JP3240993B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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JP3240993B2
JP3240993B2 JP10234598A JP10234598A JP3240993B2 JP 3240993 B2 JP3240993 B2 JP 3240993B2 JP 10234598 A JP10234598 A JP 10234598A JP 10234598 A JP10234598 A JP 10234598A JP 3240993 B2 JP3240993 B2 JP 3240993B2
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憲二 服部
佳洋 山下
裕二 藤井
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Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング半導
体をオン、オフして、加熱コイルに共振により高周波電
流を供給する周波数変換装置を有する誘導加熱調理器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱コイルに高周波電流を供給す
るインバータ等の周波数変換装置のスイッチング素子の
温度を、スイッチング素子が冷却のために固定される冷
却フィンに、温度センサーを固定し、この温度センサー
の検知温度により、周波数変換装置の出力制御をおこな
う誘導加熱調理器が開発されている。
【0003】以下に従来の誘導加熱調理器について説明
する。図8は2石式インバータを有する従来の誘導加熱
調理器のブロック回路図である。商用電源1に全波整流
器(以下整流器と呼ぶ)2が接続され、整流器2の正極
出力端にチョークコイル3が接続され、チョークコイル
3の他端と整流器2の負極出力端間に、平滑コンデンサ
4が接続される。平滑コンデンサ4の両端にはトランジ
スタ5と順方向のダイオード7とトランジスタ8の直列
回路が接続される。高電位側のトランジスタ5にはダイ
オード6が逆並列に、低電位側のトランジスタ8にはダ
イオード9が逆並列に接続されている。ダイオード7の
カソードとトランジスタ8のコレクタとの接続点と整流
器2の負極間には加熱コイル10とコンデンサ11の直
列回路が接続され、コンデンサ11に並列にダイオード
12が接続される。
【0004】波線13で囲まれた部品は、図9に示すア
ルミ製の冷却フィン13に固定される部品を示す。すな
わち、トランジスタ5,ダイオード6,ダイオード7,
整流器2は、冷却フィン14に固定され冷却ファンによ
り冷却される。波線14で囲まれた部品は、図9に示す
冷却フィン13に固定される部品を示す。すなわち、ト
ランジスタ8,ダイオード9,ダイオード12は、冷却
フィン14に固定され図9に示すように冷却ファン19
による冷却風で冷却される。
【0005】図8のトランジスタ8は素子パッケージの
外部金属ベースがコレクタ端子と同電位となっており、
冷却フィン14にこの金属ベースが接するようにネジ締
め固定されている。同様に、トランジスタ5は素子パッ
ケージの外部金属ベースがコレクタ端子と同電位となっ
ており、冷却フィン13にこの金属ベースが接するよう
にネジ締め固定されている。冷却フィン13,14は裏
面に銅箔で配線を印刷した印刷配線板14に裏面側から
ネジ締め固定され、トランジスタ5,8等の冷却フィン
13,14に固定された半導体素子の端子は、印刷配線
板18側に曲げられて印刷配線板18に設けられた穴を
貫通し、裏面側で印刷配線板18の銅箔パターンととも
に半田槽に浸すことにより半田付け接続される。
【0006】冷却フィン13には、サーモスタット16
が接着剤で固定され、トランジスタ5,トランジスタ8
のオンオフを制御する制御回路15に接続されている。
冷却フィン14の近傍で、サーミスタ17が印刷配線板
18の表面側からリード線を曲げて印刷配線板の穴を貫
通して裏面側で印刷配線板18に、上記の冷却フィン1
3,14に固定される半導体素子と同様に接続固定され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の誘導加熱調理器
において、冷却フィン13がトランジスタ5のコレクタ
電位と同電位であり、また、冷却フィン14はトランジ
スタ8のコレクタ電位と同電位であり、一方サーモスタ
ット16と、サーミスタ17は制御回路15に接続さ
れ、制御回路15がコモン電位をトランジスタ8のエミ
ッタとしているので、サーモスタット16と冷却フィン
15間、またサーミスタ17と冷却フィン14には、高
圧が印加される。
【0008】従って、上記の誘導加熱調理器の構成にお
いては、サーモスタット16と冷却フィン13間にはそ
の高圧に耐えうる絶縁部材を設けることが必要とされ
る。また、サーモスタット16を冷却フィン13に固定
するのに接着固定するか、あるいは固定金具を使用して
ビス締め固定する等の作業が必要とされる。また、サー
ミスタ17と冷却フィン間にはその電圧に対応した絶縁
距離を設ける必要があり、サーミスタ17は冷却フィン
13の熱を印刷配線板18の絶縁部材を介して前記の絶
縁距離だけ離間した位置で検知するとともに、サーミス
タ素子部とリード部が印刷配線板の上部に露出し、冷却
ファン19の冷却風で冷却されるので、冷却フィン13
の温度の検知感度が悪く、例えば、電源スイッチを切断
して加熱動作が停止すると同時に、冷却ファン19が停
止したとき、冷却フィン14や他の発熱部品の影響で、
検知温度が即座に降下せずオーバーシュートし、誤検知
する恐れがあった。
【0009】本発明は、インバータを構成する半導体ス
イッチング素子の温度を感度良く検知し、冷却ファンの
故障や冷却システムの異常に応じて応答性良く保護動作
の行える安価な誘導加熱調理器を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、スイッチング素子の低電位側端子を共通電
位とする制御回路に信号を出力する感温素子とスイッチ
ング素子の半導体部間の熱結合が、スイッチング素子の
低電位側端子をその主熱伝導経路として行われるよう
に、感温素子を印刷配線板上に配設するとともに、感温
素子の端子部は基板を貫通することなく導体箔側から、
印刷配線板の導体箔にはんだ接続するように構成したも
のである。
【0011】これにより、スイッチング素子の半導体部
の電力損失で発生した熱が、導電金属材料であるため熱
伝導性の良い低電位側端子を伝導するので、スイッチン
グ素子の半導体部と、スイッチング素子の低電位側端子
と印刷配線板とのはんだ接続部間の熱抵抗が小さくな
る。
【0012】また、感温素子はスイッチング素子の低電
位側端子を共通電位とする制御部に信号を出力する構成
であり、感温素子とスイッチング素子の低電位側端子間
には、通常約40V以下の低電圧が印加するだけであ
り、両者間の距離を小さくしても絶縁破壊を起こしたり
接続線間の浮遊容量による結合で高周波雑音が制御部に
伝達する恐れがなく、スイッチング素子の低電位側端子
と印刷配線板の導体箔との接続部と、感温素子の間の熱
抵抗を最小化できる。
【0013】また、感温素子の端子部は印刷配線板を貫
通することなく導体箔側から、印刷配線板の導体箔には
んだ付け接続する構成なので、感温素子の端子部が最短
化され、冷却風等によるリード部での放熱が抑制され、
前記はんだ接続部と感温素子の感温部間の熱抵抗を最小
化できる。
【0014】以上のように、スイッチング素子の半導体
部と感温素子の感温部間の熱抵抗を、その熱伝導経路に
おいて最小化し、感温素子の温度がスイッチング素子の
半導体部の温度変化に素早く追随するようにして、冷却
システムの異常や素子の異常を検知し精度良く出力制御
できる誘導加熱調理器が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、加熱コイ
ルと、絶縁部材の表面に導体箔が接着された印刷配線板
に端子が貫通されてはんだ付けされたスイッチング素子
と、前記スイッチング素子の半導体部と熱結合する感温
素子と、前記感温素子の検知結果に応じて、制御内容を
変更するとともに、前記スイッチング素子の低電位側端
子を共通電位として前記スイッチング素子のオンオフを
制御する制御部を有し、前記加熱コイルに高周波電流を
発生する周波数変換装置を備え、前記感温素子と前記ス
イッチング素子間の熱結合が、前記スイッチング素子の
主電流の流れる低電位側端子をその熱伝導経路として行
われるように、前記感温素子を前記印刷配線板上に配設
するとともに、前記感温素子の端子部は基板を貫通する
ことなく導体箔側から、印刷配線板の導体箔にはんだ付
け接続する構成の誘導加熱調理器としたものであり、ス
イッチング素子の半導体部の電力損失で発生した熱が、
導電金属材料であり熱伝導性の良い主電流の流れる低電
位側端子を伝導するので、スイッチング素子の半導体部
と、スイッチング素子の低電位側端子と印刷配線板との
はんだ接続部間の熱抵抗は小さくなる。また、感温素子
はスイッチング素子の低電位側端子を共通電位とする制
御部に信号を出力する構成であるので、感温素子とスイ
ッチング素子の低電位側端子間には、通常約40V以下
の低電圧しか印加せず、スイッチング素子の低電位側端
子に接続された印刷配線板の導体箔と、感温素子の間の
距離を小さくすることにより、高周波ノイズで誤動作を
したり、絶縁破壊を起こす恐れがなく、スイッチング素
子の低電位側端子と感温素子間の熱抵抗を小さくでき
る。また、感温素子の端子部は印刷配線板を貫通するこ
となく導体箔側から、印刷配線板の導体箔にはんだ付け
接合する構成とするので、感温素子の端子部が最短化さ
れ、冷却風等による端子部での放熱が抑制され、前記は
んだ接続部と感温素子の感温部間の熱抵抗を小さくでき
る。以上のことからスイッチング素子の半導体部と感温
素子の感温部間の熱抵抗を、その熱伝導経路において最
小化して、スイッチング素子の急激な温度変化を感度良
く検知して、冷却システムの異常や素子の異常を精度良
く検知できるという作用を有するものである。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成とするとともに、感温素子は、スイッチング素子の低
電位側端子と導体箔のはんだ接続部から延設した導体箔
に絶縁性の接着剤を介し、対向配置した誘導加熱調理器
とすることにより、スイッチング素子の低電位側端子を
伝導する熱が前記延設された導体箔と接着剤を介して感
温素子に伝導するので、スイッチング素子の低電位側端
子と感温素子の感温部間の熱抵抗をさらに小さくするこ
とができ、感温素子によりスイッチング素子の半導体部
の急激な温度上昇をさらに応答性良く検知できるという
作用がある。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1あるいは
請求項2記載の構成とするとともに、前記感温素子を、
前記感温素子と前記スイッチング素子の半導体部間の熱
結合が、前記スイッチング素子の主電流の流れる低電位
側端子をその主熱伝導経路として行われるように配設し
たことにより、通常導電金属材料の単線で構成されるス
イッチング素子の端子部に、高周波大電流であるスイッ
チング素子の主電流が通電されることにより、端子部自
身あるいは端子部の接続された印刷配線板の導体箔が表
皮効果や大電流値であることなどにより発熱するため、
端子部に当たる冷却風や印刷配線板からの放熱により失
われる熱量を補正し感温素子に伝達する熱量を多くする
ので、スイッチング素子の半導体部の急激な温度上昇
に、感温素子が感度良く対応して、出力を抑制すること
ができるという作用を有するものである。
【0018】請求項記載の発明は、請求項1、請求項
2あるいは請求項3記載の構成とすると共に、半導体部
を樹脂で成型してなるケース部が冷却フィンに固定され
るとともに印刷配線板の導体箔で形成された接続線にそ
の端子がはんだ接続される高電位側の第2のスイッチン
グ素子および低電位側の第1のスイッチング素子と、第
1のスイッチング素子の半導体部と熱結合する感温素子
と、前記感温素子の検知結果に応じて制御内容を変更す
るとともに第1のスイッチング素子の低電位側端子を共
通電位として、第1のスイッチング素子および第2のス
イッチング素子のオンオフを制御する制御部を有し、第
1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子を交互
に導通して加熱コイルに高周波電流を発生する周波数変
換装置を備え、第1のスイッチング素子と第2のスイッ
チング素子を同一冷却フィンに固定して、前記冷却フィ
ンが第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子
に接続される主電流の流れる導体箔間のスペース同時に
覆うようにするとともに、前記感温素子と第1のスイッ
チング素子の半導体部間の熱結合が、第1のスイッチン
グ素子の低電位側端子をその主熱伝導経路として行われ
るように、前記感温素子を前記印刷配線板上に配設する
構成の誘導加熱調理器とすることにより、第1のスイッ
チング素子の半導体部の電力損失で発生した熱が、導電
金属材料であり熱伝導性の良く、また長さも短い端子部
を主熱伝導経路として伝達して印刷配線板の導体箔上の
はんだ接続部まで到達するので、第1のスイッチング素
子の半導体部と、前記はんだ接続部間の熱抵抗が小さく
なる。
【0019】また、感温素子は第1のスイッチング素子
の低電位側端子を共通電位とする制御部に信号を出力す
る構成であり、感温素子と第1のスイッチング素子の低
電位側端子間には、通常約40V以下の低電圧しか印加
せず、絶縁破壊の恐れがないので、両者間の距離を小さ
くして、第1のスイッチング素子の低電位側端子のはん
だ接続部と感温素子間の熱抵抗を小さくできる。
【0020】また、感温素子の端子部は印刷配線板を貫
通することなく導体箔側から、印刷配線板の導体箔には
んだ付け接続する構成とするので、感温素子の端子部が
最短化され、冷却風等による端子部での放熱が抑制さ
れ、第1のスイッチング素子の低電位側端子のはんだ接
続部と感温素子の感温部間の熱抵抗を小さくできる。
【0021】以上のことから第1のスイッチング素子の
半導体部と感温素子の感温部間の熱抵抗を、その熱伝導
経路において最小化して、第1のスイッチング素子の半
導体部の温度を追随性良く検知して、冷却システムの異
常や周波数変換装置の異常によるその急激な温度変化に
応じた精度良い出力制御が可能となる。
【0022】さらに、第1のスイッチング素子と第2の
スイッチング素子を同一冷却フィンに固定して、第1の
スイッチング素子を第2のスイッチング素子と熱結合さ
せるので、第2のスイッチング素子の半導体部の異常発
熱も同時に検知することができる。
【0023】さらに、冷却フィンが高電位側スイッチン
グ素子用と低電位側スイッチング素子用の2個に分割さ
れないので、第1のスイッチング素子と第2のスイッチ
ング素子に接続される主電流の流れる導体箔を隙間なく
覆い、冷却フィン間の隙間から漏洩する輻射雑音を無く
するので、第1及び第2のスイッチング素子のオンオフ
時に発生する輻射雑音の低減効果を増すことができると
いう作用を有するものである。
【0024】請求項記載の発明は、請求項4記載の構
成とするとともに、冷却フィンに送風する冷却ファンを
備え、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素
子の損失の小なる方を、その半導体部と冷却フィンとを
電気的に絶縁する絶縁型パッケージとすると共に、損失
の大なる方をその半導体部の特定電極と冷却フィンとを
電気的に非絶縁とした非絶縁型パッケージとなし、前記
非絶縁型パッケージのスイッチング素子を前記絶縁型パ
ッケージのスイッチング素子よりも冷却ファン側に固定
する構成の誘導加熱調理器とすることにより、損失の大
なるスイッチング素子の半導体部−ケース間の熱抵抗を
小とし、冷却フィンへの放熱を大として、損失の大なる
スイッチング素子の半導体部の冷却効果を高め、かつ冷
却風の風下に配置することにより絶縁型のスイッチング
素子のケース温度への熱影響を低減できる。一方、半導
体部−冷却フィン間の熱抵抗が大となる絶縁型パッケー
ジのスイッチング素子を損失の小なる側として、その半
導体部−ケース間の温度差を低減するとともに、冷却フ
ァン側(風上)に配置して、半導体部損失が大で非絶縁
型のスイッチング素子からの冷却フィンへ伝達する熱の
影響を小として、ケース温度の上昇を抑制して、半導体
部の温度上昇を低減することにより、第1のスイッチン
グ素子と第2のスイッチング素子の各半導体部の温度上
昇をバランス良く抑制し冷却することができるという作
用を有するものである。
【0025】
【実施例】(実施例1) 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
【0026】図1に示すように商用電源20に、全波整
流を行う整流器21が接続され、チョークコイル22が
その正極側に接続されている。平滑コンデンサ27がチ
ョークコイル22の負荷側端子と整流器21の負極端子
間に接続される。平滑コンデンサ27の両端にはトラン
ジスタ25aとダイオード25bがワンパッケージ化さ
れた逆導通トランジスタ25と加熱コイル26の直列回
路が接続され、加熱コイル26に並列に共振用のコンデ
ンサ24が接続される。トランス29は商用電源20に
一次コイルが接続され、電源回路30は、トランス29
の二次コイルから約30Vに降圧された交流電圧が供給
される。制御回路28は電源回路30から制御用の直流
電源を入力する。サーミスタ31は逆導通トランジスタ
25の温度検知素子で、制御回路28に接続される。
【0027】図2は、図1の逆導通トランジスタ25
と、その冷却用フィン32と、サーミスタ31を印刷配
線板33に実装した状態を示す部分斜視図である。冷却
フィン32はネジ34,35,36により印刷配線板3
5に締め付け固定される。逆導通トランジスタ25は図
3の断面図に示すように、ネジ40により冷却フィン3
2に締め付け固定され、冷却フィン32との接触面は導
電金属板38bが露出し、この導電金属板38bは半導
体チップ25cのコレクタおよびダイオード25bカソ
ードに接続され、外部コレクタ端子38と同電位になっ
ている。
【0028】逆導通トランジスタ25の主電流の流れる
低電位側端子であるエミッタ端子37と、主電流の流れ
る高電位側端子であるコレクタ端子38と、駆動信号が
印加される低電位側端子であるゲート端子39は折り曲
げられて、印刷配線板33に設けられた穴を貫通し、印
刷配線板33の片面に約35μmの厚みの銅箔で形成さ
れたパターン37b,38b,39bに、接続部37
a,38a,39aにおいてそれぞれはんだ接続され
る。
【0029】サーミスタ31は略直方体形状のもので、
図4の断面図に示すように、両端部にはんだ付け接続部
31c,31dが設けられ、エミッタ端子37の接続部
37aとゲート端子39aの間に載置され、制御回路2
8に接続するための銅箔パターン31a,31bに絶縁
皮膜41を部分的に取り除き形成されたはんだ接続部に
おいて、はんだ31e、31fを付着させて接続され
る。また、サーミスタ31と印刷配線板32の間に、エ
ミッタ端子37の接続部37a近傍の銅箔パターン37
bから延設して設けられた銅箔パターン37cが設けら
れ、電気絶縁性を有する接着剤42が充填されて、サー
ミスタ31と銅箔パターン37cが対向するように固着
される。
【0030】以上のように構成された加熱調理器につい
てその動作を説明する。整流器21は商用電源20を入
力して全波整流する。チョークコイル22,平滑コンデ
ンサ27,共振コンデンサ24,加熱コイル26,逆導
通トランジスタ25は、周波数変換装置の一種である1
石インバータを構成し、低周波の直流を入力して加熱コ
イル26に高周波電流を発生する。制御回路28は共通
電位をトランジスタ(IGBT)25aのエミッタ端子
に接続し、トランジスタ25aのゲート端子とエミッタ
端子間に約20Vのパルスを出力して、トランジスタ2
5aをオンオフすることにより、加熱コイル26と共振
コンデンサ24の共振により、加熱コイル26に高周波
電流を発生する。制御回路28はカレントトランス28
aで入力電流を、抵抗28bを介してトランジスタ25
aのコレクタ−エミッタ間の電圧を、サーミスタ31で
逆導通トランジスタ25の半導体部の温度を監視して、
トランジスタ25aのオンオフを制御して出力の制御を
行ったり、表示内容の変更、あるいは、冷却ファンの回
転数の変更等による冷却風の強さの変更などを行う。
【0031】逆導通トランジスタ25はピーク値で数十
アンペアの大電流を通電・遮断するとともに周波数が約
20〜50kHzであるのでターンオン損失、ターンオ
フ損失あるいはダイオード25bの順方向電圧・電流に
よる電力損失が逆導通トランジスタ25の半導体部25
cに発生する。この損失により発した熱は、コレクタの
接続された金属ベース38bを介して、冷却ファンによ
り空冷される冷却フィン32に伝導し放熱される。
【0032】一方半導体部25cの熱は、また、ボンデ
ィングワイヤおよび樹脂を介して、エミッタ端子37に
伝導し、印刷配線板33に印刷された銅箔パターン37
bとのはんだ接続部37aを経由し、舌状に延長された
銅箔パターン37c(銅箔パターン37bと同電位)に
伝導する。銅箔パターン37cは図4のようにサーミス
タ31と交叉し、サーミスタ31と対向する配置となっ
ており、また接着剤42が、パターン37cの上にコー
ティングされた絶縁皮膜41とサーミスタ31間に充填
されているので、これらの部材を介しても、サーミスタ
31の感温部に前記の熱が安定して伝導する。
【0033】また、サーミスタ31は、共通電位を逆導
通トランジスタ25のエミッタを共通電位(コモン電
位)としている制御回路28に接続されるので、サーミ
スタ31の端子部31c,31dおよびそれらに接続さ
れる銅箔パターン31a,31bと、エミッタ端子のは
んだ接続部37aおよび逆導通トランジスタ25のエミ
ッタに接続される銅箔パターン37b,37c間に印加
される電圧は通常約40V以下とすることができ、両者
間の絶縁破壊や高周波雑音のクロストーク等の恐れが少
ないので、印刷配線板上においてそれらの間隔は最小
0.5mm前後の小さな間隔としている。これにより、
逆導通トランジスタ25b半導体部25cからエミッタ
端子37を熱伝導経路として伝わってきた熱は、エミッ
タ端子37のはんだ接続部37aおよび印刷配線板33
の樹脂材料を経由して、サーミスタ31の端子部31
c,31dに至る経路あるいは、銅箔パターン37b,
37cからパターン31a,31bを経由してサーミス
タ31の端子部31c,31dに至る経路でサーミスタ
31に伝導され易くなる。
【0034】また、サーミスタ31をエミッタ端子のは
んだ接続部37aとゲート端子のはんだ接続部39aの
間に設けているので、ゲート端子39からも逆導通トラ
ンジスタ25の半導体部の熱が伝達されるので、サーミ
スタ31の受熱量を増加させることができる。
【0035】また、トランジスタの端子は銅合金製で、
通常断面が一辺が約1mmの板状になっており、トラン
ジスタ自身の組立性あるいはトランジスタをまげて印刷
配線板にはんだ付けする際の作業性を考えると、その断
面形状を大きくすることは困難である。一方、エミッタ
端子37に高周波の大電流が流れるので、表皮効果も加
わり、端子部が発熱する。同様に、エミッタ端子37に
接続される銅箔パターン37b,38bも発熱する。こ
れらの発熱量は、逆導通トランジスタの半導体部の損失
と比例している。このように、エミッタ端子37自身が
発熱するので、半導体部から伝導してくる熱のうち、端
子部や銅箔パターン部37から放熱される熱量を補うの
で、結果としてサーミスタ31が受け取る熱量が増加す
る。
【0036】以上のように本実施例によれば、逆導通ト
ランジスタ25の半導体部25cの電力損失で発生した
熱が、銅製であり熱伝導性の良いエミッタ端子37を伝
導するので、半導体部25cと、はんだ接続部37a間
の熱抵抗は小さくなる。また、サーミスタ31はエミッ
タ端子37を共通電位とする制御部28に信号を出力す
る構成であるので、サーミスタ31とエミッタ端子37
間には、通常約40V以下の電圧しか印加せず、はんだ
接続部37aあるいはエミッタ端子37aに接続された
印刷配線板の銅箔パターン37bと、サーミスタ31自
身あるいはサーミスタ31に接続される銅箔パターン3
1a、31b間の距離を小さくしても、銅箔パターン間
の浮遊容量で結合し高周波ノイズで誤動作をしたり、絶
縁破壊を起こす恐れがなく、前記の部分の距離を小さく
することによりエミッタ端子37とサーミスタ31間の
熱抵抗を小さくできる。また、サーミスタ31の端子部
31c,31dは基板を貫通することなく銅箔側から、
銅箔パターン31a、31bにはんだ付け接続する構成
であるので、サーミスタ31の端子部が最短化され、冷
却風等によるリード部での放熱が抑制され、はんだ接続
部37aとサーミスタ31の感温部間の熱抵抗を小さく
できる。従って、半導体部25cとサーミスタ31の感
温部間の熱抵抗を、その熱伝導経路において最小化し
て、半導体部25cの急激な温度上昇を感度良く検知し
て、冷却システムの異常や素子の異常を精度良く検知で
きる。
【0037】また、サーミスタ31はエミッタ端子37
aがはんだ接続された銅箔パターン37bと同電位の銅
箔パターン37cに絶縁皮膜と絶縁性の接着剤を介し、
対向配置され固定されたことにより、銅箔パターン37
cから熱が絶縁皮膜41と接着剤42を介してサーミス
タ31に安定して伝導するので、はんだ接続部37aと
サーミスタ31間の熱抵抗をさらに小さくすることがで
き、サーミスタ31は半導体部25cの急激な温度上昇
をさらに応答性良く検知できる。
【0038】また、サーミスタ31と半導体部25c間
の熱結合が、エミッタ端子37をその熱伝導経路として
行われるように、サーミスタ31と銅箔パターン31
a,31bをはんだ接続部37aおよび銅箔パターン3
7b,37cに近接させたことにより、単線で構成され
たエミッタ端子部37に、高周波大電流の主電流が通電
されると、端子部自身あるいは端子部に接続された印刷
配線板の導体箔が表皮効果や大電流値であることなどに
より発熱するため、これらの熱が端子部37や印刷配線
板からの放熱を補正し、動作時のサーミスタ37の受け
取る熱量が増加するので、冷却システムが故障した状態
で、スイッチング素子を動作させた場合などにおいて、
スイッチング素子の半導体部の急激な温度上昇に、サー
ミスタ37が感度良く対応して、出力を抑制することが
できるものである。
【0039】(実施例2) 以下本発明の第2の実施例について図5により説明す
る。
【0040】図5は2石インバータを示す回路図で、商
用電源51に、全波整流を行う整流器52が接続され、
チョークコイル53がその正極側に接続されている。平
滑コンデンサ58がチョークコイル53の負荷側端子と
整流器52の負極端子間に接続される。平滑コンデンサ
58の両端にはトランジスタ59aとダイオード59b
がワンパッケージ化された逆導通トランジスタ59と加
熱コイル57の直列回路が接続され、トランジスタ59
aに逆並列にダイオード59bが接続される。加熱コイ
ル57に並列に、コンデンサ54と、コンデンサ55と
トランジスタ26の直列回路が接続され、トランジスタ
59に逆並列にダイオード60が接続される。
【0041】制御回路61は逆導通トランジスタ59の
エミッタを共通電位とし、そのエミッタ−ゲート間にパ
ルスを出力すると共に、駆動回路63にトランジスタ5
6の駆動パルスを出力する。駆動回路63はフォトカプ
ラを含み、制御回路61の駆動信号に応じて、トランジ
スタ56のエミッタ−ゲート間にパルスを出力する。サ
ーミスタ62は逆導通トランジスタ59の温度検知素子
で、制御回路63に接続される。
【0042】図6に示すように整流器52,トランジス
タ56,ダイオード60,逆導通トランジスタ59は実
施例1と同様に冷却フィン65にネジ締め固定し、それ
ぞれの端子を直角に折り曲げ、プリント配線板64の穴
に挿入し、銅箔側からはんだ付け接続した場合の概略配
置を示す平面図である。冷却フィン32は断面形状が図
7のようになっており、押し出し成型されている。図6
の上部方向に冷却ファンが配置され、上方から下方に向
かって冷却風が送風される。
【0043】図6で一点鎖線と斜線で示す部分は印刷配
線板64の裏面の銅箔パターンで、トランジスタ56の
コレクタ端子とエミッタ端子と、逆導通トランジスタ5
9の各端子と、サーミスタ31の端子がはんだ付けされ
ている箇所の周辺部分を示している。銅箔パターン67
b−銅箔パターン66c間,銅箔パターン67b−銅箔
パターン68b間,銅箔パターン70a−銅箔パターン
67b間はそれぞれ100V前後の高圧が印加されるの
で約4mmの距離が設けられている。棒状のサーミスタ
62は両端面が銅箔パターン62a,62bにはんだ接
続され、エミッタ端子66のはんだ接続部68aの近傍
で、銅箔パターン66bと約0.3mmの間隔を設け
て、銅箔パターン62a,62bが囲むように配置され
ている。トランジスタ59のゲートに接続される銅箔パ
ターン68bも銅箔パターン62bに約0.3mmの間
隔で隣接する部分をサーミスタ62a近傍で設けてい
る。
【0044】以上のように構成された加熱調理器につい
てその動作を説明する。トランジスタ59bの導通時
は、加熱コイル57を介して、平滑コンデンサ58から
一定の傾きで電流が流れ、トランジスタ59aがオフす
る(時点t1)と加熱コイル57に蓄積されたエネルギ
ーにより、加熱コイル57はコンデンサ54と共振し、
共振電圧がトランジスタ59bのコレクタエミッタ間に
印加する。
【0045】トランジスタ59bのコレクタ電位が共振
により上昇しダイオード60のカソード電位に到達する
(時点t2)と、ダイオード60に電流が流れ、コンデ
ンサ55の容量をコンデンサ54の容量の約10から2
0倍以上の十分大きな容量としておけば、加熱コイル5
7に略一定の傾きで増加する電流が流れ電圧はクランプ
される。この間ダイオード60には略一定の傾きで減少
する電流が流れる。ダイオード60に電流が流れている
時に、トランジスタ56を駆動して待機させてておけ
ば、ダイオード60の電流がゼロとなってからも、略一
定の傾きで増加する電流がトランジスタ56を介して加
熱コイル57に流れ共振電圧のクランプ状態は継続され
る。
【0046】その後トランジスタ56を介して加熱コイ
ル57に電流が流れているときに、トランジスタ56が
オフする(時点t3)と、加熱コイル57に蓄積された
エネルギーにより加熱コイル57とコンデンサ54が共
振してトランジスタ59のコレクタ電位が短時間で低下
する。
【0047】トランジスタ59のコレクタ電位が低下し
て、トランジスタ59のエミッタ電位に到達する(時点
t4)と、ダイオード59bに電流が流れエミッタ電位
でクランプされる。この時、ダイオード59bには一定
の傾きで減少する電流が流れ、ダイオード59に電流が
流れている間にトランジスタ59aを駆動して待機させ
ておけばダイオード59bに流れる電流がゼロとなって
以降は、トランジスタ59bが導通状態となり、加熱コ
イル57とトランジスタ59bに一定の傾きで増加する
電流が流れトランジスタ59bのコレクタはゼロ電圧を
維持する。
【0048】この後は上記の時点t1でトランジスタ5
9bがオフして上記の動作を繰り返す。この繰り返し周
期を一定にし、かつ時点t1と時点t3のトランジスタ
のオフタイミングを変更することにより、すなわち、制
御回路31によるトランジスタ29とトランジスタ56
の駆動の繰り返し周期を一定にして、両者の駆動時間の
比率を変更することにより加熱コイル57の電流を制御
して出力を変更することができる。
【0049】トランジスタ56は上記のように、加熱コ
イル57とコンデンサ60の共振電圧をクランプするも
ので、トランジスタ56のオフ時の電流はトランジスタ
59aの値より小さくなり、同様の定格のスイッチング
素子を使用した場合には、損失も同様にトランジスタ5
9aよりもトランジスタ56のほうが小さくなる。本実
施例の構成の一例として、入力が200V,2kWの出
力を得る実験では、トランジスタ56の損失は約20
W,逆導通トランジスタ59はトランジスタ59aが約
40W,ダイオード59bが約5Wで合計45Wとなる
データが得られた。
【0050】トランジスタ56とダイオード60を上記
のように電流を抑制して低損失化し、両者をそれぞれ絶
縁型パッケージとして整流器52と冷却フィン65の風
上側に分離固定するとともに、トランジスタ59aとダ
イオード59bを同一パッケージ内に一体成型して小型
化し、そのパッケージを金属ベースが露出している非絶
縁型として、半導体部とケース間の熱抵抗を小さくする
ことにより、逆導通トランジスタ59内部で増大する損
失による半導体部の温度上昇を抑制することで、インバ
ータの半導体素子を同一冷却フィン65に載置して、バ
ランス良く冷却することができる。
【0051】また、サーミスタ62が、逆導通トランジ
スタ59のエミッタ端子66のはんだ接続部66aの近
傍で、銅箔側から、端部を銅箔にはんだ付けにより接続
されているので、感度良く逆導通トランジスタ59の半
導体部の温度を検知することができると共に、トランジ
スタ56,整流器52,ダイオード60が逆導通トラン
ジスタ59と冷却フィンを介して熱結合するので、これ
らの異常発熱をサーミスタ62により検知できる。
【0052】また、上記のトランジスタ56と逆導通ト
ランジスタ59のオンオフによる電流波形の不連続の生
じる時点t1,時点t2,時点t3,時点t4におい
て、図6のAとBで示すギャップから、トランジスタ5
6と逆導通トランジスタ59のオフ時の、そしてダイオ
ード60と逆導通トランジスタ59のダイオードの導通
時の電流波形に対応した周波数の輻射ノイズが発生する
が、一体となった冷却フィン65がこの部分を覆ってい
るので、外部に漏洩するのを抑制することができる。
【0053】また、サーミスタ31をはんだ槽に浸すこ
とで、印刷配線板33上に形成した銅箔パターン31
a,31bにはんだで接続・固定できるので、サーミス
タ31の固定と配線作業が簡素化されるとともに、サー
ミスタ31やそれに接続される接続線が、逆導通トラン
ジスタ25やそれと同電位の冷却フィン32あるいは、
加熱コイルなどの高電位部品、強磁界発生部品に近接し
ないように、印刷配線板33上に固定することができ、
サーミスタ31の検知回路を介して制御回路28に高周
波雑音が伝達するのを抑制したり、配線作業のばらつき
で、高周波雑音の制御回路28へ影響度が変化するのを
避けることができる。
【0054】以上のように、逆導通トランジスタ59の
半導体部の電力損失で発生した熱が、銅製で熱伝導性の
良く、また、長さも短いエミッタ端子66を主熱伝導経
路として伝達されるので、逆導通トランジスタ59の半
導体部と、はんだ接続部66a間の熱抵抗が小さくな
る。
【0055】また、サーミスタ62は逆導通トランジス
タ59のエミッタを共通電位とする制御回路61に接続
される構成であり、サーミスタ62とエミッタ端子66
間には、通常約40V以下の低電圧しか印加せず、絶縁
破壊の恐れがないので、エミッタ端子66のはんだ接続
部66aあるいは銅箔パターン66bと、サーミスタ6
2あるいは銅箔パターン62a,62b間の距離を小さ
くしてはんだ端子66aとサーミスタ62間の熱抵抗を
小さくできる。
【0056】また、サーミスタ62の端子部は印刷配線
板64を貫通することなく銅箔側から、銅箔パターン6
2a,62bにはんだ付け接続する構成であるので、サ
ーミスタ62の端子部が最短化され、冷却風等による端
子部での放熱が抑制され、はんだ接続部66aとサーミ
スタ62の感温部間の熱抵抗をさらに小さくできる。
【0057】従って、逆導通トランジスタ59の半導体
部とサーミスタ62の感温部間の熱抵抗を、その熱伝導
経路において最小化して、逆導通トランジスタ59の半
導体部の温度を追随性良く検知して、冷却システムの異
常や素子の異常による急激な温度変化に応じた精度良い
出力制御が可能となる。
【0058】さらに逆導通トランジスタ59とトランジ
スタ56を同一冷却フィン65に固定して、逆導通トラ
ンジスタ59をトランジスタ56と熱結合させるので、
トランジスタ56の半導体部の異常発熱も同時に検知す
ることができる。
【0059】さらに、冷却フィン65が高電位側のトラ
ンジスタ56用と低電位側の逆導通トランジスタ59用
の2個に分割されないので、トランジスタ56と第2の
スイッチング素子に接続される主電流の流れる導体箔を
隙間なく覆い、冷却フィン間の隙間から漏洩する輻射雑
音を無くするので、逆導通トランジスタ59とトランジ
スタ56のオンオフ時に発生する輻射雑音の低減効果を
増すことができるという作用を有するものである。
【0060】さらに、損失の小なるトランジスタ56
を、その半導体部と冷却フィン65とを電気的に絶縁す
る絶縁型パッケージとすると共に、損失の大なる逆導通
トランジスタ59を半導体部の特定電極と冷却フィンと
を電気的に非絶縁とした非絶縁型パッケージとなし、非
絶縁のトランジスタ56を絶縁型の逆導通トランジスタ
59よりも冷却ファン側に固定することにより、損失の
大なる逆導通トランジスタ59の半導体部−ケース間の
熱抵抗を小とし、冷却フィン65への放熱を大として、
その半導体部の冷却効果を高め、かつ冷却風の風下に配
置することにより絶縁型のトランジスタ65のケース温
度への熱影響を低減できる。一方、半導体部−ケース間
の熱抵抗が大となる絶縁型のトランジスタ56の損失を
小として、その半導体部−ケース間の温度差を低減する
とともに、冷却ファン側(風上)に配置して、冷却フィ
ンへの放熱量が大となるトランジスタの発熱からの熱影
響を小として、トランジスタ56のケース温度の上昇を
最小限として、その半導体部の温度上昇を抑制するの
で、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子
の各半導体部の温度上昇をバランス良く抑制し冷却する
ことができるという作用を有する。
【0061】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、スイッチング素子の半導体部と感温素子の感温部
間の熱抵抗を、その熱伝導経路において最小化して、ス
イッチング素子の急激な温度上昇を感度良く検知し、冷
却システムの異常や素子の異常に応じた精度の良い出力
制御の可能な、安価な誘導加熱調理器を提供できるとい
う効果が得られる。
【0062】また、請求項2記載の発明によれば、簡単
な構成でスイッチング素子の低電位側端子と感温素子間
の熱抵抗をさらに小さくすることができ、スイッチング
素子の急激な温度上昇を応答性良く検知できる安価な誘
導加熱調理器を提供できるという効果が得られる。
【0063】また、請求項3記載の発明によれば、スイ
ッチング素子の主電流の流れる低電位側端子部での発熱
が冷却風や印刷配線板からの放熱により失われる熱量を
補正し、感温素子に伝達する熱量を増加させるので、感
温素子がスイッチング素子の半導体部の急激な温度上昇
をさらに感度良く検知して、出力を精度良く制御可能な
誘導加熱調理器を提供できるという効果が得られる。
【0064】また、請求項記載の発明によれば、周波
数変換装置を構成する電位の異なる複数のスイッチング
素子の半導体部の異常発熱を単一の感温素子でかつ簡単
な構成により検知でき、信頼性の高い、また前記のスイ
ッチング素子が交互にオン、オフ時に発生する輻射雑音
の少ない誘導加熱調理器を提供できるという効果が得ら
れる。
【0065】また、請求項記載の発明によれば、周波
数変換装置を構成する電位の異なる複数のスイッチング
素子を単一の冷却フィンでバランス良く冷却し、安価で
小型でかつ輻射雑音の小さな誘導加熱調理器を提供でき
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の誘導加熱調理器の回路
ブロック図
【図2】同誘導加熱調理器のスイッチング素子近傍の透
視斜視図
【図3】同誘導加熱調理器のスイチング素子近傍の断面
【図4】同誘導加熱調理器の別のスイチング素子近傍の
断面図
【図5】本発明の第2の実施例の誘導加熱調理器の回路
ブロック図
【図6】同誘導加熱調理器のスイッチング素子近傍の平
面図
【図7】同誘導加熱調理器の冷却フィンの断面図
【図8】従来の誘導加熱調理器の回路ブロック図
【図9】従来の誘導加熱調理器のスイッチング素子近傍
の斜視図
【符号の説明】
25 逆導通トランジスタ(スイッチング素子) 25c 半導体部 26 加熱コイル 28 制御回路(制御部) 31 サーミスタ(感温素子) 31a,31b 銅箔パターン(導体箔) 31c,31d サーミスタ(感温素子)の端子部 32 冷却フィン 33 印刷配線板 37 エミッタ端子(主電流の流れる低電位側端子) 37b,37c 銅箔パターン(導体箔) 39 ゲート端子(低電位側端子) 42 接着剤 56 トランジスタ(第2のスイッチング素子) 57 加熱コイル 59 逆導通トランジスタ(第1のスイッチング素子) 61 制御回路(制御部) 62 サーミスタ(感温素子) 62a,62b,66b,67b,68b 銅箔パター
ン(導体箔) 64 印刷配線板 65 冷却フィン 66 エミッタ端子(主電流の流れる低電位側端子) 68 ゲート端子(低電位側端子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−250271(JP,A) 特開 昭60−44994(JP,A) 特開 平7−245181(JP,A) 特開 平5−326130(JP,A) 実開 昭60−187491(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱コイルと、半導体部を樹脂で成型し
    てなるケース部が冷却フィンに固定されるとともに印刷
    配線板の導体箔で形成された接続線に端子がはんだ接続
    されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子の半
    導体部と熱結合する感温素子と、前記感温素子の検知結
    果に応じて、制御内容を変更するとともに、前記スイッ
    チング素子の低電位側端子を共通電位として前記スイッ
    チング素子のオンオフを制御する制御部を有して前記加
    熱コイルに高周波電流を発生する周波数変換装置を備
    え、前記感温素子と前記スイッチング素子の半導体部の
    熱結合が、前記スイッチング素子の低電位側端子をその
    主熱伝導経路として行われるように、前記感温素子を前
    記印刷配線板上に配設するとともに、前記感温素子の端
    子部は前記印刷配線板を貫通することなく導体箔側か
    ら、印刷配線板の導体箔にはんだ接続する構成とする誘
    導加熱調理器。
  2. 【請求項2】 感温素子は、スイッチング素子の低電位
    側端子と導体箔のはんだ接続部から延設した導体箔に絶
    縁性の接着剤を介し、対向配置された請求項1記載の誘
    導加熱調理器。
  3. 【請求項3】 感温素子を、感温素子とスイッチング素
    子の半導体部間の熱結合が、前記スイッチング素子の主
    電流の流れる低電位側端子をその主熱伝導経路として行
    われるように配設した請求項1または2記載の誘導加熱
    調理器。
  4. 【請求項4】 半導体部を樹脂で成型してなるケース部
    が冷却フィンに固定されるとともに印刷配線板の導体箔
    で形成された接続線に端子がはんだ接続される高電位側
    の第2のスイッチング素子および低電位側の第1のスイ
    ッチング素子と、第1のスイッチング素子の半導体部と
    熱結合する感温素子と、前記感温素子の検知結果に応じ
    て制御内容を変更するとともに第1のスイッチング素子
    の低電位側端子を共通電位として、第1のスイッチング
    素子および第2のスイッチング素子のオンオフを制御す
    る制御部を有し、第1のスイッチング素子と第2のスイ
    ッチング素子を交互に導通して加熱コイルに高周波電流
    を発生する周波数変換装置を備え、第1のスイッチング
    素子と第2のスイッチング素子を同一冷却フィンに固定
    して、前記冷却フィンが第1のスイッチング素子と第2
    のスイッチング素子に接続される主電流の流れる印刷配
    線板の導体箔間のスペースを同時に覆うようにするとと
    もに、前記感温素子と第1のスイッチング素子の半導体
    部間の熱結合が、第1のスイッチング素子の低電位側端
    子をその主熱伝導経路として行われるように、前記感温
    素子を前記印刷配線板上に配設する構成の請求項1〜
    のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 【請求項5】 冷却フィンに送風する冷却ファンを備
    え、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子
    の損失の小なる方を、その半導体部と冷却フィンとを電
    気的に絶縁する絶縁型パッケージとすると共に、損失の
    大なる方をその半導体部の特定電極と冷却フィンとを電
    気的に非絶縁とした非絶縁型パッケージとなし、前記非
    絶縁型パッケージのスイッチング素子を前記絶縁型パッ
    ケージのスイッチング素子よりも冷却ファン側に固定す
    る構成とした請求項4記載の誘導加熱調理器。
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