JP2005051223A - 薄膜トランジスタ、tft基板、液晶表示装置、及び、薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ、tft基板、液晶表示装置、及び、薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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Naoki Matsunaga
直記 松永
Kenji Sera
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Abstract

【課題】 光リーク電流を低減しつつ、導電性膜の電気的影響による特性の悪化を抑制できる薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】 TFTの活性層7の下層側には、活性層7に侵入する光を遮光する、導電性を有する遮光膜3が形成される。活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8及びドレイン領域9には、ソース電極15及びドレイン電極16と遮光膜3との間の絶縁膜4中に電流を流して電気的ストレスを印加することで、5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位が導入される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薄膜トランジスタ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、活性層に対向して配置される導電性膜を有する薄膜トランジスタ、及び、その製造方法に関する。また、本発明は、TFT基板及び液晶表示装置に関し、更に詳しくは、本発明の薄膜トランジスタを複数有するTFT基板、及び、そのようなTFT基板を有する液晶表示装置に関する。
近年、事務機器用表示装置として、液晶表示装置を用いた表示装置の開発が行われている。各種の液晶表示装置のなかでも、能動素子である薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子として使用するアクティブマトリクス型液晶表示装置では、走査線数が多い場合であっても、コントラストや応答速度があまり低下しないという利点がある。このため、高品位のOA機器用表示装置やハイビジョンTV用表示装置には、一般的に、アクティブマトリクス型液晶表示装置が用いられる。また、アクティブマトリクス型液晶表示装置を、プロジェクタ等の投射型表示装置のライトバルブとして使用する場合には、大画面表示が容易に得られるという利点がある。
液晶表示装置を、投射型表示装置のライトバルブとして使用する場合には、液晶表示装置は、光源と、光源からの光をスクリーン等に投射する光学系との間に配置される。このとき、液晶表示装置は、光源が液晶表示装置の対向基板側に、光学系が液晶表示装置の薄膜半導体デバイス・アレイ基板(TFT基板)側になるように配置される。液晶表示装置は、光源から入射する比較的高輝度の光のうち、光学系側に透過する光の強度を、画面情報に基づいて制御する。より詳細には、液晶表示装置は、TFTをスイッチング駆動し、各画素に対応する液晶層に印加する電界を制御して、各画素の透過率を変化させることで、透過光の強度を調整する。液晶表示装置を通過した光は、レンズなどで構成された投影用の光学系を介して拡大投影される。
通常、アクティブマトリクス型液晶表示装置では、アモルファスシリコン(amorphous silicon)や多結晶シリコンなどの半導体層が、TFTの活性層として使用される。この活性層に光が入射すると、光励起に起因して光リーク電流が発生し、コントラストの低下などによって、液晶表示装置の表示性能が低下する。特に、アクティブマトリクス型液晶表示装置を、投影型表示装置のライトバルブとして用いる場合には、液晶表示装置には高輝度の光が入射するため、発生する光リーク電流による影響が大きくなる。また、この場合、液晶表示装置には、光源からの光だけでなく、投影用の光学系で反射した光もTFTの活性層に入射するため、光リーク電流による影響は一層大きくなる。近年では、投射型表示装置の小型化や高輝度化が進んでおり、ライトバルブとして使用される液晶表示装置に入射する光の輝度が増加する傾向にある。このため、光リーク電流の問題はより深刻なものとなっている。
光リークを低減する技術としては、特許文献1に記載された技術がある。この技術では、活性層を挟んでゲート電極に対向する位置に、遮光性を有する第1遮光膜を配置し、その第1遮光膜と活性層との間に、光吸収性を有する第2遮光膜を配置して、活性層に侵入する光を低減している。特許文献1に記載の技術では、遮光膜と活性層との間の距離が短いほど、遮光効果が高く、活性層を効果的に遮光でき、光リーク電流を効果的に低減できる。しかし、遮光膜が活性層に近づくと、遮光膜による電気的な影響が活性層に及び、活性層の遮光膜側にチャネルが形成されて、TFTのバックチャネル側に別のリーク電流が流れるという問題が発生する。
上記問題を解消する技術としては、特許文献2に記載された技術がある。この技術では、活性層と遮光膜との間に、酸化タンタル等の界面準位が高い絶縁膜を配置することにより、遮光膜が活性層に及ぼす電気的影響を緩和し、TFTのバックチャネル側にチャネルが形成されることを抑制している。このような構成により、活性層と遮光膜との間の距離を短くして、光リーク電流を低減しつつ、遮光膜の電気的な影響によるリーク電流を防止できる。
特開2003−131261号公報 実開平3−042123号公報
特許文献2に記載の技術では、活性層と遮光膜との間に高界面準位の絶縁膜を配置して、TFTのバックチャネル側にチャネルが形成されにくくしている。しかし、この構成を採用すると、ゲート電極にTFTがオンとなる電位を与えた際にも、TFTのチャネル側にチャネルが形成されにくくなる。このため、リーク電流は低減されるものの、同時に、TFTオン時のドレイン電流も低下するという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、活性層と遮光膜との間に、高界面準位の絶縁膜として、通常のTFTで使用される絶縁膜とは異なる、特殊な絶縁膜を配置する必要がある。このようなTFTの製造には、通常のTFTの製造プロセスとは異なる製造プロセスが要求されるため、製造工程を複雑化させ、TFT製造のスループットを低下させるという問題もある。
本発明は、上記問題点を解消し、遮光膜に起因するリーク電流を低減しつつ、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できる薄膜トランジスタを提供することを目的とする。また、本発明は、本発明の薄膜トランジスタを、複雑な製造工程を必要とせずに製造できる薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、本発明の薄膜トランジスタを有するTFT基板、及び、そのようなTFT基板を備える液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の薄膜トランジスタは、少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタにおいて、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分では、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度がチャネル領域の捕獲準位密度よりも大きいことを特徴とする。
本発明の薄膜トランジスタでは、活性層において、ソース領域及びドレイン領域の導電性膜側の表面部分の捕獲準位密度が、チャネル領域の導電性膜側の表面部分の捕獲準位密度に比して高く設定されるため、導電性膜がチャネル領域に及ぼす電気的な影響に比して、導電性膜がソース領域及びドレイン電極に及ぼす電気的な影響が低い。
従来のように、導電性膜と活性層との間に高界面準位の絶縁膜を配置して、導電性膜が活性層に及ぼす電気的影響を低減する場合には、導電性膜による電気的影響に起因するリーク電流は低減されるものの、同時に、チャネル領域の導電性膜側にチャネルが形成されにくくなって、薄膜トランジスタがオンのときのドレイン電流が低下する。本発明の薄膜トランジスタでは、活性層の導電膜側の表面部分において、チャネル領域の捕獲準位密度を例えば活性層のゲート電極側の表面の捕獲準位密度と同等にし、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度を、チャネル領域の捕獲準位密度に比して高くすることで、活性層と導電性膜とを近づけた場合であっても、導電性膜による電気的影響に起因するリーク電流を低減できると共に、薄膜トランジスタのオン時のドレイン電流の低下を回避することができる。なお、導電性膜は、例えば、光透過性を有しない金属シリサイドで構成することができ、或いは、光吸収性を有する、キャリアがドープされたシリコンで構成することができる。
本発明の薄膜トランジスタでは、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分における前記ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度が5×1012/cm2以上であることが好ましい。この場合、導電性膜が活性層に及ぼす電気的影響を効果的に低減でき、導電性膜と活性層との間の距離を、例えば400mm以下、好ましくは100nm〜250nmに設定して、活性層に侵入する光を効果的に低減できる。
本発明の薄膜トランジスタでは、前記導電性膜が、前記第1の絶縁膜を介して前記活性層に対向する光吸収性膜と、第2の絶縁膜を介して前記光吸収性膜に対向する光反射性膜とを含む構成を採用することができる。この場合、光吸収性膜と光反射性膜とによって、活性層のチャネル領域に進入する光を特に効果的に低減できる。
本発明の薄膜トランジスタでは、前記導電性膜が光反射性膜であり、該光反射性膜の前記活性層に対向する表面に接して光吸収性膜を更に備える構成を採用することができる。この場合にも、上記と同様に、光吸収性膜と光反射性膜とによって、活性層チャネル領域に進入する光を特に効果的に低減できる。光吸収性膜は、導電性を有する膜で構成することができ、或いは、真性半導体等を用いた半導体膜で構成することができる。
本発明の薄膜トランジスタでは、前記活性層は、前記ソース領域とチャネル領域との間、及び、前記ドレイン領域とチャネル領域との間に、前記ソース領域及びドレイン領域と同じ導電型で且つソース領域及びドレイン領域よりも不純物濃度が低い低濃度キャリア領域を有することが好ましい。この場合、低濃度キャリア領域の導電性膜側の表面の捕獲準位密度は、ソース領域及びドレイン領域の導電性膜側の表面の捕獲準位密度と同程度にすることができる。
本発明のTFT基板は、上記本発明の薄膜トランジスタを複数含むトランジスタアレイを、前記導電性膜を介して光透過性基板上に形成し、各薄膜トランジスタに接続された画素電極を備えることを特徴とする。
本発明のTFT基板では、導電性膜が光透過性基板側になるように、薄膜トランジスタが形成される。本発明の薄膜トランジスタでは、導電性膜を活性層に近づけた場合であっても、導電性膜による電気的影響に起因するリーク電流を低減できるため、そのような薄膜トランジスタを有するTFT基板は、光透過性側から比較的高輝度な光を入射する液晶表示装置に好適に使用できる。また、薄膜トランジスタのオンのときのドレイン電流の低下が回避されるため、画素電極への信号の書き込み速度が低下しない。
本発明の液晶表示装置は、上記本発明のTFT基板と、該TFT基板に対向して配設される対向基板と、前記TFT基板と前記対向基板との間に配設された液晶層とを備えることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置では、例えば対向基板側からバックライト光が入射され、液晶層を透過するバックライト光の光量が、TFT基板の画素電極と対向基板の対向電極とで制御される。TFT基板に形成された各薄膜トランジスタは、オン時のドレイン電流の低下を抑制しつつ、導電性膜を活性層に近づけて光リークを低減できると共に、導電性膜の電気的影響によるリーク電流を低減できるため、この薄膜トランジスタが形成されたTFT基板を備える本発明の液晶表示装置では、高輝度及び高コントラストを実現できる。
本発明の第1の視点の薄膜トランジスタの製造方法は、少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、前記活性層と前記導電性膜との間の絶縁膜中に所定値以上の電流を流し、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分に捕獲準位を導入することを特徴とする。
本発明の第1の視点の薄膜トランジスタの製造方法では、例えば、薄膜トランジスタの形成後に、ソース電極、ドレイン電極、及び、導電性膜に所定の電位を与え、その状態を所定時間保持することにより、導電性膜と薄膜トランジスタの活性層との間にある絶縁膜中に、一定以上の電流密度の電流を生じさせることにより、絶縁膜中のソース・ドレイン領域直下の領域、及び、絶縁膜と活性層のソース・ドレイン直下の領域の界面部分に、捕獲準位を導入する。この場合、各電極に印加する電圧を適切に設定することで、活性層の導電性膜側の表面部分において、所望の領域に所望の密度の捕獲準位を導入することができる。このように、活性層の導電性膜側の表面部分に捕獲準位を導入する工程が、簡易な工程として構成されるため、スループットを落とすことなく、薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の第2の視点の薄膜トランジスタの製造方法は、少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、前記第1の絶縁膜の前記活性層に対向する表面部分に不純物イオンをドープして、前記活性層と前記第1の絶縁膜との境界面に捕獲準位を導入することを特徴とする。
本発明の第2の視点の薄膜トランジスタの製造方法では、第1の絶縁膜の活性層側の表面部分に不純物イオンをドープすることで、第1の絶縁膜と活性層との界面、つまり、活性層の導電性膜側の表面部分に捕獲準位を導入する。この場合、例えば第1の絶縁膜上に形成するフォトレジストのパターンを適切に設定することで、第1の絶縁膜の活性層側の表面部分において、所望の領域に所望の密度の捕獲準位を導入することができる。このように、活性層の導電性膜側の表面部分に捕獲準位を導入する工程が、簡易な工程として構成されるため、上記と同様に、スループットを落とすことなく、薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の第3の視点の薄膜トランジスタの製造方法は、少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分に不純物イオンをドープして、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分に捕獲準位を導入することを特徴とする。
本発明の第3の視点の薄膜トランジスタの製造方法では、例えば、活性層のソース領域及びドレイン領域の形成の際に、所定の加速電圧を用いて、活性層上層側から不純物イオンをドープすることで、活性層の導電性膜側の表面部分に捕獲準位を導入する。この場合、活性層上に形成するフォトレジストのパターンを適切に設定することで、活性層の導電性膜側の表面部分において、所望の領域に所望の密度の捕獲準位を導入することができる。このような薄膜トランジスタの製造方法を採用するときには、新たな工程を追加することなく、活性層の導電性膜側の表面部分に捕獲準位を導入できるため、上記と同様に、スループットを落とすことなく、薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の第4の視点の薄膜トランジスタの製造方法は、少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、前記第1の絶縁膜の前記活性層に対向する表面部分をプラズマ処理することにより、前記活性層と前記第1の絶縁膜との境界面に捕獲準位を導入することを特徴とする。
本発明の第4の視点の薄膜トランジスタの製造方法では、例えば、水素プラズマ処理により、第1の絶縁膜の活性層側の表面部分にダメージを与え、第1の絶縁膜と活性層との界面に捕獲準位を導入する。この場合、第1の絶縁膜上に形成する保護用の絶縁膜の平面形状を適切に設定することで、第1の絶縁膜の活性層側の表面部分において、所望の領域に所望の捕獲準位を導入することができる。このように、活性層の導電性膜側の表面部分に捕獲準位を導入する工程が、簡易な工程として構成されるため、上記と同様に、スループットを落とすことなく、薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の第1〜第4の視点の薄膜トランジスタの製造方法では、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分では、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度が、チャネル領域の捕獲準位密度よりも大きくなるように、捕獲準位を導入することが好ましい。この場合、オン時のドレイン電流の低下を抑制しつつ、導電性膜を活性層に近づけて光リークを低減できると共に、導電性膜の電気的影響によるリーク電流を低減できる薄膜トランジスタを得ることができる。
本発明の薄膜トランジスタは、活性層において、ソース領域及びドレイン領域の導電性膜側の表面部分の捕獲準位密度が、チャネル領域の導電性膜側の表面部分の捕獲準位密度に比して高く設定されるため、導電性膜がチャネル領域に及ぼす電気的な影響に比して、導電性膜がソース領域及びドレイン電極に及ぼす電気的な影響が低い。このため、導電性膜を活性層に近づけた場合であっても、導電性膜によるリーク電流を低減でき、かつ、薄膜トランジスタのオン時のドレイン電流の低下を回避することができる。本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、本発明の薄膜トランジスタを、複雑な工程を追加することなく、製造できる。
また、本発明のTFT基板は、本発明の薄膜トランジスタを有するため、対向基板側から比較的高輝度な光を入射する液晶表示装置に好適に使用できる。また、本発明の液晶表示装置は、本発明のTFT基板を備えるため、高輝度及び光コントラストを実現できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。
第1実施形態例
図1は、本発明の第1実施形態例の液晶表示装置における薄膜トランジスタ・アレイ基板(TFT基板)のTFT付近を平面図として示し、図2は、図1のA−A’断面を示している。以下、図1及び図2を参照して、アクティブマトリクス型液晶表示装置を構成するTFT基板32の構造について詳述する。なお、図1及び図2は、TFT基板32に含まれる複数のTFTのうちの1つを示しており、図2では、図1のブラックマトリクス35を省略して図示している。
図1に示すように、TFT基板32には、Y方向に沿って延びる複数のデータ線28aと、X方向に沿って延びる複数のゲート線26と、マトリクス状に配置される複数のTFT33と、これらゲート線26、データ線28a、及び、TFT33を遮光するブラックマトリクス35とが形成される。ゲート線26は、キャリアがドープされたポリシリコン膜やシリサイド膜などからなり、データ線28aは、アルミニウム膜などからなる。TFT33は、データ線28aとゲート線26との交点付近に形成される。
ブラックマトリクス35は、遮光性を有する金属からなり、ゲート線26、データ線28a、及び、TFT33に空間的に重なる位置に形成される。液晶表示装置の画素領域31は、ゲート線26とデータ線28aとによって、言い換えれば、ブラックマトリクス35によってほぼ矩形状に区画される。画素領域31には、透明電極からなる画素電極23が形成され、画素電極23は、スルーホールを介して、TFT33のドレインに接続される。
図2に示すように、TFT基板32は、ガラス基板1と、ガラス基板1上に順次に積層された下地絶縁膜2、遮光膜3、絶縁膜4、及び、活性層7とを有する。また、活性層7の上層側には、ゲート絶縁膜10、ゲート電極13、第1層間絶縁膜14、ソース電極15、ドレイン電極16、第2層間絶縁膜17、下部電極18、容量絶縁膜19、上部電極20、第3層間絶縁膜21、平坦化膜22、及び、画素電極23が形成される。
下地絶縁膜2は、酸化シリコンからなり、高歪点ガラスからなるガラス基板1上の全面に形成される。遮光膜3は、導電性及び非光透過性を有する金属又は金属シリサイド膜からなり、ガラス基板1側から入射する光を遮断する。遮光膜3は、TFT33に対応する領域の下層側では、X方向に関して活性層7に重なる領域に、或いは、活性層7よりも少し広めの領域に形成される。
絶縁膜4は、酸化シリコンからなり、遮光膜3と活性層7との間に形成される。活性層7は、TFT33の活性層を構成し、絶縁膜4を介して遮光膜3と対向する。活性層7と絶縁膜4との間の界面である、活性層7の遮光膜3に対向する側の表面部分における、ソース領域8及びドレイン領域9に対応する領域の捕獲準位密度は、5×1012/cm2以上に設定される。
図1に示すように、活性層7は、X方向の両端では、中央部に比して、Y方向の幅が広く形成される。活性層7のX方向の一端付近には、キャリア濃度が高く設定されるソース領域8が形成され、X方向の他端付近には、キャリア濃度が高く設定されるドレイン領域9が形成される。ソース領域8は、アルミニウムシリコンからなるソース電極15を介して、第1データ線28aと接続する。ドレイン領域9は、アルミニウムシリコンからなるドレイン電極16を介して、第2データ線28bと接続する。
図2に戻り、活性層7上には、酸化シリコンからなるゲート絶縁膜10が形成され、ゲート絶縁膜10上には、活性層7のX方向に関して中央付近に、金属又は金属シリサイドからなるゲート電極13が形成される。チャネル領域27は、ゲート電極13と空間的に重なる位置に形成される。ソース領域8と、ゲート電極13直下のチャネル領域27との間には低濃度キャリア領域11が形成され、ドレイン領域9とチャネル領域27との間には低濃度キャリア領域12が形成される。ゲート絶縁膜10上及びゲート電極13上には、酸化シリコンからなる第1層間絶縁膜14が形成される。
第1層間絶縁膜14、ソース電極15、及び、ドレイン電極16上には、窒化シリコンからなる第2層間絶縁膜17が形成され、第2層間絶縁膜17上には、下部電極18が形成される。下部電極18の上部には、窒化シリコンからなる容量絶縁膜19が形成され、その容量絶縁膜19上には、上部電極20が形成される。上部電極20は、第2データ線28b(図1)を介してドレイン電極16に接続する。上部電極20と下部電極18とは、容量絶縁膜19を挟んで対向し、画素容量を構成する。上部電極20上には、窒化シリコンからなる第3層間絶縁膜21が形成される。
第3層間絶縁膜21上には、平坦化膜22が形成される。平坦化膜22上には、画素電極23が形成され、画素電極23は、コンタクト孔を介して上部電極20と接続する。画素電極23は、ITOからなり、画素領域31(図1)に形成される透明電極として構成される。液晶表示装置では、図示しない液晶に印加される電界を、画素電極23に与える電位を変化させることで制御し、図示しない対向基板側からの光の透過量が制御される。
図3(a)〜(d)、図4(e)、(f)、及び、図5(g)、(h)は、TFT基板32を製作段階ごとに示している。TFT基板32の製造にあたっては、まず、CVD法により、高歪点ガラス等からなるガラス基板1上の全面に下地絶縁膜2を300nm程度の膜厚で形成し、その下地絶縁膜2上に、スパッタ法により、非光透過性及び導電性を有する金属膜又は金属シリサイド膜である遮光膜3を100〜200nmの膜厚で形成する(図3(a))。次いで、活性層7が形成される領域か、それよりもいくらか広い領域にフォトリソグラフィ法でフォトレジストマスクを形成し、ドライエッチング法により遮光膜3を選択的に除去する(図3(b))。
CVD法により、TEOSと酸素の混合ガスを用い、絶縁膜4を400nm以下の膜厚で形成する。絶縁膜4上に、シリコン膜を50nm〜150nmの膜厚で形成し、そのシリコン膜を、エキシマレーザによりアニールして結晶化させる。シリコン膜上にフォトリソグラフィ法でフォトレジストマスクを形成し、これをマスクとしてシリコン膜をパターニングし、図1に示す平面形状を有する活性層7を形成する(図3(c))。
パターニングされた活性層7上に、フォトリソグラフィ法でソース領域8及びドレイン領域9が形成される領域を露出させるようにフォトレジストマスクを形成し、イオンドーピング法、又は、イオン注入法を用いて、活性層7に、キャリア濃度が5×1020/cm3程度となるようにキャリアを注入し、ソース領域8及びドレイン領域9を形成する。ソース領域8及びドレイン領域9を形成した後に、CVD法により、ゲート絶縁膜10を、50〜150nm程度の膜厚で形成する(図3(d))。
続いてゲート電極13を形成し、このゲート電極13、及び、別に形成したフォトレジストマスクをマスクとして、イオンドーピング法又はイオン注入法を用いて低濃度のキャリアを活性層7に注入し、低濃度キャリア領域11及び12を形成する(図4(e))。低濃度キャリア領域11及び12のキャリア濃度は、1017/cm3程度に設定される。その後、注入されたキャリアをCVD装置で活性化して、水素化する。
引き続き、通常の液晶表示装置を構成するTFT基板の製造方法と同様にして、第1層間絶縁膜14、ソース電極15、ドレイン電極16を形成する。ソース電極15及びドレイン電極16を形成する際には、TFT基板32の表示領域外の図示しない周辺回路に、遮光膜3を電気的に接続する。その後、第2層間絶縁膜17を形成する(図4(f))。
スパッタ法により金属膜を200〜300nm程度の膜厚で形成し、その金属膜上に、フォトリソグラフィ法でフォトレジストマスクを形成し、ドライエッチング法により金属膜をパターニングして、下部電極18を形成する。次いで、容量絶縁膜19をCVD法で100〜200nm程度の膜厚で形成し、これをパターニングして、上部電極20とドレイン電極16とを接続するコンタクト孔を形成する。その後、アルミシリコン膜を500〜700nm程度の膜厚で形成し、その上にフォトリソグラフィ法でフォトレジストマスクを形成し、ドライエッチング法により、アルミシリコン膜をパターニングして上部電極20を形成する(図5(g))。
CVD法で第3層間絶縁膜21を300〜600nm程度の膜厚で形成し、第3層間絶縁膜21上に平坦化膜22を形成する。平坦化膜22に、画素電極23を画素容量の上部電極20に接続するためのコンタクト孔を形成した後に、スパッタ法を用い、画素電極23を30〜100nm程度の膜厚で形成する(図5(h))。以上のような製作工程により、図2に示す断面構造を有するTFT基板32が得られる。
TFT基板32を形成した後に、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入する。この捕獲準位の導入の際には、ゲート電極13、ソース電極15、及び、ドレイン電極16を接地電位とし、遮光膜3に−20〜−80Vの一定電位を与えて、ソース電極15と遮光膜3との間、及び、ドレイン電極16と遮光膜3との間の絶縁膜4中に電流密度2.5A/m2程度以上の電流を流し、その状態を1〜10分間保持する。このような電気的ストレスによって、絶縁膜4の結晶性が悪化して結晶欠陥が発生し、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域と、絶縁膜4中とに捕獲準位が導入される。
ここで、図6は、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入していない通常のTFTにおける遮光膜3の電位とドレイン電流の関係を示している。同図に示すグラフは、液晶表示装置において黒が観察されるように、ゲート電極13に、TFTがオフとなる電位を与えたときの、ドレイン電流特性、つまり遮光膜3によるリーク電流特性を示している。なお、以下では、ドレイン電流が3pA以上になると、液晶表示装置において本来黒が表示されるべき画素が、人の視覚上では黒として観察されずに、表示装置上でのコントラスト低下、明点として観察されるものとする。言い換えると、ドレイン電流が3pA以上になると、リーク電流により、コントラストの低下、明点の出現等、液晶表示装置の表示品質の低下が観察されるものとする。
一般に、活性層7と遮光膜3の間の距離が短くなるほど、遮光膜3による電気的な影響が活性層7に及び易い。図6に示すように、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入しないTFTにおいては、絶縁膜4の膜厚、つまり、活性層7と遮光膜3の間の距離が100nmのときは、ドレイン電流が3pA未満となる遮光膜3に与える電位の範囲はほとんどなく、リーク電流によって、液晶表示装置の表示品質が低下する。絶縁膜4の膜厚を200nm、300nmと増加させると、膜厚の増加に伴い、遮光膜3に与える電位によるリーク電流が減少して、ドレイン電流が3pA未満となる遮光膜3に与える電位の範囲が広がって、リーク電流による液晶表示装置の表示品質の低下が抑制される。しかし、この場合には、バックライト光源を点灯すると遮光膜3で遮光しきれない光が活性層7に侵入して光リーク電流が発生し、その光リーク電流の影響によって、液晶表示装置の表示品質が低下するという問題が発生する。
図7は、上述のようにして、活性層7の遮光膜3側の表面部分のソース領域8及びドレイン領域9に対応する領域に捕獲準位を導入したTFTにおける遮光膜3の電位とドレイン電流の関係を示している。同図に示すグラフは、絶縁膜4の膜厚を100nmで形成し、図6に示す特性測定のときと同様に、ゲート電極13に、TFTがオフとなる電位を与えたときの、遮光膜3によるリーク電流(ドレイン電流)特性を示している。図7に示すように、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、ソース領域8及びドレイン領域9に対応する領域に導入した捕獲準位密度が5×1011/cm2のとき、及び、1×1012/cm2のときには、ドレイン電流が3pA未満となる、遮光膜3に与える電位の範囲はほとんどない。
TFTでは、導入する捕獲準位密度を高くするほど、ドレイン電流が3pA以下となる遮光膜3に与える電位の範囲が広くなる傾向を示す。図7に示すように、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、ソース領域8及びドレイン領域9に対応する領域に導入した捕獲準位密度が5×1012/cm2であるときには、導入する捕獲密度がそれよりも低い場合に比して、ドレイン電流が3pA未満となる遮光膜3に与える電位の範囲が広くなっている。このことから、導入する捕獲準位密度が5×1012/cm2以上であるときには、絶縁膜4の膜厚を100nmで形成し、遮光膜3による活性層7に対する遮光効果を高め、光リーク電流の影響を低減した場合であっても、遮光膜3によるリーク電流の影響を低減できることがわかる。
図8(a)は、比較例のTFTにおける、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示し、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示している。これらに示すグラフは、それぞれ、図2と同様な断面構造を有する比較例のTFTにおいて、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入する前のTFTと、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したTFTとの双方についてのドレイン電流特性を示している。図8に示す特性を測定するために使用した、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入した比較例のTFTでは、チャネル領域27の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度よりも大きく設定している。具体的には、活性層7の絶縁膜4側の表面部分の各領域には、以下の表に示す捕獲準位密度が導入されている。
Figure 2005051223
比較例のTFTでは、遮光膜3に、TFTのオフ時にゲート電極13に印加される電位(−2V)を印加し、ゲート電極13に印加する電位を変化させ、ドレイン電流を測定すると、図8(a)に示すように、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したTFTでは、捕獲準位を導入する前に比してTFTオフ時のドレイン電流が低減している。しかし、このTFTでは、同時に、TFTオン時のドレイン電流の低下も観察される。また、ゲート電極13に印加する電位を一定(−2V)とし、遮光膜3に印加する電位を変化させ、ドレイン電流を測定すると、同図(b)に示すように、同図(a)と同様に、TFTオフ時とTFTオン時の双方において、ドレイン電流の低下が観察される。
上記のように、チャネル領域27の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度よりも大きく設定している比較例のTFTでは、オフ時のリーク電流を低減できるものの、同時にオン時のドレイン電流が低下する。これは、チャネル領域27において、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位が導入されたことにより、チャネル領域27のゲート電極13側にチャネルが形成されにくくなるためである。このため、活性層7の遮光膜3側の表面のうち、チャネル領域27には、捕獲準位を導入しすぎないことが好ましい。
図9(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示し、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示している。これらに示すグラフは、図8(a)及び(b)に示すグラフと同様に、それぞれ、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入する前のTFTと、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したTFTとの双方についての、ドレイン電流特性を示している。図9に示す特性を測定するために使用した、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したTFT33では、チャネル領域27の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度が、ソース領域8及びドレイン領域9の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度に比して低く設定されている。具体的には、活性層7の絶縁膜4側の表面部分の各領域には、以下の表に示す捕獲準位密度が導入されている。
Figure 2005051223
図9(a)では、図8(a)のときと同様に、遮光膜3に与える電圧を一定(−2V)とし、ゲート電極13に印加する電位を変化させて、ドレイン電流を測定した。図9(a)に示すように、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したTFT33では、図8(a)と同様に、捕獲準位を導入する前に比してTFTオフ時のドレイン電流が低減する一方、図8(a)のときは異なり、TFTオン時のドレイン電流の低下は、ほとんど観察されない。また、図8(b)のときと同様に、ゲート電極13に印加する電位を一定(−2V)とし、遮光膜3に印加する電位を変化させ、ドレイン電流を測定した場合についても、図9(b)に示すように、同図(a)のときと同様に、TFTオフ時のリーク電流が低減する一方、TFTオン時のドレイン電流の低下はほとんど観察されない。このように、活性層7において、チャネル領域27の遮光膜3側の表面には捕獲準位を導入しすぎないことで、TFTオフ時のリーク電流を低減できると共に、TFTオン時のドレイン電流の低下を防止できる。
前述したような電位を各電極に与え、その状態を保持して電気的ストレスを印加すると、絶縁膜4では、チャネル領域27の遮光膜3との間の領域の電界強度は低く、ソース領域8と遮光膜3との間に対応する領域、及び、ドレイン領域9と遮光膜3との間に対応する領域での電界強度は高くなり、絶縁膜4中では、チャネル領域27の遮光膜3との間の領域には電流が生じないが、ソース領域8と遮光膜3との間に対応する領域、及び、ドレイン領域9と遮光膜3との間に対応する領域には電流が生じる。このようにすることで、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、ソース領域8及びドレイン領域9に対応する領域に、選択的に捕獲準位を導入することができる。従って、前述のような電位を各電極に与えて形成したTFT33では、図9(a)及び(b)に示すように、TFTオフ時のリーク電流が低減する一方、TFTオン時のドレイン電流の低下は観察されず、書き込み特性等が悪化しない。
本実施形態例では、TFT33の、活性層7の遮光膜3に対向する側の表面部分のうち、ソース領域8及びドレイン領域9の領域に5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位を導入し、活性層7に及ぶ、遮光膜3による電気的な影響を緩和している。このため、光リーク電流の影響を低減するために、遮光膜3と活性層7との間の距離を短くした場合であっても、遮光膜3による電気的な影響により生ずる、オフリーク電流等のTFTの特性悪化を抑制できる。言い換えると、TFT33では、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の遮光効果を高めることで生じる遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できる。このようなTFT基板32を使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができ、高輝度及び光コントラストの液晶表示装置が実現できる。
上述のように、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、チャネル領域27の領域に捕獲準位を導入しすぎると、TFTオフ時のリーク電流は低減できるものの、TFTオン時のドレイン電流も低下する。本実施形態例では、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、チャネル領域27の領域の捕獲準位密度が、ソース領域8及びドレイン領域9の領域の捕獲準位密度よりも低くなるようにしているため、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制することができる。
本実施形態例では、活性層7の遮光膜3側の表面への捕獲準位の導入が、各電極に所定の電位を与えて、遮光膜3と活性層7との間の絶縁膜4に電気的ストレスを印加することで生じる絶縁膜4中の電流により行われる。このため、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を抑制したTFT基板32を、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく作成することができる。また、所望の捕獲準位を導入した後の製造工程には、温度が600℃を越えるような工程は含まれず、最高到達温度は高々400℃程度であり、導入された捕獲準位が補償されることはない。
ところで、絶縁膜4の膜厚、つまり遮光膜3と活性層7との間の距離を400nm以上に設定する場合には、活性層7に到達する光が多くなって、光リーク電流が顕著になる。また、絶縁膜4の膜厚を100nm以下に設定する場合には、活性層7の遮光膜3側の表面部分に捕獲準位を導入した場合であっても、遮光膜3が活性層7に与える電気的な影響が緩和しきれなくなって、TFT33の特性悪化が顕著になる。従って、絶縁膜4の膜厚は、100〜400nmに設定するとよく、遮光効果の観点からは、特に100nm〜250nmに設定することが好ましい。
図10(a)は、捕獲準位を導入する際の、遮光膜3に与える電位と絶縁膜4中の電流密度との関係を示し、同図(b)は、絶縁膜4中の電流密度と活性層7の遮光膜3側の表面に導入される捕獲準位密度との関係を示している。活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入する際に、ゲート電極13、ソース電極15、ドレイン電極16に接地電位を与え、遮光膜3の電位を、−20V〜−80Vの範囲で変化させたとき、絶縁膜4中を流れる電流の電流密度は、同図(a)のように変化した。また、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、ソース領域8及びドレイン領域9の領域に導入される捕獲準位の密度は、絶縁膜4中を流れる電流の電流密度によって、同図(b)に示すように変化した。
図10(a)に示すように、遮光膜3に与える負の電圧を大きくするに伴って、絶縁膜4中に流れる電流の電流密度が大きくなる。また、同図(b)に示すように、絶縁膜4中を流れる電流の電流密度が大きくなるに伴って、絶縁膜4中、並びに、絶縁膜4と活性層7との界面のドレイン領域9及びソース領域8の領域に導入される捕獲準位密度が大きくなる。つまり、電気的ストレスの印加では、遮光膜3に与える負の電圧を大きくするに伴って、導入される捕獲準位密度が大きくなる。絶縁膜4の膜厚を変更すると、同図(a)に示す関係、及び、同図(b)に示す関係は変化するが、そのときには、絶縁膜4中を流れる電流の電流密度が2.5A/m2以上となるように、各電極に与える電位を設定することで、絶縁膜4中、並びに、絶縁膜4と活性層7との界面のドレイン領域9及びソース領域8の領域に所望の捕獲準位を導入することができる。
図11(a)〜(d)は、それぞれ、TFT33における遮光膜3の電位とドレイン電流の関係を示している。これらのグラフは、それぞれ、絶縁膜4中、並びに、絶縁膜4と活性層7との界面のドレイン領域9及びソース領域8の領域に捕獲準位を導入する前のTFTと、捕獲準位導入後のTFT33について、ゲート電極13に、TFTがオフとなる電位を与えたときの、遮光膜3によるリーク電流(ドレイン電流)特性を示している。絶縁膜4中、並びに、絶縁膜4と活性層7との界面のドレイン領域9及びソース領域8の領域に捕獲準位を導入する際には、ゲート電極13、ソース電極15、ドレイン電極16に接地電位を与え、活性層7と遮光膜3との間に電気的ストレスを印加することで、絶縁膜4中に電流を生じさせ、その状態を1分間保持した。
図11(a)に示すグラフは、電気的ストレスを印加する際に、遮光膜3に−20Vの電位を与えたTFT33についてのリーク電流特性を示している。このときの絶縁膜4中を流れる電流の電流密度は2A/m2であり、その電流によって、絶縁膜4中、並びに、絶縁膜4と活性層7の界面のうちドレイン領域9、ソース領域8に対応する領域に捕獲準位を導入した。活性層7に対して捕獲準位を導入する前と比較して、捕獲準位導入後では、TFTオフ時のドレイン電流が低減しており、TFT33の特性の悪化が抑制されているのがわかる。また、ドレイン電流が3pA以下となる遮光膜3に与える電位の範囲が広がっている。このため、TFT基板32において、複数のTFT33に対応して配置される各遮光膜3に同じ電位を与えたときに、特性ばらつきがあったとしても、全てのTFT33で、遮光膜3の電気的影響によって生じるオフリーク電流を3pA以下にする遮光膜3の電位を設定することができ、このTFT基板32を有する液晶表示装置では、表示品質の低下が回避される。
図11(b)に示すグラフは、電気的ストレスを印加する際に、遮光膜3に−40Vの電位を与えたTFT33についてのリーク電流特性を示し、同図(c)は、電気的ストレスを印加する際に、遮光膜3に−60Vの電位を与えたTFT33についてのリーク電流特性を示し、同図(d)は、電気的ストレスを印加する際に、遮光膜3に−80Vの電位を与えたTFT33についてのリーク電流特性を示している。電気的ストレスによって、絶縁膜4中、並びに、絶縁膜4と活性層7との界面のうちドレイン領域9及びソース領域8に対応する領域に捕獲準位を導入する際に遮光膜3に与える電位を、−40V、−60V、−80Vと変化させるに伴って、同図(c)〜(d)に示すように、TFTオフ時のドレイン電流が3pA以下となる遮光膜3に与える電位の範囲が広がっていき、特性ばらつきが大きい場合であっても、遮光膜3をある電位に設定することで、液晶表示装置の表示品質を良好に保つことができる。
第2実施形態例
図12は、本発明の第2実施形態例のTFT基板の製造プロセスにおける一工程を示している。本実施形態例では、TFT基板32の製造工程の一部が、第1実施形態例と相違する。本実施形態例のTFT基板は、図1に示す平面構造、及び、図2に示す断面構造と同様な構造を有する。上記第1実施形態例では、TFT基板32の形成後に電気的ストレスを与えて絶縁膜4中、並びに、絶縁膜4と活性層7との界面のドレイン領域9及びソース領域8の領域に捕獲準位を導入したが、本実施形態例では、絶縁膜4上に活性層7を形成する前に、絶縁膜4の表面に水素プラズマ処理を施して、絶縁膜4の活性層7側の表面にダメージを与えて、絶縁膜4と活性層7の間の界面、つまり活性層7の遮光膜3側の表面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する。
本実施形態例のTFT基板32Aは、以下のようにして作成される。図3(a)及び(b)と同様にして、ガラス基板1上に、下地絶縁膜2、及び、遮光膜3を形成する。遮光膜3上に絶縁膜4を形成し、絶縁膜4上に、フォトリソグラフィ法を用いて、形成される活性層7のソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域以外の領域に、100nmの膜厚で保護用絶縁膜40を形成する。保護用絶縁膜40の形成後、基板全面に対して、RFパワー2500W程度、水素ガス圧力400Pa程度、水素ガス流量400sccm程度、及び、温度370℃程度の条件にて、水素プラズマ処理を施す(図12)。絶縁膜4の活性層7に面する界面に捕獲準位を導入した後に、保護用絶縁膜40を除去し、図3(c)と同様にして、絶縁膜4上に活性層7を形成する。その後、第1実施形態例と同様な工程を経て、図2(図5(g))に示す断面構造と同様な構造を有するTFT基板32が作成される。
図13は、水素プラズマ処理のRFパワーと絶縁膜4に導入される捕獲準位密度の関係を示している。同図に示すように、水素プラズマ処理の際のRFパワーを2200W以上にすることで、活性層7の遮光膜3側の表面にのうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位を導入することができる。
図14(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示し、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示している。同図(a)及び(b)に示すグラフは、活性層7の遮光膜3側の表面のうちソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する前のTFTと、捕獲準位導入後のTFTとの双方についてのドレイン電流特性を示している。活性層7の遮光膜3側の表面のうちソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する際には、RFパワー2500Wの水素プラズマ処理を用いた。
図14(a)では、図9(a)のときと同様に、遮光膜3に与える電圧を一定(−2V)とし、ゲート電極13に印加する電位を変化させて、ドレイン電流を測定した。図14(a)に示すように、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したTFT33では、捕獲準位を導入する前に比してTFTオフ時のドレイン電流が低減される一方、TFTオン時のドレイン電流の低下は、ほとんど観察されない。また、図14(b)に示すように、図9(b)のときと同様に、ゲート電極13に印加する電位を一定(−2V)とし、遮光膜3に印加する電位を変化させ、ドレイン電流を測定した場合についても、捕獲準位導入前に比してTFTオフ時のリーク電流が低減される一方、TFTオン時のドレイン電流の低下はほとんど観察されない。
本実施形態例のように、水素プラズマ処理を施すことにより、活性層7の遮光膜3側の表面のうちソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に、捕獲準位を導入する場合についても、第1実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できるTFT33を得ることができる。また、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の遮光効果を高めることで生じる遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できるため、本実施形態例のようにして作成されたTFT基板32を使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
第3実施形態例
図15は、本発明の第3実施形態例のTFT基板の製造プロセスの一工程段階を示している。本実施形態例のTFT基板は、図1に示す平面構造、及び、図2に示す断面構造と同様な構造を有する。上記第2実施形態例では、絶縁膜4の表面に水素プラズマ処理を施して、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したが、第3実施形態例では、絶縁膜4にキャリアを注入して、活性層7の遮光膜3側の表面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する。
本実施形態例のTFT基板32は、以下のようにして作成される。図3(a)及び(b)と同様にして、ガラス基板1上に、下地絶縁膜2、及び、遮光膜3を形成する。遮光膜3上に、絶縁膜4を形成し、絶縁膜4上に、フォトレジスト41を形成する。フォトレジスト41は、保護用絶縁膜40(図12)と同様に、絶縁膜4上に形成される活性層7のソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域以外の領域に形成される。フォトレジスト41の形成後、イオンドーピング法によって、リン、酸素等のガスを用いて、35keV程度の加速電圧、ドーズ量1013/cm2で、絶縁膜4の表面に、キャリアを注入する(図15)。
上記キャリアの注入により、絶縁膜4の活性層7側の表面、つまり、絶縁膜4の活性層7に面する界面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域に5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位が導入される。絶縁膜4の活性層7側の表面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域に捕獲準位を導入した後に、フォトレジスト41を除去し、図3(c)と同様にして、絶縁膜4上に活性層7を形成する。その後、第1実施形態例と同様な工程を経て、図2(図5(g))に示す断面構造と同様な構造を有するTFT基板32が作成される。
図16は、イオンドーピングの際の加速電圧と、活性層7の遮光膜3側の表面導入される捕獲準位密度との関係とを示している。導入される捕獲準位密度は、イオンドーピングの際の加速電圧とドーズ量とに依存する。同図に示すように、例えばドーズ量を5×1012/cm2とするとき、イオンドーピングの際の加速電圧を15keV以上とするで、活性層7の遮光膜3側の表面に5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位を導入することができる。
図17(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示し、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示している。同図(a)及び(b)に示すグラフは、絶縁膜4の活性層7に面する界面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域に捕獲準位を導入する前のTFTと、捕獲準位導入後のTFTとの双方についてのドレイン電流特性を示している。絶縁膜4の活性層7に面する界面に捕獲準位を導入する際には、加速電圧35keV、及び、ドーズ量1013/cm2の条件のイオンドーピングを用いた。
図17(a)では、図9(a)のときと同様に、遮光膜3に与える電圧を一定(−2V)とし、ゲート電極13に印加する電位を変化させて、ドレイン電流を測定した。図17(a)に示すように、絶縁膜4の活性層7に面する界面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域に捕獲準位を導入したTFT33では、捕獲準位を導入する前に比してTFTオフ時のドレイン電流が低減される一方、TFTオン時のドレイン電流の低下は、ほとんど観察されない。また、図17(b)に示すように、図9(b)のときと同様に、ゲート電極13に印加する電位を一定(−2V)とし、遮光膜3に印加する電位を変化させ、ドレイン電流を測定した場合についても、捕獲準位導入前に比してTFTオフ時のリーク電流が低減される一方、TFTオン時のドレイン電流の低下はほとんど観察されない。
本実施形態例のように、絶縁膜4にイオンドーピング法により不純物イオンを注入することで、絶縁膜4の活性層7に面する界面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域に5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位を導入する場合にも、第1実施形態例及び第2実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できるTFT33を得ることができる。また、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の遮光効果を高めることで生じる遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できるため、本実施形態例のようにして作成されたTFT基板32を使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
第4実施形態例
本発明の第4実施形態例のTFT基板は、図1に示す平面構造、及び、図2に示す断面構造を有するTFT基板32と同様な構造を有し、その製作工程の一部が第1〜第3実施形態例と相違する。上記第3実施形態例では、絶縁膜4にフォトレジスト41を形成し、イオンドーピング法を用いて、絶縁膜4の活性層7に面する界面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12に対応する領域に捕獲準位を導入したが、本実施形態例では、低濃度キャリア領域11、12を形成する際のキャリア注入によって、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する。
本実施形態例のTFT基板32は、以下のようにして作成される。図3(a)〜(d)と同様にして、ガラス基板1上に、下地絶縁膜2、遮光膜3、絶縁膜4、ソース領域8及びドレイン領域9が形成された活性層7、及び、ゲート絶縁膜10を形成する。図4(e)において、ゲート電極13を形成し、キャリア注入によって低濃度キャリア領域11及び12を形成する際に、そのドーズ量及び加速電圧を、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に導入される捕獲準位密度が5×1012/cm2以上となるように調整して、キャリアを注入する。
上記キャリアの注入では、質量の差から、キャリアは、活性層7のゲート電極13側の表面にピークを持つ濃度分布となり、キャリアとともに打ち込まれる水素は、活性層7の遮光膜3側の表面にピークを持つ濃度分布となる。これにより、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に、5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位が導入される。その後、第1実施形態例と同様な工程を経て、図2(図5(g))に示す断面構造と同様な構造を有するTFT基板32が作成される。
図18は、低濃度キャリア領域11、12を形成するときのキャリア注入の際の加速電圧と、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に導入される捕獲準位密度との関係とを示している。導入される準位密度は、キャリア注入の際の加速電圧とドーズ量とに依存する。同図に示すように、例えばドーズ量が5×1012/cm2のとき、キャリア注入の際の加速電圧を70keV以上とすることで、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に導入する捕獲準位密度を、5×1012/cm12以上にすることができる。
図19(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示し、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係をグラフとして示している。同図(a)及び(b)に示すグラフは、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する前のTFTと、捕獲準位導入後のTFTとの双方についてのドレイン電流特性を示している。活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入する際には、低濃度キャリア11、12を形成する際のキャリア注入において、加速電圧90keV、及び、ドーズ量1013/cm2の条件のキャリア注入を用いた。
図19(a)では、図9(a)のときと同様に、遮光膜3に与える電圧を一定(−2V)とし、ゲート電極13に印加する電位を変化させて、ドレイン電流を測定した。図19(a)に示すように、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入したTFT33では、捕獲準位を導入する前に比してTFTオフ時のドレイン電流が低減する一方、TFTオン時のドレイン電流の低下はほとんど観察されない。また、図19(b)に示すように、図9(b)のときと同様に、ゲート電極13に印加する電位を一定(−2V)とし、遮光膜3に印加する電位を変化させ、ドレイン電流を測定した場合についても、捕獲準位導入前に比してTFTオフ時のリーク電流が低減する一方、TFTオン時のドレイン電流の低下はほとんど観察されない。
本実施形態例では、捕獲準位導入のために新たな工程を追加することなく、低濃度キャリア領域11、12を形成するの、キャリア注入のドーズ量及び加速電圧を調整して、活性層7の遮光膜3側の表面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位を導入する。本実施形態例のようにTFT33を形成する場合についても、第1〜第3実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できるTFT33を得ることができる。また、TFT33は、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の遮光効果を高めることで生じる遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できるため、本実施形態例のようにして作成されたTFT基板32を使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
第5実施形態例
本発明の第5実施形態例のTFT基板は、図1に示す平面構造、及び、図2に示す断面構造を有するTFT基板32と同様な構造を有する。本実施形態例では、ゲート電極13と遮光膜3とが電気的に接続され、遮光膜3の電位は、ゲート電極13に入力される電位と同電位となる。本実施形態例のTFT基板32において、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する際には、第1実施形態例と同様に、TFT基板32の形成後に各電極に所定の電位を与えて電気的ストレスを印加する方法、或いは、第2実施形態例と同様に、絶縁膜4に水素プラズマ処理を施す方法、或いは、第3実施形態例と同様に、絶縁膜4にイオンドーピングする方法を採用することができる。または、第4実施形態例と同様に、低濃度キャリア領域11、12を形成する際に、ドーズ量及び加速電圧を調整する方法を採用してもよい。
図20(a)は、ゲート電極13と遮光膜3とが接続された通常のTFTにおける遮光膜3の電位とドレイン電流との関係を示し、同図(b)は、ゲート電極13と遮光膜3とが接続され、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位が導入されたTFT33における遮光膜3とドレイン電流との関係を示している。
ゲート電極13と遮光膜3とが接続された通常のTFT33では、例えば、ゲート電極13にTFTオフ時の電位が与えられると、遮光膜3にもTFTオフ時の電位が与えられ、活性層7のY方向の両側の電極の電位がTFTオフ時の電位となることから、TFT33におけるリーク電流は低く抑えられるように考えられる。しかし、遮光膜3は、チャネル領域27だけでなく、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12ともオーバーラップしている。このため、ゲート電極13及び遮光膜3がTFTがオフとなる電位の範囲にあるとき、このTFTは、図20(a)に示すように、自己整合構造を有するTFTと同様の特性を示し、実際には、TFTオフ時のリーク電流は低減されない。
活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入したTFT33では、遮光膜3の電位によって、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12にかかる電界が緩和される。このため、ゲート電極13及び遮光膜3の電位がTFTがオフとなる電位の範囲にあるとき、ドレイン電流は、図20(b)に示すような特性を示し、同図(a)のときに比して、TFTオフ時のリーク電流が低減される。
また、活性層7において、チャネル領域27の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入しすぎず、チャネル領域27の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度が、ソース領域8及びドレイン領域9の遮光膜3側の表面に導入された捕獲準位密度よりも大きい場合には、遮光膜3の電位によってチャネル領域27にかかる電界の緩和が、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12にかかる電界の緩和に比して弱い。このため、このようなTFT33では、TFTオフ時のリーク電流の低減と、TFTオン時のドレイン電流の低下防止とを同時に実現できる。
本実施形態例のように、ゲート電極13と遮光膜3とを電気的に接続する場合についても、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、チャネル領域27の領域の捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の領域の捕獲準位密度よりも低くすることで、上記各実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できるTFT33を得ることができる。また、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の遮光効果を高めることで生じる遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を同時に抑制できるため、本実施形態例のようにして作成されたTFT基板32を使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
第6実施形態例
図21は、本発明の第6実施形態例の液晶表示装置のTFT基板32Aの断面構造を示している。本実施形態例のTFT基板32Aは、図1に示す平面構造と同様な構造を有し、図21に示す断面は、図1のA−A’断面に相当する。本実施形態例のTFT基板32Aに形成されるTFT33Aは、図2に示す画素容量を備えていない点で、第1〜第5実施形態例のTFT33と相違する。本実施形態例のTFT基板32において、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位を導入する際には、第5実施形態例と同様に、第1〜第4実施形態例で説明した何れかの方法が使用できる。
TFT基板32Aでは、活性層7の上層側に、ゲート絶縁膜10と、ゲート電極13と、第1層間絶縁膜14と、ソース電極15と、ドレイン電極16と、第2層間絶縁膜17と、画素電極23とが形成される。このTFT基板32Aは、図3(a)〜図4(f)と同様にして、第2層間絶縁膜17までを形成し、その後、画素容量を生成せずに、第2層間絶縁膜17にコンタクト孔を形成し、画素電極23とドレイン電極16を接続して形成される。活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域には、第1〜第4実施形態例で説明した何れかの方法により、5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位が導入される。
本実施形態例のように、TFT基板32Aに画素容量が形成されない場合についても、活性層7の遮光膜3側の表面部分において、チャネル領域27の領域の捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の領域の捕獲準位密度よりも低くすることで、上記各実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できるTFT33を得ることができる。また、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の遮光効果を高めることで生じる遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できるため、本実施形態例のようにして作成されたTFT基板32を使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
第7実施形態例
図22は、本発明の第7実施形態例の液晶表示装置の薄膜トランジスタ付近を平面図として示し、図23は、図22のB−B’断面を示している。本実施形態例のTFT基板34は、図1に示す遮光膜3と活性層7との間に、光吸収性を有する別の遮光膜5が更に形成される点で、第1実施形態例のTFT基板32と相違する。図23に示すように、第2遮光膜5上には、第2絶縁膜6が形成され、活性層7は、第2絶縁膜6を挟んで、第2遮光膜5と対向する。本実施形態例では、遮光膜が、光反射性を有する第1遮光膜3と、光吸収性を有する第2遮光膜5の2層で構成されるため、遮光膜が、反射性を有する遮光膜の1層で構成される場合に比して、活性層7に対する遮光効果が高い。
第2遮光膜5は、導電性及び光吸収性を有するアモルファスシリコンなどからなり、ゲート線26と、TFT33とに空間的に重なる位置に形成される。第2遮光膜5は、TFT33に対応する領域の下層側では、X方向に関して活性層7に重なる領域に、或いは、活性層7よりも少し広めの領域に形成される。第2遮光膜5上には、酸化シリコンからなる第2絶縁膜6が400nm以下、好ましくは100〜250nmの膜厚で形成される。第2遮光膜5は、第1遮光膜3と同様に、図示しない周辺回路に電気的に接続される。本実施形態例では、活性層7と第2絶縁膜6との界面、つまり、活性層7の第2遮光膜5に対向する側の表面のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域の捕獲準位密度が5×1012/cm2以上に設定される。
図24(a)及び(b)は、TFT基板34を製作段階ごとに示している。図23に示す断面構造を有するTFT基板32は、以下のようにして形成される。まず、図3(a)及び(b)と同様な工程により、ガラス基板1上に下地絶縁膜2を300nm程度の膜厚で形成し、その下地絶縁膜2上に、第1遮光膜3を100〜200nmの膜厚で形成し、第1遮光膜3が形成される領域にフォトリソグラフィ法でフォトレジストを残し、第1遮光膜3をドライエッチング法により選択的に除去して、所望の形状の第1遮光膜3を形成する。
第1遮光膜3の形成後、その上に、CVD法により、絶縁膜4を100〜400nm程度の膜厚で形成し、その絶縁膜4上に、更にCVD法により、光吸収性を有するアモルファスシリコン膜などからなる第2遮光膜5を50〜200nm程度の膜厚で形成する。第2遮光膜5に、イオンドーピング法、イオン注入法、又は、気相ドーズ法を用いてキャリアを注入する。第2遮光膜5が形成される領域にフォトリソグラフィ法でフォトレジストマスクを形成し、これをマスクとしてドライエッチング法により第2遮光膜5をパターニングする(図24)。
パターニングされた第2遮光膜5上に、CVD法により、第2絶縁膜6を400nm以下の膜厚で形成する。その第2絶縁膜6上に、シリコン膜を50nm〜150nmの膜厚で形成し、そのシリコン膜を、エキシマレーザによりアニールして結晶化させる。シリコン膜上にフォトリソグラフィ法でフォトレジストマスクを形成し、シリコン膜をパターニングし、図1に示す平面形状を有する活性層7を形成する(図24)。その後、図3(d)〜図5(g)と同様にして、ソース領域8、ドレイン領域9、ゲート絶縁膜10、低濃度キャリア領域11、12、ゲート電極13、第1層間絶縁膜14、ソース電極15、ドレイン電極16、第2層間絶縁膜17、下部電極18、容量絶縁膜19、上部電極20、第3層間絶縁膜21、平坦化膜22、及び、画素電極23を形成する。以上のような製作工程により、図23に示す断面構造を有するTFT基板34が形成される。
TFT基板34において、活性層7の第2遮光膜5側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する際には、第1実施形態例と同様に、TFT基板34の形成後に各電極に所定の電位を与えて電気的ストレスを印加する方法、第2実施形態例と同様に、第2絶縁膜6に水素プラズマ処理を施す方法、或いは、第3実施形態例と同様に、第2絶縁膜6にイオンドーピングする方法を採用することができる。または、第4実施形態例と同様に、低濃度キャリア領域11、12を形成する際に、ドーズ量及び加速電圧を調整する方法を採用してもよい。
本実施形態例では、遮光膜を2層で構成し、活性層7の第2遮光膜5側の表面のうち、ソース領域8及びドレイン領域9の領域に5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位を導入して、第2遮光膜5から活性層7に及ぶ電気的な影響を低減している。このため、活性層7と第2遮光膜5の間の距離を短くし、光リーク電流を低減するときでも、第2遮光膜5による電気的な影響により生ずるオフリーク電流等のTFTの特性悪化を抑制できる。活性層7の第2遮光膜5側の表面に捕獲準位を導入する際には、第1〜第4実施形態例の何れかの方法を採用することができ、TFT基板34は、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく作成することができる。
また、本実施形態例では、活性層7の第2遮光膜5側の表面部分において、チャネル領域27の領域の捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の領域の捕獲準位密度よりも低くしているため、前述のように、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制することができる。従って、このようなTFT基板34を使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、高輝度、及び、高コントラストを実現できる。
第8実施形態例
図25は、本発明の第8実施形態例の液晶表示装置のTFT基板の断面構造を示している。本実施形態例のTFT基板34Aは、図22に示す平面構造と同様な構造を有し、図25に示す断面は、図22のB−B’断面に相当する。本実施形態例のTFT基板34Aに形成されるTFT33Aは、図23に示す画素容量を備えていない点で、第7実施形態例のTFT33と相違する。本実施形態例のTFT基板32において、活性層7の第2遮光膜5側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域に捕獲準位を導入する際には、第7実施形態例と同様に、第1〜第4実施形態例で説明した何れかの方法が使用できる。
TFT基板34Aでは、活性層7の上層側に、ゲート絶縁膜10と、ゲート電極13と、第1層間絶縁膜14と、ソース電極15と、ドレイン電極16と、第2層間絶縁膜17と、画素電極23とが形成される。このTFT基板34Aは、第7実施形態例のTFT基板34と同様にして、第2層間絶縁膜17までを形成し、その後、画素容量を生成せずに、第2層間絶縁膜17にコンタクト孔を形成し、画素電極23とドレイン電極16を接続して形成される。活性層7の第2遮光膜5側の表面部分のうち、ソース領域8、ドレイン領域9、及び、低濃度キャリア領域11、12の領域には、第1〜第4実施形態例で説明した何れかの方法により、5×1012/cm2以上の密度で捕獲準位が導入される。
本実施形態例のように、TFT基板34Aに画素容量が形成されない場合についても、活性層7の第2遮光膜5側の表面部分において、チャネル領域27の領域の捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の領域の捕獲準位密度よりも低くすることで、上記第7実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できるTFTを得ることができる。また、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜の遮光効果を高めることで生じる第2遮光膜5の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できるため、本実施形態例のTFT基板34Aを使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
第9実施形態例
図26は、本発明の第9実施形態例の液晶表示装置のTFT基板の断面構造を示している。本実施形態例のTFT基板34Bは、図22に示す平面図と同様な平面構造を有し、図26に示す断面は、図22のB−B’断面に相当する。本実施形態例では、図19の第1遮光膜3と第2遮光膜5とが、絶縁膜4を介さずに積層されている点で、第7実施形態例と相違する。本実施形態例では、第2遮光膜5は、導電性を有していなくてもよい。本実施形態例のTFT基板34Bにおいて、活性層7の第2遮光膜5側の表面に捕獲準位を導入する際には、第7実施形態例と同様に、第1〜第4実施形態例で説明した何れかの方法が使用できる。
図27(a)及び(b)は、TFT基板34Bの製作過程の一部を示している。まず、図3(a)と同様に、ガラス基板1上の全面に下地絶縁膜2を300nm程度の膜厚で形成し、その下地絶縁膜2上に、スパッタ法により、第1遮光膜3を100〜200nm程度の膜厚で形成する。そして、第1遮光膜3の上層に、CVD法により、第2遮光膜5を50〜200nm程度の膜厚で積層する(図27(a))。第1遮光膜3及び第2遮光膜5が形成される領域にフォトリソグラフィ法でフォトレジストを残し、ドライエッチング法により第1遮光膜3及び第2遮光膜5を選択的に除去し、所望の形状の第1遮光膜3及び第2遮光膜5を形成する(図27(b))。第2遮光膜5上に絶縁膜6を形成して、以後、第7実施形態例と同様な工程を経て、図26に示す断面構造を有するTFT基板34Bが形成される。
本実施形態例のように、第1遮光膜3と第2遮光膜5とが、図24の第1絶縁膜4を介さずに積層される場合についても、活性層7の第2遮光膜5側の表面部分において、チャネル領域27の領域の捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の領域の捕獲準位密度よりも低くすることで、第7実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制できるTFTを得ることができる。また、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜の遮光効果を高めることで生じる第2遮光膜5の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できるため、本実施形態例のTFT基板34Bを使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
本実施形態例では、第1遮光膜3と第2遮光膜5とを直接に積層するため、第1絶縁膜4を形成する工程を省略することができ、第7実施形態例に比して、製造工程が簡素化される。また、第1遮光膜3と第2遮光膜5とを直接に積層するため、第1遮光膜3の電位と、第2遮光膜5の電位とは互いに等しくなり、図示しない周辺回路には第1遮光膜3のみを電気的に接続すればよい。このため、第2遮光膜5は導電性を有していなくてもよく、第7実施形態例では必要であった第2遮光膜5にキャリアを注入する工程を省略して製造工程を更に簡素化し、工期を短縮して、液晶表示装置製造のスループットを更に向上することができる。
第10実施形態例
図28は、本発明の第10実施形態例の液晶表示装置のTFT基板の断面構造を示している。本実施形態例のTFT基板34Cは、図22に示す平面構造と同様な構造を有し、図28に示す断面は、図22のB−B’断面に相当する。本実施形態例では、図25に示す画素容量を備えていない点が、第9実施形態例と相違する。本実施形態例のTFT基板34Cにおいて、活性層7の第2遮光膜5側の表面に捕獲準位を導入する際には、第7実施形態例と同様に、第1〜第4実施形態例で説明した何れかの方法が使用できる。
本実施形態例のように、TFT基板34Cに画素容量が形成されない場合についても、活性層7の第2遮光膜5側の表面部分において、チャネル領域27の領域の捕獲準位密度を、ソース領域8及びドレイン領域9の領域の捕獲準位密度よりも低くすることで、上記第9実施形態例と同様に、複雑な工程を追加することなく、また、スループットを落とすことなく、TFTオフ時のリーク電流を低減できる一方、TFTオン時のドレイン電流の低下を抑制することができるTFT33を得ることができる。また、光リーク電流によるTFTの特性悪化と、遮光膜3の遮光効果を高めることで生じる遮光膜3の電気的な影響によるTFTの特性悪化との双方を、同時に抑制できるため、本実施形態例のTFT基板34Cを使用した液晶表示装置では、光源から照射されるバックライト光の輝度を高くした場合についても、良好な表示品質を保つことができる。
図29は、本発明のTFT基板を有する投射型の液晶表示装置(プロジェクタ)の構成例を示している。このプロジェクタ50は、ハロゲンランプ51、ダイクロイックレンズ52〜57、ライトバルブ58R、58G、58B、及び、投影レンズ59によって構成される。各ライトバルブ58は、第1〜第10実施形態例の何れかのTFT基板と、液晶層及び対向基板(図示せず)とを有する。光源であるハロゲンランプ51から出射されたR(赤)、G(緑)、B(青)各成分の光は、ダイクロイックレンズ52〜57で各成分に分離される。R、G、Bの各成分に分離された光は、各成分に対応して配置されるライトバルブ58R、58G、58Bによってその透過量が制御され、それぞれ投影レンズ59に向かう。投影レンズ59は、各成分が合成された光を出射し、スクリーン60に映像が表示される。
図30は、ライトバルブ58の一部を等価回路として示している。各ライトバルブ58は、アクティブマトリクス型の表示装置であり、図1のデータ線28aに相当する複数のデータバス線DLiと、図1のゲート線26に相当する複数のゲートバス線GLjとの交差する点に設けられた複数の画素Pijよりなる。画素Pijは、第1〜第10実施形態例の何れかのTFT基板に形成されるTFTによって構成されるトランジスタQと液晶セルCとからなる。
各データバス線DLiは、それぞれ、画素Pijごとに光の透過量を決定するDataが入力されるデータドライバ61によって駆動され、各ゲートバス線GLjは、それぞれゲートドライバ62によって駆動される。画素Pijの液晶セルCは、その画素PijのトランジスタQを介してデータドライバ61から入力された信号に基づいて、ハロゲンランプ51側から投影レンズ59側に透過する光の量を制御する。上記各実施形態例のTFT基板は、遮光膜による遮光効果を高めて光リークを低減しながらも、遮光膜の電気的影響によるTFTの特性の悪化が抑制できるため、プロジェクタ50のライトバルブ58として、好適に使用できる。
なお、上記各実施形態例では、非光透過性及び導電性を有する遮光膜3として、金属膜又は金属シリサイド膜を用いる例について示したが、遮光膜3は、導電性、非光透過性を有する膜であれば、金属は高融点金属でなくともよい。遮光膜3として、例えば、タングステン(W)や、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)等を用いることもできる。また、光吸収性及び導電性を有する第2遮光膜5は、アモルファスシリコンに限らず、微結晶シリコン(μc−Si)や、アモルファスSi−xGex系、ポリゲルマニウム(Poly−Ge)、アモルファスゲルマニウム(a−Ge)、ポリSi−xGex系等の半導体薄膜として構成されていてもよい。また、第1〜第6実施形態例においては、遮光膜3を、光吸収性及び導電性を有する第2遮光膜5で置き換えてもよい。薄膜トランジスタは、第1遮光膜3及び第2遮光膜5に代えて、又は、これに加えて、他の遮光膜を有していてもよい。
上記各実施形態例で説明した各層の膜厚、例えば、ガラス基板上に形成した絶縁膜や、遮光膜、薄膜トランジスタの活性層、ゲート絶縁膜等の膜厚は一例であり、目的、用途等に応じて適宜変更することができる。ゲート電極13は、金属膜又は金属シリサイド膜に限られず、タングステン(W)や、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等を用いて構成してもよい。また、第2遮光膜5等の形成では、CVD法に代えて、スパッタ法、プラズマCVD法等を適宜適用することができる。第2遮光膜5に対するキャリア注入では、一の導電型のキャリアを有する半導体膜に、そのキャリアとは逆の導電型のキャリアを注入して、キャリア濃度が低い第2遮光膜5を得てもよい。上記各実施形態例では、ソース領域8とチャネル領域27の間に低濃度キャリア領域11が形成され、ドレイン領域9とチャネル領域27の間に低濃度キャリア領域12が形成される例について示したが、低濃度キャリア領域11、12は、必ずしも形成されなくてよい。
活性層7の遮光膜側の表面に捕獲準位を導入する方法については、上記したものに限定されず、他の方法であってもよく、或いは、上記したものを適宜組み合わせてもよい。例えば、第4実施形態例で説明した低濃度キャリア領域11、12を形成する際のキャリア注入による捕獲準位の導入と、第1〜3実施形態例で説明した捕獲準位の導入方法とを併用することもできる。第2〜第10実施形態例の何れにおいても、第1実施形態例で説明したのと同様に、捕獲準位導入後の製造工程に、温度が600℃を超える工程が含まれず、TFT基板が液晶表示装置が組み込まれた後にも、導入した捕獲準位が補償されることはない。
第1実施形態例において、活性層7に電気的ストレスを印加する際に各電極に与えられる電位は、上記した組み合わせに限定されない。例えば、遮光膜3に−20〜−80Vの電位を与えるのに代えて、20〜80Vの電位を与え、ソース電極15及びドレイン電極16に接地電位を与えて、その状態を1〜10分間保持して、絶縁膜4中に所望の電流密度の電流を流して、活性層7に電気的ストレスを印加することもできる。
また、第1実施形態例では、ソース電極15及びドレイン電極16に接地電位を与え、遮光膜3に−20〜−80Vの電位を与えて、その状態を1〜10分間保持して、活性層7に電気的ストレスを印加したが、TFT製造のスループットや、TFTの電気的耐圧、特性ばらつきの観点からは、ソース電極15及びドレイン電極16に接地電位を与え、遮光膜3に−40〜−80Vの電位を与えて、その状態を3〜8分間保持して、活性層7に電気的ストレスを印加することが好ましい。この場合、遮光膜3に−40〜80の電位を与えるのに代えて、40〜80Vの電位を与えてもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の薄膜トランジスタ、TFT基板、液晶表示装置、及び、薄膜トランジスタの製造方法は、上記実施形態例にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の第1実施形態例の薄膜トランジスタ・アレイ基板の薄膜トランジスタ付近を示す平面図。 図1のA−A’断面を示す断面図。 図3(a)〜(d)は、図2に示す断面構造を有する薄膜トランジスタ・アレイ基板を製造段階ごとに示す断面図。 図4(e)及び(f)は、図3(d)に後続する工程の薄膜トランジスタ・アレイ基板を製造段階ごとに示す断面図。 図5(g)及び(h)は、図4(f)に後続する工程の薄膜トランジスタ・アレイ基板を製造段階ごとに示す断面図。 活性層の遮光膜に対向する表面部分に捕獲準位を導入していないTFTにおける遮光膜3の電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 活性層の遮光膜に対向する表面部分に捕獲準位を導入したTFTにおける遮光膜3の電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 図8(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 図9(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 図10(a)は、遮光膜3に与える電位と、絶縁膜4中の電流密度との関係を示すグラフ、同図(b)は、絶縁膜4中の電流密度と、活性層7の遮光膜3側の表面部分のうち、ソース領域8及びドレイン領域9に対向する表面に導入される捕獲準位密度との関係を示すグラフ。 図11(a)〜(d)は、それぞれ、TFT33における遮光膜3の電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態例のTFT基板の製作段階の1つを示す断面図。 水素プラズマ処理のRFパワーと絶縁膜4に導入される捕獲準位密度の関係とを示すグラフ。 図14(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 本発明の第3実施形態例のTFT基板の製作段階の1つを示す断面図 イオンドーピングの際の加速電圧と、活性層7の遮光膜3側の表面導入される捕獲準位密度との関係とを示すグラフ。 図17(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 イオンドーピングの際の加速電圧と、活性層7の遮光膜3側の表面導入される捕獲準位密度との関係とを示すグラフ。 図19(a)は、ゲート電極13に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ、同図(b)は、遮光膜3に印加する電位とドレイン電流の関係を示すグラフ。 図20(a)は、ゲート電極13と遮光膜3とが接続された通常のTFTにおける遮光膜3の電位とドレイン電流との関係を示すグラフ、同図(b)は、ゲート電極13と遮光膜3とが接続された、活性層7の遮光膜3側の表面に捕獲準位が導入されたTFT33における遮光膜3とドレイン電流との関係を示すグラフ。 本発明の第6実施形態例の薄膜トランジスタ・アレイ基板の断面構造を示す断面図。 本発明の第7実施形態例の薄膜トランジスタ・アレイ基板の薄膜トランジスタ付近を示す平面図。 図22のB−B’断面を示す断面図 図24(a)及び(b)は、TFT基板34の製造工程の一部を製作段階ごとに示す断面図。 本発明の第8実施形態例の薄膜トランジスタ・アレイ基板の断面構造を示す断面図。 本発明の第9実施形態例の薄膜トランジスタ・アレイ基板の断面構造を示す断面図。 図27(a)及び(b)は、TFT基板34Bの製造工程の一部を製作段階ごとに示す断面図。 本発明の第10実施形態例の薄膜トランジスタ・アレイ基板の断面構造を示す断面図。 一般的なプロジェクタの構成例を示すブロック図。 ライトバルブ58の一部を示す等価回路図。
符号の説明
1:基板
2:下地絶縁膜
4、6:絶縁膜
3:第1遮光膜
5:第2遮光膜
7:活性層
10:ゲート絶縁膜
13:ゲート電極
14:第1層間絶縁膜
17:第2層間絶縁膜
18:画素容量の下部電極
19:画素容量絶縁膜
20:画素容量の上部電極
21:第3層間絶縁膜
22:平坦化膜
23:画素電極
26:ゲート線
28:データ線
31:画素領域
32、34:薄膜トランジスタ・アレイ基板
33:薄膜トランジスタ
35:ブラックマトリクス膜

Claims (15)

  1. 少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタにおいて、
    前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分では、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度がチャネル領域の捕獲準位密度よりも大きいことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分における前記ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度が5×1012/cm2以上である、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記導電性膜が、前記第1の絶縁膜を介して前記活性層に対向する光吸収性膜と、第2の絶縁膜を介して前記光吸収性膜に対向する光反射性膜とを含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記導電性膜が光反射性膜であり、該光反射性膜の前記活性層に対向する表面に接して光吸収性膜を更に備える、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記活性層は、前記ソース領域とチャネル領域との間、及び、前記ドレイン領域とチャネル領域との間に、前記ソース領域及びドレイン領域と同じ導電型で且つソース領域及びドレイン領域よりも不純物濃度が低い低濃度キャリア領域を有する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 請求項1〜5の何れか一に記載の薄膜トランジスタを複数含むトランジスタアレイを、前記導電性膜を介して光透過性基板上に形成し、各薄膜トランジスタに接続された画素電極を備えることを特徴とするTFT基板。
  7. 請求項6に記載のTFT基板と、該TFT基板に対向して配設される対向基板と、前記TFT基板と前記対向基板との間に配設された液晶層とを備えることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、
    前記活性層と前記導電性膜との間の絶縁膜中に所定値以上の電流を流し、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分に捕獲準位を導入することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分では、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度が、チャネル領域の捕獲準位密度よりも大きい、請求項8に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、
    前記第1の絶縁膜の前記活性層に対向する表面部分に不純物イオンをドープして、前記活性層と前記第1の絶縁膜との境界面に捕獲準位を導入することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分では、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度が、チャネル領域の捕獲準位密度よりも大きい、請求項10に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、
    前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分に不純物イオンをドープして、前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分に捕獲準位を導入することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分では、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度が、チャネル領域の捕獲準位密度よりも大きい、請求項12に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  14. 少なくとも1層の導電性膜上に、第1の絶縁膜を介して順次に形成された活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える薄膜トランジスタを製造する方法において、
    前記第1の絶縁膜の前記活性層に対向する表面部分をプラズマ処理することにより、前記活性層と前記第1の絶縁膜との境界面に捕獲準位を導入することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  15. 前記活性層の前記導電性膜に対向する表面部分では、ソース領域及びドレイン領域の捕獲準位密度が、チャネル領域の捕獲準位密度よりも大きい、請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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