JP2005050957A - 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法 - Google Patents

積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】層間剥がれを抑制することができる積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】第1から第4の非磁性絶縁材料35〜38を積層して第1及び第2内部導体41、42を形成する非磁性絶縁材料層21と、非磁性絶縁材料層21の上下両面に配置された磁性材料層15、16とを具備し、これらを一体的に焼成させた積層体に、第1及び第2内部導体41、42に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイル10であって、収縮比及び比透磁率が非磁性絶縁材料層21よりも高く磁性材料層15、16よりも低い第1及び第2低透磁率材料層20、22が、非磁性絶縁材料層21と磁性材料層15、16との間に設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に侵入するコモンモードノイズを除去する積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータやその周辺機器で採用されているUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)及びLDVS(Low Voltage Differential Signaling)といった高速の差動伝送方式のラインに流れるコモンモードノイズを除去するために、コモンモードチョークコイルが使用されている。
【0003】
このコモンモードチョークコイルは、複数の非磁性絶縁材料の表面に導体を形成し、これを積層することによって形成された2つ以上のコイルを磁気的に組み合わせたコイルのことであり、電流の伝導方向におけるノーマルモードの成分には影響を与えないようにしてコモンモードの成分のみを除去するように構成したものである。
【0004】
しかし、複数の非磁性絶縁材料を積層することによってコイルが形成されているため、機械的、熱的なストレスによって積層した非磁性絶縁材料が剥離する層間剥がれが生じやすくなってしまう。
そこで、複数のコイルを左右に分離して配置することにより機械的、熱的なストレスを広範囲に分散させ、層間剥がれを抑制する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−138937号公報 (第2−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術のコモンモードチョークコイルでは、積層した非磁性絶縁材料と磁性材料とを焼成させた際に、焼成される前後の寸法比である収縮比が非磁性絶縁材料と磁性材料とで大きく異なるため、非絶縁材料と磁性材料との間で層間剥がれが生じる恐れがある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、層間剥がれを抑制することができる積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明に係る積層型コモンモードチョークコイルは、複数の非磁性絶縁材料を積層して複数の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性絶縁材料層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備し、これらを一体的に焼成させた積層体に、前記複数の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルであって、焼成させる前後の寸法比である収縮比及び比透磁率が前記非磁性絶縁材料層よりも高く前記磁性材料層よりも低い低透磁率材料層が、前記非磁性絶縁材料層と前記磁性材料層との間に設けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、内部導体が設けられた非磁性絶縁材料層に向かって徐々に収縮比が小さくなるような材料の配置とされているため、隣接する層間の収縮比の差が小さくなり、焼成させた際に各磁性材料及び非磁性絶縁材料の収縮比の差による層間剥がれを抑制することができる。また、徐々に透磁率の小さい材料が配置されているため、内部導体で発生した磁束の、磁束漏れを抑制することができる。
【0010】
また、本発明に係る積層型コモンモードチョークコイルは、前記非磁性絶縁材料層及び前記低透磁率材料層の材料組成はガラス材料を含み、前記低透磁率材料層のガラス材料の組成比の重量%が、前記非磁性絶縁材料層よりも小さい値に設定されていることが好ましい。
この発明によれば、ガラス材料の組成比を高くすることによって、収縮比及び透磁率を低くした非磁性絶縁材料及び低透磁率材料を形成することができる。
【0011】
また、本発明に係る積層型コモンモードチョークコイルは、前記低透磁率材料層は複数のシート状材料の積層体とされ、各シート状材料における前記ガラス材料の組成比の重量%が、前記非磁性絶縁材料層に向かって順次増加することが好ましい。
この発明によれば、ガラス材料の組成比を順次増加させることによって、非磁性絶縁材料層に向かって順次収縮比及び透磁率が低くなるように積層されるため、層間剥がれをより一層抑制することができる。
【0012】
また、本発明に係る積層型コモンモードチョークコイルの製造方法は、複数の非磁性絶縁材料を積層して複数の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性積層体層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備しこれらを一体的に焼成させた積層体に、前記複数の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルの製造方法であって、前記非磁性絶縁材料層と前記磁性材料層との間に前記低透磁率材料層を配置して積層することを特徴とする。
この発明によれば、内部導体が設けられた非磁性絶縁材料層に向かって徐々に収縮比が小さくなるような材料が配置されているため、焼成させた際に各磁性材料及び非磁性絶縁材料の収縮比の違いによる層間剥がれを抑制することができる積層型コモンモードチョークコイルを容易に製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるコモンモードチョークコイル及びその製造方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1は本実施形態におけるコモンモードチョークコイルの分解斜視図、図2は図1の完成状態を示すコモンモードチョークコイルの外観斜視図である。
【0014】
図1及び図2において、コモンモードチョークコイル10は、シート状とした複数枚の非磁性絶縁材料及び磁性材料を積層して一体化した構成とされる。また、略直方体形状の積層体としたコモンモードチョークコイル10の対向する2側面には、後述する2組の内部導体と引出電極を介して接続されている4つの外部電極11〜14が分配して設けられている。
図1に示す構成例では、積層体としたコモンモードチョークコイル10の上下両端面側に、それぞれが1又は複数層よりなる磁性材料層15、16を配置してある。そして、上から順に磁性材料層15、第1低透磁率材料層20、非磁性絶縁材料層21、第2低透磁率材料層22、磁性材料層16を配置してある。
【0015】
磁性材料層15、16は、それぞれが磁性材料15a、15b、15c及び磁性材料16a、16b、16cを3層に積層した構成とされる。ここで、磁性材料層15、16としては高透過率のものが好ましく、使用可能なシート状の磁性材料には、例えばNi−Znフェライト、Ni−Zn−Cuフェライトなどがある。
なお、磁性材料層15、16については、上述した3層に限定されることはなく、磁性材料の種類や厚みに応じて適宜変更することができる。
【0016】
第1低透磁率材料層20は、上面から順に第1低透磁率材料31、第2低透磁率材料32の順に、シート状の低透磁率材料を2層積層した構成とされ、第2低透磁率材料層22も同様に、第3低透磁率材料33、第4低透磁率材料34の順に、シート状の低透磁率材料を2層積層した構成とされる。
非磁性絶縁材料層21は、上面側から第1非磁性絶縁材料35、第2非磁性絶縁材料36、第3非磁性絶縁材料37、第4非磁性絶縁材料38の順に、シート状の非磁性絶縁材料を4層に積層した構成とされる。
【0017】
ここで、第1低透磁率材料層20、非磁性絶縁材料層21、第2低透磁率材料層22として使用可能なシート状の非磁性絶縁材料には、磁性材料と誘電材料とガラス材料とからなる複合磁器材料を用いる。磁器材料には、例えば、Ni−Znフェライト、Ni−Zn−Cuフェライトなどがある。なお、磁性材料層15、16に用いた磁性材料と同材料であることが望ましい。誘電材料には、例えば、BaTiO、TiO、SrTiO又は、組成(PbO・La3y/2)・(ZrO・TiO)で表されるペロブスカイト型リラクサー系材料などがある。ガラス材料には、例えば、SiOとAlとRO又はRO(但し、RはCa、Ba、Pb、Zn、Tiの群から選択された少なくとも1種。)の組成からなる材料などがある。
なお、第1非磁性絶縁材料35及び第4非磁性絶縁材料38については、諸条件に応じてなくしたり、あるいはそれぞれを2層以上としてもよい。
また、焼成させる前後の寸法比である収縮比及び比透磁率は、高いほうから順に、磁性材料層15、16、第1及び第4低透磁率材料31、34、第2及び第3低透磁率材料32、33、第1から第4非磁性絶縁材料35〜38となっている。また、比誘電率は、第1から第4非磁性絶縁材料35〜38がもっとも小さくなっている。
【0018】
さて、上述した4層の非磁性絶縁材料のうち、中間部の第2非磁性絶縁材料36及び第3非磁性絶縁材料37には、それぞれの上面に渦巻状(スパイラル状)とした第1の上部導体41a、第2の上部導体42a及び第1の下部導体41b、第2の下部導体42bが設けられている。なお、これらの各内部導体41a、41b、42a、42bは、例えば銀などの導電体を印刷やメッキなど周知の手法により形成したものである。
【0019】
このうち、第1の上部導体41a及び第2の上部導体42aは、第2非磁性絶縁材料36の上面に形成され、それぞれが1ターン以上の渦巻状となっている。そして、第1の上部導体41aの内側には第2の上部導体42aが略平行に配置され、互いに短絡しないように設けられている。すなわち、第1の上部導体41aと第2の上部導体42aとを1つの組とした場合、この1組が渦巻状になっており、その渦巻方向は、上面視において第1の上部導体41a及び第2の上部導体42aが共に同じ方向となっている。
【0020】
第1の上部導体41aの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極11に接続される引出電極44が形成されている。また、第1の上部導体41aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部には、第2非磁性絶縁材料36を貫通する第1スルーホール36aが設けられている。この結果、第1の上部導体41aの他端側は、第1スルーホール36aを介して、後述する第3非磁性絶縁材料37側に形成されている第1の下部導体41bと電気的に接続されて第1の内部導体41が構成されている。
【0021】
同様に、第2の上部導体42aの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極13に接続される引出電極46が形成されている。また、第2の上部導体42aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部には、第2非磁性絶縁材料36を貫通する第2スルーホール36bが設けられている。この結果、第2の上部導体42aの他端側は、第2スルーホール36bを介して、後述する第3非磁性絶縁材料37側に形成されている第2の下部導体42bと電気的に接続されて第2の内部導体42が構成されている。
【0022】
また、第1の下部導体41b及び第2の下部導体42bは、第3非磁性絶縁材料37の上面に形成され、それぞれが1ターン以上の渦巻状となっている。この場合においても、上述した第2非磁性絶縁材料36の上部導体配置と同様に、第1の下部導体41bの内側に第2の下部導体42bが略平行に配置され、互いに短絡しないように設けられている。すなわち、第1の下部導体41bと第2の下部導体42bとを1つの組とした場合、この1組が渦巻状になっており、その渦巻方向は、上面視において第1の下部導体41b及び第2の下部導体42b共に同じ方向となっており、しかも、上述した第1の上部導体41a及び第2の上部導体42aとも同方向となっている。
【0023】
第1の下部導体41bの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極12に接続される引出電極45が形成されている。また、第1の下部導体41bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部が、第1スルーホール36aを介して上述した第2非磁性絶縁材料36に形成されている第1の上部導体41aと電気的に接続されている。
同様に、第2の下部導体42bの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には外部電極14に接続される引出電極47が形成されている。また、第2の下部導体42bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部は、第2スルーホール36bを介して上述した第2非磁性絶縁材料36側に形成されている第2の上部導体42aと電気的に接続されている。
【0024】
以上のように構成された本発明のコモンモードチョークコイル10について、以下にその製造方法を説明する。
最初に、所定の形状(例えば矩形状)としたシート状の第1から第4低透磁率材料31〜34及び第1から第4非磁性絶縁材料35〜38を作製する。
次に、中間位置となる第2非磁性絶縁材料36の所定位置に、レーザ、パンチングなど周知の手法を用いて穴あけ加工を施し、スルーホール36a、36bを設ける。
【0025】
次に、第2非磁性絶縁材料36及び第3非磁性絶縁材料37の上面に、それぞれ1ターン以上の第1の上部導体41a、第2の上部導体42a及び第1の下部導体42a、第2の下部導体42bを、印刷やメッキなど周知の手法を用いて互いに短絡しないように形成する。
【0026】
この時、第1の上部導体41aの一端には引出電極44が、第2の上部導体42aの一端には引出電極46が、第1の上部導体41bの一端には引出電極46が、そして第2下部電極32bの一端には引出電極47が、それぞれ一体に連続して形成されている。また、スルーホール36a、36bには、スルーホールを設けた非磁性絶縁材料に形成される導体と一体的に連続するよう銀などの導電材料が充填される。なお、スルーホールを介して接続される非磁性絶縁材料側の導体とは、導体側に図示しない凸状の電極部を設けるなどしてスルーホールの導電体に接触させ、電気的に接続されるようになっている。
【0027】
次に、第1から第4非磁性絶縁材料35〜38を積層し、非磁性絶縁材料層21を形成する。これにより、第1の上部導体41a及び第1の下部導体41bがスルーホール36aを介して電気的に接続され、また、第2の上部導体42a及び第2の下部導体42bがスルーホール36bを介して電気的に接続される。
なお、磁性材料層15、16と第1及び第2低透磁率材料層20、22とは、非磁性絶縁材料層21を挟み込むようにして上下に積層されることにより積層体を形成し、これを焼成することによって完成する。
【0028】
また、上述したコモンモードチョークコイル10は、各非磁性絶縁材料に対し所定のピッチで複数組の内部導体を形成して積層してもよく、この場合、ダイシングなどで切断することにより、上述した積層体を同時に多数製造することができる。
最後に、積層体の対向する両側面に露出した引出電極44〜47と接続させて、銀などの導電体からなる外部電極11〜14をそれぞれ形成し、上述した構成のコモンモードチョークコイルを製造する。
なお、外部電極11〜14は、必要に応じて銀などの導電体の上面にメッキ処理を施してもよい。
【0029】
このように構成されたコモンモードチョークコイル10は、中央に設けられた非磁性絶縁材料層21に向かって徐々に収縮比が小さくなるように、多層構造の第1低透磁率材料層20及び第2低透磁率材料層22が配置されているため、焼成させた際に収縮比の違いによる層間剥がれを抑制することができる。
また、中心に設けられた非磁性絶縁材料層21に向かって徐々に透磁率が小さい材料が配置されているため、第1及び第2の内部導体で発生した磁束の、磁束漏れを抑制することができる。
また、非磁性絶縁材料層21が最も比誘電率の低い材料層となっているため、第1及び第2の内部導体による浮遊容量を低減することができる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明に係る積層型コモンモードチョークコイルを、実施例により具体的に説明する。
【0031】
先ず、以下のようにして磁性材料、誘電材料及びガラス材料を得た。
磁性材料:NiO、ZnO、CuO、Feを出発原料とし、これらを各々15:25:12:48(モル比)の割合で湿式混合後、950℃で仮焼し、Ni0.15Zn0.25Cu0.12Fe0.961.96の磁性材料を得た。得られた磁性材料は、湿式にて48時間粉砕し平均粒径約1μmのスピネル構造の磁性材料を得た。
誘電材料:PbO、La、ZrO、TiOを出発原料とし、これらを各々88:6:70:30(モル比)の割合で湿式混合後、1050℃で仮焼し、Pb0.88La0.12Zr0.7Ti0.33.06の誘電材料を得た。得られた誘電材料は、湿式にて24時間粉砕し、平均粒径約1μmのペロブスカイト型の誘電材料を得た。
ガラス材料:SiO、Al、CaO、BaOの各々の割合が55:15:20:10(重量比)のガラス材料を得るために、Si、Al、Ca、Baの各成分の酸化物、炭酸塩又は水酸化物を混合し、1100℃で溶解後急冷し、ガラス材料を得た。
次に、磁性材料、誘電材料及びガラス材料を用いて、表1に示す複合比でそれぞれ混合し、ポリビニルブラチールなどのバインダを混合粉に対し9.4wt%加えて混練し複合ペイントを調整し、この複合ペイントでドクターブレード法により厚み10〜50μmの磁性材料、低透磁率材料及び非磁性絶縁材料の各グリーンシートを作成した。
この表で、材料特性は、各材料のグリーンシートを約0.8mmの厚さで積層し、プレス成形し、大気中で940℃で4時間焼成して得られた焼結体試料の特性結果を示しており、比透磁率μ及び比誘電率εは周波数1MHzでの測定値、Δμは材料Aの比誘電率に対する各材料の比誘電率の比を記載している。また、絶縁抵抗率は1×10Ωcm以上を高絶縁性として○、1×10Ωcm未満を×と記載している。
【0032】
【表1】
Figure 2005050957
【0033】
次に、実施例と、比較例として磁性材料層15、16、第1から第4低透磁率材料31〜34及び第1から第4非磁性絶縁材料35〜38に対し、それぞれ表2に示すような磁性材料、低透磁率材料及び非磁性絶縁材料の各グリーンシートを用いて、厚さ0.8μmになるように積層し、その途中で、市販のAgペーストを用いて内部電極(内部導体)としてバイファイラ巻きのコイルを印刷形成し(コイルはスルーホールを介して接続。)、熱間圧着後、焼成後に焼結体寸法が1.2×1.0mmとなるように切断し、コモンモードチョークコイル10を得た。このチップを400℃で脱脂処理した後、大気中で940℃で1時間焼成した。得られた焼結体の層間剥がれの有無を調べた。
【0034】
【表2】
Figure 2005050957
【0035】
表2に示されるように、本発明によれば、層間剥がれを抑制できることを確認した。
【0036】
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
例えば、上記実施形態においてバイファラ巻きのコイルを用いたが、これに限らず、ソレノイド巻きや、8の字巻きや、ミアンダ巻きなどであってもよい。
また、上述したコモンモードチョークコイル10は、上述した構成のものを複数組並べて、アレイ化することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明の積層型コモンモードチョークコイルは、収縮比及び比透磁率が磁性材料層から中心に設けられた非磁性絶縁材料層に向かって順次小さくなる低透磁率材料層が設けられているので、焼成させた際に各磁性材料及び非磁性絶縁材料の収縮比の違いによる層間剥がれが抑制された積層型コモンモードチョークコイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態における積層型コモンモードチョークコイルを示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る一実施形態における積層型コモンモードチョークコイルを示す外観斜視図である。
【符号の説明】
10 積層型コモンモードチョークコイル
11、12、13、14 外部電極
15、16 磁性材料層
15a、15b、15c、16a、16b、16c 磁性材料
20 第1低透磁率材料層
21 非磁性絶縁材料層
22 第2低透磁率材料層
31 第1低透磁率材料
32 第2低透磁率材料
33 第3低透磁率材料
34 第4低透磁率材料
35 第1非磁性絶縁材料
36 第2非磁性絶縁材料
37 第3非磁性絶縁材料
38 第4非磁性絶縁材料
41 第1の内部導体
42 第2の内部導体

Claims (4)

  1. 複数の非磁性絶縁材料を積層して複数の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性絶縁材料層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備し、これらを一体的に焼成させた積層体に、前記複数の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルであって、
    焼成させる前後の寸法比である収縮比及び比透磁率が前記非磁性絶縁材料層よりも高く前記磁性材料層よりも低い低透磁率材料層が、前記非磁性絶縁材料層と前記磁性材料層との間に設けられていることを特徴とする積層型コモンモードチョークコイル。
  2. 前記非磁性絶縁材料層及び前記低透磁率材料層の材料組成はガラス材料を含み、前記低透磁率材料層のガラス材料の組成比の重量%が、前記非磁性絶縁材料層よりも小さい値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型コモンモードチョークコイル。
  3. 前記低透磁率材料層は複数のシート状材料の積層体とされ、各シート状材料における前記ガラス材料の組成比の重量%が、前記非磁性絶縁材料層に向かって順次増加することを特徴とする請求項2に記載の積層型コモンモードチョークコイル。
  4. 複数の非磁性絶縁材料を積層して複数の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性積層体層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備しこれらを一体的に焼成させた積層体に、前記複数の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルの製造方法であって、
    前記非磁性絶縁材料層と前記磁性材料層との間に前記低透磁率材料層を配置して積層することを特徴とする積層型コモンモードチョークコイルの製造方法。
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