JP2005043576A - パターン描画装置 - Google Patents
パターン描画装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005043576A JP2005043576A JP2003201922A JP2003201922A JP2005043576A JP 2005043576 A JP2005043576 A JP 2005043576A JP 2003201922 A JP2003201922 A JP 2003201922A JP 2003201922 A JP2003201922 A JP 2003201922A JP 2005043576 A JP2005043576 A JP 2005043576A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scanning direction
- along
- sub
- irradiation
- irradiation position
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Abstract
【課題】ビームの照射位置のずれ測定を簡易な構成で実現し、且つ効率的に位置ずれ調整を行う。
【解決手段】直接回路パターンを形成するパターン描画装置において、プリント基板の代わりに、副走査方向に沿った第1ラインセンサ、主走査方向に沿った第2ラインセンサから構成されるラインセンサ一式を配置した計測板を描画テーブルに設置する。そして、目標ととなる基準位置(x0、y0)に向けてレーザビームを照射させる。照射位置(x、y)と基準位置(x0.y0)との間にずれが生じた場合、位置ずれ調整を行う。
【選択図】 図5
【解決手段】直接回路パターンを形成するパターン描画装置において、プリント基板の代わりに、副走査方向に沿った第1ラインセンサ、主走査方向に沿った第2ラインセンサから構成されるラインセンサ一式を配置した計測板を描画テーブルに設置する。そして、目標ととなる基準位置(x0、y0)に向けてレーザビームを照射させる。照射位置(x、y)と基準位置(x0.y0)との間にずれが生じた場合、位置ずれ調整を行う。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原版となるフォトマスク(レクチル)やプリント基板などの被描画体に対して、回路パターンなどのパターンを形成するパターン描画装置に関し、特に、被描画体へ照射されるビームの位置調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェハ、LCD(Liquid Crystal Display)、PWB(Printed Wiring Board)などフォトマスクの表面にフォトリソグラフィによって回路パターンを形成する描画装置が知られており、あらかじめ作成されたパターンデータに基づき、電子ビームやレーザビームによって露光面が走査される。フォトマスクの表面には感光材料が付着されており、感光剤が光に反応することで回路パターンが形成される。また、フォトマスクを介さずにプリント基板などの被描画体へ直接回路パターンを形成する描画装置(露光装置)も知られている。
【0003】
レーザ描画装置においては、マイクロオーダのレベルで正確に回路パターンを形成する必要がある。すなわち、被描画体に対して意図した場所にビームが正確に照射されなければならない。一方、描画(露光)用光学系として設けられたポリゴンミラーの回転姿勢やf−θレンズの特性、あるいは描画テーブルの位置決め精度などに起因して、被描画体上におけるレーザの照射位置にずれが生じる。そのため、レーザビームの位置を精度よく計測可能な専用CCDカメラ(あるいはCMOSカメラ)により計測し、ずれを補正するパターン描画装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−227988号公報(図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パターン描画装置においては、様々な要因によって照射ビームの位置ずれが生じる。このような位置ずれを効率よく計測して修正するためには、ビームの計測ポイントを増やす必要がある。しかしながら、計測用カメラを増加させることは、描画装置における画像処理部の複雑化を招き、コスト増加をもたらす。また、多くのカメラを制御することが必要になると、描画装置の構成が複雑化する。
【0006】
そこで本発明では、ビームの照射位置のずれ測定を簡易な構成で実現し、且つ効率的に位置ずれ調整を行えるパターン描画装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターン描画装置は、ビームの照射位置のずれを調整可能な描画装置であり、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光用光学系を制御する描画制御部とを備えるとともに、ビームが結像する露光面上に、副走査方向および主走査方向に沿ってそれぞれ平行な第1のラインセンサと第2のラインセンサとを有する一式のラインセンサを配置した計測用部材が設けられている。計測部材としては、被描画体の代わりに描画用テーブルに設置されるか、あるいは描画テーブルそのものが計測部材として設置される。また、ここでのラインセンサは、ビームを検出する1次元のフォトセンサを表す。そして、第1のラインセンサ上に設定された第1の基準位置と、第2のラインセンサ上に設置された第2の基準位置とに向けてビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、第1の基準位置および第2の基準位置へ向けたビーム照射に従って、それぞれ副走査方向に沿った第1のビーム照射位置および主走査方向に沿った第2のビーム照射位置を測定する測定手段と、第1および第2のビーム照射位置が、それぞれ第1および第2の基準位置と実質的に一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、第1および第2のビーム照射位置のうち少なくとも1つが対応する基準位置とずれている場合、対応する基準位置と一致するように、ずれたビーム照射位置を調整するビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
被描画体の代わりにテーブルに載せるだけでよいため、従来の描画装置にカメラなど特殊な構成部材を設けることなく位置ずれ調整を効率的に行うことができる。また、ラインセンサを適用しているため、多くの観測ポイントを設置することができる。また、描画テーブルにラインセンサを埋め込んだ場合も、カメラなどに比べると省スペースであり、コストもかからない。
【0009】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面となる露光面上に副走査方向および主走査方向に沿ってそれぞれ平行な第1のラインセンサと第2のラインセンサとを有する一式のラインセンサを配置した計測用部材を設置し、第1のラインセンサ上に設定された第1の基準位置と、第2のラインセンサ上に設置された第2の基準位置とに向けてビームを照射させ、第1の基準位置および第2の基準位置へ向けたビーム照射に従って、それぞれ副走査方向に沿った第1のビーム照射位置および主走査方向に沿った第2のビーム照射位置を測定し、第1および第2のビーム照射位置が、それぞれ第1および第2の基準位置と実質的に一致するか否かを判断し、少なくとも第1および第2のビーム照射位置のうち1つが対応する基準位置とずれている場合、対応する基準位置と一致するように、ずれたビーム照射位置を調整することを特徴とする。
【0010】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材と、計測用部材を停止させた状態で、ポリゴンミラーの各面に応じてビームをラインセンサに向けて順次照射させる測定用ビーム照射手段と、順次照射するビームの副走査方向に沿った照射位置を測定する測定手段と、順次照射するビームの照射位置がそれぞれ基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置が基準位置とずれている場合、チルティングミラーを制御することにより照射位置を基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面となる露光面上に副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材を設置し、計測用部材を停止させた状態で、ポリゴンミラーの各面に応じてビームをラインセンサに向けて順次照射させ、順次照射するビームの副走査方向に沿った照射位置を測定し、順次照射するビームの照射位置がそれぞれ基準位置と一致するか否かを判断し、照射位置が基準位置とずれている場合、ポリゴンミラーに対するビームの入射角度を変更可能なチルティングミラーを制御することにより照射位置を基準位置と一致させることを特徴とする。
【0012】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ビームを複数のビームに分割するビームスプリッタと、複数のビームを主走査方向に対して傾斜させるイメージローテータとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材と、複数のビームのうち2本のビームをラインセンサに向けて照射する測定用ビーム照射手段と、副走査方向に沿った2本のビームの照射位置を測定する測定手段と、2本のビームの照射位置ピッチが基準ピッチと一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置ピッチが基準ピッチと一致しない場合、照射位置ピッチを基準ピッチと一致させるように、イメージローテータを制御するビーム位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材を設置し、複数に分割されるとともに主走査方向に対し傾斜しながら照射するビームの中で、2本のビームをラインセンサに向けて照射させ、副走査方向に沿った2本のビームの照射位置を測定し、2本のビームの照射位置ピッチが基準ピッチと一致するか否かを判断し、照射位置ピッチが基準ピッチと一致しない場合、照射位置ピッチを基準ピッチと一致させるように、主走査方向に対する傾斜角度を変更可能なイメージローテータを制御することを特徴とする。
【0014】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、f−θレンズと、ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、それぞれ副走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが所定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、ビーム照射による複数の照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置が基準位置と一致しない場合、チルティングミラーを制御して基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上にそれぞれ副走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが所定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けてビームを照射させ、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、ビーム照射による複数の照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断し、照射位置が基準位置と一致しない場合、ビームの照射位置を副走査方向に沿って変更可能なチルティングミラーを制御して基準位置と一致させることを特徴とする。
【0016】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に平行な2つのラインセンサを両端に配置した計測用部材と、2つのラインセンサ上にそれぞれ設定された2つの基準位置に向けてビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、2つのラインセンサ上の副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、2つの照射位置を結ぶラインが主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行であるか否かを判別する位置ずれ判別手段と、主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行でない場合、チルティングミラーにより主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行にするビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に副走査方向に平行な2つのラインセンサを両端に配置した計測用部材を設置し、2つのラインセンサ上にそれぞれ設定された2つの基準位置に向けてビームを照射させ、2つのラインセンサ上の副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、2つの照射位置を結ぶラインが主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行であるか否かを判別し、主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行でない場合、チルティングミラーにより主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行にすることを特徴とする。
【0018】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、一連の描画データに基づいて光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、それぞれ主走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが一定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを間欠的に照射させる測定用ビーム照射手段と、主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、主走査方向に沿って隣接する照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置の間隔が基準間隔と一致しない場合、一連の描画データの中で対応するデータ群のパルス幅を調整することによって基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上にそれぞれ主走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが一定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを間欠的に照射させ、主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定し、主走査方向に沿って隣接する照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断し、照射位置の間隔が基準間隔と一致しない場合、一連の描画データの中で対応するデータ群のパルス幅を調整することによって基準位置と一致させることを特徴とする。
【0020】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、主走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って所定間隔をおいて配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させる測定用ビーム照射手段と、複数のラインセンサ上における主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、複数のビームの照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置と基準位置とが一致しない場合、描画開始タイミングを調整することによって基準位置に一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に主走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って所定間隔をおいて配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させ、複数のラインセンサ上における主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、複数のビームの照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断し、照射位置と基準位置とが一致しない場合、描画開始タイミングを調整することによって基準位置に一致させることを特徴とする。
【0022】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って一定間隔をおいて配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させる測定用ビーム照射手段と、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、副走査方向に沿って隣接するビームの照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置の間隔と基準間隔とが一致しない場合、チルティングミラーを制御することによって基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に副走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って一定間隔をおいて配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させ、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、副走査方向に沿って隣接するビームの照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断し、照射位置の間隔と基準間隔とが一致しない場合、ビームの照射位置を副走査方向に沿って変更可能なチルティングミラーを制御することによって基準位置と一致させることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を用いて本発明の実施形態であるパターン描画装置について説明する。
【0025】
図1は、第1の実施形態であるパターン描画装置の概略的斜視図である。図2は、16本のレーザビームによる16個のスポットの配列状態を示した図である。本実施形態のパターン描画装置は、レーザビームによってプリント基板上に回路パターンを直接形成する。
【0026】
レーザ描画装置は、基台10、レーザ発振器24、固定テーブル28とを備える。基台10上には描画テーブル18が配置されており、固定テーブル28には、レーザ発振器24からのレーザビームを描画テーブル18へ導く様々な描画用(露光用)光学系が設置されている。固定テーブル28は、支持部材(図示せず)を介して基台10に取り付けられており、アルゴンレーザを備えたレーザ発振器24は固定テーブル28の傍に設置されている。
【0027】
基台10の上面には一対の平行なレール12が設置されており、Xテーブル14がレール12上に搭載されている。Xテーブル14は、サーボモータなどの駆動機構(ここでは図示せず)により、レール12の方向に沿って移動可能である。Xテーブル14上には回転テーブル16が搭載されており、描画テーブル18は微調整駆動機構20を介して回転テーブル16上に搭載されている。微調整駆動機構20を調整することにより、描画テーブル18はXテーブル14の移動方向に対して所定の角度まで回転可能である。Xテーブル14が移動することにより、描画テーブル18は回転テーブル16とともに一対のレール12の方向に沿って移動する。描画テーブル18上には、フォトレジスト層を形成したプリント基板22が必要に応じて設置され、クランプ部材(図示せず)によって描画テーブル18上に保持される。なお、以下では、Xテーブル14の移動方向と垂直な主走査方向をY方向、Xテーブル14の移動方向と平行な副走査方向をX方向と規定する。
【0028】
レーザ発振器24から発振されたレーザビームLBは、ビームベンダ26によって上方へ偏向させられる。そして、偏向されたレーザビームLBは、ビームベンダ30を介してビームスプリッタ32へ導かれる。ビームスプリッタ32は、レーザビームLBを2つのレーザビームLB1,LB2に分割する光学素子であり、レーザビームLB1は、ビームベンダ34、36によってビームセパレータ38へ導かれる一方、レーザビームLB2は、ビームベンダ40、42、44によってビームセパレータ46へ導かれる。
【0029】
ビームセパレータ38は、レーザビームLB1を8本の平行なレーザビームに分割する光学素子であり、分割されたレーザビームは、ビームベンダ48、50によって光変調ユニット52へ導かれる。同様に、ビームセパレータ46はレーザビームLB2を8本の平行ビームに分割し、分割されたレーザビームは、ビームベンダ54、56によって光変調ユニット58へ導かれる。
【0030】
光変調ユニット52、58には、それぞれ8つの音響光学変調器(AOM、ここでは図示せず)が設けられており、各音響光学変調器には8本のレーザビームのうち対応するビームが割り当てられる。光変調ユニット52を経由した8本のレーザビームは光合成器60に入射するとともに、光変調ユニット58を経由した8本のレーザビームもビームベンダ62によって光合成器60へ導かれる。光合成器60は偏向ビームスプリッタとして構成されており、光変調デバイス52、58を経由したそれぞれ8本のレーザビームは、16本のレーザビームに纏められる。16本のレーザビームは、ビームベンダ64、66、68によってポリゴンミラー70へ導かれる。
【0031】
ポリゴンミラー70は多角柱状に形成されており、16本のレーザビームは多面体を形成する反射面によって順次偏向され、f−θレンズ72へ導かれる。このとき、ポリゴンミラー70は、16本のレーザビームを主走査方向(Y方向)に沿うように偏向する。走査速度を一定にするf−θレンズ72を経由した16本のレーザビームは、ターニングミラー74、コンデンサレンズ76を介して描画テーブル18へ導かれる。その結果、16本のレーザビームがプリント基板上を照射する。なお、固定テーブル28に設置されている露光用光学系は、16本のレーザビームがプリント基板22上で結像するように形成、設置されており、プリント基板22上の表面22Sが焦点位置に相当する。
【0032】
光変調ユニット52、58内の各音響光学変調器は、所定のラスタデータに従ってON/OFF状態に切り替えられる。その結果、ポリゴンミラー70に従って16本のレーザビームが主走査方向(Y方向)に沿って走査する間に各音響光学変調器が所定のタイミングでON/OFF切換される。これにより、プリント基板22上に所定の回路パターンが主走査方向(Y方向)に沿って形成される。
【0033】
Xテーブル14は一定速度で副走査方向(X方向)に沿って移動しており、16本のレーザビームは、Xテーブル14の移動に合わせて主走査方向(Y方向)を順次走査する。このような露光動作を繰り返すことにより、回路パターンがプリント基板22全体に形成される。なお、描画テーブル18を一定速度で副走査方向(X方向)に移動させながら1本のレーザビームを主走査方向(Y方向)に沿って走査させた場合に走査光がX軸に対して直角になるように、露光用光学系は構成されている。したがって、描画テーブル18を停止させた状態でレーザビームを主走査方向(Y方向)に走査させた場合、レーザビームの軌跡は主走査方向(Y方向)に対して一定の角度βをもつ。
【0034】
ビームベンダ36、44は、16本のレーザビームそれぞれについてポリゴンミラー70に対する入射角度を変更させることが可能な光学ミラーである(以下では、チルティングミラーという)。チルティングミラー36、44は、ピエゾ素子(図示せず)によって支持されており、ピエゾ素子の駆動によって姿勢が変化する。この姿勢変化により、ポリゴンミラー70に対するレーザビームの入射角度が変化し、ビームスポットの位置が副走査方向(X方向)に沿って変動する。
【0035】
ビームベンダ68は、16本のレーザビームを主走査方向(Y方向)に対して所定角度だけ偏向させるためのミラーであり(以下では、イメージローテータという)、図2に示すように、16本のレーザビーム(以下では、符号LB1〜LB16で表す)は、主走査方向(Y方向)に対して所定角度だけ回転傾斜した状態で露光面22Sを照射する。ここでは、レーザビームLB1〜LB16によるスポットを、符号“SB1〜SB16”で表す。
【0036】
光変調ユニット52、58内のすべての音響光学変調器がON状態の場合、ポリゴンミラー70の回転に従い、一列状に傾斜して並んだ16本のレーザビームのスポットSB1〜SB16は、その角度で傾斜したまま全体的に主走査方向(Y方向)へ移動していく(破線の矢印参照)。各音響光学変調素子のON/OFF状態を切り替えるタイミングをそれぞれ別々に制御することにより、所定の回路パターンが主走査方向(Y方向)に沿って形成されていく。
【0037】
図3は、ビーム照射位置の位置ずれ調整用の計測板を示した図である。
【0038】
計測板21は、プリント基板22と同等のサイズを有するプレートであり、それぞれラインセンサ23A、23Bから構成される複数のラインセンサ一式23がスポット計測板21の表面21Sに設置されている。ラインセンサ23A,23Bは、それぞれ1次元CCD(あるいはMOS)ラインセンサとして構成されており、副走査方向(X方向)に沿って平行なラインセンサ23A(以下では、第1のラインセンサという)と、主走査方向(Y方向)に沿って平行なラインセンサ23B(以下では、第2のラインセンサという)は、互いに直交するように配置されている。また、複数のラインセンサ一式23は、主走査方向(Y方向)、副走査方向(X方向)に沿って所定間隔をおいて規則的に配列されており、第1ラインセンサ23A、第2ラインセンサ23Bも、それぞれ主走査方向(Y方向)、副走査方向(X方向)に沿って等間隔で並んでいる。ここでは、ラインセンサ一式は、主走査方向(Y方向)に沿ってn個、副走査方向(X方向)に沿ってm個配置されている。なお、プリント基板22と同サイズの計測板を適用する代わりに、あらかじめ結像面となる描画テーブルにラインセンサを組み込む構成にしてもよい。
【0039】
後述するビームの照射位置の位置ずれ調整を行う場合、プリント基板22の代わりに計測板21が描画テーブル18上に設置され、レーザビームを計測板21上に照射させる。複数のラインセンサ23一式各々は、第1のラインセンサ23A,第2のラインセンサ23Bの受光面が計測板21の表面21Sと一致するように、計測板21の表面21Sに埋設されている。したがって、結像したレーザビームが計測板21の表面21Sに照射する。計測板21内部には、ラインセンサ一式23それぞれから読み出される画素信号を外部へ出力するための回路(図示せず)が設けられており、接続ケーブル(図示せず)を介して画素信号が出力される。
【0040】
図4は、パターン描画装置の概略的なブロック図である。
【0041】
本体制御部80はレーザ描画装置全体を制御する装置であり、基台10の傍に設置されている。本体制御部80には描画制御部83が設けられており、AOM駆動部85、ポリゴンミラー駆動部87、テーブル駆動機構89、チルティングミラー駆動部91、イメージローテータ駆動部93へ制御信号を送る。ポリゴンミラー駆動部87はポリゴンミラー70を一定速度で回転させ、テーブル駆動機構89はXテーブル14を一定速度で副走査方向(X方向)に沿って移動させる。ポリゴンミラー70が一回転するごとに回転基準となる位置に応じた回転基準信号がポリゴンミラー駆動部87において検出され、本体制御部80へ送られる。本体制御部80では、送られてきた信号に基づいてタイミング信号が生成される。そして、Xテーブル14の移動とポリゴンミラー70の回転とを同期させるように、タイミング信号に従って制御信号がテーブル駆動機構89へ送られる。
【0042】
回路パターンに応じたラスタデータが本体制御部80から描画制御部83へ送られると、描画制御部83は、送られてきたラスタデータに基づき、タイミング信号に同期させながらAOM駆動部85へ制御信号を送る。上述したように、光変調ユニット52、58にはそれぞれ音響光学変調器52A〜52H、58A〜58Hが設けられており、それぞれ独立してON/OFF制御される。AOM駆動部85は、制御信号に基づいて音響光学変調器52A〜52H、58A〜58H各々に対して駆動信号を送信する。
【0043】
レーザビームを計測板21のラインセンサ一式23上に照射させると、画素信号が画素信号処理部84へ送られる。画素信号処理部84では、送られてくる画素信号に基づいてレーザビームの照射位置が検出され、測定された位置データが本体制御部80へ送られる。チルティングミラー36、44の姿勢を変動させるチルティングミラー駆動部91は、測定データに基づき、描画制御部83から送られてくる制御信号に従ってチルティングミラー36、44の姿勢を変化させる。イメージローテータ68の姿勢を変動させるイメージローテータ駆動部93も、描画制御部83から送られてくる制御信号に従ってイメージローテータ68の姿勢を変化させる。
【0044】
図5は、レーザビームの位置ずれ検出処理を示したフローチャートである。図6は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0045】
パターン描画装置の使用中、様々な要因によりレーザビームの光軸ずれが生じる。その結果、レーザビームを一点に照射させた場合、本来照射されるべき場所から外れた位置にレーザビームが照射される。そこで、実際の描画開始前に、計測板21を使用してレーザビームの照射位置を測定し、以下に示す位置ずれ検出処理を行う。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0046】
ステップS101では、計測板21を所定位置まで移動させるため、Xテーブル14がテーブル駆動機構89により駆動される。そして、ステップS102では、特定の1本のレーザビームLBiが計測板21の左上隅にあるラインセンサ一式23の目標照射位置に向けて照射する。
【0047】
本実施形態では、計測板21上の左隅のラインセンサ一式23がレーザビームの位置ずれ調整用に利用され、第1ラインセンサ23A、第2ラインセンサ23Bには、ビーム照射において照射目標である基準位置x0、y0が規定されている。
【0048】
第1ラインセンサ23Aには複数の画素が列状に配置されているが、ここでは、第1ラインセンサ23Aにある複数の画素のうち、特定の画素の位置を照射目標である基準位置x0に対応させている。第2ラインセンサ23Bについても同様に、第2のラインセンサ23Bにある複数の画素のうち、特定の画素の位置を、照射目標である基準位置y0に対応させている。なお、ステップS101では、左隅にあるラインセンサ一式23に応じた走査ラインに沿って描画を開始する位置と基準位置x0とが一致するように、Xテーブル14が制御される。ステップS101,102が実行されると、ステップS103へ進み、第1ラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づいて、レーザビームLBiの副走査方向(X方向)に沿った照射位置xが測定される。
【0049】
レーザビームLBiが第1ラインセンサ23Aの基準位置x0に向けて照射すると、第2のラインセンサ23Bに平行なスポットSBiが第1のラインセンサ23A上に生じる。そして、スポットSBiの収まる画素から、ビーム照射による画素信号が読み出される。スポットSBiは副走査方向(X方向)に沿って幅WXがあるため、スポットSBiの幅の中間地点にある画素の位置をレーザビームLBiの照射位置“x”と規定する。例えば、第1のラインセンサ23A上に20個の画素PX1〜PX20が配置されている状態で画素PX10〜PX12がレーザビームにより照射された場合、照射されている画素の中間地点にある画素PX11の位置が照射位置xとみなされる。測定されたビームの照射位置xは、メモリ81へ記憶される。
【0050】
ステップS104では、基準位置y0と描画開始位置が一致するように、Xテーブル14が所定量だけ副走査方向(X方向)に沿って移動する。ステップS105では、レーザビームLBiを第2ラインセンサ23Bにある基準位置y0に向けて照射させる。そして、ステップ106では、第2ラインセンサ23Bから読み出される画素信号に基づいて、主走査方向(Y方向)に沿ったビーム照射位置yが測定される。第2ラインセンサ23B上のスポットSBiは主走査方向(Y方向)に沿って幅WYがあるため、照射されている複数の画素のうち中間地点にある画素の位置が照射位置yとみなされる。そして、ステップS106では、測定されたビーム照射位置yがメモリ81に格納される。ステップS107が実行されると、ステップS108へ進む。
【0051】
ステップS107では、第1および第2ラインセンサ23A,23Bにおいて測定されたビーム照射位置(x、y)と照射基準位置(x0、y0)との差(Δx、Δy)が求められる。そして、ステップS108では、差(Δx、Δy)に基づき、補正値AX、BYが算出される。補正値AXは、Xテーブル14の副走査方向(X方向)に沿ったパターン描画開始位置を補正するための値であり、Δxの値に応じて算出される。補正値BYは、パターン描画開始タイミングを補正するための値であり、Δyの値に応じて算出される。そして、ステップS109では、補正地AX、BYがメモリ81に格納される。
【0052】
このように位置ずれ検出処理によって求められた補正値AX、BYは、実際の描画時にメモリ81から読み出され、位置ずれが解消されるようにテーブル駆動機構89、AOM駆動部85へ制御信号が出力される。副走査方向(X方向)に関しては、Xテーブル14のパターン描画開始位置が微調整される。一方、主走査方向(Y方向)に関しては、パターン描画開始のタイミングが本体制御部83内において調整される。すなわち、露光時における1ライン分のパターン描画開始タイミングをずれ量に応じて遅く、あるいは早く設定する。
【0053】
次に、図7〜9を用いて第2の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第2の実施形態では、ポリゴンミラーに起因する位置ずれの検出、調整が行われる。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0054】
図7は、プリント基板上に走査されたレーザビームを示した図であり、図8は、ポリゴンミラーに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図9は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0055】
ポリゴンミラー70は複数のミラーによって正8角柱状に形成されてあり、一定速度で中心軸周りに回転する。そして、レーザビームが1つの面に反射している間、プリント基板22に対して主走査方向(Y方向)に沿った1走査ライン分の描画(露光)が実行される。すなわち、16ライン分のパターンは、ある特定の1つの面で反射されるレーザビームによって形成される。
【0056】
ポリゴンミラー70の反射面がすべて互いに回転軸に対して平行となるように形成されている場合、パターン形成時には一定速度で描画テーブル18が移動することから、レーザビームの走査ラインの副走査方向(X方向)に沿ったピッチは、一定となる。しかしながら、実際には、ポリゴンミラーのそれぞれの反射面は回転軸に対して厳密に平行とはならず、いわゆる“面倒れ”が生じている。この場合、走査ラインのピッチにずれが生じる。図7では、走査ラインBL1とBL2とのピッチPDに対し、走査ラインBL2とBL3とのピッチP’DはΔεだけずれている。そのため、以下に示す位置ずれ検出、調整が実行される。
【0057】
図8のステップS201では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、描画テーブル18が停止した状態でポリゴンミラー70の1つの面(以下、第1面という)に対して16本のうち第1番目のレーザビームLB1が照射される。このとき、1つのラインセンサ一式23の第1ラインセンサ23A上にレーザビームLB1が照射されるように光変調ユニット52、58が制御され、図9に示すようにビームスポットSB1が生じる。尚、ポリゴンミラー70の第1面を特定する方法としては、反射面以外の、例えばポリゴンミラー70の上面にマークを付し、反射型のフォトインタラプタ等でマーク検出し、露光領域外に配置されたセンサで走査されるレーザビームを検出し、検出される信号をポリゴンミラー70の面数で分周することにより検出してもよい。
【0058】
ステップS202では、第1のラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づき、ビームスポットSB1の副走査方向(X方向)に沿った位置x1が計測される。ここでの照射位置x1は、第1実施形態と同様、第1ラインセンサ23A内の画素位置によって計測される。そして、ステップS203では、計測されたスポットSB1の位置x1がメモリ81に格納される。ステップS203が実行されると、ステップS204へ進む。
【0059】
ステップS204では、描画テーブル18が停止した状態で、計測の終了したポリゴンミラー面に隣接する面(以下では、第N面という)に1本のレーザビームLB1を照射させるように、光変調ユニット52、58が制御される。描画テーブル18が停止していることから、第1ラインセンサ23A上にスポットSB1が生じる。そして、ステップS205、S206では、第N面に応じたスポットSB1の副走査方向(X方向)に沿った位置xnが計測され、メモリ81に格納される。ここでは、ポリゴンミラー70が一回転する度に基準信号が発生されるとともに、1回のスキャンごとに面(スキャン)信号が発生する。すなわち、N面のポリゴンミラー70の場合、一回転でN個の面信号が発生している。そして、基準信号の位置から次の面を第一面と特定し、ポリゴンミラー70を回転させながら所定の面のみでビームがONするように光変調ユニット52、58を制御することにより、各面の測定が行われる。
【0060】
ステップS207では、ステップS202で測定されたレーザビームLB1の第1面の照射位置x1を基準照射位置として定め、この照射位置x1とレーザビームLB1の第N面の照射位置xnとの差Δxnが算出される。
【0061】
ポリゴンミラー70に面倒れが生じていない場合、Xテーブル14を停止させた状態でポリゴンミラー70の反射面を第1面から第N面まで順次切換ながらレーザビームLB1を照射させると、第1面から第N面に対応するビームスポットSB1の位置はすべて一致する。すなわち、ビーム照射位置x1とxnとが一致する。しかしながら、面倒れが生じている場合、ビーム照射位置x1とビーム照射位置x2、・・xnとの間にずれが生じる。
【0062】
ステップS208では、照射位置x1とレーザビームLB1の第N面の照射位置xnとの差Δxnに基づき、補正値Δlnが算出される。補正値Δlnは、チルティングミラー36、44の補正量であり、以下の式によって算出される。ただし、kは所定の値をもつ係数である。
Δln=k×Δxn ・・・(1)
ステップS209では、補正値Δlnがメモリ81に格納される。そして、ステップS210では、ポリゴンミラー70のすべての反射面に対してレーザビームの照射、照射位置測定が行われたか否かが判断される。すべての面に対してレーザビームの照射、照射位置測定が行われていないと判断された場合、ステップS204へ戻る。一方、すべての面に対してレーザビームの照射、照射位置測定が行われていると判断された場合、この処理ルーチンは終了する。
【0063】
各面に対する補正値Δlnは、実際の描画動作においてメモリ81から読み出される。そして、補正値Δlnに基づき、照射位置の差Δxnを解消するように、チルティングミラー36、44の姿勢が調整される。
【0064】
次に、図10〜12を用いて、第3の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第3の実施形態では、複数のビームに分割して主走査方向に対し斜めに傾斜させたビーム走査を実行する際に生じる位置ずれの検出、調整が行われる。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0065】
図10は、プリント基板22を走査するレーザビームを示した図であり、図11は、イメージローテータに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図12は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0066】
上述したように、16本のレーザビームLB1〜LB16は、主走査方向(Y方向)に対して所定角度傾いた状態でプリント基板22を走査し、16本のビーム各々は、所定のピッチBP0で隣接するビームと重なりながら主走査方向(Y方向)に沿ってプリント基板22を走査する。図10では、任意の隣接する2つのレーザビームLBi、LBi+1のスポットSBi,SBi+1が示されており、傾斜角度をここではαと規定する。
【0067】
しかしながら、レーザビームの傾斜角度があらかじめ規定された角度αとずれている場合、スポットSBi,SBi+1間のピッチBP0が変化してしまう。そのため、以下に示すピッチずれ補正処理が実行される。
【0068】
ステップS301では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1のみが左隅にあるラインセンサ一式23の第1ラインセンサ23A23を照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。ステップS302では、レーザビームLB1の照射により生じるスポットSB1によって第1ラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づき、レーザビームLB1の副走査方向(X方向)に沿った照射位置x1が計測される。そして、ステップS303では、計測されたビームの照射位置x1がメモリ81に格納される。
【0069】
ステップS304では、Xテーブル18が停止したままの状態で、2番目のレーザビームLB2のみが照射するように光変調素子52、58が制御される。そして、ステップS305、S306では、レーザビームLB2の照射によるスポットSB2に基づき、ビームの照射位置x2が計測され(図12参照)、計測された照射位置x2がメモリ81に格納される。なお、精度を向上させるため、16番目のレーザビームLB16を用いてもよい。
【0070】
ステップS307では、計測されたビームの照射位置x2、x1に基づいて、隣接するスポットSB1、SB2のピッチBP(=x2−x1)と、基準となるビームの傾斜角度αに応じた基準ピッチBP0との差ΔPが求められる。そして、ステップS308では、差ΔPに基づいて補正値ΔLが算出される。補正値ΔLは、イメージローテータ68の姿勢を補正するための補正量であり、以下の式によって求められる。ただし、k’は所定の値をもつ係数である。
ΔL=k’×ΔP ・・・・(2)
ステップS309では、算出された補正値ΔLがメモリ81に格納される。
【0071】
実際に描画動作が実行されると、補正値ΔLがメモリ81から読み出され、ピッチBPが計測ピッチBP0と実質的に一致するように、イメージローテータ68の姿勢が調整される。
【0072】
図13〜図15を用いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、f−θレンズの特性に起因する位置ずれの検出、調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0073】
図13は、1本のビームの走査ラインを示した図であり、図14は、f−θレンズに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図15は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0074】
ポリゴンミラー70、f−θレンズ72を含む露光用光学系は、プリント基板22上に1本のレーザビームLBnを走査させた場合に主走査方向(Y方向)に沿って直線SLの軌跡が生じるように構成されている。しかしながら、f−θレンズ72の特性により、実際にはレーザビームLBnの走査軌跡LLnは、直線ではなく曲線となる(図13参照)。そのため、以下に示す位置ずれ補正処理が実行される。
【0075】
ステップS401では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1のみが計測板21を照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。このときレーザビームLB1は、主走査方向(Y方向)に沿って所定間隔毎に配置された複数のラインセンサ一式23の中で各第1ラインセンサ23A上に設定された基準位置x0i(1≦i≦n)に向けて連続的に照射される。ただしiは、複数のラインセンサ一式23の主走査方向(Y方向)に沿った番号を示す。また、上述したように、描画テーブル18を停止させてレーザビームLB1を走査させた場合、走査光は主走査方向(Y方向)に対して角度βをもつため、基準位置x0iを結ぶことにより形成される直線が角度βを持つように、基準位置x0iが選定されている。
【0076】
ステップS402では、各第1ラインセンサ23A上に照射したレーザビームLB1のスポットに従って画素信号が読み出され、ビームの照射位置xiがそれぞれ測定される(図15参照)。ステップS403では、計測された照射位置xiがメモリ81に格納される。
【0077】
ステップS404では、測定されたビームの照射位置xiと対応する基準照射位置x0iとの差Δxiが、第1ラインセンサ23Aそれぞれについて算出される。そして、ステップS405では、差Δxiに基づき、1ライン当たりの補正値ΔAi(i=1、2、・・・n)が算出される。補正値ΔAiは、チルティングミラー36、44の姿勢を補正するための補正量であり、以下の式で求められる。ただし、k”は、所定の値をもつ係数である。
ΔAi=k”×Δxi ・・・(3)
ステップS406では、求められた補正値ΔAiがメモリ81に格納される。
【0078】
実際に描画動作が実行開始されると、補正値ΔAiがメモリ81から読み出される。そして、基準位置x0iと一致させるため、副走査方向(X方向)に沿ってビームの照射位置を変更するチルティングミラー36、44が各補正値ΔAi(i=1、2、・・・n)に基づいて制御される。すなわち、1ライン分のビーム走査の間、レーザビームが各ラインセンサを通過するタイミングを見計らい、対応する補正値ΔAiに基づいてチルティングミラー36、44が所定のタイミングで駆動される。
【0079】
次に、図16〜図18を用いて、第5の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第5の実施形態では、露光用光学系の光軸誤差に起因する位置ずれの調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態、第4の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0080】
図16は、1本のビームの走査ラインを示した図であり、図17は、光軸ずれに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図18は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0081】
第4実施形態に示すような位置ずれが生じない場合、描画テーブル18を一定速度で副走査方向(X方向)に沿って移動させながらレーザビームLBnを走査させればレーザビームの軌跡LLnは主走査方向(Y方向)に平行、すなわち副走査方向(X方向)に対し垂直になるように、露光用光学系は構成されている。しかしながら、実際には露光用光学系の光軸誤差により、レーザビームの軌跡LLnは主走査方向(Y方向)に対して微小角度β’だけ傾斜してしまう(図16参照)。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正処理が施される。
【0082】
ステップS501では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1のみが計測板21を照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。このとき、レーザビームLB1は計測板21を1ライン分照射するととともに、主走査方向(Y方向)に沿って両端に配置された2つのラインセンサ一式23の中で第1ラインセンサ23A上に設定された所定の基準位置x01、x0nに向けてレーザビームLB1を照射させる(図18参照)。なお、上述したように、描画テーブル18は停止した状態でレーザビームLB1を走査させるとその軌跡は主走査方向(Y方向)に対して角度βをもつことから、基準位置x01、x0nを結ぶ直線がLBが角度βをもつように、基準位置x01、x0nが選定されている。
【0083】
ステップS502では、各第1ラインセンサ23A上に照射したレーザビームLB1のスポットに従って画素信号が読み出され、ビームの照射位置x1、xnが測定される。そしてステップS503では、測定された照射位置x1、xnがメモリ81に格納される。
【0084】
ステップS504では、ビームの照射位置x1、xnと所定の基準位置x01、x0nとの差Δx1、Δxnがそれぞれ算出される。そして、ステップS505では、補正値ΔBが算出される。補正値ΔBはチルティングミラー36、44の補正量であり、以下の式により求められる。ただし、k”’は、所定の値をもつ係数である。
ΔB=k”’×(Δx1−Δxn) ・・・・(4)
ステップS506では、補正値ΔBがメモリ81に格納される。
【0085】
実際に描画動作が開始されると、補正値ΔBがメモリ81から読み出される。そして、補正値ビーム軌跡LLnが主走査方向(Y方向)に平行となるように、チルティングミラー36、44が補正値ΔBに応じて駆動される。
【0086】
次に、図19〜22を用いて、第6の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第6の実施形態では、露光用光学系の光軸誤差に起因するビーム照射の位置ずれに対する調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0087】
図19は、主走査方向(Y方向)に沿ったビームスポットを示した図であり、図20は、光軸誤差に起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。また、図21は、レーザビームが照射された複数のラインセンサ一式23を示した図であり、図22は、描画データを示した図である。
【0088】
露光用光学系は、1本のレーザビームLBiを一定間隔ごとに主走査方向(Y方向)に沿ってプリント基板22へ照射させた場合にはプリント基板22上にビームスポットが一定間隔で並ぶように、構成されている。しかしながら、露光用光学系の光軸誤差により、隣接するスポット間のピッチが一致しない場合が生じる。すなわち、スポット間隔YPとなるようにレーザビームLBiをプロットさせても、スポット間隔YP’でビーム照射が行われる(図19参照)。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正が実行される。
【0089】
ステップS601では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル18が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1が主走査方向(Y方向)に沿って計測板21の上端に並ぶ複数の第2ラインセンサ23Bそれぞれを順次照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。このとき、各ラインセンサ一式の第2ラインセンサ23Bにはあらかじめ基準照射位置y0iが定められており、各基準照射位置y0iに向けてレーザビームLB1を照射させる(図21参照)。なお、上述したように、描画テーブル18を停止させた状態でレーザビームLBnを走査させるとその軌跡は主走査方向(Y方向)に対して角度βをもつ。そのため、基準照射位置y0iを結ぶ直線が角度βをもつように、基準照射位置y0iが選定されている。
【0090】
ステップS602では、第2ラインセンサ23B上に照射したレーザビームLB1のスポットSBiに従って画素信号が読み出され、主走査方向(Y方向)に沿ったビームの照射位置yiが測定される。ステップS603では、計測された照射位置yiがメモリ81に格納される。
【0091】
ステップS604では、測定されたビームの照射位置yiと対応する基準照射位置y0iとの差Δyiが算出される。そして、ステップS605では、i番目におけるラインセンサ23Bに応じたパルス幅の補正値が差Δyiに基づいて算出される。ステップS606では、補正値がメモリ81に格納される。
【0092】
実際に描画動作が開始されると、補正値がメモリ81から読み出される。そして、パルス信号によって構成される1ライン分に応じた一連の描画データの中で修正の必要なデータ群(セグメント)に対し、照射位置の差Δyiが解消されるように、パルス幅が調整される。すなわち、対応するデータ群の周波数が調整される(図22参照)。
【0093】
次に、図23〜25を用いて、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態では、テーブルの駆動機構に起因して生じるビームの位置ずれの調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0094】
図23は、副走査方向に沿ったレーザビームのスポットラインを示した図であり、図24は、テーブル駆動機構に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。そして、図25は、レーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【0095】
Xテーブル14、ガイドレール12などのテーブルに関する部材は、Xテーブル14が副走査方向(X方向)に沿って移動するように取り付け配置されている。したがってXテーブル14を一定速度で移動させながら特定のレーザビームLB1をプリント基板22の描画開始位置から主走査方向(Y方向)に沿って走査させた場合、各走査ラインのビームスポットの開始位置は、副走査方向(X方向)に沿って平行なラインKLにならなければならない。しかしながら、プリント基板22の取り付け時におけるテーブル駆動機構89の位置決め精度に起因して、プリント基板22を載せた描画テーブル18は、副走査方向(X方向)へ移動中、副走査方向(X方向)に対してヨーイング動作をする。このため、各走査ラインの描画始点であるビームスポットの軌跡KL’は、直線にならず曲線となり、副走査方向(X方向)に沿ってレーザビームの照射位置のずれが生じる(図23参照)。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正が実行される。
【0096】
ステップS701では、Xテーブル14を一定速度で移動させるためテーブル駆動機構89を制御するとともに、副走査方向(X方向)に沿って計測板21の左端に並ぶ複数のラインセンサ一式23においてそれぞれ第2ラインセンサ23Bに定められた基準照射位置y0jに向け、レーザビームLB1を所定間隔毎に照射させる。そして、ステップS702では、各第2ラインセンサ23Bから読み出される画素信号に基づき、レーザビームLB1の主走査方向(Y方向)に沿った照射位置yjが測定される。ステップS703では、測定されたビームの照射位置yjがメモリ81に格納される。
【0097】
ステップS704では、測定されたビームの照射位置yjと対応する基準照射位置y0jとの差Δyjがそれぞれ算出される。そして、ステップS705では、補正値ΔCiが算出される。補正値ΔCiは、レーザビームの描画開始タイミングを補正するための補正量であり、以下の式により求められる。ただし、k””は所定の値をもつ係数である。
ΔCi=k””×(yi−y0i) ・・・・・(5)
ステップS706では、補正値ΔCiがメモリ81に格納される。そして、描画動作が開始されると、位置ずれを解消するように、光変調ユニット52、58を制御されることによってレーザビームの描画開始タイミングが調整される。
【0098】
次に、図26〜28を用いて、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態では、テーブルの移動に起因して生じるビームの位置ずれの調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0099】
図26は、副走査方向に沿ったレーザビームのスポットを示した図であり、図27は、テーブル移動に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。そして、図28は、レーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【0100】
Xテーブルを一定速度で副走査方向(X方向)に移動させる場合、一定の時間間隔で各走査ラインの描画開始位置にビームを照射させると、ビームのスポットは一定間隔で並ぶ。しかしながら、取り付け誤差やXテーブル制御誤差等の起因により、Xテーブル14は完全には一定速度で移動しない。よって、副走査方向(X方向)に沿ったスポットの間隔(ピッチ)XP’がXテーブル14の移動速度に従って定められる基準スポット間隔XPと一致しない(図26参照)場合が生じる。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正が実行される。
【0101】
ステップS801では、Xテーブル14を一定速度で移動させた状態で、レーザビームLB1が一定の時間間隔で照射される。このとき、計測板21の左隅に沿って並んだ複数のラインセンサ一式23における第1ラインセンサ23Aそれぞれに設定された基準照射位置x0jへ向けてレーザビームLB1が照射される。そして、ステップS802では、各第1ラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づき、レーザビームLB1の副走査方向(X方向)に沿った照射位置xjが測定される。ステップS803では、測定された照射位置xjがメモリ81に格納される。
【0102】
ステップS804では、レーザビームLB1の照射位置xjと基準照射位置x0jとの副走査方向(X方向)に沿った差Δxjが各第1ラインセンサ23Aについて算出される。そして、ステップS805では、補正値ΔDiが差Δxjに基づいて求められる。補正値ΔDiは、チルティングミラー36、44の姿勢を補正するための補正量であり、以下の式により求められる。ただし、k””’は、所定の値をもつ係数である。
ΔDi=k””’×(xj−x0j) ・・・・(6)
ステップS806では、補正値ΔDiがメモリ81に格納される。
【0103】
実際に描画動作が開始されると、補正値ΔDiがメモリ81から読み出される。そして、チルティングミラー36、44が補正値ΔDiに基づいて制御することにより、対応する走査ラインの位置ずれ調整が行われる。
【0104】
【発明の効果】
ビームの照射位置のずれ測定を簡易な構成で実現し、且つ効率的に位置ずれ調整を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態であるパターン描画装置の概略的斜視図である。
【図2】第1の実施形態における16本のレーザビームによる16個のスポットの配列状態を示した図である。
【図3】第1の実施形態におけるビーム照射位置の位置ずれ検出、調整用の計測板を示した図である。
【図4】第1の実施形態におけるパターン描画装置の概略的なブロック図である。
【図5】第1の実施形態におけるレーザビームの位置ずれ検出処理を示したフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図7】第2の実施形態におけるプリント基板上に走査されたレーザビームを示した図である。
【図8】第2の実施形態におけるポリゴンミラーに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図9】第2の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図10】第3の実施形態におけるプリント基板を走査するレーザビームを示した図である。
【図11】第3の実施形態におけるイメージローテータに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図12】第3の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図13】第4の実施形態における1本のビームの走査ラインを示した図である。
【図14】第4の実施形態におけるf−θレンズに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図15】第4の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図16】第5の実施形態における1本のビームの走査ラインを示した図である。
【図17】第5の実施形態における光軸ずれに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図18】第5の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図19】第6の実施形態における主走査方向(Y方向)に沿ったビームスポットを示した図である。
【図20】第6の実施形態における光軸誤差に起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図21】第6の実施形態におけるレーザビームが照射された複数のラインセンサ一式を示した図である。
【図22】第6の実施形態における描画データを示した図である。
【図23】第7の実施形態における副走査方向に沿ったレーザビームのスポットラインを示した図である。
【図24】第7の実施形態におけるテーブル駆動機構に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。
【図25】第7の実施形態におけるレーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図26】第8の実施形態における副走査方向に沿ったレーザビームのスポットを示した図である。
【図27】第8の実施形態におけるテーブル移動に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。
【図28】第8の実施形態におけるレーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【符号の説明】
14 Xテーブル
21 計測板(計測用部材)
22 プリント基板(被描画体)
23 ラインセンサ一式
23A 第1ラインセンサ
23B 第2ラインセンサ
24 レーザ発振器(光源)
32 ビームスプリッタ
36,44 チルティングミラー
52、58 光変調ユニット(光変調素子)
68 イメージローテータ
70 ポリゴンミラー
72 f−θレンズ
80 描画制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、原版となるフォトマスク(レクチル)やプリント基板などの被描画体に対して、回路パターンなどのパターンを形成するパターン描画装置に関し、特に、被描画体へ照射されるビームの位置調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェハ、LCD(Liquid Crystal Display)、PWB(Printed Wiring Board)などフォトマスクの表面にフォトリソグラフィによって回路パターンを形成する描画装置が知られており、あらかじめ作成されたパターンデータに基づき、電子ビームやレーザビームによって露光面が走査される。フォトマスクの表面には感光材料が付着されており、感光剤が光に反応することで回路パターンが形成される。また、フォトマスクを介さずにプリント基板などの被描画体へ直接回路パターンを形成する描画装置(露光装置)も知られている。
【0003】
レーザ描画装置においては、マイクロオーダのレベルで正確に回路パターンを形成する必要がある。すなわち、被描画体に対して意図した場所にビームが正確に照射されなければならない。一方、描画(露光)用光学系として設けられたポリゴンミラーの回転姿勢やf−θレンズの特性、あるいは描画テーブルの位置決め精度などに起因して、被描画体上におけるレーザの照射位置にずれが生じる。そのため、レーザビームの位置を精度よく計測可能な専用CCDカメラ(あるいはCMOSカメラ)により計測し、ずれを補正するパターン描画装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−227988号公報(図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パターン描画装置においては、様々な要因によって照射ビームの位置ずれが生じる。このような位置ずれを効率よく計測して修正するためには、ビームの計測ポイントを増やす必要がある。しかしながら、計測用カメラを増加させることは、描画装置における画像処理部の複雑化を招き、コスト増加をもたらす。また、多くのカメラを制御することが必要になると、描画装置の構成が複雑化する。
【0006】
そこで本発明では、ビームの照射位置のずれ測定を簡易な構成で実現し、且つ効率的に位置ずれ調整を行えるパターン描画装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターン描画装置は、ビームの照射位置のずれを調整可能な描画装置であり、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光用光学系を制御する描画制御部とを備えるとともに、ビームが結像する露光面上に、副走査方向および主走査方向に沿ってそれぞれ平行な第1のラインセンサと第2のラインセンサとを有する一式のラインセンサを配置した計測用部材が設けられている。計測部材としては、被描画体の代わりに描画用テーブルに設置されるか、あるいは描画テーブルそのものが計測部材として設置される。また、ここでのラインセンサは、ビームを検出する1次元のフォトセンサを表す。そして、第1のラインセンサ上に設定された第1の基準位置と、第2のラインセンサ上に設置された第2の基準位置とに向けてビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、第1の基準位置および第2の基準位置へ向けたビーム照射に従って、それぞれ副走査方向に沿った第1のビーム照射位置および主走査方向に沿った第2のビーム照射位置を測定する測定手段と、第1および第2のビーム照射位置が、それぞれ第1および第2の基準位置と実質的に一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、第1および第2のビーム照射位置のうち少なくとも1つが対応する基準位置とずれている場合、対応する基準位置と一致するように、ずれたビーム照射位置を調整するビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
被描画体の代わりにテーブルに載せるだけでよいため、従来の描画装置にカメラなど特殊な構成部材を設けることなく位置ずれ調整を効率的に行うことができる。また、ラインセンサを適用しているため、多くの観測ポイントを設置することができる。また、描画テーブルにラインセンサを埋め込んだ場合も、カメラなどに比べると省スペースであり、コストもかからない。
【0009】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面となる露光面上に副走査方向および主走査方向に沿ってそれぞれ平行な第1のラインセンサと第2のラインセンサとを有する一式のラインセンサを配置した計測用部材を設置し、第1のラインセンサ上に設定された第1の基準位置と、第2のラインセンサ上に設置された第2の基準位置とに向けてビームを照射させ、第1の基準位置および第2の基準位置へ向けたビーム照射に従って、それぞれ副走査方向に沿った第1のビーム照射位置および主走査方向に沿った第2のビーム照射位置を測定し、第1および第2のビーム照射位置が、それぞれ第1および第2の基準位置と実質的に一致するか否かを判断し、少なくとも第1および第2のビーム照射位置のうち1つが対応する基準位置とずれている場合、対応する基準位置と一致するように、ずれたビーム照射位置を調整することを特徴とする。
【0010】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材と、計測用部材を停止させた状態で、ポリゴンミラーの各面に応じてビームをラインセンサに向けて順次照射させる測定用ビーム照射手段と、順次照射するビームの副走査方向に沿った照射位置を測定する測定手段と、順次照射するビームの照射位置がそれぞれ基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置が基準位置とずれている場合、チルティングミラーを制御することにより照射位置を基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面となる露光面上に副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材を設置し、計測用部材を停止させた状態で、ポリゴンミラーの各面に応じてビームをラインセンサに向けて順次照射させ、順次照射するビームの副走査方向に沿った照射位置を測定し、順次照射するビームの照射位置がそれぞれ基準位置と一致するか否かを判断し、照射位置が基準位置とずれている場合、ポリゴンミラーに対するビームの入射角度を変更可能なチルティングミラーを制御することにより照射位置を基準位置と一致させることを特徴とする。
【0012】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ビームを複数のビームに分割するビームスプリッタと、複数のビームを主走査方向に対して傾斜させるイメージローテータとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材と、複数のビームのうち2本のビームをラインセンサに向けて照射する測定用ビーム照射手段と、副走査方向に沿った2本のビームの照射位置を測定する測定手段と、2本のビームの照射位置ピッチが基準ピッチと一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置ピッチが基準ピッチと一致しない場合、照射位置ピッチを基準ピッチと一致させるように、イメージローテータを制御するビーム位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材を設置し、複数に分割されるとともに主走査方向に対し傾斜しながら照射するビームの中で、2本のビームをラインセンサに向けて照射させ、副走査方向に沿った2本のビームの照射位置を測定し、2本のビームの照射位置ピッチが基準ピッチと一致するか否かを判断し、照射位置ピッチが基準ピッチと一致しない場合、照射位置ピッチを基準ピッチと一致させるように、主走査方向に対する傾斜角度を変更可能なイメージローテータを制御することを特徴とする。
【0014】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、f−θレンズと、ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、それぞれ副走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが所定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、ビーム照射による複数の照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置が基準位置と一致しない場合、チルティングミラーを制御して基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上にそれぞれ副走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが所定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けてビームを照射させ、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、ビーム照射による複数の照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断し、照射位置が基準位置と一致しない場合、ビームの照射位置を副走査方向に沿って変更可能なチルティングミラーを制御して基準位置と一致させることを特徴とする。
【0016】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に平行な2つのラインセンサを両端に配置した計測用部材と、2つのラインセンサ上にそれぞれ設定された2つの基準位置に向けてビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、2つのラインセンサ上の副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、2つの照射位置を結ぶラインが主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行であるか否かを判別する位置ずれ判別手段と、主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行でない場合、チルティングミラーにより主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行にするビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に副走査方向に平行な2つのラインセンサを両端に配置した計測用部材を設置し、2つのラインセンサ上にそれぞれ設定された2つの基準位置に向けてビームを照射させ、2つのラインセンサ上の副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、2つの照射位置を結ぶラインが主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行であるか否かを判別し、主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行でない場合、チルティングミラーにより主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行にすることを特徴とする。
【0018】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、パターンを形成するように、一連の描画データに基づいて光変調素子および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、それぞれ主走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが一定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを間欠的に照射させる測定用ビーム照射手段と、主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、主走査方向に沿って隣接する照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置の間隔が基準間隔と一致しない場合、一連の描画データの中で対応するデータ群のパルス幅を調整することによって基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上にそれぞれ主走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが一定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを間欠的に照射させ、主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定し、主走査方向に沿って隣接する照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断し、照射位置の間隔が基準間隔と一致しない場合、一連の描画データの中で対応するデータ群のパルス幅を調整することによって基準位置と一致させることを特徴とする。
【0020】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、主走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って所定間隔をおいて配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させる測定用ビーム照射手段と、複数のラインセンサ上における主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、複数のビームの照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置と基準位置とが一致しない場合、描画開始タイミングを調整することによって基準位置に一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に主走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って所定間隔をおいて配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させ、複数のラインセンサ上における主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、複数のビームの照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断し、照射位置と基準位置とが一致しない場合、描画開始タイミングを調整することによって基準位置に一致させることを特徴とする。
【0022】
本発明のパターン描画装置は、パターン形成のためビームを放射する光源と、ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、被描画体を支持するテーブルを、露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、パターンを形成するように、光変調素子、テーブル相対移動機構および露光用光学系を制御する描画制御部と、ビームが結像する露光面上に、副走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って一定間隔をおいて配置された計測用部材と、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させる測定用ビーム照射手段と、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、副走査方向に沿って隣接するビームの照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、照射位置の間隔と基準間隔とが一致しない場合、チルティングミラーを制御することによって基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明のパターン描画装置の位置ずれ調整方法は、結像面である露光面上に副走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って一定間隔をおいて配置された計測用部材を設置し、複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させ、複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、副走査方向に沿って隣接するビームの照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断し、照射位置の間隔と基準間隔とが一致しない場合、ビームの照射位置を副走査方向に沿って変更可能なチルティングミラーを制御することによって基準位置と一致させることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を用いて本発明の実施形態であるパターン描画装置について説明する。
【0025】
図1は、第1の実施形態であるパターン描画装置の概略的斜視図である。図2は、16本のレーザビームによる16個のスポットの配列状態を示した図である。本実施形態のパターン描画装置は、レーザビームによってプリント基板上に回路パターンを直接形成する。
【0026】
レーザ描画装置は、基台10、レーザ発振器24、固定テーブル28とを備える。基台10上には描画テーブル18が配置されており、固定テーブル28には、レーザ発振器24からのレーザビームを描画テーブル18へ導く様々な描画用(露光用)光学系が設置されている。固定テーブル28は、支持部材(図示せず)を介して基台10に取り付けられており、アルゴンレーザを備えたレーザ発振器24は固定テーブル28の傍に設置されている。
【0027】
基台10の上面には一対の平行なレール12が設置されており、Xテーブル14がレール12上に搭載されている。Xテーブル14は、サーボモータなどの駆動機構(ここでは図示せず)により、レール12の方向に沿って移動可能である。Xテーブル14上には回転テーブル16が搭載されており、描画テーブル18は微調整駆動機構20を介して回転テーブル16上に搭載されている。微調整駆動機構20を調整することにより、描画テーブル18はXテーブル14の移動方向に対して所定の角度まで回転可能である。Xテーブル14が移動することにより、描画テーブル18は回転テーブル16とともに一対のレール12の方向に沿って移動する。描画テーブル18上には、フォトレジスト層を形成したプリント基板22が必要に応じて設置され、クランプ部材(図示せず)によって描画テーブル18上に保持される。なお、以下では、Xテーブル14の移動方向と垂直な主走査方向をY方向、Xテーブル14の移動方向と平行な副走査方向をX方向と規定する。
【0028】
レーザ発振器24から発振されたレーザビームLBは、ビームベンダ26によって上方へ偏向させられる。そして、偏向されたレーザビームLBは、ビームベンダ30を介してビームスプリッタ32へ導かれる。ビームスプリッタ32は、レーザビームLBを2つのレーザビームLB1,LB2に分割する光学素子であり、レーザビームLB1は、ビームベンダ34、36によってビームセパレータ38へ導かれる一方、レーザビームLB2は、ビームベンダ40、42、44によってビームセパレータ46へ導かれる。
【0029】
ビームセパレータ38は、レーザビームLB1を8本の平行なレーザビームに分割する光学素子であり、分割されたレーザビームは、ビームベンダ48、50によって光変調ユニット52へ導かれる。同様に、ビームセパレータ46はレーザビームLB2を8本の平行ビームに分割し、分割されたレーザビームは、ビームベンダ54、56によって光変調ユニット58へ導かれる。
【0030】
光変調ユニット52、58には、それぞれ8つの音響光学変調器(AOM、ここでは図示せず)が設けられており、各音響光学変調器には8本のレーザビームのうち対応するビームが割り当てられる。光変調ユニット52を経由した8本のレーザビームは光合成器60に入射するとともに、光変調ユニット58を経由した8本のレーザビームもビームベンダ62によって光合成器60へ導かれる。光合成器60は偏向ビームスプリッタとして構成されており、光変調デバイス52、58を経由したそれぞれ8本のレーザビームは、16本のレーザビームに纏められる。16本のレーザビームは、ビームベンダ64、66、68によってポリゴンミラー70へ導かれる。
【0031】
ポリゴンミラー70は多角柱状に形成されており、16本のレーザビームは多面体を形成する反射面によって順次偏向され、f−θレンズ72へ導かれる。このとき、ポリゴンミラー70は、16本のレーザビームを主走査方向(Y方向)に沿うように偏向する。走査速度を一定にするf−θレンズ72を経由した16本のレーザビームは、ターニングミラー74、コンデンサレンズ76を介して描画テーブル18へ導かれる。その結果、16本のレーザビームがプリント基板上を照射する。なお、固定テーブル28に設置されている露光用光学系は、16本のレーザビームがプリント基板22上で結像するように形成、設置されており、プリント基板22上の表面22Sが焦点位置に相当する。
【0032】
光変調ユニット52、58内の各音響光学変調器は、所定のラスタデータに従ってON/OFF状態に切り替えられる。その結果、ポリゴンミラー70に従って16本のレーザビームが主走査方向(Y方向)に沿って走査する間に各音響光学変調器が所定のタイミングでON/OFF切換される。これにより、プリント基板22上に所定の回路パターンが主走査方向(Y方向)に沿って形成される。
【0033】
Xテーブル14は一定速度で副走査方向(X方向)に沿って移動しており、16本のレーザビームは、Xテーブル14の移動に合わせて主走査方向(Y方向)を順次走査する。このような露光動作を繰り返すことにより、回路パターンがプリント基板22全体に形成される。なお、描画テーブル18を一定速度で副走査方向(X方向)に移動させながら1本のレーザビームを主走査方向(Y方向)に沿って走査させた場合に走査光がX軸に対して直角になるように、露光用光学系は構成されている。したがって、描画テーブル18を停止させた状態でレーザビームを主走査方向(Y方向)に走査させた場合、レーザビームの軌跡は主走査方向(Y方向)に対して一定の角度βをもつ。
【0034】
ビームベンダ36、44は、16本のレーザビームそれぞれについてポリゴンミラー70に対する入射角度を変更させることが可能な光学ミラーである(以下では、チルティングミラーという)。チルティングミラー36、44は、ピエゾ素子(図示せず)によって支持されており、ピエゾ素子の駆動によって姿勢が変化する。この姿勢変化により、ポリゴンミラー70に対するレーザビームの入射角度が変化し、ビームスポットの位置が副走査方向(X方向)に沿って変動する。
【0035】
ビームベンダ68は、16本のレーザビームを主走査方向(Y方向)に対して所定角度だけ偏向させるためのミラーであり(以下では、イメージローテータという)、図2に示すように、16本のレーザビーム(以下では、符号LB1〜LB16で表す)は、主走査方向(Y方向)に対して所定角度だけ回転傾斜した状態で露光面22Sを照射する。ここでは、レーザビームLB1〜LB16によるスポットを、符号“SB1〜SB16”で表す。
【0036】
光変調ユニット52、58内のすべての音響光学変調器がON状態の場合、ポリゴンミラー70の回転に従い、一列状に傾斜して並んだ16本のレーザビームのスポットSB1〜SB16は、その角度で傾斜したまま全体的に主走査方向(Y方向)へ移動していく(破線の矢印参照)。各音響光学変調素子のON/OFF状態を切り替えるタイミングをそれぞれ別々に制御することにより、所定の回路パターンが主走査方向(Y方向)に沿って形成されていく。
【0037】
図3は、ビーム照射位置の位置ずれ調整用の計測板を示した図である。
【0038】
計測板21は、プリント基板22と同等のサイズを有するプレートであり、それぞれラインセンサ23A、23Bから構成される複数のラインセンサ一式23がスポット計測板21の表面21Sに設置されている。ラインセンサ23A,23Bは、それぞれ1次元CCD(あるいはMOS)ラインセンサとして構成されており、副走査方向(X方向)に沿って平行なラインセンサ23A(以下では、第1のラインセンサという)と、主走査方向(Y方向)に沿って平行なラインセンサ23B(以下では、第2のラインセンサという)は、互いに直交するように配置されている。また、複数のラインセンサ一式23は、主走査方向(Y方向)、副走査方向(X方向)に沿って所定間隔をおいて規則的に配列されており、第1ラインセンサ23A、第2ラインセンサ23Bも、それぞれ主走査方向(Y方向)、副走査方向(X方向)に沿って等間隔で並んでいる。ここでは、ラインセンサ一式は、主走査方向(Y方向)に沿ってn個、副走査方向(X方向)に沿ってm個配置されている。なお、プリント基板22と同サイズの計測板を適用する代わりに、あらかじめ結像面となる描画テーブルにラインセンサを組み込む構成にしてもよい。
【0039】
後述するビームの照射位置の位置ずれ調整を行う場合、プリント基板22の代わりに計測板21が描画テーブル18上に設置され、レーザビームを計測板21上に照射させる。複数のラインセンサ23一式各々は、第1のラインセンサ23A,第2のラインセンサ23Bの受光面が計測板21の表面21Sと一致するように、計測板21の表面21Sに埋設されている。したがって、結像したレーザビームが計測板21の表面21Sに照射する。計測板21内部には、ラインセンサ一式23それぞれから読み出される画素信号を外部へ出力するための回路(図示せず)が設けられており、接続ケーブル(図示せず)を介して画素信号が出力される。
【0040】
図4は、パターン描画装置の概略的なブロック図である。
【0041】
本体制御部80はレーザ描画装置全体を制御する装置であり、基台10の傍に設置されている。本体制御部80には描画制御部83が設けられており、AOM駆動部85、ポリゴンミラー駆動部87、テーブル駆動機構89、チルティングミラー駆動部91、イメージローテータ駆動部93へ制御信号を送る。ポリゴンミラー駆動部87はポリゴンミラー70を一定速度で回転させ、テーブル駆動機構89はXテーブル14を一定速度で副走査方向(X方向)に沿って移動させる。ポリゴンミラー70が一回転するごとに回転基準となる位置に応じた回転基準信号がポリゴンミラー駆動部87において検出され、本体制御部80へ送られる。本体制御部80では、送られてきた信号に基づいてタイミング信号が生成される。そして、Xテーブル14の移動とポリゴンミラー70の回転とを同期させるように、タイミング信号に従って制御信号がテーブル駆動機構89へ送られる。
【0042】
回路パターンに応じたラスタデータが本体制御部80から描画制御部83へ送られると、描画制御部83は、送られてきたラスタデータに基づき、タイミング信号に同期させながらAOM駆動部85へ制御信号を送る。上述したように、光変調ユニット52、58にはそれぞれ音響光学変調器52A〜52H、58A〜58Hが設けられており、それぞれ独立してON/OFF制御される。AOM駆動部85は、制御信号に基づいて音響光学変調器52A〜52H、58A〜58H各々に対して駆動信号を送信する。
【0043】
レーザビームを計測板21のラインセンサ一式23上に照射させると、画素信号が画素信号処理部84へ送られる。画素信号処理部84では、送られてくる画素信号に基づいてレーザビームの照射位置が検出され、測定された位置データが本体制御部80へ送られる。チルティングミラー36、44の姿勢を変動させるチルティングミラー駆動部91は、測定データに基づき、描画制御部83から送られてくる制御信号に従ってチルティングミラー36、44の姿勢を変化させる。イメージローテータ68の姿勢を変動させるイメージローテータ駆動部93も、描画制御部83から送られてくる制御信号に従ってイメージローテータ68の姿勢を変化させる。
【0044】
図5は、レーザビームの位置ずれ検出処理を示したフローチャートである。図6は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0045】
パターン描画装置の使用中、様々な要因によりレーザビームの光軸ずれが生じる。その結果、レーザビームを一点に照射させた場合、本来照射されるべき場所から外れた位置にレーザビームが照射される。そこで、実際の描画開始前に、計測板21を使用してレーザビームの照射位置を測定し、以下に示す位置ずれ検出処理を行う。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0046】
ステップS101では、計測板21を所定位置まで移動させるため、Xテーブル14がテーブル駆動機構89により駆動される。そして、ステップS102では、特定の1本のレーザビームLBiが計測板21の左上隅にあるラインセンサ一式23の目標照射位置に向けて照射する。
【0047】
本実施形態では、計測板21上の左隅のラインセンサ一式23がレーザビームの位置ずれ調整用に利用され、第1ラインセンサ23A、第2ラインセンサ23Bには、ビーム照射において照射目標である基準位置x0、y0が規定されている。
【0048】
第1ラインセンサ23Aには複数の画素が列状に配置されているが、ここでは、第1ラインセンサ23Aにある複数の画素のうち、特定の画素の位置を照射目標である基準位置x0に対応させている。第2ラインセンサ23Bについても同様に、第2のラインセンサ23Bにある複数の画素のうち、特定の画素の位置を、照射目標である基準位置y0に対応させている。なお、ステップS101では、左隅にあるラインセンサ一式23に応じた走査ラインに沿って描画を開始する位置と基準位置x0とが一致するように、Xテーブル14が制御される。ステップS101,102が実行されると、ステップS103へ進み、第1ラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づいて、レーザビームLBiの副走査方向(X方向)に沿った照射位置xが測定される。
【0049】
レーザビームLBiが第1ラインセンサ23Aの基準位置x0に向けて照射すると、第2のラインセンサ23Bに平行なスポットSBiが第1のラインセンサ23A上に生じる。そして、スポットSBiの収まる画素から、ビーム照射による画素信号が読み出される。スポットSBiは副走査方向(X方向)に沿って幅WXがあるため、スポットSBiの幅の中間地点にある画素の位置をレーザビームLBiの照射位置“x”と規定する。例えば、第1のラインセンサ23A上に20個の画素PX1〜PX20が配置されている状態で画素PX10〜PX12がレーザビームにより照射された場合、照射されている画素の中間地点にある画素PX11の位置が照射位置xとみなされる。測定されたビームの照射位置xは、メモリ81へ記憶される。
【0050】
ステップS104では、基準位置y0と描画開始位置が一致するように、Xテーブル14が所定量だけ副走査方向(X方向)に沿って移動する。ステップS105では、レーザビームLBiを第2ラインセンサ23Bにある基準位置y0に向けて照射させる。そして、ステップ106では、第2ラインセンサ23Bから読み出される画素信号に基づいて、主走査方向(Y方向)に沿ったビーム照射位置yが測定される。第2ラインセンサ23B上のスポットSBiは主走査方向(Y方向)に沿って幅WYがあるため、照射されている複数の画素のうち中間地点にある画素の位置が照射位置yとみなされる。そして、ステップS106では、測定されたビーム照射位置yがメモリ81に格納される。ステップS107が実行されると、ステップS108へ進む。
【0051】
ステップS107では、第1および第2ラインセンサ23A,23Bにおいて測定されたビーム照射位置(x、y)と照射基準位置(x0、y0)との差(Δx、Δy)が求められる。そして、ステップS108では、差(Δx、Δy)に基づき、補正値AX、BYが算出される。補正値AXは、Xテーブル14の副走査方向(X方向)に沿ったパターン描画開始位置を補正するための値であり、Δxの値に応じて算出される。補正値BYは、パターン描画開始タイミングを補正するための値であり、Δyの値に応じて算出される。そして、ステップS109では、補正地AX、BYがメモリ81に格納される。
【0052】
このように位置ずれ検出処理によって求められた補正値AX、BYは、実際の描画時にメモリ81から読み出され、位置ずれが解消されるようにテーブル駆動機構89、AOM駆動部85へ制御信号が出力される。副走査方向(X方向)に関しては、Xテーブル14のパターン描画開始位置が微調整される。一方、主走査方向(Y方向)に関しては、パターン描画開始のタイミングが本体制御部83内において調整される。すなわち、露光時における1ライン分のパターン描画開始タイミングをずれ量に応じて遅く、あるいは早く設定する。
【0053】
次に、図7〜9を用いて第2の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第2の実施形態では、ポリゴンミラーに起因する位置ずれの検出、調整が行われる。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0054】
図7は、プリント基板上に走査されたレーザビームを示した図であり、図8は、ポリゴンミラーに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図9は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0055】
ポリゴンミラー70は複数のミラーによって正8角柱状に形成されてあり、一定速度で中心軸周りに回転する。そして、レーザビームが1つの面に反射している間、プリント基板22に対して主走査方向(Y方向)に沿った1走査ライン分の描画(露光)が実行される。すなわち、16ライン分のパターンは、ある特定の1つの面で反射されるレーザビームによって形成される。
【0056】
ポリゴンミラー70の反射面がすべて互いに回転軸に対して平行となるように形成されている場合、パターン形成時には一定速度で描画テーブル18が移動することから、レーザビームの走査ラインの副走査方向(X方向)に沿ったピッチは、一定となる。しかしながら、実際には、ポリゴンミラーのそれぞれの反射面は回転軸に対して厳密に平行とはならず、いわゆる“面倒れ”が生じている。この場合、走査ラインのピッチにずれが生じる。図7では、走査ラインBL1とBL2とのピッチPDに対し、走査ラインBL2とBL3とのピッチP’DはΔεだけずれている。そのため、以下に示す位置ずれ検出、調整が実行される。
【0057】
図8のステップS201では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、描画テーブル18が停止した状態でポリゴンミラー70の1つの面(以下、第1面という)に対して16本のうち第1番目のレーザビームLB1が照射される。このとき、1つのラインセンサ一式23の第1ラインセンサ23A上にレーザビームLB1が照射されるように光変調ユニット52、58が制御され、図9に示すようにビームスポットSB1が生じる。尚、ポリゴンミラー70の第1面を特定する方法としては、反射面以外の、例えばポリゴンミラー70の上面にマークを付し、反射型のフォトインタラプタ等でマーク検出し、露光領域外に配置されたセンサで走査されるレーザビームを検出し、検出される信号をポリゴンミラー70の面数で分周することにより検出してもよい。
【0058】
ステップS202では、第1のラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づき、ビームスポットSB1の副走査方向(X方向)に沿った位置x1が計測される。ここでの照射位置x1は、第1実施形態と同様、第1ラインセンサ23A内の画素位置によって計測される。そして、ステップS203では、計測されたスポットSB1の位置x1がメモリ81に格納される。ステップS203が実行されると、ステップS204へ進む。
【0059】
ステップS204では、描画テーブル18が停止した状態で、計測の終了したポリゴンミラー面に隣接する面(以下では、第N面という)に1本のレーザビームLB1を照射させるように、光変調ユニット52、58が制御される。描画テーブル18が停止していることから、第1ラインセンサ23A上にスポットSB1が生じる。そして、ステップS205、S206では、第N面に応じたスポットSB1の副走査方向(X方向)に沿った位置xnが計測され、メモリ81に格納される。ここでは、ポリゴンミラー70が一回転する度に基準信号が発生されるとともに、1回のスキャンごとに面(スキャン)信号が発生する。すなわち、N面のポリゴンミラー70の場合、一回転でN個の面信号が発生している。そして、基準信号の位置から次の面を第一面と特定し、ポリゴンミラー70を回転させながら所定の面のみでビームがONするように光変調ユニット52、58を制御することにより、各面の測定が行われる。
【0060】
ステップS207では、ステップS202で測定されたレーザビームLB1の第1面の照射位置x1を基準照射位置として定め、この照射位置x1とレーザビームLB1の第N面の照射位置xnとの差Δxnが算出される。
【0061】
ポリゴンミラー70に面倒れが生じていない場合、Xテーブル14を停止させた状態でポリゴンミラー70の反射面を第1面から第N面まで順次切換ながらレーザビームLB1を照射させると、第1面から第N面に対応するビームスポットSB1の位置はすべて一致する。すなわち、ビーム照射位置x1とxnとが一致する。しかしながら、面倒れが生じている場合、ビーム照射位置x1とビーム照射位置x2、・・xnとの間にずれが生じる。
【0062】
ステップS208では、照射位置x1とレーザビームLB1の第N面の照射位置xnとの差Δxnに基づき、補正値Δlnが算出される。補正値Δlnは、チルティングミラー36、44の補正量であり、以下の式によって算出される。ただし、kは所定の値をもつ係数である。
Δln=k×Δxn ・・・(1)
ステップS209では、補正値Δlnがメモリ81に格納される。そして、ステップS210では、ポリゴンミラー70のすべての反射面に対してレーザビームの照射、照射位置測定が行われたか否かが判断される。すべての面に対してレーザビームの照射、照射位置測定が行われていないと判断された場合、ステップS204へ戻る。一方、すべての面に対してレーザビームの照射、照射位置測定が行われていると判断された場合、この処理ルーチンは終了する。
【0063】
各面に対する補正値Δlnは、実際の描画動作においてメモリ81から読み出される。そして、補正値Δlnに基づき、照射位置の差Δxnを解消するように、チルティングミラー36、44の姿勢が調整される。
【0064】
次に、図10〜12を用いて、第3の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第3の実施形態では、複数のビームに分割して主走査方向に対し斜めに傾斜させたビーム走査を実行する際に生じる位置ずれの検出、調整が行われる。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0065】
図10は、プリント基板22を走査するレーザビームを示した図であり、図11は、イメージローテータに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図12は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0066】
上述したように、16本のレーザビームLB1〜LB16は、主走査方向(Y方向)に対して所定角度傾いた状態でプリント基板22を走査し、16本のビーム各々は、所定のピッチBP0で隣接するビームと重なりながら主走査方向(Y方向)に沿ってプリント基板22を走査する。図10では、任意の隣接する2つのレーザビームLBi、LBi+1のスポットSBi,SBi+1が示されており、傾斜角度をここではαと規定する。
【0067】
しかしながら、レーザビームの傾斜角度があらかじめ規定された角度αとずれている場合、スポットSBi,SBi+1間のピッチBP0が変化してしまう。そのため、以下に示すピッチずれ補正処理が実行される。
【0068】
ステップS301では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1のみが左隅にあるラインセンサ一式23の第1ラインセンサ23A23を照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。ステップS302では、レーザビームLB1の照射により生じるスポットSB1によって第1ラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づき、レーザビームLB1の副走査方向(X方向)に沿った照射位置x1が計測される。そして、ステップS303では、計測されたビームの照射位置x1がメモリ81に格納される。
【0069】
ステップS304では、Xテーブル18が停止したままの状態で、2番目のレーザビームLB2のみが照射するように光変調素子52、58が制御される。そして、ステップS305、S306では、レーザビームLB2の照射によるスポットSB2に基づき、ビームの照射位置x2が計測され(図12参照)、計測された照射位置x2がメモリ81に格納される。なお、精度を向上させるため、16番目のレーザビームLB16を用いてもよい。
【0070】
ステップS307では、計測されたビームの照射位置x2、x1に基づいて、隣接するスポットSB1、SB2のピッチBP(=x2−x1)と、基準となるビームの傾斜角度αに応じた基準ピッチBP0との差ΔPが求められる。そして、ステップS308では、差ΔPに基づいて補正値ΔLが算出される。補正値ΔLは、イメージローテータ68の姿勢を補正するための補正量であり、以下の式によって求められる。ただし、k’は所定の値をもつ係数である。
ΔL=k’×ΔP ・・・・(2)
ステップS309では、算出された補正値ΔLがメモリ81に格納される。
【0071】
実際に描画動作が実行されると、補正値ΔLがメモリ81から読み出され、ピッチBPが計測ピッチBP0と実質的に一致するように、イメージローテータ68の姿勢が調整される。
【0072】
図13〜図15を用いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、f−θレンズの特性に起因する位置ずれの検出、調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0073】
図13は、1本のビームの走査ラインを示した図であり、図14は、f−θレンズに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図15は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0074】
ポリゴンミラー70、f−θレンズ72を含む露光用光学系は、プリント基板22上に1本のレーザビームLBnを走査させた場合に主走査方向(Y方向)に沿って直線SLの軌跡が生じるように構成されている。しかしながら、f−θレンズ72の特性により、実際にはレーザビームLBnの走査軌跡LLnは、直線ではなく曲線となる(図13参照)。そのため、以下に示す位置ずれ補正処理が実行される。
【0075】
ステップS401では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1のみが計測板21を照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。このときレーザビームLB1は、主走査方向(Y方向)に沿って所定間隔毎に配置された複数のラインセンサ一式23の中で各第1ラインセンサ23A上に設定された基準位置x0i(1≦i≦n)に向けて連続的に照射される。ただしiは、複数のラインセンサ一式23の主走査方向(Y方向)に沿った番号を示す。また、上述したように、描画テーブル18を停止させてレーザビームLB1を走査させた場合、走査光は主走査方向(Y方向)に対して角度βをもつため、基準位置x0iを結ぶことにより形成される直線が角度βを持つように、基準位置x0iが選定されている。
【0076】
ステップS402では、各第1ラインセンサ23A上に照射したレーザビームLB1のスポットに従って画素信号が読み出され、ビームの照射位置xiがそれぞれ測定される(図15参照)。ステップS403では、計測された照射位置xiがメモリ81に格納される。
【0077】
ステップS404では、測定されたビームの照射位置xiと対応する基準照射位置x0iとの差Δxiが、第1ラインセンサ23Aそれぞれについて算出される。そして、ステップS405では、差Δxiに基づき、1ライン当たりの補正値ΔAi(i=1、2、・・・n)が算出される。補正値ΔAiは、チルティングミラー36、44の姿勢を補正するための補正量であり、以下の式で求められる。ただし、k”は、所定の値をもつ係数である。
ΔAi=k”×Δxi ・・・(3)
ステップS406では、求められた補正値ΔAiがメモリ81に格納される。
【0078】
実際に描画動作が実行開始されると、補正値ΔAiがメモリ81から読み出される。そして、基準位置x0iと一致させるため、副走査方向(X方向)に沿ってビームの照射位置を変更するチルティングミラー36、44が各補正値ΔAi(i=1、2、・・・n)に基づいて制御される。すなわち、1ライン分のビーム走査の間、レーザビームが各ラインセンサを通過するタイミングを見計らい、対応する補正値ΔAiに基づいてチルティングミラー36、44が所定のタイミングで駆動される。
【0079】
次に、図16〜図18を用いて、第5の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第5の実施形態では、露光用光学系の光軸誤差に起因する位置ずれの調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態、第4の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0080】
図16は、1本のビームの走査ラインを示した図であり、図17は、光軸ずれに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。そして、図18は、レーザビームが照射されたラインセンサ一式23を示した図である。
【0081】
第4実施形態に示すような位置ずれが生じない場合、描画テーブル18を一定速度で副走査方向(X方向)に沿って移動させながらレーザビームLBnを走査させればレーザビームの軌跡LLnは主走査方向(Y方向)に平行、すなわち副走査方向(X方向)に対し垂直になるように、露光用光学系は構成されている。しかしながら、実際には露光用光学系の光軸誤差により、レーザビームの軌跡LLnは主走査方向(Y方向)に対して微小角度β’だけ傾斜してしまう(図16参照)。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正処理が施される。
【0082】
ステップS501では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル14が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1のみが計測板21を照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。このとき、レーザビームLB1は計測板21を1ライン分照射するととともに、主走査方向(Y方向)に沿って両端に配置された2つのラインセンサ一式23の中で第1ラインセンサ23A上に設定された所定の基準位置x01、x0nに向けてレーザビームLB1を照射させる(図18参照)。なお、上述したように、描画テーブル18は停止した状態でレーザビームLB1を走査させるとその軌跡は主走査方向(Y方向)に対して角度βをもつことから、基準位置x01、x0nを結ぶ直線がLBが角度βをもつように、基準位置x01、x0nが選定されている。
【0083】
ステップS502では、各第1ラインセンサ23A上に照射したレーザビームLB1のスポットに従って画素信号が読み出され、ビームの照射位置x1、xnが測定される。そしてステップS503では、測定された照射位置x1、xnがメモリ81に格納される。
【0084】
ステップS504では、ビームの照射位置x1、xnと所定の基準位置x01、x0nとの差Δx1、Δxnがそれぞれ算出される。そして、ステップS505では、補正値ΔBが算出される。補正値ΔBはチルティングミラー36、44の補正量であり、以下の式により求められる。ただし、k”’は、所定の値をもつ係数である。
ΔB=k”’×(Δx1−Δxn) ・・・・(4)
ステップS506では、補正値ΔBがメモリ81に格納される。
【0085】
実際に描画動作が開始されると、補正値ΔBがメモリ81から読み出される。そして、補正値ビーム軌跡LLnが主走査方向(Y方向)に平行となるように、チルティングミラー36、44が補正値ΔBに応じて駆動される。
【0086】
次に、図19〜22を用いて、第6の実施形態であるパターン描画装置について説明する。第6の実施形態では、露光用光学系の光軸誤差に起因するビーム照射の位置ずれに対する調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0087】
図19は、主走査方向(Y方向)に沿ったビームスポットを示した図であり、図20は、光軸誤差に起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。また、図21は、レーザビームが照射された複数のラインセンサ一式23を示した図であり、図22は、描画データを示した図である。
【0088】
露光用光学系は、1本のレーザビームLBiを一定間隔ごとに主走査方向(Y方向)に沿ってプリント基板22へ照射させた場合にはプリント基板22上にビームスポットが一定間隔で並ぶように、構成されている。しかしながら、露光用光学系の光軸誤差により、隣接するスポット間のピッチが一致しない場合が生じる。すなわち、スポット間隔YPとなるようにレーザビームLBiをプロットさせても、スポット間隔YP’でビーム照射が行われる(図19参照)。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正が実行される。
【0089】
ステップS601では、計測板21が所定位置まで移動するようにXテーブル18が駆動される。そして、所定位置に到達すると、16本のうち第1のレーザビームLB1が主走査方向(Y方向)に沿って計測板21の上端に並ぶ複数の第2ラインセンサ23Bそれぞれを順次照射するように、光変調素子52、58が制御される。ただし、面倒れの影響を生じさせないように、ポリゴンミラーある特定の1面で光を照射させる。このとき、各ラインセンサ一式の第2ラインセンサ23Bにはあらかじめ基準照射位置y0iが定められており、各基準照射位置y0iに向けてレーザビームLB1を照射させる(図21参照)。なお、上述したように、描画テーブル18を停止させた状態でレーザビームLBnを走査させるとその軌跡は主走査方向(Y方向)に対して角度βをもつ。そのため、基準照射位置y0iを結ぶ直線が角度βをもつように、基準照射位置y0iが選定されている。
【0090】
ステップS602では、第2ラインセンサ23B上に照射したレーザビームLB1のスポットSBiに従って画素信号が読み出され、主走査方向(Y方向)に沿ったビームの照射位置yiが測定される。ステップS603では、計測された照射位置yiがメモリ81に格納される。
【0091】
ステップS604では、測定されたビームの照射位置yiと対応する基準照射位置y0iとの差Δyiが算出される。そして、ステップS605では、i番目におけるラインセンサ23Bに応じたパルス幅の補正値が差Δyiに基づいて算出される。ステップS606では、補正値がメモリ81に格納される。
【0092】
実際に描画動作が開始されると、補正値がメモリ81から読み出される。そして、パルス信号によって構成される1ライン分に応じた一連の描画データの中で修正の必要なデータ群(セグメント)に対し、照射位置の差Δyiが解消されるように、パルス幅が調整される。すなわち、対応するデータ群の周波数が調整される(図22参照)。
【0093】
次に、図23〜25を用いて、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態では、テーブルの駆動機構に起因して生じるビームの位置ずれの調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0094】
図23は、副走査方向に沿ったレーザビームのスポットラインを示した図であり、図24は、テーブル駆動機構に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。そして、図25は、レーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【0095】
Xテーブル14、ガイドレール12などのテーブルに関する部材は、Xテーブル14が副走査方向(X方向)に沿って移動するように取り付け配置されている。したがってXテーブル14を一定速度で移動させながら特定のレーザビームLB1をプリント基板22の描画開始位置から主走査方向(Y方向)に沿って走査させた場合、各走査ラインのビームスポットの開始位置は、副走査方向(X方向)に沿って平行なラインKLにならなければならない。しかしながら、プリント基板22の取り付け時におけるテーブル駆動機構89の位置決め精度に起因して、プリント基板22を載せた描画テーブル18は、副走査方向(X方向)へ移動中、副走査方向(X方向)に対してヨーイング動作をする。このため、各走査ラインの描画始点であるビームスポットの軌跡KL’は、直線にならず曲線となり、副走査方向(X方向)に沿ってレーザビームの照射位置のずれが生じる(図23参照)。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正が実行される。
【0096】
ステップS701では、Xテーブル14を一定速度で移動させるためテーブル駆動機構89を制御するとともに、副走査方向(X方向)に沿って計測板21の左端に並ぶ複数のラインセンサ一式23においてそれぞれ第2ラインセンサ23Bに定められた基準照射位置y0jに向け、レーザビームLB1を所定間隔毎に照射させる。そして、ステップS702では、各第2ラインセンサ23Bから読み出される画素信号に基づき、レーザビームLB1の主走査方向(Y方向)に沿った照射位置yjが測定される。ステップS703では、測定されたビームの照射位置yjがメモリ81に格納される。
【0097】
ステップS704では、測定されたビームの照射位置yjと対応する基準照射位置y0jとの差Δyjがそれぞれ算出される。そして、ステップS705では、補正値ΔCiが算出される。補正値ΔCiは、レーザビームの描画開始タイミングを補正するための補正量であり、以下の式により求められる。ただし、k””は所定の値をもつ係数である。
ΔCi=k””×(yi−y0i) ・・・・・(5)
ステップS706では、補正値ΔCiがメモリ81に格納される。そして、描画動作が開始されると、位置ずれを解消するように、光変調ユニット52、58を制御されることによってレーザビームの描画開始タイミングが調整される。
【0098】
次に、図26〜28を用いて、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態では、テーブルの移動に起因して生じるビームの位置ずれの調整を行う。その他の構成については、第1の実施形態と同じである。なお、計測板21を描画テーブル18に設置した場合、取り付け誤差はないものとする。
【0099】
図26は、副走査方向に沿ったレーザビームのスポットを示した図であり、図27は、テーブル移動に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。そして、図28は、レーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【0100】
Xテーブルを一定速度で副走査方向(X方向)に移動させる場合、一定の時間間隔で各走査ラインの描画開始位置にビームを照射させると、ビームのスポットは一定間隔で並ぶ。しかしながら、取り付け誤差やXテーブル制御誤差等の起因により、Xテーブル14は完全には一定速度で移動しない。よって、副走査方向(X方向)に沿ったスポットの間隔(ピッチ)XP’がXテーブル14の移動速度に従って定められる基準スポット間隔XPと一致しない(図26参照)場合が生じる。そのため、以下に示す位置ずれ検出・補正が実行される。
【0101】
ステップS801では、Xテーブル14を一定速度で移動させた状態で、レーザビームLB1が一定の時間間隔で照射される。このとき、計測板21の左隅に沿って並んだ複数のラインセンサ一式23における第1ラインセンサ23Aそれぞれに設定された基準照射位置x0jへ向けてレーザビームLB1が照射される。そして、ステップS802では、各第1ラインセンサ23Aから読み出される画素信号に基づき、レーザビームLB1の副走査方向(X方向)に沿った照射位置xjが測定される。ステップS803では、測定された照射位置xjがメモリ81に格納される。
【0102】
ステップS804では、レーザビームLB1の照射位置xjと基準照射位置x0jとの副走査方向(X方向)に沿った差Δxjが各第1ラインセンサ23Aについて算出される。そして、ステップS805では、補正値ΔDiが差Δxjに基づいて求められる。補正値ΔDiは、チルティングミラー36、44の姿勢を補正するための補正量であり、以下の式により求められる。ただし、k””’は、所定の値をもつ係数である。
ΔDi=k””’×(xj−x0j) ・・・・(6)
ステップS806では、補正値ΔDiがメモリ81に格納される。
【0103】
実際に描画動作が開始されると、補正値ΔDiがメモリ81から読み出される。そして、チルティングミラー36、44が補正値ΔDiに基づいて制御することにより、対応する走査ラインの位置ずれ調整が行われる。
【0104】
【発明の効果】
ビームの照射位置のずれ測定を簡易な構成で実現し、且つ効率的に位置ずれ調整を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態であるパターン描画装置の概略的斜視図である。
【図2】第1の実施形態における16本のレーザビームによる16個のスポットの配列状態を示した図である。
【図3】第1の実施形態におけるビーム照射位置の位置ずれ検出、調整用の計測板を示した図である。
【図4】第1の実施形態におけるパターン描画装置の概略的なブロック図である。
【図5】第1の実施形態におけるレーザビームの位置ずれ検出処理を示したフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図7】第2の実施形態におけるプリント基板上に走査されたレーザビームを示した図である。
【図8】第2の実施形態におけるポリゴンミラーに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図9】第2の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図10】第3の実施形態におけるプリント基板を走査するレーザビームを示した図である。
【図11】第3の実施形態におけるイメージローテータに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図12】第3の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図13】第4の実施形態における1本のビームの走査ラインを示した図である。
【図14】第4の実施形態におけるf−θレンズに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図15】第4の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図16】第5の実施形態における1本のビームの走査ラインを示した図である。
【図17】第5の実施形態における光軸ずれに起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図18】第5の実施形態におけるレーザビームが照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図19】第6の実施形態における主走査方向(Y方向)に沿ったビームスポットを示した図である。
【図20】第6の実施形態における光軸誤差に起因するレーザビームの位置ずれの検出処理を示したフローチャートである。
【図21】第6の実施形態におけるレーザビームが照射された複数のラインセンサ一式を示した図である。
【図22】第6の実施形態における描画データを示した図である。
【図23】第7の実施形態における副走査方向に沿ったレーザビームのスポットラインを示した図である。
【図24】第7の実施形態におけるテーブル駆動機構に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。
【図25】第7の実施形態におけるレーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【図26】第8の実施形態における副走査方向に沿ったレーザビームのスポットを示した図である。
【図27】第8の実施形態におけるテーブル移動に起因する位置ずれの検出処理を示した図である。
【図28】第8の実施形態におけるレーザビームの照射されたラインセンサ一式を示した図である。
【符号の説明】
14 Xテーブル
21 計測板(計測用部材)
22 プリント基板(被描画体)
23 ラインセンサ一式
23A 第1ラインセンサ
23B 第2ラインセンサ
24 レーザ発振器(光源)
32 ビームスプリッタ
36,44 チルティングミラー
52、58 光変調ユニット(光変調素子)
68 イメージローテータ
70 ポリゴンミラー
72 f−θレンズ
80 描画制御部
Claims (18)
- パターン形成のためビームを放射する光源と、
前記ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、
前記ビームの光路に配置され、前記ビームを選択的に変調する光変調素子と、
前記被描画体を支持するテーブルを、前記露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、
パターンを形成するように、前記光変調素子、前記テーブル相対移動機構および前記露光用光学系を制御する描画制御部と、
前記ビームが結像する露光面上に、副走査方向および主走査方向に沿ってそれぞれ平行な第1のラインセンサと第2のラインセンサとを有する一式のラインセンサを配置した計測用部材と、
前記第1のラインセンサ上に設定された第1の基準位置と、前記第2のラインセンサ上に設置された第2の基準位置とに向けて前記ビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、
前記第1の基準位置および第2の基準位置へ向けたビーム照射に従って、それぞれ副走査方向に沿った第1のビーム照射位置および主走査方向に沿った第2のビーム照射位置を測定する測定手段と、
前記第1および第2のビーム照射位置が、それぞれ前記第1および第2の基準位置と実質的に一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、
前記第1および第2のビーム照射位置のうち少なくとも1つが対応する基準位置とずれている場合、前記対応する基準位置と一致するように、ずれたビーム照射位置を調整するビーム照射位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面となる露光面上に副走査方向および主走査方向に沿ってそれぞれ平行な第1のラインセンサと第2のラインセンサとを有する一式のラインセンサを配置した計測用部材を設置し、
前記第1のラインセンサ上に設定された第1の基準位置と、前記第2のラインセンサ上に設置された第2の基準位置とに向けてビームを照射させ、
前記第1の基準位置および第2の基準位置へ向けたビーム照射に従って、それぞれ副走査方向に沿った第1のビーム照射位置および主走査方向に沿った第2のビーム照射位置を測定し、
前記第1および第2のビーム照射位置が、それぞれ前記第1および第2の基準位置と実質的に一致するか否かを判断し、
少なくとも前記第1および第2のビーム照射位置のうち1つが対応する基準位置とずれている場合、前記対応する基準位置と一致するように、ずれたビーム照射位置を調整することを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - パターン形成のためビームを放射する光源と、
前記ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、前記ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、
前記ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、
パターンを形成するように、前記光変調素子および前記露光用光学系を制御する描画制御部と、
前記ビームが結像する露光面上に、副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材と、
前記計測用部材を停止させた状態で、前記ポリゴンミラーの各面に応じてビームを前記ラインセンサに向けて順次照射させる測定用ビーム照射手段と、
順次照射するビームの副走査方向に沿った照射位置を測定する測定手段と、
順次照射するビームの照射位置がそれぞれ基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、
前記照射位置が前記基準位置とずれている場合、前記チルティングミラーを制御することにより前記照射位置を前記基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面となる露光面上に副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材を設置し、
前記計測用部材を停止させた状態で、ポリゴンミラーの各面に応じてビームを前記ラインセンサに向けて順次照射させ、
順次照射するビームの副走査方向に沿った照射位置を測定し、
順次照射するビームの照射位置がそれぞれ基準位置と一致するか否かを判断し、
前記照射位置が前記基準位置とずれている場合、前記ポリゴンミラーに対するビームの入射角度を変更可能なチルティングミラーを制御することにより前記照射位置を前記基準位置と一致させることを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - パターン形成のためビームを放射する光源と、
ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ビームを複数のビームに分割するビームスプリッタと、前記複数のビームを主走査方向に対して傾斜させるイメージローテータとを含む露光用光学系と、
前記ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、
パターンを形成するように、前記光変調素子および前記露光用光学系を制御する描画制御部と、
ビームが結像する露光面上に、副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材と、
前記複数のビームのうち2本のビームを前記ラインセンサに向けて照射する測定用ビーム照射手段と、
副走査方向に沿った2本のビームの照射位置を測定する測定手段と、
2本のビームの照射位置ピッチが基準ピッチと一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、
前記照射位置ピッチが前記基準ピッチと一致しない場合、前記照射位置ピッチを前記基準ピッチと一致させるように、前記イメージローテータを制御するビーム位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面である露光面上に副走査方向に沿って平行なラインセンサを配置した計測用部材を設置し、
複数に分割されるとともに主走査方向に対し傾斜しながら照射するビームの中で、2本のビームを前記ラインセンサに向けて照射させ、
副走査方向に沿った2本のビームの照射位置を測定し、
2本のビームの照射位置ピッチが基準ピッチと一致するか否かを判断し、
前記照射位置ピッチが前記基準ピッチと一致しない場合、前記照射位置ピッチを前記基準ピッチと一致させるように、主走査方向に対する傾斜角度を変更可能なイメージローテータを制御することを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - パターン形成のためビームを放射する光源と、
ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、f−θレンズと、前記ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、
ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、
パターンを形成するように、前記光変調素子および前記露光用光学系を制御する描画制御部と、
ビームが結像する露光面上に、それぞれ副走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが所定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材と、
前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、
前記複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、
ビーム照射による複数の照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、
前記照射位置が前記基準位置と一致しない場合、前記チルティングミラーを制御して基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面である露光面上にそれぞれ副走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが所定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材を設置し、
前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けてビームを照射させ、
前記複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、
ビーム照射による複数の照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断し、
前記照射位置が前記基準位置と一致しない場合、ビームの照射位置を副走査方向に沿って変更可能なチルティングミラーを制御して基準位置と一致させることを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - パターン形成のためビームを放射する光源と、
前記ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、
前記ビームの光路に配置され、前記ビームを選択的に変調する光変調素子と、
前記被描画体を支持するテーブルを、前記露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、
パターンを形成するように、前記光変調素子、前記テーブル相対移動機構および前記露光光学系を制御する描画制御部と、
前記ビームが結像する露光面上に、副走査方向に平行な2つのラインセンサを主走査方向両端に配置した計測用部材と、
前記2つのラインセンサ上にそれぞれ設定された2つの基準位置に向けてビームを照射させる測定用ビーム照射手段と、
前記2つのラインセンサ上の副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、
2つの照射位置を結ぶラインが主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行であるか否かを判別する位置ずれ判別手段と、
前記主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行でない場合、チルティングミラーにより前記主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行になるようにするビーム照射位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面である露光面上に副走査方向に平行な2つのラインセンサを主走査方向両端に配置した計測用部材を設置し、
前記2つのラインセンサ上にそれぞれ設定された2つの基準位置に向けてビームを照射させ、
前記2つのラインセンサ上の副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、
2つの照射位置を結ぶラインが主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行であるか否かを判別し、
前記主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行でない場合、チルティングミラーにより前記主走査方向に対して所定の角度で傾いたラインに平行にすることを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - パターン形成のためビームを放射する光源と、
前記ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、
前記ビームの光路に配置され、前記ビームを選択的に変調する光変調素子と、
パターンを形成するように、一連の描画データに基づいて前記光変調素子および前記露光用光学系を制御する描画制御部と、
ビームが結像する露光面上に、それぞれ主走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが一定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材と、
前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを間欠的に照射させる測定用ビーム照射手段と、
主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、
主走査方向に沿って隣接する照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、
前記照射位置の間隔が前記基準間隔と一致しない場合、前記一連の描画データの中で対応するデータ群のパルス幅を調整することによって基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面である露光面上にそれぞれ主走査方向に沿って平行な複数のラインセンサが一定間隔で主走査方向に沿って配置された計測用部材を設置し、
前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを間欠的に照射させ、
主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定し、
主走査方向に沿って隣接する照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断し、
前記照射位置の間隔が前記基準間隔と一致しない場合、前記一連の描画データの中で対応するデータ群のパルス幅を調整することによって基準位置と一致させることを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - パターン形成のためビームを放射する光源と、
前記ビームを被描画体へ導く露光用光学系と、
前記ビームの光路に配置され、前記ビームを選択的に変調する光変調素子と、
被描画体を支持するテーブルを、前記露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、
パターンを形成するように、前記光変調素子、前記テーブル相対移動機構および前記露光光学系を制御する描画制御部と、
前記ビームが結像する露光面上に、主走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って所定間隔をおいて配置された計測用部材と、
前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させる測定用ビーム照射手段と、
前記複数のラインセンサ上における主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、
複数のビームの照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、
前記照射位置と前記基準位置とが一致しない場合、描画開始タイミングを調整することによって基準位置に一致させるビーム照射位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面である露光面上に主走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って所定間隔をおいて配置された計測用部材を設置し、
前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させ、
前記複数のラインセンサ上における主走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、
複数のビームの照射位置がそれぞれ対応する基準位置と一致するか否かを判断し、
前記照射位置と前記基準位置とが一致しない場合、描画開始タイミングを調整することによって基準位置に一致させることを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - パターン形成のためビームを放射する光源と、
ビームを被描画体へ導く露光用光学系であって、ポリゴンミラーと、前記ポリゴンミラーにビームを入射させる角度を変更可能なチルティングミラーとを含む露光用光学系と、
ビームの光路に配置され、ビームを選択的に変調する光変調素子と、
前記被描画体を支持するテーブルを、前記露光用光学系に対し副走査方向に沿って相対移動させるテーブル相対移動機構と、
パターンを形成するように、前記光変調素子、前記テーブル相対移動機構および前記露光用光学系を制御する描画制御部と、
前記ビームが結像する露光面上に、副走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って一定間隔をおいて配置された計測用部材と、
前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させる測定用ビーム照射手段と、
前記複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定する測定手段と、
副走査方向に沿って隣接するビームの照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断する位置ずれ判別手段と、
前記照射位置の間隔と前記基準間隔とが一致しない場合、前記チルティングミラーを制御することによって基準位置と一致させるビーム照射位置調整手段と
を備えたことを特徴とするパターン描画装置。 - 結像面である露光面上に副走査方向に平行な複数のラインセンサが副走査方向に沿って一定間隔をおいて配置された計測用部材を設置し、前記複数のラインセンサそれぞれに設定された基準位置に向けて、ビームを副走査方向に沿って照射させ、
前記複数のラインセンサ上における副走査方向に沿ったビームの照射位置を測定し、
副走査方向に沿って隣接するビームの照射位置の間隔が基準間隔と一致するか否かを判断し、
前記照射位置の間隔と前記基準間隔とが一致しない場合、ビームの照射位置を副走査方向に沿って変更可能なチルティングミラーを制御することによって基準位置と一致させることを特徴とするパターン描画装置の位置ずれ調整方法。 - 前記ビーム照射位置調整手段が、主走査方向に沿った位置ずれに関し、1走査ライン上におけるビーム照射開始タイミングを位置ずれ量に従って調整することを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置。
- 前記ビーム位置調整手段が、副走査方向に沿った位置ずれに関し、前記テーブルを位置ずれに応じた所定量だけ相対的に移動させるため前記テーブル相対移動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201922A JP2005043576A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | パターン描画装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201922A JP2005043576A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | パターン描画装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005043576A true JP2005043576A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34261841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003201922A Withdrawn JP2005043576A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | パターン描画装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005043576A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008076709A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | V Technology Co Ltd | 露光装置 |
WO2008090640A1 (ja) | 2007-01-23 | 2008-07-31 | Fujifilm Corporation | オキシム化合物、感光性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示素子 |
JP2009244831A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-10-22 | Hitachi Displays Ltd | マスクレス露光方法 |
JP2011164639A (ja) * | 2006-04-05 | 2011-08-25 | Sharp Corp | 配向処理方法および配向処理装置 |
JP2017102151A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 株式会社ニコン | パターン描画装置およびパターン描画方法 |
-
2003
- 2003-07-25 JP JP2003201922A patent/JP2005043576A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011164639A (ja) * | 2006-04-05 | 2011-08-25 | Sharp Corp | 配向処理方法および配向処理装置 |
JP2008076709A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | V Technology Co Ltd | 露光装置 |
WO2008090640A1 (ja) | 2007-01-23 | 2008-07-31 | Fujifilm Corporation | オキシム化合物、感光性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示素子 |
JP2009244831A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-10-22 | Hitachi Displays Ltd | マスクレス露光方法 |
US8274642B2 (en) | 2008-03-10 | 2012-09-25 | Hitachi Displays, Ltd. | Maskless exposure method |
JP2017102151A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 株式会社ニコン | パターン描画装置およびパターン描画方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100572615B1 (ko) | 패턴 묘화장치 및 패턴 묘화방법 | |
JP4486323B2 (ja) | 画素位置特定方法、画像ずれ補正方法、および画像形成装置 | |
US20090097002A1 (en) | Exposure device | |
US7280129B2 (en) | Pixel position specifying method, method of correcting image offset, and image forming device | |
JPH07183212A (ja) | 走査型露光装置及び露光方法 | |
JPH09323180A (ja) | スケーリング補正機能を持つレーザ描画装置 | |
JP6828766B2 (ja) | パターン描画装置 | |
JP3975626B2 (ja) | レーザ描画装置 | |
JP2006284890A (ja) | アライメントセンサの位置校正方法、基準パターン校正方法、露光位置補正方法、校正用パターン及びアライメント装置 | |
JP4348476B2 (ja) | パターン描画装置 | |
JP3316706B2 (ja) | 投影露光装置、及び該装置を用いる素子製造方法 | |
JP2000338432A (ja) | レーザー露光装置及びその方法 | |
WO2006106746A1 (ja) | 描画点データ取得方法および装置並びに描画方法および装置 | |
JP2005043576A (ja) | パターン描画装置 | |
JP2008058477A (ja) | 描画装置 | |
WO2007013612A1 (ja) | 描画方法および装置 | |
JP4427779B2 (ja) | ビームスポットのサイズを測定可能なパターン描画装置 | |
JP3200020B2 (ja) | 主走査方向及び副走査方向の直交度補正機能を持つレーザ描画装置 | |
JP2005345872A (ja) | アライメント機能を有する露光装置 | |
JP4583827B2 (ja) | 画像形成装置および画像形成方法 | |
JP2019164380A (ja) | パターン形成装置 | |
JPH08330219A (ja) | 走査型露光装置 | |
JP2004245911A (ja) | パターン描画装置 | |
JP2002162586A (ja) | マルチビーム画像形成装置 | |
JP2007271796A (ja) | 露光装置、描画方法及び描画装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060614 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20060830 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090728 |