JP2005044567A - ワイヤハーネス用検査治具の検査ピン及びワイヤハーネス用検査治具 - Google Patents
ワイヤハーネス用検査治具の検査ピン及びワイヤハーネス用検査治具 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ワイヤハーネス用検査治具2はコネクタハウジング7に収容された雄端子6に導通検査を施す。雄端子6のタブ31はコネクタハウジング7の表面33aから突出している。ワイヤハーネス用検査治具2は検査ピン1を備えている。検査ピン1は雄端子6と接触する導通接触部22と接触キャップ25を備えている。導通接触部22は雄端子6に向かって付勢されている。接触キャップ25は導通接触部22の外周に取り付けられ導通接触部22より雄端子6に向かって突出している。接触キャップ25は雄端子6の完全挿入時に導通接触部22に雄端子6が接触することを許容する。接触キャップ25は雄端子6の不完全挿入時に導通接触部22に雄端子6が接触することを規制する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネスに導通検査を施す際に、該ワイヤハーネスの端子との導通を確保するワイヤハーネス用検査治具の検査ピン及びワイヤハーネス用検査治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の電線と、これらの電線の端部それぞれに接続された端子を収容するコネクタと、を備えたワイヤハーネスは、前記端子それぞれについて、他の端子との導通の有無をチェックすることによって、良否が判定されてきた。
【0003】
従来この種のワイヤハーネスの検査方法は、以下に示す手順に沿って行われてきた。ワイヤハーネスの端子のうち一つの端子を選択して、この選択した端子に印加して、他の端子の電位の高・低を判定する。全ての端子に順番に印加して、それぞれの場合の印加した端子以外の全ての端子の電位を順番に判定する。そして、全ての端子の相互の導通状況を把握する。
【0004】
前述したように把握した端子相互の導通状況と、前記ワイヤハーネスが正常である場合の端子相互の導通状況と、を対比することによって、前記ワイヤハーネスの良否、及び異常がある場合には異常箇所を把握してきた。
【0005】
前述したようにワイヤハーネスを検査するために、従来から前記コネクタを保持する検査治具(例えば、特許文献1参照。)を用いてきた。この種の検査治具は、前記コネクタを保持するコネクタ受け部と、レバーなどにより前記コネクタ受け部に接離自在に設けられた検査部と、前記検査部に取り付けられかつ検査部が前記コネクタ受け部に近づくと前記端子と導通する検査ピンとを備えている。
【0006】
検査ピンは、前記検査部などに取り付けられる本体部と、前記本体部から突没自在に設けられかつ前記本体部から突出する方向に付勢されているとともに前記端子と接触して導通する導通接触部とを備えている。前述した検査治具は、コネクタ受け部にコネクタを保持し、レバーにより検査部をコネクタ受け部に近づけて、前記端子と検査ピンとを導通させることで、各端子同士の導通状況の良否を判定してきた。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−344523号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
コネクタハウジングと端子のうち一方には、他方に係止する係止アームなどを備えている。係止アームが他方に係止することで、端子がコネクタハウジングの所定の位置に位置付けられる。
【0009】
前述したコネクタは、一つのコネクタハウジングに多数の端子を収容することが多い。このため、コネクタハウジングのそりや各端子の公差などにより、各端子の先端部の前記導通接触部が前記本体部から突出する方向の位置がばらつくことが多い。このため、前述した検査ピンでは、前記本体部からの検査部の突没量を大きくして、各検査ピンの検査部を確実に各端子の先端部に接触できるようにしている。
【0010】
一方、前述した自動車には、より多種多様な電子機器が搭載されるようになり、前述したワイヤハーネスを構成する電線が増加する傾向であった。このため、勿論、コネクタハウジング内に収容される端子も増加する傾向であるとともに、ワイヤハーネスなどの軽量化の為に前述したコネクタ即ち端子を小型化する傾向であった。このため、前述した係止アームが確実に係止せずに、端子がコネクタハウジングの所定の位置に位置付けられない場合に、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離より若干大きくなったり小さくなることである。係止アームが確実に係止していない状態を、端子がコネクタハウジング内に不完全挿入されているという。
【0011】
前述した従来の検査ピンでは、前述した本体部に対する導通接触部の突没量が前述した公差により定められている。このため、前述した係止アームが確実に係止せずに、端子がコネクタハウジングの所定の位置に位置付けられない場合にも、検査ピンが端子の先端部に接触して、検査対象物のコネクタ即ちワイヤハーネスを良品と判定してしまう虞があった。このように、従来の検査ピン及び該検査ピンを備えた検査治具では、端子のコネクタハウジングへの不完全挿入を検知することが困難であった。
【0012】
したがって、本発明の目的は、端子の不完全挿入を確実に検知できるワイヤハーネス用検査治具の検査ピン及びワイヤハーネス用検査治具を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンは、コネクタハウジング内に収容された端子を備えたワイヤハーネスに導通検査を行うために用いられるワイヤハーネス用検査治具の検査ピンであって、前記端子の先端部は、前記コネクタハウジングの端面から該コネクタハウジングの外側に突出しており、前記ワイヤハーネス用検査治具に取り付けられる本体部と、前記コネクタハウジングの端面と相対し、前記本体部に突没自在に支持されかつ前記本体部から突出する方向に付勢されているとともに前記端子の先端部に接触して前記端子と導通する導通接触部と、前記導通接触部の外周に設けられ、かつ前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離以上であると前記導通接触部が前記端子の先端部に接触することを許容するとともに、前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離未満であると前記端面と接触して前記導通接触部が前記端子の先端部と接触することを規制する端面接触部と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンは、請求項1に記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンにおいて、前記端面接触部は、管状に形成されかつ内側に前記導通接触部を配しているとともに前記導通接触部より前記コネクタハウジングの端面に向かって突出していることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンは、請求項2記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンにおいて、前記端面接触部の前記導通接触部からの突出量は、前記所望の距離以下であることを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンは、コネクタハウジング内に収容された端子を備えたワイヤハーネスに導通検査を行うために用いられるワイヤハーネス用検査治具の検査ピンであって、前記端子の先端部は、前記コネクタハウジングの端面から該コネクタハウジングの内側に没しており、前記ワイヤハーネス用検査治具に取り付けられる本体部と、前記コネクタハウジングの端面と相対し、前記本体部に突没自在に支持されかつ前記本体部から突出する方向に付勢されているとともに前記端子の先端部に接触して前記端子と導通する導通接触部と、前記導通接触部の外周に設けられ、かつ前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離以下であると前記導通接触部が前記端子の先端部に接触することを許容するとともに、前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離を越えると前記端面と接触して前記導通接触部が前記端子の先端部と接触することを規制する端面接触部と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンは、請求項4に記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンにおいて、前記端面接触部は、管状に形成されかつ内側に前記導通接触部を配しているとともに前記導通接触部より前記コネクタハウジングの端面から離れていることを特徴としている。
【0018】
請求項6に記載の本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンは、請求項5記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンにおいて、前記端面接触部と前記導通接触部との距離は、前記所望の距離以上であることを特徴としている。
【0019】
請求項7に記載の本発明のワイヤハーネス用検査治具は、コネクタハウジング内に収容された端子を備えたワイヤハーネスに導通検査を行うために用いられるワイヤハーネス用検査治具であって、前記コネクタハウジングを取り付けるコネクタ受け部と、前記コネクタ受け部と相対的に接離自在に設けられた検査部と、前記検査部に取り付けられかつ前記コネクタハウジング内の端子と導通可能な請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンとを備え、前記コネクタ受け部に前記端子を収容したコネクタハウジングを取り付け、前記検査部とコネクタ受け部とを近づけて、前記ワイヤハーネス用検査治具の検査ピンと前記端子とを導通させてワイヤハーネスに導通検査を行うことを特徴としている。
【0020】
請求項1に記載した本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンによれば、端面接触部がコネクタハウジングの端面に接触するか否かで、導通接触部を端子と絶縁したり導通させる。このため、不完全挿入時に、端子の先端部の端面からの突出量が所望の距離を下回ると、端面接触部がコネクタハウジングの端面と接触して導通接触部が端子の先端部と接触しない。
【0021】
また、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離以上であるか否かを検査する。このため、導通接触部の本体部から突没する量を端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離の公差のみに基づいて設定できる。
【0022】
なお、本明細書でいう所望の距離とは、設計時に定められて、係止アームが係止して端子がコネクタハウジングの所定の位置に位置付けられた時の端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離である。即ち、所望の距離とは、設計時に定められる端子がコネクタハウジング内に完全挿入された時の前述した距離である。
【0023】
請求項2に記載した本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンによれば、端面接触部が管状でかつ導通接触部よりコネクタハウジングの端面に向かって突出している。このため、端面接触部は、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離を下回ると、確実にコネクタハウジングの端面に接触する。
【0024】
請求項3に記載した本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンによれば、端面接触部の導通接触部からの突出量が所望の距離以下である。
【0025】
請求項4に記載した本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンによれば、端面接触部がコネクタハウジングの端面に接触するか否かで、導通接触部を端子と絶縁したり導通させる。このため、不完全挿入時に、端子の先端部の端面からの距離が所望の距離を上回ると、端面接触部がコネクタハウジングの端面と接触して導通接触部が端子の先端部と接触しない。
【0026】
また、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離以下であるか否かを検査する。このため、導通接触部の本体部から突没する量を端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離の公差のみに基づいて設定できる。
【0027】
請求項5に記載した本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンによれば、端面接触部が管状でかつ導通接触部よりコネクタハウジングの端面から離れている。このため、端面接触部は、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離を上回ると、確実にコネクタハウジングの端面に接触する。
【0028】
請求項6に記載した本発明のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンによれば、端面接触部の導通接触部からの距離が所望の距離以上である。
【0029】
請求項7に記載した本発明のワイヤハーネス用検査治具によれば、検査ピンの端面接触部がコネクタハウジングの端面に接触するか否かで、導通接触部を端子と絶縁したり導通させる。このため、検査ピンが端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを検知できる。
【0030】
また、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離以上又は以下であるか否かを検査する。このため、導通接触部の本体部から突没する量を端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離の公差のみに基づいて設定できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態にかかるワイヤハーネス用検査治具の検査ピン(以下、単に検査ピンと呼ぶ)及びワイヤハーネス用検査治具を図1ないし図8を参照して説明する。図3などに示された検査ピン1は、図1に示すワイヤハーネス用検査治具(以下単に検査治具と呼ぶ)2を構成している。検査治具2は、ワイヤハーネス3に導通検査を施す際に用いられる。ワイヤハーネス3は、図1に示すように、複数の電線4と、複数のコネクタ5(図1中には一つのみ示す)と、を備えている。
【0032】
電線4は、導電性の芯線と、該芯線を被覆する絶縁性の被覆部と、を備えた所謂被覆電線である。コネクタ5は、図2及び図3に示すように、端子としての雄型の端子(以下、単に雄端子と呼ぶ)6(図4に示す)と、コネクタハウジング7と、を備えている。
【0033】
雄端子6は、導電性の板金などが折り曲げられて得られる。雄端子6は、電線接続部30と、電気接触部としてのタブ31とを一体に備えている。電線接続部30は、電線4の端部などに取りつけられて、前記芯線即ち電線4と電気的に接続する。タブ31は、板状に形成されている。タブ31の電線接続部30から離れた側の端部(以下先端部と呼ぶ)31aは、本明細書に記した雄端子6の先端部をなしている。
【0034】
コネクタハウジング7は、絶縁性の合成樹脂からなり、かつ箱状に形成されている。コネクタハウジング7は、図2及び図3に示すように、端子収容室8を複数備えている。端子収容室8は、前記雄端子6を収容する。各端子収容室8には、係止アーム32が設けられている。係止アーム32は、雄端子6に係止する。
【0035】
また、端子収容室8は、コネクタハウジング7即ちコネクタ5が検査治具2の後述のコネクタ受け部12に取り付けられると、後述の検査部13に取り付けられた検査ピン1に相対するコネクタハウジング7の外壁33を貫通している。この外壁33の検査ピン1の後述の導通接触部22に相対する表面33aは、本明細書に記した端面なしている。
【0036】
各端子収容室8は、外壁33の表面33aからタブ31が検査ピン1に向かって(即ち、コネクタハウジング7の外側に)突出した状態で、雄端子6を収容する。そして、係止アーム32が雄端子6に係止することで、端子収容室8は、雄端子6が抜け出ることを防止する。このとき、タブ31は、外壁33の表面33aから距離L1突出している。距離L1は、本明細書に記した所望の距離をなしている。
【0037】
距離L1は、係止アーム32が雄端子6に係止した状態即ち雄端子6がコネクタハウジング7の正規の位置に収容された時の雄端子6のタブ31の先端部31aとコネクタハウジング7の検査ピン1の後述の導通接触部22に相対する表面33aとの距離をなしている。
【0038】
このため、距離L1は、コネクタ5などの設計時に定められて、係止アーム32が係止して雄端子6がコネクタハウジング7の所定の位置に位置付けられた時即ち完全挿入された時の雄端子6のタブ31の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離である。完全挿入とは、係止アーム32が雄端子6に係止した状態を示している。また、端子収容室8内に収容された雄端子6に係止アーム32が係止していない状態を、不完全挿入と呼ぶ。不完全挿入時には、雄端子6のタブ31の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離は、前記距離L1より小さくなる。
【0039】
ワイヤハーネス3は、電線4の端部などに雄端子6が取り付けられ、該雄端子6がコネクタハウジング7内に収容されて得られる。このような構成のワイヤハーネス3は、自動車に配索される。ワイヤハーネス3のコネクタ5は、前記自動車に搭載される電子機器のコネクタにコネクタ結合する。ワイヤハーネス3は、バッテリなどの電源からの電力や、制御装置などからの制御信号を、前記電子機器に伝える。
【0040】
検査治具2は、図1に示すように、台などの上に設置される基部10と、操作レバー11と、コネクタ受け部12と、検査部13と、を備えている。基部10は、互いに平行な一対の側壁14などを備えている。操作レバー11と、コネクタ受け部12と、検査部13とは、前記一対の側壁14間に設けられている。
【0041】
操作レバー11は、前記側壁14の一端部に矢印Kに沿って回転自在に支持されている。コネクタ受け部12は、前記側壁14の他端部に設けられている。コネクタ受け部12は、端子収容室8の開口部即ち前述した表面33aが、前記操作レバー11即ち検査部13に相対する状態で、前記コネクタ5を保持する。図示例では、コネクタ受け部12には、鉛直方向に沿ってコネクタ5が出し入れ自在となっている。
【0042】
検査部13は、側壁14の中央部に設けられている。検査部13は、図2及び図3に示すように、検査部本体15と、複数の検査ピン1と、を備えている。検査部本体15は、方体状に形成されている。検査部本体15は、コネクタ受け部12に近づいたり離れたりする方向にスライド自在に、一対の側壁14間に配されている。即ち、検査部本体15は、矢印Sに沿ってコネクタ受け部12に接離自在に、一対の側壁14間に配されている。なお、接離とは、互いに近づいたり離れることである。検査部本体15は、リンク17により操作レバー11と連結されており、操作レバー11が矢印Kに沿って回動するのに連動して、矢印Sに沿ってスライドする。
【0043】
検査ピン1は、検査部本体15内に埋設されている(取り付けられている)。検査ピン1は、コネクタ受け部12に保持されるコネクタ5の端子収容室8と同数設けられている。検査ピン1は、後述する導通接触部22が前記検査部本体15からコネクタ受け部12に向かって突出している。導通接触部22は、コネクタ受け部12に相対している。即ち、導通接触部22は、コネクタハウジング7の表面33aに相対する。また、検査ピン1は、導通接触部22の後述する接触面22aが、前記端子収容室8即ち雄端子6のタブ31の先端部31aに相対する。
【0044】
検査ピン1は、図2ないし図5に示すように、円管状の本体部20と、導電性の導通ピン21(図5に示す)と、導電性の導通接触部22と、基部キャップ24(図5に示す)と、付勢手段としての導電性のコイルばね23(図5に示す)と、端面接触部としての接触キャップ25を備えている。本体部20は、図2及び図3に示すように、検査治具2の検査部本体15に取り付けられる。
【0045】
本体部20の中央部には、段部26が設けられている。段部26は、本体部20の内径を段階的に変化させている。段部26よりコネクタ受け部12寄りの内径は、段部26よりコネクタ受け部12から離れた側の内径より小さくなっている。
【0046】
導通ピン21は、金属などからなり、円柱状のピン本体27と、このピン本体27の中央部に設けられた太部28とを備えている。ピン本体27の外径は、本体部20の段部26よりコネクタ受け部12寄りの内径と等しい。太部28は、全周に亘ってピン本体27から外周方向に突出している、太部28とピン本体27とは互いに同軸に配されている。太部28の外径は、本体部20の段部26よりコネクタ受け部12から離れた側の内径と等しい。導通ピン21は、本体部20内に、該本体部20の長手方向にスライド自在に収容される。
【0047】
導通ピン21が本体部20内に収容されると、太部28は、段部26と当接する。ピン本体27のコネクタ受け部12寄りの端部の外周には、ねじ溝が形成されており、ピン本体27のコネクタ受け部12から離れた側の端部には、電線16が取り付けられている。電線16は、図示しないコンピュータなどに接続している。
【0048】
導通接触部22は、円柱状に形成されており、前述したねじ溝に螺合して、ピン本体27即ち導通ピン21に取り付けられる。導通接触部22は、ピン本体27に取り付けられると、該ピン本体27と同軸になる。導通接触部22は、ピン本体27に取り付けられることで、その軸芯に沿ってスライド自在に、前記本体部20に取り付けられている。即ち、導通接触部22は、本体部20に突没自在に支持されている。
【0049】
また、太部28と段部26によって、導通接触部22は、本体部20内から抜け出ない。導通接触部22のコネクタ受け部12即ちこのコネクタ受け部12に取り付けられるコネクタ5の雄端子6のタブ31の先端部31aに相対する端面(以下接触面と記す)22aは、前記導通接触部22の軸芯及び前述した矢印Sに直交する方向に沿って平坦に形成されている。
【0050】
基部キャップ24は、本体部20のコネクタ受け部12から離れた側の端部に取り付けられる。基部キャップ24は、導通ピン21の外周に嵌合するとともに本体部20の内周に嵌合する。基部キャップ24は、導通ピン21と本体部20とを互いに同軸に保つ。
【0051】
コイルばね23は、本体部20内に収容されており、内側に導通ピン21を通しているとともに、基部キャップ24と太部28との間に設けられている。コイルばね23は、太部28即ち導通接触部22を本体部20から突出する方向に付勢している。即ち、コイルばね23は、導通接触部22をコネクタ受け部12に取り付けられたコネクタ5の雄端子6のタブ31の先端部31aに向かって付勢する。
【0052】
接触キャップ25は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone:PEEK)などの合成樹脂からなり円筒状に形成されている。接触キャップ25は、図8に示すように、導通接触部22のコネクタ受け部12寄りの先端部の外周に係合している。このため、接触キャップ25は導通接触部22の接触面22aの外周に設けられる。即ち、接触キャップ25は、内側に導通接触部22を配している。接触キャップ25と導通接触部22などとは互いに同軸になる。また、接触キャップ25は、導通接触部22の接触面22aよりコネクタ受け部12に向かって突出している。
【0053】
接触キャップ25の接触面22aの導通接触部22からのコネクタ受け部12に向かって突出する突出量T1は、前述した距離L1より若干小さい。距離L1と突出量T1との差は、雄端子6が前述した完全挿入であるか不完全挿入であるかを判定できる値であるのが望ましい。即ち、突出量T1は、距離L1以下である。
【0054】
このため、雄端子6が完全挿入であると、検査部13をコネクタ受け部12に近づけると、接触キャップ25はコネクタ5の表面33aに接触せずに、図6に示すように、導通接触部22の接触面22aに雄端子6のタブ31の先端部31aが接触する。このため、雄端子6が完全挿入であると、接触キャップ25は導通接触部22の接触面22aに雄端子6のタブ31の先端部31aが接触することを許容する。このため、接触キャップ25は、雄端子6のタブ31の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が予め定められる所望の距離L1以上であると、導通接触部22が雄端子6のタブ31の先端部31aに接触することを許容する。
【0055】
雄端子6が不完全挿入であると、検査部13をコネクタ受け部12に近づけると、接触キャップ25はコネクタ5の表面33aに接触して、図7に示すように、導通接触部22の接触面22aに雄端子6のタブ31の先端部31aが接触しない。このため、雄端子6が不完全挿入であると、接触キャップ25は導通接触部22の接触面22aに雄端子6のタブ31の先端部31aが接触することを規制する。このため、接触キャップ25は、雄端子6のタブ31の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が予め定められる所望の距離L1未満であると前記表面33aと接触して、導通接触部22が雄端子6のタブ31の先端部31aと接触することを規制する。
【0056】
前述した構成の検査ピン1を備えた検査治具2を用いて、ワイヤハーネス3に導通検査を施す際には、まず、コネクタ受け部12から検査部13を離しておき、検査治具2のコネクタ受け部12にコネクタ5を取り付ける(保持する)。操作レバー11を矢印Kに沿って回転して、検査部13を矢印Sに沿ってコネクタ受け部12即ちコネクタ5に近づける。
【0057】
すると、前記導通接触部22がコイルばね23によって付勢されているため、雄端子6が完全挿入であると、図6に示すように、導通接触部22の接触面22aとコネクタ5の雄端子6のタブ31の先端部31aとが互いに接触する。また、雄端子6が不完全挿入であると、図7に示すように、導通接触部22の接触面22aとコネクタ5の雄端子6のタブ31の先端部31aとが互いに接触しない。
【0058】
前述したコンピュータなどが、前記電線16や検査ピン1を介して、前記雄端子6に順番に印加する。コンピュータが、雄端子6相互の導通状況を把握する。把握した導通状況と、良品の場合の導通状況とを比較して、雄端子6が完全挿入であるか不完全挿入であるかなどのワイヤハーネス3の良否を判定する。
【0059】
本実施形態によれば、接触キャップ25がコネクタハウジング7の表面33aに接触するか否かで、導通接触部22を雄端子6と絶縁したり導通させる。このため、不完全挿入時に、雄端子6のタブ31の先端部31aの表面33aからの突出量が所望の距離L1を下回ると、接触キャップ25がコネクタハウジング7の表面33aと接触して導通接触部22が雄端子6のタブ31の先端部31aと接触しない。
【0060】
また、雄端子6の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が所望の距離L1以上であるか否かを検査する。このため、導通接触部22の本体部20から突没する量を雄端子6の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離の公差のみに基づいて設定できる。このため、導通接触部22が本体部20から突没する量を設定する際に、コネクタハウジング7のそりを考慮する必要がなくなり、コネクタハウジング7のそりを考慮した場合より導通接触部22が本体部20から突没する量を非常に小さくできる。
【0061】
このため、雄端子6の先端部31aと表面33aとの距離が所望の距離L1を下回る不完全挿入時に、導通接触部22が雄端子6の先端部31aと接触することを防止できる。したがって、誤検知を防止でき、雄端子6の不完全挿入を確実に検知できる。
【0062】
接触キャップ25が管状でかつ導通接触部22よりコネクタハウジング7の表面33aに向かって突出している。このため、接触キャップ25は、雄端子6のタブ31の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が所望の距離L1を下回ると、確実にコネクタハウジング7の表面33aに接触する。
【0063】
接触キャップ25の導通接触部22の接触面22aからの突出量T1が所望の距離L1より小さい。これにより、接触キャップ25は、雄端子6のタブ31の先端部31aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が所望の距離L1を下回ると、確実にコネクタハウジング7の表面33aに接触する。
【0064】
このように、雄端子6のタブ31の先端部31aのコネクタハウジング7の表面33aからの突出量が所望の距離L1以上であるか否かを確実に検知できる。このため、雄端子6と絶縁するか導通するかで、雄端子6が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0065】
前述した第1の実施形態では、接触キャップ25を円管状に形成し、導通接触部22の接触面22aを平坦に形成している。しかしながら、本発明では、図9に示すように、接触キャップ25のコネクタ受け部12寄りの端部にテーパ面34を設け、接触面22aに複数のテーパ面35,36により凹部37を設けても良い。
【0066】
テーパ面34は、接触キャップ25の内径を、コネクタ受け部12に向かうにしたがって徐々に大きくしている。凹部37は、テーパ面35,36によりコネクタ受け部12に向かうにしたがって徐々に開口が大きくなっている。また、凹部37は、接触面22aの中央部で接触面22aから最も深くなっている。これらのテーパ面34,35,36を設けることで、接触キャップ25内にタブ31を確実に挿入でき、凹部37の底にタブ31を確実に接触させることができる。
【0067】
次に、本発明の第2の実施形態にかかる検査ピン1及び検査治具2を図10ないし図15を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
本実施形態では、コネクタ5のコネクタハウジング7内の端子としての雌型の端子(以下、単に雌端子と呼ぶ)40が完全挿入であるか不完全挿入であるかなどのワイヤハーネス3の良否を判定する。即ち、本実施形態の検査対象物としてのワイヤハーネス3のコネクタ5は、図10及び図11に示すように、雌端子40を備えている。雌端子40の電気接触部41は、筒状に形成されている。雌端子40が端子収容室8内に収容されると、筒状の電気接触部41は、コネクタハウジング7の表面33aからコネクタハウジング7内に没する。
【0069】
また、完全挿入時には、雌端子40の電気接触部41は、コネクタハウジング7の表面33aから距離L2コネクタハウジング7内に没している。距離L2は、本明細書に記した所望の距離をなしている。距離L2は、係止アーム32が雌端子40に係止した状態即ち雌端子40がコネクタハウジング7の正規の位置に収容された時の雌端子40の電気接触部41の電線接続部30から離れた側の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離をなしている。なお、先端部41aは、本明細書に記した雌端子40の先端部をなしている。
【0070】
また、不完全挿入時には、雌端子40の電気接触部41の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離は、前記距離L2より大きくなる。
【0071】
本実施形態の検査ピン1の導通接触部22は、図12及び図13に示すように、円柱状に形成されており、接触キャップ25は、円管状に形成されかつ導通接触部22の接触面22aの外周に嵌合している。即ち、接触キャップ25は、内側に導通接触部22を配している。接触キャップ25は、導通接触部22の接触面22aよりコネクタ受け部12から離れている。即ち、導通接触部22は、接触キャップ25よりコネクタ受け部12に向かって突出している。導通接触部22の接触面22aと接触キャップ25との距離T2は、前述した距離L2より若干大きい。則ち、距離T2は、距離L2以上である。
【0072】
距離L2と距離T2との差は、雌端子40が前述した完全挿入であるか不完全挿入であるかを判定できる値であるのが望ましい。このため、雌端子40が完全挿入であると、検査部13をコネクタ受け部12に近づけると、接触キャップ25はコネクタ5の表面33aに接触せずに、図14に示すように、導通接触部22の接触面22aに雌端子40の電気接触部41の先端部41aが接触する。このため、雌端子40が完全挿入であると、接触キャップ25は導通接触部22の接触面22aに雌端子40の電気接触部41の先端部41aが接触することを許容する。このため、接触キャップ25は、雌端子40の電気接触部41の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が予め定められる所望の距離L2以下であると、導通接触部22の接触面22aが雌端子40の電気接触部41の先端部41aに接触することを許容する。
【0073】
雌端子40が不完全挿入であると、検査部13をコネクタ受け部12に近づけると、接触キャップ25はコネクタ5の表面33aに接触して、図15に示すように、導通接触部22の接触面22aに雌端子40の電気接触部41の先端部41aが接触しない。このため、雌端子40が不完全挿入であると、接触キャップ25は導通接触部22の接触面22aに雌端子40の電気接触部41の先端部41aが接触することを規制する。このため、接触キャップ25は、雌端子40の電気接触部41の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が予め定められる所望の距離L2を越えると、前記表面33aと接触して前記導通接触部22の接触面22aが雌端子40の電気接触部41の先端部41aと接触することを規制する。
【0074】
本実施形態によれば、接触キャップ25がコネクタハウジング7の表面33aに接触するか否かで、導通接触部22を雌端子40と絶縁したり導通させる。このため、不完全挿入時に、雌端子40の電気接触部41の先端部41aの表面33aからの距離が所望の距離L2を上回ると、接触キャップ25がコネクタハウジング7の表面33aと接触して導通接触部22が雌端子40の電気接触部41の先端部41aと接触しない。
【0075】
また、雌端子40の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が所望の距離L2以下であるか否かを検査する。このため、導通接触部22の本体部20から突没する量を雌端子40の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離の公差のみに基づいて設定できる。このため、導通接触部22が本体部20から突没する量を設定する際に、コネクタハウジング7のそりを考慮する必要がなくなり、コネクタハウジング7のそりを考慮した場合より導通接触部22が本体部20から突没する量を非常に小さくできる。
【0076】
このため、雌端子40の先端部41aと表面33aとの距離が所望の距離L2を越える不完全挿入時に、導通接触部22が雌端子40の先端部41aと接触することを防止できる。したがって、誤検知を防止でき、雌端子40の不完全挿入を確実に検知できる。
【0077】
接触キャップ25が管状でかつ導通接触部22よりコネクタハウジング7の表面33aから離れている。このため、接触キャップ25は、雌端子40の電気接触部41の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が所望の距離L2を上回ると、確実にコネクタハウジング7の表面33aに接触する。
【0078】
接触キャップ25の導通接触部22の接触面22aからの距離T2が所望の距離L2より大きい。これにより、接触キャップ25は、雌端子40の電気接触部41の先端部41aとコネクタハウジング7の表面33aとの距離が所望の距離L2を上回ると、確実にコネクタハウジング7の表面33aに接触する。
【0079】
このように、雌端子40の電気接触部41の先端部41aのコネクタハウジング7の表面33aからの距離が所望の距離L2以下であるか否かを確実に検知できる。このため、雌端子40と検査ピン1とが絶縁するか導通するかで、雌端子40が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0080】
前述した第1及び第2の実施形態では、接触キャップ25と導通接触部22とを互いに別体としている。しかしながら、本発明では、接触キャップ25と導通接触部22とを一体にしても良い。この場合、勿論、接触キャップ25と導通接触部22とを金属から構成するのが望ましい。
【0081】
また、前述した実施形態では、突出量T1を距離L1より若干小さくし、距離T2を距離L2より若干大きくしている。しかしながら、本発明では、突出量T1を距離L1と等しくし、距離T2を距離L2と等しくしても良い。要するに、本発明では、突出量T1と距離L1との差が雄端子6の不完全挿入を検出できるのであれば、突出量T1を距離L1以下とすれば良い。本発明では、距離T2と距離L2との差が雌端子40の不完全挿入を検出できるのであれば、距離T2を距離L2以上にすれば良い。
【0082】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、不完全挿入時に、端子の先端部の端面からの突出量が所望の距離を下回ると、端面接触部がコネクタハウジングの端面と接触して導通接触部が端子の先端部と接触しない。このように、端子の先端部のコネクタハウジングの端面からの突出量が所望の距離以上であるか否かを確実に検知できる。このため、端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0084】
また、導通接触部の本体部から突没する量を端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離の公差のみに基づいて設定できる。このため、導通接触部が本体部から突没する量を設定する際に、コネクタハウジングのそりを考慮する必要がなくなり、コネクタハウジングのそりを考慮した場合より導通接触部が本体部から突没する量を非常に小さくできる。
【0085】
このため、端子の先端部と端面との距離が所望の距離を下回る不完全挿入時に、導通接触部が端子の先端部と接触することを防止できる。したがって、誤検知を防止でき、端子の不完全挿入を確実に検知できる。
【0086】
請求項2に記載の本発明によれば、端面接触部は、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離を下回ると、確実にコネクタハウジングの端面に接触する。このように、端子の先端部のコネクタハウジングの端面からの突出量が所望の距離以上であるか否かを確実に検知できる。このため、端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0087】
請求項3に記載の本発明によれば、導通接触部からの突出量が所望の距離以下なので、端面接触部は、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離を下回ると、確実にコネクタハウジングの端面に接触する。このように、端子の先端部のコネクタハウジングの端面からの突出量が所望の距離以上であるか否かを確実に検知できる。このため、端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0088】
請求項4に記載の本発明によれば、不完全挿入時に、端子の先端部の端面からの距離が所望の距離を上回ると、端面接触部がコネクタハウジングの端面と接触して導通接触部が端子の先端部と接触しない。このように、端子の先端部のコネクタハウジングの端面からの距離が所望の距離以下であるか否かを確実に検知できる。このため、端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0089】
また、導通接触部の本体部から突没する量を端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離の公差のみに基づいて設定できる。このため、導通接触部が本体部から突没する量を設定する際に、コネクタハウジングのそりを考慮する必要がなくなり、コネクタハウジングのそりを考慮した場合より導通接触部が本体部から突没する量を非常に小さくできる。
【0090】
このため、端子の先端部と端面との距離が所望の距離を越える不完全挿入時に、導通接触部が端子の先端部と接触することを防止できる。したがって、誤検知を防止でき、端子の不完全挿入を確実に検知できる。
【0091】
請求項5に記載の本発明によれば、端面接触部は、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離を上回ると、確実にコネクタハウジングの端面に接触する。このように、端子の先端部のコネクタハウジングの端面からの距離が所望の距離以下であるか否かを確実に検知できる。このため、端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0092】
請求項6に記載の本発明によれば、導通接触部からの距離が所望の距離以上なので、端面接触部は、端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離が所望の距離を上回ると、確実にコネクタハウジングの端面に接触する。このように、端子の先端部のコネクタハウジングの端面からの距離が所望の距離以下であるか否かを確実に検知できる。このため、端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを確実に検知できる。
【0093】
請求項7に記載の本発明によれば、検査ピンの端面接触部がコネクタハウジングの端面に接触するか否かで、導通接触部を端子と絶縁したり導通させる。このため、検査ピンが端子と絶縁するか導通するかで、端子が不完全挿入であるか否かを検知できる。
【0094】
また、導通接触部の本体部から突没する量を端子の先端部とコネクタハウジングの端面との距離の公差のみに基づいて設定できる。このため、導通接触部が本体部から突没する量を設定する際に、コネクタハウジングのそりを考慮する必要がなくなり、コネクタハウジングのそりを考慮した場合より導通接触部が本体部から突没する量を非常に小さくできる。
【0095】
このため、端子の先端部と端面との距離が所望の距離を下回る又は越える不完全挿入時に、導通接触部が端子の先端部と接触することを防止できる。したがって、誤検知を防止でき、端子の不完全挿入を確実に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるワイヤハーネス用検査治具を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたワイヤハーネス用検査治具の検査部とコネクタ受け部などを断面で示す平面図である。
【図3】図2に示された検査部とコネクタ受け部とを互いに近づけた状態を断面で示す平面図である。
【図4】図1に示されたワイヤハーネス用検査治具の検査ピンを示す平面図である。
【図5】図4に示されたワイヤハーネス用検査治具の検査ピンを断面にして示す平面図である。
【図6】図1に示されたワイヤハーネス用検査治具で、雄端子の完全挿入時に検査ピンの導通接触部と雄端子とが接触する状態を示す説明図である。
【図7】図1に示されたワイヤハーネス用検査治具で、雄端子の不完全挿入時に検査ピンの導通接触部と雄端子とが接触しない状態を示す説明図である。
【図8】図5に示されたワイヤハーネス用検査治具の検査ピンの導通接触部と接触キャップを断面にして示す平面図である。
【図9】図8に示されたワイヤハーネス用検査治具の検査ピンの導通接触部と接触キャップの変形例を断面にして示す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかるワイヤハーネス用検査治具の検査部とコネクタ受け部などを示す断面で示す平面図である。
【図11】図10に示された検査部とコネクタ受け部とを互いに近づけた状態を断面で示す平面図である。
【図12】図10に示されたワイヤハーネス用検査治具の検査ピンの要部を示す平面図である。
【図13】図12に示されたワイヤハーネス用検査治具の検査ピンの要部を断面にして示す平面図である。
【図14】図10に示されたワイヤハーネス用検査治具で、雌端子の完全挿入時に検査ピンの導通接触部と雌端子とが接触する状態を示す説明図である。
【図15】図10に示されたワイヤハーネス用検査治具で、雌端子の不完全挿入時に検査ピンの導通接触部と雌端子とが接触しない状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ワイヤハーネス用検査治具の検査ピン
2 ワイヤハーネス用検査治具
3 ワイヤハーネス
6 雄端子(端子)
12 コネクタ受け部
13 検査部
20 本体部
22 導通接触部
25 接触キャップ(端面接触部)
31a 先端部
33a 表面(端面)
40 雌端子(端子)
41a 先端部
L1 距離(所望の距離)
L2 距離(所望の距離)
T1 突出量
T2 距離
Claims (7)
- コネクタハウジング内に収容された端子を備えたワイヤハーネスに導通検査を行うために用いられるワイヤハーネス用検査治具の検査ピンであって、
前記端子の先端部は、前記コネクタハウジングの端面から該コネクタハウジングの外側に突出しており、
前記ワイヤハーネス用検査治具に取り付けられる本体部と、
前記コネクタハウジングの端面と相対し、前記本体部に突没自在に支持されかつ前記本体部から突出する方向に付勢されているとともに前記端子の先端部に接触して前記端子と導通する導通接触部と、
前記導通接触部の外周に設けられ、かつ前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離以上であると前記導通接触部が前記端子の先端部に接触することを許容するとともに、前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離未満であると前記端面と接触して前記導通接触部が前記端子の先端部と接触することを規制する端面接触部と、を備えたことを特徴とするワイヤハーネス用検査治具の検査ピン。 - 前記端面接触部は、管状に形成されかつ内側に前記導通接触部を配しているとともに前記導通接触部より前記コネクタハウジングの端面に向かって突出していることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピン。
- 前記端面接触部の前記導通接触部からの突出量は、前記所望の距離以下であることを特徴とする請求項2記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピン。
- コネクタハウジング内に収容された端子を備えたワイヤハーネスに導通検査を行うために用いられるワイヤハーネス用検査治具の検査ピンであって、
前記端子の先端部は、前記コネクタハウジングの端面から該コネクタハウジングの内側に没しており、
前記ワイヤハーネス用検査治具に取り付けられる本体部と、
前記コネクタハウジングの端面と相対し、前記本体部に突没自在に支持されかつ前記本体部から突出する方向に付勢されているとともに前記端子の先端部に接触して前記端子と導通する導通接触部と、
前記導通接触部の外周に設けられ、かつ前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離以下であると前記導通接触部が前記端子の先端部に接触することを許容するとともに、前記端子の先端部と前記コネクタハウジングの前記導通接触部に相対する端面との距離が予め定められる所望の距離を越えると前記端面と接触して前記導通接触部が前記端子の先端部と接触することを規制する端面接触部と、を備えたことを特徴とするワイヤハーネス用検査治具の検査ピン。 - 前記端面接触部は、管状に形成されかつ内側に前記導通接触部を配しているとともに前記導通接触部より前記コネクタハウジングの端面から離れていることを特徴とする請求項4記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピン。
- 前記端面接触部と前記導通接触部との距離は、前記所望の距離以上であることを特徴とする請求項5記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピン。
- コネクタハウジング内に収容された端子を備えたワイヤハーネスに導通検査を行うために用いられるワイヤハーネス用検査治具であって、
前記コネクタハウジングを取り付けるコネクタ受け部と、
前記コネクタ受け部と相対的に接離自在に設けられた検査部と、
前記検査部に取り付けられかつ前記コネクタハウジング内の端子と導通可能な請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネス用検査治具の検査ピンとを備え、
前記コネクタ受け部に前記端子を収容したコネクタハウジングを取り付け、前記検査部とコネクタ受け部とを近づけて、前記ワイヤハーネス用検査治具の検査ピンと前記端子とを導通させてワイヤハーネスに導通検査を行うことを特徴とするワイヤハーネス用検査治具。
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