JP2005043634A - 光コネクタ付き成端用部品、光コネクタ用アウトレット - Google Patents

光コネクタ付き成端用部品、光コネクタ用アウトレット Download PDF

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Kunihiko Fujiwara
邦彦 藤原
Takashi Yamaguchi
敬 山口
Kazuhiro Takizawa
和宏 瀧澤
Hiroshi Furukawa
洋 古川
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Abstract

【課題】光コネクタ用アウトレットにあっては、小型化、とりわけ、奥行き寸法の縮小を実現できる技術の開発が求められていた。
【解決手段】光コネクタ21と、この光コネクタ21から延びるピグテール光ファイバ22の前記光コネクタ21からの延出先端に組み立てられたメカニカルスプライス部23とを有する構成の光コネクタ付き成端用部品20、及び、この光コネクタ付き成端用部品20を外装ケース11内に組み込んだ構成の光コネクタ用アウトレット10を提供する。メカニカルスプライス部23が光ファイバ22を介して光コネクタ21とは離隔したところに配置されるため、外装ケース11内での光ファイバ22の湾曲によって、アウトレットの特に奥行き寸法の縮小を容易に実現できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタ付き成端用部品、光コネクタ用アウトレットに係り、特に、現場等で光ファイバと接続して、光ファイバのコネクタ成端等を簡単に実現できる光コネクタ付き成端用部品、光コネクタ用アウトレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル内や住宅内等に設置される、光コネクタ用のアウトレットに関係する従来技術として、例えば特許文献1等がある。この特許文献1記載の技術(光コンセント)は、光ファイバケーブル(第一の光ファイバケーブル)が引き込まれる函と、この函に取付枠を介して取り付けられる光コネクタアダプタと、この光コネクタアダプタを外側から覆うカバーとを有する構造であり、前記光ファイバケーブルと、一端が前記光コネクタアダプタに接続される光コネクタ(光コネクタプラグ)によってコネクタ接続可能に成端(コネクタ成端)されている光ファイバケーブル(第二の光ファイバケーブル。以下、コネクタ付き光ファイバ)の他端との接続、及び、コネクタ付き光ファイバの光コネクタプラグの前記光コネクタアダプタへの接続によって、前記光ファイバケーブルをコネクタ付き光ファイバ先端(一端)の光コネクタによるコネクタ成端と、この光ファイバケーブルをコネクタ成端する光コネクタ(コネクタ付き光ファイバの光コネクタ)の実装とが実現されるものである。
【0003】
ところで、上述した特許文献1記載の技術では、函に引き込んだ光ファイバケーブルと、コネクタ付き光ファイバとを光コネクタ(具体的にはMT形光コネクタ)で接続する構成であり、コネクタ付き光ファイバのみならず、函に引き込んだ光ファイバケーブルの先端にも、光コネクタを組み立てておく必要がある。このため、函に引き込む光ファイバケーブルとして、光コネクタが付けられていない光ファイバケーブルを用いる場合は、現場で、コネクタ付けを行う必要があり、組み立てに非常に手間が掛かるものであった。
【0004】
コネクタ成端されていない光ファイバへの現場でのコネクタ付け、及び、光ファイバ先端に取り付けた光コネクタのアウトレットへの実装を簡単に行える技術として、(a)現場で光ファイバ先端に簡単に取り付けることができる光コネクタ(現場付け光コネクタ)を使用するもの、(b)予め、光コネクタで先端がコネクタ成端されている光ファイバ(コネクタ付き光ファイバ)に、光ファイバを融着接続するもの、が考えられる。
【0005】
前記(a)の現場付け光コネクタを適用した光コネクタアウトレットの一例を、図14に示すものがある。
図14は、前記光コネクタ用アウトレットの構造の概要を示す断面図であり、図14中、符号1は光コネクタ用アウトレット、2は光コネクタ用アウトレット1の外装ケース、3は光コネクタ用アウトレット1が取り付けられる壁(建物等の構造物の壁)、4は外装ケース2の前面側(図14左側)に設けられている光コネクタレセプタクルである。
図14において、光コネクタ用アウトレット1の外装ケース2には、壁3から引き出した光ファイバ5が引き込まれている。前記光ファイバ5の先端は、現場付け光コネクタ6(後述)によってコネクタ成端されている。この現場付け光コネクタ6は、光コネクタレセプタクル4に組み込まれており、この光コネクタレセプタクル4に、別途、光コネクタ用アウトレット1外側から、光ファイバ(以下、外部光ファイバ)先端をコネクタ成端する光コネクタを挿入接続すると、光コネクタレセプタクル4内での光コネクタ同士の接続により、光ファイバ5と外部光ファイバとが光接続されることとなる。
【0006】
ここで、現場付け光コネクタ6は、例えば特許文献2等に開示されているように、フェルール7の突き合わせ接続用の接合端面7a側(先端側)に対向する後端側に、突き合わせ接続した一対の光ファイバを半割り構造の素子の間にクランプ保持して接続状態を維持するクランプ部8を具備するものである。クランプ部8は、半割り構造の素子をスリーブ状のバネ(例えば、C形バネ、コ字形バネ)に収容して、バネのクランプ力によって光ファイバを挟み込む構成であり、楔を用いて素子を開放させ、素子間に挿入した光ファイバを、フェルール7に予め内挿固定しておいた光ファイバがフェルール7から前記クランプ部8に延出した部分と突き合わせ接続した後、素子から楔を引き抜いて、素子を閉じることで、接続状態の光ファイバをクランプ保持して、接続状態を維持する。また、素子間に挿入した光ファイバは、半割り構造の素子同士の合わせ面に形成した位置決め溝(V溝等)によって精密に位置決め調心されるため、突き合わせ接続したときに低損失を実現できる。
【0007】
しかしながら、前述のような光コネクタ用アウトレット1では、外装ケース2に現場付け光コネクタ6の収容スペースを確保するために、外装ケース2の奥行き寸法が大きくならざるを得ず、外装ケース2を小型化できないといった不満があった。フェルール7の後端側にクランプ部8を組み付けた構成の現場付け光コネクタ6を外装ケース2に収容する場合、外装ケース2には、クランプ部のフェルールからの突出寸法分に対応して、これを収容できる奥行き寸法が確保されている必要がある。また、外装ケース2内に引き込んだ光ファイバ5については、光伝送特性に影響を与えない許容範囲の曲げで外装ケース2内に湾曲収納する必要があるが、前述の現場付け光コネクタ6の場合、クランプ部8のフェルール7からの突出先端付近に光ファイバ5の湾曲スペースを充分に確保して、光ファイバ5を緩やかに湾曲させる必要があり、外装ケース2の奥行き寸法の縮小は困難であり、この点でも、外装ケース2の小型化は難しい。
【0008】
一方、前述の(b)の融着による方法では、前述の現場付け光コネクタのクランプ部に比べて融着接続部はサイズが小さいため、外装ケース2の小型化の点では有利であるが、アウトレットの施工位置近くに搬入した融着接続機で光ファイバ同士の接続を行うために、建物の壁等に配線されている光ファイバを、融着接続機まで引き出す必要があり、また、コネクタ付き光ファイバに融着接続機での接続作業を可能にするための長さを確保する必要があり、接続後、壁等への光ファイバの押し込みや、余長の湾曲処理等を行う。ここで、コネクタ付き光ファイバの余長は、アウトレットに収納することになるため、アウトレットの小型化の障害になる。例えば、前述の特許文献1では、コネクタ付き光ファイバの余長をアウトレットに収容される小ケース状の保護部材(符号7)内に湾曲収容する技術が開示されているが、このような構成では、アウトレットに保護部材の収容スペースを確保せねばならず、また、保護部材から光コネクタ側、壁側にそれぞれ延出する光ファイバに、急激な曲げを与えないように曲げ半径を確保するために、アウトレット内に、光ファイバを湾曲させて引き回すためのスペースを確保する必要もあることから、この点、アウトレットの小型化の障害となる。
【0009】
アウトレットに実装する光コネクタから延びる光ファイバ(いわゆるピグテール)を、光伝送特性に影響を与えない範囲の曲げ半径を確保して、アウトレット内に収容するには、例えば、特許文献3記載の技術を適用することも考えられるが、融着接続機を用いた融着作業で発生する余長の吸収に応用するとしても、アウトレットの小型化を実現するには、不充分で、充分な小型化を実現し得ない。また、特許文献3の技術を、図14に例示した構成に適用するとしても、やはり、アウトレットの小型化には、充分に機能しない。
【0010】
また、アウトレットでは、壁等から引き出した光ファイバと光コネクタとの接続を完了した後、アウトレットを壁等に取り付ける際に、アウトレット内に収容されている光ファイバに、光伝送特性に影響するような急激な湾曲が与えられたり、折損するといった不都合が生じる可能性があり、光ファイバに急激な曲げや折損を生じないように、作業を慎重に進める必要があることから、これが作業性の低下の原因になっている、といった不満もある。光ファイバを急激な曲げや折損から保護するために、例えば、特許文献4、5記載のように、光ファイバに保護管を被せて光ファイバを保護する技術を応用することも考えられる。しかしながら、融着接続機を用いた融着作業で発生する余長全体に保護管を被せるのでは、アウトレット内に確保する余長収納スペースを大型化させる可能性がある。また、図14に例示したように、アウトレットに実装する光コネクタとして、クランプ部を具備する光コネクタを採用した構成でも、光コネクタの後端(クランプ部の端部)から延出する光ファイバ(ピグテール光ファイバ)に保護管を被せた場合、この光ファイバの湾曲処理のためにアウトレットが大型化することが懸念される。また、アウトレットの施工現場で、壁等から引き出す光ファイバには、少なくとも、アウトレットに実装される光コネクタ(クランプ部を具備する光コネクタ)に接続できる程度の長さを確保することとなるため、現場にて、この光ファイバに保護管を被せる作業に手間が掛かり、作業性の低下の原因になることも懸念される。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−201953号公報
【特許文献2】
特開2001−235655号公報
【特許文献3】
特開平10−227923号公報
【特許文献4】
実開平2−21606号公報
【特許文献5】
実開平2−39202号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みて、アウトレットの小型化、とりわけ、アウトレットの奥行き寸法の縮小を容易に実現でき、しかも、アウトレットの施工において、狭隘な作業スペースであっても、取付構造物から引き出した光ファイバとの接続作業性を確保できるなど、アウトレットの施工作業性を向上できる光コネクタ付き成端用部品、光コネクタ用アウトレットの提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として本発明は、以下の構成を提供する。
本発明では、光コネクタと、この光コネクタから延びる光ファイバと、この光ファイバの前記光コネクタからの延出先端に組み立てられ、該光ファイバに対して別の光ファイバを接続するメカニカルスプライス部とを有し、前記光ファイバの湾曲によって、前記メカニカルスプライス部において接続する光ファイバの光軸の向きを、前記光コネクタの端面における光ファイバの光軸に対して傾斜させることができることを特徴とする光コネクタ付き成端用部品を提供する。
また、この光コネクタ付き成端用部品では、可撓性を有しかつ前記光ファイバに許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保する補強チューブが、前記メカニカルスプライス部の少なくとも一部を含んで、前記光コネクタと前記メカニカルスプライス部との間に位置する前記光ファイバに被せられている構成も採用可能である。
また、本発明では、前述した光コネクタ付き成端用部品が組み込まれた外装ケースを有し、この外装ケースの前面側には光コネクタアダプタ等のコネクタハウジングが設けられ、このコネクタハウジングに前記光コネクタ付き成端用部品の光コネクタが組み込まれており、前記外装ケースの内部では、前記外装ケースの前面側から見て該前面側に対向する裏面側へ向かう方向である奥行き方向に直交する縦方向に沿って前記外装ケース内に延在し、かつ、前記コネクタハウジングに対して縦方向の位置をずらして前記外装ケースの前記裏面側に開口された開口部を有する光ファイバ収容空間内に、前記光コネクタ付き成端用部品の光ファイバが、前記光ファイバ収容空間の延在方向に沿って配線されており、光コネクタ付き成端用部品の光コネクタは、前記外装ケースの奥行き方向に沿った光軸をもって光ファイバをコネクタ接続可能に成端しており、光コネクタ付き成端用部品の光ファイバは、前記光ファイバ収容空間内にて、前記光コネクタから前記開口部に向けて湾曲されていることを特徴とする光コネクタ用アウトレットを提供する。
この光コネクタ用アウトレットでは、前記外装ケースが建物の壁等の取付対象物に取り付けられ、前記取付対象物に配線された光ファイバが、前記光コネクタ付き成端用部品のメカニカルスプライス部によって、前記光コネクタ付き成端用部品の光ファイバに接続されて、前記光コネクタ付き成端用部品の光コネクタによって、コネクタ接続可能に成端されている構成も採用可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る光コネクタ付き成端用部品を適用して組み立てた光コネクタ用アウトレット(以下、アウトレットと略称する場合がある)の構造の概要を示す断面図であり、図1中、符号10はアウトレット、11は光コネクタ用アウトレット10の外装ケース、12はアウトレット10が取り付けられる取付対象物としての壁(建物等の構造物の壁)、13は外装ケース11の前面側(図1左側)に設けられている光コネクタレセプタクル(コネクタハウジング)、20は光コネクタ付き成端用部品である。
【0015】
図1において、アウトレット10の光コネクタレセプタクル13には、光コネクタ付き成端用部品20の光コネクタ21が組み込まれている。
図1、図2に示すように、光コネクタ付き成端用部品20は、光コネクタ21と、この光コネクタ21から延びる光ファイバ22(ピグテール光ファイバ)と、この光ファイバ22の前記光コネクタ21からの延出先端に組み立てられ、該光ファイバ22に対して別の光ファイバ14(ここでは、壁12から引き出した光ファイバ14)を接続するメカニカルスプライス部23とを有している。
【0016】
光コネクタ付き成端用部品20は、ここでは、単心の光ファイバ14を光コネクタ21によってコネクタ成端するものである。光コネクタ21は、単心用の光コネクタに適用されるフェルールであり、例えば、SC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber connector。例えば、JIS C 5973に制定されるF04形光コネクタ等)用のフェルールや、MT形光コネクタ(MT:Mechanically Transferable。例えば JIS C 5981に制定されるF12形光コネクタ等)を単心用に成形したもの(突き合わせ接続用の接合端面に開口する、光ファイバの収納位置決め用の微細孔が1本のもの)等を採用できる。
光ファイバ22は、ここでは単心の光ファイバ心線であるが、この他、光ファイバ素線等、各種単心の光ファイバを採用できる。
【0017】
図3〜図5はメカニカルスプライス部23の一例を示す図であり、図3は斜視図、図4は図3のメカニカルスプライス部23の構造を模式的に示す図であり(a)は長手方向一端側から見た側面図、(b)は正面図、図5はメカニカルスプライス部23の素子25(26、27)を、互いに対面される合わせ面の側から見た図である。
図3、図4に示すように、メカニカルスプライス部23は、断面C形あるいはコ字状のスリーブ状のバネ24(ここではコ字形バネ)の内側に半割り構造の素子25を収容した構成である。素子25は、ベース側素子26と、蓋側素子27とによって構成されている以下、ベース側素子26、蓋側素子27についても、単に「素子」と言う場合がある)。また、蓋側素子27は、3つの蓋側素子271、272、273に分割されており、3つの蓋側素子271、272、273は、細長形状のベース側素子26の長手方向に沿って、一列に配列配置されている。3つの蓋側素子271〜273は、符号272の蓋側素子の両側に、他の二つの蓋側素子271、273が対向配置された状態でベース側素子26上に配置されている。
【0018】
スリーブ状の前記バネ24は、該バネ24の軸方向の2箇所にて、該バネ24の側部の開口部24a(コ字形バネにおいては、断面「コ」字の開口部分)から、バネ24の断面方向において前記開口部24aと対向する側に形成されている幹部24b(図4(a)参照)に向かって延びるように形成されたスリット24cによって、それぞれ単独のバネとして機能する3つの領域(バネ部241〜243)を有する。前記スリット24cの形成位置は、蓋側素子271と蓋側素子272との境界、蓋側素子272と蓋側素子273との境界にほぼ一致されており、バネ24の3つのバネ部241〜243の位置は、3つの蓋側素子271〜273に対応されている。前記幹部24bは、バネ24において、該バネ24の断面方向で前記開口部24aと対向する側にて、バネ24の軸方向に連続して延在する部分であり、各バネ部241〜243は、いずれも、この幹部24bに連結されている。
【0019】
蓋側素子271と、ベース側素子26の内の蓋側素子271に対応する部分と、バネ部241とは、第1クランプ部231を構成しており、蓋側素子272と、ベース側素子26の内の蓋側素子272に対応する部分と、バネ部242とは、第2クランプ部232を構成しており、蓋側素子273と、ベース側素子26の内の蓋側素子273に対応する部分と、バネ部243とは、第3クランプ部233を構成している。
【0020】
第1〜第3クランプ部231〜233は、いわば、ベース側、蓋側の一対の素子を、バネ24の弾性(クランプ力)によって挟み込んだ構成であり、素子間への楔の挿脱によって開閉される構造になっている。
図6(a)、(b)において、第1〜第3クランプ部231〜233から代表して第3クランプ部233を例示して説明すると、第3クランプ部233は、楔28を、該バネ24の側部の開口部24aから、蓋側素子273と、ベース側素子26において蓋側素子273に対応する部分との間に割り込ませるようにして圧入することで、素子26、273間をバネ24(具体的にはバネ部243)の弾性力に抗して押し開くことができ(図6(a)の状態。この状態を、以下「開状態」とも言う)、素子26、273間から楔28を引き抜くと、バネ24(具体的にはバネ部243)の弾性によって素子26、273間が閉じられる(図6(b)の状態。この状態を、以下「閉状態」とも言う)。第1クランプ部231についても、楔の挿脱によって素子26、271間の開閉を、第3クランプ部233と同様に行えるようになっており、また、第2クランプ部232についても、楔の挿脱によって素子26、272間の開閉を、第3クランプ部233と同様に行うようになっている。
なお、図中、符号25aは、ベース側素子26と蓋側素子27との間に楔を割り込ませるための差し込み凹所である。この差し込み凹所は、素子25の側面に開口する凹みであり、ベース側素子26と蓋側素子27との境界付近において、ベース側素子26及び/又は蓋側素子27を僅かに切り欠いた形状に形成されている。
【0021】
図7(a)に示すように、メカニカルスプライス部23は、3つのクランプ部231〜233の内の第1クランプ部231に、光ファイバ22の被覆部22a(具体的には、光ファイバ心線部分)をクランプ保持し、光ファイバ22先端に口出しした裸光ファイバ22bを第2クランプ部232にクランプ保持している。図5、図7(a)に示すように、光ファイバ22の被覆部22aは、ベース側素子26の蓋側素子27に対面する合わせ面261において、蓋側素子271に対面する部分に形成されている位置決め溝262に収納され、バネ24の第1クランプ部231のクランプ力によって、ベース側素子26と蓋側素子271との間にしっかりとクランプ保持されており、第1クランプ部231が開状態とされない限り、光ファイバ22は、メカニカルスプライス部23から容易には引き抜かれないようになっている。
【0022】
前記位置決め溝262は、ベース側素子26と蓋側素子271との間にクランプ保持された光ファイバ22(具体的には被覆部22a)の位置ズレを防止する機能の他、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231側の端部から素子26、27間へ光ファイバ22(光ファイバ22において、光コネクタ21とは逆側の端部)を挿入する作業において、光ファイバ22先端に露出させておいた裸光ファイバ22bを、素子25の軸方向中央部(図4(b)左右方向中央部)の調心溝29に誘導するための誘導溝として機能する。
また、位置決め溝は、ベース側素子26の内、第3クランプ部233を構成する部分にも、第1クランプ部231と同様に、ベース側素子26の蓋側素子27(蓋側素子273)に対面する合わせ面261に形成されている(符号263の位置決め溝)。この位置決め溝263は、メカニカルスプライス部23の第3クランプ部233側の端部から素子26、27間へ光ファイバ14を挿入する作業において、光ファイバ14先端に露出させておいた裸光ファイバ14bを調心溝29に誘導するための誘導溝としての機能と、第3クランプ部233に光ファイバ14をクランプ保持する際に、光ファイバ14の被覆部14a(光ファイバ心線部分)の位置ズレを防止する機能とを果たす。
【0023】
前記調心溝29は、ベース側素子26の長手方向中央部において、蓋側素子27に対面する合わせ面261に、高精度に形成された溝であり、素子25の対向する両側から挿入された光ファイバ14、22先端の裸光ファイバ14a、22aを突き合わせ接続可能に精密に位置決め調心するものである。図8に示すように、この調心溝29は、ここではV溝であるが、これに限定されず、例えば、U溝、丸溝(断面半円状の溝)等、各種構成が採用可能である。
ベース側素子26の第1、第3クランプ部231、233に対応する部分、すなわち、ベース側素子26の長手方向両側に形成されている位置決め溝262、263は、前記調心溝29と連通しており、調心溝29からベース側素子26の長手方向に沿って延びて、ベース側素子26の長手方向の端部に開口している。これら位置決め溝262、263も、ここではV溝であるが、光ファイバ14を位置決めする位置決め精度は、調心溝29よりも低いものである。
なお、前記位置決め溝も、調心溝と同様に、V溝に限定されるものではなく、例えば、U溝、丸溝(断面半円状の溝)等、各種構成が採用可能である。また、位置決め溝は、ベース側素子26側ではなく、蓋側素子271において、前記ベース側素子26の合わせ面261に対面される合わせ面231aに形成してもよく、ベース側素子26と蓋側素子271の両方に形成しても良い。また、調心溝29の形成位置も、ベース側素子26の側に限定されず、蓋側素子27(具体的には蓋側素子272)に形成することも可能である。
【0024】
第1、2クランプ部231、232は、楔の圧入によって開状態とすると、素子間への光ファイバ22の挿脱が可能となる。第2、3クランプ部232、273は、楔の圧入によって開状態とすると、素子間への光ファイバ14の挿脱が可能となる。
光ファイバ22先端へのメカニカルスプライス部23の組み立ては、例えば、メカニカルスプライス部23の第1、第2クランプ部231、232を楔を用いて開状態とし(第3クランプ部233も一緒に開状態としても良い)、光ファイバ22(光ファイバ22において、光コネクタ21とは逆側の端部)を、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231側の端部から位置決め溝262に挿入して行き、光ファイバ22先端の裸光ファイバ22bを調心溝29に挿入せしめ、第1、第2クランプ部231、232から楔を引き抜いて、第1、第2クランプ部231、232を閉状態とすることで、光ファイバ22を第1、第2クランプ部231、232にクランプ保持する。
【0025】
図1に示すように、外装ケース11は、裏面側(壁12に対面される取付面11aの側)に、壁12の穴等を介して壁12から引き出した光ファイバ14を引き込むための光ファイバ用開口部11bを有している。図1は、アウトレット10の施工状態を示すものであり、図1において、外装ケース11には、壁12から引き出した光ファイバ14が光ファイバ用開口部11bを介して引き込まれており、メカニカルスプライス部23にて、光コネクタ付き成端用部品20の光ファイバ22と接続されている。光コネクタ付き成端用部品20の光ファイバ22の先端は、光コネクタ21及び該光コネクタ21を組み込んだ光コネクタレセプタクル13によってコネクタ成端されているため、光ファイバ14は、光コネクタ付き成端用部品20をコネクタ成端されていることとなる。
光コネクタ21は、光コネクタレセプタクル13に組み込まれており、この光コネクタレセプタクル13に、別途、アウトレット10外側から、光ファイバ15(以下、外部光ファイバ)先端をコネクタ成端した光コネクタ16を挿入接続すると、光コネクタレセプタクル13内での光コネクタ21、16同士の接続により、光ファイバ14と外部光ファイバ15とが光接続されることとなる。
【0026】
ここで、メカニカルスプライス部23での、光ファイバ14、22同士の接続は、図9に示すように、楔28aを用いて開状態としておいた第2、第3クランプ部232、233に対して、メカニカルスプライス部23の第3クランプ部233側の端部から、光ファイバ14を位置決め溝263に挿入する。但し、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231での光ファイバ22をクランプ保持した状態を維持したままである。素子25に挿入する光ファイバ14は、ここでは単心の光ファイバ心線であり、図7(b)に示すように、光ファイバ14は、位置決め溝263の挿入によって、光ファイバ14先端に予め露出させておいた裸光ファイバ14bを素子25の調心溝29に挿入せしめ、光コネクタ付き成端用部品20の光ファイバ22と突き合わせ接続する。そして、光ファイバ14、22同士(詳細には裸光ファイバ14b、22b同士)の突き合わせ状態を維持したまま、楔28aの引き抜きによって、第2、第3クランプ部232、233を閉状態とする。これにより、接続作業が完了する。
【0027】
楔28aを用いて第2、第3クランプ部232、233を開状態とする作業は、専用の工具を用いて行うことも可能であるが、第2、第3クランプ部232、233に予め楔28aを圧入しておいたメカニカルスプライス部23(楔28aによって第2、第3クランプ部232、233の開状態が維持されているメカニカルスプライス部23)を採用し、メカニカルスプライス部23に光ファイバ14を挿入した後に、第2、第3クランプ部232、233から楔28aを引き抜いて、第2、第3クランプ部232、233を閉状態とすることで、光ファイバ14をクランプ保持する構成も採用可能である。専用の工具を用いる場合は、例えば、光ファイバ22の長さを利用して(外装ケース11裏面側に開口したスリット等を利用して、光ファイバ22をアウトレット裏面側に引き出すことも可能)、メカニカルスプライス部23を外装ケース11の光ファイバ用開口部11bから外側へ取り出して工具にセットし、この工具で第2、第3クランプ部232、233を開閉操作するが、第2、第3クランプ部232、233に予め楔28aを圧入しておいたメカニカルスプライス部23(図6(a)参照)であれば、壁12からの光ファイバ14の引き出し長に限界があったり、壁12に対するアウトレット10の取り付け位置付近に充分な作業スペースを確保できない場合などであっても、光ファイバ14、22同士の接続作業を容易に行えるといった利点がある。なお、図6(a)中、符号28bは、引き抜き操作用の取っ手である。
【0028】
メカニカルスプライス部23での光ファイバ14、22の接続作業を完了すると、裸光ファイバ14b、22bが突き合わせ状態を保ったまま、メカニカルスプライス部23の第2クランプ部232にクランプ保持されるとともに、光ファイバ14の被覆部14aが、メカニカルスプライス部23の第3クランプ部233にしっかりとクランプ保持されて、メカニカルスプライス部23からの引き抜きが規制されるようになる結果、光ファイバ14、22同士の接続状態が安定に維持される。
なお、光ファイバ14は、メカニカルスプライス部23に挿入する部分が、先端に裸光ファイバ14bが露出された光ファイバ心線であれば良く、壁12内では、例えば光ファイバコードや光ファイバケーブル等として配線されているものであっても良い。
【0029】
光コネクタ付き成端用部品20の光ファイバ22は、光コネクタ21が組み込まれた光コネクタレセプタクル13から、アウトレット10の外装ケース11内側の光ファイバ収容空間17内へ引き出され、この光ファイバ収容空間17内での湾曲によって、該光ファイバ22の光コネクタ21からの延出先端(メカニカルスプライス部23)が、前記光ファイバ用開口部11b付近に到達されている。
【0030】
光ファイバ収容空間17の奥行き寸法L、すなわち、取付面11a側の壁部(裏面壁11d)における光ファイバ収容空間17内面(符号17a)と、前面11c側の壁部(前面壁11e)における光ファイバ収容空間17内面(符号17b)との間の離隔距離は、光ファイバ22の光伝送特性に影響しない許容曲げ半径R(光ファイバ心線の場合、下限値20〜30mm)に、若干のマージンM(内面17aからの離隔距離。数mm程度)を加えた大きさになっている。
前記光ファイバ用開口部11bは、前記外装ケース11の奥行き方向(外装ケース11の前面11c側から見て該前面11c側に対向する裏面(取付面11a)側へ向かう方向。図1左右)に直交する縦方向に、前記コネクタハウジング(光コネクタレセプタクル13)に対する位置をずらして、前記外装ケース11の前記裏面(取付面11a)側に開口されており、光コネクタ21の突き合わせ接続用の接合端面21aの側(先端側)に対向する後端側から延びる光ファイバ22は、光コネクタ21の後端から、許容曲げ半径Rから該許容曲げ半径RにマージンMを加えた大きさ(R+M)までの範囲の曲げ半径を以て湾曲させて、メカニカルスプライス部23側の端部を、光ファイバ収容空間17の裏面側(取付面11a側。裏面壁11d側)の内面17aに当接させるか、あるいは、前記内面17a近傍に到達させるようにして、光ファイバ収容空間17内での引き回しによって前記光ファイバ用開口部11b付近に到達される。
【0031】
このように、光コネクタ21からの延びる光ファイバ22を、許容曲げ半径Rから該許容曲げ半径Rに若干のマージンMを加えた範囲の曲げ半径で湾曲させて、内面17aに当接させるか、あるいは、内面17a近傍となるようにして、光ファイバ収容空間17内に収容する構成であれば、光ファイバ収容空間17の奥行き寸法Lを、光ファイバ22の許容曲げ半径Rと同じか、あるいは、許容曲げ半径RにマージンMを加えた寸法にまで縮小することが可能であり、外装ケース11の小型化を容易に実現できる。
図1に例示したアウトレット10は、光コネクタレセプタクル13が、外装ケース11の前面側に突出した構造になっているが、光ファイバ収容空間17の奥行き寸法Lの縮小によって、例えば、図10に示すように、外装ケース11前面側での光コネクタレセプタクル13の突出が無い構造のアウトレット(符号10A)など、美観等の点でも優れた構造を採用できるようになる。
【0032】
ここで、光コネクタレセプタクル13における光コネクタ21の接合端面21a(端面)における光ファイバ22の光軸は、光ファイバ収容空間17の奥行き方向とほぼ同じであるのに対し、メカニカルスプライス部23における光ファイバ22の光軸(換言すれば、メカニカルスプライス部23の調心溝29による光ファイバ14、22の調心軸線)は、光ファイバ収容空間17の縦方向に沿った方向になっている。光コネクタ付き成端用部品20では、光コネクタ21とメカニカルスプライス部23との間に位置する光ファイバ22の可撓性によって、この光ファイバ22を湾曲させることで、メカニカルスプライス部23の調心軸線の向きを、前記光コネクタ21の端面21aにおける光軸に対して傾斜させることができる。メカニカルスプライス部23の調心軸線の向きは、光ファイバ22の湾曲によって可変であり、前述した縦方向に限定されず、光伝送特性に影響を与えない許容曲げの範囲での光ファイバ22の曲げによって、変更される。また、メカニカルスプライス部23によって光ファイバ22と接続された光ファイバ14の曲げも、光伝送特性に影響を与えない許容曲げの範囲となるようにするため、メカニカルスプライス部23の調心軸線の向きは、この光ファイバ14の曲げにも影響を受ける。すなわち、メカニカルスプライス部23の調心軸線の向きは、該メカニカルスプライス部23によって接続される光ファイバ14、22の曲げが許容曲げの範囲となることを条件に可変である。
【0033】
光ファイバ22は、光ファイバ収容空間17内にて、光コネクタレセプタクル13に組み込まれている光コネクタ21から、光ファイバ収容空間17の裏面側(裏面壁11d側)の内面17aまでの間にて湾曲された部分と、前記光ファイバ収容空間17の裏面側の内面17aに沿って縦方向に配線された部分とが存在する構成であっても良いが、図1に例示したように、光コネクタレセプタクル13に組み込まれている光コネクタ21からメカニカルスプライス部23までの間に延在する光ファイバ22の全長を、許容曲げ半径Rから該許容曲げ半径Rに若干のマージンMを加えた範囲の曲げ半径で湾曲させて、メカニカルスプライス部23を、光ファイバ収容空間17の裏面側(裏面壁11d側)の光ファイバ用開口部11b付近に配置(開口部11b内に配置した構成の他、光ファイバ用開口部11b付近の内面17aに当接、あるいは、内面17a近傍に配置した構成等も含む)した構成とすれば、光ファイバ収容空間17内全体が、光ファイバ22を湾曲収納する空間として有効に利用されることとなり、外装ケース11の小型化の点で有利である。
また、メカニカルスプライス部23は、非常にサイズの小さい部品であるため、光ファイバ収容空間17に確保すべき収容スペースも非常に小さいもので済む点も、外装ケース11の小型化の点で有利である。
【0034】
このアウトレット10の施工方法の一例(第1施工方法)としては、外装ケース11への光コネクタ付き成端用部品20の組み込み、すなわち、光コネクタレセプタクル13への光コネクタ21の組み込み、及び、光ファイバ22の光ファイバ収容空間17内への収容が完了したアウトレット10を用意し、壁12から引き出した光ファイバ14を、メカニカルスプライス部23によって光コネクタ付き成端用部品20の光ファイバ22と接続する。光ファイバ14、22同士の接続完了後、必要に応じて、光ファイバ14の壁12への押し込み作業を行い、アウトレット10を壁12に取り付ける。アウトレット10は、取付面11aを壁12側として壁12に取り付ける。
アウトレット10を壁12に取り付ける際には、アウトレット10と壁12との間に引き出されている光ファイバ14を、壁12に対してアウトレット10接近させるに伴い壁12に押し込むようにするが、このとき、光ファイバ14の剛性等によって、アウトレット10側の光ファイバ22を外装ケース11内に押し込む押し込み力が作用したとしても、光ファイバ22は、光ファイバ収容空間17内に確保されているマージンMの範囲で、曲げ半径が大きくなる方向に湾曲することで前記押し込み力を吸収できるため、光ファイバ22が、許容曲げ半径よりも小さい曲げ半径で曲げられたり、折損するといった不都合を効果的に防止できる。
【0035】
アウトレットの他の施工方法としては、例えば、外装ケース11の前面側から外装ケース11に対する光コネクタレセプタクル13の組み込みが行える構成のアウトレットを採用し、壁12から引き出した光ファイバ14を、外装ケース11の光ファイバ収容空間17に通して、外装ケース11に光コネクタレセプタクル13の組み込み用として形成された孔から、外装ケース11の前面側へ引き出し、外装ケース11前面側にて、光コネクタ付き成端用部品20の光ファイバ22と光ファイバ14との接続(メカニカルスプライス部23での接続)作業を行うものも採用可能である(第2施工方法)。この場合、壁12に対するアウトレットの取り付けは、壁12から引き出した光ファイバ14を、外装ケース11における光コネクタレセプタクル13の組み込み用の孔を介して外装ケース11の前面側へ引き出した後であればいつでも良く、例えば、光ファイバ14、22同士の接続作業、及び、光コネクタ付き成端用部品20の光コネクタ21が組み込まれている光コネクタレセプタクル13の外装ケース14への組み込み作業を完了した後でも良い。また、この組み込み作業の前でも良い。
この第2施工方法の場合、光ファイバ14、22同士の接続完了後に、この光ファイバ14、22を外装ケース11内に押し込んでいくことになる。
【0036】
図11(a)、(b)は、光ファイバ22に補強チューブ30を被せた構造の光コネクタ付き成端用部品(符号20Aを付して説明する)を例示している。前記補強チューブ30は、可撓性を有しかつ前記光ファイバ22に許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保する部材であり、光コネクタ21とメカニカルスプライス部23との間に延在する光ファイバ22の全長を覆うとともに、図7(a)、(b)に仮想線で示すように、その長手方向一端は、前記メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231にも被せられている。
図11(a)では、メカニカルスプライス部23にて光コネクタ付き成端用部品20Aの光ファイバ22と接続されている光ファイバ14に補強チューブを被せていないが、図11(b)は光コネクタ付き成端用部品20Aの光ファイバ22に接続した光ファイバ14(図11(b)では、光ファイバ14はドロップケーブルであり、以下、符号14Aを付して説明する場合がある)にも、補強チューブ31を被せた例を示す。
【0037】
図11(a)、(b)に例示した光コネクタ付き成端用部品20Aを、外装ケース11に組み込む光コネクタ付き成端用部品として採用した場合、補強チューブ30によって、光ファイバ22の曲げ半径が許容曲げ半径よりも小さくなることが確実に防止されるため、例えば、前述の第1施工方法にて、アウトレット10を壁12に取り付ける際に、アウトレット10側の光ファイバ22を外装ケース11内に押し込む押し込み力に対して、光ファイバ22を、光伝送特性に影響するような急激な曲げや、折損等を生じないように保護することができ、補強チューブで被覆されていない光ファイバ22を注意深く取り扱う場合に比べて、アウトレット10の施工作業性を向上できるといった利点がある。第2施工方法でも、この光コネクタ付き成端用部品20Aを適用することで、補強チューブで被覆されていない光ファイバ22を注意深く取り扱う場合に比べて、アウトレット10の施工作業性を向上できることは同様である。
また、第2施工方法では、光コネクタ付き成端用部品20Aを採用した上、図10(b)に例示したように、メカニカルスプライス部23にて光コネクタ付き成端用部品20Aの光ファイバ22と接続した光ファイバ14にも補強チューブ31を被せることで、光ファイバ14についても取り扱いが容易になるため、一層の作業性の向上が可能となる。
【0038】
しかも、光コネクタ付き成端用部品20Aでは、補強チューブ30を、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231を含んで、光ファイバ22に被せているため、特に、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231側の端部付近で、光ファイバ22に急激な曲げが与えられることの防止に有効に寄与する。すなわち、メカニカルスプライス部23を構成する素子25やバネ24は、いずれも、光ファイバ22に比べて曲がりにくい硬質の部材であるため、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231側の端部から延出している光ファイバ22に、メカニカルスプライス部23の調心軸線に対して傾斜する方向の曲げ力が作用したときに、第1クランプ部231付近で光ファイバ22に急激な曲げが与えられる可能性があるが、補強チューブ30を、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231を含んで光ファイバ22に被せた構成であれば、メカニカルスプライス部23の第1クランプ部231側の端部付近の光ファイバ22に許容曲げ半径以上の曲げ半径が確実に確保されるようになるため、アウトレットの施工中に、光ファイバ22に、光伝送特性に影響するような急激な曲げや折損等の不都合が生じることを確実に防止でき、これにより、アウトレットの施工能率を向上できるといった利点がある。
【0039】
図12(a)、(b)は、アウトレット10を壁12に開けた穴12aに押し込むことで、壁12に取り付ける施工例を示す。アウトレット10としては、図1等に例示したように、光ファイバ収容空間17内に全体が収容されるサイズ(特に光ファイバ22の長さ)の光コネクタ付き成端用部品20を採用した構成のものでも良いが、図12に示すアウトレット10の構成は、光コネクタ付き成端用部品20の光ファイバ22の長さが長く、メカニカルスプライス部23は外装ケース11内に収容されず、外装ケース11の外に配置される。図12の構造では、メカニカルスプライス部23で光ファイバ14、22同士を接続した後、光ファイバ14、22を穴12aから壁12の内部空間12bに押し込み、アウトレット10を壁12の穴12aに押し込んで壁12に取り付ける。
図12に示す構造では、アウトレット10を壁12の穴12aに押し込む作業において、光ファイバ22に外装ケース11への押し込み力が作用することが考えられるが、前述したように、アウトレット10内側の光ファイバ収容空間17に確保されたマージンM等によって、光ファイバ22が曲げ半径が大きくなる方向に湾曲することで前記押し込み力を吸収する機能を発揮することで、光ファイバ22が、許容曲げ半径よりも小さい曲げ半径で曲げられたり、折損するといった不都合を効果的に防止できる。
【0040】
図13に示すアウトレット10は、外装ケース11内に組み込む光コネクタ付き成端用部品として、図10(a)に例示した光コネクタ付き成端用部品20Aを採用した構成である。また、図13では、メカニカルスプライス部23にて、光コネクタ付き成端用部品20Aの光ファイバ22に、光ファイバケーブル(図示略)から壁12内に引き込まれているドロップケーブル14Aを接続している。ドロップケーブル14Aには補強チューブ31が被せられている。この補強チューブ31は、メカニカルスプライス部23にて、ドロップケーブル14Aを光コネクタ付き成端用部品20Aの光ファイバ22に接続する前に、ドロップケーブル14Aに予め挿入(外挿)しておき、メカニカルスプライス部23での接続作業の完了後、ドロップケーブル14Aの長手方向に沿ってずらして、メカニカルスプライス部23(メカニカルスプライス部23の少なくとも一部。例えば、第クランプ部233)にも被せるようにする。このように、前記補強チューブ31を、メカニカルスプライス部23の少なくとも一部を含んで光ファイバ14に被せた構成では、
メカニカルスプライス部23の第3クランプ部233側の端部付近にて、光ファイバ14に許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保することに有効に機能する。
図13に例示した構成のように、メカニカルスプライス部23の調心軸線方向両側から延びる光ファイバ14、22に被せてある補強チューブ30、31が、いずれも、メカニカルスプライス部23の一部にも被せられている構成であれば、メカニカルスプライス部23付近にて、光ファイバ14、22を許容曲げ半径よりも小さい曲げ半径の曲げによって傷めてしまうといった不都合を防止できるため、例えば、壁12の内部空間12bへの押し込み作業(この作業は、作業者が内部状態を視認することは困難)等においても、光ファイバ14、22を傷めることなく、円滑に作業を進めることができ、作業能率を向上できる。
【0041】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されず、例えば、外装ケースの具体的形状等は、各種変更が可能であることは言うまでも無い。
外装ケースに設けるコネクタハウジングとしては、光コネクタレセプタクルに限定されず、光コネクタアダプタ等であっても良い。
アウトレットを取り付ける取付対象物としては、建物の壁に限定されず、例えば、建物の柱、光配線盤をはじめとする各種架体等、各種構成の採用が可能である。
前述した実施の形態では、光コネクタ付き成端用部品として、単心用のものを例示したが、本発明はこれに限定されず、多心用に構成することも可能である。この場合、光コネクタ21としては、多心用の光コネクタ、例えば、MT形光コネクタ(JIS C 5981に制定されるF12形光コネクタ等)等を採用する。光ファイバ22としては、例えば多心光ファイバテープ心線等を採用できるが、単心光ファイバを複数本用いた構成とすることも可能である。メカニカルスプライス部23としては、例えば、素子(ベース側素子及び/又は蓋側素子)に並列に形成した複数本の調心溝によって、複数対の光ファイバの接続に対応できるものを採用する。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、アウトレットの小型化、とりわけ、アウトレットの奥行き寸法の縮小を容易に実現できる。また、補強チューブの採用によって光ファイバを急激な曲げ等によって傷めないように保護でき、しかも、光コネクタ付き成端用部品の、特に、メカニカルスプライス部付近にて、光ファイバを急激な曲げによって傷めるといった不都合を確実に防止できるようになることから、取付対象物への光コネクタ用アウトレットの取り付け作業や、取付対象物側側へ光ファイバを押し込む作業等においては、光ファイバを傷めないように慎重に取り扱う場合に比べて、作業性を向上できるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態の光コネクタ用アウトレットの構造の概要を示す断面図である。
【図2】本発明に係る一実施の形態の光コネクタ付き成端用部品を示す図であって、壁から引き出した光ファイバと接続した状態を示す。
【図3】図2の光コネクタ付き成端用部品に適用されるメカニカルスプライス部の一例を示す斜視図である。
【図4】図3のメカニカルスプライス部の構成の概略を示す図であって、(a)は軸線方向一方の端面の側から見た側面図、(b)は正面図である。
【図5】図3のメカニカルスプライス部の素子構造の一例を示す図であって、素子を構成するベース側素子及び蓋側素子について、合わせ面の側から見た状態を示す図である。
【図6】図3のメカニカルスプライス部の素子の開閉を示す図であって、(a)は第3クランプ部を楔で開状態とした図、(b)は第3クランプ部の閉状態を示す図である。
【図7】図3のメカニカルスプライス部を示す縦断面図であって、(a)は壁から引き出した光ファイバの接続前、(b)は接続後を示す。
【図8】図3のメカニカルスプライス部の第2クランプ部を示す断面図である。
【図9】図3のメカニカルスプライス部と、第2、第3クランプ部の開閉用の楔とを示す平面図である。
【図10】本発明に係る光コネクタ用アウトレットの別態様を示す図であって、外装ケース前面側からの光コネクタレセプタクルの突出を解消した構成を示す断面図である。
【図11】本発明に係る光コネクタ付き成端用部品の別態様を示す図であって、メカニカルスプライス部の第1クランプ部を含んで光ファイバに補強チューブを被せた例であり、(a)は正面図、(b)はメカニカルスプライス部にて、光コネクタ付き成端用部品に対して接続した光ファイバにも補強チューブを被せた状態を示す正面図である。
【図12】(a)、(b)は本発明に係る光コネクタ用アウトレットを壁に押し込む施工に適用した例を示す図である。
【図13】本発明に係る光コネクタ用アウトレットを壁に押し込む施工に適用した場合を示す図であって、メカニカルスプライス部にて、光コネクタ付き成端用部品に対して接続したドロップケーブルにも補強チューブを被せた状態を示す図である。
【図14】従来例のアウトレットを示す断面図である。
【符号の説明】
10,10A…光コネクタ用アウトレット、11…外装ケース、11c…前面、12…取付対象物(壁)、13…コネクタハウジング(光コネクタレセプタクル)、14…光ファイバ(光ファイバ心線)、14A…光ファイバ(ドロップケーブル)、17…光ファイバ収容空間、20…光コネクタ付き成端用部品、21…光コネクタ、22…光ファイバ、23…メカニカルスプライス部、30…補強チューブ。

Claims (4)

  1. 光コネクタ(21)と、この光コネクタから延びる光ファイバ(22)と、この光ファイバの前記光コネクタからの延出先端に組み立てられ、該光ファイバに対して別の光ファイバ(14、14A)を接続するメカニカルスプライス部(23)とを有し、
    前記光ファイバの湾曲によって、前記メカニカルスプライス部において接続する光ファイバの光軸の向きを、前記光コネクタの端面における光ファイバの光軸に対して傾斜させることができることを特徴とする光コネクタ付き成端用部品(20)。
  2. 可撓性を有しかつ前記光ファイバに許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保する補強チューブ(30)が、前記メカニカルスプライス部の少なくとも一部を含んで、前記光コネクタと前記メカニカルスプライス部との間に位置する前記光ファイバに被せられていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ付き成端用部品。
  3. 前記請求項1又は2記載の光コネクタ付き成端用部品が組み込まれた外装ケース(11)を有し、この外装ケースの前面(11c)側には光コネクタアダプタ等のコネクタハウジング(13)が設けられ、このコネクタハウジングに前記光コネクタ付き成端用部品の光コネクタが組み込まれており、
    前記外装ケースの内部では、前記外装ケースの前面側から見て該前面側に対向する裏面側へ向かう方向である奥行き方向に直交する縦方向に沿って前記外装ケース内に延在し、かつ、前記コネクタハウジングに対して縦方向の位置をずらして前記外装ケースの前記裏面側に開口された開口部を有する光ファイバ収容空間(17)内に、前記光コネクタ付き成端用部品の光ファイバが、前記光ファイバ収容空間の延在方向に沿って配線されており、
    光コネクタ付き成端用部品の光コネクタは、前記外装ケースの奥行き方向に沿った光軸をもって光ファイバをコネクタ接続可能に成端しており、光コネクタ付き成端用部品の光ファイバは、前記光ファイバ収容空間内にて、前記光コネクタから前記開口部に向けて湾曲されていることを特徴とする光コネクタ用アウトレット(10、10A)。
  4. 前記外装ケースが建物の壁等の取付対象物(12)に取り付けられ、前記取付対象物に配線された光ファイバが、前記光コネクタ付き成端用部品のメカニカルスプライス部によって、前記光コネクタ付き成端用部品の光ファイバに接続されて、前記光コネクタ付き成端用部品の光コネクタによって、コネクタ接続可能に成端されていることを特徴とする請求項3記載の光コネクタ用アウトレット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100691178B1 (ko) * 2005-05-31 2007-03-09 삼성전기주식회사 발광 다이오드 칩이 리드 프레임 후방에 배치된 측면형발광 다이오드
JP2013019928A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバ接続部材、光ファイバ接続方法

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