JP2005042869A - 管継手の挿口管引抜き方法及びその治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受口2に挿口3を挿入して接続された管継手4の両側面に軸方向に沿って筒体8をそれぞれ配置し、それぞれの筒体8を管継手4の外面に少なくとも受口管側へ軸方向に沿って移動不能に係止すると共に、それぞれの筒体8内にロッド9を軸方向に摺動移動可能に挿入し、ロッド9の挿口側端を、少なくとも挿口管側へと相対移動しないよう挿口3外面に係合具15を介して係合し、ついでそれぞれのロッド9の受口側端とそれぞれの筒体8との間に締付工具11を介在させ、締付工具11によってそれぞれのロッド9を筒体8より挿口側端へと押出させて行き、この動きにより挿口を受口から引き抜くようにする。
【選択図】 図1
Description
従来、このように引抜きにくくなってしまった管継手を分解するための軽便な工具として、管外周に巻き付けられるチェーンなどの緊締締結部材と、管外周を一周させた緊締締結部材の結止部分を管受口から遠ざかる方向へてこ機構を用いて強制的に押し拡げ、引き抜いて行く装置が知られている(特許文献1)。
しかし、上記の引抜き工具は管に対して引抜き力を作用させる力点が一箇所しかないので、管を引き抜くための操作力に比較的大きな力を要し、強力に固着してしまった管継手に対しては、操作が困難となる場合がある問題があった。
次いで前記管継手の径方向両側に筒体を管継手の軸方向に沿ってそれぞれ配置し、該それぞれの筒体を少なくとも管受口の設けられた管側へ軸方向に移動不能に前記管受口外面に係止すると共に、該それぞれの筒体内にロッドを軸方向に摺動移動可能に挿入し、前記それぞれのロッドを前記てこ部材の軸と連接し、
ついで前記それぞれのロッドの管受口側端と前記それぞれの筒体との間に締付工具を連結し、該締付工具を締め付けることによって前記それぞれのロッドを前記筒体より前記挿口管側端へと押出させ、この動きにより前記締結部材を挿口管外周に巻き付かせ、さらに前記ロッドを突き出していくことで前記締結部材を介して挿口管を管受口から引き抜くことを特徴とするものである。
次に、この発明について、まず管継手の挿口管引抜き治具から説明する。
図1は実施の形態1である管継手の挿口管引抜き治具の平面図、図2は同じく側面図、図3は管継手の挿口管引抜き治具の要部斜視図である。
そして、管継手の挿口管引抜き治具1は、以下のように構成される。
即ち、図1、図2に示したように、管継手の挿口管3の両側に、平坦な基枠20の一端20aに、先端をきのこ状の拡径部21とした軸14が立設され、一端20aに対する対辺16に係合部22、23が二箇所設けられたてこ部材15が挿口管3を挟んで図示のように面対称に配置されている。そして、挿口管3の上半部周囲に鎖などの上半部締結部材19aが沿わせて配置され、その両側がてこ部材15の一辺16に設けた係合部のうち、受口端6側に位置する係合部23に係合され、また、挿口管3の下半部周囲に沿わせた鎖などの下半部締結部材19bが他の係合部22に係合されている。
係止部22、23は、締結部材19が図示例のように鎖とされている場合は、鎖の一つのリンク19が引っ掛かる切り欠き溝とされる。なお、図4(a)(b)において図中24は係止部22の上部開口部を任意に閉じ、係止部22から締結部材19bが外れないようにするストッパで、ねじ締め部25を中心として回動可能とされている。
そして、一対の筒体8、8が管受口2の上面に掛け渡されるチェーンなどの締結部材28、28により吊下支持され、筒体8の外周側面5に設けられた係止片7を、管受口開口端6に係止することで受口管を有する管2p方向へ移動できないように支持されている。
そして、この筒体8に軸方向に自由にスライドできるようにロッド9、9が収納されている。
このロッド9、9の管受口を有する管2p側部分10と、筒体8外面に立設されたブラケット26との間に両者間の軸方向距離Lを強制的に縮める締付工具11、例えばチェーンブロックが掛け渡されている。
そして、ロッド9、9の挿口管側部分12に設けられた係合孔13(図2)にてこ部材15の軸14が挿入されて、ロッド9、9の筒体8、8に対する相対移動がこの部分を通じててこ部材15へと伝わるようにされている。
このような傷つきを防止する見地より、締め付け作業に先立ち、鎖と管外面との間にキャンバスのような厚手の布や、ゴムシートなどのクッション材を介挿し、あるいはチェーンをゴムホースなどで被覆するなどしてもよく、さらには、締結部材19a、19bとして、てこ部材15に係止される部分は鎖、管外面に接触する部分は強靭な合成樹脂製バンドとした複合構造としてもよい。
また、締結部材19a、19bの長さは、それぞれの締結部材のてこ部材15に対する止着位置を変えることで管の径に合わせて施工現場で任意に設定調整できる。
次に、この管継手の挿口管引抜き治具を用いた管継手の挿口管引抜き方法を説明する。
なお、二つの筒体8、8は鎖などの締結部材28で連結されており、長さを管継手の径に合わせて調整し管継手4の上面から被せるようにして配置する。
そして、ロッド9、9を筒体8、8内に滑らせて管受口2の設けられた管側に引き寄せ、ロッド9、9の挿口管側端12に設けた貫通孔13に、てこ部材15の軸14を連接し、ついで、ロッド9、9の管受口側端10と筒体8に形成した取付け部25との間にチェーンブロックなど締付工具11を取り付ける。
締付工具11の締め付けと共にロッド9、9は図5に矢印イで示すように挿口管3側へと突き出されて行くが、この突き出し時、てこ部材15は図6に矢印イで示すように軸14が先行し、軸に対向する辺16は、締結部材19が周方向に張られていることと相俟って矢印ロで示すように軸14周囲に回転しようとする。
一方辺16に対して挿口管3の下半部側に掛け渡された締結部材19bは、てこ部材15の矢印ロに示す回転により、矢印ニで示す方向へ引っ張られ、挿口管3の下半部分を締め付ける。
この締め付けによって、締結部材19a、19b、てこ部材15を介してロッド9が挿口管3と一体となって軸方向へ引っ張り出されていく。
このとき、挿口管の引抜き力は管継手の両側の対称位置から加えられるので、管軸に対して均等な力が加わり、このため無理な曲げ力が発生しないので、管受口内に挿入された挿口管が少々堅く固着していても容易に引抜けると共に管軸方向へと真っ直ぐに引抜くことができる。
また、締結部材の長さは、管の径にあわせ任意に設定できるので、各種径の管に対して一つの管継手の挿口管引抜治具で対応できるので施工も容易となる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2の管継手の挿口管引抜き治具の平面図、図8は同じく側面図である。
即ち、筒体8の管受口側端に貫通孔29を有するブラケット29a(図8)が設けられ、この貫通孔29にてこ部材15の径方向軸14が挿入されている。
てこ部材15の軸14を筒体8の貫通孔29に係合し、管受口2上面側に渡した締結部材19aを対辺16の挿口管側端同士に係止させ、管下面側に渡した締結部材19bを管受口管側端同士に係止させる。
なお、ロッド9の挿口管側端12にもてこ部材15を係合させ、締結部材19a、19bを結止するが、これは実施実施の形態1と同じであるので説明は省略する。
そして、対向する辺16の管受口上半部側の締結部材19は、矢印ヌ方向へ引っ張られ、この結果管受口2の上半部分を締め付ける。
一方、辺16に対して管受口2の下半部側に掛け渡された締結部材19は、てこ部材15の矢印リに示す回転により、矢印ルで示す方向へ引っ張られ、管受口3の下半部分を締め付ける。
反対側においても同様に締め付け動作が行われるので締結部材19a、19bは管受口周囲全体を強く締め付けることになる。
この結果、筒体8から抜け出るロッド9と共に挿口管3は管受口2から引抜かれていく。
(実施の形態3)
上記実施の形態1、2の管継手の挿口管引抜き治具はいずれも直管の管継手で、筒体8の長さに制限が無い場合を示したが、図11に示すように異形管継手の場合、筒体8の長さが制限されると共に、引抜き力が作用すると管軸に対し非対称の力が発生し、引抜きが非常に困難となる。
なお、上記において三点目の引抜き治具1aを一対のてこ部材15の間の締結部材19に係合させた場合を示したが、図13に示すように別個独立配置としてもよい。
2 管受口
3 挿口管
4 管継手
5 外周側面
6 管受口開口端
7 係合片
8 筒体
9 ロッド
10 管受口側部分
11 締付工具
12 挿口管側部分
13 係合孔
14 軸
15 てこ部材
16 対辺
19 締結部材
Claims (3)
- 平坦な基枠の一端表面に軸が立設され、前記基枠の一端に対する対辺に、係合部が二箇所設けられたてこ部材を、管継手の挿口管の径方向両側に面対称となるように配置し、前記挿口管の上半部外周に沿わせた締結部材の両側を、前記てこ部材に設けられた二箇所の係合部のうち管受口端側の係合部に係合し、前記挿口管の下半部外周に沿わせた締結部材の両側を、他方の係合部へ係合し、
次いで前記管継手の径方向両側に筒体を管継手の軸方向に沿ってそれぞれ配置し、該それぞれの筒体を少なくとも管受口の設けられた管側へ軸方向に移動不能に前記管受口外面に係止すると共に、該それぞれの筒体内にロッドを軸方向に摺動移動可能に挿入し、前記それぞれのロッドを前記てこ部材の軸と連接し、
ついで前記それぞれのロッドの管受口側端と前記それぞれの筒体との間に締付工具を連結し、該締付工具を締め付けることによって前記それぞれのロッドを前記筒体より前記挿口管側端へと押出させ、この動きにより前記締結部材を挿口管外周に巻き付かせ、さらに前記ロッドを突き出していくことで前記締結部材を介して挿口管を管受口から引き抜くことを特徴とする管継手の挿口管引抜き方法。 - 平坦な基枠の一端に軸が立設され、前記基枠の一端に対する対辺に、係合部が二箇所設けられたてこ部材と、管上半部に沿わされる締結部材であって、両側が面対称配置された前記てこ部材の係合部のうち管受口端側にある係合部同士に係合される管上半部締結部材と、管下半部に沿わされる締結部材であって、両側が他の係合部同士に係合される管下半部締結部材と、
管受口開口端に対する係止片が設けられた二個一対をなす筒体と、該筒体内を軸方向に自由にスライドし、かつ前記てこ部材の軸と係合する係合部を有するロッドと、該ロッドの管受口側部と前記筒体外面との間に掛け渡され、両者間の軸方向距離を強制的に縮める締付工具とからなることを特徴とする管継手の挿口管引抜き治具。 - 請求項2の管継手の挿口管引抜き治具における筒体を管受口外周面に係止するための構造が、平坦な基枠の一端に軸が立設され、前記基枠の一端に対する対辺に、係合部が二箇所設けられたてこ部材と、前記筒体外面に形成された前記軸と係合する貫通孔と、管上半部に沿わされる締結部材であって、両側が前記係合部のうち管受口端側にある係合部同士に係合される管上半部締結部材と、管下半部に沿わされる締結部材であって、両側が他の係合部に係合される管下半部締結部材とからなる構造とされ、ロッドを締結工具により挿口管側へ強制的に突き出すと、その反作用を受ける前記筒体よりブラケットを介して反方向へ前記てこ部材が移動し、この移動に伴い逆方向へ回動するてこ部材により締結部材が緊締されて管受口管外周に巻き付き、これにより筒体と管受口管とが前記締結部材で締結一体化され、前記筒体が管受口管方向へ相対移動しないように支持されるようにした管継手の挿口管引抜き治具。
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