JP2005053825A - 点眼点鼻用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 デスロラタジンを含有する点眼用組成物及び/または点鼻用組成物であって、点眼、点鼻時に刺激性が少ない点眼点鼻用組成物を提供する。
【解決手段】 抗アレルギー性を有する点眼点鼻用組成物において、デスロラタジン(4-(8-choloro-5,6-dihydro-11H-benzo[5,6]cycloheptal[1,2-b]pyridin-11-ylidene)pipe)、及びシクロデキストリン類を含有し、デスロラタジンの含有量は組成物全体に対して0.01重量%以上4.0重量%以下であり、シクロデキストリン類の含有量はデスロラタジンに対して10倍以上30倍以下として点眼点鼻用組成物を得る。
【解決手段】 抗アレルギー性を有する点眼点鼻用組成物において、デスロラタジン(4-(8-choloro-5,6-dihydro-11H-benzo[5,6]cycloheptal[1,2-b]pyridin-11-ylidene)pipe)、及びシクロデキストリン類を含有し、デスロラタジンの含有量は組成物全体に対して0.01重量%以上4.0重量%以下であり、シクロデキストリン類の含有量はデスロラタジンに対して10倍以上30倍以下として点眼点鼻用組成物を得る。
Description
本発明は眼または鼻のアレルギー疾患の治療に有用な点眼点鼻用組成物に関する。
従来、デスロラタジンは抗アレルギー性剤として有効であることが知られている。このような抗アレルギー性を有するデスロラタジンは、アレルギー性の症状の処置、鎮静等のために経口投与用の薬剤として用いられている(特許文献1参照)。
特開2001-206846号公報
眼または鼻等の局所アレルギーは、全身症状とこれらの局所症状が関連する事も多く、この様な場合は抗アレルギー剤の経口投与が効果的である。しかしながら、アレルギー症状が眼や鼻の症状に著明に発現し、全身的には異常が殆どないこともある。この様な場合には、症状を発現している局所に直接投与する点眼若しくは点鼻の投与法の方が効果発現が速やかで効果的であり、しかも投与量を極端に軽減できる。上述したデスロラタジンは水に溶けやすい化合物であり、水溶性製剤を容易に調製することが可能である。しかしながら、デスロラタジンの水溶液は眼粘膜等に対して強い刺激感があり、点眼剤としての使用には耐えられない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、デスロラタジンを含有する点眼用組成物及び/または点鼻用組成物であって、点眼、点鼻時に刺激性が少ない点眼点鼻用組成物を提供することを技術課題とする。
本発明の点眼点鼻用組成物によれば、抗アレルギー性を有しつつ点眼、点鼻時における刺激を抑えることができる。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、デスロラタジン(4-(8-choloro-5,6-dihydro-11H-benzo[5,6]cycloheptal[1,2-b]pyridin-11-ylidene)pipe)にシクロデキストリン類を配合することにより、眼等の粘膜刺激性を大きく緩和させることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明で使用するシクロデキストリン類としては、α-、β-およびγ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリン硫酸エステル、スルホブチルシクロデキストリンエーテル等が挙げられ、特に好ましくはα-、β-およびγ-シクロデキストリンが挙げられる。これらのシクロデキストリン類を単独、あるいは2種類以上を用いて使用することができる。
本発明で使用するシクロデキストリン類の添加量は、デスロラタジンの濃度により異なるが、点眼点鼻用組成物全体に対して0.01重量%以上10.0重量%以下であり、好ましくは、0.1重量%以上5.0重量%以下である。0.01重量%未満の場合、眼刺激性を抑制することが困難である。また、10.0重量%を超えると菌の繁殖が起こりやすいため、二次汚染等の保存効力が問題となる。なお、眼刺激を効果的に抑制するには、デスロラタジンの含有量に対してシクロデキストリン類の含有量を10倍以上30以下程度にするのが好ましい。また、本発明における点眼点鼻用組成物におけるデスロラタジンの濃度は、投与経路、アレルギー症状などにより異なるが、通常0.01重量%〜4.0重量%程度、望ましくは0.05重量%以上2.0重量%以下程度である。
また、本発明の点眼・点鼻用組成物のpHは、点眼点鼻用組成物として通常用いられるpH範囲内で使用が可能であり、通常pH4.0〜9.0の範囲、望ましくはpH5.0〜8.5の範囲に調製するのがよい。
また、本発明の点眼・点鼻用組成物のpHは、点眼点鼻用組成物として通常用いられるpH範囲内で使用が可能であり、通常pH4.0〜9.0の範囲、望ましくはpH5.0〜8.5の範囲に調製するのがよい。
また、本発明の点眼用組成物には、上記の成分の他、通常点眼点鼻用組成物に用いられる添加剤、例えば保存剤(パラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール等)、等張化剤(塩化ナトリウム、ソルビトール、グリセリン等)、緩衝剤(リン酸塩、ホウ酸、クエン酸塩等)、pH調整剤(塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム等)等を適宜添加してもよい。なお、本発明における点眼点鼻用組成物は、本発明の目的を損なわない限り、デスロラタジン以外の薬効成分を適宜配合する事もできる。
これらの組成物は、点眼または、点鼻用の医薬として一般的に使用されているあらゆる製薬形態で、例えば、水溶液、懸濁液、乳剤、軟膏剤等の形で提供されるが、これら組成物を凍結乾燥後、粉末剤等とし、使用に当たって精製水等で溶解等する形で提供してもよい。また、これらの組成物を経口的に投与しても、胃粘膜への刺激が効果的に低減されることから、有用である。また、成人の患者に点眼用の組成物として用いる場合には、1日1回〜10回程度、1回量1滴〜数滴の点眼で投与するのが好ましい。また、点鼻用の組成物として用いる場合には、1日1回〜10回程度、1回につき1〜2度ほど鼻腔内に噴霧することが好ましい。
<点眼液の調製>
精製水80mLにα-シクロデキストリン等のシクロデキストリン類3.0g、ホウ酸1.0g、塩化ナトリウム0.35gを加え、溶解させる。溶解後、デスロラタジン0.1gを加え、溶解させる。次に防腐剤である塩化ベンザルコニウム0.003gを溶解させる。その後精製水を加えて全量100mLとし、得られた溶液をろ過滅菌して、0.1%デスロラタジン点眼液を調製する。
なお、上述の点眼液の組成及び組成比はこれに限るものでなく、通常の点眼液の調製において適宜決定すればよい。
また、点鼻用の組成物として用いる場合には、点眼液と同様に調整した液を常用のポンプ噴霧器内に充填して用いればよい。
以下に実施例を挙げ、本発明についてさらに詳細に説明し、その効果を示すが、これらの実施例は一例であり、これらにより本発明が限定されるものではない。
<点眼液の調製>
精製水80mLにα-シクロデキストリン等のシクロデキストリン類3.0g、ホウ酸1.0g、塩化ナトリウム0.35gを加え、溶解させる。溶解後、デスロラタジン0.1gを加え、溶解させる。次に防腐剤である塩化ベンザルコニウム0.003gを溶解させる。その後精製水を加えて全量100mLとし、得られた溶液をろ過滅菌して、0.1%デスロラタジン点眼液を調製する。
なお、上述の点眼液の組成及び組成比はこれに限るものでなく、通常の点眼液の調製において適宜決定すればよい。
また、点鼻用の組成物として用いる場合には、点眼液と同様に調整した液を常用のポンプ噴霧器内に充填して用いればよい。
以下に実施例を挙げ、本発明についてさらに詳細に説明し、その効果を示すが、これらの実施例は一例であり、これらにより本発明が限定されるものではない。
実施例1では、デスロラタジンの抗アレルギー作用を確認するための試験を行った。
体重約500gのHartley系雄性モルモットに下記点眼液を1回点眼(1回25μL)し、15分後に、1 mg/mLのヒスタミン溶液50μLを上眼瞼結膜内投与し、アレルギー性結膜炎を誘発させ、直ちに1%エバンスブルー液1mLを静注し、30分後に眼瞼結膜を切除した。摘出組織をホルムアミド4mLに浸漬し、色素を抽出した。620nmにおける吸光度を測定し、血管からの色素漏出量を求めた(合計9眼)。また、上記点眼液に替えて生理食塩水を使用し、同様の試験条件にて色素漏出量を求めた(合計13眼)。抑制率を以下の数式より算出し、抗アレルギー作用を検討した。
抑制率(%)=(1−A/B)×100
A:デスロラタジン点眼液投与群の平均色素漏出量
B:生理食塩液投与群の平均色素漏出量
点眼液の組成:[デスロラタジン(0.1重量%)、ホウ酸(1.0重量%)、α-シクロデキストリン(3.0重量%)、塩化ナトリウム(0.35重量%)、塩化ベンザルコニウム(0.003重量%)]
(試験結果)
生理食塩液投与眼の色素漏出量(平均値±標準誤差)は、2.569±0.160μg/mL(n=9眼)に対してデスロラタジン点眼液投与眼では色素漏出量が0.968±0.104μg/mL (n=13眼)を示し、62.3%の抑制を示し、抗アレルギー剤として有望であることが確認された。
体重約500gのHartley系雄性モルモットに下記点眼液を1回点眼(1回25μL)し、15分後に、1 mg/mLのヒスタミン溶液50μLを上眼瞼結膜内投与し、アレルギー性結膜炎を誘発させ、直ちに1%エバンスブルー液1mLを静注し、30分後に眼瞼結膜を切除した。摘出組織をホルムアミド4mLに浸漬し、色素を抽出した。620nmにおける吸光度を測定し、血管からの色素漏出量を求めた(合計9眼)。また、上記点眼液に替えて生理食塩水を使用し、同様の試験条件にて色素漏出量を求めた(合計13眼)。抑制率を以下の数式より算出し、抗アレルギー作用を検討した。
抑制率(%)=(1−A/B)×100
A:デスロラタジン点眼液投与群の平均色素漏出量
B:生理食塩液投与群の平均色素漏出量
点眼液の組成:[デスロラタジン(0.1重量%)、ホウ酸(1.0重量%)、α-シクロデキストリン(3.0重量%)、塩化ナトリウム(0.35重量%)、塩化ベンザルコニウム(0.003重量%)]
(試験結果)
生理食塩液投与眼の色素漏出量(平均値±標準誤差)は、2.569±0.160μg/mL(n=9眼)に対してデスロラタジン点眼液投与眼では色素漏出量が0.968±0.104μg/mL (n=13眼)を示し、62.3%の抑制を示し、抗アレルギー剤として有望であることが確認された。
実施例2では、眼刺激性試験として、表1に示す処方(1)〜(3)の各溶液を点眼液とし、健康人4名に対して点眼した(なお、表1中の組成物の値は、すべて重量%として表示している)。このときの各溶液(1)〜(3)に対する使用感(刺激性)を評価した。点眼において刺激不快感が無い場合には0、違和感があれば1、僅かに刺激があれば2、痛いと感じれば3、強い刺激(痛み)を感じれば4とした。その結果を表2に示す。
(試験結果)
表2に示すように、シクロデキストリン類を配合していない溶液では、眼刺激性が強く、その刺激性は長時間持続した。一方、シクロデキストリン類を配合したものは、同用量デスロラタジンを含有しているにも関わらず刺激が殆ど無かった。
表2に示すように、シクロデキストリン類を配合していない溶液では、眼刺激性が強く、その刺激性は長時間持続した。一方、シクロデキストリン類を配合したものは、同用量デスロラタジンを含有しているにも関わらず刺激が殆ど無かった。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003285504A JP2005053825A (ja) | 2003-08-04 | 2003-08-04 | 点眼点鼻用組成物 |
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JP2003285504A JP2005053825A (ja) | 2003-08-04 | 2003-08-04 | 点眼点鼻用組成物 |
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JP2003285504A Pending JP2005053825A (ja) | 2003-08-04 | 2003-08-04 | 点眼点鼻用組成物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005053825A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007096733A3 (en) * | 2006-02-22 | 2007-11-08 | Orchid Chemicals & Pharm Ltd | Desloratadine-containing formulation stabilized with cyclodextrin |
WO2019245015A1 (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | 参天製薬株式会社 | デスロラタジン又はその塩を含有する医薬組成物 |
-
2003
- 2003-08-04 JP JP2003285504A patent/JP2005053825A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019245015A1 (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | 参天製薬株式会社 | デスロラタジン又はその塩を含有する医薬組成物 |
JPWO2019245015A1 (ja) * | 2018-06-22 | 2021-06-24 | 参天製薬株式会社 | デスロラタジン又はその塩を含有する医薬組成物 |
JP7337791B2 (ja) | 2018-06-22 | 2023-09-04 | 参天製薬株式会社 | デスロラタジン又はその塩を含有する医薬組成物 |
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