JP4132318B2 - 育苗装置及び育苗方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、育苗装置及び育苗方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イチゴ等の育苗栽培においては、育苗面積の小スペース化を主たる目的として、例えば、特開平7−327480号公報、特開平10−52171号公報に、次のような育苗装置及び育苗方法が開示されている。例えば、支持部材として、基礎面から所定高さ位置に設置された親株を植え付けるための栽培床のほかに、栽培床の両側壁部の斜め下方位置の支持部材に略水平に設置され、子株用培地が充填される樋(子株用栽培床)を備えたものを用い、親株からランナーと子株を順次下方へと発生させて複数の子株を形成していく方法である。ランナーを水平方向ではなく、略垂直方向に発生させていくものであるため、子株の増殖に要する栽培面積を小さくして、所定面積当たりの子株の栽培量を増加させることができる。また、採苗作業も容易で、地下部での伝染病の蔓延を抑制することができるという利点も有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した育苗装置を用いた場合でも、温室という限られたスペース内に、育苗栽培用のスペースと本圃栽培用のスペースとがそれぞれ独立して割り当てられていることにおいては、ランナーを栽培床に沿って水平方向に成長させる従来の育苗手段と何ら変わりはない。従って、上記育苗装置を用いることにより、育苗栽培用のスペースが従来よりも小さくなったとしても、温室内において育苗栽培用のスペース(通常、全体の約15%程度)を独立して確保する必要がある以上、果実の増収を図るために本圃用の栽培スペースを広げようとしても限度がある。また、育苗栽培に用いられる育苗装置と本圃栽培に用いられる本圃用栽培装置とが、それぞれ独立して設けられているため、各々の装置について、給液装置や排液処理装置等の付属設備を整備する必要があり、設備コストや栽培管理コストが高くつくという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明は、温室内における独立した育苗栽培用スペースを必要とせず、その分、本圃栽培用のスペースを広く確保することができると共に、本圃栽培に用いられる給液装置や排液処理装置等の付属設備を共有することができ、もって設備コストや栽培管理コストを削減することができる育苗装置及び育苗方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者が鋭意検討を行った結果、本圃栽培に用いられている栽培床で生育した果実も収穫期に至れば、その後は日射条件が多少低下しても品質に悪影響を及ぼさないこと、及び次作の本圃栽培に備えて効率の良いタイミングで育苗するには育苗開始時期を前作の果実の収穫期とすることが適当であることに着目し、収穫期に至った果実が生育している栽培床の上方空間を利用すれば上記課題を解決できると考え、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、請求項1記載の本発明の育苗装置は、支持部材により所定の高さに配置される親株を植え付けるための親株用栽培床を有し、発生したランナーを下方に生育させて子株を形成していく育苗装置であって、前記支持部材を、連結手段を用いて、本圃栽培に用いる本圃用栽培装置を構成する栽培床上に着脱自在としたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の本発明の育苗装置は、請求項1記載の育苗装置であって、前記支持部材が、前記親株用栽培床の両側壁部の下方に、異なる高さで、かつ末広がりに傾斜するように配置された子株着根用の複数の子株用栽培床を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の本発明の育苗装置は、請求項1又は2記載の育苗装置であって、前記連結手段が、支持部材を構成する対向する脚部間に略水平に掛け渡される第1の連結部材と、本圃用栽培装置の栽培床を支持する対向する脚部間に略水平に掛け渡し配設される第2の連結部材と、該第1の連結部材と第2の連結部材とを相互に連結固定する固定部材とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の本発明の育苗方法は、本圃用栽培装置の栽培床で栽培している植物の果実の収穫期に、該本圃用栽培装置の栽培床上に、連結手段を用いて育苗装置を配置し、該本圃用栽培装置の栽培床における果実の収穫を行いながら育苗を開始し、育苗終了後、該育苗装置を取り外すことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の本発明の育苗方法は、請求項4記載の育苗方法であって、前記育苗装置として、支持部材により所定の高さに配置される親株を植え付けるための親株用栽培床と、該親株用の栽培床の両側壁部の下方に、異なる高さで、かつ末広がりに傾斜するように配置された子株着根用の複数の子株用栽培床とを備え、発生したランナーを下方に生育させて子株を形成していく育苗装置を用いることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の本発明の育苗方法は、請求項4又は5記載の育苗方法であって、前記本圃用栽培装置として、低段の栽培床と高段の栽培床とが交互に並列的に配列された複数の栽培床を有するものを用い、このうち低段の栽培床上に前記育苗装置を配置することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の本発明の育苗方法は、請求項4〜6のいずれか1に記載の育苗方法であって、前記連結手段が、支持部材を構成する対向する脚部間に略水平に掛け渡される第1の連結部材と、本圃用栽培装置の栽培床を支持する対向する脚部間に略水平に掛け渡し配設される第2の連結部材と、該第1の連結部材と第2の連結部材とを相互に連結固定する固定部材とを備えてなり、該連結手段を用いて育苗装置を配置することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図において、1は本実施の形態に係る育苗装置であり、親株用栽培床2、子株用栽培床3、及びこれらの栽培床2,3を支持する支持部材4を有して構成されている。
【0014】
親株用の栽培床2としては、長尺の栽培容器2aと、この栽培容器2aの内側に土、砂、ロックウール等の培地2bが充填されているものであれば、どのようなものでもよい。例えば、本実施の形態では、栽培容器2aとして、所定の長さと幅を有し、周壁のうちの両側壁部21,21それぞれの上縁をパイプ4c,4cにより支持し、断面略U字状に張設したプラスチックシートからなるものを用い、この栽培容器2aの内側に培地2bとしてのロックウールが充填されている。なお、栽培容器2aとして、断面略凹状に成形した硬質プラスチックや金属等の剛体からなるものを用いてもよいことはもちろんである。
【0015】
栽培容器2aを支持する支持具5としては、図2に示すように、略円弧状の載置部5aと、該載置部5aの両側端部に形成される係止部5b,5bと、該載置部5aの略中央下部に貫通形成される挿通孔5cとを有して構成されるものを用いることができる。この栽培容器支持具5は、各係止部5b,5bを、後述する支持部材4の脚部4a,4a上部に予め配設された栽培床2の長手方向に沿って水平に延びるパイプ4c,4cに引っ掛けるようにして取り付け、載置部5a上に、栽培容器2aを載置して使用される。これにより、栽培容器2aを安定して固定することができる。また、栽培容器支持具5の挿通孔5cには、栽培容器2aからの排液を外部へと導く排液ホース等を挿通させることができるので、排液ホース等の配管作業を容易なものとすることができる。
【0016】
子株用の栽培床3としては、例えば、長尺の栽培容器3aと、この栽培容器3aの内側に土、砂、ロックウール等の培地3bが充填されているものを用いることができる。本実施の形態では、栽培容器3aとして、略半円筒形状に成形した硬質プラスチック又は金属等の剛体から構成された樋を用い、この栽培容器3aとしての樋の内側に培地3bとしてのロックウールが充填されている。栽培容器3aを後述する支持部材4に取り付けるための取付具6としては、支持部材4に対して栽培容器3aの上下方向位置を調整でき、かつ支持部材4に着脱自由に取り付けられるものを用いることが好ましい(なお、このような栽培容器取付具6としては、例えば、本出願人が先に提案した特開平10−52171号公報に開示されているものを用いることができる。)。これにより、植物品種によってランナーの長さが異なる場合、ランナーの長さに対して、親株用の栽培床2から子株用の栽培床3までの間隔並びに上下に隣接する子株用の栽培床3間の間隔を適切な間隔に調整でき、ランナーの先にある子株が子株用の栽培床3の位置に達しない場合や、逆に子株が子株用の栽培床3の位置よりも大幅に先に位置する場合等が発生するのを防止することができる。
【0017】
支持部材4としては、パイプ等の棒状体を適宜の長さに切断し、適宜の形状に曲げ加工したものを、所定の構造に組み合わせて構成することができ、少なくともかかる構造体が自立可能であって、上記した親株用の栽培床2を所定の高さに配置でき、また、該栽培床2の両側壁部21,21の下方に、異なる高さで、かつ末広がりに傾斜するように、複数の子株用栽培床3を配置できるものであればよい。本実施の形態に係る支持部材4は、親株用栽培床2を挟んで対向して配設されると共に、下方にいくに従って幅が広くなるように開脚している脚部4a,4aと、該各脚部4a,4aの下部において、両側の脚部4a,4a間に掛け渡される第1の連結部材4bとを有して構成されている。
【0018】
そして、上記した親株用栽培床2は、この支持部材4の上部、すなわち、両側の脚部4a,4aの上部に配設された該栽培床2の長手方向に沿って水平に延びるパイプ4c,4cにより、その両側壁部21,21それぞれの上縁を支持され、また、該栽培床2の長手方向に沿って適宜の間隔をおいて配設された栽培容器支持具5により支持されて、所定の高さに配置されている。一方、子株用栽培床3は、支持部材4の傾斜部、すなわち、両側の脚部4a,4aの傾斜した部分に、栽培容器取付具6を介して略水平に、かつ、各々が異なる高さで複数取り付けられ、親株用栽培床2の両側壁部21,21の下方に、末広がりに傾斜するように配置されている。
【0019】
上記のように構成される育苗装置1は、上記した支持部材4を、連結手段を用いて、本圃栽培に用いる本圃用栽培装置7を構成する栽培床71上に着脱自在に配置することができる。
【0020】
ここで、育苗装置1を配置可能な本圃用栽培装置7としては、例えば、温室内の地面等(基礎面)に互いに対向して略垂直に立設される脚部72,72間に栽培床71が配設されて構成されるものが挙げられる。この本圃用栽培装置7は、各脚部72,72が、パイプ状の鋼材からなり、栽培床71が、長尺の栽培容器71aと、この栽培容器71aの内側に充填される土、砂、ロックウール等の培地71bとを備えて構成されている。栽培容器71aは、例えば、所定の長さと幅を有し、対向して配設される脚部72,72間に断面略U字状に張設されるプラスチックシートからなり、この栽培容器71aを安定して支持するために上記した栽培容器支持具5が設けられているものを用いることができる。なお、栽培容器71aの底壁部下方に排水部を形成するため、栽培容器71aの外側に、所定の間隙をおいて同じく略U字状に張設されるプラスチックシートが設けられているものであってもよく、また、栽培容器71aの内側下部に、培地71bの温度調整用の温冷水チューブが配設されているものでもよい。また、栽培容器71aが、断面略凹状に成形した硬質プラスチックや金属等の剛体からなるものであってもよく、さらに、底壁部の略中央部に排液口を設け、該底壁部の裏面側に、排液口を通過する排液を受け止めることができるチャネル構造の排液部を、所定の型を用いて一体成形されたものであってもよい。
【0021】
連結手段としては、本実施の形態では、育苗装置1の支持部材4を構成する第1の連結部材4bと、本圃用栽培装置7の脚部72,72間に略水平に掛け渡し配設される第2の連結部材8と、該第1の連結部材4bと第2の連結部材8とを相互に連結固定する固定部材9とを備えて構成されている。具体的には、図3に示すように、第2の連結部材8は、両端部に下方に向かって延びる突片81,81が形成されると共に、上面82が断面略円弧状になるよう窪んで形成された板状体であり、両端部の突片81,81が、本圃用栽培装置7の脚部72,72間に略水平に掛け渡されるように、それぞれ、該各脚部72,72の上端開口部に差し込まれて固定される。そして、育苗装置1は、支持部材4を構成する第1の連結部材4bを、その第2の連結部材8の上面82に載置した後、ボルト等の固定部材9を用いて、該第1の連結部材4bと第2の連結部材8とが相互に連結固定されることにより、本圃用栽培装置7を構成する栽培床71上に着脱自在に配置される。
【0022】
このように育苗装置1によれば、該育苗装置1が、上記した連結手段を用いて、本圃用栽培装置7の栽培床71上に取り外し可能に配置されるため、以下のような新たな育苗方法を提供することが可能となる。
【0023】
すなわち、本圃用栽培装置7の栽培床71で栽培している植物の果実の収穫期に、該栽培床71における果実の収穫を行いながら育苗を開始し、育苗終了後、育苗装置1を取り外す育苗方法を提供することができる。より具体的に説明するために、植物の果実として、イチゴを例に挙げると、品種によっても異なるが、通常、イチゴの栽培における本圃栽培は、11月初め頃から翌年の3月末頃まで行われる。収穫期、すなわち、イチゴが着果し色付き始めた頃から摘果までの期間は、3月初め頃から同月末頃までである。一方、育苗栽培は、次作の本圃栽培に備えて効率の良いタイミングで育苗するには育苗開始時期を前作のイチゴ(果実)の収穫期とすることが経験的に適当とされていることから、収穫期を向かえる3月初め頃から開始される。このように、本圃栽培において、収穫期に至ったイチゴ(果実)が生育している状態で、育苗栽培が開始されるが、本育苗装置1によれば、該育苗装置1を本圃用栽培装置7の栽培床71上に取り付けて、該栽培床71の上方空間を利用して育苗栽培を行うことができるため、本圃栽培用のスペースと独立した育苗栽培用のスペースを必要とせず、本圃栽培用のスペースの範囲で育苗栽培を行うことが可能となる。その結果、本圃栽培用のスペースの拡充を図ることができ、温室内のスペース全体を使用して本圃栽培を行うことが可能となる。また、それに比例して植え付け株数が増大するため、増収を図ることができる。なお、この場合に、育苗装置1が本圃用栽培装置7の栽培床71の上方に設置されることから、該栽培床71に対する日射条件が多少低下するが、栽培床71で生育したイチゴ(果実)も収穫期に至れば、その後は日射条件が多少低下しても品質に悪影響を及ぼすことはない。
【0024】
また、従来は、育苗栽培に用いられる育苗装置と本圃栽培に用いられる本圃用栽培装置とが、それぞれ独立して設けられていたため、各々の装置について、給液装置や排液処理装置等の付属設備を整備する必要があった。しかしながら、本実施の形態では、育苗装置1を本圃用栽培装置7の栽培床71上に設置することで、両装置1,7の設置位置が近接しているため、必要な給液装置や排液処理装置等の付属設備を共有することが可能となり、設備コストや栽培管理コストを削減することができる。
【0025】
また、育苗終了後には、育苗装置1を用いて形成された子株を、本圃用栽培装置7の栽培床71の培地71bに対して、栽培床71の長手方向に沿って所定間隔ごとに定植し、その後は、栽培床71においてイチゴ(果実)が摘果されるまで生育されるが、この場合に、本育苗装置1は、本圃用栽培装置7から取り外し可能なため、従来と同様、通常の本圃栽培を行うことができる。
【0026】
また、上記した育苗装置1は、図4に示したような本圃用栽培装置7’に配置すると好適である。すなわち、この本圃用栽培装置7’は、低段の栽培床71’と高段の栽培床71”とが交互に並列的に配列された複数の栽培床71’,71”を有しているものである。そして、上記した育苗装置1を、このうち低段の栽培床71’上に配置して育苗を行う。なお、栽培床71’,71”の段数は、上記の段数に限定されるものではなく、低段のものよりも高段のものの方が少なくとも一段多く配設されていればよい。
【0027】
本圃用栽培装置7’をこのような構成とした場合には、すべて高段式(二段式)の栽培床を配置する場合と比較して、良好な日射条件を確保することができるという利点を有するが、その一方で、日射条件が重視されない果実の収穫期においては、低段の栽培床71’の上方空間が高段式と比較するとデッドスペースとなる。しかしながら、本実施の形態によれば、果実の収穫期において、低段の栽培床71’に育苗装置1を配置する構成であるため、該栽培床71’の上方空間を有効に利用しつつ、かつ、上記したように独立した育苗栽培用スペースを不要とすることができる。
【0028】
なお、上記した実施の形態では、子株用栽培床3を備えているが、支持部材4により所定高さに配置される親株用の栽培床2を有している限り、子株用栽培床3を有していないものであっても、本発明を適用可能なことはもちろんである。また、連結手段も上記したものに限られず、例えば、上記の第1の連結部材4bに下方に突出する突起を設けておき、この突起を本圃用栽培装置7の脚部72に差し込むようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明の育苗装置及び育苗方法によれば、本圃用栽培装置の栽培床上に該育苗装置を設置できるため、温室内における独立した育苗栽培用スペースを必要とせず、その分、本圃栽培用のスペースを広く確保することができる。また、育苗装置を本圃用栽培装置の栽培床上に設置することで、両装置の設置位置が近接しているため、必要な給液装置や排液処理装置等の付属設備を共有することができ、設備コストや栽培管理コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の育苗装置の一の実施の形態を示す概略正面図である。
【図2】 栽培容器支持具を示す正面図である。
【図3】 連結手段を示す斜視図である。
【図4】 本発明の育苗方法の一の実施の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 育苗装置
2 親株用栽培床
3 子株用栽培床
4 支持部材
4b 第1の連結部材
5 栽培容器支持具
6 栽培容器取付具
7 本圃用栽培装置
8 第2の連結部材
9 固定部材

Claims (7)

  1. 支持部材により所定の高さに配置される親株を植え付けるための親株用栽培床を有し、発生したランナーを下方に生育させて子株を形成していく育苗装置であって、
    前記支持部材を、連結手段を用いて、本圃栽培に用いる本圃用栽培装置を構成する栽培床上に着脱自在としたことを特徴とする育苗装置。
  2. 請求項1記載の育苗装置であって、前記支持部材が、前記親株用栽培床の両側壁部の下方に、異なる高さで、かつ末広がりに傾斜するように配置された子株着根用の複数の子株用栽培床を備えていることを特徴とする育苗装置。
  3. 請求項1又は2記載の育苗装置であって、前記連結手段が、支持部材を構成する対向する脚部間に略水平に掛け渡される第1の連結部材と、本圃用栽培装置の栽培床を支持する対向する脚部間に略水平に掛け渡し配設される第2の連結部材と、該第1の連結部材と第2の連結部材とを相互に連結固定する固定部材とを備えてなることを特徴とする育苗装置。
  4. 本圃用栽培装置の栽培床で栽培している植物の果実の収穫期に、該本圃用栽培装置の栽培床上に、連結手段を用いて育苗装置を配置し、該本圃用栽培装置の栽培床における果実の収穫を行いながら育苗を開始し、育苗終了後、該育苗装置を取り外すことを特徴とする育苗方法。
  5. 請求項4記載の育苗方法であって、前記育苗装置として、支持部材により所定の高さに配置される親株を植え付けるための親株用栽培床と、該親株用の栽培床の両側壁部の下方に、異なる高さで、かつ末広がりに傾斜するように配置された子株着根用の複数の子株用栽培床とを備え、発生したランナーを下方に生育させて子株を形成していく育苗装置を用いることを特徴とする育苗方法。
  6. 請求項4又は5記載の育苗方法であって、前記本圃用栽培装置として、低段の栽培床と高段の栽培床とが交互に並列的に配列された複数の栽培床を有するものを用い、このうち低段の栽培床上に前記育苗装置を配置することを特徴とする育苗方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1に記載の育苗方法であって、前記連結手段が、支持部材を構成する対向する脚部間に略水平に掛け渡される第1の連結部材と、本圃用栽培装置の栽培床を支持する対向する脚部間に略水平に掛け渡し配設される第2の連結部材と、該第1の連結部材と第2の連結部材とを相互に連結固定する固定部材とを備えてなり、該連結手段を用いて育苗装置を配置することを特徴とする育苗方法。
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