JP2005047041A - 袋の製造方法及び袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】袋は、二枚のフィルム11A,11Bから構成されており、一方のフィルム11Aの溶着層112上には、インク層P1が形成されている。このインク層P1は、フィルム11Bの溶着層112と熱溶着せず、かつ耐熱性を有する剥離インクを塗布することで形成される。このような袋は、インク層P1が形成されたフィルム11Aと、フィルム11Bとを一対の加熱ローラ間に挿入することで得られる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋の製造方法及び袋に関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、二枚のフィルムの三辺、或いは、半折した1枚のフィルムの二辺をシールした袋が使用されている。このような袋を製造する際には、フィルムの内面をヒートシール(溶着)可能な樹脂層とし、所定の位置にシールバー等による熱をかけることで、フィルム同士をヒートシールしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−354210号公報(図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の製造方法では、袋の収納部を複雑な形状とする場合には、シールバーをその形状に応じたものにしなければならない。すなわち、袋の収納部の形状ごとにシールバーを作る必要があり、コストが増加してしまうという問題もある。
さらに、シールバーは、フィルムのヒートシールする辺にのみ押し当てなければならないので、製袋速度が遅くなってしまうという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、袋の収納部の形状による影響を受けず、製造コストの増加を防止でき、かつ製袋速度を高めることができる袋の製造方法及び袋を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、以下の構成を採用して前記目的を達成しようとするものである。
本発明の袋の製造方法は、重ね合わされるフィルムを固着して構成される袋の製造方法であって、重ね合わされる一方のフィルム内面に、他方のフィルム内面と固着しない剥離インクを部分的に塗布するインク塗布工程と、前記一方及び他方のフィルムの内面同士を対向させて、押圧部材を用いて固着する固着工程とを有すること特徴とする。
【0007】
ここで、重ね合わされるフィルムを固着する方法としては、溶着(ヒートシール)であってもよく、また、接着剤を用いた接着(ドライラミネート)であってもよい。接着剤を用いる場合には、他方のフィルム内面を接着層とすればよい。
溶着を行う場合、袋に使用されるフィルムとしては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂を含有する基材層と、密度0.915g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有する溶着層とを有するフィルム、ナイロン又はポリエチレンテレフタレートを含有する基材層と、直鎖状低密度ポリエチレンを含有する溶着層とを有するフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムからなる基材層、高密度ポリエチレン製或いはポリプロピレン製の割繊維不織布から構成される中間層、ポリプロピレンを含有する溶着層を有するフィルム等が挙げられる。
また、溶着を行う場合、剥離インクとしては、メジウムを使用することが好ましい。メジウムは、高い耐熱性を有するため、好適である。
【0008】
このような本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)一方のフィルム内面に、他方のフィルム内面と固着しない剥離インクを部分的に塗布しているので、一方のフィルム内面の剥離インクが塗布された部分は、他方のフィルムに固着せず、剥離インクが塗布された部分の周囲のみが固着されて袋の収納部が形成される。従って、袋の収納部の形状を複雑な形状としたい場合には、剥離インクをその形状に応じて塗布するだけでよく、収納部の形状により押圧部材の形状を変える必要がないので、コストの低減を図ることができる。例えば、フィルム同士を溶着する場合には、従来のように、収納部の形状に応じたシールバーを形成する必要がないので、製造コストを低減することができる。
(2)さらに、一方のフィルム内面には他方のフィルム内面と固着しない剥離インクが塗布されているため、フィルム全面に押圧部材を押し当てて、フィルムを固着させることができる。そのため、フィルムの固着部分にのみ押圧部材を押し当てる場合に比べ、製袋スピードを向上させることができる。例えば、50〜100m/分という高速で袋を製造することも可能となる。
(3)また、一方のフィルム内面には他方のフィルム内面と固着しない剥離インクが塗布されるので、他方のフィルム内面に接着層を形成する場合、接着層をフィルム同士の固着(接着)部分のみならず、他方のフィルム全面に形成することができる。これにより、接着層の形成を容易に行うことができ、製袋スピードを向上させることができる。
【0009】
この際、前記押圧部材は、前記重ね合わされたフィルムを挟んで対向配置される一対のローラであることが好ましい。
押圧部材をローラで押圧することで、フィルムの溶着部分、接着部分のみ押圧する場合にくらべ、製袋スピードを向上させることができる。
【0010】
また、本発明では、前記固着工程では、一方及び他方のフィルムの内面を溶着し、前記剥離インクは、耐熱性を有し、前記フィルムの内面と溶着しないものであることが好ましい。
このような本発明によれば、フィルム同士を溶着しているため、フィルム同士を貼り付けるための接着剤等が不要となる。これにより、袋を手間をかけることなく、より簡単に製造することができる。
また、フィルム同士を接着剤により接着する場合に比べ、溶着する場合の方が、一般にフィルム同士のシール強度をより高いものとすることができる。
【0011】
また、本発明では、前記他方のフィルムの内面全面には、接着剤を含有する接着層が形成されており、前記固着工程では、前記一方及び他方のフィルムの内面同士を接着し、前記剥離インキは、前記接着層と接着しないものであるとしてもよい。
このような本発明では、接着剤を含有する接着層により、フィルム同士を接着しているため、ヒートシールできないような融点の高い材質を含有するフィルムで袋を成形することが可能となる。
【0012】
本発明の袋は、重ね合わされるフィルムを固着して構成される袋であって、少なくとも、一方のフィルムの内面の他方のフィルムとの固着部分を除いた部分には、他方のフィルム内面と固着しない剥離インクが塗布されていることを特徴とする。
このような袋は、例えば、ゴルフ宅配等でゴルフバックを収納する袋、スキー宅配等でスキー板を収納する袋、布団を収納する袋等に使用することができる。
このような本発明によれば、上述した(1)〜(3)と略同様の効果を奏することができる。
【0013】
この際、前記剥離インクは、他方のフィルム内面と擬似接着することが好ましい。
ここで擬似接着とは、剥離インクと、他のフィルム内面とが手で剥がすことができる程度に接着することをいう。
このような本発明では、剥離インクと、他方のフィルムの内面とが擬似接着するので、袋を製造した後、袋を巻き取ったり、切断したりする際に、フィルムにしわが発生しにくくなる。また、擬似接着しているため、袋内への異物の混入も防止できる。
【0014】
この際、本発明の袋は、前記一方のフィルムと他方のフィルムとは溶着されており、前記フィルムは、高密度ポリエチレン樹脂を含有する基材層と、密度0.915g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有するとともに、フィルム内面となる溶着層とを有し、前記剥離インクは、耐熱性を有し、前記フィルムの内面の溶着層と溶着しないものであることが好ましい。
【0015】
低密度ポリエチレンは、一般に剥離インクとの間にタック(擬似接着性)性がある。そのため、一方のフィルムに塗布された剥離インクと、他方のフィルムの溶着層とが擬似接着することとなる。従って、袋を製造した後、袋を巻き取ったり、切断したりする際に、フィルムにしわが発生しにくくなる。また、擬似接着しているため、袋内への異物の混入も防止できる。
さらに、溶着層は、密度0.915g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有するものであるため、比較的低温で、フィルム同士をヒートシールすることが可能となる。
また、基材層を高密度ポリエチレンを含有するものとしているので、ヒートシールする際に、基材層が溶融することがない。また、基材層を高密度ポリエチレンを含有するものとすることで、剛性を高めることもできる。
【0016】
本発明は、前記他方のフィルムの内面全面には、接着剤を含有する接着層が形成されており、前記一方のフィルムと他方のフィルムとは接着により固着され、前記剥離インクは、前記接着層と接着しないものであってもよい。
このような本発明では、接着剤を含有する接着層により、フィルム同士を接着しているため、ヒートシールできないような融点の高い材質を含有するフィルムを備えた袋とすることができる。
また、他方のフィルム内面全面に接着剤を含有する接着層を形成しているので、接着層の形成が容易であり、製袋スピードを向上させることができる袋とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2には、本実施形態の袋1が示されている。この袋1は、表裏2枚の矩形形状のフィルム11A,11Bを備えている。フィルム11A,11Bの三辺(短辺方向の両端部と、長辺方向の一方の端部)はヒートシール(溶着)されており、これにより、平面矩形形状の収納部115が形成されている。袋1のヒートシール部分の剥離強度は、180°剥離試験方法において、1kg/15mm巾以上となっている。
また、ヒートシールされていない一辺は開口部110とされており、この開口部110を通じて収納部115に物を収納することができる。
このような袋1は、例えば、長辺方向の長さ寸法が110cm程度、短辺方向の長さ寸法が90cm程度であり、開口部110にファスナー等が取り付けられて布団収納用の袋として使用される。
【0018】
フィルム11A,11Bは、それぞれ、基材層111と、基材層111に隣接した溶着層112とを備えた2層構成となっている。
基材層111は、例えば、高密度ポリエチレン樹脂を含有する。
溶着層112は、フィルム11A,11B内面となる層であり、例えば、密度0.915g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有し、融点が85℃以下となっている。
このような基材層111と溶着層112との積層方法としては、多層共押出しインフレーション成形又は多層共押出しTダイ成形等の共押出法の他、ホットメルトラミネート、ドライラミネート、ウエットラミネートなど公知の方法を採用できる。
【0019】
さらに、フィルム11Aの溶着層112上には、平面矩形形状のインク層P1が設けられている(図4参照)。このインク層P1は、他方のフィルム11Bと溶着される三辺を除いた部分に、フィルム11Bの溶着層112と熱溶着しない剥離インクを塗布することで形成される。すなわち、このインク層P1に当接するフィルム11Bの溶着層112は、インク層P1と溶着しないため、この部分が収納部115となるのである。
このようなインク層P1の剥離インクは、高い耐熱性を有するものが好ましく、例えば、メジウム等のインクを使用することができる。
なお、本実施形態では、袋1は、布団を収納するものであるため、インク層P1を平面矩形形状としたが、このような形状には限らず、袋の用途に応じた形状とすればよい。例えば、袋をゴルフ宅配便等で使用されるようなゴルフバックを収納する袋とする場合には、インク層の形状をゴルフバックの形状に応じて形成すればよい。
【0020】
このような袋1の製造方法について説明する。
まず、それぞれのフィルム11A,11Bの原反を製造する。フィルム11A,11Bの原反は、前述したような積層方法により製造できる。例えば、多層共押出しTダイ成形法により製造する場合には、基材層111と溶着層112に応じた押出機を2台用い、各押出機から押し出された各層に対応した樹脂を、ダイに入る直前に設けた特殊ブロックで合流、積層させる。さらに、ダイから押し出されたフィルムを金属ロールおよびゴムロールで狭圧しながら冷却する。
【0021】
次に、図3に示すように、フィルム11Aの原反の溶着層112上に、フィルム11Bと溶着する部分を残し、所定のピッチで剥離インクを塗布する。これによりインク層P1を形成する(インク塗布工程)。
剥離インクの塗布方法としては、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、パッド印刷等、公知の印刷方法を採用できる。
【0022】
そして、図3,図4に示すように、フィルム11Aの原反の溶着層112、フィルム11Bの原反の溶着層112を対向配置させて、一対の加熱ローラ(押圧部材)3,3間に挿入する(溶着(固着)工程)。これにより、フィルム11A,11Bの溶着層112同士がヒートシールされる。なお、フィルム11Aの溶着層112上のインク層P1と、フィルム11Bの溶着層112とは溶着しない。
さらに、隣接するインク層P1間に形成されたヒートシール部分を裁断機4で切断する。これにより袋1が得られる。
【0023】
従って、第一実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1−1)フィルム11Aの溶着層112上に、剥離インクを塗布し、インク層P1を設けているので、ローラ3,3によって、フィルム11A,11B全面を押圧しても、インク層P1の周囲のみがヒートシールされ、収納部115が形成される。従って、本実施形態では、収納部115の形状に応じて剥離インクを塗布すればよく、収納部115の形状に応じてローラ3,3を変える必要がない。すなわち、収納部の形状によらず、ローラ3,3を使用でき、従来のように、袋1の収納部115の形状に応じたシールバーを製造する必要がないため、製造コストの低減を図ることができる。
【0024】
(1−2)また、本実施形態では、フィルム11A,11B同士を加熱ローラ3,3により溶着しており、シールバーは使用していない。本実施形態の袋1は長辺方向の長さ寸法が例えば、110cm、短辺方向の長さ寸法が90cmと比較的大きなものとなっているため、シールバーを使用する場合には、シールバーを大型化する必要があり、コストがかかってしまう。これに対し、本実施形態では、シールバーを使用する必要していないため、大きな袋1を成形する場合であってもコストの増加を防止することができる。
【0025】
(1−3)さらに、フィルム11A上のインク層P1は、フィルム11Bの溶着層112と溶着しないため、フィルム11A,11Bの全面にローラ3,3を押し当てることができる。そのため、溶着させる部分にのみシールバーを押し当てる場合に比べ、製袋スピードを向上させることができる。例えば、本実施形態では、50m/分以上、100m/分以下という高速で袋を製造することができる。
【0026】
(1−4)本実施形態では、フィルム11A,11Bはヒートシールされており、接着剤を使用していない。そのため、接着剤を塗布する工程を省くことができ、袋1を手間をかけることなく、より簡単に製造することができる。
(1−5)また、フィルム11A,11Bをヒートシールしており、フィルム11A,11Bを接着剤により、接着する場合に比べ、シール強度をより高いものとすることができる。
【0027】
(1−6)低密度ポリエチレンは、剥離用インクとの間にタック性がある。すなわち、ローラ3,3により挟まれることで、フィルム11Aのインク層P1と、フィルム11Bの溶着層112とが擬似接着することとなる。従って、フィルム11A,11Bをヒートシールした後、切断したりする場合等に、フィルム11A,11Bにしわが発生しにくくなる。また、擬似接着しているため、袋1内への異物の混入も防止できる。
(1−7)溶着層112は、密度0.915g/cm3以下の低密度ポリエチレン樹脂を含有し、融点が85℃以下であるため、低温でフィルム11A,11B同士をヒートシールすることができる。
【0028】
(1−8)また、基材層111は、高密度ポリエチレンを含有するため、ヒートシールする際に、基材層111が溶融することがない。また、基材層111は、高密度ポリエチレンを含有するため、フィルム11A,11B、さらには、袋1の剛性を高めることもできる。
(1−9)袋1のヒートシールした部分は、180°剥離試験方法において、1kg/15mm巾以上という高いシール強度を有するため、ヒートシールした部分から袋1が破れる可能性が少なく、高い耐久性を備えたものとすることができる。
【0029】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態では、袋1は、2層構成のフィルム11A,11Bから構成されていたが、本実施形態の袋2は、図5に示すように、単層構成のフィルム21Aと、2層構成のフィルム21Bから構成されている。
フィルム21Aは、例えばナイロン製である。
フィルム21A上には、インク層P2が設けられている。このインク層P2は、図示しないが、第一実施形態のインク層P1と同様、平面矩形形状であり、フィルム11Bと溶着される三辺を除いた部分に形成されている。また、インク層P2の剥離インクは、後述するフィルム21Bの接着層214と接着しないインクである。なお、この剥離インクを、フィルム21Bの接着層214に擬似接着するものとしてもよい。このようにすることで、従って、フィルム12A,12Bを接着した後、切断したりする場合等に、フィルム12A,12Bにしわが発生しにくくなる。擬似接着により、袋2内への異物の混入も防止できる。
【0030】
フィルム21Bは、例えば、ナイロンを含有する基材層211と、この基材層211上に形成され、フィルム21B内面となる接着層214とを備える。
接着層214は、基材層211上の全面に形成されている。接着層214は、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル/脂肪族イソシアネート系樹脂、イソシアネート系樹脂等を成分とする接着剤を、基材層211上に塗布することで形成される。
なお、袋2は、袋1と略同様の大きさ形状となっている。
【0031】
このような袋2の製造方法は、以下のようである。
まず、フィルム21Aの原反及びフィルム21Bの基材層211の原反を製造する。このフィルム21Aの原反、フィルム21Bの基材層211の原反の製造方法としては、溶融押出法、カレンダ法等、公知の方法を採用できる。
次に、フィルム21Aの表面に所定ピッチで剥離インクを塗布し、インク層P2を設ける(インク塗布工程)。この剥離インクの塗布方法は、第一実施形態と同様である。
【0032】
さらに、フィルム21Bの基材層211上の全面に接着剤を塗布し、接着層214を形成する(接着剤塗布工程)。これにより、フィルム21Bが完成する。
そして、フィルム21Bの接着層214と、フィルム21A上に設けられたインク層P2とを対向配置させて、前記実施形態と同様に、ローラ(押圧部材)間に挿入する(接着(固着)工程)。なお、本実施形態のローラは加熱ローラである必要はない。これにより、フィルム21Aと、フィルム21Bとが接着される。
さらに、隣接するインク層P2間の接着部分を裁断機4で切断する。これにより袋2が得られる。
【0033】
従って、第二実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(2−1)フィルム21A上に接着層214と接着しない剥離インクを塗布し、フィルム21Aと、フィルム21Bとを接着しているので、フィルム21A,21Bの全面をローラで押圧しても、インク層P1の周囲のみが接着される。袋2の収納部の形状に応じて、剥離インクを塗布するだけでよく、収納部の形状によりローラ等の形状を変える必要がなく、収納部の形状の影響を受けないため、袋2の製造コストを低減できる。
(2−2)また、フィルム21A上に接着層214と接着しない剥離インクを塗布するため、接着層211をフィルム21A,21B同士の固着(接着)部分のみならず、フィルム21Bの基材層211上の全面に形成することができる。そのため、接着層211の形成を容易に行うことができ、製袋スピードを向上させることができる。
(2−3)さらに、本実施形態では、接着層214により、フィルム21Aと、フィルム21Bとを接着しているため、加熱手段が設けられていないローラを使用することができる。これにより、コストの低減を図ることができる。
(2−4)また、フィルム21A上のインク層P2は、フィルム21Bの接着層214と接着しないので、フィルム21A,21Bの全面にローラを押し当てることができる。これにより、製袋スピードを向上させることができる。例えば、本実施形態では、50m/分以上、100m/分以下という高速で袋2を製造することができる。
(2−5)本実施形態では、接着剤により、フィルム21A,21B同士を接着しているため、ヒートシールできないような融点の高い材質を含有するフィルム21A,21Bで袋2を成形することが可能となる。
【0034】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第一実施形態では、袋1のヒートシールした部分の剥離強度は、1kg/15mm巾以上としたが、これ以下であってもよい。
【0035】
また、第一実施形態では、フィルム11A,11Bを高密度ポリエチレン樹脂を含有する基材層111と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有する溶着層112という層構成としたが、これに限らず、例えば、ナイロン又はポリエチレンテレフタレートを含有する基材層と、直鎖状低密度ポリエチレンを含有する溶着層とを備えたフィルムとしてもよい。この場合、基材層をナイロン又はポリエチレンテレフタレートの不織布としてもよい。
さらに、延伸ポリプロピレンフィルムからなる基材層、高密度ポリエチレン製或いはポリプロピレン製の割繊維不織布から構成される中間層、ポリプロピレンを含有する溶着層を有するフィルムとしてもよい。
また、フィルム11A,11Bは2層、3層構成に限らず、単層構成のものであってもよく、さらには、4層以上の構成のものとしてもよい。
【0036】
さらに、第二実施形態では、フィルム21A、フィルム21Bの基材層211をナイロン製としたが、これに限らず、他の素材で構成してもよい。さらには、単層構成ではなく、多層構成としてもよい。
また、前記各実施形態では、袋1,2は、その三辺のみがヒートシール、或いは接着された構造としたが、このような構造には限らず、例えば、四辺をヒートシール、接着してもよい。この場合には、収納物を充填する際に、一辺を切り落として開口部を形成すればよい。
さらに、前記各実施形態では、袋1,2は二枚のフィルム11A,11B,21A,21Bを備え、三辺を溶着、接着するものとしたが、これに限らず、一枚のフィルムを半折し、対向する2辺を溶着、接着する構成としてもよい。この場合には、インク塗布工程で、フィルムの半面側にのみインク層を形成すればよい。
また、前記各実施形態では、ローラによりフィルム同士を押圧し、溶着、接着していたが、押圧する部材はローラに限らず、フィルム同士を確実に溶着、接着できるような部材であれば、任意である。
【0037】
【発明の効果】
このような本発明によれば、袋の収納部の形状による影響を受けずに、コストの増加を防止でき、かつ製袋速度を高めることができる袋の製造方法及び袋を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる袋を示す平面図である。
【図2】図1のII−II方向の断面図である。
【図3】前記袋の製造工程を示す断面図である。
【図4】前記袋の製造工程を示す図である。
【図5】本発明の第二実施形態にかかる袋の断面図である。
【符号の説明】
1 袋
2 袋
3 押圧部材
11A,11B フィルム
21A,21B フィルム
111 基材層
112 溶着層
P1 インク層
P2 インク層
214 接着層
Claims (8)
- 重ね合わされるフィルムを固着して構成される袋の製造方法であって、
重ね合わされる一方のフィルム内面に、他方のフィルム内面と固着しない剥離インクを部分的に塗布するインク塗布工程と、
前記一方及び他方のフィルムの内面同士を対向させて、押圧部材を用いて固着する固着工程とを有することを特徴とする袋の製造方法。 - 請求項1に記載の袋の製造方法において、
前記押圧部材は、前記重ね合わされたフィルムを挟んで対向配置される一対のローラであることを特徴とする袋の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の袋の製造方法において、
前記固着工程では、一方及び他方のフィルムの内面を溶着し、
前記剥離インクは、耐熱性を有し、前記フィルムの内面と溶着しないものであることを特徴とする袋の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の袋の製造方法において、
前記他方のフィルムの内面全面には、接着剤を含有する接着層が形成されており、
前記固着工程では、前記一方及び他方のフィルムの内面同士を接着し、
前記剥離インキは、前記接着層と接着しないものであることを特徴とする袋の製造方法。 - 重ね合わされるフィルムを固着して構成される袋であって、
少なくとも一方のフィルムの内面の他方のフィルムとの固着部分を除いた部分には、他方のフィルム内面と固着しない剥離インクが塗布されていることを特徴とする袋。 - 請求項5に記載の袋において、
前記剥離インクは、他方のフィルム内面と擬似接着することを特徴とする袋。 - 請求項5又は6に記載の袋において、
前記一方のフィルムと他方のフィルムとは溶着されており、
前記フィルムは、高密度ポリエチレン樹脂を含有する基材層と、密度0.915g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有するとともに、フィルム内面となる溶着層とを有し、
前記剥離インクは、耐熱性を有し、前記フィルムの内面の溶着層と溶着しないものであることを特徴とする袋。 - 請求項5又は6に記載の袋において、
前記他方のフィルムの内面全面には、接着剤を含有する接着層が形成されており、前記一方のフィルムと他方のフィルムとは接着により固着され、
前記剥離インクは、前記接着層と接着しないものであることを特徴とする袋。
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2003
- 2003-07-30 JP JP2003203609A patent/JP2005047041A/ja active Pending
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