JP2005051153A - Cvd装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 均一な膜厚や電気特性を有するSiC半導体を製造することが可能なCVD装置を提供する。
【解決手段】 反応管16に原料ガスを供給する供給管12が接続されたミキシングチャンバ14と、原料ガスの流通路を制限し基板32に対して平行に基板32上を流れるように原料ガスの流れを整流するフローガイド24及び基板32を加熱するサセプタ28を備えた反応管16と、反応管16内部において基板32上を通過した原料ガスを排出する排出管18と、を備え、フローガイド24によって整流された原料ガスによって基板32上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるようにしたCVD装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化ケイ素半導体を製造するためのCVD装置に関し、より詳細には、エピタキシャル成長により基板上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるCVD装置に関する。
炭化ケイ素(SiC)半導体は、耐熱性および機械的強度に優れ、青色発光ダイオードの材料等に利用されていることや、高耐圧性および低イオン抵抗性による省エネルギー化の要求より、高出力低損失の電力用素子への応用などにおいて近年注目されている。SiC半導体は、基板上にSiC薄膜を堆積させて形成される。SiC薄膜を基板上に堆積させるには、例えば、SiCのエピタキシャル成長を利用することができる。
具体的に、基板上にSiC薄膜を堆積させるためには、加熱したSiCウェハ表面でH2ガスとSiH4ガスとC38ガス等を含む原料ガスを反応させ、エピタキシャル成長によってSiC薄膜を堆積させる。この際、SiC薄膜を均一に成長させるためには、SiCウェハ上における原料ガスの流れを均一にし、且つ、原料ガスが均一に混合されていることが重要である。
これに対し、基板上に平行なガスの流れを形成して均一な薄膜を形成することのできるCVD装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかるCVD装置によれば、基板が設置された発熱体を通りすぎたガスの流れを調整し、基板の表面に平行なガスの流れを形成可能としている。
しかし、上記CVD装置等においても、原料ガスが滞留する部位が存在し、さらに、原料ガスの混合が不均一であるため等の理由から、SiC薄膜の膜厚や電気特性の均一性が確保できない場合が生じてしまう。
また、通常SiC薄膜の堆積はCVD装置の反応管内で行われる。係る反応管の内部にはSiCウェハを加熱するための発熱体が設置されており、該発熱体は断熱材を介して反応管の内部に設置されることが多い。CVD装置に用いられる断熱材には、グラスウール等多孔質性状を有する材料が用いられている。しかし、かかる断熱材には不純物が吸着することが多くあり、係る不純物が原料ガスに混入すると、SiCウェハ表面やSiC層にも上記不純物が付着・混入してしまう場合がある。
更に、上記断熱材が剥がれるなどして反応管内に散在し、原料ガスに混入してしまう場合もある。この場合も同様にSiCウェハ表面やSiC層に断熱材の欠けらが付着・混入する場合があり、得られたSiC半導体の機能を低下させてしまう。
また、原料ガスと断熱材とが直接接触すると、断熱材にSiCが分解付着し、断熱材との熱ストレスを起こす等によって、断熱材が劣化するといった問題もある。
特開2002−252176号公報
上述の問題を解決すべく、本発明は、均一な膜厚や電気特性を有するSiC半導体を製造することが可能なCVD装置を提供することを目的とする。
本発明のCVD装置は、反応管内で原料ガスを反応させ基板上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるCVD装置であって、前記反応管に前記原料ガスを供給する供給手段と、前記反応管の内部に設置され且つ前記供給手段から供給された前記原料ガスの流通路を制限し前記基板に対して平行に前記基板上を流れるように前記原料ガスの流れを整流する第1の整流部材と、前記反応管の内部に設置され且つ前記基板を加熱する加熱部材と、前記反応管内部において前記基板上を通過した前記原料ガスを排出する排出手段と、を備え、前記第1の整流部材によって整流された前記原料ガスによって前記基板上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるように構成される。
本発明のCVD装置によれば、第1の整流部材によって反応管内の前記原料ガスの流通路を制限し、基板上に供給される原料ガスをガス供給側で整流して、原料ガスが前記基板に対して平行に前記基板上を流れるようにすることで、反応管内で混合ガスが滞留するのを抑制できる。これにより、本発明のCVD装置は、SiC基板上に均一に原料ガスを供給することができ、基板上に厚みや電気特性が均一なSiC薄膜を形成することができる。更に、本発明のCVD装置は、第1の整流部材の設置による容積縮小によってガス供給量の削減を図ることができる。
また、本発明のCVD装置は、前記供給手段が、前記原料ガスが供給される供給管と、前記供給管から供給された前記原料ガスが通過する複数の孔を有する混合板と、前記混合板の複数の孔を通過した前記原料ガスが通過する複数の孔を有する拡散板と、を備え、前記拡散板を通過し拡散された前記原料ガスを前記反応管に供給するように構成することができる。
本発明のCVD装置によれば、前記混合板と前記拡散板とを備えた供給手段を備えるため、前記混合板に設けられた各孔を通過させて原料ガスを混合でき、反応管に供給される原料ガスの濃度分布を均一にすることができる。これにより、更に均一なSiC薄膜を基板上に形成することができる。
また、本発明のCVD装置は、前記加熱部材を誘導加熱する誘導加熱手段を備え、且つ、前記第1の整流部材を、非誘導加熱性及び耐熱性を有する部材で構成することができる。誘導加熱手段を用いる際に第1の整流部材を非誘導加熱性及び耐熱性を有する部材で構成することで、第1の整流部材が誘導加熱されて基板上以外でSiCが付着するのを防止することができる。第1の整流部材として用いることのできる非誘導加熱性及び耐熱性を有する部材は、絶縁性若しくは高い電気抵抗率を有し且つ耐熱性の高い部材を用いることができ、例えば、石英、SiC(炭化ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)、PBN(熱分解窒化ホウ素)等を用いることができる。
また、本発明のCVD装置は、前記第1の整流部材が、耐熱性の異なる2種以上の部材で構成され、且つ、前記耐熱性の異なる2種以上の部材のうち耐熱性の高い部材が前記加熱手段側に位置するように前記反応管内部に設置されるように構成することができる。
一般に、耐熱性の高い部材は加工性が低いが、係る態様によれば、第1の整流部材の加熱手段が設置されている側の耐熱性を維持しつつ、原料ガス供給側に耐熱性の低い部材を用いることができるので、第1の整流部材の加工性を高めることができる。尚、耐熱性の異なる2種以上の部材を用いる場合、例えば、耐熱性の高い部材としては、好ましくは1400℃以上、更に好ましくは1600℃以上の温度に耐えうる素材が好ましく、例えば、SiC、SiN、PBN等を用いることができる。また、耐熱性の低い部材としては好ましくは1000℃以上、更に好ましくは1600℃以上の温度に耐えうる素材が好ましく、例えば、石英等を用いるのが好ましい。
本発明のCVD装置は、前記加熱部材が、断熱手段を介して前記反応管の内部に設置され、且つ、前記断熱手段が、前記原料ガスとの接触を防止する保護部材によって覆われるように構成することができる。
本発明のCVD装置は、断熱部材を介して加熱部材を設置し、更に断熱部材を保護部材によって覆うことで、反応管の温度上昇を低減したまま、断熱部材が原料ガスに接触することによって劣化するのを防止することができる。更に、断熱部材が剥がれ落ちる等によって反応管に散在したり、断熱部材に吸着した不純物が原料ガス等に混入するのを防止することができる。
さらに、本発明のCVD装置は、前記原料ガスの流通路を制限し前記基板上を通過した前記原料ガスを排出方向に流れるように整流する第2の整流部材を前記反応管の内部に設けることができる。本発明のCVD装置は、第2の整流部材を設けることで、基板上を通過した原料ガスが供給側に逆流して、基板上の原料ガスの流れが不均一になるのを防止することができる。第2の整流部材としては、第1の整流部材と同様の材料を用いることができ、非誘導加熱性及び耐熱性を有する部材を用いるのが好ましい。また、第2の整流部材においても第1の整流部材と同様に、2種以上の耐熱性の異なる部材を用いて構成することができる。この場合、第2の整流部材の耐熱性の高い部材側が加熱手段側に位置し、耐熱性の低い部材が原料ガス排出側に位置するように設置するのが好ましい。
また、第1の整流部材および第2の整流部材のいずれかで上記断熱部材を覆うことで、第1の整流部材および第2の整流部材で上記保護部材の役割を果たさせることができる。
さらに、本発明のCVD装置は、前記排出手段が、前記反応管から前記原料を排出させる排出管を4系統以上有し、更に、前記排出管に連結され且つ前記反応管内の前記原料ガスを排出させるポンプを備えるように構成することができる。
本発明のCVD装置は、排出手段に少なくとも4系統以上の排出管と、反応管から原料ガスを排出させるためのポンプとを設けこれらを制御することで、反応管内の原料ガスの圧力、流量等を制御し、基板上の原料ガスの流れがより均一になるように制御することができる。
また、前記第1の整流部材は、前記原料ガスの供給側から前記基板側に向かって、連続的に若しくは段階的に前記原料ガスの流通路の径が減少するようにしたホーン形状とすることができる。第1の整流部材をホーン形状とすることで、原料ガスの滞留を効果的に防止して、基板上で流れがより均一になるように、原料ガスの流れを整流することができる。
本発明によれば、均一な膜厚や電気特性を有するSiC半導体を製造することが可能なCVD装置を提供することができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について、図1を用いて説明する。図1は、本発明のCVD装置を示す概略的断面図である。図1においてCVD装置10は、供給管12と、ミキシングチャンバ14、反応管16と、排出管18と、から構成される。
供給管12は、H2ガスが供給される供給管12a、SiH4ガスが供給される供給管12bおよびC38ガスが供給される供給管12cの各々の一端と連結しており、各供給管から供給されたガスの混合ガスを、ミキシングチャンバ14に供給するように構成されている。また、供給管12a,12bおよび12cには、各々MFC13a,13bおよび13cが備えられており、各ガスの供給量を調整できるようになっている。
ミキシングチャンバ14には、供給管12の他端が連結されており、H2ガスとSiH4ガスとC38ガスとの混合ガスが供給される。かかる混合ガスは、基板上にSiC薄膜を堆積させるための原料ガスとなる。ミキシングチャンバ14には複数の孔が設けられた混合用シャワー板20と複数の孔が設けられた拡散用シャワー板22が設置されている。ミキシングチャンバ14に供給された原料ガスは、混合用シャワー板20の各孔を通過することによって濃度分布が均一になるように混合される。混合用シャワー板20に設けられる孔の径や数は、原料ガスの原料および混合の程度等を考慮して適宜選定することができる。
混合用シャワー板20によって混合された原料ガスは、さらに拡散用シャワー板22の各孔を通過することによって拡散されながら反応管16に供給される。拡散用シャワー板22に設けられる孔の径および数は、原料ガスが均一に拡散するように混合用シャワー板20との関係によって適宜選定することができる。
また、本実施の形態においてミキシングチャンバ内に設置する混合用のシャワー板はミキシングチャンバ内を駆動可能なように設計することができる.これにより、ミキシングチャンバ内で原料ガスの供給量および圧力を自由に調整することができ、素材選択の自由度を高めることができる。
反応管16内では、ミキシングチャンバ14から供給された原料ガスがSiCで形成された基板表面で反応することによって、該基板上にSiC薄膜が堆積される。反応管16は石英で形成されており、管内に石英で構成される部材24aとSiCで構成される部材24bとから構成されたフローガイド24と、断熱材26と、サセプタ28と、SiCで構成されたフローガイド30と、から構成され、サセプタ28には基板32が載置されている。
フローガイド24は、ミキシングチャンバ14から供給される原料ガスが基板32上を通過する前に滞留しないよう、基板32よりも原料ガス供給側にある原料ガス流通路を原料ガスが滞留する領域を制限できるような形状を有する。本実施の形態においては、原料ガスの流通路が基板32の長尺方向と平行になるように断面形状が矩形のフローガイド24を用いている。フローガイド24の断面形状を矩形にすることで、原料ガスの滞留部を制限しつつ、原料ガスが基板32上を流れる前に基板の長尺方向に対して平行な方向に原料ガスを整流することができる。
また、本実施の形態においてフローガイド24は、石英で構成される部材24aとSiCで構成される部材24bとから構成される。また、フローガイド24の部材24bは、原料ガス供給側の断熱材32表面を覆う保護材としての役割を担っている。
断熱材26は、グラスウールで構成されており、サセプタ28の熱が反応管16に伝わらないように断熱する役割を担っている。断熱材26は、反応管16の内壁に密着するように設置されており、反応管の中心側にはサセプタ28が固定されている。
断熱材26の表面は、フローガイド24の部材24bとサセプタ28とフローガイド30とで覆われていることから、原料ガスと断熱材26とが直接する接触することがなく、原料ガスによる断熱材26の劣化が防止されている。また、断熱材26の表面は各部材によって覆われていることから、断熱材26に付着した不純物や断熱材26の一部が粉塵となって反応管16内に散在し原料ガスやSiC薄膜に混入するのを防止することができる。
サセプタ28は、炭化ケイ素でコーティングされたグラファイト製の板であり、表面に載置された基板32を加熱する。サセプタ28は、反応管16の外部に設置されたRFコイル34の誘電加熱によって加熱される。RFコイル34は、高周波の磁束を発生して、サセプタ28に渦電流を誘導し、渦電流によりジュール熱でサセプタ28を発熱させる。
サセプタ28は、断熱材26を介して、サセプタ28の表面が反応管16の内壁と平行になるように設置される。また、サセプタ28は、熱伝導によって基板32を加熱する。サセプタ28は、基板32を1000〜2200℃程度に加熱することができる。サセプタ28の加熱温度は、図示を省略する制御手段にて、サセプタ28と基板32との表面温度に基づいて制御される。
基板32は、SiCで構成されており、サセプタ28上に反応管16の内壁と平行になるように載置される。基板32は、サセプタ28によって1300℃以上に加熱されることが好ましく、1500〜2300℃程度にまで加熱されることが更に好ましい。
反応管16には、基板32よりもガス排出側にフローガイド30が設けられており、基板32上を通過した原料ガスがガス排出側に流れるように整流されている。フローガイド30は、石英で構成されている。本実施の形態においては、基板32よりもガス排出側にフローガイド30が設けられていることから、基板32上を通過した原料ガスが、滞留して、基板32上の原料ガスの流れが乱れるのを防止することができる。
また、図2に示すように反応管16は円筒状の形状を有している。図2は、反応管16のAA’断面図である。図2に示すように、基板32は、サセプタ28に囲まれるように載置されており、サセプタ28は断熱材26を介して反応管16に設置されている。
反応管16のガス排出側には、4つの排出管18a〜18dの一端が連結されており、基板32上を通過した原料ガスを排出できるように構成されている。また、4つの排出管18a〜18dの他端はそれぞれ、ポンプ36を備えた排出管18に連結されており、反応管16内の原料ガスを装置外部に排出することができる。
排出管18a〜18dの各々には、バルブV1〜V4が備えられており、各バルブの開度を調節することで、反応管内の圧力を制御することができる。図3に示すように排出管18aは反応管16の上壁から接続されており、排出管18cは反応管16の底壁に接続されている。また、排出管18b及び18dは、排出管18の両側壁から接続されている。図3は、反応管16のBB’断面図である。
本実施の形態によれば、例えば、バルブV1およびV3の開度がバルブV2およびV4の2/3になるように調整して反応管16内のガスの流量を調整することができる。
排出管18には、ポンプ36が備えられており、反応管16内の原料ガスを装置外に排出できるように構成されている。反応管16内の原料ガスの流量は、供給管12a〜12cからのガスの供給量、ミキシングチャンバ14と混合シャワー板20との距離及び混合シャワー板20に設けられた孔の径および数、排出管18a〜18dに備えられたバルブV1〜V4の開度、並びに、ポンプから排出される原料ガスの排出量の各々を調整することによって、基板32表面に原料ガスが均一に供給されるように制御することができる。
次に、本発明のCVD装置によるSiC半導体の製造過程について説明する。まず、供給管12a〜12cから供給されたH2ガス、SiH4ガスおよびC38ガスは、供給管12を介してミキシングチャンバ13に供給される。この際、ミキシングチャンバ14に供給されるH2ガス、SiH4ガスおよびC38ガスの比率は、体積比率でおよそ12000/2/3(=H2/SiH4/C38)程度である。
ミキシングチャンバ14に供給された各ガス(原料ガス)は、混合用シャワー板20に設けられて複数の孔を通過すると共に混合された後、拡散用シャワー板22に設けられた孔を通過して拡散しながら反応管16に供給される。この際、原料ガスは混合用シャワー板20および拡散用シャワー板によって濃度分布が均一になるように十分に混合されている。
反応管16に供給された原料ガスは、フローガイド24の形状に従いながら反応管16内を流通し、サセプタ28が設置されている付近に導入される前に、基板32の表面に対して平行流になるように整流される。原料ガスがサセプタ28付近にまで流通すると、原料ガスもサセプタ28によって加熱され、約1700℃程度にまで加熱された基板32表面で反応し、基板32上にSiCが堆積し、SiC薄膜が形成される。
基板32上を通過した原料ガスは、フローガイド30の形状に従いながら流通し、排出管18a〜18dに連結された排出管18及びポンプ36を介して装置外に排出される。この際、原料ガスは、フローガイド30の形状に従って整流されながら流通するため、基板32上の原料ガスの流れを乱すことがない。
供給管12a〜12cに備えられたMFC13a〜13c、ミキシングチャンバ14、バルブV1〜V4およびポンプ36は図示を省略するCPU等の制御手段によって各々制御されており、基板32上を通過する原料ガスの流れや濃度が均一になるように、前記制御手段によって反応管16内の原料ガスの流量および圧力が調整されている。
尚、上記SiC半導体の製造過程においては、通常、原料ガスを導入するに先だってキャリアガスおよびエッチングガスを導入して、基板32表面をエッチングする工程が含まれる。その際、SiC基板は表面温度が1300〜1500℃程度に加熱されている。上記キャリアガスとしてはH2ガスが挙げられ、上記エッチングガスとしては、塩化水素及びH2ガスが挙げられる。
本実施の形態におけるCVD装置によれば、反応管内にフローガイドを設けることで、SiC薄膜を基板上に堆積させる際に、基板表面に原料ガスを均一に供給することができる。また、ミキシングチャンバ内に混合用のシャワー板を設けることで、基板に均一に混合された原料ガスを供給することができる。これにより、本発明のCVD装置は膜厚や電気特性の均一性に優れたSiC半導体を製造することができる。
さらに、本実施の形態おけるCVD装置は、断熱材がフローガイドで覆われているため、断熱材が原料ガスと接触することによって劣化するのを防止でき、更に、断熱材に付着した不純物や断熱材の一部が剥がれ落ち、原料ガスおよびSiC薄膜に混入するのを防止することができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について図4を用いて説明する。図4は、本発明のCVD装置の他の態様を示す概略的断面図である。尚、第1の実施の形態における図1に示す要素と重複するものについては同様の番号を付してその説明を省略する。
本実施の形態におけるCVD装置は、ホーン形状のフローガイド用いた態様である。図4において反応管16は石英で形成されており、管内に石英で構成される部材38aとSiCで構成される部材38bとから構成されたフローガイド38と、断熱材26と、サセプタ28と、SiCで構成されたフローガイド40と、から構成され、サセプタ28には基板32が載置されている。
フローガイド38は、ミキシングチャンバ14から供給される原料ガスが基板32上を通過する前に滞留しないよう、基板32よりも原料ガス供給側の原料ガス流通路を原料ガスが滞留する領域を制限できるような形状を有する。本実施の形態においてフローガイド38は、原料ガスの供給側から基板32側に向かって、原料ガスの流通路の径が減少するようその表面がスロープ状に傾斜したホーン形状を有している。
反応管16に供給された原料ガスは、フローガイド38の形状に従って整流される。フローガイド38をホーン形状であると、その斜面に沿って原料ガスの流れを整流することができるので、断面形状が矩形のフローガイドを用いた場合に比して、更に均一に原料ガスを基板32に供給することができる。また、ホーン形状のフローガイドを用いるとフローガイド38入り口の不連続部位の影響を回避(緩和)することができる。フローガイドと外部との間に不連続な面が存在していると、該不連続な面の影響で、原料ガスの流れの乱れが生じる領域が発生する場合がある。このため、連続面を有するホーン形状のフローガイドを用いると、原料ガスの流れが乱れる可能性のある領域を矩形のガイドを用いた場合よりも減らすことができる。
また、本実施の形態においてフローガイド38の部材38bは、原料ガス供給側の断熱材32表面を覆う保護材としての役割を担っている。
本実施の形態において基板32よりもガス排出側に設けられるフローガイド40は、石英で構成されており、基板32側から原料ガスの排出側に向かって、原料ガスの流通路の径が増加するようその表面がスロープ状に傾斜したホーン形状を有している。
基板32側よりもガス排出側に設けられるフローガイド40をホーン形状にすることによって、基板32上を通過した原料ガスが滞留するのを防止することができ、断面形状が矩形のフローガイド用いた場合に比してよりスムーズに、基板32上の原料ガスの流れが乱れるのを防止することができる。
本発明のCVD装置を示す概略的断面図である。 図1における反応管のAA’断面図である。 図1における反応管のBB’断面図である。 本発明のCVD装置の他の態様を示す概略的断面図である。
符号の説明
10 CVD装置
12 供給管
14 ミキシングチャンバ
16 反応管
18 排出管
20 混合用シャワー板
22 拡散用シャワー板
24,30,38,40 フローガイド
26 断熱材
28 サセプタ
32 基板
34 RFコイル
36 ポンプ

Claims (9)

  1. 反応管内で原料ガスを反応させ基板上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるCVD装置であって、前記反応管に前記原料ガスを供給する供給手段と、前記反応管の内部に設置され且つ前記供給手段から供給された前記原料ガスの流通路を制限し前記基板に対して平行に前記基板上を流れるように前記原料ガスの流れを整流する第1の整流部材と、前記反応管の内部に設置され且つ前記基板を加熱する加熱部材と、前記反応管内部において前記基板上を通過した前記原料ガスを排出する排出手段と、を備え、前記第1の整流部材によって整流された前記原料ガスによって前記基板上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるようにしたCVD装置。
  2. 前記供給手段は、前記原料ガスが供給される供給管と、前記供給管から供給された前記原料ガスが通過する複数の孔を有する混合板と、前記混合板の複数の孔を通過した前記原料ガスが通過する複数の孔を有する拡散板と、を備え、前記拡散板を通過し拡散された前記原料ガスを前記反応管に供給するようにした請求項1に記載のCVD装置。
  3. 前記加熱部材を誘導加熱する誘導加熱手段を備え、且つ、前記第1の整流部材が、非誘導加熱性及び耐熱性を有する部材で構成された請求項1又は2に記載のCVD装置。
  4. 前記第1の整流部材が、耐熱性の異なる2種以上の部材で構成され、且つ、前記耐熱性の異なる2種以上の部材のうち耐熱性の高い部材が前記加熱手段側に位置するように前記反応管内部に設置された請求項1〜3のいずれかに記載のCVD装置。
  5. 前記加熱部材が、断熱手段を介して前記反応管の内部に設置され、且つ、前記断熱手段が、前記原料ガスとの接触を防止する保護部材によって覆われた請求項1〜4のいずれかに記載のCVD装置。
  6. 前記原料ガスの流通路を制限し前記基板上を通過した前記原料ガスを排出方向に流れるように整流する第2の整流部材を前記反応管の内部に設けた請求項1〜5のいずれかに記載のCVD装置。
  7. 前記保護部材が、前記第1の整流部材及び第2の整流部材の少なくともいずれかである請求項6に記載のCVD装置。
  8. 前記排出手段は、前記反応管から前記原料を排出させる排出管を4系統以上有し、更に、前記排出管に連結され且つ前記反応管内の前記原料ガスを排出させるポンプを備えた請求項1〜7のいずれかに記載のCVD装置。
  9. 前記第1の整流部材は、前記原料ガスの供給側から前記基板側に向かって、連続的に若しくは段階的に前記原料ガスの流通路の径が減少するようにしたホーン形状である請求項1〜8のいずれかに記載のCVD装置。
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