JP2007271796A - 露光装置、描画方法及び描画装置 - Google Patents

露光装置、描画方法及び描画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素で廉価な手段を用いてステージとヘッドとを相対的に移動させながら画像の歪みを補正して記録媒体に高精度な画像を形成する。
【解決手段】この露光装置、描画方法及び描画装置は、記録媒体12を載置したステージ14と、ヘッドとを相対的に移動させて画像を形成するための処理を行うもので、N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回前の記録媒体に対する露光処理時に測定したステージ14とヘッドとの相対的な移動動作時の位置誤差を制御目標値として、ステージ14とヘッドとを相対的に移動動作させるときの短期間の再現性がある誤差をオープンループ制御して補正しながら露光する。
【選択図】図1

Description

この発明は、露光ヘッドから出射された記録用の光ビームを記録媒体に照射しながら、露光ヘッドと記録媒体を載置した露光ステージとを相対的に移動させて走査することにより所定のパターンで露光する際、又は描画ヘッドからインクを記録媒体に噴射しながら、描画ヘッドと記録媒体を載置したステージとを相対的に移動させて画像を形成する際に、ヘッドと記録媒体を載置したステージとを相対的に移動させるときに発生する蛇行等の移動誤差による画像の歪みを補正可能な露光装置、描画方法及び描画装置に関する。
一般に、記録媒体、例えば、プリント配線板(以下、「PWB」という。)やフラット・パネル・ディスプレイ(以下、「FPD」という。)の基板に所定のパターンを露光するためにフラットベッド型の露光装置が用いられている。
このフラットベッド型の露光装置では、露光ステージ上に記録媒体を載置し、この露光ステージを定盤上に設置した摺動レールに沿って移動させることにより記録媒体を主走査方向に移動しながら、露光ヘッドより画像データから生成した変調信号に基づき光源側から出射されたマルチビームを空間変調して記録媒体上に照射することにより露光処理を行う。
このように露光ステージを定盤上に設置した摺動レールに沿って移動させる場合には、露光ステージが移動動作に伴って蛇行し露光ステージに位置ずれが生じるため、露光ステージ上の記録媒体に露光される画像に歪みが生じてしまう。
そこで、従来のフラットベッド型の露光装置では、所定の撮像タイミング毎にCCDカメラにより露光ステージ上に形成したマーキングを撮像して蛇行によって生じた記録ステージ(移動ステージ)のステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを測定し補正データを生成して露光時の描画位置を画像データで補正する画像シフト処理を行うことにより、リアルタイムで記録媒体に露光される画像の歪みを補正する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上述のような従来のフラットベッド型の露光装置では、記録ステージのヨーイング等の影響を抑制するようリアルタイム補正を実行するために、随時記録ステージの変動量を計測し、計測結果に基づいて、補正データを生成して露光時の描画位置を画像データで補正する画像シフト処理を行うための膨大な情報を高速演算する処理等が必要となり補正処理の負荷が大きくなる。
また、従来のリアルタイム補正を行うフラットベッド型の露光装置では、記録ステージを、ベース台に対して、回転支持手段によって記録媒体を載置する載置台を回転可能に支受し、記録ステージを搬送手段によって所定の搬送方向へ搬送するよう構成する。
さらに、このフラットベッド型の露光装置では、搬送手段によって記録ステージのベース台を搬送する際に生じるベース台の記録面垂直軸の回りの回転による載置台の向きの変動を角度変動検出手段により検出する。
そして、このフラットベッド型の露光装置では、角度変動検出手段により検出した角度変動データに基づいて、回転制御手段が載置台を回転させる回転支持手段を制御して載置台の向きの変動をリアルタイムで補償することにより、搬送手段でベース台を搬送するときにベース台にヨーイングが生じても、載置台を記録面垂直軸の回りに回転させて載置台の向きを常に同じ方向に向けることにより、描画位置をリアルタイム補正して搬送におけるヨーイングの影響を抑制して、記録媒体に良好に露光処理する。
また、このリアルタイム補正を行うフラットベッド型の露光装置では、記録ステージに、ベース台に対する載置台の位置を搬送横方向へ移動させる横移動支持手段を装着し、さらに、搬送手段によって記録ステージのベース台を搬送する際に生じる、載置台の搬送横方向への位置変動を検出する横変動検出手段を設置する。
そして、このフラットベッド型の露光装置では、横変動検出手段で検出した載置台の搬送横方向への位置の変動に基づいて、横移動制御手段が横移動支持手段を制御して、載置台の搬送横方向への位置の変動をリアルタイムで補償することにより、記録媒体の搬送におけるヨーイングの影響をさらに抑制し、記録媒体に露光される画像の歪みを補正する手段が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
上述のような従来のフラットベッド型の露光装置では、記録ステージのヨーイング等の影響を抑制するリアルタイム補正を実行するために、随時記録ステージの変動量を計測し、計測結果に基づいて、回転制御手段が載置台を回転させる回転支持手段を制御して載置台の向きの変動をリアルタイムで補償すると共に、横移動制御手段が横移動支持手段を制御して載置台の搬送横方向への位置の変動をリアルタイムで補償する制御動作を行うために膨大な情報の高速演算処理が必要となり、高速演算処理を行える高性能で高価な制御装置を用いなければならなくなる。
さらに、このリアルタイム補正を行うフラットベッド型の露光装置では、記録媒体の大型化につれて大型化し重量物となった記録ステージを高速でかつ高精度で逐次移動調整するために、回転支持手段及び横移動支持手段を、高性能で大きな駆動力を発揮できる大型で高出力の高価なものにしなければならなくなり、補正処理の負荷が大きくなるという問題がある。
特開2005−316411号公報 特開2005−331297号公報
本発明は、上述の点に鑑み、画像が形成される記録媒体を載せるステージが大型化し重量物となっても補正処理の負荷が増大しないようにし、簡素で廉価な手段を用いてステージとヘッドとを相対的に移動させながら記録媒体に高精度な画像を形成する処理ができるようにした露光装置、描画方法及び描画装置を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の露光装置は、記録媒体を載置したステージと、露光ヘッドとを相対的に移動させて走査露光を行う露光装置において、N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回の記録媒体に対する露光処理時に測定したステージと露光ヘッドとの相対的な移動動作時の位置誤差に基づいて制御目標値を設定し、当該制御目標値に基づいてステージと露光ヘッドとを相対的に移動動作させるときの誤差をオープンループ制御して補正しながら露光することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、制御目標値に基づいてステージと露光ヘッドとの相対的な移動動作をオープンループ制御することによって誤差を補正することを特徴とする。
前述のように構成することにより、N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回前の記録媒体に対する露光処理時に測定した誤差の値、例えば2回前から5回前までの位置誤差の平均の値等を制御目標値としてオープンループ制御して補正する場合には、以前の露光処理で位置誤差を検出した時点から、この誤差を制御目標値としてオープンループ制御して補正する動作を開始するまでに余裕があるので、画像情報を高速処理する装置又は重量物である移動ステージ等を早い応答性で動作させる高速操作用の高価な移動操作装置等を用いること無く一般の廉価な装置によってオープンループ制御による補正動作を行わせるように構成し、記録媒体に高精度な画像を形成するように走査露光処理できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の露光装置において、露光ヘッドによって記録媒体に露光する動作中に、外乱等によって生じたステージと露光ヘッドとの間における走査方向の相対的な誤差の変位量成分をリアルタイムで測定し、このリアルタイムに測定された走査方向の変位量に基づいて、オープンループ制御による補正に重畳して、ステージと露光ヘッドとの間の走査方向に対する誤差の補正をしながら露光処理を行うことを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用、効果に加えて、この露光装置では、短期間の再現性がある誤差の補正をしながら露光処理している状態で、短期間の再現性が無い誤差を生じた場合に、リアルタイムで移動ステージと露光ヘッドとの間で相対的に走査方向に微調整する動作を重畳して、誤差を補正できるので、微調整が可能な程の比較的簡素で廉価な補正手段によりリアルタイムで短期間の再現性が無い誤差を補正できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の露光装置において、露光ヘッドによって記録媒体に露光する動作中に、外乱等によって生じた移動ステージと露光ヘッドとの間における走査方向に直交する方向の相対的な誤差の変位量成分をリアルタイムで測定し、このリアルタイムに測定された走査方向に直交する方向の変位量に基づいて、オープンループ制御による補正に重畳して、移動ステージと露光ヘッドとの間における走査方向と直交する方向に対する誤差の補正をしながら露光処理を行うことを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明の作用、効果に加えて、この露光装置では、短期間の再現性がある誤差の補正をしながら露光処理している状態で、短期間の再現性が無い誤差を生じた場合に、リアルタイムで移動ステージと露光ヘッドとの間で相対的に走査方向に直交する方向に微調整する動作を重畳して誤差を補正できるので、微調整が可能な程の比較的簡素で廉価な機械的補正手段によりリアルタイムで短期間の再現性が無い誤差を補正できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の露光装置に記載の露光装置において、露光ヘッドによって記録媒体に露光する動作中に、外乱等によって生じた移動ステージと露光ヘッドとの間における、記録媒体の平面中心を通り平面と直交する方向に貫通する中心線と一致する記録面垂直軸の回りの角度変動量をリアルタイムで測定し、このリアルタイムに測定された記録面垂直軸の回りの角度変動量に基づいて、オープンループ制御による補正に重畳して、移動ステージと露光ヘッドとの間における記録面垂直軸の回りの角度変動に対する誤差の補正をしながら露光処理を行うことを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明の作用、効果に加えて、この露光装置では、短期間の再現性がある誤差の補正をしながら露光処理している状態で、短期間の再現性が無い誤差を生じた場合に、リアルタイムで移動ステージと露光ヘッドとの間で相対的に記録面垂直軸の回りの角度変動に対する誤差を打ち消す方向に微調整する動作を重畳することにより、この誤差を補正できるので、微調整が可能な程の比較的簡素で廉価な機械的補正手段によりリアルタイムで短期間の再現性が無い誤差を補正できる。
本発明の請求項6に記載の描画方法は、記録媒体を載置したステージと、描画ヘッドとを相対的に移動させてパターンを描画する描画方法において、N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回の、記録媒体に対してパターンを描画するときに測定したステージと描画ヘッドとの相対的な移動動作時の位置誤差に基づいて制御目標値を設定し、当該制御目標値に基づいてステージと描画ヘッドとを相対的に移動動作させるときの誤差をオープンループ制御して補正しながらパターンを描画することを特徴とする。
上述の描画方法によれば、N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回前の記録媒体に対する描画処理時に測定した誤差の値、例えば2回前から5回前までの位置誤差の平均の値等を制御目標値としてオープンループ制御して補正するため、以前の描画処理で位置誤差を検出した時点から、この誤差を制御目標値としてオープンループ制御して補正する動作を開始するまでに余裕があるので、画像情報を高速処理したり重量物である移動ステージ等を早い応答性で動作させる必要がない簡易なオープンループ制御によって補正動作を行わせて描画処理できる。
本発明の請求項7に記載の描画装置は、記録媒体を載置したステージと、描画ヘッドとを相対的に移動させてパターンを描画する描画装置において、N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回の、記録媒体に対してパターンを描画するときに測定したステージと描画ヘッドとの相対的な移動動作時の位置誤差を記憶する記憶メモリと、記憶メモリから読み出した所要の位置誤差の値に基づいて制御目標値を設定し、当該制御目標値に基づいてステージと描画ヘッドとを相対的に移動動作させるときの誤差をオープンループ制御して補正しながらパターンを描画する制御部と、を有することを特徴とする。
上述のように構成することにより、N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回前の記録媒体に対する描画処理時に測定した誤差の値、例えば2回前から5回前までの位置誤差の平均の値等を制御目標値としてオープンループ制御して補正する場合には、以前の描画処理で位置誤差を検出した時点から、この誤差を制御目標値としてオープンループ制御して補正する動作を開始するまでに余裕があるので、画像情報を高速処理する装置又は重量物である移動ステージ等を早い応答性で動作させる高速操作用の高価な移動操作装置等を用いること無く一般の廉価な装置によってオープンループ制御による補正動作を行わせるように構成し、記録媒体に高精度で描画して画像を形成できる。
本発明の露光装置、描画方法及び描画装置によれば、画像が形成される記録媒体を載せるステージが大型化し重量物となっても補正処理の負荷が増大しないようにし簡素で廉価な手段を用いて、ステージとヘッドとを相対的に移動させながら記録媒体に高精度な画像を形成するように画像形成のための処理ができるという効果がある。
本発明の露光装置、描画方法及び描画装置に関する実施の形態について、図1乃至図9を参照しながら説明する。
図1の概略斜視図に示すように、本実施の形態に係る露光装置10は、制御手段としての制御部で駆動制御されるいわゆるフラットベッド型のマルチビーム露光装置として構成する。この露光装置10は、移動ステージ14の平面上にFPD基板素材等である記録媒体12を吸着して保持し、この移動ステージ14により記録媒体12を主走査方向に移動しながら、スキャナ24に設置した複数の露光ヘッド30により、制御ユニットで画像データから生成した変調信号に基づきレーザー光源(レーザー光源等)側から出射されたマルチビームを空間変調して記録媒体12上に照射することにより露光処理を行うように構成する。
なお、記録媒体12は、プリント基板作成用の感光材料層を有する基板、あるいは液晶表示器やプラズマ表示器等のディスプレイ用基板作成用の感光材料層を有する基板材等とすることができる。
この露光装置10では、4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面に、ステージ移動方向に沿って延びた2本の転動体を用いたリニアガイド装置20を設置する。移動ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置すると共に、一般に用いられているレールとブロックとにそれぞれ研削加工された複数条列の転動面を多数のボールが転動しながらボール列を循環させる、転動体を用いたリニアガイド装置20によって往復移動可能に支受する。
この露光装置10は、移動ステージ14をステージ移動方向(主走査方向)に移動させるリニアモータ等の移動機構(図示省略)と、移動ステージ14の移動にともなってパルス信号を出力するリニアエンコーダ(図示省略)とを備え、リニアエンコーダのパルス信号を検出することにより移動ステージ14の位置情報および走査速度を検出可能に構成する。
この移動ステージ14の上面には、記録媒体12を位置決めして配置できるように構成する。さらに、移動ステージ14の移動状態を検出するため必要に応じて、移動ステージ14上面の記録媒体12の一方の脇には、Y方向に沿って所定の間隔(本実施形態では、50.0mm間隔)毎にマーキング13を形成する。
この露光装置10では、設置台18の中央部に、移動ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22を設ける。このゲート22は、コの字状の両端部を、それぞれ対応する設置台18の両側面に固定して配置する。
このゲート22には、一方の側にスキャナ24を配置し、他方の側に記録媒体12の先端および後端と、移動ステージ14上にあるマーキング13とを撮像するための複数のカメラ26を配置する。これらスキャナ24とカメラ26とは、ゲート22に各々取り付けて、移動ステージ14の移動経路の上方に位置するよう固定配置する。
スキャナ24は、図2および図4に示すように、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッド30(30A〜30J)を備える。
各露光ヘッド30の内部には、図示しないが、入射された光ビームを空間変調する空間光変調素子(SLM)である市販のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を装着する。
このDMDは、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーであるマイクロミラーを格子状に配列したミラーデバイスとして全体がモノリシック(一体型)に構成されている。
各ピクセルの最上部に配設されるマイクロミラーの表面には、アルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。また、各マイクロミラーの下面中央には、支柱が突設されている。
このDMDは、各ピクセルに対応して、通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル上にそれぞれ設けられたヒンジに、マイクロミラーに突設された支柱の基端部を取り付けて、ヒンジを軸としてマイクロミラーを対角線方向に、±10度程度傾斜可能に装着して構成する。
このDMDでは、SRAMセル上のマイクロミラーが傾斜する対角線方向の両端部にそれぞれ構成された各ミラー アドレス エレクトロード(Mirror Address Electrode)の一方側又は他方側に蓄えた電荷による静電気力を利用して、マイクロミラーがオン状態である+10度に傾いた状態又はマイクロミラーがオフ状態である−10度に傾いた状態に駆動制御可能に構成されている。
このように構成されたDMDでは、SRAMセルにデジタル信号が書き込まれると、画像信号に応じて、DMDの各ピクセルにおけるマイクロミラーが、それぞれ対角線を中心としてDMDが配置された基板側に対してオン状態である+10度に傾いた状態又はオフ状態である−10度に傾いた状態となるように制御され、光源側からDMDに入射された光をそれぞれのマイクロミラーの傾き方向へ反射させる。
このオン状態のマイクロミラーにより反射された光は露光状態に変調され、DMDの光出射側に設けられた投影光学系により記録媒体上へ結像される。またオフ状態のマイクロミラーにより反射された光は非露光状態に変調され、光吸収体に入射する。
このようなDMDを備えた各露光ヘッド30は、その露光エリア32(32A〜32J)が走査方向に対して傾斜した矩形状(平行四辺形状でも良い)のエリアとなるように配置する。そして、移動ステージ14の移動に伴い、所要のタイミングで各露光ヘッド30から記録媒体12上へ変調された光ビームを照射することによって、図3に示すように、露光ヘッド30ごとの帯状の露光済み領域34を形成する。この帯状の露光済み領域34は、DMDの2次元配列されたマイクロミラーに対応したドットによって形成される。
また、上述のようにDMDを走査方向に対して傾斜して配置することによって、走査方向に直交する方向に並ぶ露光点の間隔をより狭くすることができ、高解像度化を図ることができる。
また、図3に示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔ずらして配置されている。このため、たとえば、1行目の最も左側に位置する露光エリア32A、露光エリア32Aの右隣に位置する露光エリア32Cとの間の露光できない部分は、2行目の最も左側に位置する露光エリア32Bにより露光される。同様に、露光エリア32Bと、露光エリア32Bの右隣に位置する露光エリア32Dとの間の露光できない部分は、露光エリア32Cにより露光される。
また、この露光装置10には、ステージ姿勢測定部70として、移動ステージ14の移動誤差の状態を検出するため必要に応じて、図4に示すように、X方向(走査方向に直交する方向)についての移動ステージ14の位置情報を測定するX方向位置情報測定部50と、Y方向(走査方向)についての移動ステージ14の位置情報を測定するY方向位置情報測定部52とを設置する。
このX方向位置情報測定部50は、移動ステージ14における走査方向に延びる側面に側面ミラー50Aを設置し、この側面ミラー50Aにレーザ光を射出するとともにその反射光を検出して側面ミラー50Aまでの距離を測定するX方向レーザ測長部50Bを設置して構成する。
なお、図4のX方向位置情報測定部50においては、X方向レーザ測長部50Bを1つ設けた構成を図示しているが、実際には、走査露光中における移動ステージ14のX方向の変位量を検出するために十分な数のX方向レーザ測長部50Bを設けるものとする。また、このX方向位置情報測定部50は、X方向レーザ測長部50Bを1つだけ設け、側面ミラー50Aの長さを移動ステージ14の変位量を求めるために十分な長さとするように構成してもよい。
また、Y方向位置情報測定部52は、移動ステージ14の走査方向(移動方向)に直交する方向に延びる側面上の所定2箇所にキューブミラー52A,52Bを設置し、この一方のキューブミラー52Aにレーザ光を射出するとともにその反射光を検出してキューブミラー52Aまでの距離を測定する第1のY方向レーザ測長部52Cを設置し、他方のキューブミラー52Bにレーザ光を射出するとともにその反射光を検出してキューブミラー52Bまでの距離を測定する第2のY方向レーザ測長部52Dを設置して構成する。
また、このステージ姿勢測定部70は、X方向位置情報測定部50により測定された位置情報とY方向位置情報測定部52により測定された位置情報とに基づいて、移動ステージ14のX方向およびY方向についてのリアルタイム変位量と回転量とを求めるステージ姿勢演算部73を備える。
次に、上述した露光装置の電気的構成について説明する。
この露光装置10は、図5に示すように、露光すべき露光画像を表す露光画像データが入力される露光画像データ入力部40と、露光画像データ入力部40に入力された露光画像データを、露光ヘッド30毎の分割露光画像データに分割する露光画像データ分割部41と、露光画像データ分割部41により分割された各露光ヘッド30の分割露光画像データをそれぞれ記憶する分割画像記憶メモリ42と、分割画像記憶メモリ42に記憶された各分割露光画像データに対しシフト処理を施す画像シフト処理部43と、画像シフト処理部43によってシフト処理の施された各分割露光画像データをDMD36の各マイクロミラーのビーム位置に対応したドットパターンからなるフレームデータに変換するドットパターン変換部44と、ドットパターン変換部44により変換された各露光ヘッド30のフレームデータと後述するリセットタイミング算出部95において算出されたリセットタイミングに基づいて各露光ヘッド30の各DMD36に制御信号を出力する露光ヘッド制御部45とを備えている。なお、リセットタイミングとは、露光ヘッド制御部45から露光ヘッド30のDMD36に制御信号が出力されるタイミングであって、このタイミングでDMD36におけるデータが書き換えられ、DMD36のマイクロミラーの状態が切り替わるものである。
この露光装置10では、移動ステージ14と露光ヘッド30とを相対的に移動して、移動ステージ14上の記録媒体12に走査露光を行う際に生じる、図4に例示するようなヨーイング補正、真直誤差補正、送り位置誤差補正を行うように構成する。
また、露光装置10には、後述するステージ姿勢測定部70によって1回前の記録媒体12に対する露光処理時に測定された測定情報に基づいて、移動ステージ14の1回前の記録媒体12に対する露光処理時の変位量を算出する露光処理時の変位量算出部80を設ける。
この露光処理時の変位量算出部80は、ステージ姿勢測定部70により求められたX方向についての1回前の露光処理時の変位量と回転量とに基づいて、各露光ヘッド30に対する移動ステージ14のX方向についての1回前の露光処理時の変位量を算出するX方向変位量算出部81と、ステージ姿勢測定部70により求められたY方向についてのリアルタイム変位量と回転量とに基づいて、各露光ヘッド30に対する移動ステージ14のY方向についてのリアルタイム変位量を算出し、そのリアルタイム変位量に基づいて各露光ヘッド30のリセットタイミングのパルス補正数を算出するリセットタイミング補正量算出部82とを備えている。
この露光処理時の変位量算出部80は、X方向変位量算出部81で算出された1回前の露光処理時の変位量を、露光処理を行う度に更新しながらX方向位置情報測定部50に記憶させる。
さらに、この露光処理時の変位量算出部80は、前述したリセットタイミング算出部95で1回前の記録媒体12に対する露光処理時に算出されたY方向についての移動ステージ14の変位量に基づいて求められた、パルス補正数を、露光処理を行う度に更新しながらパルス補正数メモリ60に記憶させる。
このリセットタイミング算出部95は、露光処理時の変位量算出部80により算出されたY方向についての移動ステージ14のリアルタイム変位量に応じたパルス補正数と、パルス補正数メモリ60に対して1回前の露光処理時に記憶されたパルス補正数とに基づいて、各露光ヘッド30のリセットタイミングを算出する機能を備える。
また、この露光装置10は、露光装置全体を制御するコントローラ(図示省略)を備える。
次に、上述のように構成した露光装置10の作用について説明する。
この露光装置10では、少なくとも1回前の記録媒体12に対する露光処理時に測定した記録媒体12を搬送する移動ステージ14の移動動作時の位置誤差を制御目標値として(1回前からN回前の露光時の移動ステージ14の位置誤差を平均したデータを制御目標値とし、又はN回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回前の記録媒体に対する露光処理時に測定した誤差の値、例えば2回前から5回前までの位置誤差の平均の値等を制御目標値としても良い)、移動ステージ14の移動動作に起因する誤差をオープンループ制御して補正しながら露光すると共に、記録媒体12上への露光中に、外乱等によって生じた移動ステージ14の変位量をリアルタイムに測定し、このリアルタイムに測定された変位量を、移動ステージ14のオープンループ制御による補正に加味して、記録媒体12上の所要位置に所定の露光画像が露光されるように露光処理を行う。
この露光装置10では、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に移動ステージ14の変位量を測定する。この露光装置10では、露光処理時に移動ステージ14を、移動機構により図1に示す位置から上流側へ移動する。なお、ここで上流側とは、図1に向かって右側(ゲート22に対してスキャナ24が設置されている側)であり、下流側とは、図1に向かって左側(ゲート22に対してカメラ26が設置されている側)を言うものとする。
この露光装置10では、移動ステージ14を上流側端部まで移動した後、記録媒体12に対する露光処理のため、下流側に所望の一定速度で移動する。このとき露光装置10では、移動ステージ14の移動にともなって、リニアエンコーダからパルス信号が出力されコントローラに入力される。
この露光装置10では、コントローラが、リニアエンコーダからのパルス信号をカウントし、1000000パルスをカウントする毎にカメラ26に制御信号を出力し、カメラ26によって移動ステージ14上に設けられたマーキング13を撮像する。なお、ここで用いるリニアエンコーダは、移動ステージ14が0.1μm移動する毎にパルス信号を出力することとし、調整分解能を上げるため、0.1μmピッチのパルスを2逓倍し、0.05μmピッチのパルス信号を出力するよう構成する。
したがって、この露光装置10では、に1000000パルス毎にカメラ26によりマーキング13を撮像することによってマーキング13の間隔に応じた撮像が可能となる(0.05μm/1パルス×1000000パルス=50mm)。
この露光装置10では、カメラ26によってマーキング13を撮像した撮像画像データがコントローラに出力されると、コントローラが入力された撮像画像データに基づいて移動ステージ14のX方向についての変位量を求める。
すなわちコントローラは、カメラ26によって撮像された撮像画像におけるマーキング画像のX方向についての位置が、予め設定されたX方向基準線からの位置からずれているときのずれ量を求めることによってマーキング13のX方向についての変位量を求める。なお、マーキング画像の位置ずれ量は、たとえば、マーキング画像の重心のX方向基準線からのずれ量として求めても良い。
この露光装置10のコントローラでは、カメラ26によって撮像した各マーキング13の撮像画像データに基づいて、各マーキング13の変位量を順次取得する。そして、この露光装置10のコントローラでは、各マーキング13の変位量をプロットし補間することによって蛇行曲線が求める。
そして、この露光装置10では、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に求めた蛇行曲線を、X方向変位量記憶メモリ62に記憶させる。
また、この露光装置10のコントローラは、マーキング13の撮像画像データに基づいて移動ステージ14のY方向についての変位量を求める。
具体的に言うと、露光装置10のコントローラは、カメラ26によって撮像された撮像画像におけるマーキング画像のY方向についての位置が、予め設定されたY方向基準線からの位置からずれているときのずれ量を求めることによってマーキング13のY方向についての変位量を求める。なお、マーキング画像の位置ずれ量は、たとえば、マーキング画像の重心のY方向基準線からのずれ量として求めても良い。
そして、この露光装置10では、上述のようにして求めた各マーキング画像の位置ずれ量がそれ以前に撮像されたマーキング画像の位置ずれ量に対し、どれだけずれが増減したかが求められ、その増減した位置ずれ量を補正するために必要なリニアエンコーダによる2逓倍のパルス数を算出する。
例えば、この露光装置10では、50mmの位置にあるマーキング13を撮像した場合に+4.5μmの位置ずれ量が算出され、100mmの位置にあるマーキング13を撮像した場合に+5.3μmの位置ずれ量が算出された場合に、50mm〜100mmの区間に5.5μm−4.5μm=0.8μmだけが大きくなっているとすると、50mm〜100mmの区間の移動ステージ14の変位量が0.8μmということになる。
そこで、この露光装置10のリニアエンコーダでは、0.05μm移動する毎に2逓倍されたパルスが検出されるため、0.8μm/0.05μm=16パルス分減らす補正を行うことにより50〜100mm区間の間に生じたY方向の変位量を補正することができることになる。
上述のようにしてこの露光装置10では、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に求めた各マーキング画像のY方向についての位置ずれ量に基づき、マーキング13の区間毎について移動ステージ14の変位量に応じたパルス補正数を求めてテーブルとし、このパルス補正数のテーブルをパルス補正数メモリ60に記憶させる。なお、パルス補正数のテーブルは、マーキング13を撮像したカメラ26のX方向についての位置情報と各露光ヘッド30の位置情報とに基づいて、その相対的な位置関係に対応して補正され、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に求められた露光ヘッド30毎のパルス補正数のテーブルが、パルス補正数メモリ60に記憶される。
また、この露光装置10では、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に求める移動ステージ14のX方向についての変位量と、今回の記録媒体12に対する露光中における移動ステージ14のリアルタイムのY方向の変位量を測定する他の手段について説明する。
この変位量を測定する他の手段では、移動ステージ14を図1に示す位置から上流側に移動し、上流側端部まで移動した後、所望の一定速度で下流側に移動する。そして、移動ステージ14の下流側への移動にともなって、各露光ヘッド30により記録媒体12上への露光が開始するとともに、その露光中における移動ステージ14のリアルタイムの変位量を測定する。
この露光装置10では、移動ステージ14を下流側へ移動するとともに、図4に示す第1のY方向レーザ測長部52Cと第2のY方向レーザ測長部52Dからそれぞれキューブミラー52A,52Bにレーザ光が射出され、X方向レーザ測長部50Bから側面ミラー50Aにレーザ光が射出される。
そして、第1および第2のY方向レーザ測長部52C、52Dから射出されたレーザ光は、キューブミラー52A,52Bにより反射され、その反射光がそれぞれ第1および第2のY方向レーザ測長部52C、52Dにより検出されてキューブミラー52A,52Bまでの距離がそれぞれ測定される。また、X方向レーザ測長部50Bから射出されたレーザ光は側面ミラー50Aにより反射され、その反射光がX方向レーザ測長部50Bにより検出されて側面ミラー50Aまでの距離が測定される。
そして、その測定結果がステージ姿勢演算部73に出力され、ステージ姿勢演算部73において、X方向レーザ測定部50Bの測定結果に基づいて移動ステージ14のX方向についての位置情報X1が測定され、Y方向レーザ測長部52Cの測定結果に基づいて移動ステージ14のY方向についての位置情報Y1,Y2がそれぞれ測定される。
またステージ姿勢演算部73には、移動ステージ14が理想的に移動した場合の基準となる位置情報を予め設定しておき、その位置情報と上述のようにして取得された位置情報X,Y1,Y2とに基づいて、移動ステージ14のX方向についてのリアルタイム変位量Xと、Y方向についてのリアルタイム変位量Yと、移動ステージ14の回転量θが求められる。
なお、X方向についてのリアルタイム変位量X、Y方向についてのリアルタイム変位量Yおよび回転量θの取得は、たとえば、露光ヘッド制御部45から露光ヘッド30にリセットタイミングが出力される、予め設定されたパルス数毎に行うようにすればよい。
そして、移動ステージ14が移動するとともに、リアルタイム変位量X,Yおよび回転量θが上述のようにして順次求められ、Y方向についてのリアルタイム変位量Yと回転量θとがリセットタイミング補正量算出部82に出力され、X方向についてのリアルタイム変位量Xと回転量θとがX方向変位量算出部81に出力される。
そして、リセットタイミング補正量算出部82においては、順次入力されるY方向についてのリアルタイム変位量Yと回転量θに基づいて、各露光ヘッド30に対する移動ステージ14のリアルタイム変位量Y1〜YNが順次求められる。なお、上記リアルタイム変位量Y1〜YNは、露光ヘッド30毎の移動ステージ14に対する位置情報と移動ステージ14のリアルタイム変位量Yおよび回転量θとに基づいて求められるものである。
そして、露光ヘッド30毎のリアルタイム変位量Y1〜YNに基づいて、各露光ヘッド30について、上述と同様にして、パルス補正数が順次算出され、その各露光ヘッド30についてのパルス補正数が順次リセットタイミング算出部95に出力される。
一方、X方向変位量算出部81においては、順次入力されるX方向についてのリアルタイム変位量Xと回転量θに基づいて、各露光ヘッド30に対する移動ステージ14のリアルタイム変位量X1〜XNが順次求められる。なお、上述のリアルタイム変位量X1〜XNは、露光ヘッド30毎の移動ステージ14に対する位置情報と移動ステージ14のリアルタイム変位量Xおよび回転量θとに基づいて求められるものである。
そして、今回の記録媒体12に対する露光処理時に順次求められた各露光ヘッド30毎のリアルタイム変位量X1〜XNは、X方向変位量記憶メモリ62に順次出力され、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に求めた変位量X1〜XNと区別して記憶される。
次に、X方向変位量記憶メモリ62に記憶された1回前の記録媒体12に対する露光処理時に求めた各露光ヘッド30に対する移動ステージ14の変位量X1〜XN(又は蛇行曲線)に基づいて、各露光ヘッド30のX方向についての露光位置を補正するとともに、リセットタイミング補正量算出部82において算出されたパルス補正数とパルス補正数メモリ60に記憶されたパルス補正数とに基づいて、各露光ヘッド30のリセットタイミングを制御することによって、記録媒体12上の所要位置に露光画像を露光する方法について図5により説明する。
まず、この露光装置10では、露光画像データ入力部40に記録媒体12上に露光すべき露光画像を表す露光画像データが入力される。そして、その露光画像データは露光画像データ入力部40から露光画像データ分割部41に出力される。
この露光画像データ分割部41は、入力された露光画像データを、露光ヘッド30毎の分割露光画像データに分割し、その露光ヘッド30毎の分割露光画像データをそれぞれ分割画像記憶メモリ42に記憶する。
次に、この露光装置10では、記録媒体12が設置された移動ステージ14を上流側から下流側に向けて所望の一定速度により移動する。そして、カメラ26により記録媒体12の先端が検出されると所定のリセットタイミングにより各露光ヘッド30により記録媒体12への露光が開始されるが、このとき、以下のような処理が行われる。
記録媒体12の先端が検出されると、画像シフト処理部43は分割画像記憶メモリ42から移動ステージ14に対する各露光ヘッド30の位置に応じた分割露光画像データを読み出し、露光ヘッド30毎に読み出された分割露光画像データに対しそれぞれシフト処理を行う。
具体的には、X方向変位量記憶メモリ62に記憶されている1回前の記録媒体12に対する露光処理時に求めた各露光ヘッド30に対する移動ステージ14の変位量X1〜XN(又は蛇行曲線)に基づいて、移動ステージ14の位置(本実施形態においては40パルス×0.05μm=0.2μm)毎のX方向についての移動ステージ14の変位量を求め、その変位量を画像シフト処理部43にそれぞれ出力する。
この画像シフト処理部43は、入力された各露光ヘッド30の分割露光画像データに対し、露光ヘッド30毎の移動ステージ14の変位量に基づいてシフト処理を施す。
より具体的には、画像シフト処理部43は、入力された分割露光画像データに対し、移動ステージ14の変位量の幅に対応したマージン画像データを付加し、そのマージン画像データの付加された分割画像データに対し、移動ステージ14の変位量に基づいてシフト処理を施し、そのシフト処理の施された分割露光画像データに対し、つなぎ目位置でのトリミング処理を施し、そのトリミング処理の施された分割露光画像データをドットパターン変換部44に出力する。
このドットパターン変換部44は、シフト処理の施された各露光ヘッド30毎の分割露光画像データから、各露光ヘッド30における各DMD36のマイクロミラーのビーム位置に対応する露光点データを取り出し、その露光点データからなるフレームデータを生成する。
なお、露光画像データ入力部40に記録媒体12上に露光すべき露光画像を表す露光画像データが入力されてから、ドットパターン変換部44でフレームデータを生成するまでの処理は、1回前の記録媒体12に対する露光処理の終了時から今回の記録媒体12に対する露光処理開始までの時間を利用して予め行っておくことができる。
次に、露光ヘッド制御部45は、以下のようにしてリセットタイミング算出部95において求められたリセットタイミングで、ドットパターン変換部44で生成されたフレームデータに基づく制御信号を各露光ヘッド30の各DMD36に出力する。
このリセットタイミング算出部95では、リニアエンコーダから出力されるパルス信号が40パルス数カウントされる毎にリセットタイミングを各露光ヘッド30に出力するよう予め設定されている。つまり、移動ステージ14が2.0μm移動する毎にリセットタイミングが1回出力されるように予め設定されている。
そして、この予め設定された40パルス数を、パルス補正数メモリ60に記憶されたパルス補正数と、リセットタイミング補正量算出部82において求められたパルス補正数とに基づいて増減させることによってリセットタイミングを露光ヘッド30毎に制御し、記録媒体12上のY方向についての所要位置に所定の露光画像を露光する。
具体的には、例えば、50mm〜100mmの区間におけるリセットタイミングを算出する場合に、パルス補正数メモリ60に記憶されたテーブルに基づいて、各露光ヘッド30について、それぞれ50mm〜100mmの区間におけるパルス補正数を読み出す。
次に、50mm〜100mmの区間におけるパルス補正数が−16である場合には、50mm〜100mmの区間の間に、リセットタイミングが1000000パルス/40パルス=25000回あるので、この25000回のリセットタイミングの中の16回の所定のリセットタイミングについて40パルスから39パルスに補正する。
さらに、リセットタイミング補正量算出部82において算出されたパルス補正数に基づいてリセットタイミングを出力するパルス数を補正する。具体的には、リセットタイミング補正量算出部82において、各露光ヘッド30について、40パルス数毎に求められたパルス補正数がリセットタイミング算出部95に出力され、補正されたパルス数に対し、さらにリセットタイミング補正量算出部82において算出されたパルス補正数分だけ増減され、その増減されたパルス数に応じたタイミングでリセットタイミングが露光ヘッド制御部45毎に出力される。
そして、移動ステージ14の移動に伴って、補正された各露光ヘッド制御部45のパルス数毎に、リセットタイミング算出部95から各露光ヘッド制御部45にリセットタイミングが出力され、各露光ヘッド制御部45はそのリセットタイミングに応じて制御信号を各露光ヘッド30のDMD36に出力する。
そして、各DMD36は、各露光ヘッド制御部45から出力された制御信号に基づいてマイクロミラーをON/OFFさせ、記録媒体12上に露光画像を露光する。
図8に、上述のようにして露光ヘッド30毎に分割露光画像データにシフト処理を施すとともに、そのリセットタイミングを制御した場合の露光画像の一例を示す。なお、図8における濃い部分がシフト処理およびリセットタイミングの制御を行わなかった場合における露光画像の位置を示し、薄い部分がシフト処理およびリセットタイミングの制御を行った場合における露光画像の位置を示している。
次に、記録媒体12上の後端がカメラ26により撮像された時点で露光処理が終了し、再び、移動ステージ14が上流側端部まで移動する。
上述したように、この露光装置10では、記録媒体12を載せる移動ステージ14の位置を、マーキング13及びカメラ26又はX方向位置情報測定部50及びY方向位置情報測定部52等で測定し、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に測定したX方向についての移動ステージ14の変位量の測定データを用いてオープンループで画像位置制御を行うことで、X方向についての高速・高精度のリアルタイム制御を使うことなく良好な画像を形成することができる。
また、この露光装置10では、図示しないが、パルス数メモリに1回前の記録媒体12に対する露光処理時にリセットタイミング算出部95において求められたリセットタイミングを記憶させておき、今回の記録媒体12に対する露光処理時にパルス数メモリから読み出した1回前の露光処理時のリセットタイミングで露光ヘッド30毎に制御し、記録媒体12上のY方向についての所要位置に所定の露光画像を露光するように構成しても良い。
このように1回前の記録媒体12に対する露光処理時に測定した移動ステージ14の変位量の測定データを用いてオープンループで画像位置制御を行う場合には、短期間の再現性がある、転動体を用いたリニアガイド装置20の歪みにより移動ステージ14が蛇行して生じる誤差と、経時変化により転動体を用いたリニアガイド装置20のガイド形状が変化して蛇行を生じる誤差とを、1回前の露光時の移動ステージ14の位置誤差を制御目標値として、画像処理により露光するデータを移動ステージ14の位置誤差を補正するように変形させて露光することにより良好に補正することができる。
また、この露光装置10においては、Y方向についてのリアルタイム変位量に基づいてリセットタイミングを制御することによって露光画像の露光位置を補正する場合には、露光装置10の設置環境からの振動による一時的な位置ずれに対しても補正処理を施すことができ、より高精度な露光画像の位置合わせを行うことができる。さらに、例えば、露光画像データに対し、Y方向に対応する方向についてシフト処理を施して補正する場合と比較すると、露光画像データの解像度に制約を受けることなく、高分解能な補正を行うことができる。
次に、前述のように構成した露光装置10において、移動ステージ14のX方向についてのリアルタイム変位量に応じた補正を行う手段について説明する。
この場合には、図9に示すように、各露光ヘッド30に、ガラスなどから形成された平行平板100を設置する。この平行平板100は、露光ヘッド30の光軸に対して直交し、Y方向に平行な軸回りに回転可能に支持して構成する。
そして、平行平板100のX方向についての一方の端部には、板バネ101を設け、その板バネ101の一端を露光装置10の筐体の一部に固定する。また、板バネ101には、歪ゲージ102を設け、平行平板100の他方の端部にはピエゾアクチュエータ103を装着して光学系を構成する。
このピエゾアクチュエータ103は、入力された制御信号と歪ゲージ102による出力結果に基づいて図9(B)に示す矢印A方向に伸縮し、ピエゾアクチュエータ103が矢印A方向に伸縮することにより平行平板100が矢印B方向に回動する。
この平行平板100を装着した露光ヘッド30は、ピエゾアクチュエータ103により、平行平板100を矢印B方向に回動させることによって、露光ヘッド30から射出されたレーザ光のX方向についての記録媒体12上への照射位置を、図9(B)に点線で示すように移動制御させることができる。
この露光装置10では、露光ヘッド30毎に求められたリアルタイム変位量X1〜XNに基づいて、各露光ヘッド30に、このリアルタイム変位量X1〜XNに応じたピエゾアクチュエータ103の制御信号を生成し、この生成した制御信号で各ピエゾアクチュエータ103を伸縮制御することによって、露光ヘッド3から射出されたレーザ光をリアルタイム変位量X1〜XNに応じた量だけX方向について移動させる。
これにより、この露光装置10では、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に測定した移動ステージ14の変位量の測定データを用いてオープンループで画像位置制御を行っている露光画像の露光処理中に、記録媒体12および露光ヘッド30の相対的な位置ずれを移動ステージ14のリアルタイム変位量として取得し、その取得したリアルタイム変位量に基づいて、露光ヘッド30の露光点の形成位置を上乗せして補正するようにしたので、たとえば、設置環境からの振動の影響などによって、記録媒体12および露光ヘッド30の相対的な位置が一時的にずれた場合においても、その位置ずれ応じて微少量移動操作するだけでリアルタイムに露光点の形成位置を補正でき、記録媒体12上の所要の位置に露光画像を正確に露光することができ、振動による画像品質の劣化を抑制することができる。
また、この露光装置10で平行平板100等の光学系を用いてX方向についての補正を行うようにした場合には、露光画像データの解像度に制約を受けることなく、高分解能な補正を行うことができる。
また、前述した実施の形態においては、各露光ヘッド30のリセットタイミングを制御することにより移動ステージ14のY方向についての変位量を補正するようにしたが、Y方向についての変位量に応じて分割露光画像データに対し、Y方向についてのシフト処理を施すようにしてもよい。
次に、前述のように構成した露光装置10において、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に測定した記録媒体12を搬送する移動ステージ14の移動動作時の位置誤差を制御目標値として(1回前からN回前の露光時の移動ステージ14の位置誤差を平均したデータを制御目標値としても良い)、移動ステージ14の移動動作をオープンループ制御して補正しながら露光する際中に、外乱等によって生じた移動ステージ14の変位量をリアルタイムに測定し、このリアルタイムに測定された変位量を、移動ステージ14のオープンループ制御による補正に加味して、走査方向に直交する方向であるX方向に対する位置変動と、移動ステージ14上に載置された記録媒体12の平面中心を通り記録媒体12の平面と直交する方向に貫通する中心線と一致する記録面垂直軸Kの回りの角度変動とをリアルタイムで微調整する補正を行う手段について、図6及び図7により説明する。
このX方向のリアルタイム位置変動と、記録面垂直軸Kの回りリアルタイム角度変動とを微調整する補正を行う手段を備えた露光装置10では、記録媒体12を載置する移動ステージ14と、移動ステージ14を、この移動ステージ14に載置した記録媒体12の記録面に対して垂直な記録面垂直軸Kの回りに回転可能に支持する回転支持部121を有するベース台120と、ベース台120を搬送方向(図中に矢印Yで示す走査方向)へ搬送する転動体を用いたリニアガイド装置20と、この転動体を用いたリニアガイド装置20によるベース台120の搬送で生じるこのベース台120の記録面垂直軸Kの回りの回転による移動ステージ14の向きの変動を、回転支持部121により移動ステージ14を回転させて補償するリアルタイム微動用の回転補償手段150とを備える。
この露光装置10は、ベース台120に対する移動ステージ14の位置を搬送横方向へ移動させる横移動支持部140と、リニアガイド装置20によるベース台120の搬送によって生じる、記録媒体12の記録面に平行で搬送方向に対して直交する搬送横方向(図中矢印X方向)への移動ステージ14の位置の変動を補償するリアルタイム微動用の位置補償手段160とを備える。
この露光装置10における回転支持部121は、ベース台120のベース部129上に配設された、回転軸121Bを有するダイレクトドライブモータ121Cと、後述するクロスローラテーブル141を上部に固定し、回転軸121Bに接続された回転受部121Aとを有する。
この露光装置10では、ダイレクトドライブモータ121Cの回転軸121Bの回転軸線を記録面垂直軸Kと一致させるように構成し、ダイレクトドライブモータ121Cの回転軸121Bの回転によって回転受部121Aを回転させることによりクロスローラテーブル141上の移動ステージ14を記録面垂直軸Kの回りに回動する。
回転補償手段150は、移動ステージ14の向きを検出する角度変動検出手段であるレーザ測長システム151と、このレーザ測長システム151で検出された角度変動を示す角度変動データを入力し、この角度変動データに基づいて移動ステージ14の向きの変動を補償するようにダイレクトドライブモータ121Cを駆動し、回転支持部121による移動ステージ14の回転を制御する回転制御部159とを有している。
なお、レーザ測長システム151は、レーザ測長器本体152と、このレーザ測長器本体152と一定の位置関係を保つように配置された干渉計部153と、移動ステージ14に固定された反射鏡ターゲット154とからなる、一般に用いられているレーザ光の干渉を利用した角度変動検出システムとして構成する。
また、このレーザ測長システム151は、前述した図4に示すX方向位置情報測定部50とY方向位置情報測定部52とを利用して構成しても良い。
横移動支持部140は、回転受部121A上に配設された下テーブル141A、クロスローラ141C、及び上部に移動ステージ14が固定された上テーブル141Bからなり、移動ステージ14を搬送横方向に移動可能とするクロスローラテーブル141と、下テーブル141Aに固定され、上テーブル141Bを下テーブル141Aに対して移動させる、マイクロメータヘッド143及びこのマイクロメータヘッド143を駆動するモータ144からなるモータ付きマイクロメータヘッド145等とから構成されている。なお、下テーブル141Aに一端が固定されたバネ146の他端が上テーブル141Bに固定され、上テーブル141Bがバネ146に引かれて上テーブル141Bに配設されたマイクロメータヘッド145のスピンドルを付勢している。
位置補償手段160は、移動ステージ14の搬送横方向への変動を測定するレーザ測長システム161と、このレーザ測長システム161で測定された搬送横方向への変動を示す搬送横方向変動データを入力し、この搬送横方向変動データに基づいて搬送横方向への変動が補償されるようにベース台120に対する移動ステージ14の位置をモータ付きマイクロメータヘッド145の駆動により制御する横位置制御部169とを有している。
なお、レーザ測長システム161は、レーザ測長器本体162と、レーザ測長器本体162と一定の位置関係を保つように配置された干渉計部163と、移動ステージ14に固定された反射鏡ターゲット164とからなる、一般に用いられているレーザ光の干渉を利用した真直度検出システムとして構成する。
また、このレーザ測長システム161は、前述した図4に示すX方向位置情報測定部50とY方向位置情報測定部52とを利用して構成しても良い。
次に、上述のように構成した、X方向のリアルタイム位置変動と、記録面垂直軸Kの回りリアルタイム角度変動とを微調整する補正を行う手段を備えた露光装置10における作用及び動作について説明する。
このX方向のリアルタイム位置変動と、記録面垂直軸K回りのリアルタイム角度変動とを微調整する補正を行う手段を備えた露光装置10では、図1乃至図5に示した露光装置10と同様に、1回前の記録媒体12に対する露光処理時に測定した記録媒体12を搬送する移動ステージ14の移動動作時の位置誤差を制御目標値として(1回前からN回前の露光時の移動ステージ14の位置誤差を平均したデータを制御目標値としても良い)、移動ステージ14の移動動作をオープンループ制御して補正しながら露光することにより、短期間の再現性があり、補正するために比較的大きな移動動作を必要とする、転動体を用いたリニアガイド装置20の歪みにより移動ステージ14が蛇行して生じる誤差と、経時変化により転動体を用いたリニアガイド装置20のガイド形状が変化して蛇行を生じる誤差等を補正する。
さらに、このX方向のリアルタイム位置変動と、記録面垂直軸K回りのリアルタイム角度変動とを微調整する補正を行う手段を備えた露光装置10では、露光処理の最中に、露光装置10を設置している床の振動等による短期間の再現性が無い事由で起因する誤差を、リアルタイムで微調整して補正する。
この露光装置10では、1回前の露光処理時における位置誤差を制御目標値としてオープンループ制御して、短期間の再現性があって補正するのに比較的大きな移動動作を伴う補正をすることにより、移動ステージ14に載置された記録媒体12の搬送横X方向における中心線が搬送Y方向に向かう理想的な搬送軌跡である理想搬送軌跡に常に略重なるように搬送する。
さらに、この露光装置10では、短期間の再現性がある誤差の補正をしながら露光処理している状態で、短期間の再現性が無い誤差を生じた場合に、移動ステージ14の位置変動および角度変動をレーザ測長システム161とレーザ測長システム151で検出し、この短期間の再現性が無い誤差をリアルタイムで回転補償手段150と位置補償手段160とによって補償する。
この回転補償手段150と位置補償手段160とによる、移動ステージ14の位置変動および角度変動の補償では、次のような補償動作を行う。
この搬送横X方向への位置変動成分に対する補償動作では、ベース台120の位置が搬送横X方向に変動した際に、レーザ測長システム161が位置変動を検出すると、搬送横X方向への変動を示す搬送横方向変動データがレーザ測長システム161から横位置制御部169に出力される。
この横位置制御部169は、この搬送横方向変動データに基づいて搬送横X方向への変動を戻すようにモータ付きマイクロメータヘッド145の駆動により移動ステージ14の位置をリアルタイムで移動させて、記録媒体12の中心線の位置を理想搬送軌跡に一致させる。
これと共に、角度変動成分に対する補償動作では、記録面垂直軸回りの角度変動が生じたことをレーザ測長システム151が検出すると、角度変動を示す角度変動データがレーザ測長システム151から回転制御部159に出力される。
回転制御部159は、この角度変動データに基づいて移動ステージ14(記録媒体12)の向きの変動を戻すようにダイレクトドライブモータ121Cの駆動し、クロスローラテーブル141を介して移動ステージ14をリアルタイムで時計回りに回転させて、記録媒体12の中心線の位置を理想搬送軌跡に一致させる。
よって、この露光装置10では、搬送横X方向への位置変動成分に対する補償動作と角度変動成分に対する補償動作とを適宜組み合わせて機能させることにより、記録媒体12の中心線の位置が常に理想搬送軌跡に一致するように移動ステージ14を搬送Y方向に移動させて適切な露光処理を行うことができる。
また、前述した露光装置10では、短期間の再現性があって比較的大きな誤差を伴う補正処理(露光画像データに対しシフト処理を施して露光点の形成位置を補正する画像に対する補正処理、又は短期間の再現性があって補正するのに移動ステージ14と露光ヘッド30との間で相対的に比較的大きな移動動作を伴う補正処理)を、1回前の露光処理時における位置誤差を制御目標値としてオープンループ制御により実行する。
よって、この露光装置10では、オープンループ制御で露光画像データに対して行うシフト処理を、1回前の露光処理で位置誤差を検出した後の余裕を持った早いタイミングから開始するようにして、高速処理用の高価な制御装置を用いること無く一般の廉価な制御装置で実行可能に構成できる。
また、この露光装置10では、短期間の再現性があって補正するのに移動ステージ14と露光ヘッド30との間で相対的に比較的大きな移動動作を伴う補正処理を、予定通りの補正済みコースに沿って移動ステージ14と露光ヘッド30との間で相対的に移動させるオープンループ制御で行うため、移動ステージ14と露光ヘッド30との間で相対的に移動させるのに比較的簡素な構成の調整機構で比較的低出力で廉価なモータ等の駆動源を用いた機械的な補正手段で実行可能に構成できる。
さらに、この露光装置10では、短期間の再現性がある誤差の補正をしながら露光処理している状態で、短期間の再現性が無い誤差を生じた場合に、リアルタイムで移動ステージ14と露光ヘッド30との間で相対的に微動させる動作を重畳して誤差を補正できる。
よって、この露光装置10では、比較的簡素で廉価な機械的補正手段によりリアルタイムで短期間の再現性が無い誤差を補正できる。
なお、本実施の形態に係る露光装置では、露光ヘッド30に用いる空間光変調素子としてDMDを用いたが、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)や、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)や、液晶光シャッタ(FLC)等、MEMSタイプ以外の空間光変調素子をDMDに代えて用いることができる。
また、on/off状態のみを取る空間光変調素子に限らず、on/off状態に加え複数の中間値を取り、階調を表現できる空間光変調素子を用いても良い。
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基盤としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、そして制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。
また、前述した実施の形態に係る露光装置では、露光ヘッド30に用いる空間光変調素子であるDMDを、複数の画素を選択的にon/offする手段に置き換えて構成しても良い。この複数の画素を選択的にon/offする手段は、例えば、各画素に対応したレーザビームを選択的にon/offして出射可能にしたレーザ光源で構成し、または、各微小レーザ発光面を各画素に対応して配置することにより面発光レーザ素子を形成し、各微小レーザ発光面を選択的にon/offして発光可能にしたレーザ光源で構成することができる。
また、前述した実施の形態では、いわゆるフラッドベッドタイプの露光装置を例に挙げたが、感光材料が巻きつけられるドラムを有する、いわゆるアウタードラムタイプの露光装置としてもよい。
また、前述した実施の形態では、露光装置として構成した場合について説明したが、本発明は、インクジェットプリンタ等で記録媒体を載置したステージとインクジェットヘッド(描画ヘッド)とを相対的に移動しながらインクジェットヘッドによってパターンを描画する際の描画方法及び描画装置にも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る、露光装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る、露光装置のスキャナ部分を取り出して示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る、露光装置で記録媒体を露光処理したときに露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る露光装置で、移動ステージと露光ヘッドとを相対的に移動して、移動ステージ上の記録媒体に走査露光を行う際に生じる誤差の補正を行うための構成を示す概略説明図である。 本発明の実施の形態に係る露光装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る露光装置で、移動ステージと露光ヘッドとを相対的に移動して、移動ステージ上の記録媒体に走査露光を行う際に生じる誤差の補正を行うための構成を示す概略平面図である。 本発明の実施の形態に係る露光装置で、移動ステージと露光ヘッドとを相対的に移動して、移動ステージ上の記録媒体に走査露光を行う際に生じる誤差の補正を行うための構成を示す概略側面図である。 本発明の実施の形態に係る露光装置における各露光ヘッドについて分割露光画像データにシフト処理を施すとともに、そのリセットタイミングを制御した場合の露光画像の一例を示す平面図である。 (A)(B)は、本発明の実施の形態に係る露光装置におけるリアルタイム変位量に応じた補正を行う平行平板の部分を取り出して示す平面図である。
符号の説明
10 露光装置
12 記録媒体
14 移動ステージ
18 設置台
20 リニアガイド装置
24 スキャナ
26 カメラ
30 露光ヘッド
32 露光エリア
45 露光ヘッド制御部
50 X方向レーザ測長部
52 Y方向位置情報測定部
52A キューブミラー
52B キューブミラー
52C 第1のY方向レーザ測長部
52D 第2のY方向レーザ測長部
60 パルス補正数メモリ
62 X方向変位量記憶メモリ
70 ステージ姿勢測定部
73 ステージ姿勢演算部
80 1回前の露光処理時の変位量算出部
82 リセットタイミング補正量算出部
95 リセットタイミング算出部
100 平行平板
103 ピエゾアクチュエータ
120 ベース台
121 回転支持部
140 横移動支持部
143 マイクロメータヘッド
150 回転補償手段
151 レーザ測長システム
159 回転制御部
160 位置補償手段
161 レーザ測長システム
169 横位置制御部

Claims (7)

  1. 記録媒体を載置したステージと、露光ヘッドとを相対的に移動させて走査露光を行う露光装置において、
    N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回の前記記録媒体に対する露光処理時に測定した前記ステージと前記露光ヘッドとの相対的な移動動作時の位置誤差に基づいて制御目標値を設定し、当該制御目標値に基づいて前記ステージと前記露光ヘッドとを相対的に移動動作させるときの誤差をオープンループ制御して補正しながら露光することを特徴とする露光装置。
  2. 前記制御目標値に基づいて前記ステージと前記露光ヘッドとの相対的な移動動作をオープンループ制御することによって前記誤差を補正することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記露光ヘッドによって前記記録媒体に露光する動作中に、外乱等によって生じた前記ステージと前記露光ヘッドとの間における走査方向の相対的な誤差の変位量成分をリアルタイムで測定し、このリアルタイムに測定された走査方向の変位量に基づいて、前記オープンループ制御による補正に重畳して、前記ステージと前記露光ヘッドとの間の走査方向に対する誤差の補正をしながら露光処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記露光ヘッドによって前記記録媒体に露光する動作中に、外乱等によって生じた前記ステージと前記露光ヘッドとの間における走査方向に直交する方向の相対的な誤差の変位量成分をリアルタイムで測定し、このリアルタイムに測定された走査方向に直交する方向の変位量に基づいて、前記オープンループ制御による補正に重畳して、前記ステージと前記露光ヘッドとの間における走査方向と直交する方向に対する誤差の補正をしながら露光処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の露光装置。
  5. 前記露光ヘッドによって前記記録媒体に露光する動作中に、外乱等によって生じた前記ステージと前記露光ヘッドとの間における、前記記録媒体の平面中心を通り平面と直交する方向に貫通する中心線と一致する記録面垂直軸の回りの角度変動量をリアルタイムで測定し、このリアルタイムに測定された前記記録面垂直軸の回りの角度変動量に基づいて、前記オープンループ制御による補正に重畳して、前記ステージと前記露光ヘッドとの間における前記記録面垂直軸の回りの角度変動に対する誤差の補正をしながら露光処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の露光装置。
  6. 記録媒体を載置したステージと、描画ヘッドとを相対的に移動させてパターンを描画する描画方法において、
    N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回の、前記記録媒体に対してパターンを描画するときに測定した前記ステージと前記描画ヘッドとの相対的な移動動作時の位置誤差に基づいて制御目標値を設定し、当該制御目標値に基づいて前記ステージと前記描画ヘッドとを相対的に移動動作させるときの誤差をオープンループ制御して補正しながらパターンを描画することを特徴とする描画方法。
  7. 記録媒体を載置したステージと、描画ヘッドとを相対的に移動させてパターンを描画する描画装置において、
    N回前(Nは1以上の整数)の1回又は複数回の、前記記録媒体に対してパターンを描画するときに測定した前記ステージと前記描画ヘッドとの相対的な移動動作時の位置誤差を記憶する記憶メモリと、
    前記記憶メモリから読み出した所要の位置誤差の値に基づいて制御目標値を設定し、当該制御目標値に基づいて前記ステージと前記描画ヘッドとを相対的に移動動作させるときの誤差をオープンループ制御して補正しながらパターンを描画する制御部と、
    を有することを特徴とする描画装置。
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