JP2007032311A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料によるオイルの希釈度合いが大きい場合に得られた燃料噴射量のフィードバック補正量の学習値を用いることにより、一旦エンジンを停止した後の冷間始動時において噴射される燃料量が不足し、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになることを抑制する。
【解決手段】 エンジンECUは、オイル希釈度合算出処理を実行するステップ(S100)と、オイル希釈度が大であるか否かを判断するステップ(S200)と、オイル希釈が大である場合(S200にてYES)、しきい値よりも小さい範囲の学習値の記憶を禁止するステップ(S300)とを含む、プログラムを実行する。学習値が小さく算出されるほど、燃料噴射量の減量補正量が大きくなる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、燃料の噴射量の補正値を算出し、算出された補正値に応じた量の燃料が噴射される内燃機関の制御装置に関する。
従来より、混合気の空燃比を所望の空燃比(たとえば理論空燃比)に維持するため、空燃比センサなどにより排気ガス中の空燃比を検知し、フィードバック制御により燃料噴射量を補正する技術が知られている。
特開昭58−25540号公報(特許文献1)は、エンジンの排気ガス成分により空燃比を検出する空燃比センサの検出信号をもとに空燃比を制御する空燃比制御方法を開示する。この空燃比制御方法においては、空燃比センサの検出信号をもとに空燃比が比例積分処理され、比例積分処理により得られる比例積分補正量をもとにエンジンの運転状態に対応させて学習値としてのエンジン状態補正量が演算されて記憶され、記憶された学習値としてのエンジン状態補正量を、空燃比センサのリッチ、リーンの変化時点もしくは比例積分補正方向の変化時点での補正量が所定数取り込まれ、所定数取り込まれた補正量の相加平均値をもとに修正され、修正された学習値としてのエンジン状態補正量に従ってエンジンの空燃比が目標空燃比に帰還制御される。
この公報に記載の空燃比制御方法によれば、空燃比の変動周期に影響されることなく、空燃比の中心を明確にできる。したがって、精度のよい補正記憶に基づく精度の高い空燃比制御を行なうことができる。
特開昭58−25540号公報
ところで、特に、筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタが設けられた内燃機関においては、噴射燃料が気筒内周面(シリンダ内周面(ボア))に多量に付着する場合がある。気筒内周面に付着した燃料は、機関ピストンの潤滑のために同気筒内周面に付着している潤滑油と混合されるようになる。その結果、燃料による潤滑油の希釈が発生する。そして、燃料により希釈された気筒内の潤滑油は、機関ピストンが上下動するのに伴ってかき落とされ、オイルパンに戻された後、内燃機関の潤滑に供されるようになる。潤滑油に溶け込んだ燃料は、クランクケース内などにおいて蒸発し、PCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブなどを介して再び筒内に戻される。したがって、空燃比は、インジェクタから噴射された燃料の他、潤滑油を希釈する燃料を加味した空燃比になる。そのため、特開昭58−25540号公報に記載の空燃比学習方法おける空燃比の学習値は、潤滑油を希釈する燃料の影響を受ける。ところが、潤滑油を希釈する燃料の蒸発量は一定ではなく、温度が低いと少なくなる。したがって、エンジンの冷間始動時において、温間時に得た学習値を用いて燃料量を制御すると、噴射される燃料量が必要以上に減量され得る。そのため、空燃比が目標空燃比よりもリーンになって、不適切になり得る。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、空燃比を適切に制御することができる内燃機関の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の制御装置は、燃料を噴射するための燃料噴射手段を備えた内燃機関を制御する。この制御装置は、内燃機関の空燃比を検知するための検知手段と、検知された空燃比に基づいて燃料噴射量の補正値を算出するための算出手段と、補正値に応じた量の燃料が噴射されるように、燃料噴射手段を制御するための制御手段と、内燃機関の潤滑に用いられる潤滑油が燃料により希釈された度合いを推定するための推定手段と、度合いに応じて補正値の記憶範囲を決定するための決定手段とを含む。
第1の発明によると、内燃機関の空燃比に基づいて燃料噴射量の補正値が算出される。内燃機関の空燃比は、燃料噴射手段から噴射された燃料の他、内燃機関の潤滑油を希釈する燃料の影響を受ける。潤滑油から蒸発する燃料量は温度により異なるため、内燃機関の温間時において得られた補正値を用いて、冷間時に燃料を噴射すると、燃料噴射量が必要以上に減量され、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになり得る。この傾向は、潤滑油を希釈する燃料量が多く、噴射量の補正量が大きいほど顕著になる。このような燃料噴射量の減量補正を抑制するため、潤滑油が燃料により希釈された度合いに応じた範囲の補正値が記憶される。たとえば、潤滑油が燃料により希釈された度合いが大きいと推定された場合には、燃料噴射量の補正量が予め定められた量よりも大きくなるという範囲の補正値の記憶が禁止される。これにより、内燃機関を一旦停止してから再度始動する際において、潤滑油が燃料により希釈された度合いが大きく、かつ噴射量の補正量が大きい状態で得られた補正値に応じた量の燃料が噴射されることを抑制することができる。すなわち、燃料噴射手段の異常によるものではなく、潤滑油から蒸発した燃料の影響を強く受けた状態において得られた補正値に応じた量の燃料が噴射されることを抑制することができる。そのため、内燃機関の冷間始動時において、燃料の噴射量が必要以上に減量され、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになることを抑制することができる。その結果、空燃比を適切に制御することができる内燃機関の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、決定手段は、度合いが大きいと推定された場合には、予め定められた範囲の補正値の記憶を禁止するための手段を含む。
第2の発明によると、潤滑油が燃料により希釈された度合いが大きいと推定された場合には、たとえば、燃料噴射量の補正量が予め定められた量よりも大きくなるという範囲の補正値の記憶が禁止される。これにより、内燃機関を一旦停止してから再度始動する際において、潤滑油が燃料により希釈された度合いが大きく、かつ噴射量の補正量が大きい状態で得られた補正値に応じた量の燃料が噴射されることを抑制することができる。すなわち、燃料噴射手段の異常によるものではなく、潤滑油から蒸発した燃料の影響を強く受けた状態において得られた補正値に応じた量の燃料が噴射されることを抑制することができる。そのため、内燃機関の冷間始動時において、燃料の噴射量が必要以上に減量され、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになることを抑制することができる。その結果、空燃比を適切に制御することができる。
第3の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第2の発明の構成に加え、予め定められた範囲は、燃料噴射量の補正量が予め定められた量よりも大きくなるという範囲である。
第3の発明によると、潤滑油が燃料により希釈された度合いが大きいと推定された場合には、燃料噴射量の補正量が予め定められた量よりも大きくなるという範囲の補正値の記憶が禁止される。これにより、内燃機関を一旦停止してから再度始動する際において、潤滑油が燃料により希釈された度合いが大きく、かつ噴射量の補正量が大きい状態で得られた補正値に応じた量の燃料が噴射されることを抑制することができる。すなわち、燃料噴射手段の異常によるものではなく、潤滑油から蒸発した燃料の影響を強く受けた状態において得られた補正値に応じた量の燃料が噴射されることを抑制することができる。そのため、内燃機関の冷間始動時において、燃料の噴射量が必要以上に減量され、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになることを抑制することができる。その結果、空燃比を適切に制御することができる。
第4の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加え、燃料噴射手段は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段である。内燃機関には、第1の燃料噴射手段に加えて、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段が設けられる。
第4の発明によると、筒内および吸気通路内に燃料が噴射される内燃機関において、冷間始動時に燃料の噴射量が必要以上に減量され、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになることを抑制して、空燃比を適切に制御することができる。
第5の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第4の発明の構成に加え、第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタである。第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである。
第5の発明によると、第1の燃料噴射手段である筒内噴射用インジェクタと第2の燃料噴射手段である吸気通路噴射用インジェクタとを別個に設けて噴射燃料を分担する内燃機関において、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになることを抑制して、空燃比を適切に制御することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU(Electronic Control Unit)で制御されるエンジンシステムの概略構成図を示す。なお、図1には、エンジンとして直列4気筒ガソリンエンジンを示すが、本発明はこのようなエンジンに限定されるものではなく、V型6気筒エンジン、V型8気筒エンジンなど、種々の形式のエンジンに適用可能である。
図1に示すように、エンジン10は、4つの気筒112を備え、各気筒112はそれぞれ対応するインテークマニホールド20を介して共通のサージタンク30に接続されている。サージタンク30は、吸気ダクト40を介してエアクリーナ50に接続され、吸気ダクト40内にはエアフローメータ42が配置されるとともに、電動モータ60によって駆動されるスロットルバルブ70が配置されている。このスロットルバルブ70は、アクセルペダル100とは独立してエンジンECU300の出力信号に基づいてその開度が制御される。一方、各気筒112は共通のエキゾーストマニホールド80に連結され、このエキゾーストマニホールド80は三元触媒コンバータ90に連結されている。
各気筒112に対しては、筒内に向けて燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタ110と、吸気ポートまたは/および吸気通路内に向けて燃料を噴射するための吸気通路噴射用インジェクタ120とがそれぞれ設けられている。これらインジェクタ110、120はエンジンECU300の出力信号に基づいてそれぞれ制御される。また、各気筒内噴射用インジェクタ110は共通の燃料分配管130に接続されており、この燃料分配管130は燃料分配管130に向けて流通可能な逆止弁140を介して、機関駆動式の高圧燃料ポンプ150に接続されている。なお、本実施の形態においては、2つのインジェクタが別個に設けられた内燃機関について説明するが、本発明はこのような内燃機関に限定されない。たとえば、筒内噴射機能と吸気通路噴射機能とを併せ持つような1個のインジェクタを有する内燃機関であってもよい。また、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120のいずれか一方を設けるようにしてもよい。
図1に示すように、高圧燃料ポンプ150の吐出側は電磁スピル弁152を介して高圧燃料ポンプ150の吸入側に連結されており、この電磁スピル弁152の開度が小さいときほど、高圧燃料ポンプ150から燃料分配管130内に供給される燃料量が増大され、電磁スピル弁152が全開にされると、高圧燃料ポンプ150から燃料分配管130への燃料供給が停止されるように構成されている。なお、電磁スピル弁152はエンジンECU300の出力信号に基づいて制御される。
一方、各吸気通路噴射用インジェクタ120は、共通する低圧側の燃料分配管160に接続されており、燃料分配管160および高圧燃料ポンプ150は共通の燃料圧レギュレータ170を介して、電動モータ駆動式の低圧燃料ポンプ180に接続されている。さらに、低圧燃料ポンプ180は燃料フィルタ190を介して燃料タンク200に接続されている。燃料圧レギュレータ170は低圧燃料ポンプ180から吐出された燃料の燃料圧が予め定められた設定燃料圧よりも高くなると、低圧燃料ポンプ180から吐出された燃料の一部を燃料タンク200に戻すように構成されており、したがって吸気通路噴射用インジェクタ120に供給されている燃料圧および高圧燃料ポンプ150に供給されている燃料圧が上記設定燃料圧よりも高くなるのを阻止している。
エンジン10の潤滑系は、クランクケースの一部として形成されるオイルパンと、潤滑油供給装置を備えて構成される。この潤滑油供給装置は、オイルポンプ、フィルタ、オイルジェット機構等を備えている。オイルパン内の潤滑油は、フィルタを介してオイルポンプにより吸引され、オイルジェット機構に供給される。ピストンと気筒内周面(ボア)との間を潤滑するにあたっては、オイルジェット機構に供給された潤滑油が、この機構から気筒内周面に供給される。その後、潤滑油はピストンが往復動するのに伴って気筒内周面からその下方にかき落とされ、最終的にオイルパンに戻される。そして、このかき落とされた潤滑油はオイルパン内の潤滑油と混合された後、再びエンジン10の潤滑に供される。なお、気筒内周面に供給されてピストンの潤滑に供された潤滑油は、エンジン10の燃焼熱により温度上昇した後、オイルパンに戻される。
エンジンECU300は、デジタルコンピュータから構成され、双方向性バス310を介して相互に接続されたROM(Read Only Memory)320、RAM(Random Access Memory)330、CPU(Central Processing Unit)340、入力ポート350および出力ポート360を備えている。
エアフローメータ42は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、このエアフローメータ42の出力電圧はA/D変換器370を介して入力ポート350に入力される。エンジン10には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生する水温センサ380が取付けられ、この水温センサ380の出力電圧は、A/D変換器390を介して入力ポート350に入力される。
燃料分配管130には燃料分配管130内の燃料圧に比例した出力電圧を発生する燃料圧センサ400が取付けられ、この燃料圧センサ400の出力電圧は、A/D変換器410を介して入力ポート350に入力される。三元触媒コンバータ90上流のエキゾーストマニホールド80には、排気ガス中の酸素濃度に比例した出力電圧を発生する空燃比センサ420が取付けられ、この空燃比センサ420の出力電圧は、A/D変換器430を介して入力ポート350に入力される。
本実施の形態に係るエンジンシステムにおける空燃比センサ420は、エンジン10で燃焼された混合気の空燃比に比例した出力電圧を発生する全域空燃比センサ(リニア空燃比センサ)である。なお、空燃比センサ420としては、エンジン10で燃焼された混合気の空燃比が理論空燃比に対してリッチであるかリーンであるかをオン−オフ的に検出するO2センサを用いてもよい。
本実施の形態において、エンジンECU300は、空燃比センサ420の出力電圧に基づいて、燃料の総噴射量のフィードバック補正量を算出する。また、予め定められた学習条件が成立した場合、フィードバック補正量の学習値(燃料噴射量の恒常的なズレ量を表す値)を算出する。フィードバック補正量およびその学習値の算出は、吸入空気量をパラメータとして予め定められた学習領域内において行なわれる。学習領域については後で詳述する。
本実施の形態においては、空燃比がリーンである場合(理論空燃比よりもリーンである場合)、フィードバック補正量が増大するように算出される。空燃比がリッチである場合(理論空燃比よりもリッチである場合)、フィードバック補正量が減少するように算出される。なお、フィードバック補正量の算出方法については、公知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰返さない。
学習値は、予め定められた学習条件が満たされた場合に、マップに基づいて決定される更新量を、前回算出された学習値に加算または前回算出された学習値から減算することにより算出される。予め定められた学習条件は、たとえばフィードバック補正量の平均値(制御中心値)がしきい値(1)よりも小さいという条件やしきい値(2)(しきい値(2)>しきい値(1))よりも大きいという条件である。
燃料噴射量が過剰であるほど(目標の燃料噴射量よりも実際の燃料噴射量が多いほど)、学習値が小さい値として算出される。一方、燃料噴射量が不足するほど(目標の燃料噴射量よりも実際の燃料噴射量が少ないほど)、学習値が大きい値として算出される。
なお、学習値の算出方法については、公知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰返さない。
燃料噴射量は、フィードバック補正量および学習値に基づいて補正される。すなわち、フィードバック補正量や学習値が大きいほど、燃料噴射量が増大するように補正され、フィードバック補正量や学習値が小さいほど、燃料噴射量が減少するように補正される。本実施の形態において、燃料噴射量の補正量(以下、燃料補正量とも記載する)は、フィードバック補正量と学習値との和として算出される。
アクセルペダル100は、アクセルペダル100の踏込み量に比例した出力電圧を発生するアクセル開度センサ440に接続され、アクセル開度センサ440の出力電圧は、A/D変換器450を介して入力ポート350に入力される。また、入力ポート350には、機関回転数を表わす出力パルスを発生する回転数センサ460が接続されている。エンジンECU300のROM320には、上述のアクセル開度センサ440および回転数センサ460により得られる機関負荷率および機関回転数に基づき、運転状態(吸入空気量等)に対応させて設定されている燃料噴射量の値や機関冷却水温に基づく補正値などが予めマップ化されて記憶されている。
図2および図3を参照して、エンジン10の運転状態に対応させた情報である、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け比率(以下、DI比率(r)とも記載する。)を表わすマップについて説明する。これらのマップは、
エンジンECU300のROM320に記憶される。図2は、エンジン10の温間用マップであって、図3は、エンジン10の冷間用マップである。
図2および図3に示すように、これらのマップは、エンジン10の回転数を横軸にして、負荷率を縦軸にして、筒内噴射用インジェクタ110の分担比率がDI比率rとして百分率で示されている。
図2および図3に示すように、エンジン10の回転数と負荷率とに定まる運転領域ごとに、DI比率rが設定されている。「DI比率r=100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味し、「DI比率r=0%」とは、吸気通路噴射用インジェクタ120からのみ燃料噴射が行なわれる領域であることを意味する。「DI比率r≠0%」、「DI比率r≠100%」および「0%<DI比率r<100%」とは、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120とで燃料噴射が分担して行なわれる領域であることを意味する。なお、概略的には、筒内噴射用インジェクタ110は、出力性能の上昇に寄与し、吸気通路噴射用インジェクタ120は、混合気の均一性に寄与する。このような特性の異なる2種類のインジェクタを、エンジン10の回転数と負荷率とで使い分けることにより、エンジン10が通常運転状態(たとえば、アイドル時の触媒暖気時が、通常運転状態以外の非通常運転状態の一例であるといえる)である場合には、均質燃焼のみが行なわれるようにしている。
さらに、これらの図2および図3に示すように、温間時のマップと冷間時のマップとに分けて、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120のDI分担率rを規定した。エンジン10の温度が異なると、筒内噴射用インジェクタ110および吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が異なるように設定されたマップを用いて、エンジン10の温度を検知して、エンジン10の温度が予め定められた温度しきい値以上であると図2の温間時のマップを選択して、そうではないと図3に示す冷間時のマップを選択する。それぞれ選択されたマップに基づいて、エンジン10の回転数と負荷率とに基づいて、筒内噴射用インジェクタ110および/または吸気通路噴射用インジェクタ120を制御する。
本実施の形態においては、燃料の総噴射量が所望の噴射量になるように、DI比率rに基づいて、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射量および吸気通路噴射用インジェクタ120からの燃料噴射量が決定される。
図2および図3に設定されるエンジン10の回転数と負荷率について説明する。図2のNE(1)は2500〜2700rpmに設定され、KL(1)は30〜50%、KL(2)は60〜90%に設定されている。また、図3のNE(3)は2900〜3100rpmに設定されている。すなわち、NE(1)<NE(3)である。その他、図2のNE(2)や、図3のKL(3)、KL(4)も適宜設定されている。
図2および図3を比較すると、図2に示す温間用マップのNE(1)よりも図3に示す冷間用マップのNE(3)の方が高い。これは、エンジン10の温度が低いほど、吸気通路噴射用インジェクタ120の制御領域が高いエンジン回転数の領域まで拡大されるということを示す。すなわち、エンジン10が冷えている状態であるので、(たとえ、筒内噴射用インジェクタ110から燃料を噴射しなくても)筒内噴射用インジェクタ110の噴口にデポジットが堆積しにくい。このため、吸気通路噴射用インジェクタ120を使って燃料を噴射する領域を拡大するように設定され、均質性を向上させることができる。
図2および図3を比較すると、エンジン10の回転数が、温間用マップにおいてはNE(1)以上の領域において、冷間用マップにおいてはNE(3)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。また、負荷率が、温間用マップにおいてはKL(2)以上の領域において、冷間用マップにおいてはKL(4)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。これは、予め定められた高エンジン回転数領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されること、予め定められた高エンジン負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されるということを示す。すなわち、高回転領域や高負荷領域においては、筒内噴射用インジェクタ110のみで燃料を噴射しても、エンジン10の回転数や負荷が高く吸気量が多いので筒内噴射用インジェクタ110のみでも混合気を均質化しやすいためである。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料は燃焼室内で気化潜熱を伴い(燃焼室から熱を奪い)気化される。これにより、圧縮端での混合気の温度が下がる。これにより対ノッキング性能が向上する。また、燃焼室の温度が下がるので、吸入効率が向上し高出力が見込める。
図2に示す温間マップでは、負荷率KL(1)以下では、筒内噴射用インジェクタ110のみが用いられる。これは、エンジン10の温度が高いときであって、予め定められた低負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されるということを示す。これは、温間時においてはエンジン10が暖まった状態であるので、筒内噴射用インジェクタ110の噴口にデポジットが堆積しやすい。しかしながら、筒内噴射用インジェクタ110を使って燃料を噴射することにより噴口温度を低下させることができるので、デポジットの堆積を回避することも考えられ、また、筒内噴射用インジェクタの最小燃料噴射量を確保して、筒内噴射用インジェクタ110を閉塞させないことも考えられ、このために、筒内噴射用インジェクタ110を用いた領域としている。
図2および図3を比較すると、図3の冷間用マップにのみ「DI比率r=0%」の領域が存在する。これは、エンジン10の温度が低いときであって、予め定められた低負荷領域(KL(3)以下)では吸気通路噴射用インジェクタ120のみが使用されるということを示す。これはエンジン10が冷えていてエンジン10の負荷が低く吸気量も低いため燃料が霧化しにくい。このような領域においては筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射では良好な燃焼が困難であるため、また、特に低負荷および低回転数の領域では筒内噴射用インジェクタ110を用いた高出力を必要としないため、筒内噴射用インジェクタ110を用いないで、吸気通路噴射用インジェクタ120のみを用いる。
また、通常運転時以外の場合、エンジン10がアイドル時の触媒暖気時の場合(非通常運転状態であるとき)、成層燃焼を行なうように筒内噴射用インジェクタ110が制御される。このような触媒暖気運転中にのみ成層燃焼させることで、触媒暖気を促進させ、排気エミッションの向上を図る。
図4および図5を参照して、フィードバック補正量およびその学習値が算出される学習領域について説明する。なお、図4は温間マップにおける学習領域を示し、図5は冷間マップにおける学習領域を示す。
図4および図5において互いに隣接する一点鎖線で示す曲線で挟まれた領域が学習領域である。学習領域は、吸入空気量に応じて区分される。吸入空気量に応じた学習領域を設定するのは、エアフローメータ42の出力の誤差が吸入空気量に応じて異なるためである。
本実施の形態においては、学習領域(1)〜(4)までの4つの学習領域が設けられる。学習領域(1)、学習領域(2)、学習領域(3)、学習領域(4)の順に、吸入空気量が多い。なお、学習領域の数は4つに限らない。
本実施の形態においては、学習領域に加え、噴射領域(「DI比率r=100%」の領域、「0%<DI比率r<100%」の領域および「DI比率r=0%」の領域)毎にフィードバック補正量およびその学習値が算出される。すなわち、各噴射領域について、学習領域毎にフィードバック補正量が算出され、図6に示すように、噴射領域および学習領域に対応して学習値が算出される。なお、図6においては、各噴射領域において、学習領域毎に1つずつ学習値が算出された状態を示す。図6における四角の点は「DI比率r=100%」の領域における学習値を示す。丸の点は「0%<DI比率r<100%」の領域における学習値を示す。三角の点は「DI比率r=0%」の領域における学習値を示す。算出された学習値は、RAM330に記憶される。学習値が記憶されるRAM330には、たとえばSRAM(Static Random Access Memory)が用いられる。
図7を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU300により実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図7のフローチャートに示すプログラムは、所定の時間周期T毎に行なわれる。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、エンジンECU300は、オイル希釈度合算出処理を実行する。なおこのS100における処理は、別のサブルーチンとして設けられ詳しくは図8を用いて説明する。
S200にて、エンジンECU300は、オイル希釈度が大であるか否かを判断する。この判断は、後述する燃料希釈発生フラグXSがON状態であるか否かに基づいて行なわれる。オイル希釈が大であることを示す燃料希釈発生フラグXSがON状態であると(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでない場合(S200にてNO)、この処理は終了する。
S300にて、エンジンECU300は、しきい値よりも小さい範囲の学習値の記憶を禁止する。すなわち、エンジンECU300は、燃料噴射量の減量補正量が予め定められた量よりも大きい範囲の学習値の記憶を禁止する。これにより、エンジンECU300は、オイル希釈度が大である場合は、しきい値よりも大きい範囲の学習値(燃料噴射量の減量補正量が予め定められた量よりも小さい範囲の学習値)のみをRAM330に記憶することになる。その後、この処理は終了する。
図8を参照して、図7のS100のオイル希釈度合い算出処理のサブルーチンプログラムの制御構造について説明する。
本実施の形態においては、潤滑油全体の燃料希釈度合いについて、その増大速度および低下速度を周期的に算出して、現在推定されている燃料希釈度合いの値をこれら算出される増大速度および低下速度に基づいて更新するとともに、その更新値を新たな燃料希釈度合いの値として学習するようにしている。
エンジンECU300は、図7のフローチャートに示されるプログラムを所定の時間周期T毎に行なうため、この図8のフローチャートに示されるサブルーチンプログラムも所定の時間周期T毎に繰り返し実行される。
S110にて、エンジンECU300は、式(1)に基づいて単位時間当たりの燃料希釈量ΔFD、すなわち、時間周期Tの間に行なわれる燃料噴射を通じて潤滑油に新たに混入する燃料の量が算出される。また、この燃料希釈量ΔFDは、潤滑油全体からの燃料蒸発を考慮しない場合での燃料希釈度合いの増大速度に相当する。
ΔFD←Σf(QINJi,AINJi,THWi) …(1)
ここで、i=1,2,3,・・・,n、f()は、1回の燃料噴射により生じる燃料希釈量を求めるための関数であり、その燃料噴射が実行されるときの、燃料噴射量QINJ、燃料噴射時期AINJ、機関冷却水温THWを、パラメータとしている。また、「i」は、その燃料噴射が前回の制御周期から何回目のものに相当するかを示している。たとえば、前回の制御周期から今回の制御周期までの間に3回の燃料噴射が行なわれた場合、式(1)は式(2)のように表わすことができる。
ΔFD←f(QINJ1,AINJ2,THW1)+f(QINJ2,AINJ2,THW2)+f(QINJ3,AINJ2,THW3) …(2)
なお、この関数f()は、実験等により予め求められ、エンジンECU300のROM320に関数マップとして記憶されている。また、その基本的な特性は、1)燃料噴射量QINJが多くなるほど関数f()の値は大きくなる、2)燃料噴射時期AINJが遅角側にあるほど関数f()の値は大きくなる、3)機関冷却水温THWが低くなるほど関数f()の値は大きくなる。
なお、関数f()のパラメータとして、それぞれ燃料噴射量QINJ、燃料噴射時期AINJ、機関冷却水温THWを選択するようにした理由は、以下の通りである。燃料噴射により生じる燃料希釈は、気筒内周面に付着した燃料が燃焼に供されることなく残留した場合に発生するため、この気筒内周面の燃料付着量が多くなるほど、潤滑油全体の燃料希釈度合いも大きく増大すると考えられる。この気筒内周面の燃料付着量はこれを直接検出することは通常困難であるが、この気筒内周面の燃料付着量と相関を有するパラメータを適切に選択すれば、これを的確に推定して求めることができるようになる。
燃料噴射量QINJ、燃料噴射時期AINJおよび機関冷却水温THWは、いずれも気筒内周面の燃料付着量と相関を有するパラメータの代表例である。たとえば、燃料噴射量QINJが多くなれば、気筒内周面の燃料付着量は当然ながら多くなる。また、気筒内周
面に燃料が付着する場合、単位面積当たりに付着し得る燃料の量、換言すれば気筒内周面上に形成される燃料層の厚さには上限値が存在する。したがって、燃料の付着面積が増大すれば、そうした燃料層の厚さがその上限値に達することも少なくなり、気筒内周面にはより多くの燃料が付着し得るようになる。そして、この燃料付着面積、すなわち燃料噴射時にピストンにより覆われずに燃焼室に露出する気筒内周面の面積は、燃料噴射時期AINJによって決定され、吸気行程噴射を前提とすれば、同燃料噴射時期AINJが遅角側の時期に設定されるときほど大きくなる。したがって、燃料噴射時期AINJがより遅角側の時期に設定されるときほど気筒内周面の燃料付着量は多くなる。
さらに、気筒内周面等の燃料付着は基本的に噴射燃料の霧化が促進されず、その粒径が大きいときに顕著になる。また、この霧化程度は、燃料噴射圧を一定とすると、燃焼室や燃料の温度に大きく依存している。さらに、これら燃焼室や燃料の温度は、機関冷却水温THWと相関を有している。したがって、機関冷却水温THWが低いときほど燃料の霧化が促進されず、したがって気筒内周面の燃料付着量は多くなる。
本実施の形態においては、これらの点を考慮して、燃料噴射量QINJ、燃料噴射時期AINJ、および機関冷却水温THWを、気筒内周面の燃料付着量と相関を有するパラメータとして選択している。
S120にて、エンジンECU300は、式(3)に基づいて、単位時間当たりの燃料蒸発量ΔFV、すなわち、時間周期Tの間に潤滑油全体から蒸発する燃料の量を算出する。また、この燃料蒸発量ΔFVは、燃料噴射による燃料希釈を考慮しない場合の燃料希釈度合いの低下速度に相当する。
ΔFV←g(THWST,QINJSUM,GASUM) …(3)
ここで、g()は、時間周期Tあたりの燃料蒸発量ΔFVを求めるための関数であり、機関始動時水温THWST、機関始動後の燃料噴射量積算値QINJSUMおよび機関始動後の吸入空気量積算値GASUMを、パラメータとしている。ちなみに、機関始動時水温THWSTは機関始動時における潤滑油の初期温度を推定するためのものであり、また機関始動後の燃料噴射量積算値QINJSUMおよび吸入空気量積算値GASUMは、その後の潤滑油の温度上昇量を推定するためのものである。すなわち、関数g()は、基本的に、潤滑油温度を推定し、その推定結果を燃料の蒸発量に変換するためのものである。この関数g()は、実験等を通じて予め求められ、エンジンECU300のROM320に関数マップとして記憶されている。また、その基本的な特性は、以下に示す通りである。1)機関始動時水温THWSTが高くなるほどg()の値は大きくなる、2)機関始動後の燃料噴射量積算値QINJSUMが多くなるほどg()の値は大きくなる、3)機関始動後の吸入空気量積算値GASUMが多くなるほどg()の値は大きくなる。このようにして単位時間当たり燃料希釈量ΔFDおよび燃料蒸発量ΔFVが算出される。
S130にて、エンジンECU300は、式(4)に基づいて、燃料希釈度合いFDSUMを算出する。
FDSUM←FDSUM+ΔFD−ΔFV …(4)
式(4)に示されるように、ここでは、燃料希釈度合いFDSUMの増大速度ΔFDおよびその低下速度ΔFVに基づいて、現在の燃料希釈度合いFDSUMが更新される。そして、その更新値が新たな燃料希釈度合いFDSUMとして学習され、エンジンECU300を構成する不揮発性のRAMに記憶される。燃料希釈度合いFDSUMを不揮発性のRAMに記憶することにより、補機バッテリの交換時などにおけるOBD(On Board Diagnosis)の誤検出を防止することができる。
S140にて、エンジンECU300は、燃料希釈度合いFDSUMと判定値FDSUMHとを比較する。燃料希釈度合いFDSUMが判定値FDSUMH以上であると(S140にてYES)、潤滑油全体の燃料希釈度合いが大きくなっており、これ以上燃料希釈が進行すると潤滑性能の低下等、その悪影響がもはや無視できない程度に大きくなるものと判定され、処理はS150へ移される。もしそうでないと(S140にてNO)、処理はS160へ移される。
S150にて、エンジンECU300は、燃料希釈発生フラグXSを「ON」に設定する。
S160にて、エンジンECU300は、燃料希釈度合いFDSUMと判定値FDSUML(<FDSUMH)とを比較する。燃料希釈度合いFDSUMが判定値FDSUML以下であると(S160にてYES)、潤滑油全体の燃料希釈度合いが小さく、したがって燃料噴射によって燃料希釈が一時的に発生して潤滑油全体の燃料希釈度合いが進行したとしても、これによるエンジン10への悪影響はほぼ無視できる程度のものであると判定され、処理はS170へ移される。もしそうでないと(S160にてNO)、この処理は終了する。
S170にて、エンジンECU300は、燃料希釈発生フラグXSを「OFF」に設定する。
なお、各判定値FDSUML,FDSUMHについて(FDSUML<FDSUMH)なる大小関係を設定して異ならせることにより、燃料希釈発生フラグXSのオン・オフ操作する際の実行条件にいわゆるヒステリシスをもたせている。このように設定すると、たとえば、エンジン10の運転状態が変化していないのにも関わらず、燃料希釈発生フラグXSが過度にオン・オフ操作されて燃圧が短時間の間に頻繁に変更される等、こうしたヒステリシスを設定していない場合に懸念される燃料噴射制御の不安定化を回避することができる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU300の動作について説明する。なお、以下の説明では、図8示す燃料希釈発生フラグXSがON状態にセットされていると想定する。
この状態では、インジェクタから噴射された燃料によりオイルの希釈度合いが大であると判断される(S200にてYES)。この場合、オイルから蒸発して、PCVバルブ等から再び気筒内に戻される燃料が混合気の空燃比に与える影響が大きい。そのため、空燃比センサ420により検出される空燃比が目標の空燃比(たとえば理論空燃比)よりもリッチになる。したがって、フィードバック補正量の学習値は、インジェクタからの燃料噴射量を減量するように算出される。
この学習値をそのままRAM330に記憶させたとすると、一旦エンジン10を停止した後、再始動する際にも、記憶された学習値に基づいた量の燃料が噴射されることになる。このとき、エンジン10が冷めた状態、すなわち冷間始動時においては、オイルから蒸発する燃料量が温間時に比べて少ないため、温間時であって燃料によるオイルの希釈度合いが大きい場合に得られた学習値を用いると、噴射する燃料量が、目標の空燃比に対して不足する。すなわち、実際の空燃比が目標の空燃比よりもリーンになる。
これを抑制するため、燃料によるオイル希釈度合いが大であると判断された場合(S200にてYES)、しきい値よりも小さい範囲の学習値の記憶が禁止される(S300)。これにより、燃料噴射量の減量補正量が予め定められた量よりも大きい範囲の学習値の記憶が禁止され、しきい値よりも大きい範囲の学習値(燃料噴射量の減量補正量が予め定められた量よりも小さい範囲の学習値)のみがRAM330に記憶される。そのため、一旦エンジン10を停止し、エンジン10が冷めた状態で始動する際において、噴射する燃料量が必要以上に減量され、空燃比が目標の空燃比よりもリーンになることを抑制することができる。
一方、学習値がしきい値よりも大きい場合(S300にてNO)、すなわち、燃料噴射量の減量補正量が予め定められた量よりも小さい場合、このときの学習値に基づいた量の燃料を、エンジン停止後の冷間始動時などにおいて噴射しても、燃料量が不足する度合いが小さい。したがって、学習値の記憶が禁止されない。これにより、学習値により適切に制御された燃料量を得ることができる。そのため、空燃比を目標の空燃比に近づけることができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUによれば、燃料によるオイル希釈度合いが大であると判断された場合、しきい値よりも小さい範囲の学習値(燃料噴射量の減量補正量が大きい範囲の学習値)の記憶が禁止される。これにより、温間時であって燃料によるオイルの希釈度合いが大きい場合において、燃料噴射量を大きく減量するように得られた学習値を用いることにより、一旦エンジンを停止した後の冷間始動時において噴射される燃料量が不足し、空燃比が目標の空燃比に対してリーンになることを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、単位時間当たりの燃料希釈量ΔFDおよび燃料蒸発量ΔFVから、燃料希釈度合いFDSUMを算出していたが、燃料希釈度合いFDSUMの算出方法はこれに限らず、その他、燃料希釈量ΔFDおよび燃料蒸発量ΔFVを算出せずに、燃料希釈度合いFDSUMを算出するようにしてもよい。すなわち、燃料噴射量QINJ、燃料噴射時期AINJ、機関冷却水温THW、機関始動時水温THWST、機関始動後の燃料噴射量積算値QINJSUMおよび機関始動後の吸入空気量積算値GASUMの少なくともいずれか一つをパラメータとして、燃料希釈度合いFDSUMを算出するようにしてもよい。
また、燃料によるオイル希釈度合いが大であると判断された場合にしきい値よりも小さい範囲の学習値の記憶を禁止する代わりに、フィードバック補正量の算出のみを行ない、しきい値よりも小さい範囲の学習値の算出自体を禁止するようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
図9および図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、前述の第1の実施の形態とは異なるマップを用いて、DI比率rを算出する。
その他の構造、処理フローについては、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図9および図10を参照して、エンジン10の運転状態に対応させた情報である、筒内噴射用インジェクタ110と吸気通路噴射用インジェクタ120との噴き分け比率を表わすマップについて説明する。これらのマップは、エンジンECU300のROM320に記憶される。図9は、エンジン10の温間用マップであって、図10は、エンジン10の冷間用マップである。
図9および図10を比較すると、以下の点で図2および図3と異なる。エンジン10の回転数が、温間用マップにおいてはNE(1)以上の領域において、冷間用マップにおいてはNE(3)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。また、負荷率が、温間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(2)以上の領域において、冷間用マップにおいては低回転数領域を除くKL(4)以上の領域において、「DI比率r=100%」である。これは、予め定められた高エンジン回転数領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用されること、予め定められた高エンジン負荷領域では筒内噴射用インジェクタ110のみが使用される領域が多いことを示す。しかしながら、低回転数領域の高負荷領域においては、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料により形成される混合気のミキシングが良好ではなく、燃焼室内の混合気が不均質で燃焼が不安定になる傾向を有する。このため、このような問題が発生しない高回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタの噴射比率を増大させるようにしている。また、このような問題が発生する高負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させるようにしている。これらのDI比率rの変化を図9および図10に十字の矢印で示す。このようにすると、燃焼が不安定であることに起因するエンジンの出力トルクの変動を抑制することができる。なお、これらのことは、予め定められた低回転数領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を減少させることや、予め定められた低負荷領域へ移行するに伴い筒内噴射用インジェクタ110の噴射比率を増大させることと、略等価であることを確認的に記載する。また、このような領域(図9および図10で十字の矢印が記載された領域)以外の領域であって筒内噴射用インジェクタ110のみで燃料を噴射している領域(高回転側、低負荷側)においては、筒内噴射用インジェクタ110のみでも混合気を均質化しやすい。このようにすると、筒内噴射用インジェクタ110から噴射された燃料は燃焼室内で気化潜熱を伴い(燃焼室から熱を奪い)気化される。これにより、圧縮端での混合気の温度が下がる。これにより対ノッキング性能が向上する。また、燃焼室の温度が下がるので、吸入効率が向上し高出力が見込める。
なお、第1および第2の実施の形態において説明したこのエンジン10においては、均質燃焼は筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを吸気行程とすることにより、成層燃焼は筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程とすることにより実現できる。すなわち、筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程とすることで、点火プラグ周りにリッチ混合気が偏在させることにより燃焼室全体としてはリーンな混合気に着火する成層燃焼を実現することができる。また、筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを吸気行程としても点火プラグ周りにリッチ混合気を偏在させることができれば、吸気行程噴射であっても成層燃焼を実現できる。
また、ここでいう成層燃焼には、成層燃焼と以下に示す弱成層燃焼の双方を含むものである。弱成層燃焼とは、吸気通路噴射用インジェクタ120を吸気行程で燃料噴射して燃焼室全体にリーンで均質な混合気を生成して、さらに筒内噴射用インジェクタ110を圧縮行程で燃料噴射して点火プラグ周りにリッチな混合気を生成して、燃焼状態の向上を図るものである。このような弱成層燃焼は触媒暖気時に好ましい。これは、以下の理由による。すなわち、触媒暖気時には高温の燃焼ガスを触媒に到達させるために点火時期を大幅に遅角させ、かつ良好な燃焼状態(アイドル状態)を維持する必要がある。また、ある程度の燃料量を供給する必要がある。これを成層燃焼で行なおうとしても燃料量が少ないという問題があり、これを均質燃焼で行なおうとしても良好な燃焼を維持するために遅角量が成層燃焼に比べて小さいという問題がある。このような観点から、上述した弱成層燃焼を触媒暖気時に用いることが好ましいが、成層燃焼および弱成層燃焼のいずれであっても構わない。
また、第1および第2の実施の形態において説明したエンジンにおいては、筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射のタイミングは、以下のような理由により、圧縮行程で行なうことが好ましい。ただし、上述したエンジン10は、基本的な大部分の領域には(触媒暖気時にのみに行なわれる、吸気通路噴射用インジェクタ120を吸気行程噴射させ、筒内噴射用インジェクタ110を圧縮行程噴射させる弱成層燃焼領域以外を基本的な領域という)、筒内噴射用インジェクタ110による燃料噴射のタイミングは、吸気行程である。しかしながら、以下に示す理由があるので、燃焼安定化を目的として一時的に筒内噴射用インジェクタ110の燃料噴射タイミングを圧縮行程噴射とするようにしてもよい。
筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射時期を圧縮行程中とすることで、筒内温度がより高い時期において、燃料噴射により混合気が冷却される。冷却効果が高まるので、対ノック性を改善することができる。さらに、筒内噴射用インジェクタ110からの燃料噴射時期を圧縮行程中とすると、燃料噴射から点火時期までの時間が短いことから噴霧による気流の強化を実現でき、燃焼速度を上昇させることができる。これらの対ノック性の向上と燃焼速度の上昇とから、燃焼変動を回避して、燃焼安定性を向上させることができる。
さらに、エンジン10の温度によらず(すなわち、温間時および冷間時のいずれの場合であっても)、オフアイドル時(アイドルスイッチがオフの場合、アクセルペダルが踏まれている場合)には、図2または図9に示す温間マップを用いるようにしてもよい(冷間温間を問わず、低負荷領域において筒内噴射用インジェクタ110を用いる)。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置で制御されるエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される温間時のDI比率マップを表わす図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される冷間時のDI比率マップを表わす図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される、燃料噴射量の学習領域を示す図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される、燃料噴射量の学習領域を示す図(その2)である。 各噴射領域について、学習領域毎に学習値が算出された状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される温間時のDI比率マップを表わす図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される冷間時のDI比率マップを表わす図である。
符号の説明
10 エンジン、20 インテークマニホールド、30 サージタンク、40 吸気ダクト、42 エアフローメータ、50 エアクリーナ、60 電動モータ、70 スロットルバルブ、80 エキゾーストマニホールド、90 三元触媒コンバータ、100 アクセルペダル、110 筒内噴射用インジェクタ、112 気筒、120 吸気通路噴射用インジェクタ、130 燃料分配管、140 逆止弁、150 高圧燃料ポンプ、152 電磁スピル弁、160 燃料分配管(低圧側)、170 燃料圧レギュレータ、180 低圧燃料ポンプ、190 燃料フィルタ、200 燃料タンク、300 エンジンECU、310 双方向性バス、320 ROM、330 RAM、340 CPU、350 入力ポート、360 出力ポート、370,390,410,430,450 A/D変換器、380 水温センサ、400 燃料圧センサ、420 空燃比センサ、440
アクセル開度センサ、460 回転数センサ。

Claims (5)

  1. 燃料を噴射するための燃料噴射手段を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の空燃比を検知するための検知手段と、
    前記検知された空燃比に基づいて燃料噴射量の補正値を算出するための算出手段と、
    前記補正値に応じた量の燃料が噴射されるように、前記燃料噴射手段を制御するための制御手段と、
    前記内燃機関の潤滑に用いられる潤滑油が燃料により希釈された度合いを推定するための推定手段と、
    前記度合いに応じて補正値の記憶範囲を決定するための決定手段とを含む、内燃機関の制御装置。
  2. 前記決定手段は、前記度合いが大きいと推定された場合には、予め定められた範囲の補正値の記憶を禁止するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記予め定められた範囲は、燃料噴射量の補正量が予め定められた量よりも大きくなるという範囲である、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記燃料噴射手段は、筒内に燃料を噴射するための第1の燃料噴射手段であって、
    前記内燃機関には、前記第1の燃料噴射手段に加えて、吸気通路内に燃料を噴射するための第2の燃料噴射手段が設けられる、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記第1の燃料噴射手段は、筒内噴射用インジェクタであって、
    前記第2の燃料噴射手段は、吸気通路噴射用インジェクタである、請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
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