JP2005050681A - リチウムイオン電池用電極とその製造方法、およびリチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電時における活物質の縦方向への体積膨張を緩和して、充放電に伴う活物質の崩壊や集電体からの剥離を解消し、同時に活物質の体積変化で電極全体が大きくうねり変形するのを解消する。以て、エネルギー密度を高度化し、サイクル特性を向上できるリチウムイオン電池用電極と、同電極を負極とするリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】シート状の集電体1の表面に活物質2を設ける。活物質2はLiと合金化できる金属ないし合金をドット状に点在させて形成する。集電体1のシート面には、活物質2の縦方向の膨張空間を確保する規制突起4を設ける。規制突起4は、Liと合金化しない素材をドット状に点在させて形成する。
【選択図】図1
【解決手段】シート状の集電体1の表面に活物質2を設ける。活物質2はLiと合金化できる金属ないし合金をドット状に点在させて形成する。集電体1のシート面には、活物質2の縦方向の膨張空間を確保する規制突起4を設ける。規制突起4は、Liと合金化しない素材をドット状に点在させて形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質を用いるリチウムイオン電池用電極とその製造方法、および前記電極を用いたリチウムイオン電池に関する。
Liと合金化できるAl、Si、Ge、Snなどを活物質として負極を構成することにより、リチウムイオン電池のエネルギー密度を高度化できることが報告されている(非特許文献1))。このリチウムイオン電池によれば、重量容量密度、体積容量密度ともに炭素負極と比較して非常に高く、次世代電池の負極材料として有望視されている。
上記の活物質を形成する手法としては、集電体の表面に電気めっき法によりSn被膜を形成することが公知である(特許文献1参照)。この負極を用いたリチウムイオン電池によれば、炭素負極と比較してエネルギー密度を向上できる。しかし、充電時においてLiイオンが活物質と合金化する際のSn粒子の体積膨張が大きいため、充放電を繰り返すとSn粒子が崩壊して微紛化し、集電体から剥離するため電池特性が極端に低下する。つまり、サイクル特性が極端に低い欠点がある。
サイクル特性を向上するために、集電体の表面に電気めっき法によりSn、Ag、Biなどのめっき層を形成したのち、めっき層の表面に黒鉛などの活物質と結着剤を含有するスラリーを塗布し、さらに熱処理を施してめっき層を溶融させ、冷却することにより、化学的に安定な金属間化合物を形成し、充電時における活物質の崩壊を防ぐことが公知である(特許文献2参照)。
別の電池においては、粗面化した銅箔(集電体)の表面に微結晶シリコン被膜を形成し、微結晶シリコン被膜に形成されるクラックによって充放電時の体積変化を緩和吸収し、以て微結晶シリコン被膜が銅箔から剥離するのを防止し、サイクル特性を向上できるようにしている(特許文献3参照)。
(Solid State Ionics、113−115、p57(1998年))
特開2001−68094号公報(段落番号0023)
特開平10−241670号公報(段落番号0021)
特開2002−83594号公報(段落番号0184、図10)
特許文献2の電池によれば、充電時における活物質の崩壊をある程度は防止できるもの、新たな問題が生じる。充電時におけるLiと金属間化合物との結合は次式で表わされるが、
[化学式] Cu6 Sn5 +22Li→6Cu+5Li4.4 Sn
上記の反応が100%進行すると、活物質薄膜の体積は約2.8倍膨張することになり、この大きな体積変化に伴って集電体に大きな応力が作用し、電極全体が大きくうねり変形してしまう。最悪の場合には電極構造が破壊される。
[化学式] Cu6 Sn5 +22Li→6Cu+5Li4.4 Sn
上記の反応が100%進行すると、活物質薄膜の体積は約2.8倍膨張することになり、この大きな体積変化に伴って集電体に大きな応力が作用し、電極全体が大きくうねり変形してしまう。最悪の場合には電極構造が破壊される。
この点、特許文献3の電池によれば、微結晶シリコン被膜に形成されるクラックによって充電時の体積増加を緩和吸収できるので、電極全体が大きくうねり変形するのを低減できる。しかし、微結晶シリコン被膜に生じるクラックを利用して、活物質の体積膨張を吸収するので、クラックの数や深さ、あるいはその分布状態を正確に再現することが不可能であり、電池特性やサイクル特性にむらを生じやすい点に改善の余地がある。
本出願人は、上記のような問題点を解決するために、集電体の全面に活物質薄膜を形成する代わりに、集電体上に微細なドットパターンを配置して活物質を構成し、隣接する単位ドットの間に隙間を設け、単位ドットの膨張変形を横方向にも起こさせることにより、活物質の高さ方向の膨張を緩和できるようにした負極を先に提案している(特願2002−286315号)。この電池によれば、単位ドットが膨張することに伴って、集電体に作用する応力を緩和でき、活物質の体積変化に伴う電極のうねりを抑制できる。
先に提案した電極は、集電体に凹部を形成するための前処理、フォトレジスト膜の塗布、およびマスキングを用いた露光と、未露光部分の除去処理、めっき処理、レジストパターンの除去と、複雑な製造プロセスを経て製造する必要があり、電極の製造コストが高く付く点にも改善の余地がある。
本発明の目的は、充電時における活物質の縦方向(高さ方向)への体積膨張を緩和して、充放電に伴う活物質の崩壊、および集電体からの剥離を解消できるうえ、活物質の体積変化によって集電体に大きな応力が作用し、電極全体が大きくうねり変形することをも同時に解消でき、従って、エネルギー密度を高度化しながら、サイクル特性を向上できるリチウムイオン電池用電極と、同電極を負極として内蔵するリチウムイオン電池を提供することにある。
本発明の目的は、例えば電極を渦巻状に巻き込んだ状態で使用するような場合に、活物質が膨張変形するのに伴って集電体が変形するのを解消し、電極構造が破壊されるのを解消できるリチウムイオン電池用電極と、同電極を負極として内蔵するリチウムイオン電池を提供することにある。
本発明の目的は、エネルギー密度を向上できるうえ、サイクル特性に優れたリチウムイオン電池用電極をより簡単に製造でき、従ってリチウムイオン電池をより低コストで提供できるリチウムイオン電池用電極の製造方法と、同方法によって得られるリチウムイオン電池を提供することにある。
本発明のリチウムイオン電池用電極は、シート状の集電体1の表面に、Liと合金化できる金属ないし合金をドット状に点在させて活物質2が形成してあることを特徴とする(請求項1)。Liと合金化できる金属ないし合金は、Si、Ge、Snから選ばれるいずれかの一種類または二種類以上を含む金属あるいは合金で形成する(請求項2)。
前記活物質2を構成する単位ドット2aの直径は500μm以下で、高さが50μm以下とする(請求項3)。前記活物質2の総面積は、集電体1の全面積の50%以上に設定する(請求項4)。
シート状の集電体1の表面に、活物質2の縦方向の膨張空間を確保する規制突起4を設ける。規制突起4は、Liと合金化しない素材で形成する(請求項5)。規制突起4の高さは、活物質2を構成する前記単位ドット2aの高さの1.5倍以上に設定する(請求項6)。規制突起4の全体積は、活物質2の全体積の5%未満に設定する(請求項7)。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法においては、シート状の集電体1の表面に、Liと合金化できる金属ないし合金をドット状に点在させて活物質2が形成され、集電体1のシート面に、活物質2の縦方向の膨張空間を確保する規制突起4が設けてある電池用電極を対象とし、集電体1に設けられる活物質2、および規制突起4のそれぞれをスクリーン印刷法、インクジェット法、スプレー法、グラビア印刷法、熱転写法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法のいずれか一つ、あるいは二つ以上を組み合わせて形成する(請求項8)。
本発明のリチウムイオン電池は、シート状の集電体1の表面に、活物質2が固定された負極体を備えており、この負極体は先に説明したリチウムイオン電池用電極のいずれかひとつで構成することができる(請求項9)。
本発明のリチウムイオン電池用電極は、集電体1の表面に固定した活物質2を、一様に点在する単位ドット2aの一群で構成し、各単位ドット2aの回りに隙間3を形成することにより、活物質2を構成する単位ドット2aの膨張変形を、縦方向と同時に横方向にも生じさせるので、充電時にLiイオンが合金化する際の活物質2の縦方向への膨張変形を緩和し、充放電に伴う活物質2の崩壊、および集電体1からの剥離を解消できるうえ、活物質2の体積変化によって集電体1に大きな応力が作用し、電極全体が大きくうねり変形することをも同時に解消できる。すなわち、エネルギー密度を高度化しながらサイクル特性を向上できるリチウムイオン電池用電極が得られる(請求項1)。
活物質2を、Si、Ge、Snから選ばれるいずれかの一種類または二種類以上を含む金属あるいは合金で形成すると、単位ドット2aが膨張することに伴う活物質2の崩壊をよく防止できるうえ、集電体1に作用する応力を緩和し電極のうねりを抑制できる(請求項2)。
活物質2を構成する単位ドット2aの直径を500μm以下とし、その高さを50μm以下とするのは、単位ドット2aの直径が500μmを越えると、単位ドット2aの膨張に伴って集電体1に作用する応力が大きくなり、電極のうねりを抑えることができないからである。また単位ドット2aの高さが50μmを越えると、単位ドット2aの高さ方向の膨張変形量が大きくなりすぎて、崩壊および集電体からの剥離を生じやすく、サイクル特性を改善するのが困難になるからである(請求項3)。
活物質2の総面積を集電体1の全面積の50%以上に設定するのは、単位ドット2aが集電体1上で占める面積が全体の50%未満であると、活物質2の全体量が不足し、エネルギー密度を十分に高度化できず、高容量な電池が得られないからである(請求項4)。
活物質2とは別に規制突起4を集電体1に設けて、電極を例えば渦巻状に巻き込んだ状態において、活物質2とセパレーター7および対極との間に、活物質2の膨張変形を許す空間5が確保されているので、この空間5の範囲内で単位ドット2aが縦方向へ膨張したとしても、対極が変形することはない。従って、規制突起4を備えた電極によれば、活物質2の体積変化で電極構造が破壊され、あるいは電池体積が異常に増加するのを解消でき、サイクル特性をさらに改善することができる(請求項5)。
規制突起4の高さを、活物質2を構成する単位ドット2aの高さの1.5倍以上に設定するのは、規制突起4の高さが単位ドット2aの高さの1.5倍未満であると、単位ドット2aの膨張変形を十分に吸収できず、対極の膨張変形を確実に抑止できず、サイクル特性を改善できないからである(請求項6)。
規制突起4の全体積を活物質2の全体積の5%未満に設定するのは、規制突起4の全体積が活物質2の全体積の5%を越えると、活物質2の全体量が不足し、電池容量が小さくなってしまうからである(請求項7)。
集電体1に設けられる活物質2、および規制突起4のそれぞれが、スクリーン印刷法、インクジェット法、スプレー法、グラビア印刷法、熱転写法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法のいずれか一つ、あるいは二つ以上を組み合わせて形成されるリチウムイオン電池用電極の製造方法によれば、活物質2の構成素材、および規制突起4の構成素材の粒子を分散させた塗料やインク、あるいはインクリボンなどを用いて先の印刷法で印刷形成できるので、例えばフォトレジスト法とめっき処理を併用して活物質や規制突起を形成する場合に比べて、活物質2および規制突起4をより少ないコストで能率よく製造でき、製造に要する設備コストも少なくて済む(請求項8)。
先に説明した電池用電極を負極体とする本発明のリチウムイオン電池によれば、従来のこの種の電池に比べてエネルギー密度を高度化でき、サイクル特性を向上できるなど、リチウムイオン電池の全体性能が向上する(請求項9)。
本発明に係るリチウムイオン電池用電極は、図1に示すように、金属箔で形成した集電体1の表面(上下両面)に、Liと合金化できる金属、ないしLiと合金化できる合金をドット状に点在させて活物質2を形成し、集電体1のシート面に、活物質2の縦方向の膨張空間を確保するための規制突起4を設けて形成する。
活物質2を構成する単位ドット2aは、個々に独立した状態で形成して、各単位ドット2aの間に、単位ドット2aの横方向の膨張を許す隙間3を形成する。単位ドット2aおよび規制突起4は、それぞれ立体である限り、その外観形状は任意形状にできる。例えば、立方体状、円柱状、半球状、錐体状などに形成することができる。単位ドット2aの直径は500μm以下、より好ましくは200μm以下とし、高さは50μm以下とすることが好ましい。
集電体1は、導電性を有し、Liと合金化しない金属素材であればその種類を問わない。例えば、Cu、Ni、ステンレス鋼材などを適用でき、これら素材の金属箔、電解箔、圧延箔、エンボス加工品、発泡シートなどを適用できる。活物質2、すなわちLiと合金化できる金属は、Si、Ge、Snから選ばれるいずれかの一種類の金属、または二種類以上を含む合金を適用できる。
Liと合金化できる合金としては、Cu6 Sn5 、Si−Sn、Sn−Sb、Si−Ni、V−Sn、Sn−S、Sn−Ag、Sn−Ni、Sn―Mg、Sn−Feなど、先のSi、Ge、Snなどのb族元素に、各種の金属元素を添加した合金を適用できる。合金の組成は、b族元素を10〜100%未満とし、残部が添加金属元素で占められるように構成する。
単位ドット2aの膨張を許す隙間3を確保しながら、電池のエネルギー密度を十分に高度化する必要上、活物質2の総面積は、集電体1の全面積の50%以上に設定する。活物質2が集電体1上で占める面積が、全体の50%未満になると、活物質2の全体量が不足し、高容量な電池を得ることができない。なお、活物質2の占める面積が小さい場合でも、単位ドット2aの高さを大きくすることで、電池容量を確保できるが、その場合には、単位ドット2aの高さ方向への膨張変形量が大きくなるため、電池のサイクル特性が低くなる。
規制突起4は、図2に示すように、集電体1の表面に設けられて、活物質2を構成する単位ドット2aが縦方向へ膨張するための空間5を確保する。規制突起4は、Liと合金化しない素材を活物質2と同様にドット状に点在させて形成する。
正負の電極を渦巻状に巻き込んだ状態においては、規制突起4は図2に示すようにセパレーター7と接当して、単位ドット2aの突端とセパレーター7との間に先の空間5を確保できる。従って、充電時に各単位ドット2aが縦方向へ膨張変形したとしても、単位ドット2aがセパレーター7を介して対極側の集電体8と接当することはない。なお、規制突起4の高さは、活物質2を構成する単位ドット2aの高さの1.5倍以上に設定することが好ましく、その全体積は、活物質2の全体積の5%未満に設定することが好ましい。
Liと合金化しない素材としては、Liが電気化学的に結合・脱離しないことと、導電性を有さない材料であればどんな材料でも用いることができる。例えば有機ポリマーやセラミックを適用できる。有機ポリマーとしては、分解、劣化などしないものであれば種類を問わないが、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、PEN、PETなどが挙げられる。セラミックとしては、金属酸化物、炭化物、窒化物などを適用できる。
集電体1に設けられる活物質2、および規制突起4のそれぞれは、スクリーン印刷法、インクジェット法、スプレー法、グラビア印刷法、熱転写法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法のいずれか一つ、あるいは二つ以上を組み合わせて形成することができる。例えば、スクリーン印刷法で単位ドット2aの一群を形成し、乾燥固化したのち、スクリーン印刷法で規制突起4を形成し乾燥固化して形成することができる。
単位ドット2aを先のような印刷法によって形成したのち、真空あるいは不活性ガスなどの非酸化雰囲気下において熱処理を施すと、活物質2を構成する単位ドット2aと集電体1の結着強度を増強できる。熱処理温度は、活物質2を構成する金属、あるいは合金の融点以下であって、しかも集電体1の融点以下とする。例えば、Cu箔からなる集電体1の表面に形成される活物質2を構成する金属がSnである場合や、合金金属がCu6 Sn5 である場合には、200℃程度の温度において真空下で数時間から十数時間熱処理することにより、集電体1と活物質2のSn、あるいはCu6 Sn5 が相互拡散して一体化されるので、両者1・2の決着強度を増強しサイクル特性を向上することができる。
活物質2を構成する金属粒子の粒径は数nmから数十μmまで用いることができる。粒径が小さい場合には、充放電時のLiイオンの結合・離脱に伴って大きく膨張・収縮するので、金属粒子が単位ドット2aから剥離しやすくなる。しかし、単位ドット2aを印刷形成した後に、上記の熱処理を施すと、単位ドット2a全体を一個の塊として緻密化できるので、金属粒子の崩壊や剥離をよく防止できる。
なお、活物資2を構成する金属粒子の粒径が数十μmと大きい場合には、上記のスクリーン印刷法スクリーン印刷法、インクジェット法、スプレー法、グラビア印刷法、熱転写法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法で単位ドット2aの一群を形成する以外に、B.G.A、M.C.M、などの半導体分野で用いられているピン転写やボール転写、あるいはディスペンサー法などにより粒子を直接集電体上に載せて固定する方法も用いることができる。また、この場合には、粒子を集電体上に載せたのち、熱処理を施して金属粒子を集電体1と一体化することができる。
本発明のリチウム電池は、先に説明した電極を負極に適用して構成することができる。リチウムイオン電池に用いる正極は、活物質として例えばLiCoO2 などのリチウムコバルト酸化物、LiMn2 O4 などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2 などのリチウムニッケル酸化物、LiNiO2 のNiの一部をCoで置換したLiNiX Co(1-X) O2 、さらに、MnとNiを等量含んだLiNi(1-X)/2 Mn(1-X)/2 CoX O2 、オリビン型LiMPO4 (M:Co、Ni、Mn、Fe)を適用することができ、これらの正極活物質に導電助剤やポリフッ化ビニリデンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、アルミ箔などの集電体を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。
上記のリチウムイオン電池に用いる電解液の溶媒としては、例えば1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ν−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチカルカーボネートなどが挙げられ、これらは複数種を同時に使用することもできる。
電解液の溶質としては、例えばLiCIO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAs F6 、LiSbF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 F9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 C2 F4 (SO3 )2 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiCn F2n+1SO3 (n≧2)、LiN(RfOSO2 )2 [ここでRfはフルオロアルキル基である]、LiN(CF3 SO2 )(C4 F9 SO2 )、LiN(C2 F5 SO2 )(C4 F9 SO2 )、LiN(CF3 SO2 )(C2 F5 SO2 )などが挙げられる。さらに電解質としては、Liイオンの輸送体であれば制約無く用いることができ、各種ポリマーからなるゲルポリマー電解質、真性ポリマー電解質、LiPONなどの無機固体電解質、Liイオン含有常温溶解塩などが挙げられる。
上記のリチウムイオン電池に用いるセパレーターとしては、充分な強度を有し、上記電解液を多く保持できるものが良く、この点から、厚み10〜50μm、開口率30〜70%のポリプロピレン製、ポリエチレン製、またはポリプロピレンとポリエチレンのコポリマー製のセパレーターや不織布などが好ましい。
《実施例1》
平均粒径が1μmのCu6 Sn5 粒子を分散させたインクを用い、直径が30μmで高さが7μmとなるように、単位ドット2aの一群をスクリーン印刷法で格子パターン状に形成した。集電体1は15μm厚みのCu箔を用い、単位ドット2aの全体、すなわち活物質1の占有面積は、集電体1の全面積の71%とした。このパターン形成後の集電体1を真空電気炉で200℃に維持して2時間熱処理し、室温まで徐冷した。得られた電極をアルゴン雰囲気のドライボックスに移し、φ16mmに打ち抜いて負極電極とした。
平均粒径が1μmのCu6 Sn5 粒子を分散させたインクを用い、直径が30μmで高さが7μmとなるように、単位ドット2aの一群をスクリーン印刷法で格子パターン状に形成した。集電体1は15μm厚みのCu箔を用い、単位ドット2aの全体、すなわち活物質1の占有面積は、集電体1の全面積の71%とした。このパターン形成後の集電体1を真空電気炉で200℃に維持して2時間熱処理し、室温まで徐冷した。得られた電極をアルゴン雰囲気のドライボックスに移し、φ16mmに打ち抜いて負極電極とした。
《実施例2》
平均粒径が20μmのCu6 Sn5 粒子を、ボール転写法により集電体1上にマウントした。集電体1は15μm厚みのCu箔を用いた。単位ドット2aの直径は20μmで高さは20μmとし、単位ドット2aの全体の占有面積は集電体1の全面積の80%とした。Cu6 Sn5 粒子がマウントされた集電体1を、真空電気炉で200℃で2時間熱処理し、室温まで徐冷した。電極をアルゴン雰囲気のドライボックスに移し、φ16mmに打ち抜いて負極電極とした。
平均粒径が20μmのCu6 Sn5 粒子を、ボール転写法により集電体1上にマウントした。集電体1は15μm厚みのCu箔を用いた。単位ドット2aの直径は20μmで高さは20μmとし、単位ドット2aの全体の占有面積は集電体1の全面積の80%とした。Cu6 Sn5 粒子がマウントされた集電体1を、真空電気炉で200℃で2時間熱処理し、室温まで徐冷した。電極をアルゴン雰囲気のドライボックスに移し、φ16mmに打ち抜いて負極電極とした。
《実施例3》
平均粒径が0.2μmのCu6 Sn5 粒子を分散させたインクを用いて、インクジェット法により集電体1上にCu6 Sn5 のドットパターンを形成した以外は、実施例1と同様にして電極を作成した。
平均粒径が0.2μmのCu6 Sn5 粒子を分散させたインクを用いて、インクジェット法により集電体1上にCu6 Sn5 のドットパターンを形成した以外は、実施例1と同様にして電極を作成した。
《実施例4》
実施例1と同様にして、活物質2を構成する単位ドット2aの一群を印刷し乾燥固化したのち、平均粒径が2μmのポリカーボネート粒子を分散させたインクを用いて、スクリーン印刷法により、集電体1上にドットパターン形成して規制突起4を形成し、乾燥固化した。パターン形成後の集電体1を真空電気炉で200℃に維持して2時間熱処理し、室温まで徐冷した。熱処理後の規制突起4のドット直径は30μm、ドット高さは13μmとし、ドットの全体積が活物質2の全体積の3%となるようにした。他は実施例1と同様にして電極を作成した。
実施例1と同様にして、活物質2を構成する単位ドット2aの一群を印刷し乾燥固化したのち、平均粒径が2μmのポリカーボネート粒子を分散させたインクを用いて、スクリーン印刷法により、集電体1上にドットパターン形成して規制突起4を形成し、乾燥固化した。パターン形成後の集電体1を真空電気炉で200℃に維持して2時間熱処理し、室温まで徐冷した。熱処理後の規制突起4のドット直径は30μm、ドット高さは13μmとし、ドットの全体積が活物質2の全体積の3%となるようにした。他は実施例1と同様にして電極を作成した。
《比較例》
Cu箔からなる厚さ15μmの集電体1上に、電解メッキ法により厚さ5μmの均一なSn薄膜を形成した後、真空電気炉中で200℃に維持して17時間熱処理し、室温まで徐冷してからアルゴンドライボックスに移し、φ16mmに打ち抜いて負極電極とした。
Cu箔からなる厚さ15μmの集電体1上に、電解メッキ法により厚さ5μmの均一なSn薄膜を形成した後、真空電気炉中で200℃に維持して17時間熱処理し、室温まで徐冷してからアルゴンドライボックスに移し、φ16mmに打ち抜いて負極電極とした。
上記の実施例1〜4、および比較例で得られた電極の評価を行った。評価試験は、対極にリチウム金属を用いた2極セルで行った。電解液は1.2モル/リットルのLiPF6 を、エチレンカーボネート、およびエチルメチルカーボネートを、1対2の割合で混合した溶媒に溶解したものを用い、セパレーターは東燃セティーラ社製のEMM25(25μm厚)を用いた。実施例1〜4、および比較例で得られた電極をコイン形の電池缶に組み込み、特性評価を行った。表1に各電極の細部寸法を示す。
充放電試験は、連続充放電装置を用いて室温で行った。初期充放電試験は電流密度を0.2mA/cm2 に設定し、20mVまで充電(Cu6 Sn5 にLiイオンを挿入)した後、1.0Vまで放電させた。また、サイクル試験は同じ条件で行った。電極のうねりの有無は、サイクル試験後にセルを分解して目視で確認した。得られた結果を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1〜実施例4の電池では充放電を50サイクル行った後の容量維持率が91〜98%であるのに対し、比較例の電池では容量維持率が33%しかなく、本発明の電極を用いたリチウムイオン電池は、充放電に伴う活物質2の崩壊、および集電体1からの剥離を解消できることが判る。
さらに、実施例1〜実施例4の電池では、充放電を50サイクル行った後の電極のうねり変形が認められず、本発明の電極を用いたリチウムイオン電池では、活物質2の体積変化によって集電体1に大きな応力が作用し、電極全体が大きくうねり変形することを解消できることが判る。
上記の実施例以外に、規制突起4は、ドット状に形成する以外にリブ状や、格子枠状に形成することができる。
1 集電体
2 活物質
4 規制突起
2 活物質
4 規制突起
Claims (9)
- シート状の集電体の表面に、Liと合金化できる金属ないし合金をドット状に点在させて活物質が形成してあることを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
- Liと合金化できる金属ないし合金が、Si、Ge、Snから選ばれるいずれかの一種類または二種類以上を含む金属あるいは合金で形成されている請求項1記載のリチウムイオン電池用電極。
- 前記活物質を構成する前記単位ドットの直径が500μm以下で、高さが50μm以下である請求項1または2記載のリチウムイオン電池用電極。
- 前記活物質の総面積が、前記集電体の全面積の50%以上に設定してあることを特徴とする請求項1または2または3記載のリチウムイオン電池用電極。
- シート状の集電体の表面に、前記活物質の縦方向の膨張空間を確保する規制突起が設けられており、
前記規制突起が、Liと合金化しない素材で形成されている請求項1から4のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極。 - 前記規制突起の高さが、前記活物質を構成する前記単位ドットの高さの1.5倍以上に設定してある請求項1から5のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極。
- 前記規制突起の全体積が、前記活物質の全体積の5%未満に設定してある請求項1から6のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極。
- シート状の集電体の表面に、Liと合金化できる金属ないし合金をドット状に点在させて活物質が形成されており、前記集電体のシート面に、前記活物質の縦方向の膨張空間を確保する規制突起が設けてある電池用電極の製造方法であって、
前記集電体に設けられる前記活物質、および前記規制突起のそれぞれが、スクリーン印刷法、インクジェット法、スプレー法、グラビア印刷法、熱転写法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法のいずれか一つ、あるいは二つ以上を組み合わせて形成されていることを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造方法。 - シート状の前記集電体の表面に、前記活物質が固定された負極体を備えており、
前記負極体が、請求項1から7のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極で構成されているリチウムイオン電池。
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