JP2005049614A - 透過型スクリーン用前面板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透過型スクリーンの最外面(観察者側)に配置される平板状の前面板において、透明度の高い平板状樹脂板の少なくとも一方の表面に、ティント剤を含む透光性着色層を、フィルム状もしくはシート状の形態で積層形成した構成であることを特徴とする。【選択図】図3
Description
上記のテレビには、背面投射型テレビ,透過型プロジェクションテレビなどの呼び方があるが、全て同義語であり、その映像を表示するためのスクリーンにも、リアプロジェクションスクリーン,背面投射型スクリーン,透過型プロジェクションスクリーン,透過型スクリーンなどの呼び方があるが、これらも全て同義語である。
さらに詳しくは、投射系(プロジェクタ)として、LCD(透過型液晶パネル),DLP(デジタル・ライト・プロセッシング:テキサス・インスツルメンツ社の商標),LCOS(反射型液晶パネル)などを画像表示素子(表示パネル)として使用するタイプのリアプロジェクションテレビの前面(観察者側)に配置される前面板に関する。
また、同図に示すように、上記の2枚のレンズシート(フレネルレンズシート30とレンチキュラーシート20)の組み合わせに加えて、さらに観察者側に前面板10を配置した3枚構成のタイプとする場合も多い。
前面板10の目的としては、単位レンズの配列ピッチが微細化し、それに伴い薄型化された上記2枚のレンズシートに不足する剛性を補うこと,また、2枚のレンズシートの間で温度変化に伴う膨張や収縮による隙間が発生することを防ぐために密着固定させること,あるいは外観を向上させるため,などが挙げられる。単位レンズのファインピッチ化に伴いレンズシートが薄型化する傾向は、CRT方式よりも高精細な映像を実現可能な上記のLCD,DLP,LCOSなどのデジタル光学エンジンを光源に使用したタイプのリアプロジェクションテレビに顕著である。
図2は、前面板10の構成例を示す説明図である。前面板10としては、透光性を有する材料であれば材質は問わないが、光学的特性,コストなどを考慮して、樹脂基材、特にアクリル樹脂基材が一般に用いられる。その厚さは、十分な剛性を要することから、1mm以上である場合が多い。
前面板10では、アクリル樹脂基材(主に、メタクリルスチレン)内にティント剤を混入するなどして、薄く透光性着色処理が施され、さらに、ハードコート処理(HC),反射防止処理(AR),防眩処理(AG),帯電防止処理(AS)などから選択される何れかの処理も併せて施されるのが一般的である。図2では、平板状の樹脂基材(透光性着色層)15の表面にハードコート層12を形成した構成例を示している。
透光性着色処理の手法としては、前面板を押出し成形する際に、押し出す樹脂中に染料や顔料を練り込んで分散混合する手法,成形された無色透明な前面板の表面に着色剤を含むインキを塗布する手法が挙げられる。
しかし、前面板を押出し成形する際に、樹脂中に染料や顔料を練り込んで分散混合する手法では、1mm前後の厚さを有する板の内部で均一な濃度に着色することが困難である。
また、成形された前面板の表面に着色剤を含むインキを塗布する手法では、前面板への塗布面積が大きくなるにつれて、塗工ムラや着色剤がダマになるなどの欠陥を招き、結果として、外光の吸収にムラが生じ、コントラストを低下させる原因につながるという問題がある。
透過型スクリーンの最外面(観察者側)に配置される平板状の前面板において、
透明度の高い平板状樹脂板の少なくとも一方の表面に、ティント剤を含む透光性着色層を、フィルム状もしくはシート状(以下、フィルム状と総称する)の形態で積層形成した構成であることを特徴とする透過型スクリーン用前面板である。
フィルム状の透光性着色層上には、さらに、フィルム状のハードコート層を積層形成しても良い。
本発明で用いる前記フィルムとしては、PETフィルムが好適である。
前記フィルムに施す透光性着色処理は、フィルムの内部(全体)に対してでも良いし、少なくともフィルムの片面に塗布形成することによってでも、また、それら双方の併用であっても良い。
フィルムの両面に塗布形成する場合,もしくはフィルムの片面(観察者側)に2層以上塗布形成する場合,または、フィルムの内面および少なくとも片面に塗布形成する場合の何れかによって透光性着色層を形成する際(すなわち、透光性着色層を2層以上有する前面板とする際)には、
観察者側の着色濃度 > 光源側の着色濃度
とすることが、入射光(プロジェクタからの映像光)の透過性をなるべく低下させずに、かつ、外光の反射を抑えることになり、光学特性として好ましい。
また、上記の場合、基材層と着色層が明確になるために、基材層に透明度の高いアクリル樹脂部材を用いると、映像光の透過率が向上し、コントラストの向上にもつながる。
また、透光性着色層は比較的薄いフィルムの形態であることから、厚く比較的コストのかかる成形品である前面板自身に透光性着色処理を施す場合に比べて、仮に着色処理でのミスが発生した場合でも、損失される材料が少なく済むことも期待される。
透光性着色層となるフィルムとして、PETフィルムを用いることで、耐擦傷性に優れ、ハードコート効果も付与され、前面板への処理が簡略化されることにもなる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態による前面板10の構成例を図3に示す。
前面板10は、内部に着色剤が分散混合されない無色透明な平板状の樹脂基板34(厚さは1mm以上)の表面に、フィルム状の透光性着色層14(以後、透光性着色フィルムと称する)を積層形成した構成であり、さらに、透光性着色フィルム14の表面には、必要に応じてハードコート層12が形成される。
同図の場合、透光性着色フィルム14は、フィルム自身に着色剤を分散混合して、透光性着色処理が施されているが、フィルムの表面に着色剤を含むインキ層を塗布形成する処理であっても、また、それらを併用した処理であっても良い。
透光性着色フィルム14は、厚さ1mm未満(一般には、0.1mm前後)のPETを主材料としたものが好適である。
ハードコート層12としても、インキの塗布形成による層でなく、耐擦傷性に優れたフィルムの積層形成でも良く、この場合にもPETを主材料としたフィルムが好適である。
また、透光性着色フィルムに、着色剤の分散濃度,あるいは分散する着色剤の種類が異なる2層以上の透光性着色層を形成すること、さらには2枚以上の透光性着色フィルムを前面板に適用することも可能であるが、この場合、
観察者側の着色濃度 > 光源側の着色濃度
なる関係とすることが、視覚される表示映像のコントラストの設計上好ましい。
12…ハードコート層
14…透光性着色層
15…平板状の樹脂基材
20…レンチキュラーシート
30…フレネルレンズシート
34…無色透明な平板状の樹脂基板
Claims (5)
- 透過型スクリーンの最外面(観察者側)に配置される平板状の前面板において、
透明度の高い平板状樹脂板の少なくとも一方の表面に、ティント剤を含む透光性着色層を、フィルム状もしくはシート状の形態で積層形成した構成であることを特徴とする透過型スクリーン用前面板。 - 透過型スクリーンの最外面(観察者側)に配置される平板状の前面板において、
透明度の高い平板状樹脂板の少なくとも一方の表面に、ティント剤を含む透光性着色層を、フィルム状もしくはシート状の形態で形成し、さらに観察者側の表面にはハードコート層を形成した構成であることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン用前面板。 - 透光性着色層として、PETを主材料とするフィルムを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の透過型スクリーン用前面板。
- ハードコート層として、PETフィルムを用いることを特徴とする請求項2または3に記載の透過型スクリーン用前面板。
- 少なくともフレネルレンズシートとレンチキュラーシートとを組み合わせて構成される透過型スクリーンの最外面(観察者側)に、請求項1〜4の何れかに記載の透過型スクリーン用前面板を配置してなることを特徴とする透過型スクリーン。
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