JP2005052724A - フッ素系ガスの無害化処理方法および無害化処理装置 - Google Patents

フッ素系ガスの無害化処理方法および無害化処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 三フッ化窒素等のフッ素系ガスを安全に無害化処理する方法および無害化処理装置を提供する。
【解決手段】 三フッ化窒素の無害化処理装置1は、(a) 三フッ化窒素との接触反応により、フッ化金属とハロゲンガスと窒素ガスとを生成しうるハロゲン化金属が充填されたセル12、およびこのセル12内を加熱するヒータ13を有する第1反応器11と、(b) 第1反応器11において生成されたハロゲンガスとの接触反応により、ハロゲン化金属と酸素とを生成しうる酸化金属が充填されたセル22、およびこのセル22内を加熱するヒータ23を有する第2反応器21と、(c) 被処理ガスを第1反応器11のセル12内に導入させる導入路31と、(d) 第1反応器11のセル12内を通過する間に生成されたハロゲンガスを第2反応器21のセル22内に導入させる連通路32と、(e) 第2反応器21のセル22内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル22外に排出する排出路33とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、三フッ化窒素(NF3)、フッ化炭素(Cn2n+2;n=1,2,3)、フッ素(F2)、フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガス中のこれらの有毒ガスを分解して無害化するフッ素系ガスの無害化処理方法、およびこれらの方法を好適に実施しうるフッ素系ガスの無害化処理装置に関する。
半導体製造において、ドライエッチングやCVD装置のクリーニング用のガスとして、エッチング特性が優れていることから三フッ化窒素、フッ化炭素、フッ素ガス等のフッ素系ガスが使用されている。昨今のコンピュータを中心とする情報関連機器の需要増大に伴って半導体生産量も飛躍的に上昇し、その製造プロセスにおけるフッ素系ガス使用量の増大により、未反応のフッ素系ガスを含有する廃ガスの排出量も増大している。
フッ素系ガスは、人体に対する毒性が強い上に極めて安定であって容易に分解しないため、フッ素系ガスを含有する廃ガスをそのまま大気中に放出することはできない。また、近年では、フッ素系ガスが地球の温暖化を促進させることも指摘されており、その処理方法が注目されている。
フッ素系ガスの処理方法として、従前は高温燃焼処理が採用されていたが、処理コストが高く運転管理に手間がかかる上に、有害な窒素酸化物やフッ化水素が副生するという問題があった。
そこで、本出願人は前記フッ素系ガスのうちの三フッ化窒素ガスの処理に関する技術を提案した(特許文献1)。
前記技術は、フッ化窒素を塩化カルシウム等のアルカリ土金属ハロゲン化物に接触反応させて塩化カルシウム等の無害なアルカリ土金属フッ化物に分解するというものである。この方法は、低温、常圧で反応するため、プロセス管理が容易でランニングコストが低く、連続処理も可能であるというメリットがある。また、ハロゲンガス以外の生成物は無害であり、しかもハロゲンガスはアルカリスクラバー等で容易に吸収除去できて系外へ排出されないため、安全性にも優れている。
特開平11−128677号公報
しかしながら、三フッ化窒素を無害化できる上に副生成物のハロゲンガスも容易に除去できると雖も、回収したハロゲンガスは廃棄する他なく、資源の有効利用という観点からさらなる改善が求められている。
さらに、フッ化炭素、フッ素ガス、フッ化炭化水素の処理については、高温燃焼以外の処理方法が開発されておらず、処理コストや安全性の面で有利な処理方法が希求されている。
この発明は、上述の技術背景に鑑み、三フッ化窒素、フッ化炭素、フッ素ガス、フッ化炭化水素を安全に処理できるとともに資源の有効利用という観点においても優れたフッ素系ガスの無害化処理方法およびその装置の提供を目的とする。
この発明のフッ素系ガスの無害化処理方法は、各種フッ素系ガスを処理剤に接触させて無害物質に変換する反応を利用することによって、前記目的を達成することができる。また、この発明のフッ素系ガスの無害化処理装置は、前記無害化処理を連続的に行うための処理装置である。
本願発明においては、無害化処理されるフッ素系ガスの種類と主たる処理剤によって区分されている。即ち、請求項1〜10にかかる発明は三フッ化窒素(NF3)をハロゲン化金属との接触反応によって処理する方法および処理装置であり、請求項11〜18にかかる発明は四フッ化メタン(CF4)およびフッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)を酸化金属との接触反応によって処理する方法および処理装置であり、請求項19〜21にかかる発明はフッ素ガス(F2)を酸化金属との接触反応によって処理する方法および処理装置であり、請求項22〜29にかかる発明はフッ化炭素(Cn2n+2;n=1,2,3)を塩化金属との接触反応によって処理する方法および処理装置、請求項30〜37にかかる発明はフッ素ガス(F2)を塩化金属との接触反応によって処理する方法および処理装置、請求項38〜45にかかる発明はフッ化炭化水素(C224)を塩化金属との接触反応によって処理する方法および処理装置、請求項46〜49にかかる発明はフッ化炭化水素(C224)を酸化金属との接触反応によって処理する方法および処理装置、請求項50〜51にかかる発明はフッ化炭化水素(C224)を炭化カルシウムとの接触反応によって処理する方法および処理装置である。
請求項1〜3において、第1の三フッ化窒素の無害化処理方法は、三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスをハロゲン化金属(MXp)に接触反応させ、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成させる第1反応(A−I);
aNF3 + bMXp → cMFq+ dX2 + eN2 …(A−I)
(ただし、M:金属、X:ハロゲン、a〜e、p、q:自然数)
を行い、続いて、前記第1反応において生成されたハロゲンガス(X2)を酸化金属(Mrs)に接触反応させ、ハロゲン化金属(MXp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(A−II);
fMrs + gX2 → hMXp + iO2 …(A−II)
(ただし、f〜i、p、r、s:自然数)
を行うことにより、三フッ化窒素(NF3)を無害化することを基本要旨とする。
また、この第1の三フッ化窒素の無害化処理方法において、前記第2反応(A−II)において生成したハロゲン化金属(MXp)を、前記第1反応(A−I)に利用することが好ましく、あるいは前記ハロゲン化金属(MXp)として塩化カルシウムを用いるとともに、前記酸化金属(Mrs)として酸化カルシウムを用いることが好ましい。
請求項4〜6において、第2の三フッ化窒素の無害化処理方法は、三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスをハロゲン化金属(MXp)に接触反応させ、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成させる第1反応(A−I);
aNF3 + bMXp → cMFq + dX2 + eN2 …(A−I)
(ただし、M:金属、X:ハロゲン、a〜e、p、q:自然数)
を行い、続いて、前記第1反応において生成されたハロゲンガス(X2)を酸化金属(Mrs)および炭素(C)に接触反応させ、ハロゲン化金属(MXp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(A−II’);
jMrs + kX2 + lC → mMXp + nCO2 …(A−II’)
(ただし、j〜n、p、r、s:自然数)
を行うことにより、三フッ化窒素(NF3)を無害化することを基本要旨とする。
また、この第2の三フッ化窒素の無害化処理方法において、前記第2’反応(A−II’)において生成したハロゲン化金属(MXp)を、前記第1反応(A−I)に利用すること、あるいは前記ハロゲン化金属(MXp)が塩化カルシウムであるとともに、前記酸化金属(Mrs)は酸化カルシウムであることが好ましい。
請求項7〜8において、第1の三フッ化窒素の無害化処理装置は、(a) 三フッ化窒素(NF3)との接触反応により、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成しうるハロゲン化金属(MXp)が充填されたセル(12)、およびこのセル(12)内を加熱するヒータ(13)を有する第1反応器(11)と、(b) 前記第1反応器(11)において生成されたハロゲンガス(X2)との接触反応により、ハロゲン化金属(MXp)と酸素(O2)とを生成しうる酸化金属(Mrs)が充填されたセル(22)、およびこのセル(22)内を加熱するヒータ(23)を有する第2反応器(21)と、(c) 三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(11)のセル(12)内に導入する導入路(31)と、(d) 前記第1反応器(11)のセル(12)内を通過する間に生成されたハロゲンガス(X2)を第2反応器(21)のセル(22)内に導入する連通路(32)と、(e) 第2反応器(21)のセル(22)内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル(22)外に排出する排出路(33)とを備えることを基本要旨とする。
また、前記三フッ化窒素の無害化処理装置において、前記第2反応器(21)のセル(22)内で生成されたハロゲン化金属(MXp)が前記第1反応器(11)のセル(12)の充填物として使用されることが好ましい。
請求項9〜10の第2の三フッ化窒素の無害化処理装置は、(a) 三フッ化窒素(NF3)との接触反応により、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成しうるハロゲン化金属(MXp)が充填されたセル(12)、およびこのセル(12)内を加熱するヒータ(13)を有する第1反応器(11)と、(b) 前記第1反応器(11)において生成されたハロゲンガス(X2)との接触反応により、ハロゲン化金属(MXp)と二酸化酸素(CO2)とを生成しうる酸化金属(Mrs)および炭素(C)が充填されたセル(22)、およびこのセル(22)内を加熱するヒータ(23)を有する第2反応器(21)と、(c) 三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(11)のセル(12)内に導入する導入路(31)と、(d) 前記第1反応器(11)のセル(12)内を通過する間に生成されたハロゲンガス(X2)を第2反応器(21)のセル(22)内に導入する連通路(32)と、(e) 第2反応器(21)のセル(22)内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル(22)外に排出する排出路(33)とを備えることを基本要旨とする。
前記三フッ化窒素の無害化処理装置において、前記第2反応器(21)のセル(22)内で生成されたハロゲン化金属(MXp)が前記第1反応器(11)のセル(12)の充填物として使用されることが好ましい。
請求項11〜13において、四フッ化メタンの無害化処理方法は、四フッ化メタン(CF4)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触反応させ、フッ化金属(MFr)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる第1反応(B−I);
aCF4 + bMpq → cMFr + aCO2 …(B−I)
(ただし、M:金属、a〜c、p〜r:自然数)
を行うことにより、四フッ化メタン(CF4)を無害化することを基本要旨とする。
前記四フッ化メタンの無害化処理方法において、前記第1反応(B−I)において生成された二酸化炭素(CO2)に、さらに酸化金属(Mpq)を接触反応させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)を生成させる第2反応(B−II);
dCO2 + eMpq → fMs(CO3t …(B−II)
(ただし、d〜f、s、t:自然数)
を行うことが好ましい。また、前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)を用いることが好ましい。
請求項14において、四フッ化メタンの無害化処理装置は、(a) 四フッ化メタン(CF4)との接触反応により、フッ化金属(MFr)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mpq)が充填されたセル(53)、およびこのセル(53)内を加熱するヒータ(54)を有する反応器(52)と、(b) 四フッ化メタン(CF4)を含有する被処理ガスを前記反応器(52)のセル(53)内に導入する導入路(51)と、(c) 前記反応器(52)のセル(53)内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル(53)外に排出する排出路(55)とを備えることを要旨とする。
請求項15〜17のフッ化炭素の無害化処理方法は、フッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触反応させ、フッ化金属(MFr)と金属炭酸塩(Ms(CO3t)と一酸化炭素(CO)とを生成させる第1反応(C−I);
aCn2n+2 + b(n+2)Mpq
→ c(n+1)MFr + dMs(CO3t + e(n-1)CO …(C−I)
(ただし、M:金属、a〜e、p〜t:自然数)
を行い、続いて、前記第1反応(C−I)で生成された一酸化炭素(CO)に酸素(O2)を接触させて二酸化炭素(CO2)に変換する第2反応(C−II);
2CO + O2 → 2CO2 …(C−II)
を行うことによりフッ化炭素(Cn2n+2)を無害化することを基本要旨とする。
前記フッ化炭素の無害化処理方法においては、前記第2反応(C−II)において生成された二酸化炭素(CO2)を、酸化金属(Mpq)に接触反応させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)を生成させる第3反応(C−III);
fCO2 + gMpq → hMs(CO3t …(C−III)
(ただし、f〜h:自然数)
を行うことが好ましい。また、前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)を用いることが好ましい。
請求項18において、フッ化炭素の無害化処理装置は、(a) フッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)との接触反応により、フッ化金属(MFr)と金属炭酸塩(Ms(CO3t)と一酸化炭素(CO)とを生成させる酸化金属(Mpq)が充填されたセル(63)、およびこのセル(63)内を加熱するヒータ(64)を有する反応器(62)と、(b) フッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)を含有する被処理ガスを前記反応器(62)のセル(63)内に導入する導入路(61)と、(c) 前記セル(63)内で生成された一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO2)に変換する酸素(O2)を、前記セル(63)内に供給する酸素供給路(65)と、(d) 前記反応器(65)のセル(63)内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル(63)外に排出する排出路(66)とを備えることを要旨とする。
請求項19〜20において、フッ素ガスの無害化処理方法は、フッ素ガス(F2)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触反応させ、フッ化金属(MFr)と酸素(O2)とを生成させる反応(D−I);
aF2 + bMpq → cMFr + dO2 … (D−I)
(ただし、M:金属、a〜d、p〜r:自然数)
を行うことにより、フッ素ガス(F2)を無害化することを基本要旨とする。
前記フッ素ガスの無害化処理方法において、前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)を用いることが好ましい。
請求項21において、フッ素ガスの無害化処理装置は、(a) フッ素ガス(F2)との接触反応により、フッ化金属(MFr)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mpq)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する反応器(82)と、(b) フッ素(F2)を含有する被処理ガスを前記反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、(c) 前記反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備えることを要旨とする。
請求項22〜26において、フッ化炭素の無害化処理方法は、フッ化炭素(Cn2n+2;n=1,2,3)を含有する被処理ガスを塩化金属(MClp)に接触反応させ、フッ化金属(MFp)と炭素(C)と塩素ガス(Cl2)を生成させる第1反応(E−I);
aCn2n+2 + bMClp
→ bMFp + (a・n)C + (b・p/2)Cl2 …(E−I)
(ただし、M:金属、a,b,p:自然数)
を行うことにより、フッ化炭素(Cn2n+2)を無害化することを基本要旨とする。
前記フッ化炭素の無害化処理方法において、前記第1反応(E−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(E−II);
cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(E−II)
(ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
を行うこと、あるいは前記第1反応(E−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)および炭素(C)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(E−II’);
gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(E−II’)
(ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
を行うことが好ましい。
また、前記塩化金属(MClp)として、塩化アルミニウム(AlCl3)を用いることが好ましい。さらに、前記第2反応(E−II)または第2’反応(E−II’)において生成した塩化金属(MClp)を、前記第1反応(E−I)に利用することが好ましい。
請求項27〜29において、フッ化炭素の無害化処理装置は、(a) フッ化炭素(Cn2n+2;n=1,2,3)との接触反応により、フッ化金属(MFp)と炭素(C)と塩素ガス(Cl2)を生成させる塩化金属(MClp)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する第1反応器(82)と、(b) フッ化炭素(Cn2n+2)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、(c) 前記第1反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備えることを基本要旨とする。
前記フッ化炭素の無害化処理装置において、前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備えることが好ましく、あるいは前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備えることが好ましい。
請求項30〜34において、フッ素ガスの無害化処理方法は、フッ素ガス(F2)を含有する被処理ガスを塩化金属(MClp)に接触反応させ、フッ化金属(MFp)と塩素ガス(Cl2)とを生成させる第1反応(F−1);
aF2 + bMClp → bMFp + (b・p/2)Cl2 …(F−I)
(ただし、M:金属、a、b、p:自然数)
を行うことにより、フッ素ガス(F2)を無害化することを基本要旨とする。
前記フッ素ガスの無害化処理方法において、前記第1反応(F−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(F−II);
cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(F−II)
(ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
を行うこと、あるいは前記第1反応(F−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)および炭素(C)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(F−II’);
gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(F−II’)
(ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
を行うことが好ましい。
また、前記塩化金属(MClp)として、塩化アルミニウム(AlCl3)を用いることが好ましい。さらに、前記第2反応(F−II)または第2’反応(F−II’)において生成した塩化金属(MClp)を、前記第1反応(F−I)に利用することが好ましい。
請求項35〜37において、フッ素ガスの無害化処理装置は、(a) フッ素ガス(F2)との接触反応により、フッ化金属(MFp)と塩素ガス(Cl2)を生成させる塩化金属(MClp)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する第1反応器(82)と、(b) フッ素ガス(F2)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、(c) 前記第1反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備えることを基本要旨とする。
前記フッ素ガスの無害化処理装置において、前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備えること、あるいは前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備えることが好ましい。
請求項38〜42において、フッ化炭化水素の無害化処理方法は、フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを塩化金属(MClp)に接触反応させ、フッ化金属(MFp)、水素ガス(H2)、塩素ガス(Cl2)および炭素(C)を生成させる第1反応(G−I);
aC224 + bMClp
→bMFp+2aC+aH2+(b・p/2)Cl2 … (G−I)
(ただし、M:金属、a、b、p:自然数)
を行うことにより、フッ化炭化水素(C224)を無害化することを基本要旨とする。
前記フッ化炭化水素の無害化処理方法において、前記第1反応(G−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(G−II);
cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(G−II)
(ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
を行うこと、あるいは前記第1反応(G−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)および炭素(C)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(G−II’);
gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(G−II’)
(ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
を行うことが好ましい。
また、前記塩化金属(MClp)として、塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)のうちのいずれかを用いることが好ましい。さらに、前記第2反応(G−II)または第2’反応(G−II’)において生成した塩化金属(MClp)を、前記第1反応(G−I)に利用することが好ましい。
請求項43〜45において、フッ化炭化水素の無害化処理装置は、(a) フッ化炭化水素(C224)との接触反応により、フッ化金属(MFp)、炭素(C)、水素ガス(H2)および塩素ガス(Cl2)を生成させる塩化金属(MClp)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータ(91)を有する第1反応器(90)と、(b) フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(90)のセル内に導入する導入路(93)と、(c) 前記第1反応器(90)のセル内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル外に排出する排出路(94)とを備えることを基本要旨とする。
前記フッ化炭化水素の無害化処理装置において、前記第1反応器(90)の後段に配置され、前記排出路(94)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する第2反応器と、前記第2反応器のセル内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えること、あるいは前記第1反応器(90)の後段に配置され、前記排出路(94)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する第2反応器と、前記第2反応器のセル内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル外に排出する排出路を備えることが好ましい。
請求項46〜48において、フッ化炭化水素の無害化処理方法は、フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触させ、フッ化金属(MFr)、炭素(C)、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)を生成させる第1反応(H−I);
aC224+bMpq →cMFr+ dC+eH2O+fCO2 … (H−I)
(ただし、M:金属、a〜f、p〜r:自然数)
を行うことにより無害化することを基本要旨とする。
前記フッ化炭化水素の無害化処理方法において、さらに、前記第1反応(H−I)において生成された二酸化炭素(CO2)を酸化金属(Mqr)に接触反応させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)を生成させる第2反応(H−II);
gCO2 + hMpq → iMs(CO3t …(H−II)
(ただし、g〜i、p、q、s、t:自然数)
を行うことが好ましい。また、前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)または酸化ストロンチウム(SrO)を用いることが好ましい。
請求項49において、フッ化炭化水素の無害化処理方法は、(a) フッ化炭化水素(C224)との接触反応により、フッ化金属(MFp)、炭素(C)、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)を生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータ(91)を有する反応器(90)と、(b) フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを前記反応器(90)のセル内に導入する導入路(93)と、(c) 前記反応器(90)のセル内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル外に排出する排出路(94)とを備えることを要旨とする
請求項50において、フッ化炭化水素の無害化処理方法は、フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを炭化カルシウム(CaC2)に接触反応させ、フッ化カルシウム(CaF2)、炭素(C)、水素ガス(H2)を生成させる反応(J−I);
224+2CaC2→2CaF2+6C+H2 … (J−I)
を行うことにより、フッ化炭化水素(C224)を無害化することを要旨とする。
請求項51において、フッ化炭化水素の無害化処理装置は、(a) フッ化炭化水素(C224)との接触反応により、フッ化カルシウム(CaF2)、炭素(C)、水素ガス(H2)を生成させる炭化カルシウム(CaC2)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータ(91)を有する反応器(90)と、(b) フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを前記反応器(90)のセル内に導入する導入路(93)と、(c) 前記反応器(90)のセル内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル外に排出する排出路(94)とを備えることを要旨とする。
以上の次第で、この発明のフッ素系ガスの無害化処理方法およびこれらの無害化処理装置は、それぞれ次の効果を奏する。
この発明の第1の三フッ化窒素の無害化処理方法は、第1反応(A−I)で三フッ化窒素をハロゲン化金属に接触させてフッ化金属に分解し、さらにこのとき副生する有害なハロゲンガスを、第2反応(A−II)において酸化金属によりハロゲン化金属と酸素と変換するものであるから、極めて毒性の高い三フッ化窒素を有害な副生物を生成させることなく、完全に無害化処理することができる。
また、第2の三フッ化窒素の無害化処理方法は、第1の方法と同じ第1反応(A−I)で生成されたハロゲンガスを、第2’反応(A−II’)において酸化金属と炭素によりハロゲン化金属と炭酸とに変換するものであるから、第1の方法と同じく、極めて毒性の高い三フッ化窒素を有害な副生物を生成させることなく、完全に無害化処理することができる。しかも、第2’反応(A−II’)は第2反応(A−II)よりも低温で反応するため、処理コストが少なくて済む。
また、第1および第2のいずれの方法によっても生成されるハロゲン化金属は、第1反応における処理剤であるから、反応生成物を廃棄することなく再利用することができる。また、前記ハロゲン化金属として塩化カルシウムを用いるとともに、前記酸化金属として塩化カルシウムを用いることにより、反応制御を容易に行え、連続処理に有利である。
この発明の第1および第2の三フッ化窒素の無害化処理装置は、前記第1反応(A−I)の処理剤であるハロゲン化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータとを有する第1反応器と、第2反応(A−II)の処理剤である酸化金属、または第2’反応(A−II’)の処理剤である酸化金属および炭素が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する第2反応器と、被処理ガスを前記第1反応器のセル内に導入する導入路と、前記第1反応器のセル内を通過する間に生成されたハロゲンガスを第2反応器のセル内に導入する連通路と、第2反応器のセル内を通過する間に無害化処理された被処理ガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述の三フッ化窒素の無害化処理方法を実施して、連続的に三フッ化窒素の無害化処理を行うことができる。
また、第2反応器において生成されたハロゲン化金属は、廃棄することなく第1反応器のセル充填物として再利用できる。
この発明の酸化金属による四フッ化メタンの無害化処理方法は、第1反応(B−I)で四フッ化メタンを酸化金属に接触反応させてフッ化金属と二酸化炭素に変換させるものであるから、極めて毒性の高い四フッ化メタンを無害化することができる。
前記第1反応(B−I)において生成された二酸化炭素は、酸化金属を接触させる第2反応(B−II)によって金属炭酸塩に変換することができ、さらに高度の無害化処理を行うことができる。また特に、前記酸化金属として、酸化カルシウムを用いることにより、第1反応(B−I)および第2反応(B−II)の反応制御を容易に行え、連続処理に有利である。
この発明の酸化金属による四フッ化メタンの無害化処理装置は、第1反応(B−I)の処理剤である酸化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する反応器と、被処理ガスを前記反応器のセル内に導入する導入路と、前記反応器のセル内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述の四フッ化メタンの無害化処理方法を実施して、連続的に四フッ化メタンの無害化処理を行うことができる。
この発明のフッ化炭素の無害化処理方法は、第1反応(C−I)でフッ化炭素(六フッ化エタン、八フッ化プロパン)を酸化金属に接触反応させて、フッ化金属と金属炭酸塩と一酸化炭素とに変換し、副生した一酸化炭素を第2反応(C−II)で酸素に接触させて二酸化炭素に変換するものであるから、極めて毒性の高いフッ化炭素を無害化することができる。
前記第2反応(C−II)において生成された二酸化炭素は、酸化金属を接触させる第3反応(C−III)によって金属炭酸塩に変換することができ、さらに高度の無害化処理を行うことができる。また特に、前記酸化金属として、酸化カルシウムを用いることにより、第1反応(C−I)および第3反応(C−III)の反応制御を容易に行え、連続処理に有利である。
この発明の酸化金属によるフッ化炭素の無害化処理装置は、第1反応(C−I)の処理剤である酸化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する反応器と、被処理ガスを前記反応器のセル内に導入する導入路と、前記セル内に酸素を供給する酸素供給路と、前記反応器のセル内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述のフッ化炭素の無害化処理方法を実施して、連続的にフッ化炭素の無害化処理を行うことができる。
この発明の酸化金属によるフッ素ガスの無害化処理方法は、反応(D−I)でフッ素ガスを酸化金属に接触反応させて、フッ化金属と酸素とに変換させるものであるから、極めて毒性の高いフッ素ガスを無害化することができる。
また、前記酸化金属として酸化カルシウムを用いることにより反応(D−I)の反応制御を容易に行え、連続処理に有利である。
この発明の酸化金属によるフッ素ガスの無害化処理装置は、反応(D−I)の処理剤である酸化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する反応器と、被処理ガスを前記反応器のセル内に導入する導入路と、前記反応器のセル内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述のフッ素ガスの無害化処理方法を実施して、連続的にフッ素ガスの無害化処理を行うことができる。
この発明の塩化金属によるフッ化炭素の無害化処理方法は、第1反応(E−I)でフッ化炭素を塩化金属に接触反応させて、フッ化金属と炭素と塩素ガスに変換するものであるから、極めて毒性の高いフッ化炭素を無害化することができる。
また、副生した塩素ガスは、第2反応(E−II)または第2’反応(E−II')によって塩化金属と酸素または二酸化炭素に変換することができ、さらなる無害化を図ることができる。また、これらの反応で生成される塩化金属は、第1反応における処理剤として再利用することができる。また、前記塩化金属として塩化アルミニウムを用いる場合は、反応性が高く処理効率が良い。
この発明の塩化金属によるフッ化炭素の無害化処理方法は、前記第1反応(E−I)の処理剤である塩化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータとを有する第1反応器と、第1反応器のセル内を通過する間に無害化処理された一次被処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述のフッ化炭素の無害化処理方法を実施して、連続的にフッ化炭素の処理を行うことができる。
また、前記第1反応器の後段に、第2反応(E−II)または第2’反応(E−II')を実施する第2反応器が設置されている場合は、フッ化炭素をフッ化金属に変換する一次処理後に、副生する塩素ガスを無害化する二次処理を連続して行うことができる。
この発明の塩化金属によるフッ素ガスの無害化処理方法は、第1反応(F−I)でフッ素ガスを塩化金属に接触反応させて、フッ化金属と塩素ガスに変換するものであるから、極めて毒性の高いフッ化炭素を無害化することができる。
また、副生した塩素ガスは、第2反応(F−II)または第2’反応(F−II')によって塩化金属と酸素または二酸化炭素に変換することができ、さらなる無害化を図ることができる。また、これらの反応で生成される塩化金属は、第1反応における処理剤として再利用することができる。また、前記塩化金属として塩化アルミニウムを用いる場合は、反応性が高く処理効率が良い。
この発明の塩化金属によるフッ素ガスの無害化処理方法は、前記第1反応(F−I)の処理剤である塩化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータとを有する第1反応器と、第1反応器のセル内を通過する間に無害化処理された一次被処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述のフッ素ガスの無害化処理方法を実施して、連続的にフッ素ガスの処理を行うことができる。
また、前記第1反応器の後段に、第2反応(F−II)または第2’反応(F−II')を実施する第2反応器が設置されている場合は、フッ素ガスをフッ化金属に変換する一次処理後に、副生する塩素ガスを無害化する二次処理を連続して行うことができる。
この発明の塩化金属によるフッ化炭化水素の無害化処理方法は、第1反応(G−I)でフッ化炭化水素を塩化金属に接触反応させて、フッ化金属と炭素と水素ガスと塩素ガスに変換するものであるから、極めて毒性の高いフッ化炭化水素を無害化することができる。
また、副生した塩素ガスは、第2反応(G−II)または第2’反応(G−II')によって塩化金属と酸素または二酸化炭素に変換することができ、さらなる無害化を図ることができる。また、これらの反応で生成される塩化金属は、第1反応における処理剤として再利用することができる。また、前記塩化金属として塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムのいずれかを用いる場合は、反応性が高く処理効率が良い。
この発明の塩化金属によるフッ化炭化水素の無害化処理方法は、前記第1反応(G−I)の処理剤である塩化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータとを有する第1反応器と、第1反応器のセル内を通過する間に無害化処理された一次被処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述のフッ化炭化水素の無害化処理方法を実施して、連続的にフッ化炭化水素の処理を行うことができる。
また、前記第1反応器の後段に、第2反応(G−II)または第2’反応(G−II')を実施する第2反応器が設置されている場合は、フッ化炭化水素をフッ化金属に変換する一次処理後に、副生する塩素ガスを無害化する二次処理を連続して行うことができる。
この発明の酸化金属によるフッ化炭化水素の無害化処理方法は、第1反応(H−I)でフッ化炭化水素を酸化金属に接触反応させて、フッ化金属と炭素と水、二酸化炭素に変換するものであるから、極めて毒性の高いフッ化炭化水素を無害化することができる。
また、副生した二酸化炭素は、第2反応(H−II)によって金属炭酸塩に変換することができ、さらなる無害化を図ることができる。また、前記酸化金属として酸化カルシウムまたは酸化ストロンチウムを用いる場合は、反応性が高く処理効率が良い。
この発明の酸化金属によるフッ化炭化水素の無害化処理方法は、前記第1反応(H−I)の処理剤である酸化金属が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータとを有する第1反応器と、第1反応器のセル内を通過する間に無害化処理された一次被処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述のフッ化炭化水素の無害化処理方法を実施して、連続的にフッ化炭化水素の処理を行うことができる。
この発明の炭化カルシウムによるフッ化炭化水素の無害化処理方法は、反応(J−I)でフッ化炭化水素を炭化カルシウムに接触反応させて、フッ化カルシウムと炭素と水素ガスに変換するものであるから、極めて毒性の高いフッ化炭化水素を無害化することができる。
この発明の炭化カルシウムによるフッ化炭化水素の無害化処理方法は、前記反応(J−I)の処理剤である炭化カルシウムが充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータとを有する第1反応器と、第1反応器のセル内を通過する間に無害化処理された被処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備えるものであるから、上述のフッ化炭化水素の無害化処理方法を実施して、連続的にフッ化炭化水素の処理を行うことができる。
以下に、この発明の三フッ化窒素の無害化処理方法、四フッ化メタンを含むフッ化炭素(Cn2n+2;n=1,2、3)の無害化処理方法、フッ素ガスの無害化処理方法、フッ化炭化水素(C224)の無害化処理方法、およびこれらの無害化処理装置について詳述する。
〔I〕 2つの三フッ化窒素の無害化処理方法
この発明の第1の三フッ化窒素の無害化処理方法は、三フッ化窒素を分解して無害化する第1反応と、さらに再利用可能な反応生成物に変換する第2反応の2段階の反応を利用するものである。2段階の反応はいずれも接触反応であるから、固形状の処理剤にガスを接触させるだけで三フッ化窒素を連続的に処理することができる。
第1反応は、下記(A−I)式に示すように、三フッ化窒素(NF3)をハロゲン化金属(MXp)に接触させて三フッ化窒素を分解し、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成させる反応である。
aNF3+ bMXp → cMFq + dX2 + eN2 …(A−I)
(ただし、M:金属、X:ハロゲン、a〜e、p、q:自然数)
(A−I)式において、処理剤として使用するハロゲン化金属(MXp)は、それ自体が無害な化合物であり、三フッ化窒素との反応性が高いため、気体の三フッ化窒素をハロゲン化金属に接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFq)および窒素ガス(N2)は安定で無害である。また、ハロゲンガス(X2)は有害であるが、後述の第2反応において容易に無害化される。
前記ハロゲン化金属(MXp)において、金属(M)としてAl、Ca、Mgのいずれかを推奨でき、ハロゲン(X)としてClまたはBrを推奨できる。さらに、ハロゲン化金属(MXp)として、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムの3種の塩化物を推奨でき、これらのなかでも後述の理由により塩化カルシウムを最も推奨できる。
前記一般式(A−I)は、前記3種の塩化物を用いた場合、それぞれ次の(A−Ia)(A−Ib)(A−Ic)式となり、各反応および反応生成物について詳述する。
2NF3 + 2AlCl3 → 2AlF3 + 3Cl2 + N2 …(A−Ia)
2NF3 + 3CaCl2 → 3CaF2 + 3Cl2 + N2 …(A−Ib)
2NF3 + 3MgCl2 → 3MgF2 + 3Cl2 + N2 …(A−Ic)
(Ia)式に示す三フッ化窒素(NF3)と塩化アルミニウム(AlCl3)の反応は、常圧(約101KPa)で約80℃という低温で反応を開始し、好適反応温度は90〜100℃である。この反応は低温で進行するため三フッ化窒素の低温処理が可能である反面、爆発的な反応であるため、反応生成物のフッ化アルミニウム(AlF3)が飛び散りやすく、処理温度によってはフッ化アルミニウムが処理装置内部に付着して連続処理を妨げるおそれがある。一方、通常の半導体製造過程で生成される廃ガス中の三フッ化窒素濃度は10%程度あるいはそれ以下の低濃度であり、三フッ化窒素を完全に反応させるための温度設定は、上述の爆発的な反応性と処理する三フッ化窒素濃度との両者を勘案する必要があり、100〜120℃が好ましい。また、副生する窒素ガス(N2)はもとより無害であるからそのまま大気中に放出することができ、塩素ガス(Cl2)は、有害であるが後述の第2反応により無害化できる。
(A−Ib)式に示す三フッ化窒素(NF3)と塩化カルシウム(CaCl2)との反応は、常圧(約101KPa)において200℃以上で開始し、好適反応温度は200〜230℃である。ただし、上述したように、通常の半導体製造過程で生成される廃ガス中の三フッ化窒素濃度を勘案すると、短時間で連続的に三フッ化窒素を処理するためには、反応温度を高めに設定することが好ましい。具体的には、三フッ化窒素濃度が1%の廃ガスで300℃以上、10%の廃ガスで270℃以上で確実に分解処理することができる。つまり、様々な濃度の三フッ化窒素を160〜500℃の範囲で確実に分解処理することができる。また、反応生成物であるフッ化カルシウム(CaF2)はホタル石と呼ばれる安定かつ無害な物質であって、固形化した状態で生成する。また、副生する窒素ガス(N2)は無害であり、塩素ガス(Cl2)は後述の第2反応により無害化できる。
また、(A−Ic)式に示す三フッ化窒素(NF3)と塩化マグネシウム(MgCl2)との反応は、常圧(約101KPa)において200℃以上で反応を開始し、好適反応温度は200〜230℃である。また、前述の塩化カルシウムの場合と同様に、低濃度の三フッ化窒素を確実に分解処理するために、反応温度を高めに設定することが好ましい。反応生成物であるフッ化マグネシウム(MgF2)は、フッ化カルシウムと同様に無害で安定な物質であって、固形化した状態で生成する。また、副生物する窒素ガス(N2)は無害であり、塩素ガス(Cl2)は後述の第2反応により無害化できる。
また、(A−Ia)(A−Ib)(A−Ic)式のうち、(A−Ib)(A−Ic)式は、(A−Ia)式よりも高温で反応するため処理のエネルギーコストのみを比較すると不利であるが、穏やかに反応するため反応制御を行いやすく、連続処理作業や処理装置の保守等が容易である点で有利である。特に、(A−Ib)式の塩化カルシウムによる処理がこれらの点で有利である。
第2反応は、下記(A−II)に示すように、上述の第1反応で生成されたハロゲンガス(X2)を酸化金属(Mrs)に接触させて、ハロゲン化金属(MXp)と酸素(O2)とを生成させる反応である。
fMrs + gX2 → hMXp + iO2 …(A−II)
(ただし、f〜i、p、r、s:自然数)
(A−II)式において、処理剤として用いる酸化金属(Mrs)はそれ自体が無害な化合物であり、第1反応(A−I)で生成された気体のハロゲンガス(X2)を酸化金属(Mrs)に接触させるだけで前記反応が起こる。ハロゲン化金属(MXp)は固形状で生成し、無害である。このとき、副生するのは酸素(O2)であるから、そのまま大気中に放出することができる。
さらに、生成したハロゲン化金属(MXp)は上述の第1反応の処理剤であるから、第1反応において再利用することができる。
前記第1反応において処理剤として推奨される塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化カルシウム(CaCl2)および塩化マグネシウム(MgCl2)を用い、生成した塩素ガス(Cl2)を各金属に対応する酸化金属(Mrs)で処理する場合の反応式(A−IIa)(A−IIb)(A−IIc)を示す。
2Al23 + 6Cl2 → 4AlCl3+ 3O2 …(A−IIa)
2CaO + 2Cl2 → 2CaCl2 + O2 …(A−IIb)
2MgO + 2Cl2 → 2MgCl2 + O2 …(A−IIc)
(A−IIa)式に示す酸化アルミニウム(Al23)と塩素ガス(Cl2)の反応は、常圧(約101KPa)で約450℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜550℃である。
(A−IIb)式に示す酸化カルシウム(CaO)と塩素ガス(Cl2)の反応は、常圧(約101KPa)で約550℃で反応を開始し、好適反応温度は550〜600℃である。
(A−IIc)式に示す酸化マグネシウム(MgO)と塩素ガス(Cl2)の反応は、常圧(約101KPa)で約650℃で反応を開始し、好適反応温度は650〜700℃である。
これらの反応(A−IIa)(A−IIb)(A−IIc)において、生成する塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムは無害であり、上述の第1反応(A−Ia)(A−Ib)(A−Ic)の処理剤として再利用できる。また、副生する酸素(O2)は問題なく大気中に放出することができる。また、これらの反応のうちでも、反応制御を行いやすい点で酸化カルシウム(CaO)用いる処理(A−IIb)を推奨できる。
以上の第1反応(A−I)および第2反応(A−II)を続いて行うことにより、三フッ化窒素は全て無害物質に変換されて、気体状の生成物は大気中に放出でき、固形物は次回の処理に再利用できる。
この発明の第2の三フッ化窒素の無害化処理方法は、先の方法と同様に2段階の反応で三フッ化窒素を無害化処理するものであり、後段の反応のみが先の方法と異なる。
前段の第1反応は、先に説明した反応と同一であるから、説明を省略する。
後段の第2’反応について、一般式(A−II’)を示して詳述する。
jMrs + kX2 + lC→ mMXp + nCO2 …(A−II’)
(ただし、j〜n、p、r、s:自然数)
この反応においては、処理剤として用いる酸化金属(Mrs)および炭素(C)はそれ自体が無害な化合物であり、第1反応(A−I)で生成された気体のハロゲンガス(X2)をこれらに接触させるだけで前記反応が起こる。ハロゲン化金属(Mop)は固形状で生成し、無害である。このとき、副生するのは二酸化炭素(CO2)であるから、そのまま大気中に放出することができる。
さらに、生成したハロゲン化金属(MXp)は上述の第1反応の処理剤であるから、第1反応において再利用することができる。
前記第1反応において処理剤として推奨される塩化アルミニウム(AlCl3 )、塩化カルシウム(CaCl2)および塩化マグネシウム(MgCl2)を用い、生成した塩素ガス(Cl2)を各金属に対応する酸化金属(Mrs)で処理する場合の反応式(A−II'a)(A−II'b)(A−II'c)を示す。
2Al23 + 6Cl2 + 3C → 4AlCl3 + 3CO2 …(A−II’a)
2CaO + 2Cl2 + C → 2CaCl2 + CO2 …(A−II'b)
2MgO + 2Cl2 + C → 2MgCl2 + CO2 …(A−II'c)
ここで、第2反応および第2’反応に関し、理論的な反応熱(ΔH)および平衡定数(K)を示す。
Figure 2005052724
Figure 2005052724
Figure 2005052724
これらの表に示すように、処理剤に炭素(C)を加えた第2’反応(A−II’)では、酸化金属(Mrs)を単独で用いる第2反応よりも低い温度で反応が起こる。そのため、第2’反応(A−II’)は第2反応(A−II)より低温で処理できるというメリットがある。
具体的には、(A−II')式に示す酸化アルミニウム(Al23)の反応は、常圧(約101KPa)で約400℃で反応を開始し、好適反応温度は400〜500℃である。
(A−II'b)式に示す酸化カルシウム(CaO)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃である。
(A−II'c)式に示す酸化マグネシウム(MgO)の反応は、常圧(約101KPa)で約600℃で反応を開始し、好適反応温度は600〜650℃である。
これらの反応(A−II'a)(A−II'b)(A−II'c)において、生成した塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムは無害であり、上述の第1反応(A−Ia)(A−Ib)(A−Ic)の処理剤として再利用できる。また、副生する二酸化炭素(CO2)は問題なく大気中に放出することができる。
以上の第1反応(A−I)および第2’反応(A−II’)を続いて行うことにより、三フッ化窒素は全て無害物質に変換されて、気体状の生成物は大気中に放出でき、固形物は次回の処理に再利用できる。
なお、前記第2’反応(A−II’)で副生する二酸化炭素は、後述の四フッ化メタン等の無害化処理と同様に、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムに接触させることによって容易に固形状の炭酸塩に変換することができる。この処理を付加することにより、さらに高度の無害化処理が可能である。
〔II〕 2つの三フッ化窒素の無害化処理装置
図1に示すのは、この発明の三フッ化窒素無害化処理方法を実施するための三フッ化窒素無害化処理装置(1)の一例である。
この発明の三フッ化窒素無害化処理方法は、固体の処理剤と気体との接触反応によるものであり、しかも第1反応の生成物であるハロゲンガスを第2反応または第2’反応の原料として用いるものであるから、前記三フッ化窒素無害化処理装置(1)は、被処理ガスを、前記第1反応(A−I)を行う第1反応器(11)に連続的に供給し、連続的に生成されるハロゲンガスを前記第2反応(A−II)または前記第2’反応(A−II’)を行う第2反応器(21)に導入して処理した上で、処理済みガスを排出する構成となっている。
即ち、この発明の第1の三フッ化窒素無害化処理装置は、第1反応の処理剤であるハロゲン化金属(MXp)が充填されたセル(12)、およびこのセル(12)内を加熱するヒータ(13)を有する第1反応器(11)と、第2反応の処理剤である酸化金属(Mrs)が充填されたセル(22)、およびこのセル(22)内を加熱するヒータ(23)を有する第2反応器(21)と、被処理ガスを前記第1反応器(11)のセル(12)内に導入する導入路(31)と、前記第1反応器(11)のセル(12)内を通過する間に生成されたハロゲンガス(X2)を第2反応器(21)のセル(22)内に導入する連通路(32)と、第2反応器(21)のセル(22)内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル(22)外に排出する排出路(33)とを備える。
また、この発明の第2の三フッ化窒素無害化処理装置は、第2反応器(21)において第2’反応(A−II’)を行うものであり、第2反応器(21)のセル(22)内充填物は酸化金属(Mrs)および炭素(C)であり、前記排出路(33)からは反応生成物である二酸化酸素ガス(CO2)が排出される。
前記第1反応器(11)および第2反応器(21)において、セル(12)(22)内に被処理ガスまたはハロゲンガスを流通させて接触反応を起こさせるものであるから、セル(12)(22)内は、固形状の処理剤が気体の流通を妨げず、かつ十分な接触反応が起こさせて未反応ガスが系外に排出されないようにする必要がある。このため、処理剤の粒径は3〜10mmが好ましい。粒径が3mm未満では処理剤が密に充填されるために気体の流通が悪くなって連続処理効率が低下する。また粒径が10mmを超えると、処理剤の総表面積が小さくなって十分な接触反応が行われず、未反応の三フッ化窒素やハロゲンガスが排出されるおそれがある。
また、各反応器(11)(21)における反応はいずれも常温よりも高温であるから、ヒータ(13)(23)によりセル(12)(22)内を加熱する必要がある。加熱温度は処理剤の種類により異なり、上述した反応好適温度に従う。前記ヒータ(13)(23)は、セル(12)(22)内を前記温度に安定して加熱しうるものであれば、その種類や形態は問わない。
また、この発明の2つの三フッ化窒素の無害化処理装置においては、前記第2反応器(21)のセル(22)内で生成されたハロゲン化金属(MXp)を、前記第1反応器(11)のセル(12)の充填物として使用することができる。
なお、前記三フッ化窒素除去装置(1)を円滑に稼働するための周辺装置として、被処理ガスを第1反応器(11)に導入する前に、ガス中の水分除去を行う乾燥器、反応好適温度に予備加熱する加熱器、処理済みガス中の三フッ化窒素濃度を監視する検知器等を適宜付加して使用することが好ましい。
〔III〕 四フッ化メタンの無害化処理方法(酸化金属との反応による)
この発明の四フッ化メタンの無害化処理方法は、四フッ化メタン(CF4)を分解して無害化する第1反応を行い、要すればさらに第1反応で副生した二酸化炭素(CO2)を固形物に変換する第2反応により高度の無害化を行うものである。これらの反応はいずれも接触反応であるから、固形状の処理剤にガスを接触させるだけで四フッ化メタン(CF4)を連続的に処理することができる。
第1反応は、下記(B−I)式に示すように、四フッ化メタン(CF4)を固形状の酸化金属(Mpq)に接触させて分解し、フッ化金属(MFr)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる反応である。
aCF4 + bMpq → cMFr + aCO2 …(B−I)
(ただし、M:金属、a〜c、p、q、r:自然数)
(B−I)式において、処理剤として使用する酸化金属(Mpq)は、それ自体が無害な化合物であり、四フッ化メタン(CF4)との反応性が高いため、気体の四フッ化メタンを接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFr)は安定で無害である。また、副生する二酸化炭素(CO2)は無害でありそのまま大気中に放出することができるが、後述の第2反応においてさらに高度な無害化処理を行うことが可能である。
前記酸化金属(Mpq)は、酸化アルミニウム(Al23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)のいずれかを推奨でき、これらを用いたときの反応式は、それぞれ次の(B−Ia)(B−Ib)(B−Ic)式となる。
3CF4 + 2Al23 → 4AlF3 + 3CO2 …(B−Ia)
CF4 + 2CaO → 2CaF2 + CO2 …(B−Ib)
CF4 + 2MgO → 2MgF2 + CO2 …(B−Ic)
(B−Ia)式に示す四フッ化メタン(CF4)と酸化アルミニウム(Al23)の反応は、常圧(約101KPa)で約450℃で反応を開始し、好適反応温度は450〜550℃である。
(B−Ib)式に示す四フッ化メタン(CF4)と酸化カルシウム(CaO)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃である。
(B−Ic)式に示す四フッ化メタン(CF4)と酸化マグネシウム(MgO)の反応は、常圧(約101KPa)で約550℃で反応を開始し、好適反応温度は550〜650℃である。
(B−Ia)(B−Ib)(B−Ic)式において生成されるフッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)およびフッ化マグネシウム(MgF2)は、上述の三フッ化窒素の無害化処理方法で説明したように、安定かつ無害の物質である。また、副生する二酸化炭素は無害であるが、二酸化炭素排出量の増大が地球温暖化の一因となっていることを考慮すると、後述の第2反応(B−II)によって二酸化炭素を炭酸塩に変換する高度の無害化処理を行うことが好ましい。
また、四フッ化メタン(CF4)は上述の(B−Ia)(B−Ib)(B−Ic)式のいずれによっても無害化処理が可能であるが、特に反応制御が容易で連続処理作業や処理装置の保守が容易ある点で、酸化カルシウム(CaO2)による処理を推奨できる。
第2反応は、下記(B−II)式に示すように、上述の第1反応(B−I)において副生したを二酸化炭素(CO2)を酸化金属(Mpq)に接触させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)に変換する反応である。
dCO2 + eMpq → fMs(CO3t …(B−II)
(ただし、d〜f、s、t:自然数)
(B−II)式において、処理剤として使用する酸化金属(Mpq)は、第1反応(B−I)と同一の処理剤であり、二酸化炭素との接触により炭酸塩を生成する。前記酸化金属(Mpq)は、酸化カルシウム(CaO)または酸化マグネシウム(MgO)のいずれかを推奨でき、特に反応制御が容易である点で酸化カルシウムを推奨できる。前記一般式(B−I)は、それぞれ次の(B−IIb)(B−IIc)式となる。なお、(B−Ia)で使用した酸化アルミニウムは二酸化炭素とは反応しない。
CO2 + CaO → CaCO3…(B−IIb)
CO2 + MgO → MgCO3…(B−IIc)
(B−IIb)式に示す二酸化炭素(CO2)と酸化カルシウム(CaO)の反応は、常圧(約101KPa)で約400℃で反応を開始し、好適反応温度は400〜600℃である。
(B−IIc)式に示す二酸化炭素と酸化マグネシウム(MgO)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃である。
(B−IIb)(B−IIc)において生成される炭酸カルシウム(CaCO3)および炭酸マグネシウム(MgCO3)はいずれも安定で無害な化合物である。しかも、第1反応で副生した二酸化炭素を固形物に変換できるので、回収も容易である。また、第1反応(B−I)および第2反応(B−II)はいずれも酸化金属(Mpq)との接触反応であるため、第2反応(B−II)を起こす酸化カルシウム(CaO)または酸化マグネシウム(MgO)を用いればこれらの反応を一つのセル内で並行して進行させることができる。
〔IV〕 四フッ化メタンの無害化処理装置(酸化金属との反応による)
図2に示すのは、この発明の四フッ化メタン無害化処理方法を実施するための四フッ化メタン無害化処理装置(2)の一例である。
前記四フッ化メタン無害化処理装置(2)は、第1反応の処理剤である酸化金属(Mpq)が充填されたセル(53)、およびこのセル(53)内を加熱するヒータ(54)を有する反応器(52)と、四フッ化メタン(CF4)を含む被処理ガスを前記反応器(52)のセル(53)内に導入する導入路(51)と、前記反応器(52)のセル(53)内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル(53)外に排出する排出路(55)とを備える。
前記処理装置(2)において、被処理ガスを導入路(51)から連続的にセル(53)に導入すると、セル(53)内では上述の第1反応(B−I)によって四フッ化メタン(CF4)がフッ化金属(MFr)に変換され、副生する二酸化炭素(CO2)は排出路(55)から排出される。なお、前記セル(53)内の処理剤である酸化金属(Mpq)は第2反応(B−II)の処理剤でもあるから、前記セル(53)内では、副生する二酸化炭素が金属炭酸塩に変換される第2反応が並行して進行している。このため、被処理ガスと処理剤との接触時間を十分にとって、第2反応までを完了させるようにすれば、1つのセルで2段階の反応を行って高度の無害化処理を実施することができる。このとき、排出路(55)からは、被処理ガス中に含まれていた四フッ化メタン以外のガスやキャリアガスのみが排出される。もちろん、前記反応器の後段に酸化金属を充填したセルを追加装備して、第2反応を完了させても良い。
また、前記セル(53)に充填する処理剤の粒径、セル(53)を加熱するヒータ(54)、前記四フッ化メタン無害化処理装置(2)を円滑に稼働するための各種周辺装置は、三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
〔V〕 フッ化炭素の無害化処理方法(酸化金属との反応による)
この発明のフッ化炭素(Cn2n+2)の無害化処理方法は、n=2の六フッ化エタン(C26)およびn=3の八フッ化プロパン(C38)を対象とし、これらのフッ化炭素(Cn2n+2)を分解する第1反応を行い、次いで第1反応で副生した一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO2)に変換して無害化する第2反応を行い、要すればさらに第2反応で生成した二酸化炭素を固形物に変換する第3反応により高度の無害化を行うものである。これらの反応はいずれも接触反応であるから、固形状の処理剤にガスを接触させるか、あるいは反応系内に処理用ガスを吹き込むだけでフッ化炭素(Cn2n+2)を連続的に無害化処理することができる。
第1反応は、下記(C−I)式に示すように、フッ化炭素(Cn2n+2)を固形状の酸化金属(Mpq)に接触させて分解し、フッ化金属(MFr)と金属炭酸塩(Ms(CO3t)と一酸化炭素(CO)とを生成させる反応である。
aCn2n+2 + b(n+2)Mpq
→ c(n+1)MFr + dMs(CO3t + e(n-1)CO …(C−I)
(ただし、M:金属、a〜e、p〜t:自然数)
(C−I)式において、処理剤として使用する酸化金属(Mpq)は、それ自体が無害な化合物であり、フッ化炭素(Cn2n+2)との反応性が高いため、気体のフッ化炭素を接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFr)および金属炭酸塩(Ms(CO3t)は安定で無害である。また、副生する一酸化炭素(CO)は、後述の第2反応において容易に無害化できる。
前記酸化金属(Mpq)は、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)のいずれかを推奨でき、これらを用いたときの反応式は、それぞれ次の(C−Ia)(C−Ia’)(C−Ib)(C−Ib’)(C−Ic)(C−Ic’)式となる。
3C26+4Al23→6AlF3 +Al2(CO33+3CO…(C−Ia)
3C38+5Al23→8AlF3 +Al2(CO33+6CO…(C−Ia’)
26+4CaO→3CaF2 + CaCO3+ CO …(C−Ib)
38+5CaO→4CaF2 + CaCO3+ 2CO …(C−Ib’)
26+4MgO→3MgF2 + MgCO3+ CO …(C−Ic)
38+5MgO→4MgF2 + MgCO3+ 2CO …(C−Ic’)
(C−Ia)式に示す六フッ化エタン(C26)と酸化アルミニウム(Al23)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃である。また、(C−Ib’)式に示す八フッ化プロパン(C38)と酸化アルミニウム(Al23)の反応は、常圧(約101KPa)で約450℃で反応を開始し、好適反応温度は450〜550℃である。
(C−Ib)式に示す六フッ化エタン(C26)と酸化カルシウム(CaO)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃である。また、(C−Ib’)式に示す八フッ化プロパン(C38)と酸化カルシウム(CaO)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃である。
(C−Ic)式に示す六フッ化エタン(C26)と酸化マグネシウム(MgO)の反応は、常圧(約101KPa)で約550℃で反応を開始し、好適反応温度は550〜650℃である。また、(C−Ic’)式に示す八フッ化プロパン(C38)と酸化マグネシウム(MgO)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は550〜600℃である。
(C−Ia)(C−Ia’)(C−Ib)(C−Ib’)(C−Ic)(C−Ic’)式において生成されるフッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)およびフッ化マグネシウム(MgF2)は、上述の三フッ化窒素の無害化処理方法で説明したように無害物質であり、炭酸アルミニウム(Al2(CO33)、炭酸カルシウム(CaCO3)および炭酸マグネシウム(MgCO3)もまた無害物質である。また、これらの反応で副生する一酸化炭素は、(C−II)に示す酸素との反応で容易に無害化できる。
2CO + O2 → 2CO2 … (C−II)
上記反応は、常圧(約101KPa)、常温で即時に反応を開始する。
さらに要すれば、(C−II)式において生成された二酸化炭素(CO2)は、第3反応(C−III)によって酸化金属(Mpq)に接触させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)に変換する高度の無害化処理を行うことが好ましい。一般式(C−III)、ならびに酸化カルシウム(CaO)を用いる(C−IIIb)および酸化マグネシウム(MgO)を用いる(C−IIIc)は、(B−II)、(B−IIb)(B−IIc)と同一反応であるから説明を省略する。
〔VI〕 フッ化炭素の無害化処理装置(酸化金属との反応による)
図3に示すのは、この発明のフッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)の無害化処理方法を実施するためのフッ化炭素無害化処理装置(3)の一例である。
前記フッ化炭素無害化処理装置(3)は、第1反応の処理剤である酸化金属(Mpq)が充填されたセル(63)、およびこのセル(63)内を加熱するヒータ(64)を有する反応器(62)と、フッ化炭素(Cn2n+2)を含む被処理ガスを前記反応器(62)のセル(63)内に導入する導入路(61)と、前記セル(63)内に酸素(O2)を供給する酸素供給路(65)と、前記反応器(62)のセル(63)内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル(63)外に排出する排出路(66)とを備える。
前記処理装置(3)において、被処理ガスを導入路(61)から連続的にセル(63)に導入すると、前記セル(63)では上述の第1反応(C−I)によりフッ化炭素がフッ化金属(MFr)と金属炭酸塩(Ms(CO3t)と一酸化炭素(CO)とに変換されるとともに、酸素供給路(65)からセル(63)内に供給された酸素により第2反応(C−II)が起こって一酸化炭素(CO)が二酸化炭素(CO2)に変換される。なお、前記セル(63)内の処理剤である酸化金属(Mpq)は第3反応(C−III)の処理剤でもあるから、前記セル(63)内では、生成された二酸化炭素が金属炭酸塩に変換される第3反応が並行して進行している。このため、被処理ガスと処理剤との接触時間を十分にとって、第3反応までを完了させるようにすれば、1つのセルで3段階の反応を行って高度の無害化処理を実施することができる。このとき、排出路(66)からは、被処理ガス中に含まれていたフッ化炭素以外のガスやキャリアガスのみが排出される。もちろん、前記反応器(62)の後段に酸化金属を充填したセルを追加装備して、第3反応を完了させても良い。
また、前記セル(63)に充填する処理剤の粒径、セル(63)を加熱するヒータ(64)、前記フッ化炭素無害化処理装置(3)を円滑に稼働するための各種周辺装置は、三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
〔VII〕 フッ素ガスの無害化処理方法(酸化金属との反応による)
この発明のフッ素ガス(F2)の無害化処理方法は、下記(D−I)式に示すように、酸化金属(Mpq)にフッ素ガス(F2)を接触させて無害化を行うものである。
aF2 + bMpq → cMFr + dO2 … (D−I)
(ただし、M:金属、a〜d、p〜r:自然数)
(D−I)式において、処理剤として使用する酸化金属(Mpq)は、それ自体が無害な化合物であり、フッ素ガス(F2)との反応性が高いため、フッ素ガスを接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFr)は安定で無害である。また、副生する酸素(O2)は無害でありそのまま大気中に放出することができる。
前記酸化金属(Mpq)は、酸化アルミニウム(Al23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)のいずれかを推奨でき、特に反応制御が容易である点で酸化カルシウムを推奨できる。これらを用いたときの反応式は、それぞれ次の(D−Ia)(D−Ib)(D−Ic)式となる。
3F2 + 2Al23 → 2AlF3 + 3O2 … (D−Ia)
2F2 + 2CaO → 2CaF2 + O2 … (D−Ib)
2F2 + 2MgO → 2MgF2 + O2 … (D−Ic)
(D−Ia)式に示すフッ素ガス(F2)と酸化アルミニウム(Al23)の反応は、常圧(約101KPa)で約300℃で反応を開始し、好適反応温度は300〜400℃である。
(D−Ib)式に示すフッ素ガス(F2)と酸化カルシウム(CaO)の反応は、常圧(約101KPa)で約500℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃である。
(D−Ic)式に示すフッ素ガス(F2)と酸化マグネシウム(MgO)の反応は、常圧(約101KPa)で約550℃で反応を開始し、好適反応温度は550〜650℃である。
(D−Ia)(D−Ib)(D−Ic)式において生成されるフッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)およびフッ化マグネシウム(MgF2)は、上述の三フッ化窒素の無害化処理方法で説明したように無害物質である。また、副生する酸素はもとより無害であるからそのまま大気中に放出することができる。
〔VIII〕 フッ素ガスの無害化処理装置(酸化金属との反応による)
図4に示すのは、この発明のフッ素ガス(F2)の無害化処理方法を実施するためのフッ素ガス無害化処理装置(4)の一例である。
前記フッ素ガス無害化処理装置(4)は、処理剤である酸化金属(Mpq)が充填されたセル(73)、およびこのセル(73)内を加熱するヒータ(74)を有する反応器(72)とフッ素ガス(F2)、被処理ガスを前記反応器(72)のセル(73)内に導入する導入路(71)と、前記反応器(72)のセル(73)内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル(73)外に排出する排出路(75)とを備える。
前記処理装置(4)において、フッ素ガスを含有する被処理ガスを導入路(71)から連続的にセル(73)に導入すると、セル(73)内では上述の反応(D−I)によってフッ素ガスがフッ化金属(MFr)に変換されて無害化され、副生する酸素(O2)は排出路(75)から排出される。
また、前記セル(73)に充填する処理剤の粒径、セル(73)を加熱するヒータ(74)、前記フッ素ガス無害化処理装置(4)を円滑に稼働するための各種周辺装置は、三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
〔IX〕 フッ化炭素の無害化処理方法(塩化金属との反応による)
上述した酸化金属によるフッ化炭素(Cn2n+2:n=1,2,3)の処理では、副生物の相違によりn=1の四フッ化メタンと、n=2,3の六フッ化プロパンおよび八フッ化エタンとを区分して取り扱ったが、塩化金属による処理では反応生成物が共通であるため、これらを一括して取り扱う。
この発明のフッ化炭素(Cn2n+2)の無害化処理方法は、フッ化炭素(Cn2n+2)を分解する第1反応を行って無害化し、要すれば第1反応で副生した塩素ガス(Cl2)を固形物の塩化金属に変換する第2反応または第2’反応により高度の無害化を行うものである。これらの反応はいずれも接触反応であるから、固形状の処理剤にガスを接触させるか、あるいは反応系内に処理用ガスを吹き込むだけでフッ化炭素(Cn2n+2)を連続的に無害化処理することができる。
第1反応は、下記(E−I)式に示すように、フッ化炭素(Cn2n+2)を固形状の塩化金属(MClp)に接触させて分解し、フッ化金属(MFp)と炭素(C)と塩素ガス(Cl2)とを生成させる反応である。
aCn2n+2 + bMClp
→ bMFp + (a・n)C + (b・p/2)Cl2 …(E−I)
(ただし、M:金属、a,b,p:自然数)
(E−I)式において、処理剤として使用する塩化金属(MClp)は、それ自体が無害な化合物であり、フッ化炭素(Cn2n+2)との反応性が高いため、気体のフッ化炭素を接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFp)および炭素(C)は安定で無害である。また、副生する塩素ガス(Cl2)は、アルカリスラクラバーに吸収させる等の簡易な公知手段で除去できる他、後述の第2反応または第2’反応に基づいて容易に無害化できる。
前記塩化金属(MClp)としては、塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、塩化亜鉛(ZnCl2)、塩化ジルコニウム(ZrCl4)等を例示でき、これらのうち、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを用いたときの反応式は、それぞれ次の(E−Ia)(E−Ia’)(E−Ia'')(E−Ib)(E−Ib’)(E−Ib'')(E−Ic)(E−Ic’)(E−Ic'')式となる。また、上述の塩化金属のうち、反応性が高く短時間で確実に処理できる塩化アルミニウムを推奨できる。
3CF4 + 4AlCl3 → 4AlF3 + 3C+ 6Cl2 …(E−Ia)
26 + 2AlCl3 → 2AlF3 + 2C+ 3Cl2 …(E−Ia’)
3C38+ 8AlCl3 → 8AlF3 + 9C+ 12Cl2 …(E−Ia'')
CF4 + 2CaCl2 → 2CaF2 + C+ 2Cl2 …(E−Ib)
26 + 3CaCl2 → 3CaF2 + 2C+ 3Cl2 …(E−Ib’)
38+ 4CaCl2 → 4CaF2 + 3C+ 4Cl2 …(E−Ib'')
CF4 + 2MgCl2 → 2MgF2 + C+ 2Cl2 …(E−Ic)
26 + 3MgCl2 → 3MgF2 + 2C+ 3Cl2 …(E−Ic’)
38+ 4MgCl2 → 4MgF2 + 3C+ 4Cl2 …(E−Ic'')
これらの反応によって生成されるフッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)およびフッ化マグネシウム(MgF2)は、上述の三フッ化窒素の無害化処理方法で説明したように無害物質であり、炭素(C)も無害物質である。また、これらの反応で副生する塩素ガス(Cl2)は、アルカリスラクラバーに吸収させる等の簡易な公知手段で反応系から除去し、固定することができる。また要すれば、(E−II)に示す酸化金属(Mqr)との第2反応、あるいは(E−II’)に示す酸化金属(Mqr)と炭素(C)との第2’反応に基づいて容易に二次処理することができる。
cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(E−II)
(ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(E−II’)
(ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
なお、これらの反応は、三フッ化窒素の無害化処理方法に適用した(A−II)(A−II’)式と共通であって、反応条件もこれに準ずる。また、生成する塩化金属(MClp)は、第1反応(E−I)の処理剤として再利用することができる。
さらに要すれば、(E−II’)生成された二酸化炭素(CO2)は、上述の酸化金属によるフッ化炭素の処理方法における第3反応(C−III)に基づいて金属炭酸塩に変換することもできる。
〔X〕 フッ化炭素の無害化処理装置(塩化金属との反応による)
図5に示すのは、この発明のフッ化炭素(Cn2n+2;n=1、2,3)の無害化処理方法を実施するためのフッ化炭素無害化処理装置(5)の一例である。
前記フッ化炭素無害化処理装置(5)は、第1反応の処理剤である塩化金属(Clp)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する第1反応器(82)と、フッ化炭素(Cn2n+2)を含む被処理ガスを前記第1反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、前記第1反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備える。
前記処理装置(5)において、被処理ガスを導入路(81)から連続的にセル(83)に導入すると、前記セル(63)では上述の第1反応(E−I)によりフッ化炭素がフッ化金属(MFp)と炭素(C)と塩素ガス(Cl2)とに変換されて無害化される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化金属(MFp)および炭素(C)はセル(83)内に残留し、気体の塩素ガス(Cl2)は一次処理済みガスとして排出路(85)から排出される。
要すればさらに、排出された一次処理済みガスは、図示例のように前記排出路(85)上に第2反応(E−II)または第2’反応(E−II')を行う第2反応器(86)を設置して二次処理することができる。これらの反応により、一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)が塩化金属(MClp)に変換されて高度に無害化される。第2反応器(86)は、前記第1反応器(82)と同様に、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、処理剤である酸化金属(Mqr)、あるいは酸化金属(Mqr)および炭素(C)を充填したセル(87)、セル(87)を加熱するヒータ(88)を有し、セル(87)で処理された二次処理済みガスは排出路(85')からセル(87)外へ排出される。
また、前記セル(83)(87)に充填する処理剤の粒径、セル(83)(87)を加熱するヒータ(84)(88)、前記フッ化炭素無害化処理装置(5)を円滑に稼働するための各種周辺装置は、三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
〔XI〕 フッ素ガスの無害化処理方法(塩化金属との反応による)
この発明のフッ素ガス(F2)の無害化処理方法は、フッ素ガス(F2)を固定する第1反応を行って無害化し、要すれば第1反応で副生した塩素ガス(Cl2)を固形物の塩化金属に変換する第2反応または第2’反応により高度の無害化を行うものである。これらの反応はいずれも接触反応であるから、固形状の処理剤にガスを接触させるか、あるいは反応系内に処理用ガスを吹き込むだけでフッ素ガス(F2)を連続的に無害化処理することができる。
第1反応は、下記(F−I)式に示すように、フッ素ガス(F2)を固形状の塩化金属(MClp)に接触させて無害化を行うものである。
aF2 + bMClp → bMFp + (b・p/2)Cl2 …(F−I)
(ただし、M:金属、a、b、p:自然数)
(F−I)式において、処理剤として使用する塩化金属(MClp)は、それ自体が無害な化合物であり、フッ素ガス(F2)との反応性が高いため、フッ素ガスを接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFp)は安定で無害である。また、副生する塩素ガス(Cl2)は、アルカリスラクラバーに吸収させる等の簡易な公知手段で除去できる他、後述の第2反応または第2’反応に基づいて容易に無害化できる。
前記塩化金属(MClp)としては、上述のフッ化炭素の処理と同様に、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、塩化亜鉛、塩化ジルコニウム等を例示でき、特に塩化アルミニウムを推奨できる。これらのうち、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを用いたときの反応式は、それぞれ次の(F−Ia)(F−Ib)(F−Ic)式となる。
3F2 + 2AlCl3 → AlF3 + 3Cl2 …(F−Ia)
2 + CaCl2 → CaF2 + Cl2 …(F−Ib)
2 + CaCl2 → CaF2 + Cl2 …(F−Ic)
これらの反応によって生成されるフッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)およびフッ化マグネシウム(MgF2)は、上述の三フッ化窒素の無害化処理方法で説明したように無害物質であり、炭素(C)も無害物質である。また、これらの反応で副生する塩素ガス(Cl2)は、アルカリスラクラバーに吸収させる等の簡易な公知手段で反応系から除去し、固定することができる。また要すれば、(F−II)に示す酸化金属(Mqr)との第2反応、あるいは(F−II’)に示す酸化金属(Mqr)と炭素(C)との第2’反応に基づいて容易に二次処理することができる。
cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(F−II)
(ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(F−II’)
(ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
なお、これらの反応は、三フッ化窒素の無害化処理方法に適用した(A−II)(A−II’)式と共通であって、反応条件もこれに準ずる。また、生成する塩化金属(MClp)は、第1反応(F−I)の処理剤として再利用することができる。
さらに要すれば、(F−II’)生成された二酸化炭素(CO2)は、上述の酸化金属によるフッ化炭素の処理方法における第3反応(C−III)に基づいて金属炭酸塩に変換することもできる。
〔XII〕 フッ素ガスの無害化処理装置(塩化金属との反応による)
図5に示すのは、この発明のフッ素ガス(F2)の無害化処理方法を実施するためのフッ素ガスの無害化処理装置(6)の一例である。
なお、本処理装置(6)は、上述のフッ化炭素の無害化処理装置(5)とは、セル内に充填する処理剤が共通し反応生成物の一部が共通するため、共通の符号を用いて説明する。
前記フッ素ガス無害化処理装置(6)は、第1反応の処理剤である塩化金属(MClp)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する第1反応器(82)と、フッ素ガス(F2)を含む被処理ガスを前記第1反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、前記第1反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備える。
前記処理装置(6)において、被処理ガスを導入路(81)から連続的にセル(83)に導入すると、前記セル(63)では上述の第1反応(F−I)によりフッ素ガス(F2)がフッ化金属(MFp)と塩素ガス(Cl2)とに変換されて無害化される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化金属(MFp)はセル(83)内に残留し、気体の塩素ガス(Cl2)は一次処理済みガスとして排出路(85)から排出される。
要すればさらに、排出された一次処理済みガスは、図示例のように前記排出路(85)上に第2反応(E−II)または第2’反応(E−II')を行う第2反応器(86)を設置して二次処理することができる。これらの反応により、一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)が金属塩化物(MClp)に変換されて高度に無害化される。第2反応器(86)は、前記第1反応器(82)と同様に、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、処理剤である酸化金属(Mqr)、あるいは酸化金属(Mqr)および炭素(C)を充填したセル(87)、セル(87)を加熱するヒータ(88)を有し、セル(87)で処理された二次処理済みガスは排出路(85')からセル(87)外へ排出される。
また、前記セル(83)(87)に充填する処理剤の粒径、セル(83)(87)を加熱するヒータ(84)(88)、前記フッ素ガス無害化処理装置(6)を円滑に稼働するための各種周辺装置は、三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
〔XIII〕 フッ化炭化水素の無害化処理方法(塩化金属との反応による)
フッ化炭化水素(C224)は例えば代替フロンR−134aガスとして知られている。この発明のフッ化炭化水素(C224)の無害化処理方法は、これを分解する第1反応を行って無害化し、要すればさらに第1反応で副生した塩素ガス(Cl2)を固形物の塩化金属に変換する第2反応または第2’反応により高度の無害化を行うものである。これらの反応はいずれも接触反応であるから、固形状の処理剤にガスを接触させるか、あるいは反応系内に処理用ガスを吹き込むだけでフッ化炭化水素(C224)を連続的に無害化処理することができる。
第1反応は、下記(G−I)式に示すように、フッ化炭化水素(C224)を固形状の塩化金属(MClp)に接触させて分解し、フッ化金属(MFp)と炭素(C)と水素ガス(H2)と塩素ガス(Cl2)とを生成させる反応である。
aC224 + bMClp
→bMFp+2aC+aH2+(b・p/2)Cl2 … (G−I)
(ただし、M:金属、a、b、p:自然数)
(G−I)式において、処理剤として使用する塩化金属(MClp)は、それ自体が無害な化合物であり、フッ化炭化水素(C224)との反応性が高いため、気体のフッ化炭化水素を接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFp)および炭素(C)は安定で無害である。また、副生する塩素ガス(Cl2)は、アルカリスラクラバーに吸収させる等の簡易な公知手段で除去できる他、後述の第2反応または第2’反応において容易に無害化できる。
前記塩化金属(MClp)は、上述のフッ化炭素の処理と同様に、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、塩化亜鉛、塩化ジルコニウム等を例示でき、特に塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを推奨できる。塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを用いたときの反応式は、それぞれ次の(G−Ia)(G−Ib)(G−Ic)式となる。
3C224+4AlCl3→4AlF3+6C+3H2+6Cl2 …(G−Ia)
224+2CaCl2→2CaF2+2C+H2+2Cl2 …(G−Ib)
224+2MgCl2→2MgF2+2C+H2+2Cl2 …(G−Ic)
これらの常圧(約101KPa)における反応開始温度と好適反応温度は次のとおりである。
(G−Ia)式に示す塩化アルミニウム(AlCl3)は極めて反応性が高く低温で反応を開始し、好適反応温度は300〜500℃である。(G−Ib)式に示す塩化カルシウム(CaCl2)および(G−Ic)式に示す塩化マグネシウム(MgCl2)の反応は、いずれも約145℃で反応を開始し、好適反応温度は400〜600℃である。また、いずれの処理剤も反応率は高く、反応時間(接触時間)、反応温度等の条件を適正に設定によりフッ化炭化水素をほぼ100%無害化することができる。
これらの反応によって生成されるフッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)およびフッ化マグネシウム(MgF2)は、上述の三フッ化窒素の無害化処理方法で説明したように無害物質であり、炭素(C)も無害物質である。また、これらの反応で副生する塩素ガス(Cl2)は、(G−II)に示す酸化金属(Mqr)との第2反応、あるいは(G−II’)に示す酸化金属(Mqr)と炭素(C)との第2’反応に基づいて容易に無害化できる。
cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(G−II)
(ただし、c〜f、p〜r:自然数)
gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(G−II’)
(ただし、g〜k、p〜r:自然数)
なお、これらの反応は、塩化金属によるフッ化炭素の無害化処理方法に適用した(E−II)(E−II’)式と共通であって、反応条件もこれに準ずる。また、生成する塩化金属(MClp)は、第1反応(G−I)の処理剤として再利用することができる。
さらに要すれば、(G−II’)生成された二酸化炭素(CO2)は、上述の酸化金属によるフッ化炭素の処理方法における第3反応(C−III)に基づいて金属炭酸塩に変換することもできる。
〔XIV〕 フッ化炭化水素の無害化処理装置(塩化金属との反応による)
図6に示すのは、この発明のフッ化炭化水素(C224)の無害化処理方法を実施するためのフッ化炭化水素の無害化処理装置(7)の一例である。
前記処理装置(7)は、第1反応の処理剤である塩化金属(MClp)が充填されるセル(図示省略)を有する反応器(90)、セル内を加熱するヒータ(91)、フッ化炭化水素(C224)を含む被処理ガスを前記反応器(90)のセル内に導入する導入路(93)と、前記反応器(90)のセル内を通過する間に無害化された一次処理済みガスを系外に排出する排出路(94)とを備える。また、図6中、(92)はフッ化炭化水素が貯蔵されたボンベ、(95)はキャリアガスとして用いられる窒素ガスが貯蔵されたボンベ、(96)はセル内を脱気する真空ポンプ、(97)は圧力計、(98)は熱伝対温度計、(99)はサーモスタット、(100)(101)(102)は開閉弁である。前記反応器(90)は本発明請求項43の第1反応器に対応するものである。
前記処理装置(7)において、被処理ガスを導入路(93)から連続的に反応器(90)のセル内に導入すると、上述の第1反応(G−I)によりフッ化炭化水素(C224)がフッ化金属(MFp)、炭素(C)、水素ガス(H2)、塩素ガス(Cl2)に変換されて無害化される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化金属(MFp)および炭素(C)はセル内に残留し、気体の塩素ガス(Cl2)および水素ガス(H2)は一次処理済みガスとして排出路(94)から排出される。
要すればさらに、排出された一次処理済みガスは、含有される塩素ガスが反応式(G−II)に基づく酸化金属(Mqr)によって処理され、あるいは反応式(G−II')に基づく酸化金属(Mqr)および炭素(C)によって処理されて、塩化金属と酸素、あるいは塩化金属と炭酸ガスに変換される。反応式(G−II)(G−II')に基づく処理は、排出路(94)の後段に、上述のフッ化炭素の無害化処理方法のおよび処理装置(5)に準じて、上記処理剤を充填した第2反応器または第2’反応器を接続して二次処理し、これらの反応器から二次処理済みガスを排出する排出路を設けることによって行うことができる。
また、前記セルに充填する処理剤の粒径、セルを加熱するヒータ(91)は三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。さらに、反応器(90)に導入する被処理ガスの乾燥器や予備加熱器、処理済みガス中の未反応ガス濃度を監視する検出器等の各種周辺装置を追加しても良く、これらの詳細は三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
〔XV〕 フッ化炭化水素の無害化処理方法(酸化金属との反応による)
この発明のフッ化炭化水素(C224)の無害化処理方法は、下記(H−I)式に示すように、酸化金属(Mpq)にフッ化炭化水素ガス(C224)を接触させて無害化を行うものである。
aC224+bMpq →cMFr+ dC+eH2O+fCO2 … (H−I)
(ただし、M:金属、a〜f、p〜r:自然数)
(H−I)式において、処理剤として使用する酸化金属(Mpq)は、それ自体が無害な化合物であり、フッ化炭化水素ガス(C224)との反応性が高いため、フッ素ガスを接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化金属(MFr)は安定で無害である。また、副生する炭素(C)、水(H2O)、炭酸ガス(CO2)はいずれも無害である。また、副生する二酸化炭素は無害であるが、二酸化炭素排出量の増大が地球温暖化の一因となっていることを考慮すると、後述の第2反応(H−II)によって二酸化炭素を炭酸塩に変換する高度の無害化処理を行うことが好ましい。なお、(H−II)式は上述したフッ化炭素の無害化処理における(B−II)式と同一反応である。
前記酸化金属(Mpq)は、酸化アルミニウム(Al23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)を例示でき、特に反応性が良好で反応制御が容易である点でSrOおよびCaOを推奨できる。これらを用いたときの反応式は、それぞれ次の(H−Ia)(H−Ib)(H−Ic)(H−Id)(H−Ie)式となる。
6C2H24+4Al23
→8AlF3+9C+6H2O+3CO2…(H−Ia)
2C224+4CaO→4CaF2+3C+2H2O+CO2…(H−Ib)
2C224+4MgO→4MgF2+3C+2H2O+CO2…(H−Ic)
2C224+4SrO→4SrF2+3C+2H2O+CO2…(H−Id)
2C224+4BaO→4BaF2+3C+2H2O+CO2…(H−Ie)
これらの反応のうち、(H−Ib)式によるCaOの反応は、常圧(約101KPa)で約137℃で反応を開始し、好適反応温度は500〜600℃であるまた、(H−Id)式によるSrOの好適反応温度は450〜550℃である。また、いずれの処理剤も反応率は高く、反応時間(接触時間)、反応温度等の条件を適正に設定することによりフッ化炭化水素をほぼ100%させて無害化することができ、かつ腐食性ガスの副生もない。
〔XVI〕フッ化炭化水素の無害化処理装置(酸化金属による)
図6に示すのは、この発明のフッ化炭化水素(C224)の無害化処理方法を実施するためのフッ化炭化水素の無害化処理装置(8)の一例である。
前記処理装置(8)は、第1反応(H−I)の処理剤である酸化金属(Mqr)が充填されるセル(図示省略)を有する反応器(90)であり、前記塩化金属による処理装置(7)と同じくヒータ(91)、導入路(93)、排出路(94)を備える。また、図6中、フッ化炭化水素が貯蔵されたボンベ(92)、窒素ガスが貯蔵されたボンベ(95)、真空ポンプ(96)、圧力計(97)、熱伝対温度計(98)、サーモスタット(99)、開閉弁(100)(101)(102)も前記処理装置(7)に準じる。
前記処理装置(8)において、被処理ガスを導入路(93)から連続的に反応器(90)のセル内に導入すると、上述の第1反応(H−I)によりフッ化炭化水素(C224)がフッ化金属(MFr)、炭素(C)、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)に変換されて無害化される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化金属(MFp)および炭素(C)はセル内に残留し、二酸化炭素(CO2)はさらに酸化金属(Mpq)に接触して第2反応(H−II)により(Ms(CO3t)に変換されてセル内に残留する。また、水は一部はセル内に残留し、一部は水蒸気として被処理ガス中の他のガス(キャリアガス等)とともに処理済みガスとして排出路(94)から排出される。
また、前記セルに充填する処理剤の粒径、セルを加熱するヒータ(91)は三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。さらに、反応器(90)に導入する被処理ガスの乾燥器や予備加熱器、処理済みガス中の未反応ガス濃度を監視する検出器等の各種周辺装置を追加しても良く、これらの詳細は三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
〔XVII〕 フッ化炭化水素の無害化処理方法(炭化カルシウムとの反応による)
この発明のフッ化炭化水素(C224)の無害化処理方法は、下記(J−I)式に示すように、炭化カルシウム(CaC2)にフッ化炭化水素ガス(C224)を接触させることにより無害化を行うものである。
224+2CaC2→2CaF2+6C+H2 … (J−I)
(J−I)式において、処理剤として使用する炭化カルシウム(CaC2)は、それ自体が無害な化合物であり、フッ化炭化水素ガス(C224)との反応性が高いため、フッ化炭化水素ガスを接触させるだけで前記反応が起こる。そして、この反応により生成されるフッ化カルシウム(CaF2)は安定で無害である。また、副生する炭素(C)、水素ガス(H2)はいずれも無害である。
上記反応の好適反応温度は400〜600℃である。
〔XVIII〕フッ化炭化水素の無害化処理装置(炭化カルシウムによる)
図6に示すのは、この発明のフッ化炭化水素(C224)の無害化処理方法を実施するためのフッ化炭化水素の無害化処理装置(9)の一例である。
前記処理装置(9)は、第1反応(J−I)の処理剤である炭化カルシウム(CaC2)が充填されるセル(図示省略)を有する反応器(90)であり、前記塩化金属による処理装置(7)と同じくヒータ(91)、導入路(93)、排出路(94)を備える。また、図6中、フッ化炭化水素が貯蔵されたボンベ(92)、窒素ガスが貯蔵されたボンベ(95)、真空ポンプ(96)、圧力計(97)、熱伝対温度計(98)、サーモスタット(99)、開閉弁(100)(101)(102)も前記処理装置(7)に準じる。
前記処理装置(9)において、被処理ガスを導入路(93)から連続的に反応器(90)のセル内に導入すると、上述の反応(J−I)によりフッ化炭化水素(C224)がフッ化カルシウム(CaF2)、炭素(C)、水素ガス(H2)に変換されて無害化される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化カルシウム(CaF2)および炭素(C)はセル内に残留し、水素ガス(H2)は被処理ガス中の他のガス(キャリアガス等)とともに処理済みガスとして排出路(94)から排出される。
また、前記セルに充填する処理剤の粒径、セルを加熱するヒータ(91)は三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。さらに、反応器(90)に導入する被処理ガスの乾燥器や予備加熱器、処理済みガス中の未反応ガス濃度を監視する検出器等の各種周辺装置を追加しても良く、これらの詳細は三フッ化窒素無害化処理装置(1)に準ずる。
三フッ化窒素、四フッ化メタン、フッ化炭素およびフッ素ガスのフッ素系ガス無害化処理方法およびその処理装置の具体的実施例について、図1〜図5を参照しつつ説明する。
図1〜図5に示す各処理装置(1)(2)(3)(4)(5)(6)の装置構成を示すブロック図において、共通部分をまとめて説明する。
各反応器(11)(11')(21)(52)(62)(72)(82)(86)は、上部および底部にガス通路(31)(15)、(15)(33)、(51)(55)、(61)(66)、(71)(75)、(81)(85)、(85)(85')に連結される開口部を有する円筒状のセル(12)(12’)(22)(53)(63)(73)(83)(87)、およびこれらのセル(12)(12')(22)(53)(63)(73)(83)(87)の内部を所定温度に加熱するヒータ(13)(13')(23)(54)(64)(74)(84)(88)を有する。前記セル(12)(12')(22)(53)(63)(73)(83)(87)内には固形状の各種処理剤が充填されるが、これらの開口部はフィルター装着によりガスを流通性を確保しつつ内部充填物が脱落しないようになされている。
また、(31)(51)(61)(71)(81)は被処理ガスを反応器(11)(52)(62)(72)(82)のセル(12)(53)(63)(73)(83)内に導入するための導入路であり、これらの導入路(31)(51)(61)(71)(81)上において、各フッ素系ガスを含有する被処理ガスと該被処理ガスを装置内に流通させるためのキャリアガスとを混合する気体混合器(41)、反応器(11)(11')(52)(62)(72)(82)(86)における反応効率の向上を図るために混合気体に含有する水分を除去する乾燥器(42)、反応器(11)(11')(52)(62)(72)(82)(86)における反応を促進するために被処理ガスを反応好適温度に加熱するための予備加熱器(43)が設けられている。一方、(33)(55)(66)(75)(85)は前記反応器(21)(52)(62)(72)において処理された処理済みガスを排出させる排出路であり、これらの排出路(33)(55)(66)(75)(85)上には処理済みガス中のフッ素系ガスの濃度を検知する検知器(44)(59)(69)(79)が設けられている。また、図5に示す処理装置(5)(6)(7)においては、前記排出路(85)上に第2反応器(86)が設けられ、排出路(85)は実質的に第2反応器(86)のセル(87)への連通路となされ、排出路(85)の後段部分(85')から処理済みガスが排出される。(89)は、排出路(85)の後段部分(85')上に設けられた検知器である。
また、各処理装置(1)(2)(3)(4)(5)(6)は、キャリアガスとして窒素ガスが用いて系内の空気を置換し、各反応は非酸化雰囲気で行われるようになされている。また、三フッ化窒素の検出器(44)として日本酸素株式会社製のNitrogen Trifluoride Leak Detector MODEL NF-1を用い、四フッ化メタン、フッ化炭素、フッ素ガスおよびフッ化炭化水素の検知器(59)(69)(79)(89)として、キャピラリーガスクロマトグラフ(島津製作所製、型式17A)を用いた。
〔三フッ化窒素の無害化処理方法および処理装置〕
図1に示す三フッ化窒素無害化処理装置(1)おいて、第1反応(A−1)を行う第1反応器は、同一構成の2台の反応器(11)(11')が連絡路(15)によって直列に連結されることにより構成され、セル(12)(12')内には第1反応(A−I)の処理剤であるハロゲン化金属(MXp)が充填されている。この実施例のように、2台あるいはそれ以上の複数の反応器を連結することにより、三フッ化窒素(NF3)のハロゲン化金属(MXp)への接触機会を増やして、第1反応(A−I)を確実に行わせることができる。確実な第1反応(A−I)はセル(12)容量の拡大によっても行えるが、本実施例のように複数の反応器の連結使用は装置構成の組換えが容易にできるという利点があり、被処理ガス中の三フッ化窒素濃度や処理量に変化があった場合、組み入れる反応器数の増減により過不足なく反応を行わせることができる。また、個々のユニットを小型化できるため、消耗品であるセル充填物の交換作業や装置の保守点検が容易である点でも有利である。
第2反応器(21)のセル(22)内には、第2反応(A−II)の処理剤である酸化金属(Mrs)、または第2’反応(A−II’)の処理剤である酸化金属(Mrs)および炭素(C)が充填されている。なお、第2反応器(21)についても上述の第1反応器(11)(11')と同様に複数ユニットを連結しても良い。
そして、後段の第1反応器(11')と第2反応器(21)とは連通路(32)を介して連結されており、第1反応器(11')において処理された被処理ガスは第2反応器(21)に導入される。従って、被処理ガスは、導入路(31)、第1反応器(11)(11')、連通路(32)、第2反応器(21)、排出路(33)の順路をたどり、この間に無害化処理がなされる。
なお、本図では、第1および第2反応器(11)(11')(21)において、被処理ガスを上部から導入して底部から排出させるダウンフロー方式を採用しているが、本発明は反応器内の流通方式を限定するものではない。その他の流通方式として、底部から導入して上部から排出させるアップフロー方式、あるいは処理済みガスを反応器内でセル内流通方向とは逆方向に導く方式等を例示できる。
前記三フッ化窒素無害化処理装置(1)における無害化処理は、次のように行われる。即ち、2台の第1反応器(11)(11')はそれぞれのヒータ(13)(13')により、セル(12)(12')内は反応式(A−I)に基づくハロゲン化金属(MXp)に応じた反応好適温度に調整されているとともに、第2反応器(21)のセル(22)内もヒータ(23)により反応式(A−II)に基づく酸化金属(Mrs)または反応式(A−II’)に基づく酸化金属(Mrs)および炭素(C)に応じた反応好適温度に調整されている。そして、導入路(31)より供給される三フッ化窒素を含有する被処理ガスは、気体混合器(41)においてキャリアガスと混合され、乾燥器(42)において水分除去され、さらに予備加熱器(43)において第1反応(A−I)に適した温度に加熱されて、2台の第1反応器(11)(11')に順次導入される。第1反応器(11)(11')において、三フッ化窒素はセル(12)(12')内を通過する間に、(A−I)式で表される反応を起こして、フッ化金属(MFq)、ハロゲンガス(X2)および窒素ガス(N2)が生成される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化金属(MFq)はセル(12)(12')内にとどまり、気体のハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)は、連通路(32)を通って第2反応器(21)のセル(22)内に導入される。そして、第2反応器(21)のセル(22')内を通過する間に、ハロゲンガス(X2)が(A−II)式または(A−II’)式に基づく反応を起こし、一方窒素ガス(N2)は反応に関与することなく通過する。そして、(A−II)式に基づく第2反応の場合は、ハロゲン化金属(MXp)と酸素(O2)とが生成され、(A−II’)式に基づく場合はハロゲン化金属(MXp)と二酸化炭素(CO2)が生成される。そして、固形状のハロゲン化金属(MXp)はセル(22)内にとどまり、気体状の酸素(O2)または二酸化炭素(CO2)、さらに第1反応器(11)(11')内で生成され、またはキャリアガスとして使用した窒素ガス(N2)は排出路(33)から排出される。これらの混合処理済みガスは、検知器(44)において三フッ化窒素濃度を測定し、未反応物が基準値以下であることを確認した上で大気中に放出される。また、第2反応器(21)において生成されたハロゲン化金属(MXp)は、第1反応器(11)(11')のセル(12)(12')内充填物として再利用することができる。
上述の三フッ化窒素無害化処理装置(1)により、異なる処理剤を用いて処理試験を行った。
各処理試験において、第1反応器(11)(11)のセル(12)(12')は内径10cm×長さ40cm、第2反応器(21)のセル(22)は内径8cm×長さ30cmのもの共通してを使用し、前記セル(12)(12')(22)内に充填する処理剤の種類、平均粒径および充填量は表4に示すとおりである。
そして、セル(12)(12')(22)内を表4に示す温度に調整し、表4に示す三フッ化窒素 濃度の被処理ガスを所定の流量で装置(1)内に導入して連続的処理した。その結果、第2反応器(22)から排出される処理済みガス中の三フッ化窒素濃度は、表4に示す濃度となった。
Figure 2005052724
前記被処理ガス中の三フッ化窒素濃度は、半導体製造プロセスにおいて排出される廃ガス中の三フッ化窒素濃度に準じた濃度である。また、米国連邦当局公布(1974年39巻)によれば、三フッ化窒素のT.W.A.値(1日8時間、1週40時間労働作業環境許容濃度)は10ppmである。これらのことから、この発明の方法および装置により、半導体製造プロセスにおいて発生する廃ガス中の三フッ化窒素を許容限度内の濃度にまで分解できることを確認できた。
さらに、前記条件下での本装置の処理能力を、前記許容濃度以下に連続処理することができた時間として表し、表4に併せて示す。
〔四フッ化メタンの無害化処理方法および処理装置(酸化金属との反応による)〕
図2に示す四フッ化メタン無害化処理装置(2)において、反応器(52)のセル(53)内には、第1反応(B−I)および第2反応(B−II)の共通の処理剤である酸化金属(Mpq)が充填され、被処理ガスが前記反応器(52)を通過する間に無害化処理がなされる。
具体的には、前記四フッ化メタン無害化処理装置(2)における無害化処理は、次のように行われる。即ち、反応器(52)は、ヒータ(54)によってセル(53)内が反応式(B−I)(B−II)に基づく酸化金属(Mpq)に応じた反応好適温度に調整されており、導入路(51)より供給される四フッ化メタンを含有する被処理ガスは、気体混合器(41)においてキャリアガスと混合され、乾燥器(42)において水分除去され、さらに予備加熱器(43)において反応式(B−I)(B−II)に適した温度に加熱されて、反応器(52)に導入される。反応器(52)において、四フッ化メタンはセル(53)内を通過する間に、(B−I)式で表される反応を起こしてフッ化金属(MFr)および二酸化炭素(CO2)が生成されるとともに、生成された二酸化炭素は(B−I)式で表される反応を起こして金属炭酸塩(Ms(CO3t)に変換される。前記セル(53)内で2つの反応が並行して進行する。これらの生成物はいずれも固形であってセル(53)内にとどまり、未反応の被処理ガス、未反応の二酸化炭素およびキャリアガスは排出路(55)から排出される。これらの混合処理済みガスは、検知器(59)において四フッ化メタン濃度を測定し、未反応物が基準値以下であることを確認した上で大気中に放出される。
上述の四フッ化メタン無害化処理装置(2)において、反応器(52)のセル(53)内に充填する処理剤として酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムを用いて処理試験を行った。前記セル(53)は内径20cm×長さ60cmのものを用い、処理剤の平均粒径と充填量は表5に示すとおりである。
そして、セル(53)内を表5に示す温度に調整し、表5に示す四フッ化メタン濃度の被処理ガスを所定の流量で装置(2)内に導入して連続的処理した。その結果、反応器(52)から排出される処理済みガス中の四フッ化メタン濃度は、表5に示す濃度となった。
Figure 2005052724
前記被処理ガス中の四フッ化メタン濃度は、半導体製造プロセスにおいて排出される廃ガス中の四フッ化メタン濃度に準じた濃度である。また、四フッ化メタンの排出許容濃度は10ppmであることから、この発明の方法および装置により、半導体製造プロセスにおいて発生する廃ガス中の四フッ化メタンを許容限度内の濃度にまで分解できることを確認できた。
〔フッ化炭素の無害化処理方法および処理装置(酸化金属との反応による)〕
図3に示すフッ化炭素(Cn2n+2:n=2,3)無害化処理装置(3)において、反応器(62)のセル(63)内には、第1反応(C−I)および第3反応(C−III)の共通の処理剤である酸化金属(Mpq)が充填されている。また、前記セル(63)内には酸素供給路(65)を介して酸素が供給される。被処理ガスが前記反応器(62)を通過する間に一連の無害化処理がなされる。
具体的には、前記フッ化炭素無害化処理装置(3)における無害化処理は、次のように行われる。即ち、反応器(62)は、ヒータ(64)によってセル(63)内が反応式(C−I)(C−III)に基づく酸化金属(Mpq)とフッ化炭素(Cn2n+2)とに応じた反応好適温度に調整されており、導入路(61)より供給されるフッ化炭素を含有する被処理ガスは、気体混合器(41)においてキャリアガスと混合され、乾燥器(42)において水分除去され、さらに予備加熱器(43)において反応式(C−I)(C−III)に適した温度に加熱されて、反応器(62)に導入される。また、酸素供給路(65)から供給された酸素によってセル(63)内は酸化雰囲気となっている。反応器(62)において、フッ化炭素はセル(63)内を通過する間に、(C−I)式で表される反応を起こしてフッ化金属(MFr)、金属炭酸塩(Ms(CO3t)および一酸化炭素(CO)が生成されるとともに、生成された一酸化炭素は(C−I)式で表される反応を起こして速やかに二酸化炭素に変換され、さらにこの二酸化炭素は(C−III)式で表される反応によって金属炭酸塩(Ms(CO3t)に変換される。これらの一連の反応により最終的に生成されるフッ化金属(MFr)、金属炭酸塩(Ms(CO3t)はいずれも固形であってセル(63)内にとどまり、キャリアガスのみが排出路(66)から排出される。これらの処理済みガスは、検知器(69)においてフッ化炭素濃度を測定し、未反応物が基準値以下であることを確認した上で大気中に放出される。
上述のフッ化炭素無害化処理装置(3)において、反応器(62)のセル(63)内に充填する処理剤として酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムを用いて、六フッ化エタンおよび八フッ化プロパンの処理試験を行った。前記セル(63)は内径20cm×長さ60cmのものを用い、処理剤の平均粒径と充填量は表6および表7に示すとおりである。また、前記セル(63)内には表6および表7に示す流量の酸素を連続的に供給するものとした。
そして、セル(63)内を表6(六フッ化エタン)および表7(八フッ化プロパン)に示す温度に調整し、これらの表に示す濃度の被処理ガスを所定の流量で装置(3)内に導入して連続的処理した。その結果、反応器(62)から排出される処理済みガス中の六フッ化エタン濃度および八フッ化プロパン濃度は表6および表7に示す濃度となった。
Figure 2005052724
Figure 2005052724
前記被処理ガス中の六フッ化エタン濃度および八フッ化プロパン濃度は、半導体製造プロセスにおいて排出される廃ガス中のこれらの濃度に準じた濃度である。また、六フッ化エタンおよび八フッ化プロパンの排出許容濃度は10ppmであることから、この発明の方法および装置により、半導体製造プロセスにおいて発生する廃ガス中の六フッ化エタンおよび八フッ化プロパンを許容限度内の濃度にまで分解できることを確認できた。
さらに、前記条件下での本装置の処理能力を、前記許容濃度以下に連続処理することができた時間として表し、表6および表7に併せて示す。
〔フッ素ガス無害化処理方法および処理装置(酸化金属との反応による)〕
図4に示すフッ素ガス無害化処理装置(4)において、反応器(72)のセル(73)内には、反応式(D−I)に基づく処理剤である酸化金属(Mpq)が充填され、被処理ガスが前記反応器(72)を通過する間に無害化処理がなされる。
具体的には、前記フッ素ガス無害化処理装置(4)における無害化処理は、次のように行われる。即ち、反応器(72)は、ヒータ(74)によってセル(72)内が反応式(D−I)に基づく酸化金属(Mpq)に応じた反応好適温度に調整されており、導入路(71)より供給されるフッ素ガスを含有する被処理ガスは、気体混合器(41)においてキャリアガスと混合され、乾燥器(42)において水分除去され、さらに予備加熱器(43)において反応式(D−I)に適した温度に加熱されて、反応器(72)に導入される。反応器(72)において、フッ素ガスはセル(73)内を通過する間に、(D−I)式で表される反応を起こしてフッ化金属(MFr)および酸素(O2)が生成される。これらの生成物のうち、フッ化金属(MFr)は固形であってセル(73)内にとどまり、気体の酸素はキャリアガスともに排出路(75)から排出される。これらの混合処理済みガスは、検知器(69)においてフッ素ガス濃度を測定し、未反応物が基準値以下であることを確認した上で大気中に放出される。
上述のフッ素ガス無害化処理装置(4)において、反応器(72)のセル(73)内に充填する処理剤として酸化アルミニウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムを用いて処理試験を行った。前記セル(73)は内径20cm×長さ60cmのものを用い、処理剤の平均粒径と充填量は表8に示すとおりである。
そして、セル(73)内を表8に示す温度に調整し、表8に示すフッ素ガス濃度の被処理ガスを所定の流量で装置(4)内に導入して連続的処理した。その結果、反応器(72)から排出される処理済みガス中のフッ素ガス濃度は、表8に示す濃度となった。
Figure 2005052724
前記被処理ガス中のフッ素ガス濃度は、半導体製造プロセスにおいて排出される廃ガス中のフッ素ガス濃度に準じた濃度である。また、フッ素ガスの排出許容濃度は5ppmであることから、この発明の方法および装置により、半導体製造プロセスにおいて発生する廃ガス中のフッ素ガスを許容限度内の濃度にまで分解できることを確認できた。
〔フッ化炭素の無害化処理方法および処理装置(塩化金属との反応による)〕
図5に示すフッ化炭素(Cn2n+2:n=1、2,3)無害化処理装置(5)において、第1反応器(82)のセル(83)内には、第1反応(E−I)の処理剤である塩化金属(MClp)が充填され、第2反応器(86)のセル(87)には、第2反応(E−II)の処理剤である酸化金属(Mqr)または第2’反応(E−II')の処理剤である酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填され、被処理ガスがこれらの反応器(82)(86)を通過する間に無害化処理がなされる。
具体的には、前記フッ化炭素無害化処理装置(5)における無害化処理は、次のように行われる。即ち、第1反応器(82)は、ヒータ(84)によってセル(83)内が反応式(E−I)に基づく塩化金属(MClp)に応じた反応好適温度に調整されており、第2反応器(86)は、ヒータ(88)によってセル(87)内が反応式(E−II)に基づく酸化金属(Mqr)または反応式(E−II')に基づく酸化金属(Mqr)および炭素(C)に応じた反応好適温度に調整されている。
前記導入路(81)より供給されるフッ化炭素(Cn2n+2)を含有する被処理ガスは、気体混合器(41)においてキャリアガスと混合され、乾燥器(42)において水分除去され、さらに予備加熱器(43)において反応式(E−I)に適した温度に加熱されて、第1反応器(82)に導入される。第1反応器(82)において、フッ化炭素(Cn2n+2)はセル(83)内を通過する間に、(E−I)式で表される反応を起こしてフッ化金属(MFp)、炭素(C)および塩素ガス(Cl2)が生成される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化金属(MFp)および炭素(C)はセル(83)内に残留し、気体の塩素ガス(Cl2)はキャリアガスととも一次処理済みガスとして排出路(85)から排出され、第2反応器(86)のセル(87)に導入される。一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)はセル(87)内を通過する間に(E−II)式または(E−II')式に基づく反応を起こし、キャリアガスは反応に関与することなく通過する。そして、(E−II)式に基づく第2反応の場合は、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とが生成され、(E−II’)式に基づく場合は塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)が生成される。そして、固形状の塩化金属(MClp)はセル(87)内にとどまり、気体状の酸素(O2)または二酸化炭素(CO2)は二次処理済みガスとして排出路(85)の後段部分(85')から排出される。前記二次処理済みガスは、検知器(89)においてフッ化炭素濃度を測定し、未反応物が基準値以下であることを確認した上で大気中に放出される。また、第2反応器(86)において生成された塩化金属(MClp)は、第1反応器(82)のセル(83)内充填物として再利用することができる。
上述のフッ化炭素無害化処理装置(5)において、第1反応器(82)では内径20cm×長さ60cmのセル(83)を用い、第2反応器(86)では内径20cm×長さ60cmのセル(87)を用い、表9に示すA〜Fの6種の組み合わせで処理剤を充填した。そして、各セル(83)(87)内を加熱し、5%の四フッ化メタン(CF4)を含む被処理ガスを180l/hの流量で装置(5)内に導入して連続的処理した。その結果、第2反応器(86)から排出される二次処理済みガス中の四フッ化メタンはいずれも10ppm未満であり、許容限度以下に無害化処理できることを確認した。
Figure 2005052724
また、5%の六フッ化エタン(C26)を含む被処理ガス、5%の八フッ化プロパン(C38)を含有する被処理ガスついても、同条件で連続処理したところ、いずれも二次処理済みガス中の濃度を10ppm未満までに無害化することができた。
〔フッ素ガスの無害化処理方法および処理装置(塩化金属との反応による)〕
図5に示すフッ素ガス(F2)無害化処理装置(6)において、第1反応器(82)のセル(83)内には、第1反応(F−I)の処理剤である塩化金属(MClp)が充填され、第2反応器(86)のセル(87)には、第2反応(F−II)の処理剤である酸化金属(Mqr)または第2’反応(F−II')の処理剤である酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填され、被処理ガスがこれらの反応器(82)(86)を通過する間に無害化処理がなされる。
具体的には、前記フッ素ガス無害化処理装置(6)における無害化処理は、次のように行われる。即ち、第1反応器(82)は、ヒータ(84)によってセル(83)内が反応式(F−I)に基づく塩化金属(MClp)に応じた反応好適温度に調整されており、第2反応器(86)は、ヒータ(88)によってセル(87)内が反応式(F−II)に基づく酸化金属(Mqr)または反応式(F−II')に基づく酸化金属(Mqr)および炭素(C)に応じた反応好適温度に調整されている。
前記導入路(81)より供給されるフッ素ガスを含有する被処理ガスは、気体混合器(41)においてキャリアガスと混合され、乾燥器(42)において水分除去され、さらに予備加熱器(43)において反応式(F−I)に適した温度に加熱されて、第1反応器(82)に導入される。第1反応器(82)において、フッ素ガスはセル(83)内を通過する間に、(F−I)式で表される反応を起こしてフッ化金属(MFp)および塩素ガス(Cl2)が生成される。これらの生成物のうち、固形状のフッ化金属(MFp)はセル(83)内に残留し、気体の塩素ガス(Cl2)はキャリアガスととも一次処理済みガスとして排出路(85)から排出され、第2反応器(86)のセル(87)に導入される。一次処理済みガスに含有される塩素ガスはセル(87)内を通過する間に(F−II)式または(F−II')式に基づく反応を起こし、キャリアガスは反応に関与することなく通過する。そして、(E−II)式に基づく第2反応の場合は、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とが生成され、(F−II’)式に基づく場合は塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)が生成される。そして、固形状の塩化金属(MClp)はセル(87)内にとどまり、気体状の酸素(O2)または二酸化炭素(CO2)は二次処理済みガスとして排出路(85)の後段部分(85')から排出される。前記二次処理済みガスは、検知器(89)においてフッ素ガス濃度を測定し、未反応物が基準値以下であることを確認した上で大気中に放出される。また、第2反応器(86)において生成された塩化金属(MClp)は、第1反応器(82)のセル(83)内充填物として再利用することができる。
上述のフッ素ガス無害化処理装置(6)において、第1反応器(82)では内径20cm×長さ60cmのセル(83)を用い、第2反応器(86)では内径20cm×長さ60cmのセル(87)を用い、表9に示すA〜Fの6種の組み合わせで処理剤を充填した。そして、各セル(83)(87)内を加熱し、5%のフッ素ガス(F2)を含む被処理ガスを180l/hの流量で装置(6)内に導入して連続的処理した。その結果、第2反応器(86)から排出される二次処理済みガス中のフッ素ガス濃度は、いずれも5ppm未満であり、許容限度以下に無害化処理できることを確認した。
次に、フッ化炭化水素ガスの無害化処理方法およびその処理装置の具体的実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図6に示す各処理装置(7)(8)(9)の装置構成を示すブロック図において、反応器(90)は処理剤が充填されるセル(図示省略)を有し、該セル内はヒータ(91)によって加熱され、かつ熱伝対温度計(98)およびサーモスタット(99)によって所定温度に保持される。ボンベ(92)(95)に貯蔵されたフッ化炭化水素および窒素ガスは開閉弁(100)(101)の開閉切り替えによって導入路(93)を介してセル内に導入されて無害化処理される。また、処理済みガスは排出路(94)から排出される。
フッ化炭化水素ガスの無害化処理に際しては、前記セル内に処理剤を充填後、ボンベ(95)内の窒素ガスをセル内に導入して系内を洗浄し、さらに真空ポンプ(96)で脱気し、非酸化雰囲気で反応させるものとした。
〔フッ化炭化水素の無害化処理方法および処理装置(塩化金属との反応による)〕
図6に示すフッ化炭化水素(C224)の無害化処理装置(7)において、反応器(90)のセルとして内部容積60cm3のものを用い、第1反応(G−I)の処理剤である塩化金属を充填し、ヒーター(91)で所定温度に加熱した塩化金属に図外の予熱器によって塩化金属と同温度に加熱したフッ化炭化水素ガスを所定時間接触させることによりフッ化金属に変換する無害化処理を行った。
処理は、塩化金属としてAlCl3を用いて500℃に加熱し、化学量論的な固気導入比率が2(固体が気体に対して過剰量充填されている)となるようにフッ化炭化水素をセル内に導入し、30分間反応させた。
処理後、反応生成物と未反応塩化金属が混在したセル内物質に対し、X線回折装置(日本電子株式会社製、JDX−3530S)により定性分析を行い、反応生成物であるAlF3の存在を確かめた。さらに、エネルギー分散型蛍光X線解析装置(日本電子株式会社製、JED−2110)により元素分析を行い、下記式に基づいて塩化金属側からの反応率を求めた。
反応率(%)=CF/(CF+CCl)×100
F :反応後のセル内物質に含まれるフッ素の原子量パーセント
Cl :反応後のセル内物質に含まれる塩素の原子量パーセント
そしてさらに、得られた塩化金属側の反応率に基づいてフッ化炭化水素側の反応率に換算したところ、ほぼ100%の反応率であり、フッ化炭化水素は無害化された。
また、CaCl2、MgCl2による処理を行ったところ、AlCl3とほぼ同等の反応率であった。
また、上述の反応において複製する塩素ガスは、排出路(94)の後段に(G−II)の処理剤である酸化金属または(G−II’)反応の処理剤である酸化金属および炭素を充填した反応器を増設し、塩素ガスをこれらの処理剤に接触させることによって高度の無害化処理を行うことができる。
〔フッ化炭化水素の無害化処理方法および処理装置(酸化金属との反応による)〕
図6に示すフッ化炭化水素(C224)の無害化処理装置(8)において、反応器(90)のセルとして内部容積が60cm3のものを用い、第1反応(H−I)の処理剤である酸化金属を充填し、ヒーター(91)で所定温度に加熱した酸化金属に図外の予熱器によって酸化金属と同温度に加熱したフッ化炭化水素ガスを所定時間接触させることにより、無害化処理を行った。
処理は、酸化金属としてSrOを用い、それぞれを550℃に加熱し、化学量論的な固気導入比率が2(固体が気体に対して過剰量充填されている)となるようにフッ化炭化水素をセル内に導入し、10分間反応させた。
処理後、反応生成物と未反応酸化金属が混在したセル内物質に対し、X線回折装置(日本電子株式会社製、JDX−3530S)により定性分析を行い、反応生成物であるSrF2の存在を確かめた。さらに、エネルギー分散型蛍光X線解析装置(日本電子株式会社製、JED−2110)により元素分析を行い、下記式に基づいて酸化金属側からの反応率を求めた。
反応率(%)=CF/(CF+CSr)×100
F :反応後のセル内物質に含まれるフッ素の原子量パーセント
Sr :反応後のセル内物質に含まれるストロンチウムの原子量パーセント
そしてさらに、得られた酸化金属側の反応率に基づいてフッ化炭化水素側の反応率に換算したところ、ほぼ100%の反応率であり、フッ化炭化水素は無害化された。
また、Al23、CaO、MgOによる処理を行ったところ、SrOとほぼ同等の反応率であった。
〔フッ化炭化水素の無害化処理方法および処理装置(炭化カルシウムとの反応による)〕
図6に示すフッ化炭化水素(C224)の無害化処理装置(9)において、反応器(90)のセルとして内部容積が60cm3のものを用い、反応(J−I)の処理剤である炭化カルシウムを充填し、ヒーター(91)で所定温度に加熱した炭化カルシウムに図外の予熱器によって炭化カルシウムと同温度に加熱したフッ化炭化水素ガスを所定時間接触させることによりフッ化金属に変換する無害化処理を行った。
処理は、炭化カルシウムを550℃に加熱し、化学量論的な固気導入比率が2(固体が気体に対して過剰量充填されている)となるようにフッ化炭化水素をセル内に導入し、10分間反応させた。
処理後、反応生成物と未反応炭化カルシウムが混在したセル内物質に対し、X線回折装置(日本電子株式会社製、JDX−3530S)により定性分析を行い、反応生成物であるCaF2の存在を確かめた。さらに、エネルギー分散型蛍光X線解析装置(日本電子株式会社製、JED−2110)により元素分析を行い、下記式に基づいて炭化カルシウム側からの反応率を求めた。
反応率(%)=CF/(2CCa)×100
F :反応後のセル内物質に含まれるフッ素の原子量パーセント
Ca :反応後のセル内物質に含まれる酸素の原子量パーセント
そしてさらに、得られた炭化カルシウム側の反応率に基づいてフッ化炭化水素側の反応率に換算したところ、ほぼ100%の反応率であり、フッ化炭化水素は無害化された。
なお、上述の四フッ化メタン、フッ化炭素、フッ素ガス、フッ化炭化水素の各無害化処理装置(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)は、1反応につき1台の反応器で無害化処理する装置構成を例示したが、この発明は1台の反応器に限定されるものではない。三フッ化窒素の無害化処理装置(1)と同様に、複数の反応器を適宜連結した装置構成も本発明に含まれる。
また、フッ化炭素、フッ素ガス、フッ化炭化水素の無害化処理では、処理剤として酸化金属および塩化金属をそれぞれ単独で用いる実施例を示したが、これらを1つのセル内の混在させて併用することも、各処理剤を充填したセルを連結して併用することもできる。さらに、被処理ガス中に2種以上のフッ素系ガスが混在している場合も本発明に含まれる。
この発明の三フッ化窒素の無害化処理装置および周辺装置の構成例を示すブロック図である。 この発明の四フッ化メタンの無害化処理装置および周辺装置の構成例を示すブロック図である。 この発明のフッ化炭素の無害化処理装置および周辺装置の構成例を示すブロック図である。 この発明のフッ素ガスの無害化処理装置および周辺装置の構成例を示すブロック図である。 この発明のフッ化炭素の無害化処理装置およびフッ素ガスの無害化処理装置、ならびに周辺装置の構成例を示すブロック図である。 この発明のフッ化炭化水素の無害化処理装置および周辺装置の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1…三フッ化窒素無害化処理装置
2…四フッ化メタン無害化処理装置
3…フッ化炭素無害化処理装置
4…フッ素ガス無害化処理装置
5…フッ化炭素無害化処理装置
6…フッ素ガス無害化処理装置
7、8,9…フッ化炭化水素無害化処理装置
11,11’,82…第1反応器
21,86…第2反応器
52,62,72…反応器
12,12',22,53,63,73,83,87…セル
13,13',23,54,64,74,84,88,91…ヒータ
31,51,61,71,81,93…導入路
32…連通路
33,55,66,75,85,85',94…排出路
65…酸素供給路
90…第1反応器(反応器)

Claims (51)

  1. 三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスをハロゲン化金属(MXp)に接触反応させ、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成させる第1反応(A−I);
    aNF3 + bMXp → cMFq+ dX2 + eN2 …(A−I)
    (ただし、M:金属、X:ハロゲン、a〜e、p、q:自然数)
    を行い、
    続いて、前記第1反応において生成されたハロゲンガス(X2)を酸化金属(Mrs)に接触反応させ、ハロゲン化金属(MXp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(A−II);
    fMrs + gX2 → hMXp + iO2 …(A−II)
    (ただし、f〜i、p、r、s:自然数)
    を行うことにより、三フッ化窒素(NF3)を無害化することを特徴とする三フッ化窒素の無害化処理方法。
  2. 前記第2反応(A−II)において生成したハロゲン化金属(MXp)を、前記第1反応(A−I)に利用する請求項1に記載の三フッ化窒素の無害化処理方法。
  3. 前記ハロゲン化金属(MXp)として塩化カルシウムを用いるとともに、前記酸化金属(Mrs)として酸化カルシウムを用いる請求項1または2に記載の三フッ化窒素の無害化処理方法。
  4. 三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスをハロゲン化金属(MXp)に接触反応させ、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成させる第1反応(A−I);
    aNF3 + bMXp → cMFq + dX2 + eN2 …(A−I)
    (ただし、M:金属、X:ハロゲン、a〜e、p、q:自然数)
    を行い、
    続いて、前記第1反応において生成されたハロゲンガス(X2)を酸化金属(Mrs)および炭素(C)に接触反応させ、ハロゲン化金属(MXp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(A−II');
    jMrs + kX2 + lC → mMXp + nCO2 …(A−II’)
    (ただし、j〜n、p、r、s:自然数)
    を行うことにより、三フッ化窒素(NF3)を無害化することを特徴とする三フッ化窒素の無害化処理方法。
  5. 前記第2’反応(A−II’)において生成したハロゲン化金属(MXp)を、前記第1反応(A−I)に利用する請求項4に記載の三フッ化窒素の無害化処理方法。
  6. 前記ハロゲン化金属(MXp)として塩化カルシウムを用いるとともに、前記酸化金属(Mrs)として酸化カルシウムを用いる請求項4または5に記載の三フッ化窒素の無害化処理方法。
  7. (a) 三フッ化窒素(NF3)との接触反応により、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成しうるハロゲン化金属(MXp)が充填されたセル(12)、およびこのセル(12)内を加熱するヒータ(13)を有する第1反応器(11)と、
    (b) 前記第1反応器(11)において生成されたハロゲンガス(X2)との接触反応により、ハロゲン化金属(MXp)と酸素(O2)とを生成しうる酸化金属(Mrs)が充填されたセル(22)、およびこのセル(22)内を加熱するヒータ(23)を有する第2反応器(21)と、
    (c) 三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(11)のセル(12)内に導入する導入路(31)と、
    (d) 前記第1反応器(11)のセル(12)内を通過する間に生成されたハロゲンガス(X2)を第2反応器(21)のセル(22)内に導入する連通路(32)と、
    (e) 第2反応器(21)のセル(22)内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル(22)外に排出する排出路(33)とを備えることを特徴とする三フッ化窒素の無害化処理装置。
  8. 前記第2反応器(21)のセル(22)内で生成されたハロゲン化金属(MXp)を前記第1反応器(11)のセル(12)の充填物として使用する請求項7に記載の三フッ化窒素の無害化処理装置。
  9. (a) 三フッ化窒素(NF3)との接触反応により、フッ化金属(MFq)とハロゲンガス(X2)と窒素ガス(N2)とを生成しうるハロゲン化金属(MXp)が充填されたセル(12)、およびこのセル(12)内を加熱するヒータ(13)を有する第1反応器(11)と、
    (b) 前記第1反応器(11)において生成されたハロゲンガス(X2)との接触反応により、ハロゲン化金属(MXp)と二酸化酸素(CO2)とを生成しうる酸化金属(Mrs)および炭素(C)が充填されたセル(22)、およびこのセル(22)内を加熱するヒータ(23)を有する第2反応器(21)と、
    (c) 三フッ化窒素(NF3)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(11)のセル(12)内に導入する導入路(31)と、
    (d) 前記第1反応器(11)のセル(12)内を通過する間に生成されたハロゲンガス(X2)を第2反応器(21)のセル(22)内に導入する連通路(32)と、
    (e) 第2反応器(21)のセル(22)内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル(22)外に排出する排出路(33)とを備えることを特徴とする三フッ化窒素の無害化処理装置。
  10. 前記第2反応器(21)のセル(22)内で生成されたハロゲン化金属(MXp)を前記第1反応器(11)のセル(12)の充填物として使用する請求項9に記載の三フッ化窒素の無害化処理装置。
  11. 四フッ化メタン(CF4)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触反応させ、フッ化金属(MFr)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる第1反応(B−I);
    aCF4 + bMpq → cMFr + aCO2 …(B−I)
    (ただし、M:金属、a〜c、p〜r:自然数)
    を行うことにより、四フッ化メタン(CF4)を無害化することを特徴とする四フッ化メタンの無害化処理方法。
  12. 前記第1反応(B−I)において生成された二酸化炭素(CO2)に、さらに酸化金属(Mpq)を接触反応させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)を生成させる第2反応(B−II);
    dCO2 + eMpq → fMs(CO3t …(B−II)
    (ただし、d〜f、s、t:自然数)
    を行う請求項11に記載の四フッ化メタンの無害化処理方法。
  13. 前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)を用いる請求項12または13に記載の四フッ化メタンの無害化処理方法。
  14. (a) 四フッ化メタン(CF4)との接触反応により、フッ化金属(MFr)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mpq)が充填されたセル(53)、およびこのセル(53)内を加熱するヒータ(54)を有する反応器(52)と、
    (b) 四フッ化メタン(CF4)を含有する被処理ガスを前記反応器(52)のセル(53)内に導入する導入路(51)と、
    (c) 前記反応器(52)のセル(53)内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル(53)外に排出する排出路(55)とを備えることを特徴とする四フッ化窒炭素の無害化処理装置。
  15. フッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触反応させ、フッ化金属(MFr)と金属炭酸塩(Ms(CO3t)と一酸化炭素(CO)とを生成させる第1反応(C−I);
    aCn2n+2 + b(n+2)Mpq
    → c(n+1)MFr + dMs(CO3t + e(n-1)CO …(C−I)
    (ただし、M:金属、a〜e、p〜t:自然数)
    を行い、
    続いて、前記第1反応(C−I)で生成された一酸化炭素(CO)に酸素(O2)を接触させて二酸化炭素(CO2)に変換する第2反応(C−II);
    2CO + O2 → 2CO2 …(C−II)
    を行うことによりフッ化炭素(Cn2n+2)を無害化するフッ化炭素の無害化処理方法。
  16. 前記第2反応(C−II)において生成された二酸化炭素(CO2)を、酸化金属(Mpq)に接触反応させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)を生成させる第3反応(C−III);
    fCO2 + gMpq → hMs(CO3t …(C−III)
    (ただし、f〜h:自然数)
    を行う請求項15に記載のフッ化炭素の無害化処理方法。
  17. 前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)を用いる請求項15または16のいずれかに記載のフッ化炭素の無害化処理方法。
  18. (a) フッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)との接触反応により、フッ化金属(MFr)と金属炭酸塩(Ms(CO3t)と一酸化炭素(CO)とを生成させる酸化金属(Mpq)が充填されたセル(63)、およびこのセル(63)内を加熱するヒータ(64)を有する反応器(62)と、
    (b) フッ化炭素(Cn2n+2;n=2,3)を含有する被処理ガスを前記反応器(62)のセル(63)内に導入する導入路(61)と、
    (c) 前記セル(63)内で生成された一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO2)に変換する酸素(O2)を、前記セル(63)内に供給する酸素供給路(65)と、
    (d) 前記反応器(65)のセル(63)内を通過する間に無害化された処理済みガスをセル(63)外に排出する排出路(66)とを備えることを特徴とするフッ化炭素の無害化処理装置。
  19. フッ素ガス(F2)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触反応させ、フッ化金属(MFr)と酸素(O2)とを生成させる反応(D−I);
    aF2 + bMpq → cMFr + dO2 … (D−I)
    (ただし、M:金属、a〜d、p〜r:自然数)
    を行うことにより、フッ素ガス(F2)を無害化することを特徴とするフッ素ガスの無害化処理方法。
  20. 前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)を用いる請求項19に記載のフッ素ガスの無害化処理方法。
  21. (a) フッ素ガス(F2)との接触反応により、フッ化金属(MFr)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mpq)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する反応器(82)と、
    (b) フッ素(F2)を含有する被処理ガスを前記反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、
    (c) 前記反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備えることを特徴とするフッ素ガスの無害化処理装置。
  22. フッ化炭素(Cn2n+2;n=1,2,3)を含有する被処理ガスを塩化金属(MClp)に接触反応させ、フッ化金属(MFp)と炭素(C)と塩素ガス(Cl2)を生成させる第1反応(E−I);
    aCn2n+2 + bMClp
    → bMFp + (a・n)C + (b・p/2)Cl2 …(E−I)
    (ただし、M:金属、a,b,p:自然数)
    を行うことにより、フッ化炭素(Cn2n+2)を無害化することを特徴とするフッ化炭素の無害化処理方法。
  23. 前記第1反応(E−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(E−II);
    cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(E−II)
    (ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
    を行う請求項22に記載のフッ化炭素の無害化処理方法。
  24. 前記第1反応(E−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)および炭素(C)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(E−II’);
    gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(E−II’)
    (ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
    を行う請求項22に記載のフッ化炭素の無害化処理方法。
  25. 前記塩化金属(MClp)として、塩化アルミニウム(AlCl3)を用いる請求項22〜24いずれかに記載のフッ化炭素の無害化処理方法。
  26. 前記第2反応(E−II)または第2’反応(E−II’)において生成した塩化金属(MClp)を、前記第1反応(E−I)に利用する請求項23〜25のいずれかに記載のフッ化炭素の無害化処理方法。
  27. (a) フッ化炭素(Cn2n+2;n=1,2,3)との接触反応により、フッ化金属(MFp)と炭素(C)と塩素ガス(Cl2)を生成させる塩化金属(MClp)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する第1反応器(82)と、
    (b) フッ化炭素(Cn2n+2)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、
    (c) 前記第1反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備えることを特徴とするフッ化炭素の無害化処理装置。
  28. 前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、
    前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備える請求項27に記載のフッ化炭素の無害化処理装置。
  29. 前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、
    前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備える請求項27に記載のフッ化炭素の無害化処理装置。
  30. フッ素ガス(F2)を含有する被処理ガスを塩化金属(MClp)に接触反応させ、フッ化金属(MFp)と塩素ガス(Cl2)とを生成させる第1反応(F−1);
    aF2 + bMClp → bMFp + (b・p/2)Cl2 …(F−I)
    (ただし、M:金属、a、b、p:自然数)
    を行うことにより、フッ素ガス(F2)を無害化することを特徴とするフッ素ガスの無害化処理方法。
  31. 前記第1反応(F−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(F−II);
    cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(F−II)
    (ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
    を行う請求項30記載のフッ素ガスの無害化処理方法。
  32. 前記第1反応(F−I)において生成された塩素ガス(Cl2)に、さらに酸化金属(Mqr)および炭素(C)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(F−II’);
    gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(F−II’)
    (ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
    を行う請求項30に記載のフッ素ガスの無害化処理方法。
  33. 前記塩化金属(MClp)として、塩化アルミニウム(AlCl3)を用いる請求項30〜32のいずれかに記載のフッ素ガスの無害化処理方法。
  34. 前記第2反応(F−II)または第2’反応(F−II’)において生成した塩化金属(MClp)を、前記第1反応(F−I)に利用する請求項31〜33のいずれかに記載のフッ素ガスの無害化処理方法。
  35. (a) フッ素ガス(F2)との接触反応により、フッ化金属(MFp)と塩素ガス(Cl2)を生成させる塩化金属(MClp)が充填されたセル(83)、およびこのセル(83)内を加熱するヒータ(84)を有する第1反応器(82)と、
    (b) フッ素ガス(F2)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(82)のセル(83)内に導入する導入路(81)と、
    (c) 前記第1反応器(82)のセル(83)内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル(83)外に排出する排出路(85)とを備えることを特徴とするフッ素ガスの無害化処理装置。
  36. 前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、
    前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備える請求項35に記載のフッ素ガスの無害化処理装置。
  37. 前記第1反応器(82)の後段に配置され、前記排出路(85)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填されたセル(87)、およびこのセル(87)内を加熱するヒータ(88)を有する第2反応器(86)と、
    前記第2反応器(86)のセル(87)内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル(87)外に排出する排出路(85')とを備える請求項35に記載のフッ素ガスの無害化処理装置。
  38. フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを塩化金属(MClp)に接触反応させ、フッ化金属(MFp)、水素ガス(H2)、塩素ガス(Cl2)および炭素(C)を生成させる第1反応(G−I);
    aC224 + bMClp
    →bMFp+2aC+aH2+(b・p/2)Cl2 … (G−I)
    (ただし、M:金属、a、b、p:自然数)
    を行うことにより、フッ化炭化水素(C224)を無害化することを特徴とするフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  39. さらに、前記第1反応(G−I)において生成された塩素ガス(Cl2)を酸化金属(Mqr)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる第2反応(G−II);
    cMqr + dCl2 → eMClp + fO2 …(G−II)
    (ただし、M:金属、c〜f、p〜r:自然数)
    を行う請求項38に記載のフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  40. さらに、前記第1反応(G−I)において生成された塩素ガス(Cl2)を酸化金属(Mqr)および炭素(C)に接触反応させ、塩化金属(MClp)と二酸化酸素(CO2)とを生成させる第2’反応(G−II’);
    gMqr + hCl2 + iC → jMClp + kCO2 …(G−II’)
    (ただし、M:金属、g〜k、p〜r:自然数)
    を行う請求項38に記載のフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  41. 前記塩化金属(MClp)として、塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)のうちのいずれかを用いる請求項38〜40のいずれかに記載のフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  42. 前記第2反応(G−II)または第2’反応(G−II’)において生成した塩化金属(MClp)を、前記第1反応(G−I)に利用する請求項39〜41のいずれかに記載のフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  43. (a) フッ化炭化水素(C224)との接触反応により、フッ化金属(MFp)、炭素(C)、水素ガス(H2)および塩素ガス(Cl2)を生成させる塩化金属(MClp)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータ(91)を有する第1反応器(90)と、
    (b) フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを前記第1反応器(90)のセル内に導入する導入路(93)と、
    (c) 前記第1反応器(90)のセル内を通過する間に無害化処理された一次処理済みガスをセル外に排出する排出路(94)とを備えることを特徴とするフッ化炭化水素の無害化処理装置。
  44. 前記第1反応器(90)の後段に配置され、前記排出路(94)から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と酸素(O2)とを生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する第2反応器と、
    前記第2反応器のセル内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備える請求項43に記載のフッ化炭化水素の無害化処理装置。
  45. 前記第1反応器の後段に配置され、前記排出路から排出される一次処理済みガスを導入し、該一次処理済みガスに含有される塩素ガス(Cl2)との接触反応により塩化金属(MClp)と二酸化炭素(CO2)とを生成させる酸化金属(Mqr)および炭素(C)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータを有する第2’反応器と、
    前記第2’反応器のセル内を通過する間に処理された二次処理済みガスをセル外に排出する排出路とを備える請求項43に記載のフッ化炭化水素の無害化処理装置。
  46. フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを酸化金属(Mpq)に接触させ、フッ化金属(MFr)、炭素(C)、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)を生成させる第1反応(H−I);
    aC224+bMpq →cMFr+ dC+eH2O+fCO2 … (H−I)
    (ただし、M:金属、a〜f、p〜r:自然数)
    を行うことにより無害化することを特徴とするフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  47. さらに、前記第1反応(H−I)において生成された二酸化炭素(CO2)を酸化金属(Mqr)に接触反応させて金属炭酸塩(Ms(CO3t)を生成させる第2反応(H−II);
    gCO2 + hMpq → iMs(CO3t …(H−II)
    (ただし、g〜i、p、q、s、t:自然数)
    を行う請求項46に記載のフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  48. 前記酸化金属(Mpq)として、酸化カルシウム(CaO)または酸化ストロンチウム(SrO)を用いる請求項46または47に記載のフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  49. (a) フッ化炭化水素(C224)との接触反応により、フッ化金属(MFp)、炭素(C)、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)を生成させる酸化金属(Mqr)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータ(91)を有する反応器(90)と、
    (b) フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを前記反応器(90)のセル内に導入する導入路(93)と、
    (c) 前記反応器(90)のセル内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル外に排出する排出路(94)とを備えることを特徴とするフッ化炭化水素の無害化処理装置。
  50. フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを炭化カルシウム(CaC2)に接触反応させ、フッ化カルシウム(CaF2)、炭素(C)、水素ガス(H2)を生成させる反応(J−I);
    224+2CaC2→2CaF2+6C+H2 … (J−I)
    を行うことにより、フッ化炭化水素(C224)を無害化することを特徴とするフッ化炭化水素の無害化処理方法。
  51. (a) フッ化炭化水素(C224)との接触反応により、フッ化カルシウム(CaF2)、炭素(C)、水素ガス(H2)を生成させる炭化カルシウム(CaC2)が充填されたセル、およびこのセル内を加熱するヒータ(91)を有する反応器(90)と、
    (b) フッ化炭化水素(C224)を含有する被処理ガスを前記反応器(90)のセル内に導入する導入路(93)と、
    (c) 前記反応器(90)のセル内を通過する間に無害化処理された処理済みガスをセル外に排出する排出路(94)とを備えることを特徴とするフッ化炭化水素の無害化処理装置。
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