JP2005047305A - ポッドプロペラ船 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】船尾におけるスケグKに、左右へ膨出したポッド3と、同ポッド3の内部に装着されたモーター4と、同モーター4により作動するプロペラ5とからなるスケグ付きポッドプロペラP1が設けられるので、主機関や発電機等の配置について制約が少なくなり、船内の貨物スペースの設定に余裕がもたらされる。また、後方にストラット付きプロペラP2を設けて二重反転プロペラとしたり、各ポッドプロペラを昇降可能にして喫水の変化に対応させたりして、推進効率が高められる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船尾船底面が後方へ緩やかに昇傾斜したバトックフロー型の船底面を有して、同船底面の下方にポッドプロペラを備えるようにしたポッドプロペラ船に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポッドプロペラ船では、図6に示すように、船尾部においてポッドプロペラPを備えるために、喫水の浅い船尾船底面を後方へ長く突出させる場合が多く、これに伴う保針性能の低下を防止するためポッドプロペラの前方に船体中心線に沿うスケグKを設けることが提案されている。(特願2002−303251参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポッドプロペラ船におけるスケグの機能として、保針性能の向上をもたらす機能のほかに、ポッドプロペラを配置する機能も持たせるようにして、船体のコンパクト化を図ったり、あるいは複数のポッドプロペラの縦列配置を可能にしたポッドプロペラ船を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明のポッドプロペラ船は、バトックフロー型の船底面を有する船尾部の船底下において、船尾の舵よりも前方に、船体中心線に沿い船体に固着されたスケグを備えるとともに、同スケグから左右へ膨出するように形成されたポッドと、同ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるスケグ付きポッドプロペラが設けられていることを特徴としている。
【0005】
上述の本発明のポッドプロペラ船では、船尾部のスケグにポッドプロペラが一体化されるので、船長を縮減させることができ、またスケグで整流された流れが直ちにポッド後端のプロペラへ流入することにより推進効率の向上も期待される。
【0006】
そして、上記プロペラ後方の舵により、支障なく舵取りが行われるほか、船体の直進状態では上記舵によるプロペラ後流の整流が行われて、推進性能がさらに向上するようになる。
【0007】
また、通常の船舶では船尾のプロペラを駆動する主機関が、同プロペラの前方における船内機関室に設置されるため貨物用スペースの配置に影響を与えるが、上述のスケグ付きポッドプロペラを備える場合は、主機関や発電機等の配置についての制約が少なくなるので、船内の貨物スペースの設定に余裕をもたらす利点が得られる。
【0008】
さらに、本発明のポッドプロペラ船は、バトックフロー型の船底面を有する船尾部の船底下において、船体中心線に沿い船体に固着されたスケグを備えるとともに、同スケグから左右へ膨出するように形成されたポッドと、同ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるスケグ付きポッドプロペラが設けられており、同スケグ付きポッドプロペラの後方に、船尾部から船底よりも下方へ垂下されたストラットと、同ストラットの下端に装着された第2ポッドと、同第2ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記第2ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるストラット付きポッドプロペラを備え、同ストラット付きポッドプロペラが、船尾喫水の変化に対応すべく船尾部に対し昇降調節可能に、且つ舵取りを行うべく上下軸線のまわりに回動調節可能に設けられていることを特徴としている。
【0009】
このように、スケグ付きポッドプロペラとストラット付きポッドプロペラとが船尾船底下に縦列状態で設けられる場合は、推進力の増強が容易となり、また後方のストラット付きポッドプロペラが昇降調節可能に設けられることにより、搭載貨物の満載時と空船時等の載貨状態に伴う喫水の変化に対応できるほか、同ストラット付きポッドプロペラが上下軸線のまわりに回動調節可能に設けられることにより舵取り機能も得られるようになる。
【0010】
また、本発明のポッドプロペラ船は、バトックフロー型の船底面を有する船尾部の船底下において、船体中心線に沿い船体に固着されたスケグを備えるとともに、同スケグから左右へ膨出するように形成されたポッドと、同ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるスケグ付きポッドプロペラが設けられており、同スケグ付きポッドプロペラの後方に、船尾部から船底下方へ垂下されたストラットと、同ストラットの下端に装着された第2ポッドと、同第2ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより上記スケグ付きポッドプロペラのプロペラと逆向きに回転駆動されて二重反転プロペラを構成すべく上記第2ポッドの前端に配設されたプロペラとからなるストラット付きポッドプロペラを備え、上記ストラットに、上下軸線のまわりに回動調節可能の舵板が設けられていることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明のポッドプロペラ船は、上記ストラット付きポッドプロペラが船尾喫水の変化に応じて船尾部に対し昇降調節可能に設けられるとともに、上記スケグ付きポッドプロペラも船尾部に対し上記ストラット付きポッドプロペラと同期して昇降調節可能に設けられていることを特徴としている。
【0012】
上述のように、スケグ付きポッドプロペラはポッド後端にプロペラをそなえ、その後方のストラット付きポッドプロペラはポッド前端にプロペラを備えて、両プロペラが前後に対向した二重反転プロペラを構成する場合は、プロペラ後流の旋回成分が回収されて、推進力の一層の増強がもたらされるようになる。
【0013】
そして、上記ストラット付きプロペラのストラットに、上下軸線のまわりに回動調節可能の舵板が設けられることにより、舵取り機能も十分に保持されるようになる。
【0014】
さらに、上記の二重反転プロペラを構成するスケグ付きポッドプロペラとストラット付きポッドプロペラとが、船体の積荷状態による喫水変化に対応して、相互に同期して昇降できるように構成されていると、両ポッドプロペラのプロペラどうしが常に二重反転プロペラとしての機能を保持しながら適切な水深位置で作動できるようになる利点が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明すると、図1は本発明の第1実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図、図2は本発明の第2実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図、図3は本発明の第3実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図、図4は図3のA−A矢視図、図5は本発明の第4実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図である。
【0016】
まず、本発明の第1実施形態としてのポッドプロペラ船について説明すると、図1に示すように、船尾船底面1が緩やかに傾斜したバトックフロー型の船尾部において、船尾の舵2よりも前方に、船体中心線に沿い船底下面に固着されたスケグKが設けられている。
【0017】
また、スケグKには、同スケグKから左右へ膨出するように形成されたポッド3と、同ポッド3の内部に装着されたモーター4と、同モーター4により回転駆動されるようにポッド3の後端に配設されたプロペラ5とからなるスケグ付きポッドプロペラP1が設けられている。
【0018】
そして、モーター4への電力の供給は、船上の図示しないガスタービン等の主機関により駆動される発電機から、制御盤やバッテリーなどを介し、電力ケーブルを通じて行われる。
【0019】
上述の第1実施形態のポッドプロペラ船では、船尾部のスケグKにポッドプロペラP1が一体化されるので、スケグ後方にポッドプロペラを備える場合に比べて船長を縮減させることができ、またスケグKで整流された流れが直ちにポッド3の後端のプロペラ5へ流入することにより推進効率の向上も期待される。
【0020】
そして、プロペラ5の後方の舵2により、支障なく舵取りが行われるほか、船体の直進状態では舵2によるプロペラ後流の整流が行われて、推進性能がさらに向上するようになる。
【0021】
また、通常の船舶では船尾のプロペラを駆動する主機関が、同プロペラの前方における船内機関室に設置されるため貨物用スペースの配置に影響を与えるが、上述のスケグ付きポッドプロペラP1を備える場合は、主機関や発電機等の配置についての制約が少なくなるので、船内の貨物スペースの設定に余裕をもたらす利点が得られる。
【0022】
次に、本発明の第2実施形態としてのポッドプロペラ船について説明すると、図2に示すように、本実施形態の場合も、船尾船底面1が緩やかに傾斜したバトックフロー型の船尾部において、船体中心線に沿い船底下面に固着されたスケグKが設けられている。
【0023】
また、スケグKには、同スケグKから左右へ膨出するように形成されたポッド3と、同ポッド3の内部に装着されたモーター4と、同モーター4により回転駆動されるようにポッド3の後端に配設されたプロペラ5とからなるスケグ付きポッドプロペラP1が設けられている。
【0024】
そして、モーター4への電力の供給は、船上の図示しないガスタービン等の主機関により駆動される発電機から、制御盤やバッテリーなどを介し、電力ケーブルを通じて行われる。
【0025】
この第2実施形態では、スケグ付きポッドプロペラP1よりも後方において、船尾部から船底よりも下方へ垂下されたストラット6と、同ストラット6の下端に装着された第2ポッド3aと、同第2ポッド3aの内部に装着されたモーター4aと、同モーター4aにより回転駆動されるように第2ポッド3aの後端に配設されたプロペラ5aとからなるストラット付きポッドプロペラP2を備えている。
【0026】
そして、ストラット付きポッドプロペラP2は、船尾喫水の変化に対応できるように、駆動機構7を介して、船尾部に対し昇降調節可能に、且つ舵取りを行うべく、上下軸線のまわりに回動調節可能に設けられている。なお、ストラット付きポッドプロペラP2におけるモーター4aへの電力供給も、スケグ付きポッドプロペラP1におけるモーター4への電力供給と同様に行われる。
【0027】
この第2実施形態では、上述のように、スケグ付きポッドプロペラP1とストラット付きポッドプロペラP2とが船尾船底下に縦列状態で設けられるので、推進力の増強が容易となり、また後方のストラット付きポッドプロペラP2が昇降調節可能に設けられることにより、載貨状態やトリム変化に伴う船尾喫水面W,W1の変化に対応できるほか、同ストラット付きポッドプロペラP2が上下軸線のまわりに回動調節可能に設けられることにより舵取り機能も得られるようになる。
【0028】
また、ストラット付きポッドプロペラP2は、船尾部に対し、ストラット6および駆動機構7を介して昇降調節可能に設けられているので、船尾喫水の変化に応じ、プロペラ5aが適切な水深位置に保たれるように対処することができる。
【0029】
次に、本発明の第3実施形態としてのポッドプロペラ船について説明すると、図3に示すように、本実施形態の場合も、船尾船底面1が緩やかに傾斜したバトックフロー型の船尾部において、船体中心線に沿い船底下面に固着されたスケグKが設けられている。
【0030】
また、スケグKには、同スケグKから左右へ膨出するように形成されたポッド3と、同ポッド3の内部に装着されたモーター4と、同モーター4により回転駆動されるようにポッド3の後端に配設されたプロペラ5とからなるスケグ付きポッドプロペラP1が設けられている。
【0031】
そして、モーター4への電力の供給は、船上の図示しないガスタービン等の主機関により駆動される発電機から、制御盤やバッテリーなどを介し、電力ケーブルを通じて行われる。
【0032】
この第3実施形態では、スケグ付きポッドプロペラP1よりも後方において、船尾部から船底よりも下方へ垂下されたストラット6と、同ストラット6の下端に装着された第2ポッド3aと、同第2ポッド3aの内部に装着されたモーター4aと、同モーター4aにより回転駆動されるように第2ポッド3aの前端に配設されたプロペラ5aとからなるストラット付きポッドプロペラP2を備えており、このようにしてスケグ付きポッドプロペラP1の後端のプロペラ5とストラット付きポッドプロペラP2の前端のプロペラ5aとは互いに対向して二重反転プロペラを構成している。
すなわち、前方のプロペラ5が前進回転時に右回りの場合に、後方のプロペラ5aは前進回転時に左回りとなるように設定されている。
【0033】
そして、図3および図4に示すように、船尾船底面1と第2ポッド3aの上面との間でストラット6の外周に装着された舵板8が、舵軸8aを介し舵取機9によって回動制御されるようになっている。
【0034】
上述のように、スケグ付きポッドプロペラP1はポッド後端にプロペラ5をそなえ、その後方のストラット付きポッドプロペラP2はポッド前端にプロペラ5aを備えて、両プロペラ5,5aが前後に対向した二重反転プロペラを構成するので、プロペラ後流の旋回成分が回収されて、推進力の一層の増強がもたらされるようになる。
そして、ストラット付きプロペラP2のストラット6に、上下軸線のまわりに回動調節可能の舵板8が設けられることにより、舵取り機能も十分に保持されるようになる。
【0035】
また、二重反転プロペラを構成する両プロペラ5,5aは、それぞれポッドプロペラP1,P2において電動機4,4aにより回転駆動されるので、ディーゼル機関に取り付けられたプロペラの場合と比べて、その回転についての同期が取りやすいという利点も得られる。
【0036】
次に、本発明の第4実施形態としてのポッドプロペラ船について説明すると、図5に示すように、本実施形態の場合も、船尾船底面1が緩やかに傾斜したバトックフロー型の船尾部において、船体中心線に沿い船底下面に固着されたスケグKが設けられている。
【0037】
また、スケグKには、同スケグKから左右へ膨出するように形成されたポッド3と、同ポッド3の内部に装着されたモーター4と、同モーター4により回転駆動されるようにポッド3の後端に配設されたプロペラ5とからなるスケグ付きポッドプロペラP1が設けられている。
【0038】
そして、モーター4への電力の供給は、船上の図示しないガスタービン等の主機関により駆動される発電機から、制御盤やバッテリーなどを介し、電力ケーブルを通じて行われる。
【0039】
また、スケグ付き付きポッドプロペラP1よりも後方において、船尾部から船底よりも下方へ垂下されたストラット6と、同ストラット6の下端に装着された第2ポッド3aと、同第2ポッド3aの内部に装着されたモーター4aと、同モーター4aにより回転駆動されるように第2ポッド3aの前端に配設されたプロペラ5aとからなるストラット付きポッドプロペラP2を備えており、このようにしてスケグ付きポッドプロペラP1の後端のプロペラ5とストラット付きポッドプロペラP2の前端のプロペラ5aとは互いに対向して二重反転プロペラを構成している。
すなわち、前方のプロペラ5が前進回転時に右回りの場合に、後方のプロペラ5aは前進回転時に左回りとなるように設定されている。
【0040】
そして、船尾船底面1と第2ポッド3aの上面との間でストラット6の外周に装着された舵板8が、舵軸8aを介し舵取機9によって回動制御されるようになっている。
【0041】
ところで、この第4実施形態では、ストラット付きポッドプロペラP2が船尾喫水の変化に応じて船尾部に対し昇降調節可能に設けられるとともに、スケグ付きポッドプロペラP1も船尾部に対しストラット付きポッドプロペラP2と同期して昇降調節可能に設けられている。
【0042】
すなわち、ストラット付きポッドプロペラP2が駆動機構7Aによりストラット6を介して昇降調節可能に設けられているのに対し、スケグ付きポッドプロペラP1も駆動機構11により支持部材11aを介して昇降調節可能に設けられており、両駆動機構7A,11は互いに同期して作動するようになっている。
また、スケグ付きポッドプロペラP1におけるポッド3の下側には、スケグKと協働して整流機能を発揮するフィン10が突設されている。
【0043】
上述のように、スケグ付きポッドプロペラP1はポッド3の後端にプロペラ5をそなえ、その後方のストラット付きポッドプロペラP2はポッド3aの前端にプロペラ5aを備えて、両プロペラ5,5aが前後に対向した二重反転プロペラを構成することにより、プロペラ後流の旋回成分が回収されて、推進力の一層の増強がもたらされるようになる。
【0044】
そして、ストラット付きプロペラP2のストラット6に、上下軸線のまわりに回動調節可能の舵板8が設けられることにより、舵取り機能も十分に保持されるようになる。
【0045】
さらに、スケグ付きポッドプロペラP1とストラット付きポッドプロペラP2とが、船体の積荷状態などによる喫水変化に対応して、相互に同期して昇降できるように構成されているので、両ポッドプロペラP1,P2のプロペラ5,5aどうしが常に二重反転プロペラとしての機能を保持しながら適切な水深位置で作動できるようになる利点が得られる。
【0046】
なお、各実施形態において、ポッドプロペラを船体に対し昇降可能に設けたり中心軸線のまわりに旋回可能に構成したりする手段としては、本出願人の出願に係る特願2001−380417号に記載されたものなどがある。
【0047】
上述の各実施形態から明らかなように、本発明によればバトックフロー型の船尾船底面を有するポッドプロペラ船において、船尾部のスケグKが、船体の保針性能の向上をもたらす機能のほかにポッドプロペラを配置する機能も保有するようになり、これにより船体のコンパクト化をもたらし、あるいは複数のポッドプロペラの縦列配置を可能にして、効率のよいポッドプロペラ船の実現が期待されるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のポッドプロペラ船によれば次のような効果が得られる。
(1) 船尾部のスケグにポッドプロペラが一体化されるので、スケグ後方にプロペラを備える場合に比べて船長を縮減させることができ、またスケグで整流された流れが直ちにポッド後端のプロペラへ流入することにより推進効率の向上も期待される。そして、上記プロペラ後方の舵により、支障なく舵取りが行われるほか、船体の直進状態では上記舵によるプロペラ後流の整流が行われて、推進性能がさらに向上するようになる。また、通常の船舶では船尾のプロペラを駆動する主機関が同プロペラ前方の船内機関室に設置されるため貨物用スペースの配置に影響を与えるが、上述のスケグ付きポッドプロペラを備える場合は、主機関や発電機等の配置についての制約が少なくなるので、船内の貨物スペースの設定に余裕をもたらす利点が得られる。(請求項1)
(2) スケグ付きポッドプロペラとストラット付きポッドプロペラとが船尾船底下に縦列状態で設けられる場合は、推進力の増強が容易となり、また後方のストラット付きポッドプロペラが昇降調節可能に設けられることにより、搭載貨物の満載時と空船時等の載貨状態に伴う喫水の変化に対応できるほか、同ストラット付きポッドプロペラが上下軸線のまわりに回動調節可能に設けられることにより舵取り機能も得られるようになる。(請求項2)
(3) スケグ付きポッドプロペラはポッド後端にプロペラをそなえ、その後方のストラット付きポッドプロペラはポッド前端にプロペラを備えて、両プロペラが前後に対向した二重反転プロペラを構成する場合は、プロペラ後流の旋回成分が回収されて、推進力の一層の増強がもたらされるようになる。そして、上記ストラット付きプロペラのストラットに、上下軸線のまわりに回動調節可能の舵板が設けられることにより、舵取り機能も十分に保持されるようになる。また、二重反転プロペラを構成する上記両プロペラは、それぞれ電動機により回転駆動されるので、その回転についての同期が取りやすいという利点も得られる。(請求項3)
(4) 上記の二重反転プロペラを構成するスケグ付きポッドプロペラとストラット付きポッドプロペラとが、船体の積荷状態による喫水変化に対応して、相互に同期して昇降できるように構成されていると、両ポッドプロペラのプロペラどうしが常に二重反転プロペラとしての機能を保持しながら適切な水深位置で作動できるようになる利点が得られる。(請求項4)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図である。
【図3】本発明の第3実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】本発明の第4実施形態としてのポッドプロペラ船の船尾部側面図である。
【図6】従来のポッドプロペラ船の一例を示す船尾部側面図である。
【符号の説明】
1 船尾船底面
2 舵
3 ポッド
3a 第2ポッド
4,4a モーター
5,5a プロペラ
6 ストラット
7,7A 駆動機構
8 舵板
8a 舵軸
9 舵取機
10 フィン
11 駆動機構
11a 支持部材
K スケグ
P ポッドプロペラ
P1 スケグ付きポッドプロペラ
P2 ストラット付きポッドプロペラ
W,W1 喫水面
Claims (4)
- バトックフロー型の船底面を有する船尾部の船底下において、船尾の舵よりも前方に、船体中心線に沿い船体に固着されたスケグを備えるとともに、同スケグから左右へ膨出するように形成されたポッドと、同ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるスケグ付きポッドプロペラが設けられていることを特徴とする、ポッドプロペラ船。
- バトックフロー型の船底面を有する船尾部の船底下において、船体中心線に沿い船体に固着されたスケグを備えるとともに、同スケグから左右へ膨出するように形成されたポッドと、同ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるスケグ付きポッドプロペラが設けられており、同スケグ付きポッドプロペラの後方に、船尾部から船底よりも下方へ垂下されたストラットと、同ストラットの下端に装着された第2ポッドと、同第2ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記第2ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるストラット付きポッドプロペラを備え、同ストラット付きポッドプロペラが、船尾喫水の変化に対応すべく船尾部に対し昇降調節可能に、且つ舵取りを行うべく上下軸線のまわりに回動調節可能に設けられていることを特徴とする、ポッドプロペラ船。
- バトックフロー型の船底面を有する船尾部の船底下において、船体中心線に沿い船体に固着されたスケグを備えるとともに、同スケグから左右へ膨出するように形成されたポッドと、同ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより回転駆動されるべく上記ポッドの後端に配設されたプロペラとからなるスケグ付きポッドプロペラが設けられており、同スケグ付きポッドプロペラの後方に、船尾部から船底下方へ垂下されたストラットと、同ストラットの下端に装着された第2ポッドと、同第2ポッドの内部に装着されたモーターと、同モーターにより上記スケグ付きポッドプロペラのプロペラと逆向きに回転駆動されて二重反転プロペラを構成すべく上記第2ポッドの前端に配設されたプロペラとからなるストラット付きポッドプロペラを備え、上記ストラットに、上下軸線のまわりに回動調節可能の舵板が設けられていることを特徴とする、ポッドプロペラ船。
- 請求項3に記載のポッドプロペラ船において、上記ストラット付きポッドプロペラが船尾喫水の変化に応じて船尾部に対し昇降調節可能に設けられるとともに、上記スケグ付きポッドプロペラも船尾部に対し上記ストラット付きポッドプロペラと同期して昇降調節可能に設けられていることを特徴とする、ポッドプロペラ船。
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