JP2005048730A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の燃料噴射弁のそれぞれから燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有する場合であれ、これら各噴射領域における実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを適切に補正する。
【解決手段】「ポート+筒内噴射領域」にあると判断されると(ステップ430)、「ポート噴射領域」の学習が完了しているか否かを判断する(ステップ440)。そして、「ポート噴射領域」の学習が完了していると判断されると、「ポート+筒内噴射領域」において目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれの検出結果と「ポート噴射領域」における空燃比学習値とに基づき、筒内噴射領域における空燃比学習値を算出する(ステップ450)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、実際の空燃比を目標とする空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置に関する。
例えば下記特許文献1に見られるように、燃焼室に燃料を噴射する対筒内噴射弁と、吸気ポートに燃料を噴射する対吸気系噴射弁とを備える内燃機関の燃料噴射制御装置が周知である。この燃料噴射制御装置にあっては、その運転状態に応じて、対筒内噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域と、対筒内噴射弁及び対吸気系噴射弁の双方を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域とを有している。
更に、この燃料噴射制御装置には、上記内燃機関の実際の空燃比を理論空燃比に制御すべくフィードバック制御する際、理論空燃比に対する実際の空燃比の定常的なずれを補償するための空燃比学習値の学習を行っている。詳しくは、対筒内噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域と、対筒内噴射弁及び対吸気系噴射弁の双方を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域とで各別に空燃比学習値を学習するようにしている。
更に、上記特許文献1には、対吸気系噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域を設けた場合には、この噴射領域についても個別に空燃比学習値の学習を行うようにする旨の提案もなされている。
特開平3−185242号公報
ところで、上記対筒内噴射弁及び対吸気系噴射弁の双方を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域における空燃比学習値は、同噴射領域における理論空燃比に対する実際の空燃比の定常的なずれがこれら2つの燃料噴射弁のいずれに起因するものかについて考慮されたものではない。このため、この空燃比学習値によっては、実際の空燃比を理論空燃比に制御するに際して生じる実際の空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを適切に補償することは困難なものとなっている。これは、この空燃比学習値によっては、これら2つの燃料噴射弁が上記定常的なずれに及ぼす影響の度合いを的確に把握した上での燃料噴射量の補正を行うことができないことによる。
ちなみに、上述したように対吸気系噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域を新たに設けた場合、この噴射領域において空燃比学習値の学習を行うことが提案されてはいる。しかし、この学習を行うためには、同噴射領域においても実際の空燃比を目標とする空燃比にフィードバック制御する必要がある。ただし、この場合、内燃機関の運転状態が対吸気系噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域と対応する運転状態となる頻度が低い状況も生じうる。こうした場合、実際の空燃比を目標とする空燃比にフィードバック制御することで空燃比学習値を学習することは困難なものとなる。
なお、上記態様の燃料噴射制御に限らず、複数の燃料噴射弁のそれぞれから燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有する場合には、実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを適切に補正することが困難なこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の燃料噴射弁のそれぞれから燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有する場合であれ、これら各噴射領域における実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを適切に補正することのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の特定の気筒の燃焼室に燃料を供給するための燃料噴射弁を複数備え、これら複数の燃料噴射弁のそれぞれによって前記燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有し、これら各噴射領域において前記内燃機関の実際の空燃比をそれぞれ目標とする空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置において、特定の燃料噴射弁を有する2つ以上の燃料噴射弁を用いた噴射領域を少なくとも1つ含む2つ以上の噴射領域のそれぞれにおいて実際の空燃比を目標とする空燃比にフィードバック制御しつつ、前記目標とする空燃比と前記実際の空燃比との定常的なずれを検出し、この検出結果に基づき、前記特定の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域において目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれを補償するための空燃比学習値を求める算出手段を備えることをその要旨とする。
上記特定の燃料噴射弁を有する2つ以上の燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域における上記定常的なずれの検出結果には、特定の燃料噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域における空燃比学習値についての情報が含まれている。
この点、上記構成では、(ア)特定の燃料噴射弁を有する2つ以上の燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域のいくつかについてそれぞれの上記定常的なずれを検出する。又は(イ)特定の燃料噴射弁を有する2つ以上の燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域のいくつかについてのそれぞれの上記定常的なずれに加えて特定の燃料噴射弁を用いないで燃焼室に燃料を供給する噴射領域のいくつかについてのそれぞれの上記定常的なずれを検出する。
これら定常的なずれを検出する各噴射領域間では、各燃料噴射弁から燃焼室に供給される燃料量に対する特定の燃料噴射弁によって燃焼室に供給される燃料量の割合が互いに異なる。このため、この相違により、これら各噴射領域における上記検出される定常的なずれに対する特定の燃料噴射弁の影響の度合いを把握することができるようになる。このため、特定の燃料噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域における空燃比学習値については、これを上記2つ以上の噴射領域における上記検出結果を用いて求めることができるようになる。これにより、特定の燃料噴射弁のみを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域における空燃比フィードバック制御を行わずとも、同噴射領域の空燃比学習値を求めることができる。すなわち、特に当該機関の運転状態がこの噴射領域に対応する運転状態となる頻度が低い場合であれ、同噴射領域の空燃比学習値を求めることができる。したがって、上記構成では、複数の燃料噴射弁のそれぞれから燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有する場合であれ、これら各噴射領域における実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを適切に補正することができるようになる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記内燃機関が多気筒内燃機関であって且つその各気筒の燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁として第1の燃料噴射弁及び第2の燃料噴射弁をそれぞれ備え、前記算出手段は、(ア)[前記第1の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域]と、(イ)[前記第1の燃料噴射弁及び前記第2の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域]とのそれぞれにおいて各目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれを検出し、これら検出結果に基づき、(ウ)[前記第2の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域]における空燃比学習値を求めることをその要旨とする。
上記構成において、上記(ア)における上記定常的なずれの検出結果と、上記(イ)における上記定常的なずれの検出結果との差異は、上記(ウ)における上記定常的なずれの検出結果を反映するものとなっている。このため、上記(ア)における上記定常的なずれの検出結果と上記(イ)における上記定常的なずれの検出結果とを用いて上記(ウ)における空燃比学習値を求めることができる。すなわち、当該機関の運転状態が上記(ウ)に入る頻度が低い場合であれ、同(ウ)における空燃比学習値を求めることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記第2の燃料噴射弁は、前記第1の燃料噴射弁よりも燃料噴射性能の低下しやすい環境下にある燃料噴射弁であって、且つ前記第1の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域及び前記第2の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域のそれぞれにおける空燃比学習値を求めた後、前記第1の燃料噴射弁及び前記第2の燃料噴射弁のそれぞれにより前記燃焼室に燃料を供給する割合を気筒間で異ならせつつ実際の空燃比が目標とする空燃比となるようにフィードバック制御したときの前記実際の空燃比と前記目標とする空燃比との定常的なずれを検出し、この検出結果と前記求めた空燃比学習値とに基づき、所望の気筒に燃料を供給する第2の燃料噴射弁の燃料噴射特性を求めることをその要旨とする。
燃料噴射弁によっては、例えばその噴孔部にカーボン等の燃焼生成物が付着されやすい環境下におかれることによって噴霧形状の変化や燃料噴射量の減少等を招く等、燃料噴射性能が低下しやすい環境下におかれるものがある。こうした燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域において、特定の気筒の燃料噴射弁の燃料噴射性能が低下すると、他の気筒の燃料噴射弁の燃料噴射性能が正常であっても、同噴射領域の空燃比学習値は上記特定の気筒の燃料噴射弁の燃料噴射性能に大きく左右される。
ここで、上記構成では、第2の燃料噴射弁を上記燃料噴射性能が低下しやすい環境下におかれている燃料噴射弁であるとしている。そして、第1の燃料噴射弁及び第2の燃料噴射弁のそれぞれにより燃焼室に燃料を供給する割合を気筒間で異ならせつつ上記フィードバック制御を行う際に、実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを検出する。ここで、この検出されるずれに対する各気筒の第2の燃料噴射弁の影響の度合いは、少なくとも所望の気筒とその他の気筒との間で異なるようにすることができる。このため、こうした定常的なずれの検出結果と上記求めた空燃比学習値とに基づき、上記定常的なずれに対する所望の気筒の第2の燃料噴射弁の影響の度合いを求めることができる。そして、この所望の気筒の第2の燃料噴射弁の影響の度合いに基づき、同第2の燃料噴射弁の燃料噴射特性を求めることができる。
ちなみに、この影響の度合いを求める際に、上記求めた空燃比学習値を用いるのは、上記検出結果から、全ての気筒で第1の燃料噴射弁を用いた場合の影響の度合いや全ての気筒で第2の燃料噴射弁を用いた場合の影響の度合いを除去するためである。こうした除去処理は、上記フィードバック制御を、上記求めた空燃比学習値を用いて行う処理としてもよい。
なお、上記「所望の気筒に燃料を供給する第2の燃料噴射弁の燃料噴射特性」を、この第2の燃料噴射弁の空燃比学習値として求めてもよい。また、「所望の気筒に燃料を供給する第2の燃料噴射弁の燃料噴射特性」に基づき、同第2の燃料噴射弁からの燃料の噴射制御を中止するか否かを決定するようにしてもよい。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記第1の燃料噴射弁及び前記第2の燃料噴射弁のそれぞれにより前記燃焼室に燃料を供給する割合を気筒間で異ならせつつ行うフィードバック制御は、少なくとも前記第2の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域において、前記所望の気筒の前記第2の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に供給する燃料の少なくとも1部を前記第1の燃料噴射弁を用いて供給するように切り替えて行うものであることをその要旨とする。
上記構成では、少なくとも第2の燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域において、所望の気筒の第2の燃料噴射弁を用いて燃焼室に供給する燃料の少なくとも1部を第1の燃料噴射弁を用いて供給するように切り替える。このため、このときの実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれと、上記第1の燃料噴射弁及び第2の燃料噴射弁のそれぞれを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域における上記定常的なずれとの間に生じる差は、所望の気筒の第2の燃料噴射弁の燃料噴射性能を反映したものとなっている。そして、上記第1の燃料噴射弁及び第2の燃料噴射弁のそれぞれを用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域における上記定常的なずれは、上記求めた空燃比学習値によって把握することができる。したがって、上記構成によれば、所望の気筒の第2の燃料噴射弁の燃料噴射性能を簡易に把握することができるようになる。
なお、上記各請求項2〜4のいずれか1項に記載の発明は、請求項5記載の発明によるように、前記第1の燃料噴射弁が前記燃焼室に空気を供給する吸気系に燃料を噴射供給する対吸気系噴射弁であり、前記第2の燃料噴射弁が前記燃焼室に燃料を噴射供給する対筒内噴射弁であるようにしてもよい。
請求項6記載の発明は、多気筒内燃機関の各気筒毎に、燃焼室に燃料を供給するための複数種の燃料噴射弁をそれぞれ備えて前記内燃機関の実際の空燃比を目標とする空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置において、実際の空燃比を目標とする空燃比に制御する際の前記目標とする空燃比と前記実際の空燃比との定常的なずれを補償するための空燃比学習値を、前記複数種の燃料噴射弁のうちの2種類の燃料噴射弁の一方を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域及び同2種類の燃料噴射弁の他方を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域のそれぞれについて求めた後、前記2種類の燃料噴射弁による前記燃焼室への燃料の供給割合を気筒間で異ならせ、実際の空燃比が目標とする空燃比となるようにフィードバック制御したときの前記実際の空燃比と前記目標とする空燃比との定常的なずれを検出し、この検出結果と前記求めた空燃比学習値とに基づき、所望の気筒において前記2種類の燃料噴射弁のうちの燃料噴射性能の低下しやすい環境下にある燃料噴射弁である前記一方の燃料噴射弁の燃料噴射特性を求めることをその要旨とする。
燃料噴射弁によっては、例えばその噴孔部にカーボン等の燃焼生成物が付着されやすい環境下におかれることによって噴霧形状の変化や燃料噴射量の減少等を招く等、燃料噴射性能が低下しやすい環境下におかれるものがある。こうした燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する噴射領域において、特定の気筒の燃料噴射弁の燃料噴射性能が低下すると、他の気筒の燃料噴射弁の燃料噴射性能が正常であっても、同噴射領域の空燃比学習値は上記特定の気筒の燃料噴射弁の燃料噴射性能に大きく左右される。
ここで、上記構成では、2種類の燃料噴射弁による燃焼室への燃料の供給割合を気筒間で異ならせつつ上記フィードバック制御を行う際に、実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを検出する。この検出結果に対する各気筒の燃料噴射弁の影響の度合いは、少なくとも所望の気筒とその他の気筒との間で異なるようにすることができる。このため、こうした定常的なずれと上記求めた空燃比学習値とから、所望の気筒における燃料噴射弁が上記定常的なずれに及ぼす影響の度合いを求めることができる。そして、この影響の度合いから、所望の気筒における2種類の燃料噴射弁のうちの上記一方についての燃料噴射特性を求めることができる。
ちなみに、この影響の度合いを求める際に、上記求めた空燃比学習値を用いるのは、上記検出結果から、全ての気筒で一方の燃料噴射弁を用いた場合の影響の度合いや全ての気筒で他方の燃料噴射弁を用いた場合の影響の度合いを除去するためである。こうした除去処理は、上記フィードバック制御を、上記求めた空燃比学習値を用いて行う処理としてもよい。
なお、上記「(所望の気筒における)一方の燃料噴射弁の燃料噴射特性」を、この燃料噴射弁の空燃比学習値として求めてもよい。また、「(所望の気筒における)一方の燃料噴射弁の燃料噴射特性」に基づき、この燃料噴射弁からの燃料の噴射制御を中止するか否かを決定するようにしてもよい。
請求項7記載の発明は、前記2種類の燃料噴射弁による前記燃焼室への燃料の供給割合を気筒間で異ならせつつ行うフィードバック制御は、少なくとも前記一方の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域において、前記所望の気筒の前記一方の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に供給する燃料の少なくとも1部を前記他方の燃料噴射弁を用いて供給するように切り替えて行うものであることをその要旨とする。
上記構成では、少なくとも上記一方の燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を噴射する噴射領域において同一方の燃料噴射弁を用いて燃焼室に供給する燃料の少なくとも1部を他方の燃料噴射弁を用いて供給するように切り替える。このため、このときの実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれと、一方及び他方のそれぞれの燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する各噴射領域における上記定常的なずれとの間に生じる差は、特定の気筒における一方の燃料噴射弁の燃料噴射性能を反映したものとなっている。そして、一方及び他方のそれぞれの燃料噴射弁を用いて燃焼室に燃料を供給する各噴射領域における上記定常的なずれは、上記求めた空燃比学習値によって把握することができる。したがって、上記構成によれば、特定の気筒の一方の燃料噴射弁の燃料噴射性能を簡易に把握することができるようになっている。
なお、上記各請求項6又は7記載の発明は、請求項8記載の発明によるように、前記一方の燃料噴射弁が前記燃焼室に燃料を噴射供給する対筒内噴射弁であり、前記他方の燃料噴射弁が前記燃焼室に空気を供給する吸気系に燃料を噴射供給する対吸気系噴射弁であるようにしてもよい。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置をV型6気筒エンジンの空燃比制御装置に適用した第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1において、V型6気筒エンジンとしての内燃機関10は、第1〜第6の各気筒#1〜#6を備えている。そして、これら各気筒#1〜#6の各燃焼室11には、吸気通路20及び吸気ポート12を介して空気が供給される。また、各気筒#1〜#6の各吸気ポート12には、これら吸気ポート12に燃料を噴射する対吸気系噴射弁13がそれぞれ備えられている。また、各気筒#1〜#6には、これらの燃焼室11に燃料を直接噴射する対筒内噴射弁14が備えられている。このように、上記内燃機関10は、各気筒#1〜#6の各燃焼室11に燃料を供給するための燃料噴射弁として、対吸気系噴射弁13及び対筒内噴射弁14の2つの噴射弁をそれぞれ備えている。
そして、上記対吸気系噴射弁13及び対筒内噴射弁14の少なくとも一方を用いて燃焼室11に供給される燃料と同燃焼室11に供給される空気との混合気は、点火プラグによる点火により燃焼する。そして、この燃焼後の混合気(排気ガス)は、排気通路30へと排出される。この排気通路30には、三元触媒を備える触媒コンバータ31が設けられており、これにより排気ガスが浄化される。また、排気通路30のうち触媒コンバータ31の上流側には、空燃比センサ32が備えられており、これにより混合気の空燃比が検出される。ちなみに、この空燃比センサ32は、内燃機関の空燃比に比例した略線形な値の信号を出力するリニア空燃比センサである。
こうした構成を有する内燃機関10は、電子制御装置40によって制御される。この電子制御装置40には、上記空燃比センサ32をはじめ、機関出力軸の回転速度を検出するクランク角センサ、吸気通路20内の吸入空気の流量を検出するエアフローメータ、内燃機関10の冷却水の温度を検出する水温センサ等、内燃機関10の運転状態を検出する各種センサの検出信号が入力される。そして、電子制御装置40では、こうした各種センサの検出信号に基づき、上記対吸気系噴射弁13や上記対筒内噴射弁14等、内燃機関10の各箇所を制御する。
ここで、この電子制御装置40による内燃機関10の燃料噴射制御について説明する。
図2に、本実施形態にかかる燃料噴射制御態様を示す。同図2に示すように、本実施形態では、内燃機関10の回転速度及び負荷によって対吸気系噴射弁13を用いるか、対筒内噴射弁14を用いるか、あるいはこれら双方を用いるかが設定される。なお、ここで内燃機関10の負荷とは、例えば同内燃機関10の1回転あたりの吸入空気量等によって定義される量である。
同図2に示すように、本実施形態では、内燃機関10の各回転速度において、スロットルバルブを全開〜略全開としたときの負荷である最大の負荷(最大の吸入空気量)の領域で、上記対筒内噴射弁14を用いて燃焼室11に燃料を供給する。また、スロットルバルブの開度が全閉から中間の開度となるときの負荷である低負荷から中負荷の内燃機関10の運転領域においては、上記対吸気系噴射弁13を用いて燃焼室11に燃料を供給する。そして、これらの間の領域においては、上記対筒内噴射弁14及び上記対吸気系噴射弁13の双方を用いて燃焼室11に燃料を供給する。
上記各運転領域における空燃比制御は、次のようになっている。すなわち、対吸気系噴射弁13を用いて燃焼室11に燃料を供給する「ポート噴射領域」や、同対吸気系噴射弁13及び対筒内噴射弁14の双方を用いて燃焼室11に燃料を供給する「ポート+筒内噴射領域」にあっては、理論空燃比にて燃焼を行う。一方、対筒内噴射弁14を用いて燃焼室11に燃料を供給する「筒内噴射領域」にあっては、内燃機関10のトルクが最大となるときの空燃比である出力空燃比にて燃焼を行う。
そして、本実施形態では、均質性の確保と高負荷領域での内燃機関10の出力性能との両立を図っている。すなわち、対吸気系噴射弁13を用いると対筒内噴射弁14を用いる場合と比較して混合気の均質性を促進しやすい。このため、低負荷から中負荷の運転領域においては、対吸気系噴射弁13を用いることで、混合気の均質性を確保するようにする。一方、対筒内噴射弁14を用いて燃料噴射を行う場合には対吸気系噴射弁13を用いて燃料噴射を行う場合と比較して、気化潜熱により混合気の温度を低下させすい。このため、高負荷運転領域においては、対筒内噴射弁14を用いることで充填効率を増大させ、更に出力空燃比とすることで出力性能の向上を図る。なお、対筒内噴射弁14を用いた場合より対吸気系噴射弁13を用いた場合の方が排気ガスの特性を良好に制御しやすいことから、上記態様の燃料噴射制御によれば、高負荷運転時以外において排気ガスの特性をより良好に制御することもできる。
次に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順について、図3を参照して説明する。ちなみに、図3に示す処理は、所定周期で繰り返し実行される処理である。
図3に示す一連の処理においては、まずステップ100において上記エアフローメータやクランク角センサ等の検出結果に基づき基本噴射量Qbを算出する。ちなみに、ここでは先の図2に示した運転状態に応じて「ポート噴射領域」や「ポート+筒内噴射領域」では理論空燃比とするための基本となる燃料量を算出する。また、「筒内噴射領域」においては、出力空燃比とするための基本となる燃料量を算出する。
続くステップ110においては、上記基本噴射量Qbに基づき、上記対吸気系噴射弁13による最終噴射量Qpと、上記対筒内噴射弁14による最終噴射量Qdとをそれぞれ算出する。詳しくは、最終噴射量Qpは「a×Qb{1+(FAF(1)−1.0)+(KG(1,k)−1.0)}K1」とし、最終噴射量Qdは「b×Qb{1+(FAF(2)−1.0)+(KG(2,k)−1.0)}K1」とする。ここで、基本噴射量Qbにかかる係数a、bは、対吸気系噴射弁13と対筒内噴射弁14とのそれぞれにより上記燃焼室11に供給される燃料の比率を定めるものである。すなわち、先の図2に示した「ポート噴射領域」では「a=1、b=0」となり、「筒内噴射領域」では「a=0、b=1」となり、「ポート+筒内噴射領域」では「0<a<1、0<b<1、a+b=1」となる。また、補正係数K1は、内燃機関10の冷却水の温度等に基づいて設定される。
上記フィードバック補正値FAF(k)「k=1、2」は、内燃機関10の実際の空燃比を目標とする空燃比に追従させるようにフィードバック制御する際に、燃料噴射量を増減させるためのパラメータである。更に、空燃比学習値KG(j,k)「j=1、2、k=1、2」は、空燃比制御に際して目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれを補償するためのパラメータである。ここで、空燃比学習値KG(1,k)は「ポート噴射領域」における学習値を、空燃比学習値KG(2,k)は「筒内噴射領域」における学習値を、それぞれ示している。また、フィードバック補正値FAF(1)と空燃比学習値KG(i,1)とは、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5についてのものであり、フィードバック補正値FAF(2)と空燃比学習値KG(i,2)とは、2番気筒#2、4番気筒#4、6番気筒#6についてのものである。このように本実施形態では、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5と、2番気筒#2、4番気筒#4、6番気筒#6とについてそれぞれ別に空燃比制御を行うようにしている。
こうしてステップ110の処理が終了するとこの一連の処理を一旦終了する。
次に、空燃比フィードバック制御について説明する。上述した燃料噴射制御においては、空燃比フィードバック制御が行われている。すなわち、フィードバック補正値FAFを適宜設定することで、実際の空燃比を目標とする空燃比とするようにフィードバック制御がなされる。ただし、本実施形態では、目標とする空燃比が理論空燃比である場合には、実際の空燃比を理論空燃比自体に一致させる制御を行う代わりに、理論空燃比近傍でリーン側及びリッチ側に交互に振動する空燃比の目標値に実際の空燃比を一致させるような制御を行う。次にこれについて図4に基づいて説明する。
図4(a)、図4(b)、図4(c)は、上記空燃比の目標値、実際の空燃比、フィードバック補正値FAF(k)のそれぞれの推移例を示す。図4(a)に示すように、本実施形態では、空燃比の目標値を図中破線にて示す理論空燃比を中心として所定の周期Tでリーン側及びリッチ側に交互に設定する。このように実際の空燃比を目標とする空燃比にフィードバック制御するときに、空燃比の目標値を理論空燃比に対してリーン側及びリッチ側に交互に設定するのは、触媒コンバータ31での触媒による排気ガスの浄化能力を向上させるためである。こうした空燃比の目標値に図4(b)に示す実際の空燃比を追従させるべく、図4(c)に示すフィードバック補正値FAF(k)が逐次設定される。
上述した態様にて内燃機関10の各運転領域において実際の空燃比を目標とする空燃比とする制御が行われる。ここで、実際の空燃比と目標とする空燃比とが定常的にずれる傾向を有していない場合には、フィードバック補正値FAF(k)はその基準値である「1.0」を中心としてその近傍を変動する。一方、例えば対吸気系噴射弁13や対筒内噴射弁14の噴射特性の固体差等に起因して実際の空燃比が目標とする空燃比からリッチ側又はリーン側に定常的にずれる傾向がある場合、フィードバック補正値FAF(k)は、その基準値である「1.0」とは異なる値を中心としてその近傍を変動するようになる。このため、基準値「1.0」に対するフィードバック補正値FAF(k)の定常的なずれは、実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを示す指標となる。そこで、基準値「1.0」に対するフィードバック補正値FAF(k)の定常的なずれを補償するように上記空燃比学習値KG(j,k)を設定することで、実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを補償する。
ここで、本実施形態にかかる空燃比学習制御について更に説明する。
<ポート噴射領域の場合>
ここでは、まず先の図2に示した「ポート噴射領域」における空燃比学習値KG(1,k)「k=1、2」の学習処理の手順について図5に基づいて説明する。ちなみに、図5に示す処理は、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5と、2番気筒#2、4番気筒#4、6番気筒#6とについてそれぞれ独立に所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理においては、まずステップ200において空燃比学習処理の実行条件が成立しているか否かを判断する。この実行条件としては、内燃機関10が上記「ポート噴射領域」にあるという条件に加えて、例えば完全暖機状態にあること等があげられる。そして、ステップ200において実行条件が成立していると判断されると、ステップ210に移行する。このステップ210では、上記空燃比の目標値について、今回リッチからリーン(又はリーンからリッチ)へ移行する際のフィードバック補正値FAF(k)と前回リーンからリッチ(又はリッチからリーン)へ移行した際のフィードバック補正値FAF(k)である前回の値FAFbとの平均値FAFAV(k)が算出される。すなわち、例えば先の図4において、時刻t2における平均値FAFAV(k)は、時刻t2でのフィードバック補正値FAF(k)と時刻t1での前回の値FAFb(k)との平均値となる。
こうして平均値FAFAV(k)が算出されると、ステップ220において、次回の空燃比学習処理のために今回のフィードバック補正値FAF(k)を前回の値FAFb(k)として記憶保持する。
続くステップ230、240では、算出された上記平均値FAFAV(k)と、所定値α、β(α<1.0<β)との大小関係の比較を行う。そして、平均値FAFAV(k)が所定値α未満である場合(ステップ230;YES)には、実際の空燃比が目標とする空燃比(理論空燃比)に対してリッチ側にずれる傾向があると判断して、この傾向を補償すべく空燃比学習値KG(j,k)がより小さい値になるように学習する。すなわち、ステップ250において現在の空燃比学習値KG(j,k)から所定値γが減算され、その減算値「KG(j,k)−γ」を新たな空燃比学習値KG(j,k)として設定する。
一方、上記平均値FAFAVが所定値βより大きい場合(ステップ240;YES)には、実際の空燃比が目標とする空燃比(理論空燃比)に対してリーン側にずれる傾向があると判断して、この傾向を補償すべく空燃比学習値KG(j,k)がより大きな値になるように学習する。すなわち、ステップ260において現在の空燃比学習値KG(j,k)に所定値γが加算され、その加算値「KG(j,k)+γ」を新たな空燃比学習値KG(j,k)として設定する。
これに対して、上記平均値FAFAV(k)が所定値α以上且つ所定値β以下である場合には、平均値FAFAV(k)がその基準値「1.0」の近傍で変動しており、実際の空燃比が目標とする空燃比(理論空燃比)からずれる傾向はないと判断される。そして、この場合や、先のステップ200において実行条件が成立しないと判断された場合には、上記空燃比学習値KG(j,k)が更新されることなく、この一連の処理を一旦終了する。
<筒内噴射領域の場合>
次に、先の図2に示した「筒内噴射領域」における空燃比学習値KG(2,k)「k=1、2」の学習処理の手順について図6に基づいて説明する。ちなみに、図6に示す処理は、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5と、2番気筒#2、4番気筒#4、6番気筒#6とについてそれぞれ独立に所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理においては、まずステップ300において空燃比学習処理の実行条件が成立しているか否かを判断する。この実行条件としては、内燃機関10が上記「筒内噴射領域」にあるという条件に加えて、例えば完全暖機状態にあること等があげられる。そして、ステップ300において実行条件が成立していると判断されると、ステップ310に移行する。
このステップ310では、実際の空燃比が目標とする空燃比となったか否かを判断する。すなわち、目標とする空燃比が理論空燃比ではない場合には実際の空燃比を目標とする空燃比そのものに一致させる制御を行うため、一致したときのフィードバック補正値FAF(k)を直接用いて空燃比学習値KG(2,k)の学習を行う。
すなわち、ステップ320、330において、上記フィードバック補正値FAF(k)と、所定値α、β(α<1.0<β)との大小関係の比較を行う。そして、フィードバック補正値FAF(k)が所定値α未満である場合(ステップ320;YES)には、実際の空燃比が目標とする空燃比(理論空燃比)に対してリッチ側にずれる傾向があると判断して、この傾向を補償すべく空燃比学習値KG(2,k)がより小さい値になるように学習する。すなわち、ステップ340において現在の空燃比学習値KG(2,k)から所定値γが減算され、その減算値「KG(2,k)−γ」を新たな空燃比学習値KG(2,k)として設定する。
一方、上記フィードバック補正値FAF(k)が所定値βより大きい場合(ステップ330;YES)には、実際の空燃比が目標とする空燃比(理論空燃比)に対してリーン側にずれる傾向があると判断して、この傾向を補償すべく空燃比学習値KG(2,k)がより大きな値になるように学習する。すなわち、ステップ350において現在の空燃比学習値KG(2,k)に所定値γが加算され、その加算値「KG(2,k)+γ」を新たな空燃比学習値KG(2,k)として設定する。
これに対して、上記フィードバック補正値FAF(k)が所定値α以上且つ所定値β以下である場合には、フィードバック補正値FAF(k)がその基準値「1.0」の近傍で変動しており、実際の空燃比が目標とする空燃比からずれる傾向はないと判断される。そして、この場合や、先のステップ300において実行条件が成立しないと判断された場合、ステップ310において実際の空燃比が目標とする空燃比と一致しないと判断された場合には、上記空燃比学習値KG(2,k)が更新されることなく、この一連の処理を一旦終了する。
こうした態様にて、先の図2に示した「ポート噴射領域」における空燃比学習値KG(1,k)と「筒内噴射領域」における空燃比学習値KG(2,k)とを学習することができる。そして、この2つの噴射領域における空燃比学習値KG(i,k)を学習することで、「ポート+筒内噴射領域」についても先の図3に示した態様にて適切な燃料噴射制御を行うことができる。
ただし、これら噴射領域のうち「筒内噴射領域」については内燃機関10の運転領域が同領域に入る頻度が低くなる可能性がある。すなわち、例えば内燃機関10の搭載される車両の運転者によっては、高負荷の運転状態となる走行をほとんどしない可能性がある。このように内燃機関10の運転領域が「筒内噴射領域」に入る頻度が低い場合、「筒内噴射領域」における空燃比学習値を学習する機会が極めて制限されたものとなるおそれがある。
そこで本実施形態では、「ポート噴射領域」の空燃比学習値KG(1,k)と、「ポート+筒内噴射領域」おいて目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれの検出結果とに基づき、「筒内噴射領域」における空燃比学習値を算出する。以下、図7を用いてこれについて説明する。
図7に、各噴射領域における空燃比学習値の取得にかかる処理手順を示す。ちなみに図7に示す処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
図7に示す一連の処理においては、まずステップ400において、先の図2に示した「ポート噴射領域」にあるか否かを判断する。そして同領域にあると判断されると、ステップ410においてポート噴射領域における空燃比学習処理が完了しているか否かを判断する。すなわち、ここでは先の図5に示した処理によって空燃比学習値KG(1,k)が学習されているか否かを判断する。ちなみに、この判断は、例えばイグニッションスイッチがオンされたときから現在までに先の図5に示した処理がなされたか否かに基づいて行うようにしてもよい。こうしてステップ410において空燃比学習処理がなされたと判断されると、ステップ420において「ポート噴射領域」における空燃比学習値の学習が完了した旨のフラグをオンとする。
一方、ステップ400において「ポート噴射領域」にないと判断されると、ステップ430において先の図2に示した「ポート+筒内噴射領域」にあるか否かを判断する。そして、ステップ430において同領域にあると判断されると、ステップ440においてポート噴射領域の学習が完了しているか否かを判断する。すなわち、上記ステップ420においてフラグがオンのとされたか否かを判断する。そして、ステップ440において「ポート噴射領域」の学習が完了していると判断されると、ステップ450において、「ポート+筒内噴射領域」おいて目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれの検出結果に基づき、「筒内噴射領域」における空燃比学習値を算出する。この算出にかかる処理は、図8に示す処理となる。
この一連の処理においては、まずステップ451において空燃比学習処理の実行条件が成立しているか否かを判断する。この実行条件としては、例えば完全暖機状態にあること等があげられる。そして、ステップ451において実行条件が成立していると判断されると、ステップ452に移行する。このステップ452では、先の図5のステップ210同様、上記空燃比の目標値について、今回リッチからリーン(又はリーンからリッチ)へ移行する際のフィードバック補正値FAF(k)と前回リーンからリッチ(又はリッチからリーン)へ移行した際のフィードバック補正値である前回の値FAFbとの平均値FAFAV(k)が算出される。
こうして平均値FAFAV(k)が算出されると、ステップ453において、次回の空燃比学習処理のために今回のフィードバック補正値FAF(k)を前回の値FAFb(k)として記憶保持する。
更に、ステップ454では、「筒内噴射領域」の空燃比学習値KG(2,k)を、「{FAFAV(k)−1.0}×(b+a)/b」として算出する。ここで、平均値FAFAV(k)と基準値「1.0」とのずれ量を「(b+a)/b」倍しているのは、このずれ量を、各気筒の燃焼室11に供給される全ての燃料を対筒内噴射弁14から噴射した場合に想定されるずれ量に換算するためである。ちなみに、ここでは既に「ポート噴射領域」の空燃比学習値KG(1,k)の学習が完了しているため、上記ずれ量は、全て対筒内噴射弁14の噴射に起因するものと想定されている。
こうしてステップ454の処理が終了すると、先の図7のステップ450に戻る。
なお、ステップ410、430、440の判断が否定であった場合や、ステップ420、450の処理が終了した場合には、この処理を一旦終了する。
こうした態様にて「筒内噴射領域」における空燃比学習値G(2,k)を算出することで、同空燃比学習値KG(2,k)を迅速に取得することができるようになる。そして、この取得した空燃比学習値KG(2,k)を用いることで、「ポート+筒内噴射領域」や「筒内噴射領域」における実際の空燃比と目標とする空燃比とのずれを適切に補償することができるようになる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)「ポート噴射領域」の空燃比学習値KG(1,k)と、「ポート+筒内噴射領域」おいて目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれの検出結果とに基づき、「筒内噴射領域」における空燃比学習値G(2,k)を算出した。これにより、「筒内噴射領域」における空燃比学習値G(2,k)を迅速に取得することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置をV型6気筒エンジンの空燃比制御装置に適用した第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記対筒内噴射弁14は、燃焼室11に露出して配置されることなどから、その噴孔部にカーボン等の燃焼生成物が付着しやすい。そして、この噴孔部に燃焼生成物が付着すると、対筒内噴射弁14から噴射される噴霧形状の変化や燃料噴射量の減少等、燃料噴射性能の低下を招くこととなる。ここで、特定の気筒の対筒内噴射弁14の燃料噴射性能が低下すると、他の気筒の対筒内噴射弁14の燃料噴射性能が正常であっても、「筒内噴射領域」の空燃比学習値KG(2,k)は上記特定の気筒の対筒内噴射弁14に大きく左右される。
そこで、本実施形態では、「ポート噴射領域」における空燃比学習値KG(1,k)と「筒内噴射領域」における空燃比学習値KG(2,k)とを求めた後、各気筒の対筒内噴射弁14の空燃比学習値を個別に算出する。
ここで、図9を用いて各気筒の対筒内噴射弁14の空燃比学習値の算出にかかる処理手順を示す。この図9に示す処理は、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5の各空燃比学習値を所定周期で算出する処理手順を示している。なお、2番気筒#2、4番気筒#4、6番気筒#6の各空燃比学習値の算出にかかる処理についても基本的に同様であるため、その説明を割愛する。
図9に示す一連の処理においては、まずステップ500において、先の図2に示した「「ポート+筒内噴射領域」又は「筒内噴射領域」であるか否かを判断する。そして、これらいずれかの噴射領域であると判断されると、ステップ510において、「ポート噴射領域」における空燃比学習値KG(1,1)と「筒内噴射領域」における空燃比学習値KG(2,1)とを既に求めているか否かを判断する。
そして、これら各空燃比学習値KG(1,1)、KG(2,1)を求めていると判断されると、ステップ520〜560の処理において、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5の各空燃比学習値を個別に算出する。ここでは、まずステップ520において気筒をカウントするための変数「i」を「1」にセットし、ステップ530において「2i−1」番気筒のみ全ての燃料を対吸気系噴射弁13から噴射するようにする。これは、「2i−1」番気筒についてのみ、先の図3に示した係数a、bを「a=0、b=1」と設定することで行うことができる。
続くステップ540においては、ステップ530の燃料噴射制御状態において、実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれを検出することで、「2i−1」番気筒の空燃比学習値を算出する。すなわち、「ポート+筒内噴射領域」と「筒内噴射領域」とのいずれの噴射領域であるかに応じて、それぞれ以下の処理を行う。
<筒内噴射領域の場合>
この場合、実際の空燃比が目標とする空燃比となったときのフィードバック補正値FAFの基準値「1.0」からのずれは、「2i−1」番気筒についての対筒内噴射弁14の燃料噴射性能を反映したものとなっている。そして、算出された平均値FAFAV(1)の基準値「1.0」からのずれ量を「3」倍したものを先の図6にて求めた空燃比学習値KG(2,k)から減算した値を、「2i−1」番気筒の空燃比学習値とする。
ここで、「3」は、上記ずれ量を、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5の燃焼室11に供給する全ての燃料を「2i−1」番気筒の対筒内噴射弁14を用いて供給した場合に想定されるずれ量に換算するための値である。以下、これについて具体的な例に基づいて説明する。
1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5の燃焼室11に供給する全ての燃料を、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5のうちの1つの対筒内噴射弁14を用いて供給した場合に想定されるフィードバック補正値を、それぞれ仮想補正値FAF1〜FAF3とする。このとき、「筒内噴射領域」における空燃比学習値KG(2,1)は既に求められているため、フィードバック補正値FAF(1)は、基準値「1.0」と略等しくなると考えられる。したがって、
(FAF1+FAF2+FAF3)/3=FAF(1)≒1.0 …(c1)
ここで、例えば1気筒#1の燃焼室11に燃料を供給する燃料噴射弁を対吸気系噴射弁13に切り替えた場合を考える。ここでは、対吸気系噴射弁13は、対筒内噴射弁14と比較して燃料噴射特性が低下しやすい環境下におかれていないと考えられるため、1番気筒#1の対吸気系噴射弁13についての空燃比学習値と、1番気筒#1及び3番気筒#3及び5番気筒#5の対吸気系噴射弁13についての空燃比学習値KG(1,1)とは等しいとする。そして、既にこの空燃比学習値KG(1,1)は学習されているのであるから、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5の燃焼室11に供給する全ての燃料を、1番気筒の対吸気系噴射弁13を用いて供給した場合に想定されるフィードバック補正値は、「1.0」としてよい。したがって、上記切り替えによりフィードバック補正値FAF(1)が「1.0」から「1.0+Δ」にずれたとすると、下式(c2)が成立する。
(1.0+FAF2+FAF3)/3=FAF(1)=1.0+Δ …(c2)
上式(c1)及び(c2)から、仮想補正値FAF1は、「1.0−3Δ」と算出される。したがって、対筒内噴射弁14についての1番気筒#1の空燃比学習値は、上記空燃比学習値KG(2,1)からずれ量Δを3倍したものを減算した値となる。
<ポート+筒内噴射領域の場合>
この場合、先の図5のステップ210と同様の処理によって、フィードバック補正値FAF(1)の平均値FAFAV(1)を算出する。この算出された平均値FAFAV(1)の基準値「1.0」からのずれは、「2i−1」番気筒についての対筒内噴射弁14の燃料噴射性能を反映したものとなっている。そして、算出された平均値FAFAV(1)の基準値「1.0」からのずれ量を「3(b+a)/b」倍したものを先の図6にて求めた空燃比学習値KG(2,k)から減算した値を、「2i−1」番気筒の空燃比学習値とする。
ここで、「3(b+a)/b」のうちの「(b+a)/b」は、「ポート+筒内噴射領域」における上記ずれ量を、全ての燃料を対筒内噴射弁14を用いて燃焼室11に供給した場合に想定されるずれ量に換算するための値である。また、「3(b+a)/b」のうちの「3」は、上記ずれ量を、全ての燃料を「2i−1」番気筒の対筒内噴射弁14を用いて燃焼室11に供給した場合に想定されるずれ量に換算するための値である。
図9のステップ540に示す処理は、ステップ550、560の処理に基づき、1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5の全てにおいて行われる。そして、これら全ての気筒においてステップ540の処理が終了するとこの一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(2)「ポート噴射領域」における空燃比学習値KG(1,k)と「筒内噴射領域」における空燃比学習値KG(2,k)との取得後、各気筒の対筒内噴射弁14の空燃比学習値を個別に算出した。これにより、特定の気筒の対筒内噴射弁14の燃料噴射特性が悪化している場合であれ、これに適切に対処することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「ポート+筒内噴射領域」における「筒内噴射領域」の空燃比学習値KG(2,k)の算出にかかる処理は、図8に例示したものに限らない。例えば、「ポート噴射領域」の空燃比学習値KG(1,k)の学習後、これを用いつつ、先の図5に示す処理において、「ポート噴射領域」の空燃比学習値KG(1,k)の代わりに、「筒内噴射領域」の空燃比学習値KG(2,k)を学習するようにしてもよい。また、必ずしも「ポート+筒内噴射領域」において空燃比学習値KG(1,k)を用いて空燃比フィーバック制御を実行することで上記空燃比学習値KG(2,k)を算出するものにも限らない。要は、実際の空燃比を目標とする空燃比にフィードバック制御したときの実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれの検出結果と、学習された空燃比学習値KG(1,k)とに基づいて空燃比学習値KG(1,k)を求めるものであればよい。
・空燃比学習値は、「ポート噴射領域」と、「筒内噴射領域」とで各1つずつ設けるものに限らない。例えば「ポート噴射領域」において、対吸気系噴射弁から噴射される燃料噴射量に応じて複数の空燃比学習値を設けるようにしてもよい。また、例えば「筒内噴射領域」において、対筒内噴射弁から噴射される燃料噴射量に応じて複数の空燃比学習値を設けるようにしてもよい。この場合、「ポート+筒内噴射領域」において対筒内噴射弁14から噴射される燃料量の比率に応じて「筒内噴射領域」の各異なる空燃比学習値を求めるようにする。
・第1の燃料噴射弁のみを用いた噴射領域と、第1の燃料噴射弁及び第2の燃料噴射弁を用いた噴射領域とのそれぞれにおける目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれの検出結果に基づき、第2の燃料噴射弁のみを用いた噴射領域における空燃比学習値を求める算出手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば第1の燃料噴射弁を対筒内噴射弁とし、また、第2の燃料噴射弁を対吸気系噴射弁としてもよい。
・内燃機関の特定の気筒の燃焼室に燃料を供給するための燃料噴射弁を複数備え、これら複数の燃料噴射弁のそれぞれによって燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有した内燃機関の空燃比制御装置としては、上記各実施形態に例示したものに限らない。例えば特定の燃焼室の気筒に燃料を供給するための燃料噴射弁を3つ以上備えるとともに、これら各燃料噴射弁によって燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有するようにしてもよい。こうした場合であれ、これらのうちの特定の燃料噴射弁のみを用いた噴射領域の空燃比学習値を、同噴射領域以外の噴射領域のいくつかにおいて実際の空燃比を目標とする空燃比にフィードバック制御する際の、同実際の空燃比と目標とする空燃比との定常的なずれに基づいて求めることができる。
・上記第2の実施形態では、「ポート+筒内噴射領域」や「筒内噴射領域」において、所望の気筒の対筒内噴射弁から供給される燃料を対吸気系噴射弁を用いて供給するように切り替えつつ、同所望の気筒の対筒内噴射弁の空燃比学習値を算出するようにしたが、これに限らない。例えば、対筒内噴射弁を用いて燃焼室に供給する燃料の少なくとも1部を対吸気系噴射弁を用いて供給するように切り替えつつ、上記空燃比学習値を算出するようにしてもよい。また例えば、対筒内噴射弁を用いて供給される燃料量と対吸気系噴射弁を用いて供給される燃料量との割合を1番気筒#1、3番気筒#3、5番気筒#5間で3通りの仕方で異ならせて上記定常的なずれを検出し、この検出結果に基づいてこれら各気筒の対筒内噴射弁の空燃比学習値を算出するようにしてもよい。
・燃料噴射性能の低下しやすい環境下にある燃料噴射弁としては、対筒内噴射弁に限らない。
・対筒内噴射弁及び対吸気系噴射弁のそれぞれを用いて噴射される燃料噴射量の算出処理は、先の図3に例示したものに限らない。
・目標とする空燃比が理論空燃比であるときの空燃比フィードバック制御態様としては、先の図4に例示したものに限らない。
・目標とする空燃比が理論空燃比であるときの空燃比学習値の学習態様としては、先の図5に例示したものに限らない。例えば実際の空燃比を理論空燃比に一致させた際のフィードバック補正値FAF(k)の基準値「1.0」からのずれに基づいて空燃比学習値を学習するようにしてもよい。
・目標とする空燃比が理論空燃比でないときの空燃比学習値の学習態様としては、先の図6に例示したものに限らない。例えば実際の空燃比が目標とする空燃比に一致する毎にフィードバック補正値FAF(k)を取得し、取得されたフィードバック補正値FAF(k)の平均値に基づいて空燃比学習値を学習するようにしてもよい。
・燃料の噴射に際しての対吸気系噴射弁と対筒内噴射弁との利用態様は、先の図2に例示したものに限らない。例えば対筒内噴射弁を低負荷時において成層燃焼を行うために用いてもよい。
・内燃機関の空燃比を検出する手段としては、上記各実施形態で例示したリニア空燃比センサに限らず、例えば所定の空燃比に対して内燃機関の空燃比がリッチ側にあるかリーン側にあるかの2値的な検出をする酸素センサ等でもよい。
・その他、内燃機関としては、V型6気筒のものに限らない。
本発明にかかる空燃比制御装置の第1の実施形態の全体構成を示す図。 同実施形態における内燃機関の運転状態とそのときの燃料の噴射に用いる噴射弁との関係を示す図。 同実施形態にかかる燃料噴射量の算出処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態における空燃比フィードバック制御態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる空燃比学習処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる空燃比学習処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる空燃比学習処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる空燃比学習値の算出処理の手順を示すフローチャート。 本発明にかかる空燃比制御装置の第2の実施形態にかかる空燃比学習値の算出処理の手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…内燃機関、11…燃焼室、12…吸気ポート、13…対吸気系噴射弁、14…対筒内噴射弁、20…吸気通路、30…排気通路、31…触媒コンバータ、32…空燃比センサ、40…電子制御装置。

Claims (8)

  1. 内燃機関の特定の気筒の燃焼室に燃料を供給するための燃料噴射弁を複数備え、これら複数の燃料噴射弁のそれぞれによって前記燃焼室に供給する燃料量の比率が互いに異なる複数の噴射領域を有し、これら各噴射領域において前記内燃機関の実際の空燃比をそれぞれ目標とする空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置において、
    特定の燃料噴射弁を有する2つ以上の燃料噴射弁を用いた噴射領域を少なくとも1つ含む2つ以上の噴射領域のそれぞれにおいて実際の空燃比を目標とする空燃比にフィードバック制御しつつ、前記目標とする空燃比と前記実際の空燃比との定常的なずれを検出し、この検出結果に基づき、前記特定の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域において目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれを補償するための空燃比学習値を求める算出手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記内燃機関が多気筒内燃機関であって且つその各気筒の燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁として第1の燃料噴射弁及び第2の燃料噴射弁をそれぞれ備え、
    前記算出手段は、前記第1の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域と、前記第1の燃料噴射弁及び前記第2の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域とのそれぞれにおいて各目標とする空燃比と実際の空燃比との定常的なずれを検出し、これら検出結果に基づき、前記第2の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域における空燃比学習値を求める
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記第2の燃料噴射弁は、前記第1の燃料噴射弁よりも燃料噴射性能の低下しやすい環境下にある燃料噴射弁であって、且つ
    前記第1の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域及び前記第2の燃料噴射弁のみを用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域のそれぞれにおける空燃比学習値を求めた後、前記第1の燃料噴射弁及び前記第2の燃料噴射弁のそれぞれにより前記燃焼室に燃料を供給する割合を気筒間で異ならせつつ実際の空燃比が目標とする空燃比となるようにフィードバック制御したときの前記実際の空燃比と前記目標とする空燃比との定常的なずれを検出し、この検出結果と前記求めた空燃比学習値とに基づき、所望の気筒に燃料を供給する第2の燃料噴射弁の燃料噴射特性を求める
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 請求項3記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記第1の燃料噴射弁及び前記第2の燃料噴射弁のそれぞれにより前記燃焼室に燃料を供給する割合を気筒間で異ならせつつ行うフィードバック制御は、少なくとも前記第2の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域において、前記所望の気筒の前記第2の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に供給する燃料の少なくとも1部を前記第1の燃料噴射弁を用いて供給するように切り替えて行うものである
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記第1の燃料噴射弁が前記燃焼室に空気を供給する吸気系に燃料を噴射供給する対吸気系噴射弁であり、前記第2の燃料噴射弁が前記燃焼室に燃料を噴射供給する対筒内噴射弁である
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 多気筒内燃機関の各気筒毎に、燃焼室に燃料を供給するための複数種の燃料噴射弁をそれぞれ備えて前記内燃機関の実際の空燃比を目標とする空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置において、
    実際の空燃比を目標とする空燃比に制御する際の前記目標とする空燃比と前記実際の空燃比との定常的なずれを補償するための空燃比学習値を、前記複数種の燃料噴射弁のうちの2種類の燃料噴射弁の一方を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域及び同2種類の燃料噴射弁の他方を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域のそれぞれについて求めた後、前記2種類の燃料噴射弁による前記燃焼室への燃料の供給割合を気筒間で異ならせ、実際の空燃比が目標とする空燃比となるようにフィードバック制御したときの前記実際の空燃比と前記目標とする空燃比との定常的なずれを検出し、この検出結果と前記求めた空燃比学習値とに基づき、所望の気筒において前記2種類の燃料噴射弁のうちの燃料噴射性能の低下しやすい環境下にある燃料噴射弁である前記一方の燃料噴射弁の燃料噴射特性を求める
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 請求項6記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記2種類の燃料噴射弁による前記燃焼室への燃料の供給割合を気筒間で異ならせつつ行うフィードバック制御は、少なくとも前記一方の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に燃料を供給する噴射領域において、前記所望の気筒の前記一方の燃料噴射弁を用いて前記燃焼室に供給する燃料の少なくとも1部を前記他方の燃料噴射弁を用いて供給するように切り替えて行うものである
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 前記一方の燃料噴射弁が前記燃焼室に燃料を噴射供給する対筒内噴射弁であり、前記他方の燃料噴射弁が前記燃焼室に空気を供給する吸気系に燃料を噴射供給する対吸気系噴射弁である
    請求項6又は7記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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