JP2005056510A - サーボ制御方法及びサーボ制御回路並びに同サーボ制御回路を有する光ディスク装置 - Google Patents

サーボ制御方法及びサーボ制御回路並びに同サーボ制御回路を有する光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ピックアップのサーボ制御を行う場合に、欠陥検出信号が有しているタイムラグの影響を低減可能としたサーボ制御方法及びサーボ制御回路並びに同サーボ制御回路を有する光ディスク装置を提供する。
【解決手段】ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成し、この欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方に切替えてピックアップのサーボ制御を行う場合に、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路の状態変数を状態変数記憶回路で記憶する。そして、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合には、サーボ制御信号生成回路は状態変数記憶回路に記憶した状態変数の中から所定の状態変数を使用する。そのとき使用する状態変数は、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号からホールド信号切替えるタイミングより所定時間だけ前に記憶した状態変数とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーボ制御方法及びサーボ制御回路並びに同サーボ制御回路を有する光ディスク装置に関するものである。
従来、光ディスク装置においては、ピックアップにおける読取点のフィードバック制御を行うために、ピックアップの出力信号からサーボ制御信号を生成し、そのサーボ制御信号に基づいてピックアップのサーボ調整用のサーボ制御電圧を出力するサーボ制御回路を設け、サーボ制御電圧をサーボに入力することによって制御を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
このサーボ制御回路には、ディスクに生じた傷やディスクに付着した埃によってピックアップの出力信号自体に異常が生じた場合において、この異常な出力信号に基づいてサーボの制御が行われることを防止するために、ピックアップの出力信号に異常が生じている場合にはサーボをホールド状態とするホールド手段を設けている。
図6を用いて具体的に説明すると、ピックアップ100によってディスク200から読出したRF信号は、再生回路300に入力する一方でサーボ制御回路400に入力している。
サーボ制御回路400は、ピックアップ100の出力信号であるRF信号からサーボエラー信号を生成するエラー信号生成回路410と、RF信号から欠陥検出信号を生成する欠陥検出信号生成回路420と、サーボエラー信号に基づいてサーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路430と、このサーボ制御信号生成回路430において波形調整したサーボエラー信号から得られた一定値を保持してホールド信号を生成するホールド信号生成回路440と、サーボ制御信号またはホールド信号に基づいてサーボ制御電圧を出力するサーボ制御電圧出力回路450とから構成している。
そして、サーボ制御電圧出力回路450には、切替スイッチ460によって欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方を入力するように構成しており、特に、ピックアップ100の出力信号に異常が生じている場合に、サーボ制御電圧出力回路450にホールド信号を入力することによりサーボをホールド状態とするようにしている。
ここで、欠陥検出信号生成回路420は、図7に示すように、ピックアップ100の出力信号であるアナログのRF信号をデジタルRF信号に変換するA/Dコンバータ回路421と、デジタルRF信号の一次ピークホールド信号を生成する第1ピークホールド回路422と、この一次ピークホールド信号から二次ピークホールド信号を生成する第2ピークホールド回路423と、一次ピークホールド信号と二次ピークホールド信号の入力に基づいて欠陥検出信号を生成するコンパレータ回路424とから構成している。425はデジタルRF信号中のピット成分を除去するために設けたフィルタ回路、426は二次ピークホールド信号のゲイン調整回路である。
サーボ制御信号生成回路430は、欠陥検出信号生成回路420から出力された欠陥検出信号が「High」では動作を停止しており、サーボ制御信号生成回路430の内部における状態変数をそのまま保持していた。
特開2000−90467号公報
しかしながら、上記したサーボ制御回路では、欠陥検出信号生成回路から出力される欠陥検出信号にタイムラグが存在していることによって、サーボ制御電圧出力回路に入力する信号をサーボ制御信号からホールド信号に切替えるタイミングが、ピックアップの出力信号に変動が生じたタイミングから所定時間だけ遅れることとなり、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号生成回路の動作を停止した場合には、サーボ制御信号生成回路に保持した状態変数には変動成分が取り込まれた状態となっているという問題があった。
そのため、サーボ制御信号生成回路が動作を再開した場合には、変動成分を有する状態変数に基づいてサーボ制御信号生成回路が動作するために、サーボ制御信号生成回路から正常なサーボ制御信号が出力されるまでに多大な時間がかかることとなっていた。
図8を用いて具体的に説明すると、ディスクに傷や埃が存在する場合、ピックアップの出力信号から生成したサーボエラー信号には、図8(a)に示すように大きな変動が生じている。
このとき、図8(b)に示すように、一次ピークホールド信号には、ピックアップの出力信号のレベル低下にともなうレベルの低下が生じている。一方、二次ピークホールド信号は一次ピークホールド信号の正常値を保持しているので、この一次ピークホールド信号と二次ピークホールド信号とを用いることによりコンパレータ回路は図8(c)に示す欠陥検出信号を出力している。
ここで、コンパレータ回路にはしきい値レベルをあらかじめ設定しており、一次ピークホールド信号がしきい値レベルよりも低下した場合に欠陥検出信号が「High」となるようにしているために、一次ピークホールド信号のレベルが低下し始めてしきい値レベルよりも低下するまでの時間がタイムラグt'となっている。
そして、このタイムラグt'の間では、サーボエラー信号にはすでに変動が生じているために、その状態で欠陥検出信号が「High」となってサーボ制御信号生成回路が動作を停止することにより、サーボ制御信号生成回路は変動成分を取り込んだ状態変数を保持することとなっている。
この場合、しきい値レベルを上げることによりタイムラグt'を短くすることによって、サーボエラー信号に含まれる変動成分を小さくすることは可能であるが、その場合には再生に影響のないディスクの汚れに対してもサーボのホールド状態が生じることとなって、却って動作安定性を阻害するおそれがあった。
そこで、本発明のサーボ制御方法では、ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成し、この欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方に切替えてピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御方法において、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路の状態変数を状態変数記憶回路で記憶して、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合には、サーボ制御信号生成回路は状態変数記憶回路に記憶した状態変数の中から所定の状態変数を使用することとした。
また、本発明のサーボ制御回路では、ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成するとともに、この欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方に切替えてピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御回路において、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路には、このサーボ制御信号生成回路の状態変数を記憶する状態変数記憶回路を接続し、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路は状態変数記憶回路に記憶した前記状態変数の中から所定の状態変数を使用するように構成した。
さらに、サーボ制御信号生成回路が使用する状態変数は、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号からホールド信号切替えるタイミングより所定時間だけ前に記憶した状態変数としたことにも特徴を有し、欠陥検出信号を生成する欠陥検出信号生成回路には、欠陥検出信号に基づいてホールド信号からサーボ制御信号に切替えるタイミングを遅延させる切替タイミング遅延回路を設けたことにも特徴を有するものである。
また、本発明の光ディスク装置では、ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成するとともに、この欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方に切替えてピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御回路を有する光ディスク装置において、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路には、このサーボ制御信号生成回路の状態変数を記憶する状態変数記憶回路を接続し、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路は状態変数記憶回路に記憶した状態変数の中から所定の状態変数を使用するように構成した。
請求項1記載の発明によれば、ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成し、この欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方に切替えてピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御方法において、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路の状態変数を状態変数記憶回路で記憶して、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合には、サーボ制御信号生成回路は状態変数記憶回路に記憶した状態変数の中から所定の状態変数を使用することによって、ホールド信号によるピックアップのサーボ制御からサーボ制御信号によるサーボ制御に切替わった場合に、サーボ制御信号生成回路は、適正な状態変数に基づいてサーボ制御信号の生成を再開するので、速やかに正常なサーボ制御信号を出力することができ、ホールド状態からの復帰直後からサーボ制御を安定的に行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成するとともに、この欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方に切替えてピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御回路において、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路には、このサーボ制御信号生成回路の状態変数を記憶する状態変数記憶回路を接続し、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路は状態変数記憶回路に記憶した前記状態変数の中から所定の状態変数を使用するように構成したことによって、請求項1記載の発明と同様に、ホールド信号によるピックアップのサーボ制御からサーボ制御信号によるサーボ制御に切替わった場合に、サーボ制御信号生成回路は、適正な状態変数に基づいてサーボ制御信号の生成を再開するので、速やかに正常なサーボ制御信号を出力することができ、ホールド状態からの復帰直後からサーボ制御を安定的に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、サーボ制御信号生成回路が使用する状態変数は、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号からホールド信号切替えるタイミングより所定時間だけ前に記憶した状態変数としたことによって、サーボ制御信号生成回路が使用する状態変数に、ピックアップの出力信号の変動成分が取り込まれることを抑止して、安定なサーボ制御信号が生成可能な状態変数を使用することができる。
請求項4記載の発明によれば、欠陥検出信号を生成する欠陥検出信号生成回路には、欠陥検出信号に基づいてホールド信号からサーボ制御信号に切替えるタイミングを遅延させる切替タイミング遅延回路を設けたことによって、ホールド信号からサーボ制御信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路に変動成分を有する信号が入力されることを防止できるので、速やかに正常なサーボ制御信号を出力することができ、ホールド状態からの復帰直後からサーボ制御を安定的に行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成するとともに、この欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方に切替えてピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御回路を有する光ディスク装置において、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路には、このサーボ制御信号生成回路の状態変数を記憶する状態変数記憶回路を接続し、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路は状態変数記憶回路に記憶した状態変数の中から所定の状態変数を使用するように構成したことによって、請求項1記載の発明と同様に、ホールド信号によるピックアップのサーボ制御からサーボ制御信号によるサーボ制御に切替わった場合に、サーボ制御信号生成回路は、適正な状態変数に基づいてサーボ制御信号の生成を再開するので、速やかに正常なサーボ制御信号を出力することができ、ホールド状態からの復帰直後からサーボ制御を安定的に行うことができる。したがって、光ディスク装置の動作安定性を向上させることができる。
本発明のサーボ制御方法及びサーボ制御回路並びに同サーボ制御回路を有する光ディスク装置では、ピックアップの出力信号から生成した欠陥検出信号に基づいて、出力信号から生成したサーボ制御信号とホールド信号のいずれか一方を選択してピックアップのサーボ制御を行うようにしており、特に、サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路には、同サーボ制御信号生成回路の状態変数を記憶する状態変数記憶回路を接続し、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路が状態変数記憶回路に記憶した状態変数の中から所定の状態変数を使用するように構成しているものである。
したがって、ホールド信号によるピックアップのサーボ制御からサーボ制御信号によるサーボ制御に切替わった場合に、サーボ制御信号生成回路は、適正な状態変数に基づいてサーボ制御信号の生成を再開するので、速やかに正常なサーボ制御信号を出力することができ、ホールド状態からの復帰直後からサーボ制御を安定的に行うことができる。
特に、サーボ制御信号の生成再開時に使用する状態変数は、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号からホールド信号切替えるタイミングより所定時間だけ前の状態変数とし、この所定時間を欠陥検出信号のタイムラグの期間よりも長い時間としておくことによって、サーボ制御信号生成回路が使用する状態変数に、ピックアップの出力信号の変動成分が取り込まれることを抑止して、安定なサーボ制御信号が生成可能な状態変数を使用することができる。
また、サーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、ホールド信号を生成するホールド信号生成回路には、ホールド信号を生成するためのサーボエラー信号として、その切替を行うタイミングよりも前のサーボエラー信号を入力してホールド信号を生成するようにしている。
したがって、このようにして生成したホールド信号には、欠陥検出信号のタイムラグの期間中にサーボエラー信号に生じた変動の成分が取り込まれることがなく、ピックアップのサーボを安定的にホールドすることができるホールド信号を生成することができる。
欠陥検出信号が有しているタイムラグの期間よりも前のサーボエラー信号を用いてホールド信号を生成するために、サーボ制御回路においては、ホールド信号を生成するためのホールド信号生成回路の入力側に遅延回路を設け、同遅延回路では、ホールド信号生成回路に入力するサーボエラー信号を、欠陥検出信号が有しているタイムラグの期間よりも長い時間だけ遅延させて出力している。
以下において、図面に基づいて本発明の実施形態を詳説する。図1は、本実施形態のサーボ制御回路4の構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態では、サーボ制御回路4は、説明の便宜上、ピックアップ1の読取点をディスク2のトラック中心に制御するトラッキングサーボ制御回路とする。ただし、サーボ制御回路は、トラッキングサーボ制御を行うものに限定するものではなく、フォーカスサーボ制御等の他のサーボホールド機能を有するサーボ制御回路に適用することができる。
サーボ制御回路4には、ピックアップ1によってディスク2から読出して再生回路3に入力するRF信号の一部を入力するようにしている。
サーボ制御回路4は、ピックアップ1の出力信号であるRF信号からサーボエラー信号を生成するエラー信号生成回路41と、RF信号から欠陥検出信号を生成する欠陥検出信号生成回路42と、サーボエラー信号に基づいてサーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路43と、このサーボ制御信号生成回路43において波形調整したサーボエラー信号から得られた一定値を保持してホールド信号を生成するホールド信号生成回路44と、サーボ制御信号またはホールド信号に基づいてサーボ制御電圧を出力するサーボ制御電圧出力回路45とから構成している。図1中、46は、欠陥検出信号生成回路42から出力された欠陥検出信号に基づいてサーボ制御電圧出力回路45に入力する信号をサーボ制御信号とホールド信号とで切替える切替スイッチである。
エラー信号生成回路41にはA/Dコンバータを設け、デジタル信号からなるサーボエラー信号を出力するようにしている。
本実施形態では、ホールド信号生成回路44にはサーボ制御信号生成回路43で波形調整したサーボエラー信号を入力するようにして、ホールド信号生成回路44に波形調整用の回路を設けないようにしているが、ホールド信号生成回路44にも波形調整用の回路を設けて、エラー信号生成回路41から出力されたサーボエラー信号をホールド信号生成回路44に直接入力してもよい。
ホールド信号生成回路44の入力側には入力遅延回路47を設けており、ホールド信号生成回路44には入力遅延回路47によって所定時間だけ遅延させたサーボエラー信号を入力するようにしている。この入力遅延回路47による遅延時間をTとする。この遅延時間Tは、後述する欠陥検出信号生成回路42において生成した欠陥検出信号が有しているタイムラグtの時間よりも長い時間としている。
さらに、本実施形態では、サーボ制御信号生成回路43に、このサーボ制御信号生成回路43の回路の状態を表す状態変数を記憶させる状態変数記憶回路48を接続している。そして、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御電圧出力回路45に入力する信号をサーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路43の状態変数として、状態変数記憶回路48に記憶した状態変数の中から所定の状態変数を使用するようにしている。
ここで、所定の状態変数としては、適正なサーボ制御信号を生成可能とすることがわかっているデフォルト値を用いてもよいし、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御信号からホールド信号切替えるタイミングより所定時間だけ前の状態変数を用いてもよい。なお、説明の便宜上、この所定時間は上記した遅延時間Tと同じとする。ただし、この所定時間は必ずしも遅延時間Tと同じである必要はないが、欠陥検出信号生成回路42において生成した欠陥検出信号が有しているタイムラグtの時間よりは長い時間としている。
欠陥検出信号生成回路42は、図2に示すように、ピックアップ1の出力信号であるアナログのRF信号をデジタルRF信号に変換するA/Dコンバータ回路51と、デジタルRF信号の一次ピークホールド信号を生成する第1ピークホールド回路52と、この一次ピークホールド信号から二次ピークホールド信号を生成する第2ピークホールド回路53と、一次ピークホールド信号と二次ピークホールド信号の入力に基づいて欠陥検出信号を生成するコンパレータ回路54と、コンパレータ回路54から出力された欠陥検出信号において、サーボ制御電圧出力回路45への入力をホールド信号からサーボ制御信号に切替えるタイミングを決定している後縁を所定時間だけ遅延させる切替タイミング遅延回路55とから構成している。ここで、切替タイミング遅延回路55による後縁の遅延時間をT'とする。56はデジタルRF信号中のピット成分を除去するために設けたフィルタ回路、57は二次ピークホールド信号のゲイン調整回路である。
このように欠陥検出信号生成回路42を構成することによって、図3に示すように、ディスク2に傷や埃が存在することにより、ピックアップ1の出力信号から生成したサーボエラー信号に、図3(a)に示すように大きな変動が生じている場合に、欠陥検出信号生成回路42では、図2(b)に示すように、一次ピークホールド信号にピックアップ1の出力信号のレベル低下にともなうレベルの低下が生じることによって、図3(c)に示すような欠陥検出信号を生成して出力することができる。
この欠陥検出信号には、従来と同様に一次ピークホールド信号のレベルが低下し始めてしきい値レベルよりも低下するまでの時間であるタイムラグtが存在している。
そして、従来では、このタイムラグtと略同等の時間だけ欠陥検出信号の後縁部分にもタイムラグが存在していたが、切替タイミング遅延回路55によって後縁をタイムラグtよりも長い遅延時間T'だけ遅延させることによって、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御電圧出力回路45に入力する信号をホールド信号からサーボ制御信号に切替えた場合に、サーボ制御信号は正常なサーボエラー信号に基づいてサーボ制御信号生成回路43により生成されることによって、ホールド状態からの復帰直後からサーボ制御を安定的に行うことができる。
最後に、入力遅延回路47及び状態変数記憶回路48の動作について詳説する。
まず、本実施形態では、サーボ制御信号生成回路43は、図4に示すように第1状態変数m1(n)を記憶した第1回路素子43aと、第2状態変数m2(n)を記憶した第2回路素子43bと、第3状態変数m3(n)を記憶した第3回路素子43cと、第1加算回路43dとから構成したループフィルタとしている。
また、ホールド信号生成回路44は、第4状態変数m4(n)を記憶した第4回路素子44aと、第2加算回路44bとから構成したローパスフィルタとしている。
ここで、説明の便宜上、Z変換による離散時間を用いて説明する。特に、サーボエラー信号に基づいた離散時間で制御回路内の時間を表すこととする。
そして、図5(a)に示すように時刻TE(n)から時刻TE(n+3)間で欠陥検出信号が生成されたとすると、異常状態期間Eは図5(b)に示すように時刻TE(n-1)から時刻TE(n+2)間となる。
図5(c)は第1回路素子43aにおける第1状態変数m1(n)の推移を示したものであり、図5(d)は第2回路素子43bにおける第2状態変数m2(n)の推移を示したものであり、図5(e)は第3回路素子43cにおける第3状態変数m3(n)の推移を示したものである。
図5(f)は状態変数記憶回路48に記憶した第1状態変数m1(n)の推移を示したものであり、図5(g)は状態変数記憶回路48に記憶した第2状態変数m2(n)の推移を示したものであり、図5(h)は状態変数記憶回路48に記憶した第3状態変数m3(n)の推移を示したものである。
本実施形態では、図5に示すように、状態変数記憶回路48には、第1回路素子43aと、第2回路素子43bと、第3回路素子43cの所定時間だけ前の状態変数m1(n),m2(n),m3(n)をそれぞれ記憶するようにしている。ここで、所定時間は上記した遅延時間Tと同じとしている。
そして、図5に示すように、欠陥検出信号に基づいて、時刻TE(n)においてサーボ制御電圧出力回路45に入力する信号をサーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、サーボ制御信号生成回路43の各回路素子43a,43b,43cには、そのときに状態変数記憶回路48に記憶した状態変数を入力するようにしている。
所定時間Tは、欠陥検出信号生成回路42において生成した欠陥検出信号が有しているタイムラグtの時間よりは長い時間としていることによって、各回路素子43a,43b,43cに入力した状態変数m1(n-3),m2(n-3),m3(n-3)にサーボエラー信号の変動にともなう変動成分が含まれることを防止できる。
したがって、ホールド信号に基づくピックアップ1のホールドから、サーボ制御信号に基づくサーボ制御を再開した場合には、サーボ制御信号生成回路43が適正な状態変数に基づいてサーボ制御信号の生成を再開するので、速やかに正常なサーボ制御信号を出力することができ、ホールド状態からの復帰直後からサーボ制御を安定的に行うことができる。
なお、正常なサーボ制御信号を生成可能とする状態変数があらかじめわかっている場合には、その状態変数を入力するようにしてもよい。
さらに、他の実施形態として、状態変数記憶回路48には、第1回路素子43aと、第2回路素子43bと、第3回路素子43cのその時点における状態変数m1(n),m2(n),m3(n)をそれぞれ記憶するようにし、時刻TE(n)においてサーボ制御電圧出力回路45に入力する信号をサーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合には、サーボ制御信号生成回路43の各回路素子43a,43b,43cに、状態変数記憶回路48に記憶した状態変数であって、所定時間だけ前の状態変数を読出して入力するようにしてもよい。
時刻TE(n)においてサーボ制御電圧出力回路45に入力する信号をサーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合には、状態変数記憶回路48は各回路素子43a,43b,43cの状態変数を記憶することを停止し、時刻TE(n)において記憶していた状態変数を保持するようにしている。そして、異常状態期間Eの経過後に状態変数記憶回路48は状態変数の記憶を再開するようにしている。
図5(j)は、ホールド信号生成回路44の第4回路素子44aにおける第4状態変数m4(n)の推移を示したものである。ホールド信号生成回路44には、入力遅延回路47によってタイムラグtの時間よりも長い遅延時間Tだけ遅延させたサーボエラー信号を入力するようにしているため、欠陥検出信号に基づいてサーボ制御電圧出力回路45に入力する信号をサーボ制御信号からホールド信号に切替えた場合に、ホールド信号生成回路44には、変動の生じていないサーボエラー信号を入力することができるので、変動成分を含まないホールド信号を生成することができる。したがって、ピックアップのサーボを安定的にホールドすることができるホールド信号を生成することができる。
本発明にかかるサーボ制御回路のブロック図である。 欠陥検出信号生成回路のブロック図である。 欠陥検出信号生成回路で生成した欠陥検出信号の説明図である。 サーボ制御回路中のサーボ制御信号生成回路及びホールド信号生成回路の説明図である。 状態変数記憶回路及びホールド信号生成回路の動作説明図である。 従来のサーボ制御回路のブロック図である。 従来の欠陥検出信号生成回路のブロック図である。 従来の欠陥検出信号生成回路で生成した欠陥検出信号の説明図である。
符号の説明
1 ピックアップ
2 ディスク
3 再生回路
4 サーボ制御回路
41 エラー信号生成回路
42 欠陥検出信号生成回路
43 サーボ制御信号生成回路
44 ホールド信号生成回路
45 サーボ制御電圧出力回路
46 切替スイッチ
47 入力遅延回路
48 状態変数記憶回路
51 A/Dコンバータ回路
52 第1ピークホールド回路
53 第2ピークホールド回路
54 コンパレータ回路
55 切替タイミング遅延回路
56 フィルタ回路
57 ゲイン調整回路

Claims (5)

  1. ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成し、この欠陥検出信号に基づいて前記サーボ制御信号と前記ホールド信号のいずれか一方に切替えて前記ピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御方法において、
    前記サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路の状態変数を状態変数記憶回路で記憶して、前記サーボ制御信号から前記ホールド信号に切替えた場合には、前記サーボ制御信号生成回路は前記状態変数記憶回路に記憶した前記状態変数の中から所定の状態変数を使用することを特徴とするサーボ制御方法。
  2. ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成するとともに、この欠陥検出信号に基づいて前記サーボ制御信号と前記ホールド信号のいずれか一方に切替えて前記ピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御回路において、
    前記サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路には、このサーボ制御信号生成回路の状態変数を記憶する状態変数記憶回路を接続し、前記サーボ制御信号から前記ホールド信号に切替えた場合に、前記サーボ制御信号生成回路は前記状態変数記憶回路に記憶した前記状態変数の中から所定の状態変数を使用するように構成したことを特徴とするサーボ制御回路。
  3. 前記サーボ制御信号生成回路が使用する前記状態変数は、前記欠陥検出信号に基づいて前記サーボ制御信号から前記ホールド信号切替えるタイミングより所定時間だけ前に記憶した状態変数としたことを特徴とする請求項2記載のサーボ制御回路。
  4. 前記欠陥検出信号を生成する欠陥検出信号生成回路には、前記欠陥検出信号に基づいて前記ホールド信号から前記サーボ制御信号に切替えるタイミングを遅延させる切替タイミング遅延回路を設けたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のサーボ制御回路。
  5. ピックアップの出力信号からサーボ制御信号とホールド信号と欠陥検出信号とを生成するとともに、この欠陥検出信号に基づいて前記サーボ制御信号と前記ホールド信号のいずれか一方に切替えて前記ピックアップのサーボ制御を行うサーボ制御回路を有する光ディスク装置において、
    前記サーボ制御信号を生成するサーボ制御信号生成回路には、このサーボ制御信号生成回路の状態変数を記憶する状態変数記憶回路を接続し、前記サーボ制御信号から前記ホールド信号に切替えた場合に、前記サーボ制御信号生成回路は前記状態変数記憶回路に記憶した前記状態変数の中から所定の状態変数を使用するように構成したことを特徴とする光ディスク装置。
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