JP2005146932A - 2種類の燃料を用いる予混合圧縮自着火運転可能な内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 予混合圧縮自着火燃焼方式の利点を損なうことなく、高負荷運転時の燃焼音を抑制し、広い運転領域において予混合圧縮自着火燃焼方式による内燃機関の運転を可能とする。
【解決手段】 内燃機関は、低オクタン価燃料を噴射する第1の燃料噴射弁82と、高オクタン価燃料を燃焼室内に直接噴射する第2の燃料噴射弁72と、内燃機関の運転を制御するための制御部とを備えている。制御部は、第1の燃料噴射弁82による第1の燃料噴射によって燃焼室内に予混合気を形成し、予混合気の圧縮自着火の後に、第2の燃料噴射弁72による第2の燃料噴射を行う第1の運転モードを有している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、2種類の燃料を用いる予混合圧縮自着火運転可能な内燃機関に関する。
内燃機関の燃焼方式として、近年、通常のガソリンエンジンのような「予混合火花点火燃焼方式」や、通常のディーゼルエンジンのような「拡散燃焼方式」に代わる、新たな燃焼方式が模索されている。このような新たな燃焼方式の1つとして、燃焼室内に予め混合気を形成しておき、これを圧縮して自着火させる「予混合圧縮自着火燃焼方式」がある。予混合圧縮自着火燃焼方式は、超リーン混合気を高圧縮比で圧縮し、一気に自着火燃焼させて短時間に燃焼を完了させる燃焼方式であり、原理的には、排気ガス中に含まれる大気汚染物質の量と燃料消費量とを同時に、しかも大幅に低減することが可能と考えられている。
この予混合圧縮自着火燃焼方式を、広い運転領域で採用するためには、低負荷運転時において安定した自着火燃焼を行わせると共に、高負荷運転時において過早着火による激しい燃焼音が発生することを防止することが必要である。
予混合圧縮自着火燃焼を、広い運転領域で安定して行うための技術として、オクタン価の異なる2種類の燃料を用い、燃焼室内の供給燃料のオクタン価を可変制御する技術が知られている。この技術によれば、低負荷運転時には、着火性に優れた低オクタン価燃料の供給割合を増加させることによって燃焼室内の供給燃料のオクタン価を低くし、安定した自着火燃焼運転を行うことができる。一方、高負荷運転時には、耐ノック性に優れた高オクタン価燃料の供給割合を増加させることによって燃焼室内の供給燃料のオクタン価を高くし、ノッキング発生を抑制することができる。
特開2000−179368号公報 特開2001−254660号公報 特開平9−68061号公報 特開2001−3800号公報 特開2001−207890号公報
しかし、上記のような燃焼室内の供給燃料のオクタン価を可変制御する技術では、燃焼室内に供給されるすべての燃料がほぼ同時に圧縮自着火燃焼するため、特に高負荷運転時において燃焼音の低減が不十分となり、圧縮自着火燃焼による運転を行うことができる運転領域が制限されるという問題があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、予混合圧縮自着火燃焼方式の利点を損なうことなく、高負荷運転時の燃焼音を抑制し、広い運転領域において予混合圧縮自着火燃焼方式による内燃機関の運転を可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関は、予混合圧縮自着火運転が可能な内燃機関であって、
シリンダとピストンとで構成される燃焼室と、
前記燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁と、
低オクタン価燃料を噴射する第1の燃料噴射弁と、
高オクタン価燃料を前記燃焼室内に直接噴射する第2の燃料噴射弁と、
前記内燃機関の運転を制御するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料噴射によって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行う第1の運転モードを有する。
この内燃機関では、第1の燃料噴射によって燃焼室内に形成された低オクタン価燃料の予混合気を圧縮自着火燃焼させることによって、NOxなどの大気汚染物質排出量低減、燃料消費量低減、スモーク低減の効果を得ることができる。また、圧縮自着火燃焼の後に、第2の燃料噴射によって燃焼室内に噴射された高オクタン価燃料を拡散燃焼させることによって、燃焼音低減の効果を得ることができる。従って、広い運転領域において予混合圧縮自着火燃焼方式による運転を行うことができる。
上記内燃機関において、前記第1の運転モードにおける前記第1の燃料噴射は、前記吸気弁の開弁期間内に行われるとしてもよい。
このような運転モードによれば、第1の燃料噴射時から、噴射された低オクタン価燃料が自着火燃焼するまでの時間が長くなるため、より均質な予混合気を形成することができる。また、低オクタン価燃料と空気とが混ざり合う時間が十分にあるため、スモーク発生量をより低減させることができる。
上記内燃機関において、前記第1の燃料噴射弁は、前記燃焼室内に新気を供給する吸気ポート内に燃料を噴射するポート噴射弁であるとしてもよい。
この構成によれば、第1の燃料噴射弁はシリンダヘッドに設置されないため、シリンダヘッドの設計自由度を向上させることができる。
また、上記内燃機関において、前記制御部は、さらに、前記第1の燃料噴射弁による燃料噴射によって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火燃焼を行う第2の運転モードを有するとしてもよい。
第2の運転モードによれば、燃焼室内に供給されるすべての燃料を圧縮自着火燃焼させることによって、大気汚染物質排出量低減および燃料消費量低減の効果をより多く得ることができる。
また、上記内燃機関において、前記制御部は、さらに、前記吸気弁の開弁期間内において前記第1と第2の燃料噴射弁の両方を用いて第1の燃料噴射を行うことによって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行う第3の運転モードを有するとしてもよい。
第3の運転モードによれば、吸気弁の開弁期間内において燃焼室内に低オクタン価燃料および高オクタン価燃料が供給され、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とを含む予混合気が形成される。低オクタン価燃料噴射量と高オクタン価燃料噴射量との割合を変化させることによって、燃焼室内に形成される予混合気の耐ノック性を変化させることができ、予混合気の自着火タイミングをコントロールすることができる。従って、より適した時期に自着火燃焼を行わせることができる。
また、上記内燃機関において、前記制御部は、さらに、前記吸気弁の開弁期間内において前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料噴射を行うと共に、圧縮行程後半において前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行うことによって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第3の燃料噴射を行う第4の運転モードを有するとしてもよい。
第4の運転モードによれば、圧縮行程後半に噴射された高オクタン価燃料は、燃焼室中心付近で成層燃焼する。従って、冷却損失低減による燃料消費量低減の効果を得ることができる。
また、上記内燃機関において、前記ピストン頂面に凹部が形成されており、
前記制御部は、さらに、前記吸気弁の開弁期間内において前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料噴射を行うと共に、圧縮行程前半において前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行うことによって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第3の燃料噴射を行う第5の運転モードを有するとしてもよい。
第5の運転モードによれば、圧縮行程前半に噴射された高オクタン価燃料は、ピストン頂面に形成された凹部内に良好に保持され、そのまま成層燃焼する。また、噴射された高オクタン価燃料は低沸点で気化しやすい上に、圧縮行程前半における高オクタン価燃料噴射から成層燃焼までに比較的時間があるため、燃料と空気との混合がより進行する。従って、冷却損失低減による燃料消費量低減の効果を得ることができると共に、サイクル間変動の低減およびスモーク低減の効果を得ることができる。
上記内燃機関において、前記制御部は、前記内燃機関の負荷に応じて運転モードの切り替えを行うとしてもよい。
この構成によれば、内燃機関の負荷に応じた最適な運転モードを選択することができ、広い運転領域で予混合圧縮自着火燃焼方式による運転を行うことができると共に、予混合圧縮自着火燃焼方式のメリットをより多く得ることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、内燃機関や、内燃機関の運転方法、内燃機関の燃料噴射装置、内燃機関の燃料噴射方法等の態様で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例としてのエンジン100の構成を概念的に示した説明図である。図1には、エンジン100のシリンダの中心で断面を取ったときのシリンダの構造が示されている。
このエンジン100の燃焼室は、シリンダブロック140内に設けられた中空円筒形のシリンダ142と、シリンダ142内を上下に摺動するピストン144と、シリンダブロック140の上部に設けられたシリンダヘッド130とによって形成されている。なお、シリンダブロック140とシリンダヘッド130とで構成される筒状体を、広義の「シリンダ」と呼ぶ。各燃焼室には、燃焼室の内圧(「筒内圧」とも呼ばれる)を測定するための筒内圧センサ36(「燃焼圧センサ」とも呼ぶ)が設けられている。また、本明細書においては、シリンダ142の中心軸に沿って、ピストン144がシリンダヘッド130に近づく方向を上方向と、ピストン144がシリンダヘッド130から離れる方向を下方向として説明する。
シリンダヘッド130には、吸入空気が流入する吸気ポート133の開口部を開閉する吸気弁132と、排気ガスが流出する排気ポート135の開口部を開閉する排気弁134と、点火プラグ136と、燃焼室内に高オクタン価燃料の燃料噴霧を噴射する高オクタン価燃料用燃料噴射弁72とが設けられている。
吸気弁132および排気弁134は、それぞれ電動アクチュエータ162,164で駆動されている。電動アクチュエータ162,164は、任意のタイミングでそれぞれの吸気弁132および排気弁134を開閉することが可能である。なお、電動アクチュエータの代わりに、油圧アクチュエータやカム機構などの他の種類の可変動弁機構によって吸気弁132および排気弁134を駆動してもよい。
また、高オクタン価燃料用燃料噴射弁72には、高オクタン価燃料タンク76に貯留された高オクタン価燃料が燃料ポンプ74によって供給される。
吸気ポート133には、吸気ポート133内に低オクタン価燃料の燃料噴霧を噴射する低オクタン価燃料用燃料噴射弁82が設けられている。低オクタン価燃料用燃料噴射弁82には、低オクタン価燃料タンク86に貯留された低オクタン価燃料が燃料ポンプ84によって供給される。
以上説明したように、エンジン100は、高オクタン価燃料および低オクタン価燃料の2種類の燃料を用いて運転を行うエンジンである。高オクタン価燃料は、通常は比較的低沸点であり、耐ノック性に優れると共に気化しやすい性質を有している。一方、低オクタン価燃料は、通常は比較的高沸点であり、着火性に優れると共に気化しにくい性質を有している。
吸気ポート133には吸入空気を導く吸気通路12が接続されており、排気ポート135には排気ガスが通過する排気通路16が接続されている。排気通路16の下流には、排気ガスに含まれる大気汚染物質を浄化するための触媒26と、過給器50のタービン52とが設けられている。排気通路16内を通過する排気ガスはタービン52を回転させた後、大気に放出される。また、吸気通路12には、過給器50のコンプレッサ54が設けられている。コンプレッサ54は、シャフト56を介してタービン52に接続されており、排気ガスによってタービン52が回転するとコンプレッサ54も回転する。その結果、コンプレッサ54はエアクリーナ20から吸い込んだ空気を加圧した後、吸気ポート133に向かって圧送する。
コンプレッサ54で加圧すると空気温度が上昇するので、吸入空気を冷却するために、コンプレッサ54の下流側にはインタークーラ62が設けられている。また、吸気通路12内にはサージタンク60や、スロットル弁22も設けられている。サージタンク60は、燃焼室が空気を吸い込んだときに生じる圧力波を緩和させる作用を有しており、またスロットル弁22は電動アクチュエータ24によって適切な開度に設定されて、吸入空気量を調整する機能を有している。
ピストン144は、コネクティングロッド146を介してクランクシャフト148に接続されており、クランクシャフト148には、クランク角度を検出するクランク角センサ32が取り付けられている。
このエンジン100の動作は、エンジン制御ユニット(以下、ECU)30によって制御されている。ECU30は、エンジン回転速度Neやアクセル開度θac、筒内圧Psを検出し、これらに基づいてスロットル弁22の開度の制御や、点火プラグ136の点火タイミング制御、燃料噴射弁72,82の燃料噴射制御、燃料ポンプ74,84の制御を実行する。エンジン回転速度Neはクランク角センサ32によって検出され、アクセル開度θacはアクセルペダルに内蔵されたアクセル開度センサ34によって検出される。また、筒内圧Psは、前述のとおり、筒内圧センサ36によって検出される。
図2は、第1実施例における、エンジン100のシリンダの断面を拡大して示す説明図である。前述のようにシリンダヘッド130には、高オクタン価燃料用燃料噴射弁72が設けられており、また吸気ポート133には、低オクタン価燃料用燃料噴射弁82が設けられている。
図3は、第1実施例におけるエンジン100の動作の一例を概念的に示した説明図である。エンジン100は、シリンダ142内でピストン144を上下動させながら、吸気弁132および排気弁134の2つのバルブを適切なタイミングで開閉させると共に、高オクタン価燃料用燃料噴射弁72および低オクタン価燃料用燃料噴射弁82から適切なタイミングで燃料を噴射させながら、燃料と空気との混合気を燃焼させることによって動力を取り出している。
ピストン144が一番上にある状態(上死点)から、吸気弁132を開きながらピストン144を下降させると、吸気弁132から燃焼室内に空気が流入して吸気行程が開始される。図3(a)では、吸気ポート133から燃焼室内に空気が流入している様子を矢印で表している。このとき、空気の流入に合わせて、低オクタン価燃料用燃料噴射弁82から低オクタン価燃料を吸気ポート133内に噴射する。図3(a)では、噴射された低オクタン価燃料噴霧をハッチングを付して表している。噴射された低オクタン価燃料噴霧は、吸入空気と共に燃焼室内に流入する。
燃焼室内に流入した吸入空気および低オクタン価燃料噴霧は、その後、燃焼室内で攪拌され、燃焼室内にほぼ均一な密度で分散して混合気を形成する。ピストン144が一番下まで下がりきった状態(下死点)になるのに合わせて吸気弁132を閉じられ、ピストン144を上昇させて圧縮行程が開始される。図3(b)では、圧縮行程においてピストン144が上昇している様子を示しており、また、均一な密度で分散した低オクタン価燃料の混合気をハッチングを付して表している。
圧縮行程では、燃焼室内に形成された低オクタン価燃料の予混合気は断熱圧縮されるので、ピストン144の上昇と共に、急激に温度が上昇していく。そして、ほぼピストン144が上死点まで上昇した時点で、低オクタン価燃料の予混合気は自着火温度に達し、燃焼室内の予混合気がほぼ同時に自着火し、速やかに燃焼が完了する。図3(c)では、燃焼室内の低オクタン価燃料の予混合気が、ピストン144上死点付近において、自着火燃焼している様子を示している。燃焼室内の圧力は、予混合気の自着火燃焼によってさらに高くなり、その結果、ピストン144を強い力で押し下げる。このようにしてエンジン100は膨張行程を開始する。
低オクタン価燃料の予混合気が自着火燃焼した後に、高オクタン価燃料用燃料噴射弁72から高オクタン価燃料を燃焼室内に噴射する。図3(d)では、高オクタン価燃料を燃焼室内に噴射している様子を示している。図3(d)では、噴射された高オクタン価燃料噴霧を細かいハッチングを付して表しており、また、低オクタン価燃料の予混合気が自着火燃焼した後の燃焼ガスを粗いハッチングを付して表している。
本実施例において使用する高オクタン価燃料は低沸点であるので、燃焼室内に噴射された高オクタン価燃料噴霧は、高温の燃焼ガスにより熱せられて直ちに気化し、拡散しながら燃焼ガス内の空気と混ざり合って高オクタン価燃料の混合気を形成する。形成された高オクタン価燃料の混合気は、燃焼に最も適した空燃比の部分で自着火燃焼し、自着火燃焼で発生した火炎に、後から噴射された燃料が供給されながら燃焼が進行する。このように、燃焼室内に噴射された高オクタン価燃料噴霧は拡散燃焼する。図3(e)では、高オクタン価燃料の混合気(細かいハッチングを付して表す)が、拡散燃焼している様子を表している。なお、図3(d)と同様に、図3(e)では、燃焼ガスを粗いハッチングを付して表している。高オクタン価燃料の拡散燃焼によって、燃焼室内の圧力は一層高くなり、その結果、ピストン144をさらに強い力で押し下げる。
ピストン144は、燃焼室内の圧力によって下死点まで下降すると上昇に転ずる。このとき排気弁134が開き、排気行程が開始される。燃焼室内の燃焼ガスは、ピストン144によって押し出されるように排気弁134から排出される。図3(f)では、燃焼ガス(ハッチングを付して示す)が排気弁134から排出されている様子を示している。ピストン144が上死点まで上昇し、燃焼ガスをほとんど排出し終えると、排気弁134が閉じ、図3(a)に示す吸気行程に移行する。
図4は、第1実施例におけるエンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図である。図4では、横軸にクランク角をとり、低オクタン価燃料の燃料噴射量の推移および高オクタン価燃料の燃料噴射量の推移を示している。BDCは下死点を、TDCは上死点を、それぞれ表している。
図4に示すように、第1実施例におけるエンジン100は、下死点(BDC)より前の吸気行程において、低オクタン価燃料を噴射している。また、上死点(TDC)付近で低オクタン価燃料が自着火燃焼した後に、高オクタン価燃料を噴射している。
このような燃料噴射制御を行うことにより、図3を用いて前述したように、低オクタン価燃料は上死点付近で圧縮自着火燃焼すると共に、高オクタン価燃料は低オクタン価燃料の自着火燃焼後に拡散燃焼する。
低オクタン価燃料が圧縮自着火燃焼することによって、大気汚染物質(窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素)排出量の低減および燃料消費量の低減の効果を得ることができる。圧縮自着火燃焼によりこのような効果が得られるのは、等容度の向上、空気過剰率の増加、比熱比の増大の3つの要因によるものと考えられる。このことについて、以下に詳細に説明する。
まず、等容度の向上について説明する。等容度は、燃焼室内の混合気をいかに素早く燃焼させることができるかを表す指標である。混合気が上死点前に燃焼すると圧力が上昇し始めた混合気をピストンが圧縮することになり、動力として取り出すことのできる仕事が減少する。同様に、混合気が上死点後に燃焼すると燃焼室内の圧力が十分に高くならないままピストンが下降し始めるため、動力として取り出すことのできる仕事が減少する。従って、燃焼室内の混合気を素早く燃焼させ、理論サイクルの上死点における燃焼に近づけるほど、動力として取り出すことのできる仕事量が増加する。
この点で、予混合圧縮自着火燃焼方式では、すべての混合気をほぼ同時に自着火燃焼させることができるので、火炎伝搬により燃焼室内の混合気を燃焼させていく火花点火燃焼方式や、燃料液滴の表面から燃料を蒸発させながら燃焼させる拡散燃焼方式と比較して遙かに短い時間で燃焼を完了させることができる。この結果、予混合圧縮自着火燃焼方式は、等容度を向上させることができ、同じ燃料量の混合気を燃焼させても、より多くの仕事を取り出すことが可能となり、その分燃料消費量を低減させることができる。
次に、空気過剰率の増加について説明する。空気過剰率とは、混合気中に含まれる空気量と燃料量との割合を示す指標であり、空気過剰率が「1」とは、混合気に含まれる空気と燃料とが互いに過不足無く燃焼する比率であることを意味している。混合気の燃焼速度は、空気過剰率が「1」の付近で最大となり、空気過剰率が大きくなるほど燃焼速度は低下する。火花点火燃焼方式では、混合気全体の燃焼開始から燃焼完了までの時間を短縮するために、燃焼部分の燃焼速度を高くする必要があり、空気過剰率をあまり大きく設定することはできない。また拡散燃焼方式では、最も自着火しやすい空気過剰率「1」付近の部分で燃焼する。一方、予混合圧縮自着火燃焼方式では、十分に温度を上げて燃焼室内の混合気をほぼ同時に自着火燃焼させるので、短時間で混合気全体の燃焼を完了させることができ、従って、自着火可能な範囲で空気過剰率を大きな値に設定することができる。
空気過剰率を大きな値に設定すると、燃焼部分の燃焼温度が低下するので、混合気が局所的に高温にさらされることにより発生する窒素酸化物の排出量を大きく低減させることができる。また、空気過剰率を大きな値に設定すると、燃料に対して酸素が不足した条件で燃焼することによって発生する一酸化炭素の排出量についても大きく低減させることができる。従って、予混合圧縮自着火燃焼方式では、これらの大気汚染物質の排出量を大きく低減することができる。
次に、比熱比の増大について説明する。前述したように、予混合圧縮自着火燃焼方式では空気過剰率を大きな値に設定することができる。空気過剰率が大きいとは、すなわち、燃焼室内の混合気中に占める空気の割合が大きいということである。従って、燃焼室内の混合気の比熱比を大きくすることができる。
ここで、吸入、圧縮、膨張(燃焼)、排気を繰り返して運転を行う内燃機関の効率は、混合気の比熱比が大きいほど良い値となる。従って、比熱比が大きいほど燃料消費量は低減される。このように、予混合圧縮自着火燃焼方式では、比熱比の増大により燃料消費量を低減することができる。
また、低オクタン価燃料は、燃焼室内に供給されてから自着火燃焼するまでに、空気と混合する十分な時間が与えられる。従って、燃料が空気と接触できないまま熱せられることが原因となって発生するスモークについても発生量を低減することができる。
さらに、高オクタン価燃料が拡散燃焼することによって、スモーク低減と燃焼音低減の効果を得ることができる。すなわち、本実施例におけるエンジン100に用いる高オクタン価燃料は低沸点であり気化しやすい。従って、高オクタン価燃料が燃焼室内に噴射されると、直ちに気化して周囲の空気と十分混合されるため、スモークの発生量が低減される。また、高オクタン価燃料は、低オクタン価燃料が上死点付近で自着火燃焼した後に、燃焼室内に噴射され拡散燃焼するため、低オクタン価燃料の燃焼と高オクタン価燃料の燃焼との間に時間差ができることになり、エンジンの燃焼音が低減される。
なお、図4では、高オクタン価燃料の燃料噴射開始時期を上死点(TDC)の後の膨張行程内となるように表しているが、高オクタン価燃料の噴射開始時期は低オクタン価燃料の自着火燃焼の後であればよく、上死点の前であってもよい。また、熱効率の観点から、高オクタン価燃料の噴射開始時期は、遅くとも上死点後20度までであることが好ましい。
一方、同じく図4では、低オクタン価燃料の噴射開始時期を吸気行程内となるように表しているが、低オクタン価燃料の噴射開始時期は吸気弁132が開弁しているときであればいつでもよい。ただし、低オクタン価燃料の噴射開始時期が早い(進角側)ほど、燃料噴射から自着火燃焼までの時間が長く、燃料と空気との混合がより進み、大気汚染物質排出量やスモーク発生量をより低減することができるため、好ましい。
以上説明したように、エンジン100は、燃料噴射制御を行うことによって、燃焼室内の燃焼形態や燃焼時期を制御することができる。なお、本明細書において、1つの運転領域で行われる、燃焼室内の燃焼形態や燃焼時期等を含むエンジンの運転方法を「運転モード」とも呼ぶ。
運転モードは、エンジンの負荷に応じて切り替えを行うことが好ましい。図5は、第1実施例におけるエンジン100の運転モードの一例を示すマップである。図5の例では、低負荷運転時には、低オクタン価燃料の自着火燃焼のみにより運転を行う運転モードを採用している。すなわち、図4において、低オクタン価燃料噴射は行うが、高オクタン価燃料噴射は行わないように燃料噴射制御を行っている。低負荷運転時には、安定した自着火燃焼を行う必要があり、また、燃焼室内に供給される燃料量が比較的少なく過早着火による激しい燃焼音の発生の恐れも少ないため、着火性の良い低オクタン価燃料のみにより自着火燃焼を行っている。
一方、高負荷運転時には、低オクタン価燃料の自着火燃焼に加えて、高オクタン価燃料の拡散燃焼を行うことにより運転を行う運転モードを採用している。すなわち、図4において、低オクタン価燃料噴射および高オクタン価燃料噴射の両方を行うように燃料噴射制御を行っている。
高負荷運転時には、燃焼室内に供給される燃料量が増加し、それに応じて空気量も増加するため、燃焼室内の圧力が増加する。従って、燃焼室内の予混合気は、より少ない圧縮によって自着火燃焼を起こしやすくなる。そのため、高負荷運転時に低オクタン価燃料の自着火燃焼のみによって運転を行う運転モードを採用すると、過早着火による激しい燃焼音の発生を招く恐れがある。
そこで、高負荷運転時には、過早着火を起こさないような量の低オクタン価燃料を供給して、安定した自着火燃焼による燃焼エネルギーを得ると共に、残りの必要な燃焼エネルギーを、耐ノック性に優れた高オクタン価燃料の拡散燃焼により得る。このような運転モードを採用することによって、高負荷運転時においても、過早着火による激しい燃焼音を発生させることなく、予混合圧縮自着火燃焼方式のメリットを最大限利用することができるような運転を行うことができる。
以上説明したように、本実施例のエンジン100は、予混合圧縮自着火燃焼方式の利点を損なうことなく、高負荷運転時の燃焼音を抑制し、広い運転領域において予混合圧縮自着火燃焼方式による運転を行うことができる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における、エンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図である。図6では、図4と同様に、横軸にクランク角をとり、低オクタン価燃料の燃料噴射量の推移および高オクタン価燃料の燃料噴射量の推移を示している。図4に示した第1実施例との違いは、高オクタン価燃料噴射を吸気行程においても行っていることであり、その他は第1実施例と同じである。
吸気行程において噴射された高オクタン価燃料は、同じく吸気行程において噴射された低オクタン価燃料と混ざり合って、燃焼室内で攪拌され、燃焼室内にほぼ均一な密度で分散して予混合気を形成する。この予混合気は、第1実施例と同様に、ピストン144によって圧縮され、自着火燃焼する。ここで、この予混合気は、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とが含まれているため、低オクタン価燃料のみによって形成された予混合気と比較して耐ノック性が良好であり、自着火燃焼しにくくなっている。従って、燃焼室内がより高温高圧になったときに自着火条件に達して自着火燃焼する。このように、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料の割合を変化させることによって、燃焼室内の予混合気の耐ノック性を変化させ、予混合気の自着火タイミングをコントロールすることができる。
図7は、第2実施例におけるエンジン100の運転モードの一例を示すマップである。図7の例では、低負荷運転時には、第1実施例と同様に、低オクタン価燃料の自着火燃焼のみにより運転を行う運転モードを採用している。すなわち、図6において、低オクタン価燃料噴射のみを行うように燃料噴射制御を行っている。
一方、中負荷運転時には、低オクタン価燃料の自着火燃焼に加えて、高オクタン価燃料の自着火燃焼により運転を行う運転モードを採用している。すなわち、図6において、吸気行程に、低オクタン価燃料噴射に加えて高オクタン価燃料噴射も行うように燃料噴射制御を行っている。
前述したように、負荷が増加すると、燃焼室内の予混合気は、より少ない圧縮によって自着火燃焼を起こしやすくなる。従って、負荷が増加したときに、低オクタン価燃料の自着火燃焼のみにより運転を行う運転モードを採用すると、第1実施例と同様に、過早着火による激しい燃焼音の発生を招く恐れがある。また、予混合気の自着火のタイミングは、上死点付近が最も望ましく、上死点より一定以上進角側または遅角側で自着火が発生することは、熱効率の面でも好ましくない。
そこで、中負荷運転時には、吸気行程において、低オクタン価燃料噴射および高オクタン価燃料噴射を行い、低オクタン価燃料噴射量と高オクタン価燃料噴射量との割合を、負荷に応じて変化させることが好ましい。すなわち、負荷が増加するほど、高オクタン価燃料の噴射量の割合を増加させることが好ましい。このようにすれば、負荷に応じて燃焼室内の予混合気の耐ノック性が変化するため、常に上死点付近で予混合気の自着火を発生させることが可能になる。従って、より広い運転領域において、過早着火による激しい燃焼音を発生させることなく、予混合圧縮自着火燃焼方式の利点をより生かした運転を行うことができる。
なお、さらに高負荷運転時には、低オクタン価燃料および高オクタン価燃料の自着火燃焼に加えて、第1実施例と同様に、高オクタン価燃料の拡散燃焼により運転を行う運転モードを採用している。本実施例では、第1実施例と比較して、全燃焼エネルギーに占める自着火燃焼による燃焼エネルギーの割合を高くすることができる。従って、圧縮自着火燃焼方式の利点をより多く得ることができる。
C.第3実施例:
図8は、第3実施例における、エンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図である。図8では、図4と同様に、横軸にクランク角をとり、低オクタン価燃料の燃料噴射量の推移および高オクタン価燃料の燃料噴射量の推移を示している。図4に示した第1実施例との違いは、高オクタン価燃料噴射を圧縮行程後半においても行っていることであり、その他は第1実施例と同じである。
圧縮行程後半において、噴射された高オクタン価燃料は、直ちに気化して周囲の空気と混合する。その後すぐにピストン144が上死点(TDC)付近まで上昇するため、高オクタン価燃料の混合気は、燃焼室内に均質に形成された低オクタン価燃料の予混合気と混じり合うだけの時間もないまま自着火温度に達し、燃焼室中心付近で自着火燃焼する。すなわち、圧縮行程後半に噴射された高オクタン価燃料の自着火燃焼は、燃焼室内に局所的に燃料濃度のより高い混合気を形成する燃焼方式であり、「成層燃焼」とも呼ばれる。
高オクタン価燃料が燃焼室中心付近で成層燃焼することにより、シリンダ壁面からの冷却損失が低減され、内燃機関の熱効率が向上し、燃料消費量低減の効果を得ることができる。
図9は、第3実施例におけるエンジン100の運転モードの一例を示すマップである。図9の例では、低負荷運転時には、第1実施例と同様に、低オクタン価燃料の自着火燃焼のみにより運転を行う運転モードを採用している。すなわち、図8において、低オクタン価燃料噴射のみを行うように燃料噴射制御を行っている。
一方、中負荷運転時には、低オクタン価燃料の自着火燃焼に加えて高オクタン価燃料の成層燃焼も行う運転モードを採用している。すなわち、図8において、吸気行程に低オクタン価燃料噴射を行うと共に、圧縮行程後半に高オクタン価燃料噴射を行うように燃料噴射制御を行っている。
中負荷運転時に低オクタン価燃料の自着火燃焼のみを行う運転モードを採用すると、第1実施例と同様に、過早着火による激しい燃焼音の発生を招く恐れがある。そこで、中負荷運転時には、過早着火を起こさない量の低オクタン価燃料を供給して安定した自着火燃焼を行うと共に、必要燃焼エネルギーの残りを高オクタン価燃料の成層燃焼により得る。このようにして、より負荷の高い運転領域まで圧縮自着火燃焼による運転を行うことができる。また、高オクタン価燃料が成層燃焼することにより、シリンダ壁面からの冷却損失が低減され、内燃機関の熱効率が向上し、燃料消費量の低減を行うことができる。
なお、さらに高負荷時には、低オクタン価燃料の自着火燃焼および高オクタン価燃料の成層燃焼に加えて、第1実施例と同様に、高オクタン価燃料の拡散燃焼も行う運転モードを採用している。
D.第4実施例:
図10は、第4実施例における、エンジン100のシリンダの断面を拡大して示す説明図である。図2に示した第1実施例との違いは、ピストン144の頂面に凹部(キャビティ)145が形成されていることである。それ以外の構成は、第1実施例と同じである。
図11は、第4実施例における、エンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図である。図11では、図8と同様に、横軸にクランク角をとり、低オクタン価燃料の燃料噴射量の推移および高オクタン価燃料の燃料噴射量の推移を示している。図8に示した第3実施例との違いは、第3実施例では圧縮行程後半に噴射していた分の高オクタン価燃料を、本実施例では圧縮行程前半に噴射していることであり、その他は第3実施例と同じである。
圧縮行程前半における高オクタン価燃料の噴射は、高オクタン価燃料用燃料噴射弁72により、直接シリンダ内に行われるため、噴射された高オクタン価燃料は、ピストン144の頂面に設けられた凹部145に到達し、凹部145内に良好に保持される。また、高オクタン価燃料は低沸点であるため、直ちに気化して周囲の空気と混合し、凹部145内に高オクタン価燃料の混合気を形成する。そして、ピストン144が上死点(TDC)付近まで上昇すると、凹部145内の高オクタン価燃料混合気は、自着火温度に達して凹部145内で自着火燃焼する。すなわち、本実施例においても、第3実施例と同様に、圧縮行程前半に噴射された高オクタン価燃料は成層燃焼する。
さらに、本実施例では、圧縮行程前半における高オクタン価燃料の噴射から、上死点付近における高オクタン価燃料の成層燃焼までに、比較的時間があることから、燃料と空気との混合がより進行する。
従って、本実施例においては、圧縮行程前半に噴射された高オクタン価燃料が凹部145内で成層燃焼することにより、第3実施例と同様に燃料消費量低減の効果を得ることができると共に、サイクル間変動低減およびスモーク低減の効果を得ることができる。
E.第5実施例:
図12は、第5実施例における、エンジン100のシリンダの断面を拡大して示す説明図である。図2に示した第1実施例との違いは、低オクタン価燃料用燃料噴射弁82の位置である。すなわち本実施例では、低オクタン価燃料用燃料噴射弁82は、直接燃焼室内に低オクタン価燃料を噴射できるようにシリンダヘッド130に設けられている。それ以外の構成は、第1実施例と同じである。
図13は、第5実施例における、エンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図である。図13では、図4と同様に、横軸にクランク角をとり、低オクタン価燃料の燃料噴射量の推移および高オクタン価燃料の燃料噴射量の推移を示している。図4に示した第1実施例との違いは、第1実施例では吸気行程に噴射していた低オクタン価燃料を、本実施例では圧縮行程に噴射していることであり、その他は第1実施例と同じである。
本実施例では、低オクタン価燃料用燃料噴射弁82が、直接燃焼室内に低オクタン価燃料を噴射できる位置に設けられているため、吸気弁132が閉じている圧縮行程においても、低オクタン価燃料を燃焼室内に噴射することが可能である。従って、低オクタン価燃料の燃料噴射時期の自由度を向上させることができる。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
各実施例では、エンジン100の運転モードのマップを示して説明したが、これらは単なる一例であり、運転領域の区分はこれら以外の種々の区分が可能であり、また運転モードはこれら以外の種々の運転モードの採用が可能である。
本発明の第1実施例としてのエンジン100の構成を概念的に示した説明図。 第1実施例におけるエンジン100のシリンダの断面を拡大して示す説明図。 第1実施例におけるエンジン100の動作の一例を概念的に示した説明図。 第1実施例におけるエンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図。 第1実施例におけるエンジン100の運転モードの一例を示すマップ。 第2実施例におけるエンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図。 第2実施例におけるエンジン100の運転モードの一例を示すマップ。 第3実施例におけるエンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図。 第3実施例におけるエンジン100の運転モードの一例を示すマップ。 第4実施例におけるエンジン100のシリンダの断面を拡大して示す説明図。 第4実施例におけるエンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図。 第5実施例におけるエンジン100のシリンダの断面を拡大して示す説明図。 第5実施例におけるエンジン100の燃料噴射制御の一例を概略的に示す説明図。
符号の説明
12...吸気通路
16...排気通路
20...エアクリーナ
22...スロットル弁
24...電動アクチュエータ
26...触媒
32...クランク角センサ
34...アクセル開度センサ
36...筒内圧センサ
50...過給器
52...タービン
54...コンプレッサ
56...シャフト
60...サージタンク
62...インタークーラ
72...高オクタン価燃料用燃料噴射弁
74...燃料ポンプ
76...高オクタン価燃料タンク
82...低オクタン価燃料用燃料噴射弁
84...燃料ポンプ
86...低オクタン価燃料タンク
100...エンジン
130...シリンダヘッド
132...吸気弁
133...吸気ポート
134...排気弁
135...排気ポート
136...点火プラグ
140...シリンダブロック
142...シリンダ
144...ピストン
145...凹部
146...コネクティングロッド
148...クランクシャフト
162,164...電動アクチュエータ

Claims (8)

  1. 予混合圧縮自着火運転が可能な内燃機関であって、
    シリンダとピストンとで構成される燃焼室と、
    前記燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁と、
    低オクタン価燃料を噴射する第1の燃料噴射弁と、
    高オクタン価燃料を前記燃焼室内に直接噴射する第2の燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の運転を制御するための制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料噴射によって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行う第1の運転モードを有する、内燃機関。
  2. 請求項1記載の内燃機関であって、
    前記第1の運転モードにおける前記第1の燃料噴射は、前記吸気弁の開弁期間内に行われる、内燃機関。
  3. 請求項2記載の内燃機関であって、
    前記第1の燃料噴射弁は、前記燃焼室内に新気を供給する吸気ポート内に燃料を噴射するポート噴射弁である、内燃機関。
  4. 請求項1記載の内燃機関であって、
    前記制御部は、さらに、前記第1の燃料噴射弁による燃料噴射によって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火燃焼を行う第2の運転モードを有する、内燃機関。
  5. 請求項1記載の内燃機関であって、
    前記制御部は、さらに、前記吸気弁の開弁期間内において前記第1と第2の燃料噴射弁の両方を用いて第1の燃料噴射を行うことによって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行う第3の運転モードを有する、内燃機関。
  6. 請求項1記載の内燃機関であって、
    前記制御部は、さらに、前記吸気弁の開弁期間内において前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料噴射を行うと共に、圧縮行程後半において前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行うことによって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第3の燃料噴射を行う第4の運転モードを有する、内燃機関。
  7. 請求項1記載の内燃機関であって、
    前記ピストン頂面に凹部が形成されており、
    前記制御部は、さらに、前記吸気弁の開弁期間内において前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料噴射を行うと共に、圧縮行程前半において前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料噴射を行うことによって前記燃焼室内に予混合気を形成し、前記予混合気の圧縮自着火の後に、前記第2の燃料噴射弁による第3の燃料噴射を行う第5の運転モードを有する、内燃機関。
  8. 請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の内燃機関であって、
    前記制御部は、前記内燃機関の負荷に応じて運転モードの切り替えを行う、内燃機関。
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