JP2005053766A - オゾン発生装置 - Google Patents

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孝久 鈴木
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Miyuki Masaki
みゆき 正木
Hiroki Murakami
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Abstract

【課題】 オゾン発生性能が良好なオゾン発生装置を提供する。
【解決手段】 高電圧電極に接続された誘電体10と接地電極17とを放電空間26を介して対向させ、その放電空間26に原料ガスを流してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、ギャップ構成用リブ12と接する接地電極17表面に0.1mm以下の厚さの硬質皮膜25を形成したものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、オゾン発生装置に関するものである。
従来のオゾン発生装置は、特許文献1に示されるように、琺瑯引きしたアルミニウム電極をスペーサを介して多段に積層したものが提案されているが、誘電体層としての琺瑯層は、一定の厚さと表面の均一性を得ることは困難である。
また、図7に示すように、冷却ジャケット兼電極40,40間に、ギャップスペーサ41、セラミック誘電体板42、電極板43を順次積層したオゾン発生装置も知られている。
特開平11−310403号公報 特許第2983153号公報
ところで、オゾン発生性能は、放電空間で均一な放電が起こることが重要である。
上述のオゾン発生装置において、接地電極表面は、厚膜誘電体で形成すると冷却性能が悪く、また金属で形成すると放電スパッタによりコンタミネーションが発生する問題がある。
さらに、放電スパッタにより接地電極が削られると、ギャップが不安定となり、放電に偏りが生じるといった問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、オゾン発生性能が良好なオゾン発生装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、誘電体と電極を、放電空間を介して対向させ、その放電空間に原料ガスを流してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、ギャップ構成用リブと接する接地電極表面に0.1mm以下の厚さの硬質皮膜を形成したオゾン発生装置である。
請求項2の発明は、接地電極は、熱伝導率が高い導体金属で形成され、かつ電極表面に硬質皮膜を形成された請求項1記載のオゾン発生装置である。
請求項3の発明は、接地電極材質はアルミニウムであり、硬質皮膜は硬質アルマイトである請求項2記載のオゾン発生装置である。
請求項4の発明は、接地電極には、冷却フィンが設けられる請求項1〜3いずれかに記載のオゾン発生装置である。
請求項5の発明は、接地電極には、水冷ジャケットが設けられる請求項1〜3いずれかに記載のオゾン発生装置である。
本発明によれば、オゾン発生性能が向上するといった優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1〜図3は、空冷式のオゾン発生装置を示し、図1は分解組立斜視図、図2は正面断面図、図3は図2のD部分の詳細断面図を示している。
図1〜図3において、10は、薄板ガラス11からなる誘電体で、その薄板ガラス11の表面に、後述するスクリーン印刷等によりギャップ構成用リブ12が形成される。また、誘電体10の裏面に高電圧電極となるアルミニウムなどの金属膜13が形成される。
この誘電体10,10は、金属膜13,13が対向するように設けられ、その間にゴムやバネ材などの衝撃緩衝材14が設けられる。
金属膜13には、高電圧を印加するためのリード15が設けられる。
この衝撃緩衝材14を挟んで設けた誘電体10,10は、上下の接地電極16,17に収容される。
上下の接地電極16,17には、図1、図2に示すように、誘電体10,10を収容する収容室18と、空気や酸素などの原料ガスを流すための原料ガス供給室19が形成され、また収容室18に位置した外側面には、空冷用の冷却フィン20が多数設けられ、また収容室18に臨んで、発生したオゾンを排出する原料ガス出口管21が接続される。
なお、図1では、上部の接地電極16の収容室18と原料ガス供給室19の詳細を示すべく180°反転した図も示した。
また、下部の接地電極17には、誘電体10、10に形成した金属膜13に高電圧を印加するための給電ターミナル22が原料ガス供給室19に臨んで、接地電極17と絶縁されて設けられ、その端子23にリード15が接続されるようになっている。さらに下部の接地電極17に、原料ガス供給室19に原料ガスを供給する供給口24が設けられる。
さて、誘電体10としての薄板ガラス11は、1mm以下の厚さで、12cm角(10〜15cm角)に形成され、その表面にギャップ構成用リブ12がスクリーン印刷により形成される。
このギャップ構成用リブ12の印刷は、0.3mmの薄板ガラス11にPDP(プラズマディスプレイ)で用いられているペーストを、幅0.5mm以下の0.4mmで印刷し、リブ高さが200μmの高さになるように印刷した後、焼成を行って形成する。これにより、精度は、リブ高さ(放電ギャップ)200μmに対して±10μm以下の精度に保つことができる。
このギャップ構成用リブ12は、図示のように、薄板ガラス11の中心から放射状になるように形成し、原料ガスが、薄板ガラス11の周囲からギャップ構成用リブ12間を通って、中央に集まり、原料ガス出口管21に流れるようにされる。
ギャップ構成用リブ12の形成は、スクリーン印刷の他に、プレス法によっても、或いはエッチングにより形成するようにしてもよい。
また、接地電極16,17の収容室18のギャップ構成用リブ12と接する電極表面には、耐スパッタを目的に0.1mm以下の厚さの硬質皮膜25が形成され、その硬質皮膜25と薄板ガラス11間に放電空間26が形成される。
ここで図4に、図1の要部断面図を示す。
図4に示すように、接地電極17の表面に厚さ0.1mm以下の硬質皮膜25が形成され、硬質皮膜25に対向するよう誘電体板である薄板ガラス11が設けられ、薄板ガラス11は、薄板ガラス11と一体または別体のギャップ構成用リブ12で保持されている。ギャップ構成用リブ12よって形成された硬質皮膜25と薄板ガラス11間のギャップは放電空間26となる。薄板ガラス11の放電空間26とは反対側の面上には、高電圧電極として金属膜13が形成されている。高電圧源50は接地電極17と金属膜13間に電圧印加されるよう接続されている。
本実施の形態では、接地電極17は熱伝導率の高い導体金属で形成され、その導体金属にアルミニウムを用いた。また、硬質皮膜25は硬質アルマイトで形成され、その厚さは20〜30μm程度とした。
次に本発明の作用を説明する。
誘電体10の裏面の金属膜13にターミナル23から高電圧を印加し、上下の接地電極16,17を接地した状態で、供給口24から酸素、空気、酸素フッ化空気などの原料ガスを原料ガス供給室19に供給する。原料ガスは、収容室18から薄板ガラス11と硬質皮膜25間で形成される放電空間26に入り、すなわち、薄板ガラス11の外周からギャップ構成用リブ12にて中心に向かうように流れ、そこでオゾン化されて原料ガス出口管21から排出される。
この放電空間26では、薄板ガラス11が1mm以下と薄く、放電空間26のギャップも200μmで均一であり、沿面放電と無声放電が同時に起こり、また冷却性能が高いため、オゾン発生性能を高くすることが可能となる。
硬質アルマイトで形成した硬質皮膜25は多孔質であり、膜厚を0.1mm以下と薄く形成することで、低電圧印加下では誘電体となるが、放電時における高電圧印加下では絶縁破壊が起こり導電性の高い膜となる。よって、硬質皮膜25に高電圧を印加されても、電極としての機能を果たす。
また、硬質皮膜25を薄く形成し、接地電極17を熱伝導性の高いアルミニウムで形成することで、硬質皮膜25、接地電極17共に、放電によって発生した熱を外部に通しやすくなり、電気特性を損なうことなく効率的に放電空間26の冷却を行うことができる。よって、放電空間26が冷却されることで、オゾンの発生効率を高くすることができる。
さらに、硬質皮膜25は、硬度が高く、放電スパッタによって硬質皮膜25が削られることはない。よって、硬質皮膜25が接地電極17の金属面を覆っているため、接地電極17は放電スパッタから保護される。
接地電極17の放電空間26側表面が保護されるため、放電空間26の距離(薄板ガラス11と硬質皮膜25との距離)が変わらず、放電効率が安定する。また、放電により接地電極17がスパッタされることがないため、金属のコンタミネーションの発生を防止できる。
図5、図6は、本発明の他の実施の形態を示したもので、水冷により接地電極16,17を冷却する形態を示したものである。
先ず、誘電体10として、薄板ガラス11にギャップ構成用リブ12がスクリーン印刷により形成され、その裏面にアルミニウムの金属膜13が形成され、衝撃緩衝材14を挟むように設けられる。
接地電極16、17は、誘電体10,10を収容する収容室18の外側に水冷室27が形成され、接地電極16,17に水冷室27を閉じる蓋体28が設けられ、さらにその蓋体28に冷却水を給排する給排水管29が接続されて水冷ジャケット30が構成される。
蓋体28と接地電極16,17間にはシールリング31が設けられ、また蓋体28に迂回した冷却水路を形成するための仕切板32が設けられる。さらに、蓋体28と接地電極16,17には、原料ガス出口管21を挿通するボス部33が形成される。
この図5,図6の形態においては、接地電極16,17を水冷ジャケット30にて冷却するため、より冷却性能が高くなり、オゾン発生性能をさらに高めることができる。
本発明の一実施の形態を示す分解組立斜視図である。 図1の正面断面図である。 図2の要部詳細断面図である。 図1の要部断面図である。 本発明の他の実施の形態を示す分解組立斜視図である。 図5の正面断面図である。 従来例を示す図である。
符号の説明
10 誘電体
12 ギャップ構成用リブ
13 金属膜
16,17 接地電極
25 硬質皮膜
26 放電空間

Claims (5)

  1. 高電圧電極に接続された誘電体と接地電極とを放電空間を介して対向させ、その放電空間に原料ガスを流してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、ギャップ構成用リブと接する接地電極表面に0.1mm以下の厚さの硬質皮膜を形成したことを特徴とするオゾン発生装置。
  2. 上記接地電極は、熱伝導率が高い導体金属で形成され、かつ電極表面に硬質皮膜を形成した請求項1記載のオゾン発生装置。
  3. 上記接地電極はアルミニウムで形成され、上記硬質皮膜は硬質アルマイトで形成された請求項2記載のオゾン発生装置。
  4. 上記接地電極には、冷却フィンが設けられる請求項1〜3いずれかに記載のオゾン発生装置。
  5. 上記接地電極には、水冷ジャケットが設けられる請求項1〜3いずれかに記載のオゾン発生装置。
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