JP2005043162A - 過熱検出回路及び温度監視方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確に部品の温度を監視しつつ、生産コストを抑えることが可能な過熱検出回路及び温度監視方法を提供することを目的とする。
【解決手段】温度の監視対象であるダイオード11と同一プリント基板上に設けられ、そのプリント基板に形成される導体パターンによりダイオード11と電気的に接続されるチップサーミスタ12と、プラスの入力端子にチップサーミスタ12の抵抗値の変化に基づいた電圧が印加されると共に、マイナスの入力端子に基準電位13を得るコンパレータ14とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップサーミスタを用いた過熱検出回路及び温度監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリント基板上に設けられている部品の温度をサーミスタにより監視する場合、そのサーミスタは、温度を監視したい部品のできるだけ近くに設ける必要がある。
【0003】
そこで、従来では、例えば、挿入実装のサーミスタを使用して、部品の温度を監視していた。(例えば、特許文献1参照)
これより、挿入実装のサーミスタと温度を監視したい部品とをネジ止めするなどして、そのサーミスタと部品とを接触させることができる。そして、挿入実装のサーミスタと温度を監視したい部品との間の熱抵抗を小さくすることができるので、その部品の温度を正確に監視することができる。
【0004】
しかしながら、挿入実装のサーミスタを使用する形態では、上述のようにネジ止め作業などが必要であり、実装に多くの工数がかかり生産コストが増大するという問題がある。
そこで、挿入実装のサーミスタと比べて実装工数が少ないチップサーミスタを使用して部品の温度を監視することが考えられる。(例えば、特許文献2参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平10−48057号 (第1頁、第1〜2図)
【0006】
【特許文献2】
特開平5−135849号 (第2〜4頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チップサーミスタは、基本的に、プリント基板の表面に配置されるので、チップサーミスタを使用する形態では、チップサーミスタと温度を監視したい部品との間の距離が一定以上縮まらない。そのため、チップサーミスタを使用する形態では、部品の温度を正確に監視できないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明では、正確に部品の温度を監視しつつ、生産コストを抑えることが可能な過熱検出回路及び温度監視方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、以下のような構成及び方法を採用した。
すなわち、本発明の過熱検出回路は、温度の監視対象である部品と同一基板上に設けられ、前記基板に形成される導体パターンにより前記温度の監視対象である部品と電気的に接続されるチップサーミスタと、前記チップサーミスタの抵抗値の変化に基づいて、前記温度の監視対象である部品が過熱状態であるか否かを判断する過熱判断回路とを備えることを特徴とする。
【0010】
このように、チップサーミスタと温度の監視対象である部品とを導体パターンにより電気的に接続しているので、温度の監視対象である部品の温度変化を導体パターンを介してチップサーミスタに伝え易くすることができる。
これより、チップサーミスタと温度の監視対象である部品との間の熱抵抗を小さくすることができるので、その部品の温度を正確に監視することができると共に、従来の挿入実装のサーミスタに比べて実装工数を低減することができるので、生産コストを抑えることができる。
【0011】
また、上記過熱検出回路のチップサーミスタ及び温度の監視対象である部品は、共通のグランドに接続されるように構成してもよい。
このように、チップサーミスタと温度の監視対象である部品とが共通のグランドに接続されているので、チップサーミスタと温度の監視対象である部品とが導体パターンにより電気的に接続されていても、温度の監視対象である部品に流れる電流の影響をあまり受けることなくその部品の温度を監視することができる。
【0012】
また、上記過熱検出回路のチップサーミスタは、一方の電極が前記温度の監視対象である部品の一方の端子と接続されると共に、他方の電極が所定の抵抗値をもつ抵抗の一方の端子に接続され、前記抵抗は、他方の端子が電源に接続され、前記過熱判断回路は、前記チップサーミスタと前記抵抗とにより分圧された前記電源の電圧と、基準電圧との比較結果に基づいて、前記温度の監視対象である部品が過熱状態であるか否かを判断するように構成してもよい。
【0013】
これより、チップサーミスタと温度の監視対象である部品との間の熱抵抗を小さくすることができるので、その部品の温度を正確に監視することができると共に、従来の挿入実装のサーミスタに比べて実装工数を低減することができるので、生産コストを抑えることができる。
【0014】
また、本発明の温度監視方法は、温度の監視対象である部品と同一基板上に設けられると共に、前記温度の監視対象である部品と前記基板に形成される導体パターンにより電気的に接続されるチップサーミスタの抵抗値の変化に基づいて、前記部品の温度変化を監視することを特徴とする。
【0015】
このように、チップサーミスタと温度の監視対象である部品とを導体パターンにより電気的に接続しているので、温度の監視対象である部品の温度変化を導体パターンを介してチップサーミスタに伝え易くすることができる。
これより、チップサーミスタと温度の監視対象である部品との間の熱抵抗を小さくすることができるので、その部品の温度を正確に監視することができると共に、従来の挿入実装のサーミスタに比べて実装工数を低減することができるので、生産コストを抑えることができる。
【0016】
また、上記温度監視方法は、前記チップサーミスタ及び前記温度の監視対象である部品が共通のグランドに接続されるように構成してもよい。
このように、チップサーミスタと温度の監視対象である部品とが共通のグランドに接続されているので、チップサーミスタと温度の監視対象である部品とが導体パターンにより電気的に接続されていても、温度の監視対象である部品に流れる電流の影響をあまり受けることなくその部品の温度を監視することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態の過熱検出回路を模式的に示す図である。
図1に示すように、過熱検出回路10は、温度の監視対象であるダイオード11と同一プリント基板上に設けられ、そのプリント基板に形成される銅などの導体パターンによりダイオード11と電気的に接続されるチップサーミスタ12と、プラスの入力端子にチップサーミスタ12の抵抗値の変化に基づき基準電位A27をチップサーミスタ12と抵抗16で分圧した電圧が印加されると共に、マイナスの入力端子に基準電位B13を得るコンパレータ14(過熱判断回路)とを備えて構成される。
【0018】
例えば、ダイオード11に大電流が流れることによりダイオード11の温度が上昇すると、その熱がプリント基板に形成される導体パターンを介してチップサーミスタ12に伝わる。
次に、その導体パターンを介して伝わる熱によりチップサーミスタ12の温度が上昇すると、チップサーミスタ12の抵抗値が変化し、その抵抗値の変化に応じて基準電位A27をサーミスタ12と抵抗16で分圧した電圧が変化する。
【0019】
そして、コンパレータ14は、その基準電位A27をサーミスタ12と抵抗16で分圧した電圧の変化により、プラスの入力端子に印加される電圧がマイナスの入力端子に印加される電圧よりも低くなると、ダイオード11が過熱していることを表す信号15を出力端子から出力する。
【0020】
そして、その信号15により、例えば、ダイオード11に流れる電流を抑制させてダイオード11の温度上昇を抑えたり、ランプを点灯させてダイオード11が過熱していることを表示させてもよい。
図2(a)及び(b)は、過熱検出回路10の回路構成の一例を示す図である。なお、図1と同じ構成には同じ符号を付ける。
【0021】
図2(a)に示すように、過熱検出回路10において、ダイオード11のアノードとチップサーミスタ12の一方の電極とが、プリント基板に形成される銅などの導体パターンを介して共通のグランドで接続される。また、チップサーミスタ12の他方の電極は、一方の端子が15Vの電源に接続される抵抗16の他方の端子と接続される。そして、15Vの電源電圧がチップサーミスタ12と抵抗16とにより分圧され、その分圧された電圧がコンパレータ14のプラスの入力端子に印加される。また、コンパレータ14のマイナスの入力端子には、5Vの電源電圧が印加される。なお、チップサーミスタ12の抵抗値及び抵抗16の抵抗値は、ダイオード11が過熱状態でない場合において、コンパレータ14のプラスの入力端子に印加される電圧がマイナスの端子に印加される電圧より高くなるようにそれぞれ設定される。
【0022】
例えば、ダイオード11に大電流が流れることによりダイオード11の温度が上昇すると、その熱がプリント基板に形成される導体パターンを介してチップサーミスタ12に伝わる。
一般に、導体パターンは、銅などの熱伝導性が良い材質で形成されるので、チップサーミスタ12とダイオード11とをその導体パターンで電気的に接続した場合、チップサーミスタ12とダイオード11との間の熱抵抗を小さくすることができる。これより、チップサーミスタ12の温度とダイオード11の温度とを近づけることができるので、ダイオード11の温度上昇を正確にチップサーミスタ12により監視することができる。
【0023】
また、ダイオード11に大電流が流れたとしても、グランドの電位はあまり変動しないので、チップサーミスタ12とダイオード11とを導体パターンを介して共通のグランドで接続しても、チップサーミスタ12の両端にかかる電圧は、ダイオード11に流れる電流に影響されない。これより、ダイオード11に流れる電流に影響されることなく、チップサーミスタ12の温度とダイオード11の温度とを近づけることができる。
【0024】
なお、通常、パワー系のグランドとロジック回路などの制御系のグランドは分けられている。本実施形態の過熱検出回路10は、パワー系のグランドを広いベタパターンとすることで電圧変動を抑えることができる為に、パワー系のグランドを使用することができる。
【0025】
次に、その導体パターンを介して伝わる熱によりチップサーミスタ12の温度が上昇すると、チップサーミスタ12の抵抗値が変化し、それに伴って図2(a)に示すA点の電圧が変わる。すなわち、チップサーミスタ12の温度上昇に伴ってコンパレータ14のプラスの入力端子に印加される電圧が低くなる。
【0026】
そして、コンパレータ14は、プラスの入力端子に印加される電圧がマイナスの入力端子に印加される5Vの電圧よりも低くなると、ダイオード11が過熱していることを表す信号15を出力端子から出力する。
そして、その信号15により、例えば、ダイオード11に流れる電流を抑制させてダイオード11の温度上昇を抑えたり、ランプを点灯させてダイオード11が過熱していることを表示させてもよい。
【0027】
また、図2(b)に示すように、過熱検出回路10は、トランス17の両端に設けられるダイオード11の温度上昇においても、図1又は図2(a)のダイオード11と同様に監視することができる。また、過熱検出回路10は、例えば、チョークコイルやMOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのプリント基板上で発熱の心配のある部品とチップサーミスタ12とをプリント基板に形成される導体パターンにより電気的に接続することにより、その発熱の心配のある部品の温度を正確に監視することができる。
【0028】
なお、ダイオード11が過熱状態であるか否かを判断するための回路構成は、コンパレータ14に限定されない。
また、ダイオード11などの発熱の心配のある部品に流れる電流の影響をチップサーミスタ12が受けないような回路構成であれば、発熱の心配のある部品とチップサーミスタ12とはグランド以外で接続されてもよい。
【0029】
また、図3は、プリント基板に温度の監視対象である部品とチップサーミスタ12とを搭載する場合において、そのプリント基板に形成される導体パターンの一例を示す図である。なお、図2と同様な構成には同一の符号を付ける。また、図3では、プリント基板18上に、ダイオード11、チップサーミスタ12、及び抵抗16(図3においてはチップ抵抗とする)が搭載される例を示す。
【0030】
ダイオード11のカソードは、ランド19内に設けられるスルーホールに挿入され、そのカソードとランド19とがはんだ付けなどにより電気的に接続される。また、ダイオード11のアノードは、ランド20内に設けられるスルーホールに挿入され、そのアノードとランド20とがはんだ付けなどにより電気的に接続される。
【0031】
また、チップサーミスタ12の一方の電極とパッド21とがはんだ付けなどにより電気的に接続され、チップサーミスタ12の他方の電極とパッド22とがはんだ付けなどにより電気的に接続される。
そして、ランド20は、例えば、プリント基板18の裏側又は内層のグランドレベルの電極と繋がると共に、導体パターン23を介してパッド21と電気的に接続される。なお、導体パターン23は、幅をできるだけ広くし、且つ、チップサーミスタ12とダイオード11との距離ができるだけ縮まるように短く形成してもよい。
【0032】
また、抵抗16の一方の電極とパッド24とがはんだ付けなどにより電気的に接続され、抵抗16の他方の電極とパッド25とがはんだ付けなどにより電気的に接続される。
そして、パッド24は、導体パターン26を介してパッド22と電気的に接続される。
【0033】
そして、導体パターン26は、コンパレータ14のプラスの入力端子と不図示の導体パターンなどにより電気的に接続される。
このように、本実施形態の過熱検出回路10は、チップサーミスタ12とダイオード11とをプリント基板に形成される銅などの熱伝導率の高い導体パターンで接続しているので、ダイオード11の温度上昇による熱をチップサーミスタ12に導体パターンを介して伝え易くすることができる。
【0034】
これより、チップサーミスタ12とダイオード11との間の熱抵抗を小さくすることができるので、ダイオード11の温度上昇を正確に監視することができるできると共に、実装のサーミスタと比べて、実装のサーミスタとダイオード11とをネジ止めするなどの実装工程がないので、実装工数を少なくすることができ、生産コストを抑えることができる。
【0035】
また、本実施形態の過熱検出回路10は、チップサーミスタ12とダイオード11とを共通のグランドで接続しダイオード11の温度上昇を監視しているので、チップサーミスタ12とダイオード11とが導体パターンにより電気的に接続されていても、ダイオード11に流れる電流の影響をあまり受けることなく、ダイオード11の温度上昇を監視することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、チップサーミスタと温度の監視対象である部品との間の熱抵抗を小さくすることができるので、監視対象である部品の温度を正確に監視することができると共に、従来の挿入実装のサーミスタに比べて実装工数を少なくすることができるので、生産コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の過熱検出回路を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態の過熱検出回路の回路構成の一例を示す図である。
【図3】プリント基板の導体パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 過熱検出回路
11 ダイオード
12 チップサーミスタ
13 基準電位
14 コンパレータ
15 信号
16 抵抗
17 トランス
18 プリント基板
19、20 ランド
21、22 パッド
23 導体パターン
24、25 パッド
26 導体パターン

Claims (5)

  1. 温度の監視対象である部品と同一基板上に設けられ、前記基板に形成される導体パターンにより前記温度の監視対象である部品と電気的に接続されるチップサーミスタと、
    前記チップサーミスタの抵抗値の変化に基づいて、前記温度の監視対象である部品が過熱状態であるか否かを判断する過熱判断回路と、
    を備えることを特徴とする過熱検出回路。
  2. 請求項1に記載の過熱検出回路であって、
    前記チップサーミスタ及び前記温度の監視対象である部品は、共通のグランドに接続されることを特徴とする過熱検出回路。
  3. 請求項1又は2に記載の過熱検出回路であって、
    前記チップサーミスタは、一方の電極が前記温度の監視対象である部品の一方の端子と接続されると共に、他方の電極が所定の抵抗値をもつ抵抗の一方の端子に接続され、
    前記抵抗は、他方の端子が電源に接続され、
    前記過熱判断回路は、前記チップサーミスタと前記抵抗とにより分圧された前記電源の電圧と、基準電圧との比較結果に基づいて、前記温度の監視対象である部品が過熱状態であるか否かを判断することを特徴とする過熱検出回路。
  4. 温度の監視対象である部品と同一基板上に設けられると共に、前記温度の監視対象である部品と前記基板に形成される導体パターンにより電気的に接続されるチップサーミスタの抵抗値の変化に基づいて、前記部品の温度変化を監視することを特徴とする温度監視方法。
  5. 請求項4に記載の温度監視方法であって、
    前記チップサーミスタ及び前記温度の監視対象である部品は、共通のグランドに接続されることを特徴とする温度監視方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113933685A (zh) * 2021-09-29 2022-01-14 广东汇芯半导体有限公司 半导体电路的过热检测方法、装置、设备及存储介质
WO2024100750A1 (ja) * 2022-11-08 2024-05-16 株式会社オートネットワーク技術研究所 温度監視装置

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