JP2005044479A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーベル面側にインク受理層を有する光記録媒体において、インク受理層の表面に形成される段差を小さくする。
【解決手段】 本発明による光記録媒体10は、ディスク本体11と、ディスク本体11のレーベル面11bに設けられたホワイトインク層12と、ホワイトインク層12の表面12aに設けられたインク受理層13とを備え、インク受理層13の表面13aには径方向に延在する段差が残されており、この段差が1.0μm以下に設定されている。本発明によれば、インク受理層13の段差が1.0μm以下であることから、プリンタで印刷を行った後、様々な角度から観察しない限り、目視によってこの段差を確認することはできない。これにより、スリットコート法等、径方向に段差が生じる方法によってインク受理層を形成した場合であっても、高い印刷品質を確保することが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は光記録媒体及びその製造方法に関し、特に、光入射面とは反対側のレーベル面側に印刷を行うことが可能な光記録媒体及びその製造方法に関する。
大容量のデジタルデータを記録するための記録媒体として、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)に代表される光記録媒体が広く用いられているが、特に近年、ユーザによるデータの記録が可能なタイプの光記録媒体が急速に普及している。記録が可能な光記録媒体を用いれば、画像データや音楽データのようにファイルサイズの大きなデジタルデータを簡単且つ安価に保存することができることから、多くのユーザによって利用されるに至っている。このようなタイプの光記録媒体が普及するに連れ、光入射面とは反対側の面(以下、「レーベル面」という)側にプリンタで印刷を行うことによってオリジナルの光記録媒体を作製したいという要望が高まり、これを実現可能な光記録媒体が開発され既に販売されている。
このような光記録媒体には、インクを定着させる「インク受理層」がレーベル面側に設けられており、インクジェット式のプリンタを用いてインク受理層にインクを供給することによってレーベル面側に印刷を行うことができる。
しかしながら、一般に光記録媒体への印刷品質は光沢紙への印刷品質に比べて低く、高品質な印刷が可能なインクジェット式のプリンタの性能を十分に引き出せないという問題があった。この問題を解決すべく、特許文献1にはインク受理層の表面粗さが所定値以下に抑えられた光記録媒体が提案されている。
インク受理層の表面粗さをより小さくするためには、スピンコート法を用いてこれを形成することが望ましいと考えられるが、この場合、インク受理層の表面粗さはその下地の影響を受けるため、平滑な表面が得られる塗布液を選択した場合であっても、形成されたインク受理層の表面粗さは必ずしも小さくならず、この場合には高い印刷品質を得ることができないという問題があった。
一方、平滑な表面を持つ塗膜を形成可能な塗布方法として、スリットコート法が知られているが、スリットコート法は、通常、表面が矩形である処理対象物(例えばディスプレイパネル)に対して用いられる塗布方法であり(特許文献2及び特許文献3参照)、一般的な光記録媒体のように円盤状である処理対象物に対して用いる場合、つなぎ目部分において大きな段差が生じるなど、様々な困難を伴う。
特開2002−237103号公報 特開平11−162808号公報 特開2000−167476号公報
このように、インク受理層に大きな段差が存在すると、プリンタで印刷した場合にこの段差が目立ち、印刷品質が悪化するという問題がある。
したがって、本発明の目的は、インク受理層の表面に形成される段差を確実に小さくし、これにより高品質な印刷が可能な光記録媒体及びその製造方法を提供することである。
本発明による光記録媒体は、円盤状のディスク本体と、前記ディスク本体のレーベル面側に設けられ、径方向に延在する段差を有するインク受理層とを少なくとも備え、前記段差が1.0μm以下であることを特徴とする。本発明によれば、インク受理層の段差が1.0μm以下であることから、プリンタで印刷を行った後、様々な角度から観察しない限り、目視によってこの段差を確認することはできない。これにより、スリットコート法等、径方向に段差が生じる方法によってインク受理層を形成した場合であっても、高い印刷品質を確保することが可能となる。
また、前記段差は0.5μm以下であることが好ましい。段差が0.5μm以下であれば、プリンタで印刷を行った後、様々な角度からよほど注意して観察しない限り、目視によってこの段差を確認することはほどんどできず、印刷品質に与える悪影響がほとんど無くなるからである。
また、ディスク本体のレーベル面とインク受理層との間に設けられた下地層をさらに備えることが好ましい。下地層を設ければ、よりいっそう印刷品質を高めることが可能となる。
本発明の一側面による光記録媒体の製造方法は、円盤状であるディスク本体のレーベル面側に、スリットコート法によって塗膜を形成する第1のステップと、前記塗膜を乾燥させることによりインク受理層を形成する第2のステップとを備え、前記スリットコート法による塗布開始領域と塗布終了領域との重なり部分にて生じる段差が、前記第2のステップ終了後に1.0μm以下となるよう設定することを特徴とする。また、本発明の他の側面による光記録媒体の製造方法は、塗布液を供給するスリットを有するヘッドと円盤状であるディスク本体との相対的な位置関係を回転的に移動させることにより、前記ディスク本体のレーベル面側に塗膜を形成する第1のステップと、前記ディスク本体を回転させることにより、塗布開始領域と塗布終了領域との重なり部分における段差をなだらかにする第2のステップと、塗膜を乾燥させることによりインク受理層を形成する第3のステップとを備えることを特徴とする。この場合、第2のステップにおける回転時間を、第3のステップ終了後に段差が1.0μm以下となる時間以上に設定することが好ましい。これらによれば、インク受理層の表面に形成される段差の小さい光記録媒体を作製することが可能となる。
このように、本発明では、インク受理層に形成される径方向の段差が1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下に抑えられていることから、インクジェット式のプリンタ等を用いて印刷を行った場合に、この段差が目立つことがなく、高い印刷品質を確保することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による光記録媒体の構造を概略的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態による光記録媒体10は、ディスク本体11と、ディスク本体11のレーベル面11bに設けられたホワイトインク層12と、ホワイトインク層12上に設けられたインク受理層13とを備えて構成されている。ホワイトインク層12はインク受理層13の下地となる層であり、このようにディスク本体11のレーベル面11bとインク受理層13との間に設けられる層を「下地層」と呼ぶことがある。
ディスク本体11は、記録時及び/又は再生時にレーザビームが照射される光入射面11aとその裏面であるレーベル面11bとを有している。ディスク本体11の種類については特に限定されず、CD−ROM、CD−R、CD−RW等のCD型ディスク、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等のDVD型ディスク、さらには、青色波長領域のレーザビームが用いられる次世代型の光ディスクを用いることが可能である。
図2は、本発明の適用が好適なディスク本体11のいくつかの例を示す図であり、(a)はCD型ディスク、(b)はDVD型ディスク、(c)は次世代型ディスクの断面をそれぞれ示している。
図2(a)に示すように、CD型ディスクは、一方の面が光入射面11aとなる厚さ約1.2mmの光透過性基板21と、光透過性基板21の他方の面に設けられた機能層22と、機能層22を覆う保護層23とを備え、保護層23の表面がレーベル面11bとなる。したがって、ディスク本体11として図2(a)に示すCD型のディスクを用いる場合には、保護層23の表面(レーベル面11b)にホワイトインク層12及びインク受理層13が設けられることになる。機能層22の構造や材料はディスクの種類によって異なり、CD−ROM等のROM型ディスクにあっては金属を含む反射層によって構成され、CD−R等の追記型ディスクにあっては有機色素を含む記録層とその表面に設けられた金属を含む反射層によって構成され、CD−RW等の書き換え型ディスクにあっては相変化材料を含む記録層と、これを挟んで設けられた複数の誘電体層と、金属を含む反射層とによって構成されることが一般的である。
図2(b)に示すように、DVD型ディスクは、一方の面が光入射面11aとなる厚さ約0.6mmの光透過性基板31と、一方の面がレーベル面11bとなるダミー基板32と、光透過性基板31の他方の面に設けられた機能層33と、機能層33を覆う保護層34と、光透過性基板31、機能層33及び保護層34からなる積層体とダミー基板32とを接着する接着層35とを備えている。したがって、ディスク本体11として図2(b)に示すDVD型のディスクを用いる場合、ダミー基板32の表面(レーベル面11b)にホワイトインク層12及びインク受理層13が設けられることになる。機能層33の構造や材料は、上述の通りディスクの種類によって異なり、CD型ディスクと同様、DVD−ROM等のROM型ディスクにあっては金属を含む反射層によって構成され、DVD−R等の追記型ディスクにあっては有機色素を含む記録層とその表面に設けられた金属を含む反射層によって構成され、DVD−RW等の書き換え型ディスクにあっては相変化材料を含む記録層と、これを挟んで設けられた複数の誘電体層と、金属を含む反射層とによって構成されることが一般的である。
図2(c)に示すように、次世代型ディスクは、一方の面がレーベル面11bとなる厚さ約1.1mmの支持基板41と、支持基板41の他方の面に設けられた機能層42と、機能層42を覆う光透過層43とを備え、光透過層43の表面が光入射面11aとなる。したがって、ディスク本体11として図2(c)に示す次世代型のディスクを用いる場合には、支持基板41の表面(レーベル面11b)にホワイトインク層12及びインク受理層13が設けられることになる。機能層42の構造や材料はディスクの種類によって異なり、現在提唱されている書き換え型ディスクにあっては相変化材料を含む記録層と、これを挟んで設けられた複数の誘電体層と、金属を含む反射層とによって構成される。
これら図2に示したディスクは、いずれも厚さが約1.2mm、直径が約120mmの円盤状であるが、本発明の適用が可能なディスクがこれに限定されるものではなく、光入射面11aとこれに対向するレーベル面11bを有する円盤状のディスクであれば、どのようなタイプのディスクを用いても構わない。
次に、ホワイトインク層12及びインク受理層13について説明する。
ホワイトインク層12は、インク受理層13の下地となる白色の層(下地層)であり、主に発色を改善することにより印刷品質を高める目的で設けられる。ホワイトインク層12の表面12aの平均粗さ(Ra)は、0.2μm以下に設定することが好ましく、0.1μm以下に設定することがより好ましい。ホワイトインク層12の厚さについては特に限定されないが、8μm以上、15μm以下に設定することが好ましい。ホワイトインク層12の材料としては、紫外線硬化性樹脂、特に、10wt%以上30wt%以下の酸化チタンを含む低収縮率の紫外線硬化性のアクリル樹脂を含む材料を用いることが好ましい。
ホワイトインク層12の形成は、スクリーン印刷法により行うことが好ましい。より具体的には、スクリーン印刷法によって紫外線硬化性樹脂を含む未硬化のホワイトインク層12を形成した後、紫外線を照射することによってホワイトインク層12を硬化させることが好ましい。ホワイトインク層12の形成にスクリーン印刷法を用いれば、その膜厚分布が小さくなることから、内周部分と外周部分とで膜厚をほぼ一定とすることができるからである。ホワイトインク層12の膜厚分布が大きいと、ホワイトインク層12が薄い領域と厚い領域とで発色に差が生じるおそれがある。
スクリーン印刷法によりホワイトインク層12を形成した場合、スクリーン印刷の直後の未硬化状態ではスクリーンのメッシュに対応した凹凸が表面12aに多数形成され、その平均粗さ(Ra)は0.2μm超、典型的には0.3μm程度となる。このような凹凸をなだらかにし、その表面12aの平均粗さ(Ra)を0.2μm以下とするためには、スクリーン印刷を行った後、紫外線の照射により硬化させるまでの間にある程度の時間をおき、表面12aをレベリングさせる必要がある。レベリングに必要な時間については、ホワイトインク層12を構成する樹脂の組成や、添加するレベリング剤の種類及び量によって異なるため、これらに応じて適切な時間に設定する必要がある。
尚、ホワイトインク層12の形成にスピンコート法を用いれば、より簡単に表面12aの平均粗さ(Ra)を小さくすることが可能となるが、スピンコート法を用いると内周部分と外周部分とでその膜厚が異なってしまい(内周部分において薄く、外周部分において厚くなる)、プリンタで印刷した場合、発色に差が生じるおそれがあるため好ましくない。
また、インク受理層13は、光記録媒体10の一方の最外層を構成する層であり、インクジェット式のプリンタより供給されるインクを受けてこれを定着させる役割を果たす。インク受理層13の表面13aの平均粗さ(Ra)は小さければ小さいほどプリンタで印刷した場合の印刷品質、特に、発色や光沢が向上する。銀塩写真に近い発色や光沢、いわゆる写真画質を得るためには、インク受理層13の表面13aの平均粗さ(Ra)を0.2μm以下とする必要があり、0.1μm以下とすることが好ましい。インク受理層13の厚さについては特に限定されないが、10μm以上、30μm以下に設定することが好ましい。インク受理層13の材料としては、ポリビニルアルコールやポリビニルアセタールなどの親水性樹脂を主成分とし、これにインク定着剤としてのカチオン性ポリマー等が混合された材料を用いることが好ましい。
本発明では、インク受理層13の形成をスリットコート法により行う。スリットコート法とは、ヘッドに設けられたスリットから塗布液(溶剤に溶かしたインク受理層13の材料を水や他の溶剤で希釈した液体)を供給し、ヘッドと処理対象物との相対的な位置を移動させることによって処理対象物の表面に塗布液を塗り広げる方法である。スリットコート法は、通常、表面が矩形である処理対象物(例えばディスプレイパネル)に対して用いられる塗布方法であり、多くの光ディスクのように円盤状である処理対象物に対して用いる場合、様々な困難を伴う。このため、ディスク本体11が円盤状である場合には様々な工夫を行う必要がある。次に、これについて説明する。
図3は、円盤状のディスク本体11にスリットコート法によってインク受理層13を形成する方法を説明するための模式図であり、(a)はディスク本体11とスリットの位置関係を示し、(b)はスリットコートによる塗布領域を示している。
図3(a)に示すように、円盤状のディスク本体11にスリットコートを施す場合、塗布液を供給するヘッド(図示せず)に設けられたスリット50の一端51が塗布すべき領域の最内周部分に一致し、且つ、スリット50の他端52が塗布すべき領域の最外周部分に一致するよう、スリット50の長手方向とディスク本体11の半径方向とを一致させる。この状態において、ディスク本体11を回転させ、或いは、ヘッドをディスク本体11に沿って回転させることによって、これらの相対的な位置関係を移動させる。これにより、図3(b)に示すように、塗布面(ホワイトインク層12の表面12a)には塗布液がドーナツ状に塗り広げられ、その後、溶剤を蒸発させることによってインク受理層13を形成することができる。
但し、処理対象物が円盤状であることから、ディスプレイパネルのように表面が矩形である処理対象物に塗布する場合とは異なり、塗布を開始する領域と終了する領域とが実質的に一致し、このため図3(b)に示すように、つなぎ目となる領域60における膜厚が他の部分に比べてやや厚くなってしまう。つまり、つなぎ目となる領域60において僅かな段差が生じてしまう。図4はこれを示す図であり、図3(b)に示すA−A線に沿った断面を示している。図4に示すように、つなぎ目となる領域60の膜厚T1と領域60の周辺領域の平均膜厚T2との関係は
T1>T2
となり、両者の間には、
T1−T2
で定義される段差が生じてしまう。
このような径方向に延在する段差が大きいと、プリンタによって印刷した場合につなぎ目が目立ってしまい、印刷品質に悪影響を与える。この点を考慮して、本発明でこの段差(=T1−T2)を1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下に設定している。これは、段差が1.0μm以下であれば、プリンタで印刷を行った後、様々な角度から観察しない限り、目視によってこの段差を確認することができなくなるからである。また、段差が0.5μm以下であれば、プリンタで印刷を行った後、様々な角度からよほど注意して観察しない限り、目視によってこの段差を確認することはほどんどできず、印刷品質に与える悪影響がほとんど無くなる。
通常、スリットコートが完了した直後の状態で塗膜を乾燥させた場合、この段差は1.0μm超となることから、これを1.0μm以下までなだらかにするためには、スリットコートを行った後、加熱により塗膜を乾燥させるまでの間のある程度の時間、ディスク本体11を回転させることにより遠心力によって表面13aをレベリングさせる必要がある。レベリングに必要な時間については、インク受理層13を構成する材料の組成や、これを溶かす溶剤の種類及び量、さらには、ディスク本体11の回転数によって異なるため、これらに応じて適切な時間に設定する必要がある。レベリング時におけるディスク本体11の回転数については、インク受理層13の膜厚が過度に薄くならない程度の低回転、例えば50rpm以上、300rpm以下に設定することが好ましい。
また、処理対象物が円盤状であることから、塗布面の内周部分と外周部分とでヘッドの線速度が異なるという特殊性も有する。このため、スリット50より供給される塗布液の量が最内周に対応する一端51から最外周に対応する他端52に亘って均一であると、形成されるインク受理層13の膜厚が内周部分において厚く、外周部分において薄くなるおそれがある。これが印刷品質に影響を与えない場合には問題がないが、最内周に対応する一端51から最外周に対応する他端52へ向かって塗布液の供給量を多くすることにより、インク受理層13の膜厚分布を抑えることが好ましい。これを実現するためには、スリット50の形状として、図5に示すように、塗布すべき領域の最内周部分に対応する一端51のスリット幅W1よりも、最外周部分に対応する他端52のスリット幅W2の方が広くなるよう、スリット50を扇形とすればよい。
インク受理層13の形成においてスリットコート法を用いているのは、この塗布方法を用いることによりその表面13aの平均粗さ(Ra)を小さくすることができるからである。
スリットコート法によりインク受理層13を形成すると、スクリーン印刷法を用いた場合と異なり、その下地であるホワイトインク層12の表面性が大きく反映される。つまり、ホワイトインク層12の表面12aの平均粗さ(Ra)がほぼそのまま、インク受理層13の表面13aの平均粗さ(Ra)となって現れてしまう。ホワイトインク層12の表面12aの平均粗さ(Ra)を0.2μm以下とするのが好ましいのはこのためであり、これによってインク受理層13の表面13aの平均粗さ(Ra)についても0.2μm以下とすることが可能となる。
以上が、本実施形態による光記録媒体10の構成及びその製造方法である。
このような構成を有する光記録媒体10では、インク受理層13のつなぎ目となる領域60の段差が1.0μm以下に抑えられていることから、プリンタによって印刷した場合にこのつなぎ目がほとんど目立たない。しかも、ホワイトインク層12の表面12aの平均粗さ(Ra)を0.2μm以下とすれば、インク受理層13の表面13aの平均粗さ(Ra)が十分に小さくなり、このためインクジェット式のプリンタを用いて印刷を行った場合、銀塩写真に近い発色や光沢を得ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態においてはスリットコート法により形成されるインク受理層13のつなぎ目領域60の段差が1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下に抑えられていることから、インクジェット式のプリンタ等を用いて印刷を行った場合にもこのつなぎ目が目立つことがなく、高い印刷品質を得ることが可能となる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態による光記録媒体10では、ディスク本体11のレーベル面11b上に直接ホワイトインク層12を形成しているが、ディスク本体11とホワイトインク層12との間に他の層を介在させても構わない。また、ホワイトインク層12とインク受理層13との間に他の層を介在させることも可能であるが、この場合には、インク受理層13の直下に位置する層の表面の平均粗さ(Ra)を0.2μm以下とすることが好ましい。つまり、ディスク本体11のレーベル面11bとインク受理層13との間に存在する下地層の表面の平均粗さ(Ra)を0.2μm以下とすることが好ましい。
また、上記実施形態においては、スリットコート法により塗膜を形成した後、ディスク本体11を回転させることによって段差をなだらかにしているが、ディスク本体11を回転させることなく単に放置することによって、塗膜を自然にレベリングさせても構わない。但し、塗膜に含まれる溶剤の蒸発により、自然にレベリングできる時間には限度があることや、レベリングに時間がかかること等を考慮すれば、上記実施形態のようにディスク本体を回転させることによってレベリングすることが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
[サンプルの作製]
実施例1
以下の方法により、図1に示す光記録媒体10と同じ構造を有する光記録媒体サンプルを作製した。ディスク本体11については、図2(b)に示したDVD構造のディスクを使用した。
まず、#420番のスクリーンメッシュを用いたスクリーン印刷により、ダミー基板32の表面(レーベル面11b)に厚さ約10μmの紫外線硬化性樹脂を形成した。紫外線硬化性樹脂の材料としては、大日精化工業(株)製セイカビームSCR−VID F29白を使用した。
次に、形成した紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することによりこれを硬化させ、ホワイトインク層12を形成した。スクリーン印刷から紫外線照射までの時間は1分に設定した。
次に、最内周部分に対応する一端51のスリット幅W1が0.08mm、最外周部分に対応する他端52のスリット幅W2が0.12mmである扇形のスリットを持ったヘッドを用い、このヘッドをホワイトインク層12の表面12aに対して0.09mmまで近づけ、この状態でディスク本体11を14rpmで回転させることによってホワイトインク層12の表面12aに10〜15wt%のPVA(ポリビニルアルコール)、75〜85wt%の水、5〜10wt%のIPA(イソプロピルアルコール)及び5wt%以下のその他材料を含む塗布液(粘度500cps)をディスク本体11の中心から半径20mm乃至58mmの範囲にスリットコートした。そして、ディスク本体11を100rpmで15秒間回転させることによって塗膜をレベリングした後、塗膜を80℃で5分間乾燥させ、これによって厚さ約10μmのインク受理層13を形成した。
以上により、実施例1のサンプルが完成した。
そして、STEAG ETA-Optik GmbH社製ETA-RTを用い、光干渉法によって半径40mmの地点におけるインク受理層13の膜厚を測定した。その結果、つなぎ目部分である領域60の膜厚は10.2μm、領域60の周辺の平均膜厚は9.8μmであった。
実施例2
インク受理層13の形成において、回転によるレベリング時間を10秒に設定した以外は、実施例1と同様にして実施例2のサンプルを作製した。その結果、半径40mmの地点におけるインク受理層13の膜厚は、つなぎ目部分である領域60において10.6μm、領域60の周辺の平均膜厚は10.1μmであった。
実施例3
インク受理層13の形成において、回転によるレベリング時間を6秒に設定した以外は、実施例1と同様にして実施例3のサンプルを作製した。その結果、半径40mmの地点におけるインク受理層13の膜厚は、つなぎ目部分である領域60において10.6μm、領域60の周辺の平均膜厚は9.8μmであった。
比較例1
インク受理層13の形成において、回転によるレベリング時間を4秒に設定した以外は、実施例1と同様にして比較例1のサンプルを作製した。その結果、半径40mmの地点におけるインク受理層13の膜厚は、つなぎ目部分である領域60において11.6μm、領域60の周辺の平均膜厚は10.2μmであった。
比較例2
インク受理層13の形成において、回転によるレベリング時間を2秒に設定した以外は、実施例1と同様にして比較例2のサンプルを作製した。その結果、半径40mmの地点におけるインク受理層13の膜厚は、つなぎ目部分である領域60において12.4μm、領域60の周辺の平均膜厚は10.1μmであった。
[サンプルの評価]
実施例1乃至3のサンプル並びに比較例1及び2のサンプルに対し、キャノン(株)製プリンタBJF950iを用い、用紙設定を「プリンタブルディスク(推奨品)」に設定し、印刷品質を「標準」に設定し、カートリッジを「フォト」に設定して実際にインク受理層13に対して印刷を行った。そして、各サンプルについて、つなぎ目部分を目視により評価した。結果を表1に示す。表1には、つなぎ目部分である領域60におけるインク受理層13の膜厚(=T1)、領域60の周辺におけるインク受理層13の平均膜厚(=T2)、並びに、その膜厚差(段差)(=T1−T2)についても併せて示されている。
Figure 2005044479
表1に示すように、インク受理層13の膜厚差(段差)が1.0μm以下である実施例1乃至3のサンプルにおいては、つなぎ目部分がほとんど目立たず、高い印刷品質が確保されていた。特に、膜厚差(段差)が0.5μm以下である実施例1及び2のサンプルにおいては、よほど注意して観察しない限りつなぎ目部分が確認できず、銀塩写真とほぼ同等の印刷品質であった。
これに対し、インク受理層13の膜厚差(段差)が1.0μm超である比較例1及び2のサンプルでは、注意して観察しなくてもつなぎ目部分を容易に確認することができた。
本発明の好ましい実施形態による光記録媒体10の構造を概略的に示す断面図である。 本発明の適用が好適なディスク本体11のいくつかの例を示す図であり、(a)はCD型ディスク、(b)はDVD型ディスク、(c)は次世代型ディスクの断面をそれぞれ示している。 円盤状のディスク本体11にスリットコート法によってインク受理層13を形成する方法を説明するための模式図であり、(a)はディスク本体11とスリットの位置関係を示し、(b)はスリットコート後の塗布領域を示している。 図3(b)に示すA−A線に沿った略断面図である。 扇形のスリット50を模式的に示す略平面図である。
符号の説明
10 光記録媒体
11 ディスク本体
11a 光入射面
11b レーベル面
12 ホワイトインク層
12a ホワイトインク層の表面
13 インク受理層
13a インク受理層の表面
21,31 光透過性基板
22,33,42 機能層
23,34 保護層
32 ダミー基板
35 接着層
41 支持基板
43 光透過層
50 スリット
51 スリットの一端
52 スリットの他端
60 塗布開始(終了)領域

Claims (6)

  1. 円盤状のディスク本体と、前記ディスク本体のレーベル面側に設けられ、径方向に延在する段差を有するインク受理層とを少なくとも備え、前記段差が1.0μm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記段差が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記ディスク本体の前記レーベル面と前記インク受理層との間に設けられた下地層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  4. 円盤状であるディスク本体のレーベル面側に、スリットコート法によって塗膜を形成する第1のステップと、前記塗膜を乾燥させることによりインク受理層を形成する第2のステップとを備え、前記スリットコート法による塗布開始領域と塗布終了領域との重なり部分にて生じる段差が、前記第2のステップ終了後に1.0μm以下となるよう設定することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 塗布液を供給するスリットを有するヘッドと円盤状であるディスク本体との相対的な位置関係を回転的に移動させることにより、前記ディスク本体のレーベル面側に塗膜を形成する第1のステップと、前記ディスク本体を回転させることにより、塗布開始領域と塗布終了領域との重なり部分における段差をなだらかにする第2のステップと、塗膜を乾燥させることによりインク受理層を形成する第3のステップとを備えることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  6. 前記第2のステップにおける回転時間を、前記第3のステップ終了後に前記段差が1.0μm以下となる時間以上に設定することを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2006106735A1 (ja) * 2005-04-01 2008-09-11 松下電器産業株式会社 多層情報記録媒体及びその製造装置、並びにその製造方法

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