力が半導体回路3の凸部に集中しないので、半導体回路3が損傷することを防止することができる。また、表面保護部材5は、粘着層5aを回路形成面2aに接着することによって半導体基板1に貼り付けることができる。これによって、簡単な作業で回路形成面2aを被覆して保護することができ、手間がかからない。
また本実施形態では、研削工程K3の前の被覆工程K2において、回路形成面2aを表面保護部材5で被覆し、研削工程K3、切削工程K4、エッチング工程K5を裏面2bから実施する。これによって、半導体基板1を工程の間や工程の途中で裏返す必要がないので、手間がかからず、処理時間を短縮することができる。また、各工程で個別に表面保護部材5で被覆する必要がなく、これによっても処理時間を短縮することができる。また、研削工程K3および切削工程K4で生じる削りくずが半導体回路3に付着しないので、削りくずを取り除く必要がなく、これによっても処理時間を短縮することができる。
また、表面保護部材5を構成する粘着層5aとして、加熱することによって粘着力が弱まる樹脂を用いた場合は、回路形成面2aから剥がす際に、表面保護部材5をたとえば50℃程度に加熱する。これによって、粘着層5aの粘着力が低下して、回路形成面2aと粘着層5aとの密着性を低下させることができるので、回路形成面2aから表面保護部材5を容易にはがすことができる。また、半導体回路3に過大な引張力をかけずに、表面保護部材5をはがすことができ、半導体回路3を損傷することを防止できる。
また、保護レジストを表面保護部材として使用した場合は、保護レジストは流動性を有し、所定の波長光を照射することによって硬化する感光性樹脂であるので、スピンコート法または印刷法によって保護レジスト(感光性樹脂)を回路形成面2a上に塗布した際に、回路形成面2aの凹凸に樹脂が流れ込む。この状態で保護レジストに所定の波長光たとえば紫外線を照射して保護レジストを硬化させることによって、回路形成面2aの凹凸を吸収して、表面が平坦な表面保護部材を形成することができる。これによって、粘着層5bと基材5aとを積層して成る表面保護部材5を使用した場合に比べて、回路形成面2aの凹凸を確実に吸収することができるので、半導体回路3が損傷することをより確実に防止することができる。
また本実施形態では、切削工程K4で切り残し部7が残されるように切削される。これによって、半導体基板1としての形状が保たれるので、エッチング工程K5に移行する際に、半導体基板1を下から支えるハードトレーなどの搬送のための専用部品を用いることなく、半導体基板1を直接把持することで、簡単に移動させることができる。
すなわち、半導体回路3ごとに分割した状態のものを移動させる場合は、1個ずつ搬送したり、あるいは従来技術のように分割前に回路形成面2aに表面保護部材56を貼り付けておき、半導体基板1の分割後は表面保護部材56で複数個の半導体回路部分を保持したりする必要がある。複数個の半導体回路部分を1個ずつ移動させるのは、非常に手間のかかる作業である。また、複数個の半導体回路部分を表面保護部材56で保持した状態で移動させるのは、1個ずつ移動させる場合に比べて簡単に行うことができるが、表面保護部材56としては回路形成面2aを保護するために弾性率の高い部材が用いられるので、形状を保持した状態で移動させることは困難である。そのため、表面保護部材56の下にさらに表面保護部材56を支える部品で支持して移動させることが必要であり、やはり手間のかかる作業である。これに対して本実施形態の場合は、半導体基板1の状態を保っているために、半導体基板1を支える部品を用いずに、半導体基板1を直接把持することで簡単に移動させることができる。
また切削工程K4では、切り残し部7の厚みが破砕層8a,8bの厚み以上、溝部6の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域Rの外周との間の距離以下になるように、スクライブラインSの中央部から半導体基板1を切削する。これによって、切り残し部7が除去されるまでエッチングすると、裏面2bと溝部6の壁面と底面の破砕層8a,8bを除去でき、また回路形成領域Rの外周までしかエッチングが進行せず、エッチングが回路形成領域R内まで進行して半導体回路3が損傷することを防止することができる。また、研削および切削によって生じた破砕層8a,8bが除去されるので、充分な抗析強度を確保することができる。
たとえば、スクライブラインSの幅W1が150μmで、切削による切り幅(回転ブレード14の切削刃の幅)W2が100μmである場合に、スクライブラインSの中央を切削して溝部6を形成すると、溝部6の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域Rの外周との距離W3は、(150−100)/2=25μmとなる。したがって、切り残し部7の厚みHを25μm以下とすることで、切り残し部7が除去される時間までエッチングしても、回路形成領域Rまでエッチングが進行することがなく、半導体回路3が損傷することはない。また、切り残し部7の厚みを25μmとすれば、切り残し部7が除去されるまでエッチングすることによって、半導体素子20の側面部分までエッチングされることになり、エッチング工程K6終了段階で所望の大きさの半導体素子20を形成することができる。
仮に、切り残し部7の厚みを、破砕層8a,8bの厚み以上で、溝部7の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域Rの外周との間の距離以上にした場合は、エッチングが回路形成領域Rの外周まで進行した時点で一旦エッチングを中止し、溝部6の底面以外を耐エッチング性のある材料で被覆し、再度エッチングを行う必要がある。しかし、この場合は、エッチングを2回行う必要があり、また耐エッチング材料で被覆する必要もあるので、手間がかかる。それに比べて、本実施形態では、切り残し部7の厚みが、破砕層8a,8bの厚み以上、溝部6の壁面とその壁面に最も近い回路形成領域Rの外周との間の距離以下になるように切削するので、一回のエッチングで、破砕層8a,8bおよび切り残し部7の削除を行うことができ、処理時間を短縮することができる。
また本実施形態では、研削盤12の回転軸線C2を、半導体基板1の周縁部1sの回転軌跡より外側で、その近傍に配置し、また、半導体基板1の回転軸線C1を、研削盤12の周縁部12sの回転軌跡より内側で、その近傍に配置して、半導体基板1を研削盤12で研削する。これによって、半導体基板1の裏面2bの研削量のばらつきが小さくなり、均一な厚みになる。
つまり、研削盤12を回転させて研削する場合、研削盤12の回転による研削材の単位時間当りの移動距離は、研削盤12の回転軸線C2周辺から周縁部12s近傍に向かうに従って連続的に増加する。このような研削材の移動距離にばらつきがある研削盤12によって半導体基板1を静止させた状態で研削を行うと、半導体基板1に対する研削材の移動距離にばらつきが生じて研削量に大きなばらつきが生じ均一な厚みとなるように研削することが困難になる。
本実施形態では、半導体基板1を研削盤12と同じ方向に回転させるとともに、半導体基板1の回転軸線C1と研削盤12の回転軸線C2との位置関係を上記のように設定して研削することによって、研削量のばらつきを小さくしている。すなわち、半導体基板1を回転させることによって、裏面2bの単位時間当りの移動距離は、上記の研削盤12と同様に、半導体基板1の回転軸線C1周辺から周縁部1s近傍に向かうに従って連続的に増加する。そして、上記のように、移動距離が短い半導体基板1の回転軸線C1周辺の裏面2bを、移動距離が長い研削盤12の周縁部12s近傍の研削材で研削し、移動距離が長い半導体基板1の周縁部1s近傍の裏面2bを、移動距離が短い研削盤12の回転軸線C2周辺の研削材で研削している。そのため、半導体基板1に対する研削材の移動距離が平均化されてばらつきが小さくなり、半導体基板1の裏面2bの研削量のばらつきが小さくなり、均一な厚みとなるように半導体基板1を研削することができる。
また、上記のように、半導体基板1の回転軸線C1を、研削盤12の周縁部12sの回転軌跡の内側に設定し、研削盤12の回転軸線C2を、半導体基板1の周縁部1sの回転軌跡の外側に設定し、さらに研削盤12と半導体基板1とをともに回転させて接触させることで、研削盤12が、半導体基板1の裏面2bの全面と接触することになるので、半導体基板1の裏面2bの全面を研削できる。
以上、本実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定するものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。たとえば、研削前の半導体基板1の厚さは、725μmに限定するものではなく、研削後の半導体基板1の厚さも100μmに限定するものではない。また、スクライブラインの幅とダイシングの切り幅との差や、切り残し部7の厚さも、エッチングに使用する酸の種類や濃度等に応じて、適宜変更することが可能である。さらに、表面保護部材5を半導体基板1に貼り付けて回路形成面2aを保護することに代えて、半導体基板1を載置する作業台側に表面保護部材を設置し、この表面保護部材に半導体基板1の回路形成面2aが対向するように載置して、回路形成面2aを保護するようにしてもよい。
本発明の実施の一形態である半導体基板の加工方法を示す工程図である。 半導体基板1の平面図である。 半導体基板1の断面図である。 位置検出工程K1を説明するための模式断面図である。 研削工程K3を説明するための模式断面図であり、(a)は研削前の状態を示し、(b)は研削中の状態を示し、(c)は研削後の状態を示している。 切削工程K4を説明するための模式断面図であり、(a)は切削中の状態を示し、(b)は切削位置近傍を拡大して示している。 エッチング工程K5を説明するための模式断面図であり、(a)はエッチング前の状態を示し、(b)はエッチング後の状態を示している。 チップ分離工程K6を説明するための模式断面図である。 半導体素子20と回路基板17との接続状態を示す模式断面図である。 従来の切削工程を説明するための模式断面図である。 従来の研削工程を説明するための模式断面図であり、(a)は研削前の状態を示し、(b)は研削中の状態を示し、(c)は研削後の状態を示している。 従来のエッチング工程を説明するための模式断面図である。 従来のチップ分離工程を説明するための模式断面図である。 半導体素子59と回路基板63との接続状態を示す模式断面図である。
符号の説明
1 半導体基板
1s 周縁部
2 基板
2a 一方面(回路形成面)
2b 裏面
3 半導体回路
4 突起電極
5 表面保護部材
5a 粘着層
5b 基材
6 溝部
7 切り残し部
8a,8b 破砕層
10 位置情報検出装置
10a 撮像部
10b 信号処理部
10c 記憶部
11 定盤
12 研削盤
12s 周縁部
13 ダイシングステージ
14 回転ブレード
15 エッチングステージ
16 吸着コレット
17 回路基板
18 電極パターン
20 半導体素子
20a 回路形成面
20b 裏面
R 回路形成領域
S 境界領域(スクライブライン)
K1 位置情報検出工程
K2 被覆工程
K3 研削工程
K4 切削工程
K5 エッチング工程
K6 チップ分離工程

Claims (8)

  1. 基板の一方面側に互いに間隔をあけて設定された複数の回路形成領域内にそれぞれ半導体回路が形成された半導体基板を、回路形成領域間の境界領域で回路形成領域ごとに分割して複数の半導体素子に加工する半導体基板の加工方法において、
    前記半導体基板を、所定の厚さになるまで前記半導体回路が形成された回路形成面とは反対側表面から研削手段で研削する研削工程と、
    前記研削工程の後に、前記反対側表面から前記回路形成領域間の境界領域に対応する領域を、所定の深さまで切削手段で切削して前記回路形成面側に切り残し部を形成する切削工程と、
    前記切削工程の後に、前記回路形成面とは反対側から前記半導体基板をエッチングすることによって、研削面および切削面に生じた破砕層を除去するとともに、前記切り残し部を除去して前記半導体基板を分割するエッチング工程とを有することを特徴とする半導体基板の加工方法。
  2. 前記研削工程の前に、前記半導体基板の回路形成面を保護部材で予め被覆する被覆工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の加工方法。
  3. 前記保護部材は、前記半導体基板の回路形成面に流動性を持った材料を塗布して硬化させることで形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体基板の加工方法。
  4. 前記保護部材は、粘着層と基材とが積層されて構成され、前記粘着層を前記半導体基板の回路形成面に接触させて保護部材を貼ることで前記回路形成面を被覆して保護することを特徴とする請求項2に記載の半導体基板の加工方法。
  5. 前記粘着層は、加熱することによって粘着力が弱まることを特徴とする請求項4に記載の半導体基板の加工方法。
  6. 前記研削手段は、一方面側に研削材を有する円盤状の研削部材を有し、該研削部材をその一方面に対して垂直な回転軸線まわりに回転させて研削を行い、
    前記研削工程では、半導体基板を、回路形成面とは反対側表面が前記研削部材の研削材に接触するように配置するとともに、回路形成面に対して垂直な回転軸線まわりであって、研削部材側から見て同じ回転方向に回転させて研削を行い、前記半導体基板の回転軸線を、前記研削部材の周縁部の回転軌跡よりも内側であって該周縁部近傍に設定し、前記研削部材の回転軸線を前記半導体基板の周縁部の回転軌跡よりも外側であって該周縁部近傍に設定することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の加工方法。
  7. 前記被覆工程の前に、前記半導体基板の回路形成面を撮像して画像情報を取り込み、該画像情報を用いて前記回路形成領域間の境界領域の位置情報を算出して格納する位置情報算出工程を有し、
    前記切削工程では、算出して格納された前記境界領域の位置情報に基づいて、前記半導体基板を前記回路形成面とは反対側表面から切削することを特徴とする請求項2に記載の半導体基板の加工方法。
  8. 前記切削工程では、前記境界領域に対応する領域の中央部を切削して切り残し部を形成し、該切り残し部の厚みは、前記破砕層の厚み以上であり、切削によって生じた溝部の壁面と該壁面に最も近い前記回路形成領域の外周との距離以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の加工方法。
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