JP2005054701A - 燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法 - Google Patents

燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005054701A
JP2005054701A JP2003287136A JP2003287136A JP2005054701A JP 2005054701 A JP2005054701 A JP 2005054701A JP 2003287136 A JP2003287136 A JP 2003287136A JP 2003287136 A JP2003287136 A JP 2003287136A JP 2005054701 A JP2005054701 A JP 2005054701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel gas
cylinder
internal combustion
combustion engine
injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003287136A
Other languages
English (en)
Inventor
Megumi Miwa
惠 三輪
Yoshiyuki Kidoguchi
善行 木戸口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Techno Network Shikoku Co Ltd
Original Assignee
Techno Network Shikoku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Techno Network Shikoku Co Ltd filed Critical Techno Network Shikoku Co Ltd
Priority to JP2003287136A priority Critical patent/JP2005054701A/ja
Publication of JP2005054701A publication Critical patent/JP2005054701A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Spark Plugs (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】燃料ガスを確実に点火して燃焼させる。燃料ガスの噴射圧が変動しても確実に点火して燃焼させる。
【解決手段】燃料ガスを筒内噴射する内燃機関は、ピストン2を内蔵するシリンダー1と、シリンダー1内に加圧された燃料ガスを噴射する噴射ノズル3と、燃料ガスの噴流に点火する点火プラグ4とを備える。内燃機関は、点火プラグ4が、噴射ノズル3からシリンダー1内に燃料ガスを噴射しているタイミングに火花放電して、燃料ガスの噴流に直接に点火する。また、内燃機関は、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスが衝突する位置であって、シリンダー内面から離れたシリンダー1内の中空部に、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスを衝突させる減速衝突部10を配設している。この内燃機関は、噴射ノズル3から噴射された燃料ガスを減速衝突部10に衝突させて流速を減速し、減速衝突部10で減速される噴流に点火プラグ4が点火する。
【選択図】図2

Description

本発明は、メタンガス、ブタンガス、プロパンガス、圧縮天然ガス(CNG)等の有機ガス、あるいは水素ガス等を含む燃料ガスを筒内噴射し、噴射された燃料ガスの噴流に点火して爆発させる内燃機関とこの内燃機関の点火方法に関する。
燃料消費率の優れた内燃機関は、ディーゼルエンジンである。ディーゼルエンジンは、低負荷の状態においても、ガソリンエンジンのように吸入する空気量を減少させない。この状態で、燃料を極めて薄い混合比で燃焼させることが燃料消費率を高くしている。ただ、ディーゼルエンジンは、排気ガスに多量の窒素酸化物や微細な未燃焼カーボンが含まるので、クリーンな排気を実現することが極めて難しい。とくに、燃料に含まれる硫黄分が触媒の弊害となり、触媒で排気ガスを綺麗にするのも難しい。火花点火の内燃機関は、ディーゼルエンジンに比較して排気ガスをクリーンにできるが、燃料消費率がディーゼルエンジンに比較して悪くなる。とくに、低負荷時の燃料消費率が悪くなる性質がある。低負荷時には吸入する空気量を少なくするので、実質的な圧縮比が低下するからである。低負荷時にシリンダーに吸入する空気量を少なくする必要があるのは、シリンダー内に吸入される空燃比を、つねに理想に近い一定の混合比とするからである。低負荷のときに、空気に対する燃料の比率を低くして、理想の混合比に比べて著しく薄い混合比にすると、シリンダー内で正常に燃焼できなくなる性質がある。このため、低負荷時には、吸入する燃料を少なくするために、空気も一緒に少なくする必要があり、このことが低負荷時の燃料消費率を悪くしている。自動車の燃費を向上するためには、内燃機関の低負荷における燃料消費率を向上することが大切である。自動車等の内燃機関は、ほとんどの状態で低負荷な状態で運転されるからである。低負荷の運転状態でいかに燃料消費率を向上できるかが、現実の自動車の燃費に大きく影響を与える。
筒内噴射の内燃機関は、低負荷の燃料消費率を向上できる極めて優れた特長がある。この特長が、自動車に搭載される割合を急激に増加させる原因となっている。筒内噴射が低負荷の燃料消費率を向上できるのは、薄い混合比で燃焼できるからである。空気と燃料とをあらかじめ混合してシリンダーに吸入する従来の内燃機関は、燃料の混合比を理想値よりも低くすると正常に燃焼できなくなるが、筒内噴射の内燃機関は、空気に対する燃料の比率を極めて低くして正常に燃焼できる性質がある。
以上の特長が生かされて、筒内噴射の内燃機関が自動車の燃費を相当に向上させている。現在、ガソリンをシリンダー内に直接に噴射する内燃機関が市販されている。ガソリンを筒内噴射する内燃機関は、噴射ノズルから噴射された噴流を、吸気弁から吸入された空気流と共に流動させてピストンの頂上面で渦流を発生させて方向転換し、その後点火プラグで点火して爆発させる。この内燃機関は、空気の渦流で、シリンダー内に噴射されたガソリンをより点火しやすいように気化させる。ガソリンをより効率よく完全燃焼させるために、空気の流動を発生させて強制的に撹拌し、その後に点火している。
ガソリンに代わって、圧縮天然ガス等の燃料ガスをシリンダー内に直接に噴射する筒内噴射の内燃機関が開発できると、優れた燃料消費率としながら、極めて綺麗な排気ガスの内燃機関を実現できる。圧縮天然ガスは埋蔵量が膨大であるため、完全燃焼して燃料消費率を高くできるなら、自動車用の燃料として理想的なものとなる。とくに、圧縮天然ガスは気体であるためにシリンダーで空気と混合されやすく、完全燃焼できるなら、未燃焼カーボンの排出量を極めて少なくできる特長がある。しかしながら、圧縮天然ガス等の燃料ガスを筒内噴射する内燃機関は、燃料ガスを正常に燃焼させるのが現実には極めて難しい。このため、圧縮天然ガス等の燃料ガスを、あらかじめ空気と混合してシリンダー内に吸入するタイプの内燃機関を搭載する自動車は実用化されて現実に市販されているが、燃料ガスを筒内噴射する内燃機関を搭載する自動車は未だに市販されていない。
圧縮天然ガスを筒内噴射する内燃機関として、燃料ガスを成層燃焼させるものは開発されている。(特許文献1参照)
特開2002−221037号
この公報に記載される内燃機関は、圧縮天然ガスを筒内噴射して成層燃焼させる。成層燃焼は、点火プラグが火花放電するタイミングよりも相当に早いタイミングで燃料ガスをシリンダー内に噴射し、噴射された燃料ガスと、吸引弁から吸入された空気とを、圧縮行程にある皿型ピストンの頂上面で発生させる渦流でもって、点火プラグの周辺を燃焼しやすい混合気とし、その周囲を薄い濃度の燃料ガス層として点火する。成層燃焼は、燃料ガスと空気とをバランスよく点火プラグの周辺に形成して安定して点火する。しかしながら、燃料ガスを成層燃焼させる内燃機関は、燃料ガスの噴射圧が変動したり、あるいは出力を大幅に変動させる状態においては、常にバランスよく成層燃焼させることが難しい。とくに、筒内噴射する内燃機関は、出力を大幅に変動させるために、筒内噴射する燃料ガスの噴射量を大幅に変動させるので、全ての状態において、燃料ガスと空気とをバランスよく成層燃焼させるのは極めて難しい。
この公報には、燃料ガスに安定して点火することを目的として、図1に示すように、点火プラグ21の下流側に邪魔板22を設けている。この邪魔板22は、流速を遅らせることで安定して成層燃焼させるものであるが、この構造によっても、燃料ガスの噴射圧が変動し、あるいは出力を大幅に変動させる状態では、安定して燃料ガスと空気とをバランスよく成層燃焼させるのが極めて難しい。
本発明は、このような欠点を解決することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、燃料ガスを確実に点火して燃焼でき、しかも燃料ガスの噴射圧や出力が変動しても確実に点火して燃焼できる燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法を提供することにある。
本発明の燃料ガスを筒内噴射する内燃機関は、吸入した空気を加圧するピストン2を内蔵するシリンダー1と、ピストン2で加圧されたシリンダー1内に、加圧された燃料ガスを噴射する噴射ノズル3と、噴射ノズル3でシリンダー1内に噴射された燃料ガスに点火する点火プラグ4とを備える。内燃機関は、点火プラグ4が、噴射ノズル3からシリンダー1内に燃料ガスを噴射しているタイミングに火花放電して、シリンダー1内に噴射している燃料ガスの噴流に直接に点火する。すなわち、成層燃焼させるのではなくて、噴流に直接に点火する。また、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスが衝突する位置であって、シリンダー内面から離れたシリンダー1内の中空部に、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスを衝突させて噴流の流速を遅くする減速衝突部10を配設している。この内燃機関は、噴射ノズル3から噴射された燃料ガスを減速衝突部10に衝突させて流速を減速し、減速衝突部10で減速される噴流に点火プラグ4が直接に点火する。
点火プラグ4の点火位置は、減速衝突部10よりも燃料ガスの噴流の下流とすることができる。また、点火プラグ4の点火位置は、噴射ノズル3の噴射軸Yと直交する方向にずれた位置とすることができる。さらに、点火プラグ4の点火位置は、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスの噴流境界領域とすることができる。さらに、点火プラグ4の点火位置は、噴射ノズル3の噴孔3Aから噴射軸Yの方向に2〜30mm離れた位置であり、かつ、噴射ノズル3の噴射軸Yからβ/4度以上外側にずれた噴流境界領域とすることができる。点火プラグ4の点火位置は、好ましくは、噴孔3Aから噴射軸Yの方向に2〜20mm離れた位置とすることができる。
減速衝突部10は、ロッドとすることができる。減速衝突部10は、点火プラグ4の電極8とすることができる。減速衝突部10は、噴射ノズル3の噴孔3Aから噴射軸Yの方向に2〜20mm離れた位置に配置することができる。
さらに、本発明の内燃機関は、燃料ガスを有機ガスとすることができる。さらに、本発明の内燃機関は、点火プラグ4と噴射ノズル3を、一体構造でシリンダー1に脱着できるように装着することができる。さらに、本発明の内燃機関は、噴射ノズル3が加圧された燃料ガスを、10度以上で120度以下の噴霧角βで噴射することができる。
本発明の請求項13の燃料ガスを筒内噴射する内燃機関の点火方法は、空気を吸入しているシリンダー1内に、噴射ノズル3から加圧された燃料ガスを噴射して、点火プラグ4の火花放電で燃料ガスの噴流に点火して爆発させる燃料ガスを筒内噴射する。この点火方法は、噴射ノズル3からシリンダー1内に燃料ガスを噴射しているタイミングに点火プラグ4を火花放電して、シリンダー1内に噴射している燃料ガスの噴流に直接に点火する。すなわち、成層燃焼させるのではなくて、噴流に直接に点火する。また、この点火方法は、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスを衝突させる位置であって、シリンダー内面から離れた位置に、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスを衝突させて噴流の流速を遅くする減速衝突部10を配設する。この点火方法は、噴射ノズル3から噴射する燃料ガスを減速衝突部10に衝突させて流速を減速し、減速衝突部10で減速する噴流に、点火プラグ4で点火する。
本発明の燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と、この内燃機関の点火方法は、燃料ガスを筒内噴射して確実に点火して燃焼できる特長がある。それは、本発明の内燃機関と点火方法が、噴射ノズルから噴射される燃料ガスの噴流の途中に減速衝突部を配設し、シリンダー内に燃料ガスを噴射しているタイミングに点火プラグを火花放電させて、シリンダー内に噴射している燃料ガスの噴流に直接に点火するようにし、噴射ノズルから噴射された燃料ガスを減速衝突部に衝突させて減速し、減速された噴流に、点火プラグで直接に点火するからである。本発明は成層燃焼によらず、燃料ガスの噴流に直接に安定して点火できる。このため、従来の筒内噴射する内燃機関のように、噴射ノズルから噴射される燃料ガスの噴射圧や噴射量が変化して、成層燃焼のバランスがずれても安定して点火して燃焼できる特長がある。
さらに本発明の請求項3の内燃機関は、減速衝突部で噴流の流速を遅くすることに加えて、点火プラグの点火位置を、噴射軸と直交する方向にずれた位置としているので、点火プラグ付近での噴流速度を比較的遅くできる。このため、燃料ガスの着火性を悪化させる原因である噴流による初期火炎の吹き消えを防止し、燃料を安定して着火させて、シリンダー内で正常に燃焼できる。
さらに、本発明の請求項10の内燃機関は、圧縮天然ガス等の有機ガスを確実に点火して燃焼できる特長がある。圧縮天然ガスは、確実に点火して効率よく燃焼するのが難しいが、本発明は圧縮天然ガスをも確実に点火して効率よく燃焼できる。とくに、圧縮天然ガスは噴射圧を特定の範囲に正確に調整する必要があるが、本発明は噴射圧が変動しても安定して点火して燃焼できる優れた特長がある。
以上のように、本発明の内燃機関と点火方法は、燃料ガスを筒内噴射してシリンダー内で正常に燃焼できるので、優れた燃料消費率としながら、排気ガスを極めて綺麗にでき、極めて理想的な内燃機関が実現できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための内燃機関とその点火方法を例示するものであって、本発明は内燃機関とその点火方法を下記のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図2と図3の内燃機関は、往復運動するピストン2を内蔵するシリンダー1と、ピストン2で加圧されたシリンダー1内に、加圧された燃料ガスを噴射する噴射ノズル3と、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスを衝突させて減速する減速衝突部10と、減速衝突部10で減速される燃料ガスの噴流に点火する点火プラグ4と、噴射ノズル3を制御して燃料ガスを噴射するタイミングを特定する制御機構5と、この制御機構5に制御されて噴流に点火する高圧電源6とを備える。
シリンダー1は、吸気弁7と排気弁(図示せず)を有する。図2は吸気弁7のみを示しているが、排気弁は吸気弁7の後ろに設けられ、あるいは図においては点火プラグ4の右側に排気弁を設けることができる。吸気弁7と排気弁は、カムで往復運動される。吸気弁7は、ピストン2が降下する吸入行程に開弁されて、外気をシリンダー1内に吸入させる。排気弁はピストン2が上昇して燃焼ガスを排気する排気行程で開弁されて、排気ガスを排気する。ピストン2は、クランク軸(図示せず)で往復運動される。ピストン2が降下と上昇を繰り返して2往復するとき、外気を吸入する吸入行程と、吸入した空気を圧縮する圧縮行程と、圧縮した空気に混合された燃料ガスを点火して爆発する爆発行程と、爆発して燃焼した排気ガスを排気する排気行程を繰り返す。
噴射ノズル3は、シリンダー1内に燃料ガスを直接に噴射して空気に混合する。噴射ノズル3が燃料ガスを噴射するタイミングは、ピストン2の位置で制御される。噴射ノズル3の噴射タイミングは、燃料ガスの種類によって最適値が異なる。水素は燃焼速度が速いので、噴射タイミングを天然ガスよりも遅くすることができる。たとえば、噴射ノズル3が水素の噴射を開始するタイミングは、クランク軸の回転角にして、上死点前45度〜上死点後20度、好ましくは、上死点前35度〜上死点後15度とする。これに対して、天然ガスは水素よりも燃焼速度が遅いので、噴射タイミングを水素よりも早くする。たとえば、噴射ノズル3が天然ガスの噴射を開始するタイミングは、上死点前120度〜上死点後20度、好ましくは上死点前90〜上死点後10度とする。噴射ノズル3が噴射する燃料ガスの噴射量は、内燃機関の出力を制御する。いいかえると、内燃機関の出力は、噴射ノズル3の噴射量で制御される。噴射ノズル3は、電磁弁(図示せず)を内蔵している。電磁弁が開弁されると、噴射ノズル3は燃料ガスを噴射する。電磁弁が閉弁されると噴射ノズル3は燃料ガスの噴射を停止する。電磁弁が開弁している時間で、燃料ガスの噴射量を調整する。開弁時間が長くなると燃料ガスの噴射量は多くなり、短くすると噴射量は少なくなる。制御機構5は、噴射ノズル3の電磁弁を制御して、内燃機関の出力を制御する。
噴射ノズル3は、10度以上で120度以下、好ましくは20度以上で100度以下、さらに好ましくは20度以上で90度以下の噴霧角(β)で燃料ガスを噴射する。噴霧角(β)は、図3に示すように、噴流境界がなす角である。噴射ノズル3の噴霧角(β)は、大きすぎても小さすぎても、シリンダー1内で燃料ガスを理想的な状態で燃焼できなくなる。噴霧角(β)が大きすぎても小さすぎても、燃料ガスと空気とを充分に混合できなくなり、また理想的な状態で点火できなくなるからである。とくに、本発明の内燃機関は、燃料ガスの噴流境界領域で点火するので、噴霧角(β)が大きすぎても小さすぎても、噴流境界領域において空気と燃料ガスとを点火に理想の状態にできなくなるので、噴射ノズル3は噴霧角(β)を前述の範囲とする。噴射ノズル3の噴霧角(β)が小さすぎると、噴流境界領域の噴流境界領域が極めて狭い領域となって、理想的な位置で点火するのが難しくなる。反対に噴霧角(β)が大きすぎると、噴流境界領域が不安定となって理想的な点火位置の特定が難しくなる。
点火プラグ4は、火花放電する一対の電極を有する。電極間の火花放電が燃料ガスの噴流に点火する。したがって、点火プラグ4が噴流に点火する点火位置は、一対の電極間となる。図4は、一般的な点火プラグ4の電極8の配置を示す。この図の点火プラグ4は、一対の電極8間で放電する火花が噴流に点火するので、一対の電極8の中心であるA点を点火位置とする。内燃機関には、図5に示すように中心電極8Aの周囲に複数の電極8Bを配設する点火プラグ4も使用される。この構造の点火プラグ4は、中心電極8Aの周囲に火花放電させて噴流に点火する。したがって、この構造の点火プラグ4は、中心電極8Aの中心点であるA点を点火位置とする。
図2と図3の点火プラグ4は、点火位置を減速衝突部10に対して特定の位置としている。また、燃料ガスの噴流に対しても特定の位置としている。図の点火プラグ4は、点火位置を、減速衝突部10と同じ位置としている。すなわち、点火プラグ4の点火位置を、減速衝突部10と同じ平面内としている。さらに、図示しないが、点火プラグは、点火位置を、減速衝突部よりも噴流の下流に配置することもできる。噴射ノズル3から噴射された燃料ガスは、図6の矢印で示すように、噴射軸Yの方向に移動する。点火位置が減速衝突部10よりも下流にあるとは、この図において、矢印aで示すように、減速衝突部10から噴射ノズル3の反対側に離れる領域を意味するものとする。ただし、本発明の内燃機関は、点火プラグの点火位置を減速衝突部よりも噴流の上流側とすることもできる。
さらに、点火プラグ4の点火位置は、噴射ノズル3の噴孔3Aから2〜30mm離れた位置、より好ましくは噴孔3Aから2〜20mm離れた位置、さらに好ましくは噴孔3Aから2〜15mm離れた位置にあり、かつ噴射ノズル3の噴射軸Yと直交する方向にずれた位置とする。好ましくは、点火プラグ4の点火位置は、図3において、噴射ノズル3の噴射軸Yからβ/4度以上外側にずれた噴流境界領域、この図においてaで示す領域にある。さらに好ましくは、点火プラグ4の点火位置は、β/2度よりも外側に位置する図3においてbで示している噴流境界領域に含まれる周囲空気取込領域とする。さらに最適には、点火プラグ4の点火位置は、β/2度よりも外側にあって、噴孔3Aから噴射軸Yの方向に2mm以上内側に離れた位置、図3においてcで示している噴流境界領域に含まれる周囲空気混合領域とする。
点火プラグ4の点火位置が、噴孔3Aに近すぎ、あるいは遠すぎると、水素と天然ガスの噴流を理想的な状態で燃焼できなくなる。点火位置を最適位置にセットして、水素を効率よく燃焼させると共に、水素の圧力上昇を緩やかにしてノッキングを効果的に阻止でき、また天然ガスを確実に点火できる。点火位置が噴孔3Aに近すぎると、噴流を確実に点火するのが難しくなり、また、点火位置が噴孔3Aから遠すぎると、点火された水素の火炎伝播速度が速すぎてノッキングを防止できなくなる。また、点火位置を噴射ノズル3の噴射軸Yに交差する方向にずらせることで、水素の火炎伝播速度を最適な速度とし、完全燃焼させて燃料消費率を良くできる。従って、点火位置は、好ましくは、図2のaで示す噴流境界領域とし、より好ましくはbで示す周囲空気取込領域とし、最適にはcで示す周囲空気混合領域とする。図7は、点火位置を図8に示す種々の位置に変更して圧力が上昇する特性を示すグラフである。
この図の曲線A〜Dは、燃料ガスとして水素ガスを使用し、点火位置を以下に示す位置として、点火後に圧力が上昇する状態を示している。横軸は時間軸で、0は点火したタイミングである。縦軸は圧力を示している。曲線A〜Dは、点火位置を以下の位置とし、圧力が上昇するカーブを示している。ただし、噴射ノズルの噴霧角(β)は30度、シリンダー内の圧力を0.5MPa、噴射ノズルの噴射圧を3.0MPaとしている。
A…噴孔3Aからの距離…………7.2mm
噴射軸Yからの距離…………6mm
B…噴孔3Aからの距離………60mm
噴射軸Yからの距離…………0mm
C…噴孔3Aからの距離………30mm
噴射軸Yからの距離…………0mm
D…噴孔3Aからの距離…………4mm
噴射軸Yからの距離…………0mm
曲線Aの圧力上昇カーブは、点火してから圧力が上昇する勾配が緩い。とくに、点火した直後の圧力上昇の勾配が緩い。したがって、水素ガスを燃焼させてノッキングを有効に防止できる。さらに、最高圧力は高く上昇する。このことは、水素が完全燃焼されて燃料消費率を向上することに効果がある。これに対して曲線Bは、点火してからの圧力上昇の勾配が急峻になる。とくに、点火直後の圧力上昇の勾配が急峻になるのでノッキングを防止できない。さらに最高圧力も低くなって、水素を完全燃焼できなくなる。さらに、曲線CとDは、点火してからの圧力上昇はそれほど急峻ではないが、最高圧力が低く燃料ガスを完全燃焼できない。
図7のグラフは、燃料ガスを燃焼させて圧力が上昇する特性を示すものであって、減速衝突部10を設けていない状態での特性を示す。減速衝突部10を設ける状態においては、減速衝突部10で燃料ガスの流速が減速されるが、燃料ガスの圧力が上昇する状態はこの状態に近似する。ただし、点火位置をD点とする場合においては、燃料ガスの噴流の流速が減速されて完全に燃焼されるので、最高圧力が高くなる。
さらに、図9は、天然ガスと水素を混合している燃料ガスに点火できるかどうかを示すグラフである。この図は、横軸が天然ガスに対する水素の比率である。縦軸は点火した後の最高圧力を示す。最高圧力が高くなることが、正常に点火できたことを示している。点火して正常に燃焼できるとシリンダー内の圧力が上昇するからである。この図は、シリンダー内の圧力を0.5MPa、噴射ノズルの噴射圧を1.0MPaとしている。ただし、この曲線は、点火位置を前述のA点としている。この図から明かなように、点火位置をA点とする内燃機関は、水素の混合比を0%とする燃料ガスをも正常に燃焼できる。図9も減速衝突部10を設けない状態で試験しているが、点火位置の上流に減速衝突部10を設けて、噴流を減速することにより、天然ガスの混合比を高くする状態でより正常に完全燃焼できる。
点火プラグ4が噴流に点火する点火タイミングは最適値がある。図10は、点火タイミングを変更してシリンダー内の圧力が上昇するカーブを示す。この図は、以下の条件で水素を燃焼するときの圧力上昇を示す。
点火位置………………………前述のA点
シリンダー内の圧力…………0.75MPa
噴射ノズルの噴射圧…………1.0MPa
水素の噴射時間………………10msec
曲線a〜eは、水素の噴射を開始した後、以下の時間だけ遅らせて噴流に点火している。
曲線a…………噴射と同時
曲線b…………噴射を開始してから2.5msec後
曲線c…………噴射を開始してから5msec後
曲線d…………噴射を開始してから7.5msec後
曲線e…………噴射を開始してから10msec後
この図に示すように、点火のタイミングが遅れるとシリンダー内の圧力上昇が急峻になる。したがって、点火プラグの点火タイミングは、噴射ノズルが燃料ガスの噴射を開始してから5msec以内、より好ましくは3msec以内の噴射初期である。
以上の実施例は、点火プラグ4が噴流に点火する点火位置を、噴孔3Aから7.2mm、噴射軸Yから6mm離れた位置にある噴流境界領域としているが、本発明の内燃機関とその点火方法は、点火位置を前述のA点に特定することなく、噴流の噴流境界領域として水素と天然ガスを正常に燃焼させることができる。
点火プラグ4は、高圧電源6から高電圧の電力が供給されるときに電極8間に火花放電し、この火花放電が噴流に点火する。点火プラグ4は、噴射ノズル3からシリンダー1内に燃料ガスを噴射しているタイミングに火花放電して、シリンダー1内に噴射している燃料ガスの噴流に直接に点火する。すなわち、成層燃焼させるのではなくて、噴流に直接に点火する。高圧電源6が高電圧の電力を供給するタイミングは、制御機構5に制御される。制御機構5は、クランク軸の回転角、クランク軸の回転速度、内燃機関の負荷、燃料ガスの噴射量等を検出して、最適な点火タイミングで、高圧電源6が高電圧の電力を供給するように制御する。
図2の内燃機関は、点火プラグ4と噴射ノズル3を一体構造として、シリンダー1に脱着できるように装着している。この構造は、噴射ノズル3と点火プラグ4の相対位置、すなわち噴孔3Aに対する点火位置をずれないように正確に特定できる特長がある。また、点火プラグ4と噴射ノズル3を一緒に交換して、メンテナンスを簡単にできる特長がある。
さらに、図11と図12に示す内燃機関は、シリンダー1の頂面に凹部9を設けて、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスの噴流を反射させている。この構造の内燃機関においても、点火位置は、図12のA点で示すように、噴射ノズル3の噴孔3Aから2〜30mm離れた位置であり、かつ、噴射ノズル3の噴射軸Yからβ/4度以上外側にずれたaで示す噴流境界領域とする。ただし、この内燃機関は、燃料ガスの噴流をシリンダー頂面の凹部内面で反射させるので、噴射軸Yも内面で反射されるとして、点火位置を特定する。この内燃機関も、より好ましくは、点火プラグ4の点火位置を、β/2度よりも外側に位置する、図12においてbで示している噴流境界領域に含まれる周囲空気取込領域とし、さらに最適には、点火プラグ4の点火位置を、β/2度よりも外側であって、シリンダー内面から2mm以上内側に離れた位置となる、図12においてcで示している噴流境界領域に含まれる周囲空気混合領域とする。
減速衝突部10は、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスが衝突する位置であって、シリンダー内面から離れたシリンダー内の中空部に配設される。この減速衝突部10は、噴射ノズル3から噴射される燃料ガスを衝突させて噴流の流速を遅くする。減速衝突部10が、噴射ノズル3から噴射された燃料ガスを衝突させて流速を減速し、減速された噴流に点火プラグ4が点火する。
減速衝突部10は、好ましくは、噴射軸Yに直交し、あるいは所定の角度で交差する姿勢で配設されるロッドである。ロッドの減速衝突部10は、噴射軸Yを通過する位置に、あるいは噴射軸Yに接近する位置を通過するように配設される。減速衝突部10のロッドは、太さで0.5〜2mmとする金属ロッド、あるいはセラミックロッドである。ロッドの減速衝突部10は、噴孔3Aに接近させるほど細く、噴孔3Aから離れるほど太くする。それは、噴孔3Aに接近する噴流の拡散面積が小さいのでロッドの影響が大きく、噴孔3Aから離れるにしたがって噴流が大きく拡散するのでロッドの影響が少なくなるからである。噴孔3Aに近い噴流は拡散する面積が小さいので、細いロッドの減速衝突部10を配設して噴流を充分に減速できる。噴孔3Aから離れると噴流の面積が大きくなるので、太いロッドに衝突させて減速する必要がある。この構造の減速衝突部10は、1本〜複数本のロッドを噴射軸Yに交差するように配設することもできる。
減速衝突部10は、噴射ノズル3の噴孔3Aから噴射軸Yの方向に、2〜20mm、好ましくは3〜10mm離れた位置に配設される。減速衝突部10が噴孔3Aに近すぎ、反対に遠すぎても、燃料ガスを正常に燃焼するのが難しくなるからである。とくに、減速衝突部10が噴孔3Aに近すぎると、噴孔3Aから噴射される噴流の乱れが大きく、正常に燃焼させるのが難しくなる。反対に噴孔3Aから遠すぎると、噴流を効果的に減速するのが難しくなり、またその下流に位置する点火位置も噴孔3Aから遠くなって正常に燃焼できなくなる。ただ、減速衝突部は、必ずしも噴射軸と交差する位置に配設する必要はなく、噴射軸上から多少ずれた位置に配設することもできる。このときも、減速衝突部から最短距離にある噴射軸上の点が上述の範囲となるように、減速衝突部を配設する。
減速衝突部10は、点火位置よりも噴流の上流ないし下流に配設されるが、減速衝突部10と点火位置との相対位置に最適位置がある。とくに、正常に燃焼させるのが難しい天然ガスの内燃機関は、減速衝突部10と点火位置の相対位置が大切である。噴孔3Aから減速衝突部10までの噴射軸Yの方向における距離は、噴孔3Aから点火位置までの噴射軸方向の距離の30〜200%、好ましくは50〜150%、さらに好ましくは50〜100%とする。この範囲にある減速衝突部10と点火プラグ4は、減速衝突部10でもって、燃料ガスの噴流を燃焼しやすい状態に減速しながら点火プラグ4で点火して正常に燃焼できる。
図2と図3に示す減速衝突部10は、互いに平行に配設している2本のロッドで構成している。2本のロッドは点火プラグ4の電極8である。点火プラグ4の電極8である一対のロッドは、その先端を、火花放電させる間隔で対向させて点火位置としている。点火プラグ4の電極8を減速衝突部10に併用する構造は、特別に減速衝突部10を設ける必要がなく、エンジンの内部構造を簡単にできる。ただし、点火プラグの電極とは別に減速衝突部を設けることもできる。
図2と図3に示す減速衝突部10は、点火プラグ4の電極8である2本のロッドを、噴射軸方向に互いに平行に離して配設している。このように、2本の電極8を噴射軸方向に離して配設する構造は、たとえば、図13に示すように、点火プラグ4の点火位置を減速衝突部10よりも燃料ガスの噴流の下流とするのに有効である。さらに、2本のロッドである減速衝突部10は、図14に示すように、噴射軸Yと交差する平面内であって、噴射軸Yに対して、垂直ないし傾斜する平面内に配設することもできる。この図に示す減速衝突部10は、直線状のロッドとL字状に折曲されたロッドとを同一平面上に配設すると共に、直線状のロッドを噴射軸Yと交差する位置に配置して、点火プラグ4の点火位置を噴流の外側に配置している。ただ、減速衝突部10は、図の鎖線で示すように、折曲されたロッドを噴射軸Yと交差する位置に配置することもできる。
図2の内燃機関は、点火プラグ4と噴射ノズル3を一体構造としてシリンダー1に脱着できるように装着している。この構造は、噴射ノズル3の噴孔3Aと、点火プラグ4の点火位置と、減速衝突部10の相対位置を正確に特定できる特長がある。ただし、点火プラグと噴射ノズルは、必ずしも一体構造とする必要はない。
本発明は、減速衝突部10をロッドに特定しない。減速衝突部10には、たとえば金属やセラミック等の球体や多面体も使用できる。この形状の減速衝突部10は、噴射ノズル3から噴射される噴流が衝突する位置に配設されて、燃料ガスの噴流を減速する。
図2に示すように、点火プラグ4の電極8を長くして減速衝突部10とする。この減速衝突部10は、太さを1.2mmとする金属ロッドである。ロッドの減速衝突部10は、噴射ノズル3の噴射軸Yに対して直交する姿勢で、噴射軸Yと交差する位置に配設される。2本の金属ロッドからなる減速衝突部10は、噴孔3Aに近いロッドの減速衝突部10が、噴孔3Aから5mm離れた位置にある。2本の金属ロッドからなる電極先端に設けている点火プラグ4の点火位置は、噴孔3Aから噴射軸Yの方向に5mm離れ、噴射軸Yに直交する方向に6mm離れた位置である。
図15は、以上の位置に減速衝突部10と点火位置を配置して、点火が極めて難しい天然ガスを筒内噴射して燃料ガスがどの程度に燃焼できたかを示すグラフである。この図において、横軸は噴射ノズルが燃料ガスを噴射する圧力、縦軸はシリンダー内の空気圧力、○は燃料ガスを完全に燃焼できた状態、△は一部を燃焼できた状態、×は燃焼できなかった状態を示している。
図15から明らかなように、本発明の実施例の内燃機関は、○で示す領域が非常に広く、噴射ノズル3からの噴射圧が変動しても燃料ガスを確実に点火して燃焼できることが明らかである。ちなみに、減速衝突部10の上流側に点火位置とする方法では、図の鎖線で示す極めて狭い領域でしか燃料ガスを点火・燃焼できない。
さらに、図16は、減速衝突部10と点火位置を前述の位置とする内燃機関の点火タイミングのずれによる着火性を示すグラフである。燃料ガスは、正常に燃焼させるのが難しい天然ガスである。この図は、横軸を点火タイミング、縦軸を点火タイミングをずらせたときに燃料ガスを燃焼できる割合を示している。なお、図17は、減速衝突部10を設けない以外は同じ構造とする内燃機関が天然ガスを燃焼する割合を示す。これ等の図から明らかなように、本発明の実施例の内燃機関は、広い点火時間において燃料ガスを高い割合で燃焼できる。このため、クランクの回転速度に対応して点火タイミングをずらせても常に高い割合で燃料ガスを燃焼できる特長がある。
従来の内燃機関の断面図である。 本発明の一実施例にかかる内燃機関の断面図である。 図2に示す内燃機関の要部拡大図である。 点火プラグの一例を示す要部拡大図である。 点火プラグの他の一例を示す要部拡大図である。 図3に示す内燃機関の減速衝突部と点火位置の位置関係を示す要部拡大図である。 点火プラグの点火位置とシリンダー内の圧力上昇の関係を示すグラフである。 図7のグラフにおける点火プラグの点火位置を示す図である。 天然ガスに対する水素の比率と点火後の最高圧力の関係を示すグラフである。 点火タイミングとシリンダー内の圧力上昇の関係を示すグラフである。 本発明の他の実施例にかかる内燃機関の断面図である。 図11に示す内燃機関の要部拡大図である。 減速衝突部の他の一例を示す拡大平面図である。 減速衝突部の他の一例を示す拡大正面図である。 本発明の一実施例にかかる内燃機関で天然ガスを筒内噴射して燃料ガスを燃焼させる状態を示すグラフである。 本発明の一実施例にかかる内燃機関の点火タイミングのずれによる着火性を示すグラフである。 減速衝突部を設けていない内燃機関の点火タイミングのずれによる着火性を示すグラフである。
符号の説明
1…シリンダー
2…ピストン
3…噴射ノズル 3A…噴孔
4…点火プラグ
5…制御機構
6…高圧電源
7…吸気弁
8…電極 8A…中心電極 8B…電極
9…凹部
10…減速衝突部
21…点火プラグ
22…邪魔板
Y…噴射軸

Claims (13)

  1. 吸入した空気を加圧するピストン(2)を内蔵するシリンダー(1)と、ピストン(2)で加圧されたシリンダー(1)内に、加圧された燃料ガスを噴射する噴射ノズル(3)と、噴射ノズル(3)でシリンダー(1)内に噴射された燃料ガスに点火する点火プラグ(4)とを備える内燃機関において、
    噴射ノズル(3)から噴射される燃料ガスが衝突する位置であって、シリンダー内面から離れたシリンダー(1)内の中空部に、噴射ノズル(3)から噴射される燃料ガスを衝突させて噴流の流速を遅くする減速衝突部(10)を配設すると共に、
    噴射ノズル(3)からシリンダー(1)内に燃料ガスを噴射しているタイミングに点火プラグ(4)を火花放電させて、シリンダー(1)内に噴射している燃料ガスの噴流に直接に点火するようにし、
    噴射ノズル(3)から噴射された燃料ガスを減速衝突部(10)に衝突させて流速を減速し、減速衝突部(10)で減速する噴流に点火プラグ(4)が直接に点火するようにしてなる燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  2. 減速衝突部(10)よりも燃料ガスの噴流の下流に点火プラグ(4)の点火位置を配置している請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  3. 点火プラグ(4)の点火位置を、噴射ノズル(3)の噴射軸(Y)と直交する方向にずれた位置としている請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  4. 点火プラグ(4)の点火位置を、噴射ノズル(3)から噴射される燃料ガスの噴流境界領域としている請求項3に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  5. 点火プラグ(4)の点火位置が、噴射ノズル(3)の噴孔(3A)から噴射軸(Y)の方向に2〜30mm離れた位置であり、かつ、噴射ノズル(3)の噴射軸(Y)からβ/4度以上外側にずれた噴流境界領域にあることを特徴とする請求項4に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  6. 点火プラグ(4)の点火位置が、噴孔(3A)から噴射軸(Y)の方向に2〜20mm離れた位置である請求項5に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  7. 減速衝突部(10)がロッドである請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  8. 減速衝突部(10)が点火プラグ(4)の電極(8)である請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  9. 減速衝突部(10)が噴射ノズル(3)の噴孔(3A)から噴射軸(Y)の方向に2〜20mm離れた位置にある請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  10. 燃料ガスが有機ガスである請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  11. 点火プラグ(4)と噴射ノズル(3)が一体構造でシリンダー(1)に脱着できるように装着されてなる請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  12. 噴射ノズル(3)が加圧された燃料ガスを、10度以上で120度以下の噴霧角(β)で噴射する請求項1に記載される燃料ガスを筒内噴射する内燃機関。
  13. 空気を吸入しているシリンダー(1)内に、噴射ノズル(3)から加圧された燃料ガスを噴射して、点火プラグ(4)の火花放電で燃料ガスに点火して爆発させる燃料ガスを筒内噴射する内燃機関の点火方法において、
    噴射ノズル(3)から噴射される燃料ガスを衝突させる位置であって、シリンダー内面から離れた位置に、噴射ノズル(3)から噴射される燃料ガスを衝突させて噴流の流速を遅くする減速衝突部(10)を配設し、
    さらに、噴射ノズル(3)からシリンダー(1)内に燃料ガスを噴射しているタイミングに点火プラグ(4)を火花放電して、シリンダー(1)内に噴射している燃料ガスの噴流に直接に点火すると共に、
    噴射ノズル(3)から噴射する燃料ガスを減速衝突部(10)に衝突させて流速を減速し、減速衝突部(10)で減速する噴流に、点火プラグ(4)で直接に点火する燃料ガスを筒内噴射する内燃機関の点火方法。
JP2003287136A 2003-08-05 2003-08-05 燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法 Pending JP2005054701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003287136A JP2005054701A (ja) 2003-08-05 2003-08-05 燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003287136A JP2005054701A (ja) 2003-08-05 2003-08-05 燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005054701A true JP2005054701A (ja) 2005-03-03

Family

ID=34366227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003287136A Pending JP2005054701A (ja) 2003-08-05 2003-08-05 燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005054701A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262912A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼制御装置
WO2015186682A1 (ja) * 2014-06-02 2015-12-10 イマジニアリング株式会社 インジェクタユニット

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262912A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼制御装置
WO2015186682A1 (ja) * 2014-06-02 2015-12-10 イマジニアリング株式会社 インジェクタユニット
JPWO2015186682A1 (ja) * 2014-06-02 2017-07-06 イマジニアリング株式会社 インジェクタユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7597085B2 (en) Direct fuel injection-type spark ignition internal combustion engine
EP1895121B1 (en) Combustion promoting device for internal combustion engine
JPH0579331A (ja) 空気圧縮および弁作動式内燃機関
JPH07332141A (ja) 圧縮着火式ガソリン機関
JP2008121429A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JPH10299486A (ja) 筒内燃料噴射式エンジン
JP5325019B2 (ja) 副室式エンジン
JP2018162731A (ja) 火花点火式内燃機関
JP4073315B2 (ja) 副室式エンジン
JP2005054701A (ja) 燃料ガスを筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法
JP2005232987A (ja) 副室式エンジン
JP3637391B2 (ja) 気体燃料を筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法
JP4394974B2 (ja) 気体燃料を筒内噴射する内燃機関と内燃機関の点火方法
JP4145177B2 (ja) エンジン及びその運転方法
JPH07332140A (ja) 圧縮着火式内燃機関
JP4103792B2 (ja) 内燃機関
JPWO2004099584A1 (ja) 副室式ガス機関の燃焼室構造及び副室式ガス機関
EP4006322A1 (en) Engine with combustion chamber
JP2009156191A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2018162727A (ja) 火花点火式内燃機関
JP2018162728A (ja) 火花点火式内燃機関
JP2010096088A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JP2007285244A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JP2008202452A (ja) ピストン及び内燃機関
JP2007002797A (ja) 内燃機関の燃焼室構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060725

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070222

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070301

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090203