JP2005046025A - 温室内に於ける植物の高設栽培方法及びそのキャスター付き栽培棚 - Google Patents

温室内に於ける植物の高設栽培方法及びそのキャスター付き栽培棚 Download PDF

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【課題】本発明は床面Bに対して栽培ベッド面積を増加させて農作業効率が向上し、且つ床面Bをバリアフリーにさせ、車椅子を利用する人にもイチゴ狩りが楽しめる温室内に於ける植物の高設栽培方法及びそのキャスター付き栽培棚を提供することを目的とする。
【解決手段】キャスター4付き高設栽培棚Aを多数並列密着状態に並べ、必要に応じ高設栽培棚Aを平行移動してバリアフリーな床面Bに、位置が可変可能な通路Cを確保させる温室内に於けるイチゴの高設栽培方法とする。また高設栽培棚Aが、キャスター4を取付けた平行移動自在な支持枠台1と、該支持枠台1の上部に取付けると共に支持枠台1の幅よりも狭い栽培ベッド支持枠体2と、栽培ベッド支持枠体2の内部に設けるベッド形成部材3とから構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は植物を生育するための栽培ベッドを床面から適宜高さに設置する高設栽培用キャスター付き栽培棚を使用した温室内に於ける植物の高設栽培方法及びそのキャスター付き栽培棚に関し、特にはイチゴの高設栽培方法及びそのキャスター付き栽培棚に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に温室(ビニールハウスも含む)内に於ける植物の高設栽培方法としては、栽培ベッドを支える支柱が地面に埋込まれて各脚部材を固定し、その上部に2本のパイプを平行に架け渡し、このパイプ間にシートを掛け渡して断面U字状にさせ、その断面U字状の内部に培養土が入れられて栽培ベッドを形成する構造のものが使用され、イチゴなどの栽培を行っていた。また温室内の床面は舗装しない土のままの状態である場合が多かった。尚、水耕栽培に於いては、床面を固くし、レールなどを配設して農作業の自動化したものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記イチゴなどの栽培方法は、栽培ベッドが固定されているため、栽培ベッドを配設させる際に、栽培ベッド間には必ず通路が設けられており、温室内の床面積に対して、栽培ベッド面積が制限されるものであった。従って、栽培ベッド面積を増やすために、栽培ベッドの幅を広くする場合もあるが、栽培ベッドの中央のイチゴなどを収穫する際に、手を伸ばしたり又はかがんだり、或いは小柄な人は踏台を用意して持ち歩きながら作業しなければならなくなり、無理な姿勢の作業や踏台に乗りながらの作業となるので、農作業の効率が低下するものとなっていた。また温室内の床面が固くないため、台車などを通路で使用すると、わだちができてしまい、台車などの動きが悪くなる等の問題点があった。一方、水耕栽培に於ける床面の如く固くしてレールなどを配設させたものは、床面に凹凸が出来てしまうため、床面を平らにしてバリアフリーにすることは困難であった。また温室内を車椅子でイチゴ狩りを行う発想は従来にはなかった。
【0004】
本発明は床面に対して栽培ベッド面積を増加させることが可能となると共に農作業の効率が向上するものとなり、且つ床面を平らにしてバリアフリーにさせ、車椅子を利用する人たちにもイチゴ狩りを容易に楽しむことが可能となる温室内に於けるイチゴの高設栽培方法及びそのキャスター付き栽培棚を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、つまり、温室内の高設栽培方法において、キャスターが取付けられた多数の高設栽培棚を使用し、植物が植え付けられた高設栽培棚を並列密着状態に並べ、必要に応じて各高設栽培棚を平行移動させて床面に通路が位置を変更しながら確保される温室内に於けるイチゴの高設栽培方法である。また温室の床面を平らにしてバリアフリーにさせたり、床面をコンクリート製又はアスファルト製とするのが好ましい。更に床面の一部を、高設栽培棚が平行移動される際にキャスターの接触部分にコンクリート打設して帯状なコンクリート面に形成させると良い。尚、本発明で言う「必要に応じて」とは、作業時やイチゴ狩り時の通路の確保に必要性があることを指す。
【0006】
またイチゴの高設栽培用キャスター付き栽培棚としては、キャスターを取付けた平行移動自在な支持枠台と、該支持枠台の上部に取付けると共に支持枠台の幅よりも狭い栽培ベッド支持枠体とから少なくとも構成する。又、支持枠台の幅を40cm〜100cmとしたり、支持枠台の断面形状を台形に形成したりすると良く、且つ支持枠台と栽培ベッド支持枠体を着脱自在にしたり、栽培ベッド支持枠体の内部にベッド形成部材を設け、そのベッド形成部材をイチゴ用と成すのが良い。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態を示す図であり、これに基づいて説明する。(A)はキャスター(4)が取付けられた多数の高設栽培棚であり、該高設栽培棚(A)は温室内で並列密着状態に並べて配置され、且つ前記高設栽培棚(A)にはイチゴ(5)などの植物が植え付けられている。(B)は温室の床面であり、該温室の床面(B)は平らでバリアフリーであり、その床面(B)としては、コンクリート製又はアスファルト製にすると良いが、床面(B)の一部として、高設栽培棚(A)を平行移動させる際にキャスター(4)の接触部分がコンクリート打設して帯状のコンクリート面(B1)に形成され、他の部分をアスファルト製にするのが好ましい。(C)は床面(B)に設けた通路であり、該通路(C)は高設栽培棚(A)を必要に応じて平行移動させた時に確保できるものである。この通路(C)の幅として、床面(B)に高設栽培棚(A)を並列密着した際に一列分相当の隙間を設けておけば、農作業が行えるものとなるが、複数の作業者が作業出来るように2列以上の隙間を設けておくことが好ましい。
【0008】
(1)はキャスター(4)を下部に取付けた平行移動自在な支持枠台であり、該支持枠台(1)には、チャンネル或いはパイプを用いて骨組された長尺な台本体(11)と、その台本体(11)の上部で且つ定間隔に立設させた一対の差込パイプ(12)とがある[図4(a)参照]。また前記支持枠台(1)の下部の幅としては40cm〜100cmが好ましく、且つ前記支持枠台(1)の断面形状が台形に形成されているが、台形以外に凸形状としても良い。この時、支持枠台(1)を幅寄せして密着させた際に上部に隙間が出来る形状のものであれば、他の形状でも良い。尚、前記支持枠台(1)の幅が40cm以下になると、イチゴ(5)の苗を2列に植えることが出来なくなるため、農作業の効率が低下するものとなり、一方、100cm以上になるとイチゴ(5)の苗を3列以上植えないと、栽培ベッドが空き過ぎるので無駄になり、3列以上植えると無理な姿勢での農作業となるため、農作業の効率が低下するものとなってしまう。(2)は支持枠台(1)の上部へ着脱自在に取付けると共に該支持枠台(1)の幅よりも狭い栽培ベッド支持枠体であり(図2、図3参照)、該栽培ベッド支持枠体(2)には、パイプを用いて骨組された長尺な枠本体(21)と、その枠本体(21)の下部で且つ前記差込パイプ(12)に対応させて差込むために設けた一対の突起パイプ(22)とがある。尚、図4(b)に示すように、支持枠台(1)が、チャンネルで枠体状に形成した長尺で平面な台本体(11)と、その台本体(11)の上部で且つ定間隔に立設すると共に内側へ傾斜させた一対の差込パイプ(12)とから成されているものとしても良い。また栽培ベッド支持枠体(2)が、パイプを用いて断面形状が下方広がりの略H形状に形成されると共に上部に2本のパイプを平行に架け渡し且つ下方中央に1本のパイプを配置させた長尺な枠体と成されたものとしても良い。前記栽培ベッド支持枠体(2)の略H形状の下部は、差込パイプ(12)に差込みできるように成され、着脱可能としても良く、或いは固定したものとしても良い。このようにすると、図4(a)に比べ、安価で且つ製作が簡単となり、更に軽量化することが出来るものとなる。(3)は栽培ベッド支持枠体(2)の内部に設けたイチゴ用のベッド形成部材であり、該ベッド形成部材(3)には、栽培ベッド支持枠体(2)の内部に掛け渡して断面略U字状の空間を得るためのシート(31)と、該シート(31)の空間に入れた培養土(32)とがある。(4)は支持枠台(1)の下部に取付けたキャスターであり、該キャスター(4)は支持枠台(1)が平行移動するように取付けられ、且つ床面(B)のコンクリート面(B1)に沿ってキャスター(4)は転動する。(5)は栽培ベッド支持枠体(2)内部に入れた培養土(32)へ植え付けるイチゴである。
【0009】
次に本発明の高設栽培棚(A)の使用方法について説明する。先ず温室に高設栽培棚(A)の支持枠台(1)を多数配置させると共に支持枠台(1)の各差込パイプ(12)に栽培ベッド支持枠体(2)の突起パイプ(22)を順次差込んで行き、支持枠台(1)の上部に栽培ベッド支持枠体(2)を配設する。次にシート(31)を栽培ベッド支持枠体(2)の内部に掛け渡し且つ培養土(32)を上から入れて所定高さになるまで入れる。この時、栽培ベッド支持枠体(2)の枠本体(21)に設けた長手方向のパイプと下部中央に架設したパイプにシート(31)を掛けると、断面略U字状の空間が得られると共に前記長手方向のパイプから図2に示すように垂れ下がるのである。その後、断面略U字状の空間に入れられた培養土(32)にイチゴ(5)などの苗を植える。そして苗の生育に応じた農作業を行えば良い。
【0010】
また高設栽培棚(A)を使用したイチゴ(5)などの高設栽培方法について説明する。予め温室の床面(B)に、栽培ベッド支持枠体(2)が配設された支持枠台(1)を多数配置させておく。この時、前記支持枠台(1)は床面(B)に対し、片側に寄せて並列密着状態に並べて少なくとも通路(C)を1本以上確保しておく。尚、前記支持枠台(1)は図2に示すように下部が接触するまで片側に寄せておく。先ず始めに栽培ベッドを作る場合について説明する。先ず通路(C)側の支持枠台(1)の上部に配設する栽培ベッド支持枠体(2)の内部に、シート(31)を掛ける。この時、枠本体(21)の上縁に設けた長手方向のパイプから垂れ下がる長さが略等しくなるように調節すると共にシート(31)の上から手で押して下部中央に架設したパイプに接触させ、枠本体(21)内部に断面略U字状の空間が得られるようにする。シート(31)が栽培ベッド支持枠体(2)の内部に掛け渡した後、通路(C)側の支持枠台(1)を手で押すと、支持枠台(1)が通路(C)側に平行移動され、前記移動した支持枠台(1)の場所が空き、この場所が通路(C)となる。この時、支持枠台(1)の下部にはキャスター(4)が付けられており、且つキャスター(4)の接触部分がコンクリート面(B1)の上を転動するので、作業者が一人でも簡単に平行移動が可能である。次に隣の支持枠台(1)の上部に配設する栽培ベッド支持枠体(2)の内部に、シート(31)を前記要領で掛ける。そして前記支持枠台(1)を手で押し、次の通路(C)を確保しながら順次栽培ベッド支持枠体(2)の内部にシート(31)を掛けて行えば良い。シート掛け作業が終了すると、高設栽培棚(A)の支持枠台(1)は反対側に寄せられて並列密着状態になり、通路(C)は始めの位置と反対側に移動して確保されている。
【0011】
その後、シート(31)が掛け渡されて形成された断面略U字状の空間に培養土(32)を上から入れて所定高さになるまで入れる。培養土(32)を入れ終えると、シート掛け作業の時と同様に、通路(C)側の支持枠台(1)を手で押して、支持枠台(1)が通路(C)側に平行移動され、前記移動した支持枠台(1)の場所が空き、この場所が通路(C)となる。隣の栽培ベッド支持枠体(2)の断面略U字状空間に培養土(32)を上記同様にして上から入れて所定高さになるまで入れる。培養土(32)を入れ終えると、支持枠台(1)を手で押して平行移動させ、更に隣の栽培ベッド支持枠体(2)の断面略U字状空間に培養土(32)を入れて、この作業を繰返すことにより、土入れ作業が終了するのである。この時の通路(C)は始めの位置に戻されている。
【0012】
更に断面略U字状の空間に入れられた培養土(32)にイチゴ(5)などの苗を植え付ける。この植え付け作業も上記同様に、支持枠台(1)を1台ずつ手で平行移動させながら農作業を行って終了することにより、全ての高設栽培棚(A)の栽培ベッドが完成するのである。その後、生育状態に応じて各種の農作業を行う場合には、上記同様に、支持枠台(1)を1台ずつ農作業し、その後、支持枠台(1)を手で平行移動させながら農作業を続行する。また図2に示すようにイチゴ(5)が栽培ベッド支持枠体(2)の側面に垂れ下がった状態になれば、収穫作業が行われる。イチゴ(5)の収穫作業を行う場合には、通路(C)の左右に垂れ下がったイチゴ(5)を収穫して高設栽培棚(A)の側面部分の農作業が完了したら、高設栽培棚(A)を図2の図中に示す矢印のように移動させれば、そこに通路(C)が確保でき、この通路(C)の左右に垂れ下がったイチゴ(5)を収穫し、高設栽培棚(A)の側面部分の収穫作業が完了したら、前記同様に高設栽培棚(A)を移動させ、その通路(C)の左右に垂れ下がったイチゴ(5)を順次収穫して行くことにより、温室内の全ての高設栽培棚(A)の収穫作業が終了するのである。尚、本発明の高設栽培方法に於ける通路(C)は1本に限定されるものではなく、複数本としても良く、その本数の作業者が同時に作業できるものとなる。またイチゴ(5)の収穫作業時は、高設栽培棚(A)の両側面からイチゴ(5)が垂れ下がっているので、車椅子でも手を伸ばせばイチゴ(5)が簡単に収穫出来る状態となる。従って、車椅子の観光客を温室内に入れて、イチゴ狩りを楽しんでもらうことが可能となるのである。
【0013】
次にイチゴ(5)の収穫を終えた後は、苗を抜いて片付け、次のイチゴ(5)の苗の植え付けを待てば良い。この時、苗を抜かずにそのままにして次年度に備えても良い。また温室内の生育条件を変更させることによって、イチゴ(5)の苗の植え付けを順次行えば、繰返して周年のイチゴ狩りが可能となり、且つ周年のイチゴ園としての開園が可能なものとなるのである。
【0014】
【発明の効果】
本発明はこのようにさせたことにより、下記に記載する効果を有する。
【0015】
請求項1のように温室内において、キャスター(4)が取付けられた多数の高設栽培棚(A)を使用し、イチゴ(5)が植え付けられた高設栽培棚(A)を並列密着状態に並べ、必要に応じて各高設栽培棚(A)が平行移動されて床面(B)に通路(C)を確保したイチゴ(5)の高設栽培方法とすることにより、従来の固定されたイチゴ用栽培ベッドと異なり、本発明の高設栽培方法に於いては、高設栽培棚(A)を順次平行移動させながらイチゴ(5)を収穫して行けば、通路(C)の幅として、床面(B)に高設栽培棚(A)を並列密着した際に少なくとも一列分相当の隙間を設けておけば、農作業が行えるものとなるため、床面(B)に対して栽培ベッド面積を増加させることが可能となると共に作業者の移動距離が少なくなるので、農作業の効率が向上するものとなる。又、設栽培棚(A)の移動が容易で、各温室に於いて共通使用できるため、施設投資が余り掛らず、且つ高設栽培棚(A)が並列密着しているので、上部からの散水や消毒等の作業管理が効率よく行えるものとなる。尚、通路(C)を複数本確保しておくと、広い通路(C)が容易に確保すること出来るものとなる。
【0016】
請求項2のように温室の床面(B)を平らしてバリアフリーにすることにより、従来不可能であった車椅子を利用する人たちであってもイチゴ狩りを容易に楽しむことが可能となる。また栽培ベッドは支持枠台(1)が手で押されると、キャスター(4)によって簡単に移動できるので、各栽培ベッドの間隔を縮めたり、所望の幅の通路(C)を確保しながら農作業が行えるものとなる。この時、前記間隔を縮めると、通路(C)の両側の栽培ベッドの収穫が両手で同時に行えるものとなる。また間隔を広くすると、農作業がし易くなると共に多人数でも農作業が行えるものとなる。
【0017】
請求項3に示すように床面(B)をコンクリート製とすることにより、従来の如き温室内の床面(B)にわだちはできず、台車などの動きが悪くなる恐れがなくなった。また車椅子を利用する人たちが気軽に温室内に入ってイチゴ狩りをすることが可能となる。更に高設栽培棚(A)を一人で移動することが可能となる。一方、床面(B)をアスファルト製とすることにより、コンクリート製よりも安く床面(B)を仕上げることが出来ると共に打設コンクリートを乾かしたり養生させたりする時間が不要となるため、短時間で床面(B)を仕上げることが出来るものとなる。
【0018】
請求項4に示すように床面(B)の一部を、高設栽培棚(A)が平行移動する際にキャスター(4)の接触部分にコンクリート打設して帯状のコンクリート面(B1)に形成させることにより、硬質な面が確保できるので、わだちが出来ないものとなるため、高設栽培棚(A)の平行移動が楽に行えるものとなる。また前記コンクリート面(B1)以外の床面(B)を安価なアスファルト製で仕上げれば、設備投資が少なくて済む。
【0019】
請求項5のように温室内の高設栽培方法で使用されるものであって、キャスター(4)を取付けた平行移動自在な支持枠台(1)と、該支持枠台(1)の上部に取付けると共に支持枠台(1)の幅よりも狭い栽培ベッド支持枠体(2)とから少なくとも構成することにより、高設栽培棚(A)の移動が可能となると共にその移動が一人でも簡単に行えるものとなる。また高設栽培棚(A)にはキャスター(4)が取付けられているため、他の温室へ搬送することも簡単である。更に栽培ベッドにイチゴ(5)を栽培すれば、その実が栽培ベッド支持枠体(2)の両側面から垂れ下がるため、イチゴ栽培用に最適なものとなる。
【0020】
請求項6のように支持枠台(1)の幅を50cm前後にすることにより、イチゴ(5)の苗を2列に植えることができ、収穫作業がし易くなると共に、従来の如き栽培ベッドの中央まで手を伸ばす必要がなくなるため、かがむ作業がなくなり且つ小柄な人が持ち歩く踏台も不要となり、農作業の効率を向上させることが出来る。また幅90cm前後にすると、イチゴ(5)の苗を3列に植えることができるので、栽培ベッド面積が増加され、且つ農作業の効率を向上させることも可能となる。
【0021】
請求項7に示すように支持枠台(1)の形状を台形に形成することにより、イチゴ(5)が実った高設栽培棚(A)を並列密着状態に並べても、支持枠台(1)の上部には隙間が出来るため、実が他の部材に当ったり、実同志が接触することもなく余裕があり、実を傷めることなく収穫作業が出来るものとなる。
【0022】
請求項8に示すように支持枠台(1)と栽培ベッド支持枠体(2)を着脱自在とすることにより、栽培ベッドを作る際或いは分解して新たな栽培ベッドを作るのに好都合なものとなる。
【0023】
請求項9のように栽培ベッド支持枠体(2)の内部に、ベッド形成部材(3)を設けることにより、土の量が明確になるため、肥料の配合量や水の供給量の管理が容易に行えるものとなる。又、栽培ベッドを簡単に作ることが可能なものとなる。
【0024】
請求項10のようにベッド形成部材(3)をイチゴ用とすることにより、イチゴ(5)が支持枠台(1)の上部の栽培ベッド支持枠体(2)両側面に垂れ下がり、イチゴ狩りがし易い栽培ベッドに形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の要部を示す説明図である。
【図2】イチゴが収穫される際に、本実施形態の高設栽培棚を移動させて通路が確保される状態を示す説明図である。
【図3】本実施形態のキャスターが床部に接触する状態を示す説明図である。
【図4】本実施形態の支持枠台と栽培ベッド支持枠体の要部構成を示す説明図である。
【符号の説明】
A 高設栽培棚
B 床面
B1 コンクリート面
C 通路
1 支持枠台
2 栽培ベッド支持枠体
3 ベッド形成部材
4 キャスター
5 イチゴ

Claims (10)

  1. 温室内で行う植物の高設栽培方法において、キャスター(4)が取付けられた多数の高設栽培棚(A)を使用し、植物が植え付けられた前記高設栽培棚(A)を並列密着状態に並べ、必要に応じて前記各高設栽培棚(A)が平行移動されて床面(B)に通路(C)を確保して栽培できることを特徴とする温室内に於ける植物の高設栽培方法。
  2. 前記温室の床面(B)が平らでバリアフリーである請求項1記載の温室内に於ける植物の高設栽培方法。
  3. 前記床面(B)がコンクリート製又はアスファルト製である請求項1又は2記載の温室内に於ける植物の高設栽培方法。
  4. 前記床面(B)の一部が、前記高設栽培棚(A)を平行移動させる際に前記キャスター(4)の接触部分にコンクリート打設して帯状のコンクリート面(B1)に形成された請求項1又は2記載の温室内に於ける植物の高設栽培方法。
  5. 温室内で行う植物の高設栽培方法で使用されるものであって、キャスター(4)を取付けた平行移動自在な支持枠台(1)と、該支持枠台(1)の上部に取付けると共に前記支持枠台(1)の幅よりも狭い栽培ベッド支持枠体(2)とから少なくとも構成したことを特徴とする植物の高設栽培用キャスター付き栽培棚。
  6. 前記支持枠台(1)の幅が40cm〜100cmである請求項5記載の植物の高設栽培用キャスター付き栽培棚。
  7. 前記支持枠台(1)の断面形状が台形に形成された請求項5又は6記載の植物の高設栽培用キャスター付き栽培棚。
  8. 前記支持枠台(1)と、前記栽培ベッド支持枠体(2)とが着脱自在である請求項5、6又は7記載の植物の高設栽培用キャスター付き栽培棚。
  9. 前記栽培ベッド支持枠体(2)の内部に、ベッド形成部材(3)を設けた請求項5又は8記載の植物の高設栽培用キャスター付き栽培棚。
  10. 前記ベッド形成部材(3)がイチゴ用である請求項9記載の植物の高設栽培用キャスター付き栽培棚。
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