JP2005054950A - モータアクチュエータ、及び歯車減速機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱膨張や吸水膨張による影響がない通常の使用状態で、バックラッシュを少なくすることができる歯車減速機構、及びその歯車減速機構を用いたモータアクチュエータを提供する。
【解決手段】減速機構4を有するモータアクチュエータ1において、ハウジング2のカバー部には、軸方向視長円形状の軸受凹部12が形成されており、該軸受凹部12は第2減速歯車6を軸支する支持軸10を支持している。軸受凹部12は、歯車軸間距離X及びYが広がる方向へ支持軸10が倒れるように撓むことを許容する。従って、樹脂製の各減速歯車が熱膨張や吸水膨張を起こして噛合いが強い状態となった際、支持軸10が軸受凹部12に案内されながら撓んで、歯車軸間距離X及びYを広げる。
【選択図】 図1
【解決手段】減速機構4を有するモータアクチュエータ1において、ハウジング2のカバー部には、軸方向視長円形状の軸受凹部12が形成されており、該軸受凹部12は第2減速歯車6を軸支する支持軸10を支持している。軸受凹部12は、歯車軸間距離X及びYが広がる方向へ支持軸10が倒れるように撓むことを許容する。従って、樹脂製の各減速歯車が熱膨張や吸水膨張を起こして噛合いが強い状態となった際、支持軸10が軸受凹部12に案内されながら撓んで、歯車軸間距離X及びYを広げる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バックラッシュの少ない歯車減速機構、及びその歯車減速機構を用いたモータアクチュエータに関する。
車両用空調に使用するモータアクチュエータは特許文献1にて開示されている構成としたものがある。このモータアクチュエータは、ハウジング内に、モータ、ウォーム、2つの減速歯車、出力歯車、パターン基板、導電ユニットが収容されて構成されている。モータの回転はウォームから1つ目の減速歯車に伝達され、1つ目の減速歯車から2つ目の減速歯車に伝達され、さらに2つ目の減速歯車から出力歯車へと伝達され、出力歯車に形成された回転軸から、減速後の回転が出力される。その出力を利用して、車両用空調の空気取り入れ口切り替えドア、温度調節用ドア、噴出し口切り替えドア等の開閉を行う。
このようなアクチュエータのハウジングは、ケース部とカバー部とから構成され、それぞれ同一樹脂材料で形成される。そして、ハウジングには2つの減速歯車を支持するための支持軸、及び出力歯車の回転軸を支持する軸受が一体に形成されている。
また、2つの減速歯車及び出力歯車は、各歯車の摺動部での音の発生を防ぐためにそれぞれ異なる樹脂材料を用いて形成される。
しかし、樹脂材料は、樹脂材料の種類によって熱線膨張係数が異なるため、温度が変化すると歯車同士の噛合状態が変化する。また、樹脂材料の種類によっては、吸水膨張により歯車同士の噛合状態が変化することもある。従って、歯車、歯車軸間距離、及び歯車を支持する支持軸と軸受との嵌合(隙間嵌め)において、熱膨張や吸水膨張を考慮しないで設計を行ったり、考慮しても間違った設定で設計されたりすると、熱膨張や吸水膨張が生じた場合に歯車同士の噛合いが強くなる。その結果、その歯車減速機構の摺動ロスが増大し、所定の出力特性を維持することができなくなる。
しかし、樹脂材料は、樹脂材料の種類によって熱線膨張係数が異なるため、温度が変化すると歯車同士の噛合状態が変化する。また、樹脂材料の種類によっては、吸水膨張により歯車同士の噛合状態が変化することもある。従って、歯車、歯車軸間距離、及び歯車を支持する支持軸と軸受との嵌合(隙間嵌め)において、熱膨張や吸水膨張を考慮しないで設計を行ったり、考慮しても間違った設定で設計されたりすると、熱膨張や吸水膨張が生じた場合に歯車同士の噛合いが強くなる。その結果、その歯車減速機構の摺動ロスが増大し、所定の出力特性を維持することができなくなる。
車両用空調は、車室内に搭載され、その温度環境は−30℃〜+60℃の範囲である。また、車両用空調は、温度変化の影響だけでなく、湿度変化の影響も受ける。従来では、このような環境下において、歯車が熱膨張や吸水膨張を起こす最悪の環境状態となっても、理想的な歯車軸間距離を確保することができるように設計を行っていた。
ここで、図6(a)は従来のモータアクチュエータ30を示す図であり、図6(b)は図6(a)におけるC−C断面図である。そして、図7は図6(b)に示すC−C断面図における分解図である。樹脂材料により形成された歯車等が熱膨張や吸水膨張を起こしても、理想的な歯車軸間距離を確保することができるために満たさなければならない条件がある。詳しくは、減速歯車31の中心孔31aの内径A、支持軸32の外径B、軸受33の内径C、回転軸34aの外径D、軸受孔35aの内径E、軸受孔35bの内径F、回転軸34bの外径G、小径歯車31bのピッチ円径H、出力歯車36のピッチ円径I、及び小径歯車31bと出力歯車36との歯車軸間距離Jは以下の関係を保持する必要がある。
B≦A,B≦C,D≦E,G≦F
及び、
(H/2)+(I/2)≦J+(A−B)/2+(E−D)/2
又は
(H/2)+(I/2)≦J+(A−B)/2+(F−G)/2
これらの式から、樹脂材料により形成された歯車等が熱膨張や吸水膨張を起こした最悪の状態(B=A,B=C,D=E,G=F)において、支持軸32及び回転軸34a,34bと、軸受33及び軸受孔35a,35bとのガタがない場合の減速機構の摺動条件は (H+I)/2≦J
となる。従って、従来のモータアクチュエータ30は、この条件を満たすように設計されている。
特開平8−70553号公報(第1図)
及び、
(H/2)+(I/2)≦J+(A−B)/2+(E−D)/2
又は
(H/2)+(I/2)≦J+(A−B)/2+(F−G)/2
これらの式から、樹脂材料により形成された歯車等が熱膨張や吸水膨張を起こした最悪の状態(B=A,B=C,D=E,G=F)において、支持軸32及び回転軸34a,34bと、軸受33及び軸受孔35a,35bとのガタがない場合の減速機構の摺動条件は (H+I)/2≦J
となる。従って、従来のモータアクチュエータ30は、この条件を満たすように設計されている。
しかしながら、最悪の状態で理想的な歯車軸間距離を確保することができるように各歯車を設計すると、熱膨張や吸水膨張によって寸法が増大することを考慮して、各歯車は小さめに、歯車軸間距離は長めに設計される。そのために、熱膨張や吸水膨張の影響がない通常の使用状態では、必然的にバックラッシュは多くなる。
バックラッシュが多いと、車両用空調の空気取り入れ口切り替えドア、温度調節用ドア、噴出し口切り替えドア等の停止精度が悪化するだけでなく、モータアクチュエータ作動時の負荷変動によって起きる歯打ち音が大きくなり、異音として問題になる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、熱膨張や吸水膨張による影響がない通常の使用状態で、バックラッシュを少なくすることができる歯車減速機構、及びその歯車減速機構を用いたモータアクチュエータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、樹脂製の歯車を複数用いて減速を行う歯車減速機構において、噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように、前記歯車を支持する支持軸が撓むことを許容する撓み許容手段を備えた。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯車減速機構において、前記撓み許容手段は、前記支持軸の軸方向視長円形状をなす前記支持軸の軸受である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の歯車減速機構において、前記減速機構は樹脂製のハウジングに収容され、前記支持軸及び前記軸受は前記ハウジングと一体に形成される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の歯車減速機構において、前記減速機構は樹脂製のハウジングに収容され、前記支持軸及び前記軸受は前記ハウジングと一体に形成される。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の歯車減速機構において、回転が入力される入力側の第1減速歯車と、該第1減速歯車と噛合う第2減速歯車と、該第2減速歯車と噛合って、該第2減速歯車から伝達された回転を出力側へ伝達する第3減速歯車とを備え、前記軸受は前記第2減速歯車の支持軸を支持するものであって、前記軸受の長円の長径は、前記第2減速歯車の軸中心を通るとともに、前記支持軸の軸方向から見て、前記第1減速歯車の軸中心と前記第2減速歯車の軸中心とを結ぶ第1の直線と、前記第2減速歯車の軸中心と前記第3減速歯車の軸中心とを結ぶ第2の直線とのなす角を二等分する第3の直線上、若しくは前記第3の直線より前記第1減速歯車側に位置するように形成される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の歯車減速機構において、前記軸受の長円の長径は、前記第2減速歯車の軸中心を通り、前記第1の直線と直交する第4の直線上、若しくは前記第4の直線より前記第3減速歯車側に位置するように形成される。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の歯車減速機構において、前記撓み許容手段は、前記支持軸に、前記支持軸の軸方向に沿って形成されるスリットである。
請求項7に記載の発明は、モータアクチュエータに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の歯車減速機構を用いた。
請求項7に記載の発明は、モータアクチュエータに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の歯車減速機構を用いた。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、樹脂製の歯車が温度変化や湿度変化によって熱膨張や吸水膨張を起こし、噛合う歯車同士の噛合が強い状態となった場合、撓み許容手段は、噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように歯車を支持する支持軸が撓むことを許容する。噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように支持軸が撓むことにより、熱膨張や吸水膨張によって変化した歯車の寸法が調整され、噛合う歯車同士の噛合状態が緩和される。
請求項1に記載の発明によれば、樹脂製の歯車が温度変化や湿度変化によって熱膨張や吸水膨張を起こし、噛合う歯車同士の噛合が強い状態となった場合、撓み許容手段は、噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように歯車を支持する支持軸が撓むことを許容する。噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように支持軸が撓むことにより、熱膨張や吸水膨張によって変化した歯車の寸法が調整され、噛合う歯車同士の噛合状態が緩和される。
請求項2に記載の発明によれば、撓み許容手段は、歯車を支持する支持軸の軸方向視長円形状の軸受である。従って、樹脂製の歯車が温度変化や湿度変化によって熱膨張や吸水膨張を起こし、噛合う歯車同士の噛合が強い状態となった場合、その軸受に支持される支持軸は、長円形状の軸受に案内されながら、噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広くなるように撓む。支持軸が、噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように撓むことにより、熱膨張や吸水膨張によって変化した歯車の寸法が調整され、噛合う歯車同士の噛合状態が緩和される。
請求項3に記載の発明によれば、支持軸及び軸受は、歯車減速機構を収容する樹脂製のハウジングと一体に形成されている。ハウジングと一体に形成された支持軸を、同じくハウジングと一体に形成された軸方向視長円形状の軸受で支持する容易な構造である。
請求項4に記載の発明によれば、軸受の長円の長径が、第2減速歯車の軸中心を通るとともに、第1減速歯車の軸中心と第2減速歯車の軸中心とを結ぶ第1の直線と、第2減速歯車の軸中心と第3減速歯車の軸中心とを結ぶ第2の直線とのなす角を2等分する第3の直線上、若しくは第3の直線より前記第1減速歯車側に位置するように軸受を形成している。従って、各減速歯車が熱膨張や吸水膨張を起こした場合に、出力側の第3減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりよりも、入力側の第1減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりを抑える。
請求項5に記載の発明によれば、軸受の長円の長径が、第2減速歯車の軸中心を通り、第1の直線と直交する第4の直線上、若しくは第4の直線より前記第3減速歯車側に位置するように軸受が形成される。従って、各減速歯車が熱膨張や吸水膨張を起こした場合に、出力側の第3減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりよりも、入力側の第1減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりを、より確実に抑える。
請求項6に記載の発明によれば、撓み許容手段のスリットが支持軸の軸方向に沿って形成される。従って、樹脂製の歯車が温度変化や湿度変化によって熱膨張や吸水膨張を起こし、噛合う歯車同士の噛合が強い状態となった場合、スリットによって分けられた片側の軸が、噛合う歯車同士の歯車軸間距離を広げるように撓む。片側の軸が撓むことにより、熱膨張や吸水膨張によって変化した各歯車の寸法が調整され、噛合う歯車同士の噛合状態が緩和される。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6に記載の歯車減速機構をモータアクチュエータに用いている。従って、モータアクチュエータの歯車減速機構において、温度変化による熱膨張や吸水変化による吸水膨張により、噛合う歯車同士の噛合いが強い状態となった場合、撓み許容油断は、噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように歯車を支持する支持軸が撓むことを許容する。支持軸が噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように撓むことにより、熱膨張や吸水膨張によって変化した歯車の寸法を調整して、噛合う歯車同士の噛合状態が緩和される。
本発明によれば、熱膨張や吸水膨張による影響がない通常の使用状態で、バックラッシュを少なくすることができる歯車減速機構、及びその歯車減速機構を用いたモータアクチュエータを提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を車両用空調に使用するモータアクチュエータに用いた場合の第1実施形態を図面に従って説明する。
以下、本発明を車両用空調に使用するモータアクチュエータに用いた場合の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)に示す本第1実施形態のモータアクチュエータ1は、車両用空調装置の、空気取り入れ口切り替えドア、温度調節用ドア、噴出し口切り替えドア等の各種ドアを開閉するために、それぞれのドアに設けられるものである。
図1(a)及び図2に示すように、モータアクチュエータ1は、ハウジング2、モータ3、減速機構4を構成する第1減速歯車5と第2減速歯車6と第3減速歯車7、及び導電ユニット8を備えている。
ハウジング2は樹脂で形成されており、上記各部品を収容可能に形成されたケース部2aと、そのケース部2aを被うように嵌め込まれるカバー部2bとから構成されている。
ケース部2aには、第1減速歯車5及び第2減速歯車6を軸支する支持軸9,10が一体に成形されている。また、ケース部2aには、第3減速歯車7を支持するための軸受孔11aが形成されている。
ケース部2aには、第1減速歯車5及び第2減速歯車6を軸支する支持軸9,10が一体に成形されている。また、ケース部2aには、第3減速歯車7を支持するための軸受孔11aが形成されている。
カバー部2bには、支持軸9を支持するための図示しない軸受凹部が一体に形成されている。また、カバー部2bには、撓み許容手段としての軸受凹部12が一体に形成されており、該軸受凹部12は支持軸10を支持している。図1(a)(b)に示すように、軸受凹部12は、該軸受凹部12の軸方向視長円形状であり、その長円の長径L1が、支持軸9の軸方向から見て、第1減速歯車5の軸中心と第2減速歯車6の軸中心とを結ぶ第1の直線L2と直交するように形成されている。そして、支持軸10は、各減速歯車が熱膨張や吸水膨張により膨張していない通常の使用状態の場合には、軸受凹部12の最も第3減速歯車側で支持されている。また、軸受凹部12の長径L1の長さは、第1減速歯車5と第2減速歯車6との歯車軸間距離X、及び第2減速歯車6と第3減速歯車7との歯車軸間距離Yが長くなる方向へ支持軸10が倒れるように撓むことを許容するが、その撓みにより該支持軸10が破壊されない範囲の長さである。尚、第1減速歯車5を支持する軸受凹部は、有底円筒状である。
また、カバー部2bには、前記軸受孔11aと一対になって第3減速歯車7を支持する軸受孔11bが形成されている。
ケース部2aに収容されるモータ3には、その出力軸13にウォーム14が一体回転可能に取着されている。そのウォーム14と、前記支持軸9に軸支される第1減速歯車5とが噛合されており、その第1減速歯車5と、前記支持軸10に軸支される第2減速歯車6とが噛合されている。さらに、第2減速歯車6と第3減速歯車7とが噛合されている。詳しくは、第1減速歯車5は、はすば歯車の大径歯車5a及び平歯車の小径歯車5bが一体に形成されており、第2減速歯車6は、ともに平歯車の大径歯車6a及び小径歯車6bが一体に形成されている。また、第3減速歯車7には、出力軸7aが一体に形成されており、第3減速歯車7は、該出力軸7aを前記軸受孔11a,11bに挿通させることによって回転可能に支持されている。出力軸7aはケース部2aの軸受孔11aから突出しているとともに、その出力軸7aの先端部には、該出力軸7aの空転を防ぐために、軸方向に沿って平らな面を持つ軸方向視D形状の出力部7bが形成されている。
ケース部2aに収容されるモータ3には、その出力軸13にウォーム14が一体回転可能に取着されている。そのウォーム14と、前記支持軸9に軸支される第1減速歯車5とが噛合されており、その第1減速歯車5と、前記支持軸10に軸支される第2減速歯車6とが噛合されている。さらに、第2減速歯車6と第3減速歯車7とが噛合されている。詳しくは、第1減速歯車5は、はすば歯車の大径歯車5a及び平歯車の小径歯車5bが一体に形成されており、第2減速歯車6は、ともに平歯車の大径歯車6a及び小径歯車6bが一体に形成されている。また、第3減速歯車7には、出力軸7aが一体に形成されており、第3減速歯車7は、該出力軸7aを前記軸受孔11a,11bに挿通させることによって回転可能に支持されている。出力軸7aはケース部2aの軸受孔11aから突出しているとともに、その出力軸7aの先端部には、該出力軸7aの空転を防ぐために、軸方向に沿って平らな面を持つ軸方向視D形状の出力部7bが形成されている。
これらの第1減速歯車5、第2減速歯車6、及び第3減速歯車7は、各歯車の摺動部での音を防ぐために、それぞれ異なる樹脂材料を用いて形成されている。
従って、モータ3によるウォーム14の回転は、第1減速歯車5の大径歯車5aに伝達され、小径歯車5bから第2減速歯車6の大径歯車6aに伝達され、小径歯車6bから第3減速歯車7に伝達され、出力軸7aの出力部7bから出力されるようになっている。
従って、モータ3によるウォーム14の回転は、第1減速歯車5の大径歯車5aに伝達され、小径歯車5bから第2減速歯車6の大径歯車6aに伝達され、小径歯車6bから第3減速歯車7に伝達され、出力軸7aの出力部7bから出力されるようになっている。
また、減速機構4においてバックラッシュを少なくするため、小径歯車6bのピッチ円径H、第3減速歯車7のピッチ円径I、及び小径歯車6bと第3減速歯車7との歯車軸間距離J(X)は、各歯車が熱膨張や吸水膨張を起こしている最悪の状態を考慮して設定された(H+I)/2≦Jの関係ではなく、(H+I)/2≧Jの関係を満たしている。
ケース部2aに収容される導電ユニット8は、モータアクチュエータ1の動作を制御するものである。この導電ユニット8には、複数のコネクタターミナル15が一列に並べて実装されており、該コネクタターミナル15の先端は、ケース部2aから外方へ突出して形成されたコネクタ16に配置されるように設けられている。コネクタターミナル15は、モータアクチュエータ1を駆動する電源や信号などを入力するために設けられている。
次に、上記のように構成された本第1実施形態のモータアクチュエータ1の作用について説明する。
モータ3が駆動されると、モータ3の回転は、ウォーム14から第1減速歯車5へ大幅に減速されながら伝達される。そして、その減速された回転は、第2減速歯車6、第3減速歯車7の順に減速されながら伝達され、出力軸7aの出力部7bから出力される。
モータ3が駆動されると、モータ3の回転は、ウォーム14から第1減速歯車5へ大幅に減速されながら伝達される。そして、その減速された回転は、第2減速歯車6、第3減速歯車7の順に減速されながら伝達され、出力軸7aの出力部7bから出力される。
樹脂材料により形成された減速歯車等において、熱膨張や吸水膨張が起こらない通常の使用状態では、減速機構4は、噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを変化させることなく、通常の出力を行う。
温度変化や湿度変化により、樹脂材料により形成された減速歯車等が熱膨張や吸水膨張を起こすと、バックラッシュを少なくするために(H+I)/2≧Jの関係を満たすように形成されている減速機構4は、各減速歯車同士の噛合が強い状態となる。この状態で、出力を行うと、強く噛合された状態の小径歯車6bと第3減速歯車7とは、回転するために離れようとする。また、出力部7bに外部から負荷が加えられると、出力される回転を阻止しようとする力が発生し、この回転を阻止しようとする力が働くことによって小径歯車6bと第3減速歯車7との間には、お互いに離れようとする力が発生する。その結果、図3に示すように、第2減速歯車6を軸支している支持軸10は、軸受凹部12が許容する範囲内で、軸受凹部12に案内されながら第3減速歯車7から離れるように撓む。従って、歯車軸間距離X、Yが広がって各減速歯車同士の噛合状態が緩和され、モータアクチュエータ1は通常と同等の出力を行う。
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)軸受凹部12の形状を軸方向視長円形状に形成したことによって、支持軸10は軸受凹部12が許容する範囲内で倒れるように撓むことができる。従って、(H+I)/2≧Jの関係を満たすように各減速歯車を形成しても、支持軸10が撓んで噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを広げることによって、温度変化による熱膨張や湿度変化による吸水膨張により変化した各減速歯車の寸法変化を調整するため、各減速歯車同士の噛合状態は緩和される。よって、熱膨張や吸水膨張が生じている最悪の状態を考慮して(H+I)/2≦Jの関係を満たすように各歯車を小さめに形成する、つまりバックラッシュを多めに取る必要がない。その結果、バックラッシュを多めに取ったことに起因する歯打ち音の発生を抑制することができる。
(1)軸受凹部12の形状を軸方向視長円形状に形成したことによって、支持軸10は軸受凹部12が許容する範囲内で倒れるように撓むことができる。従って、(H+I)/2≧Jの関係を満たすように各減速歯車を形成しても、支持軸10が撓んで噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを広げることによって、温度変化による熱膨張や湿度変化による吸水膨張により変化した各減速歯車の寸法変化を調整するため、各減速歯車同士の噛合状態は緩和される。よって、熱膨張や吸水膨張が生じている最悪の状態を考慮して(H+I)/2≦Jの関係を満たすように各歯車を小さめに形成する、つまりバックラッシュを多めに取る必要がない。その結果、バックラッシュを多めに取ったことに起因する歯打ち音の発生を抑制することができる。
(2)各減速歯車を(H+I)/2≧Jの関係を満たすように形成したことで、熱膨張や吸水膨張によって各減速歯車の寸法が変化して、各歯車同士の噛合が強くなることがある。しかし、軸受凹部12が軸方向視長円形状に形成されているため、支持軸10が撓んで噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを広げることができ、各減速歯車同士の噛合状態は緩和する。従って、出力の低下は抑制される。
(3)軸受凹部12の長径L1が、第1の直線L2と直交するように軸受凹部12が形成されている。回転が入力される入力側の第1減速歯車5は、回転を出力する出力側の第3減速歯車7よりも回転数が多く、回転速度が大きいために、第3減速歯車7よりもバックラッシュによる影響が大きく、歯打ち音が発生しやすい。そこで、長径L1と第1の直線L2とが直交するように軸受凹部12を形成することで、支持軸10が撓んでも歯車軸間距離Xの広がりを、歯車軸間距離Yの広がりよりも少なめに抑えている。その結果、歯打ち音の発生をより低減することができる。
(4)軸受凹部12の形状を軸方向視長円形状に形成しただけの簡単な構成であるため、減速機構4及び減速機構4を用いたモータアクチュエータ1は複雑な構成とならない。また、製造コストの上昇も抑えることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を車両空調に使用するモータアクチュエータに用いた場合の第2実施形態を図面に従って説明する。尚、前記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、本発明を車両空調に使用するモータアクチュエータに用いた場合の第2実施形態を図面に従って説明する。尚、前記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に、本第2実施形態のモータアクチュエータ20を示す。
本第2実施形態において、第2減速歯車6を軸支する支持軸21には撓み許容手段としてのスリット22が設けられている。このスリット22は、第1の直線L2と同一直線状に位置する支持軸21の直径において、支持軸21の軸方向に沿って、支持軸21の先端から基端へ向かって切り込まれて形成される。図5に示すように、スリット22によって支持軸21はスリット部22aと22bとに分けられる。
本第2実施形態において、第2減速歯車6を軸支する支持軸21には撓み許容手段としてのスリット22が設けられている。このスリット22は、第1の直線L2と同一直線状に位置する支持軸21の直径において、支持軸21の軸方向に沿って、支持軸21の先端から基端へ向かって切り込まれて形成される。図5に示すように、スリット22によって支持軸21はスリット部22aと22bとに分けられる。
尚、支持軸21を支持する軸受凹部(図示しない)は、有底円筒形である。
上記のように構成された本第2実施形態のモータアクチュエータ20の作用について説明する。
上記のように構成された本第2実施形態のモータアクチュエータ20の作用について説明する。
モータ3が駆動されると、モータ3の回転は、ウォーム14から第1減速歯車5へ大幅に減速されながら伝達される。そして、その減速された回転は、第2減速歯車6、第3減速歯車7の順に減速されながら伝達され、出力軸7aの出力部7bから出力される。
樹脂材料により形成された減速歯車等において、熱膨張や吸水膨張が起こらない通常の使用状態では、減速機構4は、噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを変化させることなく、通常の出力を行う。
温度変化や湿度変化により、樹脂材料により形成された減速歯車等が熱膨張や吸水膨張を起こすと、バックラッシュを少なくするために(H+I)/2≧Jの関係を満たすように形成されている減速機構4は、各減速歯車同士の噛合が強い状態となる。この状態で、出力を行うと、強く噛合された状態の小径歯車6bと第3減速歯車7とは、回転するために離れようとする。また、出力部7bに外部から負荷が加えられると、出力される回転を阻止しようとする力が発生し、この回転を阻止しようとする力が働くことによって小径歯車6bと第3減速歯車7の間には、お互いに離れようとする力が発生する。その結果、図5に示すように、支持軸21の第3減速歯車7側のスリット部22aは、撓みを生じてもう一方のスリット部22bの方へ倒れる。図5では、撓んだ状態のスリット部22aを一点鎖線で示している。従って、スリット部が撓むことによって、第2減速歯車6は、第1減速歯車及び第3減速歯車7から離れる方向へ移動できるようになるため、各減速歯車同士の噛合状態が緩和され、モータアクチュエータ20は通常と同等の出力を行う。
上記したように、本第2実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)支持軸21にスリット22を形成したことによって、スリット部22aがスリット部22bの方へ倒れるように撓むことができる。従って、(H+I)/2≧Jの関係を満たすように各減速歯車を形成しても、熱膨張や吸水膨張によって変化した各歯車の寸法変化を、スリット部22aが撓んで歯車軸間距離X、Yを広げることによって調整するため、各減速歯車同士の噛合状態は緩和される。従って、熱膨張や吸水膨張が生じている最悪の状態を考慮して(H+I)/2≦Jの関係を満たすように各歯車を小さめに形成する、つまりバックラッシュを多めに取る必要がない。その結果、バックラッシュを多めに取ったことに起因する歯打ち音の発生を抑制することができる。
(1)支持軸21にスリット22を形成したことによって、スリット部22aがスリット部22bの方へ倒れるように撓むことができる。従って、(H+I)/2≧Jの関係を満たすように各減速歯車を形成しても、熱膨張や吸水膨張によって変化した各歯車の寸法変化を、スリット部22aが撓んで歯車軸間距離X、Yを広げることによって調整するため、各減速歯車同士の噛合状態は緩和される。従って、熱膨張や吸水膨張が生じている最悪の状態を考慮して(H+I)/2≦Jの関係を満たすように各歯車を小さめに形成する、つまりバックラッシュを多めに取る必要がない。その結果、バックラッシュを多めに取ったことに起因する歯打ち音の発生を抑制することができる。
(2)各減速歯車を(H+I)/2≧Jの関係を満たすように形成したことで、熱膨張や吸水膨張によって各減速歯車の寸法が変化して、各歯車同士の噛合が強くなることがある。しかし、支持軸21にスリット22が形成されているため、スリット部22aがスリット部22bの方へ撓んで噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離を広げることができ、第2減速歯車6と第3減速歯車7の噛合状態は緩和する。従って、出力の低下は抑制される。
(3)スリット22は、支持軸21の第1の直線L2と同一直線状に位置する直径に沿って形成されている。回転が入力される入力側の第1減速歯車5は、回転を出力する出力側の第3減速歯車7よりも回転数が多く、回転速度が大きいために、第3減速歯車よりもバックラッシュによる影響が大きく、歯打ち音が発生しやすい。そこで、スリット22を、第1の直線L2と同一直線状に位置する支持軸21の直径に沿って形成することで、スリット部22aが撓んでも、歯車軸間距離Xの広がりを少なめに抑えることができる。従って、歯打ち音の発生をより低減することができる。
(4)支持軸21にスリット22を形成しただけの簡単な構成であるため、減速機構4及び減速機構4を用いたモータアクチュエータ1は複雑な構成とならない。また、製造コストの上昇も抑えることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第1実施形態では、長径L1は第1の直線L2と直交するように形成されているが、この限りでない。長径L1は、噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを同等に広げるように支持軸10が撓む方向、若しくは歯車軸間距離Xよりも歯車軸間距離Yの方が広がるように支持軸10が撓む方向を向くように形成されるものであればよい。詳しくは、図1(a)に示すように、長径L1は第2減速歯車6の軸中心を通り、第3の直線L4よりも第1減速歯車5側で、第4の直線L5よりも第3減速歯車7側に位置していればよい。このとき、第3の直線L4上及び第4の直線L5上を含む。ここで、第3の直線L4は、第1の直線L2と、第2減速歯車6の軸中心と第3減速歯車7野軸中心とを結ぶ第2の直線L3とのなす角を二等分する直線であり、第4の直線L5は、第2減速歯車6の軸中心を通り、第1の直線L2と直交する直線である。
○上記第1実施形態では、長径L1は第1の直線L2と直交するように形成されているが、この限りでない。長径L1は、噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを同等に広げるように支持軸10が撓む方向、若しくは歯車軸間距離Xよりも歯車軸間距離Yの方が広がるように支持軸10が撓む方向を向くように形成されるものであればよい。詳しくは、図1(a)に示すように、長径L1は第2減速歯車6の軸中心を通り、第3の直線L4よりも第1減速歯車5側で、第4の直線L5よりも第3減速歯車7側に位置していればよい。このとき、第3の直線L4上及び第4の直線L5上を含む。ここで、第3の直線L4は、第1の直線L2と、第2減速歯車6の軸中心と第3減速歯車7野軸中心とを結ぶ第2の直線L3とのなす角を二等分する直線であり、第4の直線L5は、第2減速歯車6の軸中心を通り、第1の直線L2と直交する直線である。
例えば、長径L1が第3の直線L4上に位置するように軸受凹部12を形成すると、第1減速歯車5及び第3減速歯車7が温度変化による熱膨張や湿度変化による吸水膨張を起こして支持軸10に力を及ぼすと、軸受凹部12は支持軸10の撓みを等しく許容して、噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを等しく広げる。その結果、第1減速歯車5と第2減速歯車6とのバックラッシュと、第2減速歯車6と第3減速歯車7とのバックラッシュを等しく少なくすることができる。
また、長径L1が、第2減速歯車6の軸中心を通り、第3の直線L4よりも第1減速歯車5側で、第4の直線L5よりも第3減速歯車7側に位置するように軸受凹部12を形成する。このようにすると、各減速歯車が熱膨張や吸水膨張を起こして支持軸10に力を及ぼした場合、軸受凹部12は、歯車軸間距離Xよりも歯車軸間距離Yが広がるように支持軸10が撓むことを許容する。従って、バックラッシュの影響が大きい入力側の第1減速歯車5と第2減速歯車6との歯車軸間距離Xの広がりは少なめに抑えながら、歯車軸間距離Yの広がりを許容する。よって、バックラッシュの影響が大きい入力側の歯車軸間距離Xの広がりは少なめに抑えられているため、より歯打ち音の発生を低減することができる。
○上記第1実施形態では、軸受凹部12は軸方向視長円形状であるが、軸方向視円形状としてもよい。この場合、その円の直径は、歯車軸間距離X、及び歯車軸間距離Yが長くなる方向へ支持軸10が倒れるように撓むことを許容するが、その撓みにより該支持軸10が破壊されない範囲の長さとする。このように構成しても、各減速歯車において温度変化による熱膨張や湿度変化による吸水膨張が起こった場合、支持軸10が撓んで噛合う減速歯車同士の歯車軸間距離X,Yを広げて、各歯車の寸法変化を調整し、各減速歯車同士の噛合状態を緩和する。ただし、支持軸10の撓む方向を上記第1実施形態のように特定することはできない。
従って、熱膨張や吸水膨張による各減速歯車の寸法変化を考慮して歯車を小さめに、つまりバックラッシュを多めにとる必要がなく、バックラッシュを少なくすることができる。その結果、バックラッシュを多めにとったことに起因する歯打ち音を低減することができる。
○上記第2実施形態では、スリット22は、支持軸21の、第1の直線L2と同一直線状に位置する直径において形成されているが、この限りでない。スリット22は、熱膨張や吸水膨張によってスリット部22aが撓む際に、歯車軸間距離X及び歯車軸間距離Yが広がるように形成されていればよい。このとき、歯車軸間距離Yよりも歯車軸間距離Xの広がりを抑えるように形成すると、より歯打ち音を低減することができる。
○上記各実施形態では、3段の減速機構4であるが、それ以上の多段の減速機構に用いてもよい。この場合も上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
○上記各実施形態では、減速機構4をモータアクチュエータ1,20に用いているが、それ以外に樹脂製の歯車を用いた減速機構を有するものに使用してもよい。この場合も上記各実施形態と同様の効果を有する。
○上記各実施形態では、減速機構4をモータアクチュエータ1,20に用いているが、それ以外に樹脂製の歯車を用いた減速機構を有するものに使用してもよい。この場合も上記各実施形態と同様の効果を有する。
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項5に記載の歯車減速機構であって、回転が入力される入力側の第1減速歯車と、該第1減速歯車と噛合う第2減速歯車と、該第2減速歯車と噛合って、該第2減速歯車から伝達された回転を出力側へ伝達する第3減速歯車とを備え、前記スリットは前記第2減速歯車の支持軸に形成されるものであるとともに、前記支持軸が、前記第1減速歯車と前記第2減速歯車との歯車軸間距離、及び前記第2減速歯車と前記第3減速歯車との歯車軸間距離を広げるように撓むことを許容するように形成されることを特徴とする歯車減速機構。
(イ)請求項5に記載の歯車減速機構であって、回転が入力される入力側の第1減速歯車と、該第1減速歯車と噛合う第2減速歯車と、該第2減速歯車と噛合って、該第2減速歯車から伝達された回転を出力側へ伝達する第3減速歯車とを備え、前記スリットは前記第2減速歯車の支持軸に形成されるものであるとともに、前記支持軸が、前記第1減速歯車と前記第2減速歯車との歯車軸間距離、及び前記第2減速歯車と前記第3減速歯車との歯車軸間距離を広げるように撓むことを許容するように形成されることを特徴とする歯車減速機構。
このように構成すると、各減速歯車が熱膨張や吸水膨張を起こした場合に、スリットが形成された支持軸が撓んで、第1減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離、及び第3減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離を広げることによって、熱膨張や吸水膨張に起因する各減速歯車の寸法変化を調整し、歯車の噛合状態を緩和する。従って、熱膨張や吸水膨張に起因する各減速歯車の寸法変化を考慮して各減速歯車を小さめに形成する必要がなくなり、バックラッシュを少なくすることができる。その結果、バックラッシュを多めにとったことに起因する歯打ち音を低減することができる。
(ロ)(イ)に記載の歯車減速機構であって、前記スリットは、前記支持軸が、第1減速歯車と前記第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりよりも、前記第2減速歯車と前記第3減速歯車との歯車軸間距離の広がりが大きくなるように撓むことを許容するように形成されることを特徴とする歯車減速機構。
このように構成すると、各減速歯車が熱膨張や吸水膨張を起こした場合に、スリットが形成された支持軸は、出力側の第3減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりよりも、入力側の第1減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりを抑えるように撓む。従って、バックラッシュの影響が大きい入力側の第1減速歯車と第2減速歯車との歯車軸間距離の広がりを少なめに抑えるため、より歯打ち音を低減することができる。
1,20…モータアクチュエータ、2…ハウジング、4…減速機構、5…第1減速歯車、6…第2減速歯車、7…第3減速歯車、10,21…支持軸、12…軸受凹部、L1…長径、L2…第1の直線、L3…第2の直線、L4…第3の直線、L5…第4の直線、X,Y…歯車軸間距離、22…スリット。
Claims (7)
- 樹脂製の歯車を複数用いて減速を行う歯車減速機構であって、
噛合う歯車同士の歯車軸間距離が広がるように、前記歯車を支持する支持軸が撓むことを許容する撓み許容手段を備えたことを特徴とする歯車減速機構。 - 請求項1に記載の歯車減速機構であって、
前記撓み許容手段は、前記支持軸の軸方向視長円形状をなす前記支持軸の軸受であることを特徴とする歯車減速機構。 - 請求項2に記載の歯車減速機構であって、
前記減速機構は樹脂製のハウジングに収容され、前記支持軸及び前記軸受は前記ハウジングと一体に形成されることを特徴とする歯車減速機構。 - 請求項2又は請求項3に記載の歯車減速機構であって、
回転が入力される入力側の第1減速歯車と、
該第1減速歯車と噛合う第2減速歯車と、
該第2減速歯車と噛合って、該第2減速歯車から伝達された回転を出力側へ伝達する第3減速歯車と
を備え、
前記軸受は前記第2減速歯車の支持軸を支持するものであって、
前記軸受の長円の長径は、前記第2減速歯車の軸中心を通るとともに、
前記支持軸の軸方向から見て、
前記第1減速歯車の軸中心と前記第2減速歯車の軸中心とを結ぶ第1の直線と、
前記第2減速歯車の軸中心と前記第3減速歯車の軸中心とを結ぶ第2の直線と
のなす角を二等分する第3の直線上、若しくは前記第3の直線より前記第1減速歯車側に位置するように形成されることを特徴とする歯車減速機構。 - 請求項4に記載の歯車減速機構であって、
前記軸受の長円の長径は、
前記第2減速歯車の軸中心を通り、前記第1の直線と直交する第4の直線上、若しくは前記第4の直線より前記第3減速歯車側に位置するように形成されることを特徴とする歯車減速機構。 - 請求項1に記載の歯車減速機構であって、
前記撓み許容手段は、前記支持軸に、前記支持軸の軸方向に沿って形成されるスリットであることを特徴する歯車減速機構。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の歯車減速機構を用いたことを特徴とするモータアクチュエータ。
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JP2003288537A JP2005054950A (ja) | 2003-08-07 | 2003-08-07 | モータアクチュエータ、及び歯車減速機構 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-08-07 JP JP2003288537A patent/JP2005054950A/ja active Pending
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