JP2005048686A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

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Hiroshi Nakanishi
博志 中西
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Abstract

【課題】 HCFC、HFC冷媒用の圧縮機において、シリンダとベーンの組合せで相互の摩耗を低減し長期の使用に耐える材料を提供する。
【解決手段】 シリンダの黒鉛相は自己潤滑性と冷凍機油との潤滑性を与え、ベーンとの摺動摺動性を確保するのに必要な相であり、黒鉛は球状より片状が摺動性に優れているため、本願発明の圧縮機のシリンダはA型黒鉛が分散したネズミ鋳鉄とし、その存在量が多いと摺動性が向上するので8%以上の黒鉛面積率とし、相手ベーン材にハイス系焼結部品、またはPVDコーティングしたベーン材を組み合わせることにより、耐摩耗性を向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は主として業務用および家庭用の冷凍空調に使用されるHCFCおよびHFC冷媒用の冷媒圧縮機に関するものである。
従来の冷媒圧縮機としては、基地中に片状黒鉛の晶出したネズミ鋳鉄をシリンダに、焼結材あるいは鋼の表面にCrNコーティングを施したものをベーンに使用しているもので、シリンダは黒鉛形状がA形黒鉛でパーライト量を80%以上含んだねずみ鋳鉄を特徴とするものであった。
従来の冷媒圧縮機として代表的な例はロータリ圧縮機であり、これを図1は、本発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の機構部の縦断面図、図2はその圧縮機構の要部を示す横断面図である。
図1及び図2において1は密閉容器であり、電動機部2と圧縮機構部3が配置されている。電動機部2は回転子2aと固定子2bから構成され、回転子2aには主軸受9と副軸受10により回転自在に支持されたシャフト8が圧入等の方法により固定されている。圧縮機部3は吸入孔5および径方向のシリンダ溝23を有するシリンダ20と、外周面をシリンダ20の内周面に摺動しながら偏芯回転するローラ7と、ローラ7の内周面に摺動自在に挿入されたシャフト8の偏芯部と、シリンダ溝23に往復摺動自在に収納されてスプリング24による押圧力と背圧(吐出圧)により先端部がローラ7に押し付けられてシリンダ内部空間を吸入室25と圧縮室26に分割するベーン21と、シリンダ両端面を密閉する主軸受9および副軸受10とから構成されている。
次に、本構成によるロータリ圧縮機の動作を説明する。電動機部2に外部から通電することにより回転子が回転してシャフト8が回転駆動される。シャフト8が回転すると偏芯部に摺動自在に取り付けられたローラ7がシリンダ内周面に摺接しながら遊星運動(図2で反時計方向回転)を行う。その結果、HFCなどの冷媒ガスが吸入管4から吸入孔5を介して吸入室25に吸い込まれ、同時に圧縮室26で圧力を上げられた冷媒ガスが吐出切り欠き22から吐出孔6を通して密閉容器1内に吐出される。
なお、図1では見やすくするために吐出孔6の位置を吸入孔から離れた位置に描いたが、実際には図2に示すようにベーン21を挟んで吸入孔5の近くに配置されている。
この時、吸入室25と圧縮室26とを仕切るベーン21はスプリング24とベーン背部にかかる圧力によりローラ7の外周面に押しつけられており、先端部がローラ7の外周面と、側面部がシリンダ溝23の内壁面と摺動することになる。ベーン21とローラ7およびシリンダ溝23の潤滑は定常運転状態では密閉容器底部に貯留されている潤滑油12を使って行われるが、始動時には摺動部に十分な潤滑油が存在しておらず、吸入された冷媒ガスに僅かながら含まれている潤滑油12(潤滑油は僅かではあるが冷媒ガスと共に圧縮機から吐出され、冷凍サイクルを循環した後、再び吸入管4から圧縮機に戻ってくる)が使われることになる。
前記シリンダ23は、ネズミ鋳鉄が使用されており、その組織は図3のようにパーライト基地中に片状黒鉛が晶出したものとなっている。 一般にネズミ鋳鉄は基地中の黒鉛が潤滑剤の作用を示し、シリンダ溝23を介したベーン21との摩擦摩耗を低減する役割を果たしている。
しかし、前述のように、密閉型ロータリ圧縮機の始動時における摺動条件は潤滑油が十分に供給されない厳しいものであり、特にベーンとシリンダ溝の間は往復運動となるため油膜が形成されにくいため更に厳しい摺動条件であるということがいえる。また、近年環境対策のために採用されているHFC冷媒はそれ自身に潤滑性が乏しいので、HFC冷媒を使用したロータリ圧縮機の摺動条件は特に厳しいものであるといえる。
特開平11−22677号公報
しかしながら、前記従来の構成では、基地中のパーライト量に対する規定はあるもののネズミ鋳鉄の本質である基地中に晶出した片状黒鉛に対する規定がないため、基地中に含まれる片状黒鉛の量が減少すると、シリンダもしくは相手材ベーンの摩耗が多くなるという課題があった。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、ネズミ鋳鉄であるシリンダの片状黒鉛の量を規定し、併せて相手材ベーンとの組み合わせにより、耐摩耗に優れた信頼性の高い冷媒圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の冷媒圧縮機は、加工面に5%以上のフェライトを含まないパーライト基地とした片状黒鉛が晶出し、耐摩耗性を確保するため基地中の片状黒鉛面積率を8%以上15%以下で、CE値を3.80から4.10とすることを特徴としたネズミ鋳鉄を使用したシリンダから構成されたものであることを特徴とする冷媒圧縮機である。
本構成により、耐摩耗性の優れた信頼性の高い冷媒圧縮機を提供することができる。
本発明の請求項1および2に記載の発明は、円筒形状の内周面を有するシリンダと、前記シリンダ内周面に外周面を接しながら偏芯自在かつ出没可能に挿入されたベーンとからなり、前記ベーンが先端部をローラの外周面に摺接するようにスプリングによって付勢されてシリンダ内空間を吸入空間と圧縮空間に仕切るロータリ圧縮機であって、前記シリンダは加工面に5%以上のフェライトを含まないパーライト基地であり、片状黒鉛が晶出したネズミ鋳鉄とし、耐摩耗性を確保するため基地中の片状黒鉛面積率を8%以上で、CE値を3.80から4.10とすることを特徴とするものである。
ねずみ鋳鉄は元来基地中に晶出している黒鉛のため摺動摩耗には有利な材料であるが、基地中の片状黒鉛の量を8%以上とすることにより、安定した部品の摩擦摩耗に対する信頼性が得られる。
黒鉛の晶出量はCE値(C+1/3Si)に比例するため、前記片状黒鉛量を8%以上確保するためのCE値下限値を3.80と規定するものである。一方、CE値を大きくすると鋳鉄の硬さが低くなり、圧縮機のメカ部品としてシリンダに要求される剛性を示すヤング率も低下するため、CE値の上限値を4.10としたものであり、圧縮機のメカ部品に要求される摩耗、硬さ、剛性を確保することができるものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の圧縮機のベーンの材料をWが5.0〜7.0%、Moが4.0〜6.0%、Crが3.0から5.0%、Vが1.4%〜2.4%、Siが0.4〜0.9%、Cが0.9〜1.2%で残部がFeで構成された組成で、HRA
55〜80の硬度を有した焼結品とし、マルテンサイト基地中に10〜30%のCr炭化物が分散されるため、請求項1および2に記載のねずみ鋳鉄に対する攻撃性も少なく、自身の摩耗も少ないことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、クロムモリブデン焼入保証鋼を780〜810℃で7〜8時間球状化焼鈍を施し、冷間鍛造をしやすくし成形し、その後表面近傍の基地硬度を上昇させるため浸炭処理を施し、研磨し全面にCrNコーティングをしたPVDベーンで、請求項1および2に記載のねずみ鋳鉄に対する攻撃性も少なく、自身の摩耗も少ないことを特徴とするものである。
以上よりネズミ鋳鉄の圧縮機実機における摩擦摩耗の信頼性を確保するための、シリンダ材の材料仕様は以下のように整理できる。
片状黒鉛面積率=8〜15%、CE値=3.8〜4.1%、ヤング率=123GPa
前記シリンダ材の材料特性を明確にすることにより、HCFC冷媒下でシリンダ材にネズミ鋳鉄を適用した場合に、実機の圧縮機運転中の摩耗に対し、十分な信頼性が得られることになる。さらにHFC冷媒下では,より厳しい条件になるため、相手ベーン材はCrNコーティングを施したものを使用しているため、シリンダ材に対する攻撃性は低いため、同様にネズミ鋳鉄が適用できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
従来の構成では、基地中のパーライト量に対する規定はあるもののネズミ鋳鉄の本質である基地中に晶出した片状黒鉛に対する規定がないため、基地中に含まれる片状黒鉛の量が減少すると、シリンダもしくは相手材ベーンの摩耗が多くなるという課題があった。
一般にネズミ鋳鉄で黒鉛面積率に最も影響を及ぼす因子として、炭素(C)および珪素(Si)があるが、調査の結果C量の影響が強く、図4に示すようにC量と黒鉛面積率の関係が以下の重回帰式で表せることが判明した。
黒鉛面積率(%)=14.3C(%)+0.027Si(%)−34.1
黒鉛面積率とシリンダ摩耗の関係を調査するため、黒鉛面積率を変化させたシリンダ材を高圧雰囲気摩擦摩耗試験機で評価すると、黒鉛面積率の増加に伴い、シリンダ材の摩耗は減少することが明確となった(図5)。
本高圧雰囲気摩擦摩耗試験機では、冷媒をHCFC(R22)、容器内圧力160MPa、温度110℃、荷重を10N/50Nの繰り返しにより、3時間運転して評価した。
次に上記黒鉛面積率を変化させたシリンダ材を実際に圧縮機に組み込み実機評価を実施した結果、表1のように、黒鉛面積率は7.5%ではシリンダの摩耗は、実機評価基準を超えて、不合格となることが判明した。
Figure 2005048686
その結果、シリンダ材の黒鉛面積率は、8%以上であれば、圧縮機実機評価で信頼性に耐えることとなる。しかしながら、圧縮機に使用されるシリンダは、前記記載のように軸受けおよび副軸受けとボルトにより締め付けられるため、前記シリンダ溝に歪みが発生するため、シリンダ材のヤング率(剛性)を123GPa以上と規定している。図6に示すように、黒鉛面積率が増加すれば、C量すなわちCE(炭素当量)は比例して増加する関係にあり、ヤング率は減少するため、CE値は4.1を上限と設定した。
図7はC量、Si量とCE値の関係を示す図であり、前述のCE値4.1で黒鉛面積率が最大となるC、Si量から求められる結果は前述の黒鉛面積率の計算式より15%となるため、黒鉛面積率を8%以上15%以下と設定できる。図8に本願発明による黒鉛面積率を確保したネズミ鋳鉄の代表組織を示す。
従来および本発明の実施の形態におけるロータリ圧縮機を示す縦断面図 従来および本発明の実施の形態における冷媒圧縮機の要部を示す横断面図 従来のネズミ鋳鉄の組織を示す図 C量と黒鉛面積率の関係を示す図 摩擦摩耗試験機における黒鉛面積率とシリンダの摩耗量を示す図 CE値とヤングの関係を示す図 C量、Si量とCE値の線図 本発明の実施の形態におけるネズミ鋳鉄の組織を示す図
符号の説明
1 密閉容器
2 電動機部
3 圧縮機部
4 吸入管
5 吸入孔
6 吐出孔
7 ローラ
8 シャフト
9 主軸受け
10 副軸受け
11 締め付けボルト
12 冷凍機油
20 シリンダ
21 ベーン
22 吐出切欠き
23 シリンダ溝
24 スプリング
25 吸入室
26 圧縮室

Claims (4)

  1. シリンダは、加工面に5%以上のフェライトを含まないパーライト基地であり片状黒鉛が晶出したネズミ鋳鉄とし、耐摩耗性を確保するため基地中の片状黒鉛面積率を8%とし、CE値を3.80から4.10とすることを特徴とするHCFC、HFC冷媒用の圧縮機。
  2. シリンダは、黒鉛面積率を増加すれば摺動性が向上するが、強度が低下するのでヤング率を123GPa以上とするため、CE値を3.80から4.10とし、黒鉛面積率の上限を15%としたことを特徴とする、請求項1記載の圧縮機。
  3. ベーンは、Wが5.0〜7.0%,Moが4.0〜6.0%、Crが3.0〜5.0%、Vが1.4〜2.4%,Siが0.4〜0.9%、Cが0.9〜1.2%で残部がFeで構成された組成で、HRA55〜80の硬度を有し、マルテンサイト基地中に、10〜30%のCr炭化物が分散された焼結品からなる、請求項1または2記載の圧縮機。
  4. ベーンは、クロムモリブデン焼入保証鋼を780〜810℃で7〜8時間球状化焼鈍をした後、冷間鍛造成形し浸炭処理で表面近傍の基地硬度を上昇させた後、研磨し全面にPVD処理をしたもので構成された請求項1または2記載の圧縮機。
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