以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明における弾球遊技機の一例としてのパチンコ機PMについて説明する。図1は、パチンコ機PMの正面図である。
このパチンコ機PMには遊技機の外郭保持枠をなす外枠1と、この外枠1と開閉自在に軸支された前枠2(図示略)が設けられている。そして、前枠2は、ガラス扉3(図示略)、球受け皿4と、打球ハンドル5と、操作スイッチ6と、レール7で区画された遊技領域10とを備える遊技盤8等から構成されている。
押圧操作が可能である操作スイッチ6には、LED等から構成される操作有効ランプ6a(図1でハッチングで示す部分)が設けられている。操作有効ランプ6aは、操作スイッチ6の入力(押圧)操作が有効であることを点灯や点滅により遊技者に報知する。なお、本実施例では、操作有効ランプ6aの点灯により操作スイッチ6の入力(押圧)操作が有効であることを遊技者に報知している。
なお、操作有効ランプ6aは、本実施例のように操作スイッチ6に設けるのではなく、遊技者が可視可能な別位置に設置してもよい。また、操作スイッチ6の操作が有効になった旨が分かるように、(図柄表示装置等において)図柄や画像の表示、又は(スピーカ等を用いて)音声等により報知してもよい。
遊技領域10には、賞球の払出条件となる複数の一般入賞口11と、賞球の払出条件となるとともに後述する図柄表示装置20の図柄の変動開始条件となる始動入賞口12と、大入賞口13と、遊技球を回収するアウト口14と、図示しない打球の落下に影響を与える風車や多数の遊技釘等が設けられている。そして、遊技領域10の略中央には、(後述する)ゲームシートや演出パターン、停止図柄等の画像及び図柄を表示する図柄表示装置20が設けられている。
図柄表示装置20の上部には、図柄表示装置20による図柄の変動中に始動入賞口12に入った入賞球数を表示する4個のLED等から構成される保留球ランプ30が設けられている。本実施例では、4個を上限として、(図柄変動中に)始動入賞口12に入賞がある毎に、保留球ランプ30を1個ずつ点灯させる。そして、図柄表示装置20において図柄の変動表示が開始される毎に、点灯している保留球ランプ30を1個ずつ消灯させる。
このような構成のパチンコ機PMにおいて、遊技者が打球ハンドル5を操作すると、球受け皿4から遊技球が1個ずつ打球発射部(不図示)に送られ、操作量に応じた強度で遊技領域10に打球が発射される。発射された打球は上述した入賞口11,12或いはアウト口14に流下し、上述した入賞口11,12に入賞した場合には所定の賞球が球受け皿4に払い出される。また、上述した入賞口11,12のうち始動入賞口12に打球が入賞すると、所定の賞球が球受け皿4に払い出され、図柄表示装置20に表示された図柄が変動を開始する。そして、本発明では、図柄表示装置20において所定時間,所定の動画像及び図柄の変動態様を表示が行われた後に、図柄の変動を停止する。このとき、図柄表示装置20の表示内容が所定の表示態様の場合には大当たりとなり、開放されて入賞が容易となった大入賞口13に打球が入賞すると、遊技者には大量の賞球が払い出される。
なお、上記の所定の表示態様とは、ゲームシートにおいて正方マトリクス状に配置された図柄のうち縦、横、斜めのいずれかの並びにおけるn個(以下、本実施例ではn=3)の図柄の組み合わせと、n個の停止図柄の組み合わせとが一致することである。以下、ゲームシートにおいてn個の停止図柄の組み合わせとが一致した並びのことを「当たり並び」と称する。
このとき、図2(a)に示すように、ゲームシートGにおける図柄の組み合わせが、正方マトリクス状の中心に配置された図柄mを含んでいる場合は、特別遊技終了後に確率変動が実行される。具体的には、図2(b)に示すように(正方マトリクスの中心に配置された図柄mを含む)縦及び横の並びである「a・m・d」,「b・m・d」に配置された図柄の組み合わせ、図2(c)に示すように(正方マトリクスの中心に配置された図柄mを含む)斜めの並びである「e・m・h」,「f・m・g」に配置された図柄の組み合わせが該当する。以下、(当たり並びのうち)ゲームシートにおける図柄の組み合わせが正方マトリクス状の中心に配置された図柄mを含んでいる場合を「確変並び」と称する。
なお、上記の所定の表示態様におけるn個の図柄の組み合わせは、互いに異なる図柄で構成することも可能である。例えば、従来は停止図柄が「123」といった互いに異なる図柄の組み合わせとなった場合には外れとなったが、本発明では大当たりとなる可能性がある。また、従来は停止図柄が「777」といったぞろ目となった場合には大当たりとなったが、本発明では外れとなる可能性がある。このように、本発明は、停止図柄だけでは予期できない、面白味のある遊技を提供することができる。
また、ゲームシートを構成する図柄に特定の図柄が含まれている場合(例えば、図18の記号Aで示す図柄「FREE」)、上記の所定の表示態様とは、ゲームシートで特定の図柄m個(m<3)を含んだ縦、横、斜めいずれかの並びにおいて前記特定の図柄を除く(n−m)個の図柄の組み合わせと、n個の停止図柄の組み合わせのうち(n−m)個の図柄の組み合わせとが一致することである。
例えば、図3(a)に示すように、1個の特定の図柄が図中のSで示す位置に配置されている場合は(すなわち、m=1,n=3)、ゲームシートG1において「p・q」もしくは「x・y」の位置に配置されている図柄の組み合わせと、3個の停止図柄の組み合わせのうち2個の図柄とが一致すればよい。また、図3(b)に示すように、特定の図柄が図中のS´で示す2ヶ所に配置されている場合は(すなわち、m=2,n=3)、ゲームシートG2において「z」の位置に配置されている図柄と、図示していない3個の停止図柄の組み合わせのうち1個の図柄が一致すればよい。このように特定の図柄が表示されているゲームシートは、この特定の図柄の表示が多い程、大当たり確率が高くなる。
以上のように構成されたパチンコ機PMに設けられている制御装置について図を用いて説明する。図4,5は、この制御装置による制御の概略を示すブロック図である。この制御装置は、CPU,ROM,RAM等の種々の電子部品より構成されている遊技制御手段50によりゲームの制御を行う。
遊技制御手段50には、操作スイッチ6に内蔵されて操作スイッチ6の(押圧)操作を検出するための操作検出装置6bと、始動入賞口12に内蔵された始動口入賞検出装置12aと、大入賞口13に内蔵された大入賞口入賞検出装置13aと、大入賞口13内の特定領域(図示せず)に内蔵された特定領域通過検出装置13b等が電気的に接続しており、これらから検出信号が遊技制御手段50に入力される。
遊技制御手段50は、これらの入力された信号に応じて各種作動制御を行うものであり、この制御対象として、操作スイッチ6の操作が有効であることを示す操作有効ランプ6aと、大入賞口13を開放作動させる大入賞口駆動装置13mと、画像及び図柄を表示する図柄表示装置20と、保留球ランプ30と、賞球の払い出しを行う賞球払出装置45等が電気的に接続している。これらは全て遊技制御手段50からの制御信号に基づいて作動制御される。
続いて、この遊技制御手段50の制御内容について説明する。遊技制御手段50は、このゲームの制御のために、通常遊技実行手段60と、特別遊技実行手段70と、高確率遊技設定手段80と、払出制御手段90とを備えている。
通常遊技実行手段60は、パチンコ機PMの通常遊技を実行・制御するためのものであり、遊技領域10に設けられた各入賞口への入賞口への入賞に関する処理を行う入賞口入賞処理手段61と、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを決定する特別遊技移行判定手段62とを備えて構成されている。なお、入賞口入賞処理手段61については、従来と変わらないのでここでの詳細な説明は省略する。
特別遊技移行判定手段62は、図柄変動要素取得手段621と、保留球情報記憶手段622と、当たり乱数判定手段623と、演出決定手段624と、シート変更判定手段625と、図柄制御手段626とを備えている。
図柄変動要素取得手段621は、図柄表示装置20に表示する図柄又は画像を決定するための要素(例えば、当たり乱数、停止図柄乱数、演出乱数)を取得するためのもので、当たり乱数取得手段621aと、停止図柄乱数取得手段621bと、演出乱数取得手段621cとを備えている。
当たり乱数取得手段621aは、大当たりを発生させるか否かを決定するための乱数(以下、「当たり乱数」と称する)を取得するためのものである。例えば、ハードウエアのインクリメントカウンタによって生成された0〜65535(65536通り)の乱数を上述した始動口入賞検出装置12aからの入賞信号に基づいて、取得している。なお、明細書中の乱数とは、インクリメントカウンタのように規則性のあるものであっても、その取得タイミングに規則性がないために実際に乱数として機能するものを含む概念である。
停止図柄乱数取得手段621bは、図柄表示装置20に表示させる停止図柄を決定するための乱数(以下、「停止図柄乱数」と称する)を取得するためのものである。例えば、左図柄用として1〜15(16通り)の乱数を取得する左図柄決定乱数と、中図柄用として1〜15(16通り)の乱数を取得する中図柄決定乱数と、右図柄用として1〜15(16通り)の乱数を取得する右図柄決定乱数等からなる。
演出乱数取得手段621cは、(演出パターン群メモリ624dからいずれかの)演出パターンを取得するための乱数(以下、「演出乱数」)を取得するためのものである。例えば、ソフトウエアのインクリメントカウンタによって生成された0〜255(256通り)の乱数を当たり乱数判定手段623により当たりを判定する前に取得している。
保留球情報記憶手段622は、図柄制御手段626による図柄の変動表示中に始動入賞口12へ入賞した(すなわち、始動口入賞検出装置12aにより検出された)遊技球の入賞情報を、入賞した遊技球に対応させて、所定上限個分(本実施例では4個分)記憶するためのものである。入賞情報として、本実施例では、当たり乱数、停止図柄乱数、演出乱数、保留球数等が記憶されている。また、本実施例においては記憶可能な保留球数の上限値を4個としたが、これに限定されるものではなく適宜変更可能である。なお、このような保留球情報記憶手段622に、保留球の入賞情報が所定上限個分記憶されている場合は、それ以上の遊技球が始動入賞口12に入賞しても、その遊技球に対する入賞情報は記憶されず無効となる。すなわち、図柄の変動中において、始動入賞口12を通過する4個の遊技球に対して取得された情報は記憶することができるが、5個目以降の遊技球は始動入賞口12を通過しても無視され、賞球のみ払い出しが行われるようになっている。
当たり乱数判定手段623は、当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定するためのものである。例えば、ROMに記憶された当たり値「0〜200」と先の当たり乱数として取得された乱数値(0〜65535のうちの1つ)とを比較し、この乱数値が当たり値「0〜200」である場合に「当たり」と判定する。なお、後述する確率変動中には、高確率遊技設定手段80により、例えば、当たり値が上記「0〜200」のうち奇数の乱数値に対して、大当たり確率を高確率(すなわち当たり値を「0〜1280」)に変動している。
演出決定手段624は、図柄表示装置20において表示される様々な演出を決定するためのものであり、停止図柄決定手段624aと、ゲームシート群メモリ624bと、ゲームシート選択手段624cと、演出パターン群メモリ624dと、演出パターン選択手段624eとを備えている。
停止図柄決定手段624aは、停止図柄乱数に応じて停止図柄を決定するためのものである。なお、本実施例において停止図柄は、左図柄、右図柄、中図柄から構成されて、各図柄毎に1〜15までの数字を表示できるようになっている。
ゲームシート群メモリ624bは、n次(ただし、nは2以上の整数。本実施例ではn=3)の正方マトリクス状に配置したn2個の図柄から構成されているゲームシートデータを複数記憶しているメモリである。なお、本実施例においてゲームシートは、3次の正方マトリクス状に配置した9個の図柄から構成されている。
ゲームシート選択手段624cは、停止図柄決定手段624aにより決定された停止図柄及び演出乱数取得手段621cにより取得された演出乱数に応じて、ゲームシート群メモリ624bに記憶されている複数のゲームシートからいずれかのゲームシートを選択する。
演出パターン群メモリ624dは、(停止図柄を表示する前に)図柄表示装置20にて表示される図柄の変動表示をさせた後に停止表示させるまでの図柄変動過程が定められている演出パターンを複数記憶しているメモリであり、図5に示すように、特別当たり演出パターン群メモリP1と、通常当たり演出パターン群メモリP2と、外れ演出パターン群メモリP3とを備えている。
なお、演出パターンには、図柄変動過程に加えて、操作スイッチ6の入力操作を有効とするか否か、操作スイッチ6の操作を有効とする場合は操作の有効時間(以下、制限時間と称する)、操作有効ランプ6aを演出パターン表示中にて点灯させるタイミング、図柄変動過程に対応した大当たり確率を示唆するための図柄や画像等、様々な情報が予め設定されている。
特別当たり演出パターン群メモリP1は、当たり乱数判定手段623に当たりと判定され且つゲームシートにおける当たり並びのうち確変並びに決定されたときに選択される、図柄の変動表示をさせた後に停止表示させるまでの一連の図柄演出パターン(特別当たり演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
なお、この特別当たり演出パターン群メモリP1には、大当たり確率が変動する際に行われる特定の演出が設定されており、リーチ変動とプレミアム予告が設定されている。このプレミアム予告とは、極めて出現頻度が低い予告演出であり、この演出がなされたときは当該変動における抽選結果が当たりとなる確率が極めて高いものである。このような特定の演出を用いることにより、遊技者は図柄変動中から大当たり確率が通常の低確率から高確率に変動するという認識を高め、当該変動における遊技者の集中度を増すことができるようになっている。
通常当たり演出パターン群メモリP2は、当たり乱数判定手段623に当たりと判定され且つゲームシートにおける当たり並びのうち確変並び以外の並び(以下、通常当たり並び)に決定されたときに選択される、図柄の変動表示をさせた後に停止表示させるまで一連の図柄演出パターン(当たり演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
外れ演出パターン群メモリP3は、当たり乱数判定手段623に外れと判定されときに選択される、図柄の変動表示をさせた後に停止表示させるまでの一連の図柄演出パターン(外れ演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
演出パターン選択手段624eは、停止図柄決定手段624aにより決定された停止図柄及びゲームシート選択手段624cにより選択されたゲームシートに基づいて、演出パターン群メモリ624dに記憶された複数の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択するためのものである。なお、選択されたゲームシートが操作スイッチ6の入力操作に応じて変更可能である場合は、差し替え用のゲームシートも同時に選択される(すなわち、2枚のゲームシートが選択される)。
シート変更判定手段625は、演出パターン選択手段624eにより選択された演出パターンに基づいて、図柄表示装置20に表示中のゲームシートを新たなゲームシートに変更するか否かを判定するためのものである。
なお、本実施例では、シート変更判定手段625により新たなゲームシートに変更すると判定された場合は、操作スイッチ6の入力操作が所定時間許可され、この時間内に操作スイッチ6の入力操作されれば、(ゲームシート選択手段624cにより選択されていた)新たなゲームシートが図柄制御手段626により図柄表示装置20に表示されるようになっている。
図柄制御手段626は、図柄表示装置20において、ゲームシート、演出パターン及び停止図柄等の画像や図柄の表示を制御するためのものである。例えば、本発明においては、始動入賞口12に遊技球が入賞すると(すなわち始動口入賞検出装置12aにより検出されると)、図柄表示装置20において、ゲームシート選択手段624cにより決定されたゲームパターン及び演出パターン選択手段624eによって決定された演出パターンを表示させた後、停止図柄決定手段624aにより決定された停止図柄を表示させるようになっている。
また、図柄制御手段626は、停止図柄とゲームシートに配置された図柄とが一致した場合、ゲームシートにおいて該当する図柄を視覚的に明示する。
例えば、図柄制御手段626は、停止図柄とゲームシートに配置された図柄が一致した場合、ゲームシートに配置された図柄自体の色を変更することによって明示する。具体的には、図20に示すように、(停止図柄「7」と一致した)ゲームシート側の該当する図柄「7」を白抜きの状態から着色した状態に変えて表示している。
また、図柄制御手段626は、リーチ状態(すなわち、n個の停止図柄が全て表示される前に、停止図柄の組み合わせとゲームシートに配置された縦、横、斜めのいずれかの並びにおける(n−1)個の図柄の組み合わせが一致した状態)である場合は、ゲームシートに配置された該当する図柄の背景パネルの色を変更することによって明示する。具体的には、図21に示すように、リーチ状態となっている並びの背景パネルの色(すなわち、停止図柄「7」,「11」と一致したゲームシートG側の該当する図柄「7」,「11」の背景パネルの色)を無着色の状態からハッチングをかけた状態に変えて表示している。
特別遊技実行手段70は、当たり乱数判定手段623により当たりと判定された場合(すなわち、ゲームシートにおいて正方マトリクス状に配置された図柄のうち縦、横、斜めのいずれかの並びにおけるの図柄の組み合わせと、停止図柄の組み合わせとが一致した場合)に特別遊技を実行するためのものであり、単位遊技実行手段71と、継続判定手段72と、確率変動移行判定手段73とを備えている。
単位遊技実行手段71は、特別遊技中における単位遊技を行うためのものであり、大入賞口駆動手段711と、単位遊技終了判定手段712とを備えている。
大入賞口駆動手段711は、大入賞口13を開放して遊技球の入賞を容易にするように大入賞口駆動装置13mを作動させるためのものである。
単位遊技終了判定手段712は、予め設定された単位遊技終了条件に基づいて、単位遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
継続判定手段72は、予め設定された継続条件に基づいて、特別遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
確率変動移行判定手段73は、特別遊技終了後に確率変動を実行するか否かを判定するためのものである。本実施例では、図柄表示装置20に表示されているゲームシートにおける当たり並びのうち確変並びであるか否かを判定している。
高確率遊技設定手段80は、確率変動移行判定手段73によりその判定結果が肯定的、すなわち確率並びであると判定された場合に、当該特別遊技終了後の大当たり確率を低確率から高確率に変動させるように、確率抽選テーブルをセットするためのものである。例えば、当たり乱数判定手段623によって参照する当たり値を「0〜200」の他に「201〜1280」に増やして、大当たり確率が通常よりも高確率になるようにしている。
払出制御手段90は、賞球払出装置45から賞球を払い出させる制御を行うためのものである。
次に、本実施例における制御概要を図6〜図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図6は、このパチンコ機PMのメインフローチャートである。遊技制御手段50は、まずステップS1で遊技機全体の初期設定を行った後、ステップS2の通常遊技処理、ステップS3の特別遊技処理を行った後、再びステップS2の通常遊技処理に戻る。この動作は電源が遮断されるまで繰り返し実行される。ステップS2の通常遊技処理とステップS3の特別遊技処理については後述する。
図7は、ステップS2の通常遊技処理のフローチャートである。通常遊技処理S2は、一般入賞口11及び始動入賞口12への入賞をチェックする入賞口入賞チェック処理(ステップS20)と、特別遊技を移行するか否かを判定する特別遊技移行判定処理(ステップS21)とを実行した後、本処理を終了する。
図8は、ステップS20の入賞口入賞チェック処理のフローチャートである。入賞口入賞チェック処理S20は、まず遊技球がいずれかの一般入賞口11への入賞が一般入賞口入賞検出装置11aにより検出されると(ステップS201)、その検出信号は遊技制御手段50に送られて、一般入賞フラグがセットされる(ステップS202)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて賞球払出装置45が作動して、各入賞球に対して所定数(例えば、10球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿4に払い出す。なお、ここでセットされたフラグは、賞球動作に基づいて適宜リセットされる。また、始動入賞口12への遊技球の入賞が始動口入賞検出装置12aにより検出されると(ステップS203)、その検出信号は遊技制御手段50に送られ、始動入賞フラグがセットされる(ステップS204)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて、賞球払出装置45が作動して始動入賞口12への入賞球に対して所定数(例えば、5球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿4に払い出す。
次に、ステップS21の特別遊技移行判定処理を実行する。図9はステップS21の特別遊技移行判定処理の第1フローチャート、図10はステップS210の図柄変動要素取得処理のフローチャート、図11は(図9から続く)ステップS21の特別遊技移行判定処理の第2フローチャート、図12は(図11から続く)ステップS21の特別遊技移行判定処理の第3フローチャート、図13は(図12から続く)ステップS21の特別遊技移行判定処理の第4フローチャートである。
まず、特別遊技移行判定処理S21は、図9に示すように、図柄変動要素取得処理S210を行う。
図柄要素取得処理S210は、図10に示すように、始動入賞口12に入賞したか否かを確認するために始動入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS211)。オンでない場合はこの処理を終了し、オンである場合は始動入賞フラグをオフする(ステップS212)。次に、記憶されている始動入賞口12へ入賞した保留球の数が記憶上限個(例えば、4個)に達しているかどうか、すなわち保留球数記憶手段622に入賞情報を記憶することができるか否かを確認する(ステップS213)。ここで、保留数の数が記憶上限個に達しておらず記憶が可能である場合は、保留球ランプ30を1つ点灯させ(ステップS214)、当たり乱数取得手段621aにより当たり乱数を取得し(ステップS215)、停止図柄乱数取得手段621bにより停止図柄乱数を取得し(ステップS216)、演出乱数取得手段621cにより演出乱数を取得し(ステップS217)、これら入賞情報を各保留球の数k(k=1,2,3,4)に対応して保留球情報記憶手段622に設けられている所定のエリアへ格納し(ステップS218)、この処理を終了する。なお、ステップS213において、保留球の数が上限個に達している場合は、この図柄変動要素取得処理S210を終了する。
そして、特別遊技移行判定処理S21は、図9に示すように、保留球の記憶があるか否かの確認を行う(ステップS230)。ここで、保留球の記憶がない場合には本処理を終了し、保留球の記憶がある場合には保留球の数k=1に対応して保留球情報記憶手段622に格納されている情報を読み出し(ステップS231)、保留球情報記憶手段622に格納されている情報をシフトする(ステップS232)。
ここで、ステップS231及びステップS232について、具体的に図を用いて説明する。例えば、図17(a)で示すようにステップS231では保留球情報記憶手段622において保留球の数k=1に対応する当たり乱数の値Aを読み出し、図17(b)に示すようにステップS232では保留球の数k=2,3,4に対応するエリアに格納されている値B,C,Dを保留球の数k−1に対応するエリアにシフトして格納している。
続いて、特別遊技移行判定処理S21は、図11に示すステップS233に進み、当たり乱数判定手段623によりステップS231で読み出した当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定する。判定結果が当たりであるときは、ステップS231で読み出された停止図柄乱数に基づいて停止図柄決定手段624aにより所定の停止図柄が決定され(ステップS234)、ゲームシート選択手段624cによりこの停止図柄及び演出乱数取得手段621cにより取得された演出乱数に応じてゲームシート群メモリ624bから(当たり並びである)ゲームシートが選択される(ステップS235)。そして、このゲームシートにおける当たり並びが確変並びであるか否かを判定する(ステップS236)。ここで、ゲームシートにおける当たり並びが確変並びであれば、停止図柄及びゲームシートに基づいて演出パターン選択手段624eにより特別当たり演出パターン群メモリP1から特別当たり演出パターンが決定され(ステップS237)、ステップS242へ進む。また、ステップS236において、ゲームシートにおける当たり並びが確変並びではなかったとき、停止図柄及びゲームシートに基づいて、演出パターン選択手段624eにより通常当たり演出パターン群メモリP2から通常当たり演出パターンが決定され(ステップS238)、ステップS242へ進む。
一方、ステップS233において、判定結果が当たりでない、すなわち外れであるときは、ステップS231で読み出された停止図柄乱数に基づいて停止図柄決定手段624aにより所定の停止図柄、すなわち外れ図柄が決定される(ステップS239)。続いて、ゲームシート選択手段624cによりこの停止図柄及び演出乱数取得手段621cにより取得された演出乱数に応じてゲームシート群メモリ624bから(外れである)ゲームシートが選択される(ステップS240)。さらに、このゲームシート及び先に取得した停止図柄に基づいて、演出パターン選択手段624eにより外れ演出パターン群メモリP4から外れ演出パターンが決定され(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では保留球ランプ30を1個消灯し、上記で取得したゲームシートを図柄制御手段626により図柄表示装置20にて表示する(ステップS243)。
続いて、特別遊技移行判定処理S21は、図12に示すステップS244に進み、シート変更判定手段625により上記で選択された演出パターンに基づいて、図柄表示装置20に表示中のゲームシートを新たなゲームシートに変更するか否かを判定する。ここで、シート変更判定手段625により新たなゲームシートに変更すると判定された場合は、図柄表示装置20にて入力操作許可画面を表示するとともに(ステップS245)、操作有効ランプ6aを点灯して(ステップS246)、操作スイッチ6の操作が許可された旨を遊技者に報知し、ステップS247に進む。一方、シート変更判定手段625により新たなゲームシートに変更すると判定されなかった場合は、図13に示すステップS261に進む。
なお、入力操作許可画面とは、例えば図18に示すように、「push!」といった操作スイッチ6の操作を促したり、「カードチェンジ?:3(秒)」といった表示されているゲームカードの変更可能な時間(操作スイッチ6の入力操作が許可されている時間)などを示すような内容が表示される画面表示態様である。
続いて、ステップS247では、操作検出装置6bにより操作スイッチ6の入力(押圧)操作が検出されたか否かを確認する。ここで、操作スイッチ6の押圧操作が検出されなかった場合は、上記で選択した演出パターンに予め設定されている制限時間が超過したか否かを判定する(ステップS250)。ここで、制限時間が超過したと判定された場合は、操作有効ランプ6aを消灯し(ステップS251)、図13に示すステップS261に進む。また、ステップS250において、制限時間が超過していないと判定された場合は、ステップS247に戻る。一方、ステップS247において、(制限時間内に)操作スイッチ6の入力(押圧)操作が検出されたと判定された場合は、操作有効ランプ6aを消灯し(ステップS248)、図柄表示装置20に(ゲームシート選択手段624cにより選択されていた2つのゲームシートのうちステップS243で表示しなかった)新たなゲームシートを図柄制御手段626により表示させ(ステップS249)、図13に示すステップS261に進む。
続いて、特別遊技移行判定処理S21は、図13に示すステップS261に進み、図柄制御手段626において図柄制御手段626により、上記で取得した演出パターンを実行し(ステップS261)、上記で取得した停止図柄を表示する(ステップS262)。
ここで、特別遊技移行判定処理S21における図柄表示装置20の表示態様について、画面例を用いて説明する。まず、図19に示すように、ゲームシートGが表示され、取得した演出パターンに基づいた図柄の変動表示が開始される(図中では、図柄の変動表示を矢印で示している。以下、図20及び図21でも同様)。なお、このゲームシートGが差し替え可能である場合は、図18に示すような入力操作許可画面が表示され、遊技者により制限時間内に操作スイッチ6が押圧操作されれば、新しいゲームシートG´が表示されるようになっている。
続いて、図20,図21に示すように、停止図柄a〜cが順に表示される。ここで、停止図柄a〜cの図柄とゲームシートGに配置された図柄とが一致した場合は、図20の図柄「7」及び図21の図柄「11」のように、ゲームシートGの該当する図柄の文字の色を変化させて表示する。また、(図21では、斜めの並び「7・8・11」及び横の並び「11・11・2」が該当するように)停止図柄の図柄とゲームシートGに配置された図柄とがあと1個揃えば大当たりとなる所謂リーチ状態である場合は、図21の図柄「7」及び「21」のように、ゲームシートGにおいて該当する並びの文字の背景色を変化させて表示する。
そして、ステップS233における抽選結果が当たりで且つゲームシートにおいて当たり並びが確変並びである場合には、例えば図22に示すように、3個の停止図柄a,b,cの図柄の組み合わせ「7・11・8」と、ゲームシートGにおいて斜めの並びにおける3個の図柄の組み合わせ「7・11・8」とが一致した、ゲームシートGにおいて中心に配置された図柄「8」を含む確変並びが表示される。
また、ステップS233における抽選結果が当たりで且つゲームシートにおいて当たり並びが確変並びではない場合には、例えば図23に示すように、停止図柄b,dの図柄の組み合わせ「11・2」と、ゲームシートGにおいて横の並びにおける図柄の組み合わせ「11・11・2」とが一致した(通常の)当たり並びが表示される。
また、ステップS233における抽選結果が外れの場合には、例えば図24に示すように、停止図柄a,b,eの図柄の組み合わせ「7・11・1」と、ゲームシートGにおいて縦、横、斜めの並びにおけるいずれの図柄の組み合わせとも一致しないものが表示される。
上記のステップS262に続き、当たり乱数判定手段623によりステップS231で読み出した当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定する(ステップS263)。ここで、判定結果が当たりであるときは特別遊技フラグをオンし(ステップS264)、ステップS265に進む。また、判定結果が外れであるときは、そのままステップS265に進む。ステップS265では、ステップS231で読み出した情報を消去し、この特別遊技移行判定処理S21を終了する。
次に、ステップS3の特別遊技処理を行う。この特別遊技処理S3は、取得した当たり乱数の抽選結果が当たりのとき、単位遊技を所定回数(例えば15回)だけ実行可能な特別遊技を成立させる処理である。図14は特別遊技処理S3の前段フローチャート、図15は特別遊技処理S3の後段フローチャート、図16は特別遊技終了処理S320のフローチャートである。
図14に示すように、まず、特別遊技フラグがオンであるか否かを確認する、すなわち取得した当たり乱数が当たりであったか否かを確認し(ステップS301)、外れであればこの処理を終了する。当たりの場合は、例えば特別遊技フラグをオフしたり、大当たり確率が高確率の場合は通常の低確率に変動させる等の特別遊技初期設定を行う(ステップS302)。次に、単位遊技を行うための各種の初期設定を行い(ステップS303)、単位遊技を開始する。
単位遊技は、大入賞口駆動手段711により大入賞口駆動装置13mを作動させて大入賞口13を開放して、第1回目の単位遊技を開始する。大入賞口13が開放されると、遊技領域空間を落下移動する遊技球は大入賞口13に非常に入賞し易い状態となる。このような状態で大入賞口13に遊技球が入賞すると、払出制御手段90によりこの入賞球に対して所定の数(例えば、13個)の賞球が球受け皿4に払い出される。
このようにして第1回目の単位遊技が開始されると、単位遊技終了判定手段712により、以下に述べるような単位遊技終了条件の達成の有無が判断され、この単位遊技終了条件が達成されるまでは大入賞口13の開放作動が継続される。
単位遊技終了条件は、「入賞球数」及び「制限時間」を用件として設定されている。まず、「入賞球数」の用件は、大入賞口13に入賞したトータルの遊技球の数が所定数(例えば、10球)に達した時点で単位遊技終了条件が達成されたと判断するというものであり、図15に示すように、大入賞口入賞検出装置13aにより大入賞口13に入賞したかを判断する(ステップS304)。入賞した場合は、大入賞口13に取り付けられている入賞球のカウンタ(不図示)から予め設定されている単位遊技条件終了のために必要な入賞球数(例えば、10球)から1を減らす(ステップS305)。また、特定領域通過検出装置13bにより特定領域(図示せず)に遊技球が入賞したか否かを判断し(ステップS306)、入賞した場合は特定領域フラグをセットする(ステップS307)。そして、大入賞口13の入賞球数が所定の数(例えば、10球)に達したか否かを判定し(ステップS308)、入賞球数が所定の数を満たしていた場合は単位遊技終了条件が達成されたためステップS310に進み、入賞球数が所定の数を満たしていない場合は次の単位遊技終了条件であるステップS309に進む。
次に、「開放時間」の要件は、単位遊技開始後における大入賞口13の開放時間が予め定められた時間(例えば、30秒)経過したときにこの単位遊技終了条件が達成したと判断されるというものであり、ステップS309では、この終了条件が達成したか否かを判断する。そして、制限時間が終了していない(すなわち、単位遊技終了条件が満たされていない)場合はステップS304へ戻り次の単位遊技を行う。一方、制限時間が終了(すなわち、単位遊技終了条件を満たされた)場合は、ステップS310へ進む。
以上のように単位遊技終了判定手段712は、「入賞球数」もしくは「制限時間」の条件のいずれか一方が満たされた時点で、単位遊技終了条件が達成されたと判断し、単位遊技を終了する。
上記のような単位遊技終了条件を達成したときは大入賞口13の開放を止め、継続判定手段72により継続判定条件が達成されているかを判断する(ステップS310)。この継続条件とは、単位遊技中に特定領域に遊技球が入賞して特定領域フラグがセットされたか否かという条件であり、単位遊技中に特定領域への入賞があった場合にのみ継続条件が達成されたと判断される。このため、特定領域への入賞がないまま単位遊技が終了した場合には、ステップS310から特別遊技終了処理S320を行う。
一方、ステップS310において継続条件が成立したと判断された(すなわち今回の単位遊技中に特定領域へ少なくとも1つの入賞球があった)場合には、特定領域フラグをクリアする(ステップS311)。今回の特別遊技を開始した後における単位遊技のラウンド数を数えるためにカウンタがあり、このカウンタには予め所定回数(例えば、15回)がセットされている。このカウンタから1を減らす(ステップS312)。続いて、このラウンド数のカウンタが0未満になったか否か、つまり単位遊技の繰り返し回数が所定回数行われたか否かを判断する(ステップS313)。ここで、ラウンド数のカウンタが0未満ではない、すなわち所定回数繰り返されていない場合は、ステップS303に戻り、次の単位遊技を行う。また、ラウンド数のカウンタが0未満である、すなわち単位遊技が所定回数繰り返された場合は、ステップS313から特別遊技終了処理S320へ進む。
特別遊技終了処理S320は、図16に示すように、まず、確率変動移行判定手段73により、当選時におけるゲームシートの当たり並びが確変並びであるか否かを判定する(ステップS321)。当たり並びが確変並びであると判断されたときは、高確率遊技設定手段80により大当たり確率を通常よりも高確率になるように当たり値が設定されている確変抽選テーブルをセットする(ステップS322)。なお、この確率抽選テーブルはステップS302において適宜リセットされる。続いて、確率変動当選画面を図柄表示装置20に表示する(ステップS323)。この確率変動当選画面とは、遊技者の注目を引いて大当たり確率が高確率に変動したこと容易に把握することできるように、例えば、「確変」の文字が大きく表示される画面表示態様である。一方、ステップS321において、当たり並びが確変並びではないと判定されたときは、確率変動非当選画面にて報知する(ステップS324)。なお、確率変動非当選画面とは、大当たり確率が通常のままで高確率にはならなかったことを報知するために、例えば、「ざんねん」といった文字が大きく表示される画面表示態様である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
例えば、特別遊技移行判定処理S21において、図柄表示装置20に表示される演出パターンに基づく図柄の変動表示は、上記実施例では単に矢印で示しているが、キャラクタが停止図柄の描かれた球が入った箱からいずれかの球を取り出すといった、様々な抽選演出に変更することができる。
また、本実施例ではn=a=3であったが、これに限定されないのは言うまでもない。例えば、n=3且つa=5としたときは、3次の正方マトリクスに配置された図柄のうち縦、横、斜めのいずれかの並びにおける3個の図柄の組み合わせと、表示された5個の停止図柄のうち3個の停止図柄の図柄の組み合わせとが一致すれば大当たりとすることができる。