JP2005047953A5 - - Google Patents
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【特許請求の範囲】
【請求項1】有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物とスルフィド化剤とを重合反応させる分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、下記1)、2)及び3)の条件を満たすことを特徴とする分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
1)スルフィド化剤として、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合物を用いる。
2)重合反応終了時の反応系内の水と重合に使用した全スルフィド化剤とのモル比(水/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
3)重合反応終了時に残存する原料中のジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の和と残存する原料中のスルフィド化剤との残存原料モル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
【請求項2】 3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の含有量が原料全ハロ化合物の0.2〜1モル%である請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項3】スルフィド化剤中のアルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合比が、アルカリ金属硫化物1モルに対してアルカリ金属水硫化物が0.04〜1モルの範囲である請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項4】前記スルフィド化剤が、結晶水を有する含水スルフィド化剤である請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項5】有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との混合物を加熱しながら結晶水を有する含水スルフィド化剤を添加し、前記含水スルフィド化剤の添加速度と反応系内の水の除去速度を、重合反応に使用する全スルフィド化剤の1モルに対して反応系内に存在する水が常に1モル未満となるように調整し、且つ重合反応終了時に残存する反応系内の水とスルフィド化剤のモル比(水/スルフィド化剤)が1未満になるように制御しながら重合反応を進める請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項6】〔(全使用ジハロ芳香族化合物(モル)+全使用3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物(モル))−(系外に除去したジハロ芳香族化合物(モル)+系外に除去した3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物(モル))〕と〔(全使用スルフィド化剤(モル))−(系外に除去した硫黄分(モル))〕との比が0.92〜0.99の範囲である請求項1〜5の何れか1つに記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項7】前記分岐型ポリアリーレンスルフィドが分岐型ポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする請求項6記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項1】有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物とスルフィド化剤とを重合反応させる分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、下記1)、2)及び3)の条件を満たすことを特徴とする分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
1)スルフィド化剤として、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合物を用いる。
2)重合反応終了時の反応系内の水と重合に使用した全スルフィド化剤とのモル比(水/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
3)重合反応終了時に残存する原料中のジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の和と残存する原料中のスルフィド化剤との残存原料モル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
【請求項2】 3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の含有量が原料全ハロ化合物の0.2〜1モル%である請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項3】スルフィド化剤中のアルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合比が、アルカリ金属硫化物1モルに対してアルカリ金属水硫化物が0.04〜1モルの範囲である請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項4】前記スルフィド化剤が、結晶水を有する含水スルフィド化剤である請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項5】有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との混合物を加熱しながら結晶水を有する含水スルフィド化剤を添加し、前記含水スルフィド化剤の添加速度と反応系内の水の除去速度を、重合反応に使用する全スルフィド化剤の1モルに対して反応系内に存在する水が常に1モル未満となるように調整し、且つ重合反応終了時に残存する反応系内の水とスルフィド化剤のモル比(水/スルフィド化剤)が1未満になるように制御しながら重合反応を進める請求項1記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項6】〔(全使用ジハロ芳香族化合物(モル)+全使用3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物(モル))−(系外に除去したジハロ芳香族化合物(モル)+系外に除去した3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物(モル))〕と〔(全使用スルフィド化剤(モル))−(系外に除去した硫黄分(モル))〕との比が0.92〜0.99の範囲である請求項1〜5の何れか1つに記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【請求項7】前記分岐型ポリアリーレンスルフィドが分岐型ポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする請求項6記載の分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジハロ芳香族化合物及び3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物とスルフィド化剤との反応による分岐型ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称する。)に代表される分岐型ポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略称する。)の製造方法に関するものである。さらに具体的には、本発明は、高分子量・高粘度の分岐型PASを効率よく製造する方法に関するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジハロ芳香族化合物及び3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物とスルフィド化剤との反応による分岐型ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称する。)に代表される分岐型ポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略称する。)の製造方法に関するものである。さらに具体的には、本発明は、高分子量・高粘度の分岐型PASを効率よく製造する方法に関するものである。
そこで重合反応により高粘度のPPSを得る方法が種々提案されている。例えば、高分子量の適宜枝分かれしたポリアリーレンスルフィドの製造法として、ジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物とスルフィド化剤とを重合反応させる方法が挙げられている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、前記の方法では、分子量をある程度高くできるものの、上記の用途に使用するには粘度が不充分であった。また、更に、例えば、3個以上のハロゲンを有する化合物を反応系内に存在させ、高粘度の分岐状PASを得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この方法では、確かに分岐剤を添加して重合すると分岐構造を有し、分岐剤の添加量に応じて一分子当たりの分岐鎖の数は増え、結果として高分子量化・高粘度化は可能であるが、本質的な分子鎖の伸長が困難なため、実際には、高粘度化するためには多量の分岐剤の添加を必要とし、その結果、副反応が起こり易かった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、下記の知見を得た。
(1)単純に分岐剤を添加するだけでは、分岐鎖の数が増え高粘度化は可能なものの、本質的な分子鎖の伸長が困難であり、PASを高分子量化することには限界がある。
(2)3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物を含有するハロ化合物より得られたPASはその分岐構造により非ニュートン性が高くなる。
(3)スルフィド化剤として、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合物を用いると、重合時副反応が抑制できる。
(4)反応終了時の残存する原料の内、水とスルフィド化剤とのモル比を特定の範囲に制御することで、反応速度を制御できる。
(5)反応終了時に残存する原料の内、全ハロ化合物(ジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の和)とスルフィド化剤との割合を制御することによって、分子鎖の伸長が図れ、効率よく高分子量・高粘度の分岐型PASが得られる。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、下記の知見を得た。
(1)単純に分岐剤を添加するだけでは、分岐鎖の数が増え高粘度化は可能なものの、本質的な分子鎖の伸長が困難であり、PASを高分子量化することには限界がある。
(2)3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物を含有するハロ化合物より得られたPASはその分岐構造により非ニュートン性が高くなる。
(3)スルフィド化剤として、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合物を用いると、重合時副反応が抑制できる。
(4)反応終了時の残存する原料の内、水とスルフィド化剤とのモル比を特定の範囲に制御することで、反応速度を制御できる。
(5)反応終了時に残存する原料の内、全ハロ化合物(ジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の和)とスルフィド化剤との割合を制御することによって、分子鎖の伸長が図れ、効率よく高分子量・高粘度の分岐型PASが得られる。
本発明は、これらの技術的知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物及びスルフィド化剤とを重合反応させる分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、下記1)、2)及び3)の条件を満たすことを特徴とする分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供する。
1)スルフィド化剤として、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合物を用いる。
2)重合反応終了時の反応系内の水と重合に使用した全スルフィド化剤とのモル比(水/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
3)重合反応終了時に残存する原料中のジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の和と残存する原料中のスルフィド化剤との残存原料モル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
すなわち、本発明は、有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物及びスルフィド化剤とを重合反応させる分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、下記1)、2)及び3)の条件を満たすことを特徴とする分岐型ポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供する。
1)スルフィド化剤として、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合物を用いる。
2)重合反応終了時の反応系内の水と重合に使用した全スルフィド化剤とのモル比(水/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
3)重合反応終了時に残存する原料中のジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の和と残存する原料中のスルフィド化剤との残存原料モル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1未満となるように制御する。
本発明で使用する3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物は、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合物のスルフィド化剤による脱ハロゲン化/硫化反応を介して重合体化しうるものであれば、特に限定しない。従って、この脱ハロゲン化/硫化反応を阻害しない各種の置換基を有しても、特に問題ない。
本発明で使用する3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物は必ずしも芳香族化合物である必要はないが、芳香族化合物であることがより好ましい。芳香族化合物の3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物を使用するとより高い耐熱性のポリマーを得ることができるので好ましい。
このような3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の例としては、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,3−ジクロロ−5−ブロムベンゼン等のトリハロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラブロモベンゼン、1,2,3,5−テトラクロロベンゼン、1,2,3,5−テトラブロモベンゼン等のテトラハロベンゼン、1,4,6−トリクロロナフタレン等のトリハロナフタレン類、トリハロベンゼンやテトラハロベンゼンあるいはトリハロナフタレンのアルキル置換体、これらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、経済性、反応性、生成PASの物性等の点から、1,2,4−トリハロベンゼン及び1,3,5−トリハロベンゼンが好ましい。
前記3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物を用いることで、得られるPASに分岐構造を与え、非ニュートン性を高めることが可能で、その使用割合は全ハロ化合物の0.2モル%以上であることが好ましい。前記3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の使用割合の上限は、PAS製造時の反応条件あるいは得られるPASの使用目的によっても異なるので一概に規定できないが、ジハロ芳香族化合物1モルに対して3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物が5モル%以下であることが好ましい。また、この範囲の中でも、ジハロ芳香族化合物1モルに対して3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物が0.3〜4モル%であることが、更に好ましく、特に0.3〜1.0モル%の範囲が好ましい。本発明の製造方法においては、3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の使用割合が上記範囲の場合にあれば、得られるポリマーはある程度の鎖長伸長がありかつ分岐構造を有し、高粘度化できる。
なお、本発明の製造方法で得られるPASは上記ジハロ芳香族化合物および3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の共重合体であるが、生成重合体の末端に不活性基を置く目的で、又は、重合反応を止め分子量を調節する目的でモノハロ化合物(必ずしも芳香族化合物でなくとも良い)を併用することも可能である。又、この場合も、反応性、耐熱性等の点から、モノハロ芳香族化合物がより好ましい。なお、モノハロ化合物が芳香族化合物の場合には、前記ジハロ芳香族化合物のハロゲン原子の数が1個になると考えればよい。モノハロ化合物の使用量は添加の目的、種類、反応条件によっても異なるので特に制限は無い。
重合反応終了時の残存するジハロ芳香族化合物と残存する3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との和と残存するスルフィド化剤とのモル比〔(ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤〕が1未満であることが必須であり、前記モル比が1以上の場合には本発明の目的であるポリマーの高分子量化が達成できず、好ましくない。但し、あまり小さすぎると、反応条件によっては、ポリマーの分解反応により、分子量低下が起こる場合もあるので、前記モル比が0.05以上であることが好ましい。これらの中でも、重合反応終了時の残存するジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との和と残存するスルフィド化剤とのモル比〔(ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤〕が0.1〜0.5の範囲が特に好ましい。この範囲を満たす場合には分解反応を併発することなく、より高分子量化を達成し得る。
脱水と重合を同時に行う方法としては、例えば、重合反応が実質的に進行し得る温度、200〜300℃、好ましくは210〜280℃、更に好ましくは215〜260℃の温度で、有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいても良い)とジハロ芳香族化合物との混合物、あるいは、有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいても良い)とジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との混合物を加熱して、反応系内の水分量が上記範囲内にコントロールされ得る速度で、含水スルフィド化剤を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量を上記範囲内にコントロールした後、さらに200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して40時間以下、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行う方法が挙げられる。なお、3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物は必要に応じて、どの時点で反応系内に添加しても良い。
また、脱水と重合を別々に行う方法としては、例えば、有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいて良い)とジハロ芳香族化合物との混合物、あるいは、有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいても良い)とジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との混合物を、重合反応がほとんど進行しない温度、即ち120〜200℃、好ましくは150〜190℃で保ち、反応系内の水分量をスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールされ得る速度でスルフィド化剤を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量をスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールした後、調製された有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物と含水スルフィド化剤との混合物、あるいは、調製された有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物と含水スルフィド化剤との混合物を重合反応が実質的に進行する温度、即ち、200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して40時間以下、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行う方法が挙げられる。なお、3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物は必要に応じて、どの時点で反応系内に添加しても良い。
また、重合を行いながら適宜脱水を行う方法としては、例えば、下記の方法(1)〜(3)が挙げられる。
(1)好ましくは不活性ガス雰囲気下、有機極性溶媒中にスルフィド化剤を加え、常圧あるいは減圧下、あるいは加圧下、150℃以上、好ましくは180〜250℃まで昇温し、水分をスルフィド化剤1モル当たり、1〜1.5モルに調整し、更にジハロ芳香族化合物あるいはジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の混合物を加え、重合反応が進行する温度、即ち、200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行い、重合反応を行っている間に、連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去し、反応系内の水分量を反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールする方法。
(1)好ましくは不活性ガス雰囲気下、有機極性溶媒中にスルフィド化剤を加え、常圧あるいは減圧下、あるいは加圧下、150℃以上、好ましくは180〜250℃まで昇温し、水分をスルフィド化剤1モル当たり、1〜1.5モルに調整し、更にジハロ芳香族化合物あるいはジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の混合物を加え、重合反応が進行する温度、即ち、200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行い、重合反応を行っている間に、連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去し、反応系内の水分量を反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールする方法。
(2)重合反応がほとんど進行しない温度、即ち120〜200℃、好ましくは150〜190℃に有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいて良い)及びジハロ芳香族化合物の混合物、あるいは有機極性(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいて良い)溶媒とジハロ芳香族化合物および3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の混合物を保ち、反応系内の水分量がコントロールできる速度でスルフィド化剤を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量を反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールした後、調製した有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物及び含水スルフィド化剤の混合物、あるいは有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物および3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物と含水スルフィド化剤の混合物を重合反応が実質的に進行する温度、即ち、200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行い、重合反応を行っている間に、必要に応じて更に連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去して更に水分量を低減する重合方法。
(3)重合反応が進行し得る温度、200〜300℃、好ましくは210〜280℃、更に好ましくは215〜260℃の温度に有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいて良い)及びジハロ芳香族化合物の混合物、あるいは有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物および3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の混合物を加熱して、反応系内の水分量がコントロールされ得る速度で含水スルフィド化剤を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量を反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満になるようにコントロールした後、さらに200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して40時間以下、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行い、重合反応を行っている間に、連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去して更に水分量を低減する重合方法。
なお、前記(1)、(2)、(3)のいずれの方法においても、3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物は必要に応じて、どの時点で反応系内に添加しても良い。
上記の重合方法の中でも、生産性等の点から、重合を行いながら適宜脱水をする方法が好ましい。これらの中でも重合反応が実質的に進行し得る温度に有機極性溶媒及びジハロ芳香族化合物の混合物を加熱して、反応系内の水分量がコントロールされ得る速度で含水スルフィド化剤を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量をコントロールした後、さらに重合反応を行い、重合反応を行っている間に、必要に応じて連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去して更に水分量を低減する重合方法が好ましく、特に重合工程全般を通じて反応系内の水分量が、反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満になっている重合方法(前記(3))が最も好ましい。なお、3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物は必要に応じて、どの時点で反応系内に添加しても良い。
(a)予め、重合反応終了時の残存するジハロ芳香族化合物と残存する3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との和と残存するスルフィド化剤とのモル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1未満となるように、ジハロ芳香族化合物及び3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物とスルフィド化剤とを仕込んで反応する。
(b)重合反応終了時の残存するジハロ芳香族化合物と残存する3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との和と残存するスルフィド化剤とのモル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1以上になるように、ジハロ芳香族化合物及び3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物とスルフィド化剤とを仕込んだ後、重合途中でジハロ芳香族化合物及び/または3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物を系外に除去して、重合反応終了時の残存するジハロ芳香族化合物と3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との和と残存するスルフィド化剤とのモル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1未満となるように調整する。これらの中でも、前記(a)が好ましい。
前記(a)または(b)の方法の何れの場合でも、重合反応終了時の残存するジハロ芳香族化合物と残存する3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物との和と残存するスルフィド化剤とのモル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1未満であることが好ましく、また、前記モル比の特に好ましい範囲も0.1〜0.5である。
また、前記(a)または(b)の方法の何れの場合でも、〔(全使用ジハロ芳香族化合物(モル))−(系外に除去したジハロ芳香族化合物(モル))+(全使用3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物(モル))−(系外に除去した3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物(モル))〕と〔(全使用スルフィド化剤(モル))−(系外に除去した硫黄分(モル))〕との比が0.90より大きく1より小さい範囲が物性の優れたポリマー、即ちより高分子量・高粘度のポリマーを得るのに好ましい。上記範囲を満たす場合には、前記の残存するモノマー比の好ましい範囲を満足しやすいので好ましい。また、上記範囲が0.92〜0.99の場合には高分子量化の点で更に好ましい。
なおジハロ芳香族化合物及び3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の残存量については通常ガスクロマトグラフ法によって求められる。また、アルカリ金属硫化物及びアルカリ金属水硫化物等のスルフィド化剤の残存量は、例えば硝酸銀滴定法によって求めることができる。
本発明では、有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させるポリアリーレンスルフィドポリマーの製造において、スルフィド化剤がアルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物の混合物であり、重合反応終了時の反応系内の水と重合に使用した全該スルフィド化剤とのモル比(水/スルフィド化剤)が1未満で、重合反応終了時の残存するジハロ芳香族化合物と残存する3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物の和とスルフィド化剤とのモル比((ジハロ芳香族化合物+3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ化合物)/スルフィド化剤)が1より小さいことを特徴とするが、前処理工程あるいは後処理工程などの付加的な工程があっても良い。
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