JPH07332140A - 圧縮着火式内燃機関 - Google Patents

圧縮着火式内燃機関

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JPH07332140A
JPH07332140A JP15049594A JP15049594A JPH07332140A JP H07332140 A JPH07332140 A JP H07332140A JP 15049594 A JP15049594 A JP 15049594A JP 15049594 A JP15049594 A JP 15049594A JP H07332140 A JPH07332140 A JP H07332140A
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fuel injection
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combustion chamber
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太郎 青山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予混合気を圧縮着火もしくは多点着火させる
高圧縮比の圧縮着火式内燃機関を提供する。 【構成】 燃料噴射弁9の吸気ポート6におけるガソリ
ンの噴射時期を吸気弁7の閉前クランク角度10度から
吸気弁7の開前110度の範囲とすると共に、燃料噴射
弁11の凹所3へのガソリンの噴射時期を圧縮上死点前
クランク角度8度から30度の範囲とし、当該燃料噴射
量を全負荷噴射量(吸気ポートへの噴射量と凹所への噴
射量との和)の15から25%の範囲内に構成し、高圧
縮比下で完全予混合気の圧縮着火を良好に実現でき、超
希薄燃焼を達成し各種性能向上を実奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予混合気を圧縮着火も
しくは多点着火させる高圧縮比の圧縮着火式内燃機関に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のディーゼルエンジンは、吸気絞り
がなく、圧縮着火させリーンバーンが可能なため燃費が
良好であるが、他方、成層燃焼により軽油を圧縮着火す
るため排出特性が劣る傾向がある。また、従来のガソリ
ンエンジンは予混合気燃焼により排気の後処理が容易で
クリーンを実現できるが、他方、吸気絞りによりリーン
バーンが難しく低圧縮比ゆえ燃費性能が劣る傾向があ
る。例えば従来、吸気ポートの外周に排気ガスを導き、
混合気を加熱し、加熱された混合気を燃焼室に供給し圧
縮着火させるものがある(特公昭58−53169号公
報)。しかし、これは排気ガスを吸気ポートの外周に導
くための通路等が必要となり、吸気ポートの設計自由度
が損なわれるおそれがあった。また、高圧縮比ガソリン
エンジン内で予混合気を圧縮着火させるものがある(特
開昭63−248910号公報)。しかし、これは空燃
比が40を越える希薄域で着火の安定性に事欠き、出力
不足、HC,COの急増を招く不具合がある。
【0003】そして、次世代の自動車用エンジンに課せ
られた大命題は、高効率、低燃費と低ミッションを同時
に満たすことである。以下、現状のディーゼルおよびガ
ソリンエンジンのそれぞれの得失を詳述する。 (1) ディーゼルエンジンにあっては、安定燃焼する当
量比領域が広いため、出力制御を質制御に依ることが可
能で、高効率については、ある程度達成し得ている。し
かし、この形式においてはスート排出は不可避であり、
低エミッションについては、排出するスートによる触媒
ひどく野可能性から、燃焼自体によるクリーン化を目指
さざるを得ず、数年先の自動車排出ガスの長期目標達成
に対してすら、大なる努力にもかかわらず苦吟している
状況にある。
【0004】(2) ガソリンエンジンにあっては、量論
比燃焼のガソリンエンジンは、スートによる触媒ひどく
の可能性が低いため、三元触媒等の後処理装置の適用が
容易である。このため、エンジンの排気自体はクリーン
でないものの、トータルとして低エミッションを実現し
ている。一方で、出力制御を量制御に依存しているた
め、高効率は達成し得ていない。これに対し、希薄燃焼
ガソリンエンジンは、ポンピングロス減少、動作ガスの
比熱比が大きくなる等、サイクル論的な意味合いから、
前者よりも高効率であるものの、安定燃焼する当量比領
域がさほど広くない。このため、なお出力制御は量制御
に依らざるを得ず、然るべき高効率を達成し得ていな
い。また、低エミッションについては、希薄域で活性の
高い触媒を待望する状況にあるものの、スート排出の欠
如による触媒搭載性に対する優位性は依然堅持してい
る。いずれにしろ、スートフリーと安定燃焼領域の狭さ
に特徴づけられ、高圧縮比化とノッキング回避が課題で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上より、次世代エン
ジンの具備すべき要件は、ガソリン等の軽質な燃料を用
いつつ、高圧縮比で、かつ、質制御を可能とするため超
希薄域で安定な燃焼を実現することと云い得る。高圧縮
比化に付随して起こるノッキングの制御には、燃焼室内
の混合気がいっせいに着火して火炎が伝播しない燃焼、
いわば無限数の点火プラグを配置したような−多点着火
−燃焼を実現することが必須である。この場合、燃焼室
内に局所的な高温部が出来ないことから、NOX 排出制
御に欠くべからざる燃焼形態である。
【0006】本発明の目的は、予混合気を圧縮着火もし
くは多点着火させ、燃費が直噴ディーゼルエンジン並
み、排気がリーンバーンゆえ本質的にはクリーンであ
り、かつ蒸発性の良好なガソリンを燃料として用いるた
め後処理が極めて容易な圧縮着火式内燃機関を提供する
ことにある。また、本発明の目的は、空燃比が40を越
える希薄域で着火安定性に難を生じて出力不足、HC,
COの急増を招くのであるがこれらすべてを解消して着
火安定性の向上を図り、かつ着火時期を制御してより一
層の燃費改善を図る圧縮着火式内燃機関を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の圧縮着火式内燃機関は、燃料と空気の混合気
を燃焼室内に供給し、圧縮自己着火する圧縮着火式内燃
機関において、吸気ポートに燃料を供給する燃料供給手
段を有し、実質的な吸気行程外で燃料を吸気ポートに供
給し、さらには燃焼室内に燃料を供給する燃料供給手段
を有したことを特徴とする。すなわち、本発明の圧縮着
火式内燃機関は、ピストン、シリンダヘッド及びシリン
ダブロックにより区画形成し、往復動ピストンにて吸気
を圧縮する燃焼室を設け、該燃焼室に開閉制御する吸気
弁を介して吸気を供給する吸気ポートを設けた圧縮着火
式内燃機関において、該吸気ポートに噴孔が臨む燃料噴
射弁を設けると共に燃焼室に噴孔が臨む燃料噴射弁を設
け、燃料噴射弁の吸気ポートにおけるガソリンの噴射時
期を吸気弁閉前クランク角度10度から吸気弁開前11
0度の範囲とすると共に、燃料噴射弁の燃焼室に対する
ガソリンの噴射時期を圧縮上死点前クランク角度8度か
ら30度の範囲とする構成にしてなる。
【0008】また、 上記目的を達成するための本発明
の圧縮着火式内燃機関は、燃料噴射弁の燃焼室に対する
当該燃料噴射量を全負荷噴射量(吸気ポートへの噴射量
と燃焼室への噴射量の和)の15から25%の範囲内に
構成してなる。
【0009】
【作用効果】上記構成からなる本発明の圧縮着火式内燃
機関は、ガソリンが実質的な吸気行程外、すなわち、供
給されたガソリンが霧化されず、直接燃焼室に供給され
るような時期を外れて、吸気ポートに供給される。よっ
て、吸気ポート内で霧化が促進され、ほど良い混合気を
形成し、この混合気が燃焼室に供給され、圧縮されるた
め自己着火し、かくして、機関を作動させることがで
き、直接ガソリンが燃料供給手段から燃焼室に供給され
て失火することはない。また、本発明によれば、従来技
術のように吸気ポートの外周に排気ガスを供給すること
無く圧縮着火させることができるため、その分吸気ポー
トの設計自由度を向上させることができる。
【0010】また、上記構成からなる本発明の圧縮着火
式内燃機関は、燃料噴射弁の吸気ポートにおけるガソリ
ン噴射時期を吸気弁閉前のクランク角度で10度から吸
気弁開前のクランク角度で110度の範囲とすることに
より、吸気ポート内に噴射されたガソリンの吸気ポート
内における滞留時間が長くとれるため、燃料の完全蒸発
に寄与し、結果として完全予混合気の形成につながる。
従来のようにこの時期、すなわち吸気弁が開いた時期に
燃料を噴射供給すると、出力低下(結果として燃費悪
化)や、未燃排出物(HC,CO)の増加をきたすので
ある。これに対し、本発明の圧縮着火式内燃機関は、ト
ータルとして、燃費が直噴ディーゼルを凌ぎ、NOX
出を大きく下回ることができる。
【0011】ここで、吸気弁閉前10度以降に噴射すれ
ば、噴射された燃料は時間的に後の次の吸気行程に相当
するシリンダあるいは当該シリンダの次のサイクルで吸
入燃焼されるため、蒸発予混合する時間に充分余裕があ
る。また、吸気弁開前110度以前に噴射の場合、噴射
された燃料はいったん吸気ポート内に滞留蒸発した後に
シリンダに吸入されるので充分な予混合気が形成され
る。
【0012】さらに、上記構成からなる本発明の圧縮着
火式内燃機関は、燃料噴射弁の燃焼室対するガソリン噴
射時期を圧縮上死点前クランク角度8〜30度の範囲に
構成してなる。
【0013】また、上記構成からなる本発明の圧縮着火
式内燃機関は、燃料噴射弁の燃焼室対する当該噴射量を
全負荷噴射量(吸気ポートへの噴射量と凹所への噴射量
との和)の15〜25%の範囲内に構成してなる。
【0014】これにより、安定着火領域が吸入ポートへ
の噴射のみの場合に比べ希薄側へ拡大することができ
る。そして総空燃比が希薄でも成層化により着火燃焼が
実現できる。なお、吸気ポートへのガソリン噴射のみの
場合、燃料噴射量の増加に従って、着火時期が早くな
り、結果として等容度の減少、すなわち燃料消費の悪化
を招くのである。しかし、本発明によれば、凹所内への
直接噴射量を増して安定着火を維持しつつ、燃料蒸発に
よる着火遅延を実現することができ着火時期の制御が燃
費の改善につながるのである。
【0015】しかし、前記直接噴射する燃料量には限界
がある。すなわち、図4に示すように凹所内への燃料の
直接噴射量を増加していくと、噴射量が25%を越える
あたりからNOX 生成量が過大となり、エミッション悪
化につがながるので前記数値範囲内とする必要がある。
また、本発明の圧縮着火式内燃機関は、燃料がガソリン
に限定されず、排気の後処理装置の適用が容易な低セタ
ン価の軽質燃料でも可能である。さらに、本発明の圧縮
着火式内燃機関は、図3に示すように安定希薄燃料領域
の拡大を図り、着火時期の制御しトータルとして、燃費
が直噴ディーゼルを凌ぎ、NOX 排出を大きく下回るこ
とができる。
【0016】
【課題を解決するためのその他の手段】上記目的を達成
するためのその他の発明の圧縮着火式内燃機関は、吸気
ポートに対する燃料噴射弁にガソリンを0.15から1
MPaの範囲の低圧で噴射する低圧燃料噴射弁を用い、
また、燃焼室に対する燃料噴射弁にガソリンを10から
30MPaの範囲の高圧で噴射する高圧燃料噴射弁を用
いる。
【0017】また、上記目的を達成するためのその他の
発明の圧縮着火式内燃機関は、圧縮比を14から20の
範囲に含まれる高圧縮比とする。さらに、好ましくは1
5から19の範囲に含まれるように構成してなる。
【0018】さらに、上記目的を達成するためのその他
の発明の圧縮着火式内燃機関は、燃焼室をピストン、シ
リンダヘッドおよびシリンダブロックにより区画形成す
る他、例えばピストン頂面がフラットなものや、シリン
ダヘッドに凹所を設けたものの他、往復動ピストンにて
吸気を圧縮する燃焼室をピストンに設けた凹所により構
成しても良い。
【0019】また、上記目的を達成するためのその他の
発明の圧縮着火式内燃機関は、前記凹所の対向壁間距離
は、ピストン径の1/2以上で凹所の開口からの深さ
は、該凹所の対向壁間距離の1/3以下に構成しても良
い。
【0020】さらに、上記目的を達成するためのその他
の発明の圧縮着火式内燃機関は、前記凹所の形状が開口
絞りを有するリエントラント型または開口絞りのないオ
ープンチャンバ型のいずれかの構成でも良い。ここで、
その他の発明は、高圧縮比ゆえにピストンとシリンダヘ
ッドでトップクリアランス部分において混合気が冷却さ
れて良好な燃焼が維持されないため、ピストンに設けた
凹所は上記数値範囲の関係を満たし、また浅い皿型であ
ることが好ましい。
【0021】
【その他の作用効果】上記構成からなるその他の発明の
圧縮着火式内燃機関は、吸気ポートに0.15〜1MP
aの低圧でガソリンを噴射する低圧燃料噴射弁を装備し
たことにより、従来のように噴射エネルギによる混合気
形成を図るのではなく、吸気ポートへの燃料供給が目的
であるため、必ずしも高圧は必要ではなく、また燃料秤
量機能をもてば良いので、非常に簡単な形式の燃料噴射
弁の適用が可能である。また、低圧供給に由来する燃料
微粒化の悪さからもたらされる燃料の壁面付着自身が、
蒸発促進の効果をもつために、好ましい。さらに現在、
ガソリン車に使用されている各種燃料噴射弁の適用も十
分に可能である。
【0022】また、上記構成からなるその他の発明の圧
縮着火式内燃機関は、燃焼室を主にピストンに設けた凹
所により構成し圧縮比を14から20の範囲に含まれる
高圧縮比としたことにより、さらにはガソリンの圧縮着
火をより一層確実に実現し、かつノッキングの発生を回
避するために圧縮比を15〜19とするとが好ましい。
これは、高圧縮比下で完全予混合気の圧縮着火を実現す
ることから、超希薄燃焼が達成される。このため、本質
的に有毒排気、とくにNOX の排出は少なく、また安定
燃焼領域が拡大して、出力の質制御が可能となる。ま
た、吸気絞り損失もないため、サイクル論的な意味合い
からも直噴ディーゼル並みの燃費が得られる実用的効果
を奏する。
【0023】さらに、上記構成からなるその他の発明の
圧縮着火式内燃機関は、ピストンの凹所を主に燃焼室と
する当該形状が、開口絞りのあるリエントラント型でも
良い。この場合、絞り部がホットスポットとなって過早
着火を起こし、結果としてノッキングが発生する可能性
は少ない。あるいは、着火点を始点として火炎が伝播す
るために着火点付近が高温となりNOX 生成を促進する
危惧も殆どない(通常のガソリンエンジンと同様の現象
を実奏する)。また、ピストン内に燃焼室のない従来の
場合には、燃焼室全体が扁平となり冷却損失が増して圧
縮着火が置き難くなる。この故に、燃焼室としては、開
口絞りのないオープンチャンバ型がより好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の圧縮着火式内燃機関の実施例
を説明する。図1に示す実施例は、シリンダ1に往復動
自在に摺嵌したピストン2の頂面に燃焼室として開口絞
りを有するリエントラント型の凹所3を、ピストン2の
中心軸と同軸的に穿設する。シリンダ1の開口頂端に
は、吸気を供給する吸気ポート5と排気を排出する排気
ポート6をそれぞれ配設されている。共に開閉制御され
る吸気弁7を設けた吸気ポート5の吸気口と排気弁8を
設けた排気ポート6の排気口とはそれぞれピストン2の
頂面に対向して配設されている。シリンダ1とピストン
2及びシリンダヘッド4は燃焼空間を区画形成する。吸
気ポート5には電磁燃料噴射弁(EFI燃料噴射弁)9
がその噴孔10を臨ませ、かつその噴射軸芯が吸気弁7
の弁軸と交差する位置に取り付けられている。ところ
で、本実施例は、凹所3の対向壁間距離がピストン径の
1/2以上で具体的にはピストン径102mmに対し60
mmである。また、凹所3の開口からの深さが該凹所の対
向壁間距離の1/3以下とし、具体的には10mmであ
る。さらに、圧縮比は14から20の範囲に含まれる1
7.5の高圧縮比とする。燃料噴射弁9は、ガソリンを
0.15から1MPaの範囲内0.3MPaの低圧で噴
射する。吸気ポート5におけるガソリンの噴射時期は吸
気弁7の閉前クランク角度10度から吸気弁7の10度
の範囲に含まれるように構成してなる。
【0025】また、本実施例の圧縮着火式内燃機関は、
凹所3の開口に燃料噴射弁11がその噴孔12を臨ま
せ、かつその噴射軸芯が凹所3の中心軸とほぼ同軸的位
置でシリンダヘッド4に取り付けられている。該燃料噴
射弁11は、ガソリンを10〜30MPaの範囲の高圧
で噴射する。凹所3におけるガソリンの噴射時期は、ピ
ストン2の圧縮行程上死点前クランク角度8〜30度の
範囲に構成してなる。また、高圧の燃料噴射弁11の燃
料噴射量は、全負荷噴射量(吸気ポート5への噴射量と
凹所3への噴射量との和)の15〜25%の範囲内に構
成してなる。
【0026】上記構成からなる本実施例の圧縮着火式内
燃機関は、低圧燃料噴射弁9におけるガソリン噴射時期
を吸気弁7の閉前のクランク角度で10度から吸気弁7
の開前のクランク角度で110度の範囲とすることによ
り、吸気ポート5内に噴射されたガソリンの吸気ポート
5内の滞留時間が長くとれるため、燃料の完全蒸発に寄
与し、結果として完全予混合気の形成につながる。従来
のように、この時期、すなわち吸気弁7が開いた時期に
燃料を噴射供給すると、出力低下(結果として燃費悪
化)や、未燃排出物(HC,CO)の増加をきたすので
ある。これに対し、本実施例の圧縮着火式内燃機関は、
トータルとして、燃費が直噴ディーゼルを凌ぎ、NOX
排出を大きく下回ることができる。
【0027】また、上記構成からなる本実施例の圧縮着
火式内燃機関は、吸気ポート5に0.3MPaの低圧で
ガソリンを噴射する低圧燃料噴射弁9を装備したことに
より、従来のように、噴射エネルギによる混合気形成を
図るのではなく、吸気ポート5への燃料供給が目的であ
るため、必ずしも高圧は必要ではなく、また燃料秤量機
能をもてば良いので、非常に簡単な形式の燃料噴射弁の
適用が可能である。また、低圧供給に由来する燃料微粒
化の悪さからもたらされる燃料の壁面付着自身が、蒸発
促進の効果をもつために、好ましい。
【0028】さらに、上記構成からなる本実施例の圧縮
着火式内燃機関は、凹所3内に10〜30MPaの高圧
でガソリンを噴射する燃料噴射弁11を装備し、当該燃
料噴射弁11のガソリン噴射時期を圧縮上死点前クラン
ク角度8〜30度の範囲としかつ当該噴射量を全負荷噴
射量(吸気ポート5への噴射量と凹所3への噴射量との
和)の15〜25%の範囲内に構成してなる。これによ
り、安定着火領域が吸入ポート5への噴射のみの場合に
比べ拡大することができる。そして総空燃比が希薄でも
成層化により安定な着火燃焼が実現できる。なお、吸気
ポート5へのガソリン噴射のみの場合、燃料噴射量の増
加に従って、着火時期が早くなり、結果として等容度の
減少、すなわち燃料消費の悪化を招くのである。しか
し、本実施例によれば、凹所3内への直接噴射量を増し
て安定着火を維持しつつ、燃料蒸発による着火遅延を実
現することができ、着火時期の制御を実奏し燃費の大幅
な改善につながるのである。
【0029】しかし、前記直接噴射する燃料量には限界
がある。すなわち、図4に示すように、凹所内への燃料
の直接噴射量を増加していくと、噴射量が25%を越え
るあたりからNOX 生成量が過大となり、エミッション
悪化につながるので、前記数値範囲内とする必要があ
る。また、本実施例の圧縮着火式内燃機関は、燃料がガ
ソリンエンジンに限定されず、排気の後処理装置の適用
が容易な低セタン価の軽質燃料でも可能である。さら
に、本実施例の圧縮着火式内燃機関は、安定希薄燃料領
域の拡大を図り、着火時期の制御しトータルとして、燃
費が直噴ディーゼルエンジンを凌ぎ、NOX 排出を大き
く下回ることができる。
【0030】また、上記構成からなる本実施例の圧縮着
火式内燃機関は、燃焼室を主にピストン2に設けた凹所
3により構成し、圧縮比を17.5と高圧縮比としたこ
とにより、さらにはガソリンの圧縮着火をより一層確実
に実現し、かつノッキングの発生を回避することができ
る。これは、高圧縮比下で完全予混合気の圧縮着火を実
現することから、超希薄燃焼が達成される。このため、
本質的に有毒排気、とくにNOX の排出は少なく、また
安定燃焼領域が拡大して、出力の質制御が可能となる。
また、吸気絞り損失もないため、サイクル論的な意味合
いからも直噴ディーゼル並みの燃費が得られる実用的効
果を奏する。
【0031】また、ピストン2の凹所3を主に燃焼室と
する当該形状は、開口絞りのあるリエントラント型であ
る。この場合、絞り部がホットスポットとなって過早点
火を起こし、結果としてノッキングが発生する可能性は
少ない。あるいは、着火点を始点として火炎が伝播する
ために着火点付近が高温となりNOX 生成を促進する危
惧も殆どない。
【0032】また、凹所3の形状は、前記実施例の限ら
ず、この他図2に示すように、開口絞りのないオープン
チャンバ型でもよい。すなわち、凹所3の対向壁間距離
が、ピストン径102mmに対し70mmである。さらに凹
所3の開口からの深さが最大14mmであり、前記実施例
とほぼ同様の作用効果を実奏する。さらに、凹所3の形
状は図3ないし図5に示すように、凹所3の開口縁近傍
がピストン2の頂部と滑らかに接続する曲線形状の他、
凹所3の底部が平坦状のもの、さらには凹所3の底部に
わずかな突部を有するものでもよく、前記実施例とほぼ
同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による圧縮着火式内燃機関の断面図。
【図2】その他の実施例に関する凹所の断面図。
【図3】その他の凹所形状を示す断面図。
【図4】その他の凹所形状を示す断面図。
【図5】その他の凹所形状を示す断面図。
【図6】実施例における空燃比と噴射時期の関係を示す
線図。
【図7】実施例における全負荷噴射量とNOX 生成量の
関係を示す線図。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストン 3 凹所 4 シリンダヘッド 5 吸気ポート 6 排気ポート 7 吸気弁 8 排気弁 9 低圧燃料噴射弁 10,12 噴孔 11 高圧燃料噴射弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 301 G F02M 69/04 P

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン、シリンダヘッド及びシリンダ
    ブロックにより区画形成し、往復動ピストンにて吸気を
    圧縮する燃焼室を設け、該燃焼室に開閉制御する吸気弁
    を介して吸気を供給する吸気ポートを設けた圧縮着火式
    内燃機関において、該吸気ポートに噴孔が臨む燃料噴射
    弁を設けると共に燃焼室に噴孔が臨む燃料噴射弁を設
    け、燃料噴射弁の吸気ポートにおけるガソリンの噴射時
    期を吸気弁閉前クランク角度10度から吸気弁開前11
    0度の範囲とすると共に、燃料噴射弁の燃焼室に対する
    ガソリンの噴射時期を圧縮上死点前クランク角度8度か
    ら30度の範囲とする構成にしてなることを特徴とする
    圧縮着火式内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記燃料噴射弁の燃焼室に対する当該燃
    料噴射量を全負荷噴射量(吸気ポートへの噴射量と燃焼
    室への噴射量の和)の15から25%の範囲内に構成し
    てなることを特徴とする請求項1記載の圧縮着火式内燃
    機関。
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