JP2005046714A - 灰溶融炉の溶融飛灰処理装置および溶融飛灰処理方法 - Google Patents

灰溶融炉の溶融飛灰処理装置および溶融飛灰処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融飛灰から塩分を除去し、当該溶融飛灰を管理型最終処分場に埋設した場合でも塩分の溶出を防止することにある。
【解決手段】溶融飛灰を水溶液に溶解させるとともに、当該水溶液のpHを8〜11に調整する混和槽131と、混和槽131から水溶液を受け入れて、当該水溶液に凝集剤を混入させる凝集槽132と、凝集槽132から水溶液を受け入れて、金属水酸化物を含む不溶性物質を凝集させるとともに沈澱させる沈殿槽15と、沈殿槽15内の上澄みの水溶液を受け入れて、当該水溶液を中性に調整する中和槽16と、中和槽16で中性に調整された水溶液を受け入れて、当該水溶液から塩分を回収する蒸発装置(塩分回収手段)17とを備えた構成になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、灰溶融炉から排出される排ガスを大気に放出するまでの処理過程で当該排ガスから回収される溶融飛灰を処理するための灰溶融炉の溶融飛灰処理装置および溶融飛灰処理方法に関する。
例えば、都市ごみ等の一般廃棄物や産業廃棄物は、これまで埋立処理されていたものでも、埋立地の枯渇や環境破壊等の問題から、次第に焼却処理されるようになってきた。しかし、焼却処理を行っても、焼却灰等の焼却残渣に重金属やダイオキシン類等の含れる率が高いため、ダイオキシン類の含有率が法定の基準値以上のものはその基準値以下にすべく法的な二次処理を行った後、管理型埋立処分場に埋立処理しなければならない。
このため、近年、焼却残渣を灰溶融炉に投入し、高温雰囲気下において溶融処理(上記二次処理の一つに相当)することにより、ダイオキシン類等の有害物質の無害化を図るとともに、焼却残渣の減容化を図ることが行われている。
また、上記灰溶融炉で発生した排ガスは、大気中に排出されるまでの間に、熱回収や中和等の処理が行われることになるが、その処理過程で当該排ガスに揮散した金属等が減温凝縮して固化することになる。このため、このようして凝縮した金属等を含む溶融飛灰が排ガスの熱回収装置や中和装置等にスラッジとして回収されるとともに、これらの処理装置を連結する管路等にスケールとして付着した状態で回収されることになる。また、上記スラッジやスケールとして回収されずに排ガス中に残った溶融飛灰も、最終的にはバグフィルタによって回収されることになる。したがって、灰溶融炉から排出される排ガスは、溶融飛灰が除去された清浄なものが大気に放出されることになる。
一方、上述のようにして回収された溶融飛灰は、例えばキレート剤およびセメントを加えて混練することにより、金属が確実に固定された造粒物に変換されることになる。
この造粒物に変換する装置としては、例えば図11に示すものが知られている。この装置は、溶融飛灰を蓄える溶融飛灰貯留槽aと、液体キレート剤を蓄える薬剤貯留槽bと、セメント(例えばポルトランドセメント)を蓄えるセメント貯留槽cと、上記溶融飛灰貯留槽a、薬剤貯留槽bおよびセメント貯留槽cのぞれぞれから供給される溶融飛灰、液体キレート剤およびセメントを混練して造粒する混練機dとを備えた構成になっている。
混練機dで造粒された造粒物は、コンベヤe、搬出ホッパf、トラックg等を介して例えば管理型最終処分場(図示せず)に搬送され、当該管理型最終処分場に埋立処理されることになる。
なお、管理型最終処分場には、降雨によって当該管理型最終処分場から浸出する水を処理するための浸出水処理設備が設置されている。
上記のように構成された溶融飛灰を造粒物に変換する装置においては、重金属類等を確実に固定することができるので、上述のように管理型最終処分場に埋設した場合でも、重金属類が浸出水に溶出するのを防止することができる。
ところが、上記溶融飛灰を造粒物に変換する装置においては、排ガスを中和処理した際に生じた塩分が造粒物中に大量に残存した状態になることから、当該造粒物を管理型最終処分場に埋設した場合には塩類が浸出水に溶出することになる。
この場合、管理型最終処分場に設置されている通常の浸出水処理設備は、塩分を除去する機能を有していないことから、塩分を含む浸出水が放出されることになり、稲作生育障害などの塩害を起こすおそれがある。
また、浸出水処理設備として脱塩機能を有する設備に切り換えるとなると、例えば雨季等において大量に発生するすべての浸出水に対して膜法や蒸発法等によって塩分を除去する設備が必要となり、多大なイニシャルコストおよびランニングコストがかかるというという問題がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、溶融飛灰から塩分を除去することができ、当該溶融飛灰を管理型最終処分場に埋設したとしても塩分の溶出を防止することのできる灰溶融炉の溶融飛灰処理装置および溶融飛灰処理方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理装置は、灰溶融炉の排ガスを大気に放出するまでの処理過程で当該排ガスから回収される溶融飛灰を処理するための灰溶融炉の溶融飛灰処理装置であって、上記溶融飛灰を水溶液に溶解させるとともに、当該水溶液のpHを8〜11に調整する混和槽と、この混和槽から水溶液を受け入れて、当該水溶液に凝集剤を混入させる凝集槽と、この凝集槽から水溶液を受け入れて、金属水酸化物を含む不溶性物質を凝集させるとともに沈澱させる沈殿槽と、この沈殿槽内の上澄みの水溶液を受け入れて、当該水溶液を中性に調整する中和槽と、この中和槽で中性に調整された水溶液を受け入れて、当該水溶液から塩分を回収する塩分回収手段とを備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理装置は、請求項1に記載の発明において、上記排ガスを大気に放出するまでの処理過程で回収された上記溶融飛灰のうち塊状の状態で回収された溶融飛灰を破砕する破砕手段を備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理装置は、請求項1または2に記載の発明において、上記塩分回収手段は、上記中性に調整された水溶液から加熱により水分を蒸発させて塩分を回収する蒸発装置によって構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理装置は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、上記混和槽、上記凝集槽および上記沈殿槽は、灰溶融炉に関する既設の給排水設備として設けられている混和槽、凝集槽および沈殿槽を用いることを特徴としている。
請求項5に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理方法は、灰溶融炉の排ガスを大気に放出するまでの処理過程で当該排ガスから回収される溶融飛灰を処理するための灰溶融炉の溶融飛灰処理方法であって、上記溶融飛灰を水溶液に溶解させるとともに、当該水溶液のpHを8〜11に調整し、このpHを8〜11に調整した水溶液に凝集剤を混入させた後、金属水酸化物を含む不溶性物質を沈澱させ、この沈殿後の上澄みの水溶液を中和槽に移動するとともに、当該中和槽内の水溶液を中性に調整し、この中性に調整された水溶液から塩分を回収することを特徴としている。
請求項6に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理方法は、請求項5に記載の発明において、上記排ガスを大気に放出するまでの処理過程で回収された上記溶融飛灰のうち塊状の状態で回収された溶融飛灰を破砕してから上記水溶液に溶解させることを特徴としている。
請求項7に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理方法は、請求項5または6に記載の発明において、上記中性に調整された水溶液を加熱して水分を蒸発させることにより塩分を回収することを特徴としている。
上記請求項1〜4に記載の発明においては、排ガス中に揮散して減温凝縮することにより固化した鉛や亜鉛等の低沸点の揮発性重金属などの金属が溶融飛灰に含まれることになるが、当該金属を含む溶融飛灰を混和槽内で水溶液に溶解させかつ当該水溶液のpHを8〜11に調整するとともに、この水溶液を凝集槽に移動して当該水溶液中に凝集剤を混入させ、この凝集剤が混入した水溶液を沈殿槽に移動することにより、水溶液に溶解した金属イオンが金属水酸化物として凝集するとともに、フロックを形成することになる。このため、金属水酸化物が不溶性金属化合物等の不溶性物質を巻き込んで急速に沈殿することになる。したがって、沈殿槽から沈殿物を回収することにより、金属水酸化物を含む不溶性物質であって塩分が除去された状態の溶融飛灰を回収することができる。
また、金属水酸化物を含む不溶性物質が沈殿した後の上澄みの水溶液を中和槽内に移動して中和させ、塩分回収手段によって、水溶液からNaClやCaCl2 等の塩分を回収することができる。
以上の結果、溶融飛灰から塩分を除去することができるとともに、その塩分の除去に用いた水溶液からも塩分を回収し除去することができる。
しかも、上記脱塩処理によって溶融飛灰に含まれる金属の含有率が高くなるので、当該溶融飛灰からの金属の回収が簡単にかつ低コストで行うことが可能になり、いわゆる山元還元によって、溶融飛灰に含まれる金属を有効に利用することができる。
また、溶融飛灰から塩分を除去することができるので、当該溶融飛灰を例えばキレート処理後に、管理型最終処分場に埋立処理した場合でも、浸出水中に塩分が溶出するのを防止することができる。したがって、塩害を防止するための設備を浸出水処理設備に設けることによって、多大のイニシャルコストおよびランニングコスト等の費用が発生するのを防止することができる。
さらに、中和した後の水溶液から塩分を除去することができるので、当該塩分除去後の水溶液を溶融飛灰を溶解する水溶液や灰溶融炉に関連する種々の設備に再利用することができるとともに、川や下水道等にそのまま放出しても、塩害を引き起こすのを防止することができる。
なお、混和槽における水溶液のpHを8〜11に調整したのは、8未満になると、水溶液に溶解した金属イオンが金属水酸化物として析出しなくなるからであり、11超になると、アルミニウムなどの重金属以外のものも析出することになり、また中和に要する薬品の使用量も過多になり不経済だからである。
また、上記水溶液のpHは、約10、すなわち、9.5〜10.5に調整することがより好ましい。すなわち、9.5未満になると、飛灰に多く含まれるPb(鉛)等の重金属が金属水酸化物として析出しなくなるからであり、10.5超になると、Pb等の一部の重金属が再溶解することになるからである。
請求項2に記載の発明においては、塊状の状態で回収される溶融飛灰を破砕する破砕手段を備えているので、所定の粒径以下の溶融飛灰を混和槽に供給することができる。したがって、溶融飛灰に含まれる溶解可能な物質を短時間で確実に溶解することができるので、混和や凝集沈殿等の処理時間を短縮することができる。
請求項3に記載の発明においては、塩分回収手段が蒸発装置によって構成されているので、当該蒸発装置によって水溶液中から塩分を確実に回収することができる。また、蒸発した水分は、冷却することにより、凝縮水として回収することができるので、当該凝縮水を、溶融飛灰を溶解する水溶液や灰溶融炉に関連する他の設備に使用する水として有効に利用することができる。
請求項4に記載の発明においては、混和槽、凝集槽および沈殿槽として、既設の給排水設備に設置された混和槽、凝集槽および沈殿槽を用いているので、当該灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の簡素化、設備投資費用の低減等を図ることができる。
請求項5〜7に記載の発明においては、排ガス中に揮散して減温凝縮することにより固化した鉛や亜鉛等の低沸点の揮発性重金属などの金属が溶融飛灰中に含まれることになるが、当該溶融飛灰を水溶液に溶解させ、当該水溶液のpHを8〜11に調整するとともに、当該水溶液に凝集剤を混入させることにより、水溶液に溶解した金属イオンが金属水酸化物として凝集するとともに、フロックを形成することになる。このため、金属水酸化物が不溶性金属化合物等の不溶性物質を巻き込んで急速に沈殿することになる。したがって、沈殿槽から沈殿物を回収することにより、金属水酸化物を含む不溶性物質であって塩分が除去された状態の溶融飛灰を回収することができる。
また、金属水酸化物や不溶性物質が沈殿した後の上澄みの水溶液を中和槽内に移動して中和させ、この中和後の水溶液から塩分を回収し除去することができる。
したがって、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
請求項6に記載の発明においては、排ガスから回収された溶融飛灰のうち塊状の溶融飛灰を破砕してから水溶液に溶解させることにより、当該溶融飛灰の溶解を促進することができる。すなわち、溶融飛灰に含まれる溶融可能な金属等については、確実かつ即座に水溶液に溶解させることができる。したがって、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
請求項7に記載の発明においては、中性に調整された水溶液を加熱して水分を蒸発させることにより、塩分を確実に回収することができる。したがって、請求項3に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
以上説明したように、上記請求項1〜7に記載の発明によれば、溶融飛灰を溶解させるとともにpHを8〜11に調整し、かつ凝集剤を混入させた水溶液を沈殿槽に移動させることにより、水溶液に溶解した金属イオンを金属水酸化物として凝集させるとともに、フロックを形成することができるので、金属水酸化物を含む不溶性物質を急速に沈殿させることができる。したがって、沈殿槽から沈殿物を回収することにより、金属水酸化物を含む不溶性物質であって塩分が除去された状態の溶融飛灰を回収することができる。
また、金属水酸化物を含む不溶性物質が沈殿した後の上澄みの水溶液を中和槽内に移動して中和させ、塩分回収手段によって、水溶液からNaClやCaCl2 等の塩分を回収することができる。
以上の結果、溶融飛灰から塩分を除去することができるとともに、その塩分の除去に用いた水溶液からも塩分を回収し除去することができる。
しかも、上記処理によって溶融飛灰に含まれる金属の含有率が高くなるので、当該溶融飛灰からの金属の回収が簡単にかつ低コストで行うことが可能になり、いわゆる山元還元によって、溶融飛灰に含まれる金属を有効に利用することができる。
また、溶融飛灰から塩分を除去することができるので、当該溶融飛灰を例えばキレート処理後に、管理型最終処分場に埋立処理した場合でも、浸出水中に塩分が溶出するのを防止することができる。したがって、塩害を防止するための設備を浸出水処理設備に設けることによって、多大のイニシャルコストおよびランニングコスト等の費用が発生するのを防止することができる。
さらに、中和した後の水溶液から塩分を除去することができるので、当該塩分除去後の水溶液を溶融飛灰を溶解するための水溶液や灰溶融炉に関連する種々の設備に使用する水として再利用することができるとともに、川や下水道等にそのまま放出しても、塩害を引き起こすのを防止することができる。
請求項2および6に記載の発明によれば、塊状の状態で回収される溶融飛灰を破砕することができるので、所定の粒径以下の溶融飛灰を混和槽に供給することができる。したがって、溶融飛灰に含まれる溶解可能な物質を短時間で確実に溶解させることができるので、混和、凝集、沈殿等の処理時間を短縮することができる。
請求項3および7に記載の発明によれば、水溶液から水分を蒸発させることにより、当該水溶液から塩分を確実に回収することができる。また、蒸発した水分を冷却することにより、凝縮水を得ることができるので、当該凝縮水を、溶融飛灰を溶解する水溶液や灰溶融炉に関連する他の設備に使用する水として有効に利用することができる。
請求項4に記載の発明によれば、混和槽、凝集槽および沈殿槽として、既設の給排水設備に設置された混和槽、凝集槽および沈殿槽を用いているので、当該灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の簡素化、設備投資費用の低減等を図ることができる。
以下、この発明の一実施の形態としての灰溶融炉の溶融飛灰処理装置および溶融飛灰処理方法について図面を参照しながら説明する。
この実施の形態で示す灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1は、図1および図2に示すように、灰溶融炉2のガス排出口2aから排出される排ガスを、二次燃焼炉31、排ガス冷却装置32、廃熱ボイラ33、空気予熱機34およびバグフィルタ(ろ過手段)35を備えた排ガス処理装置3を介して煙突から大気に放出するまでの処理過程で、当該排ガスから回収された溶融飛灰を処理する構成になっている。
灰溶融炉2は、図2に示すように、都市ごみ等の一般廃棄物や産業廃棄物の焼却処理後に生じた焼却灰および飛灰(以下、「焼却灰および飛灰」を「焼却残渣」という)を溶融処理すべく構成されたものであり、例えば灯油や重油等の燃料を用いて加熱するバーナ(図示せず)を備え、かつ所定の温度(例えば1250〜1350℃)に加熱されることによって反応を開始し高熱を発するテルミット剤を焼却残渣に混入させることにより、当該焼却残渣を効率よく溶融処理するテルミット式の灰溶融炉によって構成されている。
なお、上記テルミット剤とは、粉末状の酸化鉄と、粉末状のアルミニウムとを一定の割合(酸化鉄とアルミニウムとのモル比が1:2となる割合)で混合したものであり、上述した所定の高温に加熱することにより、下記の式(1)に示すテルミット反応を生じ熱を発するものである。テルミット反応式は下記式(1)の通りである。
Fe2 3 +2Al=2Fe+Al2 3 +198.3kcal …(1)
このテルミット反応においては、酸化鉄1モルと、アルミニウム2モルから、198.3kcalの反応熱を得ることができる。
また、灰溶融炉2で溶解したスラグは、灰溶融炉2の下方に配置された水槽21内に滴下することによって急冷され、重金属類を封入して安定化した状態の水砕スラグとなる。この水砕スラグは、水槽21内に設けられた図示しないコンベヤによって排出され、例えば図示しないスラグバンカに蓄えられるようになっている。
二次燃焼炉31は、管路30aを介して灰溶融炉2から排出される排ガスを導入して、図示しない再加熱バーナを用いて例えば850〜950℃に加熱し、当該排ガスに含まれるダイオキシンを確実に分解するようになっている。
排ガス冷却装置32は、二次燃焼炉31で加熱された排ガスを管路30bを介して導入して、ノズル32aから水および苛性ソーダを噴射することによって、水の潜熱により排ガスを約330〜370℃まで効率良く急冷するとともに、当該排ガスの中和を図るようになっている。
廃熱ボイラ33は、排ガス冷却装置32において冷却されかつ中和された排ガスを管路30cを介して導入することによって、他の設備に用いる高温の水や水蒸気を発生させるようになっている。
空気予熱機34は、廃熱ボイラ33から管路30dを介して排出される排ガス、または排ガス冷却装置32から管路30cおよびバイパス管路30eを介して排出される排ガスによって、外部から導入された空気を加熱するとともに、当該排ガスを冷却するようになっている。そして、ここで加熱された空気は、例えば灰溶融炉2のバーナに供給することにより、燃焼効率の向上を図ることが可能になっている。また、排ガスの冷却によって、当該排ガスが煙突から排出される際に水蒸気の凝縮によって生じる白煙の防止を図っている。
バグフィルタ35は、空気予熱機34から管路30fを介して排出される排ガス中に残存する溶融飛灰を回収するようになっている。なお、このバグフィルタ35の入口側には、当該バグフィルタ35のろ布を保護する等の目的で、消石灰の粉末が投入されるようになっている。したがって、消石灰の粉末もバグフィルタ35によって捕捉されることになる。
また、二次燃焼炉31、排ガス冷却装置32、廃熱ボイラ33および空気予熱機34の各底部には、排ガス中に含まれる溶融飛灰がスラッジとして回収されて溜まることになる。例えば、二次燃焼炉31では、再加熱時の燃焼によって生じた灰分がスラッジとして回収され、排ガス冷却装置32、廃熱ボイラ33および空気予熱機34では、排ガスに揮散した金属等が減温凝縮して固化したものや、中和によって生じた塩分、その他の物質がスラッジとして回収されることになる。
さらに、管路30a、30b、30c、30d、30e、30fのそれぞれには、減温凝縮によって生じた固形物等がスケールとして例えば塊状に固まった状態で回収されることになる。
さらに、バグフィルタ35においては、排ガス中に含まれる溶融飛灰のうち、上記スラッジやスケールとして回収されずに最後まで残った溶融飛灰および消石灰が回収されることになる。
そして、二次燃焼炉31、排ガス冷却装置32、廃熱ボイラ33および空気予熱機34でスラッジとして回収された溶融飛灰は、それぞれの各底部に設けられたロータリバルブ36a、36b、36c、36d、36eを介して外部に排出され、コンベヤ10aを介して回収されることになる。
また、バグフィルタ35で捕捉された溶融飛灰および消石灰は、当該バグフィルタ35の底部に設けられたロータリバルブ36eを介して外部に排出され、コンベヤ10bを介して回収されることになる。
さらに、管路30a、30b、30c、30d、30e、30fに付着したスケールは、当該管路30a等から剥離されたものが例えば上記コンベヤ10aに投入され、当該コンベヤ10aを介して回収されることになる。
灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1は、図1に示すように、上記コンベヤ10a、10bと、一方のコンベヤ10aによって搬送されてきたスラッジやスケールの溶融飛灰であって、塊状に固化したものを5mm以下の粒径のもに破砕する破砕機(破砕手段)11と、この破砕機11によって破砕された溶融飛灰あるいはバグフィルタ35で回収された溶融飛灰(通常はパウダー状の粉体となっている)を定量供給する定量供給装置12と、この定量供給装置12から供給される溶融飛灰を受け入れて、当該溶融飛灰を水溶液に溶解させるとともに、当該水溶液のpHを8〜11に調整する混和槽131と、この混和槽131内で溶融飛灰が溶解し、かつpHが8〜11に調整された水溶液を受け入れて、当該水溶液に高分子凝集剤(凝集剤)を混入させる凝集槽132と、この凝集槽132内で高分子凝集剤が混入された水溶液を受け入れて、金属水酸化物を含む不溶性物質を沈澱させる沈殿槽15と、この沈殿槽15内の上澄みの水溶液を受け入れて、当該水溶液を中性に調整する中和槽16と、この中和槽16で中性に調整された水溶液を受け入れて、当該水溶液から塩分を回収する蒸発装置(塩分回収手段)17とを備えた構成になっている。
破砕機11は、1軸もしくは2軸のロールクラッシャ等によって構成されており、溶融飛灰の粒径を5mm以下、好ましくは1mm以下に粉砕するようになっている。
定量供給装置12は、混和槽131に送る溶融飛灰の質量を調整するようになっており、溶融飛灰の搬送および計測手段としてのスクリュコンベヤを備えた構成になっている。ただし、溶融飛灰の搬送および計測手段としては、上記スクリュコンベヤに代えてロータリバルブ等を用いてもよい。
混和槽131および凝集槽132は、図3および図4に示すように、底板13aおよび4つの側板13bを備えた矩形状の容器を仕切板13cで左右に区切ることによって、互いに隣接した状態に構成されている。また、混和槽131および凝集槽132は、それぞれの上方に開口する開口部が一つの蓋板13dによって閉塞されるようになっている。
蓋板13dには、平面視で混和槽131および凝集槽132の中心位置に、円筒形状に形成された第1取付座13eおよび第2取付座13fが設けられている。
第1取付座13eには、第1攪拌機141(図1参照)が取り付けられるようになっており、第2取付座13fには第2攪拌機142(図1参照)が取り付けられるようになっている。
第1攪拌機141は、電動モータを有する駆動部141aが第1取付座13eの頂部に取り付けられた状態において、駆動部141aによって駆動される攪拌シャフト141bが混和槽131内の水溶液内に延在し、当該攪拌シャフト141bの先端部に水溶液を攪拌するための第1撹拌翼141cを備えた構成になっている。
第1撹拌翼141cは、図5に示すように、攪拌シャフト141bを中心にして周方向に三等分する各位置(周方向に120度離れた位置)に羽根141dを配置したもので構成されている。各羽根141dは、効率よく揚力を発生するため、回転方向に対して斜めに形成されているとともに、湾曲した形状に形成されている。
また、第1撹拌翼141cは、例えば100〜400rpmの高速で回転することにより、溶融飛灰と、水溶液と、後述する硫酸および/または水酸化ナトリウム溶液とを急速に混合して、溶融飛灰を水溶液に均一かつ即座に溶解させるとともに、当該水溶液のpHを8〜11に均一に調整するようになっている。
一方、第2攪拌機142は、図1に示すように、電動モータを有する駆動部142aが第2取付座13f(図3参照)の頂部に取り付けられた状態において、駆動部142aによって駆動される攪拌シャフト142bが凝集槽132内の水溶液内に延在し、当該攪拌シャフト142bの先端部およびその先端部の上方位置に水溶液を攪拌するための第2撹拌翼142cが2段に分かれて備えられた構成になっている。
上下2段に配置された各第2撹拌翼142cは、図6に示すように、攪拌シャフト142bを中心として周方向に二等分する各位置(周方向に180度離れた位置)に羽根142dを配置したもので構成されている。各羽根142dは、回転方向に対して斜めに形成されているものの、揚力の発生を抑えるため平板状のもので構成されている。
また、第2撹拌翼142cは、例えば10〜100rpmの低速で回転することにより、後述する高分子凝集剤を水溶液に均一に混合するようになっている。
そして、上記混和槽131で攪拌された水溶液は、図3および図4に示すように、仕切板13cに沿う角部に設けられた囲い板13g内を下から上方に流れ、当該囲い板13g内における仕切板13cの上部に形成された四角形状の切欠部13hから凝集槽132へ流出するようになっている。
また、凝集槽132で高分子凝集剤が混入された水溶液は、当該凝集槽132における平面視で上記切欠部13hに対して対角位置の角部に設けられた囲い板13i内を下から上方に流れ、この囲い板13i内における側板13bの上部に設けられた排出口部13jから排出されるようになっている。
また、蓋板13dには、図4で二点鎖線で示すように、定量供給装置12から供給される溶融飛灰を混和槽131内に投入するための投入口部13kが設けられているとともに、水溶液を混和槽131に供給するための給水口部13mが設けられている。混和槽131に供給される水溶液としては、上水あるいは灰溶融炉2に関する各設備で使用し、浄化した後の再利用水が用いられる。
混和槽131における溶融飛灰と水溶液との混合割合ηは、下記の式(2)に示すように、溶融飛灰の質量を溶融飛灰および水溶液の合計質量で割った値が5〜20%になるように設定している。
η=(溶融飛灰の質量)/((溶融飛灰の質量)+(水溶液の質量))×100(%)
=5〜20(%) …(2)
混合割合ηを上記のように設定したのは、当該混合割合ηを5%未満にすると、水溶液の増大により後述する蒸発装置17によって塩分を回収する際のコストが増大してしまうからであり、当該混合割合ηを20%超にすると、溶融飛灰に含有された溶解可能な金属や塩分のうち溶解しないものが残ってしまうおそれがあるからである。
また、灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1には、図1に示すように、硫酸貯留容器(酸性溶液貯留手段)18a、苛性ソーダ貯留容器(塩基性溶液貯留手段)18bおよび凝集剤貯留容器(凝集剤貯留手段)18cが設置されている。
硫酸貯留容器18a内に蓄えられた硫酸(酸性溶液)は、混和槽131内の水溶液のpHを8〜11に調整すべく、ポンプ18dによって必要な量が混和槽131に供給されるようになっている。ただし、水溶液のpHが8未満である場合には、硫酸を供給することはない。また、硫酸貯留容器18a内の硫酸は、中和槽16内の水溶液を中和すべく、他のポンプ18eによって必要な量が中和槽16に供給されるようにもなっている。
また、苛性ソーダ貯留容器18bに蓄えられた水酸化ナトリウム溶液(アルカリ性溶液)は、混和槽131内の水溶液のpHを8〜11に調整すべく、ポンプ18fによって必要な量が混和槽131に供給されるようになっている。ただし、水溶液のpHが11超である場合には、水酸化ナトリウム溶液を供給することはない。
すなわち、混和槽131においては、バグフィルタ35から回収される溶融飛灰の投入量が多い場合には消石灰によって水溶液のpHが11を超えることがあるので、この場合には硫酸を供給することによりpHを8〜11に調整することになる。また、スラッジやスケールとして回収された溶融飛灰の投入量が多い場合には、pHが8未満になることがあるので、この場合には、水酸化ナトリウム溶液を供給することによりpHを8〜11に調整することになる。
混和槽131内の水溶液のpHは、当該混和槽131に設けられたpHセンサ(pH検出手段)131aによって検出されるようになっている。
また、凝集剤貯留容器18cに蓄えられた例えば高分子凝集剤の溶液は、水溶液中に溶解した金属イオンを金属水酸化物として凝集させる速度を増進させるべく、ポンプ18gによって必要な量が凝集槽132に供給されるようになっている。
そして、凝集槽132においては、高分子凝集剤が第2撹拌翼142cによる適度な速度の攪拌によって、水溶液内に均一に混合されることになる。
沈殿槽15は、溶融飛灰が溶解するとともに、pHが8〜11に調整され、かつ高分子凝集剤が均一に混入された水溶液を蓄えることによって、金属イオンが金属水酸化物となって凝集し、フロックの形成によって、不溶性金属化合物等の不溶性物質をも急速に沈殿させるようになっている。
中和槽16は、沈殿槽15における上澄みとしての塩基性の水溶液を、貯留容器18aから供給される硫酸によって、pHを約7、すなわちpH6〜7、より好ましくはpH6.5〜7.5となるように、中和するようになっている。この中和槽16には、水溶液のpHを検出するためのpHセンサ(pH検出手段)16aが設けられている。
蒸発装置17は、図7および図8に示すように、容器本体A1と、撹拌手段A2と、ロータリバルブA3とを備えた構成になっている。
容器本体A1は、軸方向を上下方向に向けて設置される円筒部A1aと、この円筒部A1aの下端から下方に向けて円錐状に縮径するテーパ部A1bと、円筒部A1aの上端部を覆う天板A1cと、円筒部A1aの軸方向の中央部からテーパ部A1bの下端近傍までの外周面を囲むように設けられた加熱用の蒸気ジャケットA1dとを備えている。
円筒部A1aには、蒸気ジャケットA1dの上方にノズルA1eが複数(この実施の形態では3つ)設けられている。
各ノズルA1eは、管路17aを介して中和槽16に接続されており、当該中和槽16から供給される中和された水溶液を容器本体A1内に霧状に噴射するようになっている。
また、天板A1cには、容器本体A1内で生じた蒸気を排出する蒸気排出口A1fが設けられ、この蒸気排出口A1fには管路17bが接続されている。
蒸気ジャケットA1dは、管路17cを介して例えば廃熱ボイラ33(図2参照)に接続されており、当該廃熱ボイラ33から高温の水蒸気の供給を受けることによって、容器本体A1内を高温に保持し、ノズルA1eから供給される水溶液の水分を蒸発させるようになっている。
また、蒸気ジャケットA1dには、当該蒸気ジャケットA1d内で減温された水蒸気を排出する管路17dが接続されている。管路17dに排出された水蒸気は、図示しない熱交換器等によって凝縮されるとともに、当該管路17dを介して後述する再利用水槽4(図9参照)に供給され、再利用されるようになっている。
撹拌手段A2は、容器本体A1の軸心を通る回転軸A2aと、この回転軸A2aから放射方向に延在する複数の支持バーA2bと、この支持バーA2bの先端部に連結され、円筒部A1aの軸方向の中央部からテーパ部A1bの下端近傍に至る内周面の軸方向に沿うように形成された複数(この実施の形態では2つ)の撹拌翼A2cと、天板A1cの上面に設置され、回転軸A2aを回転駆動する電動モータA2dとを備えている。
支持バーA2bは、回転軸A2aにおける軸方向の3位置に所定の間隔をおいて配置されているとともに、周方向に180度離れた位置に配置されることによって、撹拌翼A2cを周方向に180度離れた2位置に保持するようになっている。
テーパ部A1bの下端部には、ノズルA1eから噴出された水溶液の水分が蒸発することによって残った塩分を排出するための排出口A1gが設けられている。
ロータリバルブA3は、排出口A1gに取り付けられており、容器本体A1内に残った塩分を排出するようになっている。ロータリバルブA3から排出される塩分は、図示しないフレコンバックに詰められた状態で回収されることになる。
また、蒸気排出口A1fに接続された管路17bには、図1に示すように、凝縮器A5、管路17eおよびサイクロンA6が順次接続されている。
サイクロンA6は、図示しない吸引ポンプによって、蒸発装置17の容器本体A1内で発生した蒸気を凝縮器A5を介して吸引するとともに、凝縮器A5で水分が凝縮された後の気体からダスト分を回収した後に当該気体を大気側に排出するようになっている。
凝縮器A5は、容器本体A1内から吸引された水蒸気を冷却して凝縮水として回収するようになっている。ここで回収された凝縮水は、管路17fを介して再利用水槽4(図9参照)に送られ、再利用されるようになっている。
次ぎに、灰溶融炉の溶融飛灰処理方法を説明する。
この灰溶融炉の溶融飛灰処理方法においては、まず、スラッジおよびスケールとして回収された溶融飛灰およびバグフィルタ35から回収された溶融飛灰のうち塊状のものを、破砕機11に供給して破砕する。これにより、溶融飛灰の粒径を5mm以下、好ましくは1mm以下に粉砕する。この場合、バグフィルタ35から回収される溶融飛灰がパウダー状であるのに対し、スラッジおよびスケールとして回収された溶融飛灰に塊状のものが含まれることから、特にスラッジおよびスケールとして回収された溶融飛灰を破砕機11に供給することになる。したがって、塊状の溶融飛灰がない場合には、破砕機11は不要になる。
次ぎに、破砕機11によって例えば5mm以下となった溶融飛灰あるいはもともと5mm以下となっている溶融飛灰を混和槽131に供給して水溶液に溶解させるとともに、当該混和槽131内に硫酸または水酸化ナトリウム溶液を供給することによって、当該混和槽131内の水溶液のpHを8〜11に調整する。そして、このpHを8〜11に調整した水溶液を凝集槽132に移動するとともに、当該凝集槽132内に高分子凝集剤の溶液を供給して、水溶液に溶解した金属イオンを金属水酸化物に凝集させる速度を増加させる。
その後、溶融飛灰が溶解するとともに、pHが8〜11に調整され、かつ高分子凝集剤が均一に混入された水溶液を沈殿槽15に移動して金属水酸化物を含む不溶性物質を沈澱させ、これにより塩分を含まない重金属含有汚泥としての溶融飛灰を回収する。
一方、沈殿槽15における上澄みの水溶液を中和槽16に移動するとともに、当該中和槽16内に硫酸を供給することによって、水溶液を中性に調整する。
そして、中性に調整された水溶液を蒸発装置17に供給することによって、当該水溶液から塩分を回収する。
上記のように構成された灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1および溶融飛灰処理方法においては、排ガスに揮散して減温凝縮することにより固化した鉛や亜鉛等の低沸点の揮発性重金属などの金属が溶融飛灰に含まれることになるが、当該金属を含む溶融飛灰を混和槽131内に供給して水溶液に溶解させかつ当該水溶液のpHを8〜11に調整することにより、水溶液に溶解した金属イオンを水に難溶な金属水酸化物に変換することができる。しかも、凝集槽132で高分子凝集剤を加えることにより、金属水酸化物の凝集速度を増加させることができる。このため、沈殿槽15において、金属水酸化物が不溶性金属化合物等の不溶性物質を巻き込んで凝集し、急速に沈殿することになる。これにより、金属水酸化物を含む不溶性物質としての溶融飛灰を塩分を除去した状態で回収することができる。
また、金属水酸化物や不溶性物質が沈殿した後の上澄みの水溶液を中和槽16内に移動して中和させ、この中和した水溶液を蒸発装置17に供給することにより、当該水溶液からNaClやCaCl2 等の塩分を回収することができる。
したがって、溶融飛灰から塩分を除去することができるとともに、当該溶融飛灰から塩分を除去するために用いた水溶液からも塩分を回収し除去することができる。
しかも、上記脱塩処理によって溶融飛灰に含まれる金属の含有率が高くなるので、当該溶融飛灰に含有する金属の回収が簡単にかつ低コストで行うことが可能になる。すなわち、溶融飛灰に含まれる金属をいわゆる山元還元によって有効に利用することができる。
また、溶融飛灰から塩分を除去することができるので、当該溶融飛灰を例えばキレート処理後に、管理型最終処分場に埋立処理した場合でも、浸出水中に塩分が溶出するのを防止することができる。したがって、浸出水の放出によって塩害が生じるのを防止することができるとともに、浸出水から塩分を除去するための設備を設置するために多大な費用がかかるのを防止することができる。
さらに、蒸発装置17で蒸発した後の水分を冷却することにより、凝縮水を得ることができるので、当該凝縮水を、再利用水槽4に供給して溶融飛灰を溶解する水溶液や、灰溶融炉2に関連する他の設備に使用する水として有効に利用することができる。
また、塊状の状態で回収される溶融飛灰を破砕する破砕機11を備えているので、混和槽131において、溶融飛灰に含まれる金属等のうち溶解可能な物質を短時間で確実に溶解させることができる。したがって、混和、凝集および沈殿等の処理時間の短縮を図ることができる。
さらに、蒸発装置17における水溶液の蒸発のための熱源として、廃熱ボイラ33から回収した廃熱を用いているので、塩分を回収するためのコストを極めて低く抑えることができる。
なお、上述した灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1は、灰溶融炉2に関する既設の給排水設備300における所定の設備を利用するものであってもよい。
給排水設備300は、図9および図10に示すように構成されている。すなわち、上水が上水タンク4aに蓄えられた後、その一部が再利用水槽4に送られるとともに、他の一部がトイレ6a、給水6b、浴室6c等の建築設備61の生活用水や、廃熱ボイラ33等へのボイラ用水6d、排ガス冷却装置32への冷却水6f、従来例で示した薬剤貯留槽bのキレート剤を希釈するための飛灰処理混練水6h等のプラント設備62のプラント用水として利用されるようになっている。
一方、湧水および雨水がそれぞれ湧水集水ピット5aおよび屋根5bを介して貯水槽5に集められた後、再利用水槽4に送られるようになっている。
再利用水槽4に蓄えられた水は、磁選洗浄水6e、排ガス冷却装置32への冷却水6f、水槽21に供給するスラグ冷却水6g、床洗浄水6i、洗車用水6j等のプラント設備62のプラント用水として利用されるようになっている。
トイレ6a、給水6b、浴室6c等の生活用水として使用された水は合併洗浄槽7aを介して原水槽7bに送られるようになっている。また、ボイラ用水6d、磁選洗浄水6e、床洗浄水6i、洗車用水6jとして使用された水も原水槽7bに送られることになる。
原水槽7bは、蓄えられる水の量が第2原水槽7cに供給する量を調整することによってほぼ一定に保持されるようになっている。
また、原水槽7bに蓄えられた水は、排水処理設備8によって浄化処理がなされてから処理水槽7dに一旦蓄えられた後、再利用水槽4に送られるようになっている。
排水処理設備8は、図10に示すように、計量槽8aと、混和槽8bと、凝集槽8cと、沈殿槽8dと、ろ過原水槽8eと、砂ろ過塔8fとを備えている。
計量槽8aは、原水槽7bからポンプによって送られてきた原水のうち、混和槽8bで処理可能な量を当該混和槽8bに送り、残りの原水を原水槽7bに戻すようになっている。
混和槽8bは、計量槽8aから送られてきた原水に、無機凝集剤タンク8gから供給される無機凝集剤および硫酸槽8hから供給される硫酸を混合し、この混合した後の水溶液を凝集槽8cに送るようになっている。また、混和槽8bは、原水と、無機凝集剤および硫酸とを混合するため、上述した第1攪拌機141と同様の第1攪拌機8jを備えた構成になっている。
凝集槽8cは、混和槽8bから送られてきた水溶液に、高分子凝集剤タンク8iから供給する高分子凝集剤を混合し、この混合した後の水溶液を沈殿槽8dに送るようになっている。なお、凝集槽8cは、高分子凝集剤を水溶液に混合するため、上述した第2攪拌機142と同様の第2攪拌機8kを備えた構成になっている。
沈殿槽8dは、上記無機凝集剤および高分子凝集剤によって凝集した金属を含む汚泥を沈殿させ、この汚泥をポンプによって汚泥貯槽7eに送るとともに、沈殿した汚泥の上澄みとしての水溶液をろ過原水槽8eに送るようになっている。
ろ過原水槽8eに蓄えられた水溶液は、砂ろ過塔8fで浄化されてから消毒槽部7daを有する処理水槽7dに送られ、確実に消毒された状態で処理水槽7dに一旦蓄えられた後、再利用水槽4に送られることになる。また、処理水槽7dに蓄えられた水を利用して、砂ろ過塔8fを逆洗するようになっており、この逆洗によって汚れた水は、原水槽7bに送られるようになっている。
また、汚泥貯槽7eに送られた汚泥は、ポンプによって脱水機7fに送られ、その汚泥分がケーキとして回収されるとともに、水分が原水槽7bに送られることになる。また、原水槽7bにおいては、ブロア7gから送られる空気による浄化がなされるようになっている。
ここで、既設の給排水設備300の所定の設備のうち、灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1の設備として使用可能なものを対比させると、表1に示す通りになる。
Figure 2005046714
なお、既設の給排水設備300で用いられている汚泥貯槽7eおよび脱水機7fと同様の設備を沈殿槽15で沈殿した溶融飛灰を回収するための設備として新たに設置するように構成してもよいが、当該汚泥貯槽7eおよび脱水機7fを、沈殿槽15で沈殿した溶融飛灰を回収するための設備としてそのまま用いてもよい。
以上のように、灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1を構成する設備として、既設の給排水設備300の設備を用いることにより、当該灰溶融炉の溶融飛灰処理装置1の簡素化、設備投資費用の低減を図ることができる。
なお、上記実施の形態においては、混和槽131において、水溶液のpHを8〜11に調整するように構成したが、当該水溶液のpHは、9.5〜10.5に調整することがより好ましい。このようにpHを8〜11や、9.5〜10.5の範囲に調整する理由は、前述した通りである。
この発明の一実施の形態として示した灰溶融炉の溶融飛灰処理装置のブロック図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置において処理する溶融飛灰を回収するための排ガス処理装置を示すブロック図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の混和槽および凝集槽を示す断面図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の混和槽および凝集槽を示す平面図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の混和槽における第1撹拌翼を示す正面図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の凝集槽における第2撹拌翼を示す正面図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の蒸発装置を示す断面図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の蒸発装置を示す図であって、図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 同灰溶融炉の溶融飛灰処理装置の構成要素として代用可能な構成要素を有する灰溶融炉に関する既設の給排水設備を示すブロック図である。 同灰溶融炉に関する既設の給排水設備における排水処理設備等の詳細を示すブロック図である。 従来例として示した溶融飛灰を造粒物に変換する装置のブロック図である。
符号の説明
2 灰溶融炉
8b 混和槽(既設の給排水設備)
8c 凝集槽(既設の給排水設備)
8d 沈殿槽(既設の給排水設備)
11 破砕機(破砕手段)
15 沈殿槽
16 中和槽
17 蒸発装置(塩分回収手段)
131 混和槽
132 凝集槽
300 灰溶融炉に関する既設の給排水設備

Claims (7)

  1. 灰溶融炉の排ガスを大気に放出するまでの処理過程で当該排ガスから回収される溶融飛灰を処理するための灰溶融炉の溶融飛灰処理装置であって、
    上記溶融飛灰を水溶液に溶解させるとともに、当該水溶液のpHを8〜11に調整する混和槽と、
    この混和槽から水溶液を受け入れて、当該水溶液に凝集剤を混入させる凝集槽と、
    この凝集槽から水溶液を受け入れて、金属水酸化物を含む不溶性物質を凝集させるとともに沈澱させる沈殿槽と、
    この沈殿槽内の上澄みの水溶液を受け入れて、当該水溶液を中性に調整する中和槽と、
    この中和槽で中性に調整された水溶液を受け入れて、当該水溶液から塩分を回収する塩分回収手段とを備えたことを特徴とする灰溶融炉の溶融飛灰処理装置。
  2. 上記排ガスを大気に放出するまでの処理過程で回収された上記溶融飛灰のうち塊状の状態で回収された溶融飛灰を破砕する破砕手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理装置。
  3. 上記塩分回収手段は、上記中性に調整された水溶液から加熱により水分を蒸発させて塩分を回収する蒸発装置によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理装置。
  4. 上記混和槽、上記凝集槽および上記沈殿槽は、灰溶融炉に関する既設の給排水設備として設けられている混和槽、凝集槽および沈殿槽を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理装置。
  5. 灰溶融炉の排ガスを大気に放出するまでの処理過程で当該排ガスから回収される溶融飛灰を処理するための灰溶融炉の溶融飛灰処理方法であって、
    上記溶融飛灰を水溶液に溶解させるとともに、当該水溶液のpHを8〜11に調整し、
    このpHを8〜11に調整した水溶液に凝集剤を混入させた後、金属水酸化物を含む不溶性物質を沈澱させ、
    この沈殿後の上澄みの水溶液を中和槽に移動するとともに、当該中和槽内の水溶液を中性に調整し、
    この中性に調整された水溶液から塩分を回収することを特徴とする灰溶融炉の溶融飛灰処理方法。
  6. 上記排ガスを大気に放出するまでの処理過程で回収された上記溶融飛灰のうち塊状の状態で回収された溶融飛灰を破砕してから上記水溶液に溶解させることを特徴とする請求項5に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理方法。
  7. 上記中性に調整された水溶液を加熱して水分を蒸発させることにより塩分を回収することを特徴とする請求項5または6に記載の灰溶融炉の溶融飛灰処理方法。
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