JP2005041733A - バイオマスによる水素製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイオマスを二酸化炭素吸収物質の共存下で水蒸気と反応させて、水蒸気を還元し、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を生成する水素製造法であって、該バイオマスと水蒸気との反応を生ぜしめるための反応場において、圧力30気圧未満、温度500℃〜800℃の条件下で反応させるバイオマスによる水素製造法。
【効果】水蒸気還元の出発物質をバイオマスに限定したため、CO2吸収物質共存下、30気圧未満という非常に緩やかな反応条件下で効率よく水蒸気の還元を行うことができ、二酸化炭素をほとんど含まない非常にクリーンな水素エネルギーに変換することが可能となる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオマスによる水素製造法に関し、更に詳しくは、バイオマスをより緩やかな反応条件下、特により低圧の条件下で効率よく水素エネルギーに変換可能な水素製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人らは、従来より、二酸化炭素吸収物質(以下CO2吸収物質という)の共存下で、石炭や石油、プラスチック、バイオマス等の有機物を用いて水蒸気を還元し、水素を製造する方法をいくつか提案してきた。
例えば、上記有機物をCO2吸収物質共存下で超臨界水と反応させ、超臨界水を還元して水素を製造する方法を提案した(特許文献1、2参照)。
【0003】
具体的に言えば、圧力220気圧以上、温度600℃以上の条件の下で、上記有機物は完全にガス化され、超臨界水と反応する。
また、このガス化反応により生成したガスの組成は、一酸化炭素、水蒸気、二酸化炭素及び水素を主な成分とするものとなり、各組成ガスは、次の化学平衡式により化学平衡に達する。
CO+H2O ⇔ CO2+H2 …(1)
その際、各組成ガスの割合は、圧力と温度等の条件により決まる平衡値に留まるため、全体に占める水素の割合は30%程度にしかならない。
【0004】
そこで、予め反応場にCO2吸収物質(例えばCaO)を過剰に共存させて、生成ガス中から二酸化炭素を吸収させて除去することにより、上記化学平衡式(1)を、二酸化炭素と水素を生成する方向(即ち右向き)に反応を進行させることができる。
そして、この反応により新たに生成された二酸化炭素は、更にCO2吸収物質と反応して吸収される。
このようにして順次反応が進み、最終的にはガス中の水素の割合を80%程度にまで向上させることができるのである。
【0005】
しかし、上記特許文献1、2に記載された方法では、反応場における反応条件が圧力220気圧以上、温度600℃以上という条件で超臨界状態を形成しなければならない。
特に、220気圧以上という非常に高い圧力環境を形成しなければならず、装置の設計或いは操業の安全性の達成の点で必ずしも容易でないという問題があった。
【0006】
そこで、本願出願人らは、反応場の圧力をより低くした条件でも水素を効率的に製造する方法を探り、圧力を80気圧以上に下げても水素の収率がそれほど低下せず(特許文献3参照)、更に反応場に対する有機物やCaO、水等の供給の仕方を工夫すれば、温度600〜900℃の条件下で圧力を30気圧以上にまで下げても効率的に水素が得られることを見出した(特許文献4参照)。
【0007】
これらの水素製造法は、水素の製造過程において生成する二酸化炭素をCO2吸収物質に吸収させて積極的に除去するものであり、最終的な生成ガス中に二酸化炭素をほとんど含まない非常にクリーンな水素エネルギーを作り出すものとして、地球温暖化防止の観点からも注目される。
また、いわゆる有機廃棄物を含むバイオマスを、クリーンな水素エネルギーに変換し再利用することを可能にする点でも非常に優れた技術である。
【0008】
従って、操業の安全等を図ることができるように、より低圧の条件下で水素を生成させることができるようにする等、より緩やかな反応条件での水素製造法の開発が望まれる。
尚、バイオマスとは、石炭や石油等の化石燃料を除いた生物由来の有機資源を意味し、森林や農作物、海藻・魚介類、又はこれらを利用した後の有機性廃棄物などをも含む再生可能な有機資源である。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−143202号公報
【特許文献2】
特開2000−153252号公報
【特許文献3】
特開2001−19402号公報
【特許文献4】
特開2001−302206号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を背景に、上記の問題点を克服するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、CO2吸収物質共存下で、有機物、特にバイオマスを、より緩やかな反応条件下で効率よく水素エネルギーに変換可能な水素製造法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、石炭や石油等の化石燃料に比べて、バイオマスは揮発分が多く、それ自体が熱化学的に分解し易いことを見出し、更に、水蒸気還元の出発物質をバイオマスに限定すれば、より低圧の条件下でも、CO2吸収物質の存在下で水蒸気と反応させて効率的に水素を製造することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0012】
即ち、本発明は、(1)、バイオマスを二酸化炭素吸収物質の共存下で水蒸気と反応させて、水蒸気を還元し、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を生成する水素製造法であって、該バイオマスと水蒸気との反応を生ぜしめるための反応場において、圧力30気圧未満、温度500℃〜800℃の条件下で反応させるバイオマスによる水素製造法に存する。
【0013】
そして、(2)、バイオマスを二酸化炭素吸収物質の共存下で水蒸気及び酸素と反応させて、水蒸気を還元し、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を生成する水素製造法であって、該バイオマスと水蒸気と酸素との反応を生ぜしめるための反応場において、圧力30気圧未満、温度500℃〜800℃の条件下で反応させるバイオマスによる水素製造法に存する。
【0014】
そしてまた、(3)、前記反応場に、生成する二酸化炭素をすべて吸収可能な量の二酸化炭素吸収物質を存在させるバイオマスによる水素製造法に存する。
【0015】
そしてまた、(4)、前記反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対する二酸化炭素吸収物質のモル数の比が1〜5の範囲であるバイオマスによる水素製造法に存する。
【0016】
そしてまた、(5)、前記二酸化炭素吸収物質は、Ca、Mg又はFeの酸化物又は水酸化物、又はCaを含む貝殻のバイオマスを出発物とする酸化物又は水酸化物であるバイオマスによる水素製造法に存する。
【0017】
そしてまた、(6)、二酸化炭素を吸収して炭酸塩を形成した二酸化炭素吸収物質を反応場から取り出すバイオマスによる水素製造法に存する。
【0018】
そしてまた、(7)、二酸化炭素を吸収して炭酸塩を形成した二酸化炭素吸収物質を反応場から取り出し、該炭酸塩を分解して二酸化炭素吸収物質に変え、再び反応場に戻すバイオマスによる水素製造法に存する。
【0019】
そしてまた、(8)、前記反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対する水蒸気のモル数[H2O]の比[H2O]/[C]が2以上になるように水蒸気を供給するバイオマスによる水素製造法に存する。
【0020】
そしてまた、(9)、反応場に供給する酸素の濃度が、該反応場の内部において5%以下であるバイオマスによる水素製造法に存する。
【0021】
本発明はこの目的に沿ったものであれば、上記1〜9の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も当然採用可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明のバイオマスによる水素の製造方法の好適な実施の形態について述べる。
本発明の水素製造法は、水蒸気還元の出発物質をバイオマスに限定することで、バイオマスと水蒸気との反応を生ぜしめるための反応場の圧力を30気圧未満という低圧であっても効率的に水素を製造できることを見出した点に特徴がある。
【0023】
このように低圧条件下でバイオマスを用いて効率的に水素が製造できることについて、バイオマスと石炭との性状等を対比しながら、以下説明する。
先ず、本発明者等の実験では、例えば、コナラ材や杉材等の木質系のバイオマスを加熱すると、全重量のうち70%程度が揮発するという知見が得られている。
この値は、石炭の揮発分が、通常、30%程度であるのに比べると非常に高い値である。
【0024】
これは、木質系のバイオマスには、セルロースやヘミセルロース等の高温で揮発する成分(即ち揮発分)が多く含まれているためであると考えられる。
つまり、例えば、セルロース〔一般式は(C6H10O5)n〕のように電気陰性度の高い酸素等を多く含む有機物は、固体状のバイオマス中では主に水素結合により結合している。
【0025】
そして、バイオマスを加熱すると、こうした水素結合が比較的容易に切断され、セルロース等が気化(揮発)するのである。
このような傾向は他の種類のバイオマスでも見られ、バイオマスは、石炭等の化石燃料と比較して、一般に、揮発分を非常に多く含むと考えられる。
【0026】
また、酸素等を多く含有することで、ガス化したバイオマスは分子内反応等により比較的容易に熱化学的分解を生じると考えられている。
つまり、バイオマスの化学式をCxHyOzと表せば、
CxHyOz → (x−z)C+zCO+(y/2)H2 …(2)
の反応により、熱化学的に分解するのである。
【0027】
そして、更に、
C+H2O → H2+CO …(3)
C+CO2 → 2CO …(4)
等の反応を生じて、連鎖的にガス状の炭素分を分解しながら、比較的容易に上記の化学平衡[化学平衡式(1)参照]に達すると考えられている。
【0028】
それに対し、石炭は、もともとは植物が土砂中又は水底に埋没したものではあるが、天然の炭化作用により炭化したものであり、バイオマスに比べて分子中には酸素等は非常に少ない。
そして、石炭を構成する炭素原子同士が共有結合(いわゆるC−C結合)で強く結び付いているため、加熱しても容易には結合が切断されず気化しない。
【0029】
上記のような石炭を加熱すると30%程度揮発するという結果は、このC−C結合の切断による石炭自体の気化の寄与分は非常に少なく、主に石炭中に含まれる揮発分が揮発したものと考えられている。
しかし、こうした炭素原子同士の強固な共有結合を切断して石炭をガス化しないと、水蒸気を効率的に還元して水素を得ることができない。
【0030】
そこで、石炭をガス化させるために、従来の水素製造法では、加熱した固体状の石炭に水蒸気等を衝突させて、いわば強制的にガス化させていたのである。
そして、石炭を効率よくガス化するために、反応場の圧力を非常に高圧(例えば30気圧以上)にして水蒸気等が石炭に衝突する頻度を高めて上記反応式(3)や(4)の反応を強制的に生じさせる必要があったのである。
【0031】
一方、バイオマスは、ガス化すると水蒸気による改質反応(即ち水蒸気改質反応)を受け易くなるという特質をも有すると考えられている。
つまり、バイオマスがガス化すると、上記反応式(2)のように自ら熱化学的に分解するものもあるが、ガス化したバイオマスを共存する水蒸気が直接攻撃して反応し、一酸化炭素や水素等が生成する。
【0032】
このように、バイオマスは、石炭等の化石燃料と比較して揮発分を非常に多く含むという特質を有し、更に熱化学的分解の経路又はこの水蒸気改質反応の経路をたどることで、容易に一酸化炭素や水素等に分解・改質される。
そのため、従来のように高圧条件にしなくても、上記化学平衡式(1)の化学平衡に容易に達することができるのである。
尚、例えば、Ni、Ru、Pt又はPd等を担持したα−アルミナ触媒やZrO2等の改質触媒を反応場に共存させれば、より容易にバイオマスの水蒸気改質反応を生じさせることができる。
【0033】
さて、水蒸気還元の出発物質をバイオマスに限定すれば、反応場の圧力を低圧(即ち30気圧未満)にしてもバイオマスが効率よくガス化され、上記化学平衡式(1)の化学平衡に達し得ることについては、以上のように説明できる。
しかし、後述する実施例に示すように、実際に、バイオマスとしてコナラ材の木屑を用いた実験では、反応場の圧力を3気圧から25気圧まで変化させたところ、6気圧近傍で水蒸気の水素への変換率が最大になり、更に昇圧すると寧ろ変換率が下がるという興味深い結果が得られている。
【0034】
この結果は、出発物質としてバイオマスを用いる場合には、上記のように低圧でも可能であるということよりは、寧ろ、積極的に30気圧未満の低圧状態にすることが必要であるということを示唆しているとも考えられる。
バイオマスのガス化や水蒸気の還元過程は、上記反応式(1)〜(4)等の種々の反応が複合的に進行する複雑な過程であるから確定的な説明は困難であるが、少なくとも次のようなことは言えるであろう。
【0035】
即ち、先述したバイオマスの熱化学的分解反応[反応式(2)参照]やバイオマスの水蒸気改質反応は、共に、バイオマス自体が揮発したうえで、そのガス化したバイオマスが分解し或いは改質されて全組成ガスのモル数が増加する反応であるため、高圧下よりは低圧条件下の方が反応が進行し易い。
従って、上記の水素製造実験で、6気圧から昇圧すると水素への変換率が下がることから、圧力を上げると、バイオマス自体の揮発が阻害され、バイオマスの熱化学的分解反応やバイオマスの水蒸気改質反応が進行し難くなるため、水蒸気の水素への変換が阻害されるのではないかと考えられる。
【0036】
一方、石炭を用いた水素製造法においても、固体状の石炭(C)を改質する上記反応式(3)や(4)の反応もモル数が増加する反応であり、高圧環境下よりは低圧条件の方が反応は進むはずである。
しかし、上記のように、石炭の場合には、圧力をかけて強制的に水蒸気等を衝突させないとそもそも固体状の石炭がガス化しないため、圧力を30気圧未満にすることは非常に困難であったのである。
【0037】
因みに、石炭を出発物質とした場合、高圧条件下で行われるため、モル数を減少させる反応である、
C+2H2 → CH4 …(5)
の反応が生じ、主にこの反応により組成ガス中の水素が減り、比較的高い比率でメタンが発生してしまう。
それに対し、バイオマスを出発物質とすれば、反応が低圧環境下で行われるため上記反応式(5)の反応はほとんど生じず、メタン化により水素が不必要に減少するのを防止できるという効果もある。
【0038】
以上のように、バイオマスは、30気圧未満でもそれ自身が十分容易にガス化するうえ、寧ろ低圧である方が効率的に熱化学的分解や水蒸気改質反応が進行するため、上記化学平衡式(1)に示す化学平衡に達し易いことが分かった。
また、その際の反応温度は、後述する実施例に示すように、反応効率等の観点から500〜800℃が好ましく、600〜750℃であればより好ましい。
【0039】
さて、反応場に予めCO2吸収物質を共存させておけば、上記化学平衡式(1)に示す化学平衡にある生成ガス中の二酸化炭素がこのCO2吸収物質と反応して減少する。
今、CO2吸収物質をXで表せば、この反応は、
X+CO2 → (XCO2) …(6)
と表すことができる。
因みに、(XCO2)はCO2吸収物質(X)がCO2を吸収して生成した化合物を示し、例えば、CO2吸収物質がCaOであれば、(XCO2)は、
CO2+CaO → CaCO3 …(7)
の反応で生じるCaCO3のことを指す。
【0040】
そして、この反応により生成ガス中から二酸化炭素が減少すると、上記化学平衡式(1)に示す化学平衡は、右方向、即ち二酸化炭素と水素を生成する方向に反応が進む。
新たに生成された二酸化炭素は、更にCO2吸収物質と反応して吸収され、このようにして順次反応が進み、最終的にはガス中の水素の割合が向上し、効率よく水素を製造することが可能となるのである。
【0041】
そのため、反応場に、生成する二酸化炭素をすべて吸収可能な量のCO2吸収物質を予め存在させておけば、生成された二酸化炭素を余さず吸収することができ好ましい。
上記反応式(5)に示すように、CO2吸収物質と二酸化炭素とは、通常、1対1で反応し、二酸化炭素はバイオマス中の炭素原子が酸化されて生成されるから、反応場に供給するCO2吸収物質の量は、反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対して、CO2吸収物質のモル数の比が1以上であることが必要である。
【0042】
しかし、CO2吸収物質をあまりに大過剰に供給してしまうと、今度は、水素の生成効率が低下することが分かっている。
そのため、反応場に供給するCO2吸収物質の量は、バイオマス中の炭素のモル数[C]に対するCO2吸収物質のモル数の比が1〜5の範囲であれば好ましく、1〜4の範囲であればより好ましい。
【0043】
本発明のバイオマスによる水素製造法に用いるCO2吸収物質としては、Ca、Mg、Fe等の酸化物(CaO、MgO、FeO、Fe2O3、Fe3O4等)及び同種金属の水酸化物(Ca(OH)2、Mg(OH)2、Fe(OH)2、Fe(OH)3等)が好ましく用いられる。
また、本発明者等の実験では、Ca分を含み特徴的な多孔性三次元構造を有する牡蠣やホタテなどの貝殻のバイオマスを出発物としてそれを酸化物又は水酸化物にして用いても、同様に効果的に二酸化炭素を吸収することが分かった。
【0044】
これらのCO2吸収物質は、二酸化炭素を吸収して炭酸塩を形成するため、二酸化炭素を地球温暖化ガスとして放出することなく反応場から取り出すことができ、好ましい。
また、これらのCO2吸収物質は、炭酸塩として反応場から取り出した後、更にこの炭酸塩を加熱等により分解して二酸化炭素を除去すると、再びCO2吸収物質に変換することができ、反応場に戻して用いることができる利点がある。
【0045】
さて、以上述べてきた本発明のバイオマスによる水素製造法における全反応を1つの反応式で表すならば、バイオマス中の炭素(C)1原子につき、
C+2H2O+X → (XCO2)+2H2 …(8)
の化学反応が生じ、水蒸気が水素に還元される(XはCO2吸収物質)。
正確に言えば、バイオマス中にも水素原子や酸素原子が多量に含まれるが、上記反応式(8)に示すように、反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対する水蒸気のモル数[H2O]の比[H2O]/[C]が、2以上になるように水蒸気を供給すれば、バイオマスを余さず反応させることができ、好ましい。
【0046】
ところで、ガス化したバイオマスが上記の熱化学的分解反応[反応式(2)参照]や水蒸気改質反応を経た後、なおも、生成ガス中にタール分(即ちガス状の未反応のバイオマスや炭素を主成分とする灰分等)が残ることがある。
そうした場合には、反応場に供給するバイオマスや水蒸気に加え、更に酸素を供給すると好ましい。
【0047】
このように酸素を加えると、バイオマスやタール分中の炭素を燃焼させるため、タール分の発生量を低減させることができる。
また、上記反応式(3)の反応(C+H2O→H2+CO)は比較的大きなエンタルピー変化を伴う吸熱反応であるため、上記燃焼により発生した反応熱をこの反応で要求される熱量に充てることができる。
その結果、この反応熱の分だけ反応場を加熱する電気炉等にかかる負担を軽減することができ、電力消費量を低減させることが可能となる。
【0048】
しかし、その際、酸素をあまり大量に供給すると、バイオマスを燃焼して二酸化炭素が大量に発生する。
生成した二酸化炭素は、上記反応式(4)によりガス化したバイオマス中の炭素と反応して一酸化炭素の生成に使われるものもあるであろうが、大部分はCO2吸収物質と反応して吸収されてしまい、水蒸気の水素への還元に何ら寄与しない結果となる。
【0049】
反応場に酸素を供給するのであれば、バイオマスといわゆる不完全燃焼を起こさせて一酸化炭素を生成する程度の量の酸素を供給すべきである。
そうすれば、一酸化炭素が上記化学平衡式(1)を介して効果的に水蒸気を還元して水素を発生させることができる。
本発明者らの実験によれば、反応場の内部において酸素の体積濃度が5%以下になるように供給すれば、良好に一酸化炭素が生成されることが分かっている。
【0050】
このことは、実際にこのバイオマスによる水素製造法を用いた水素製造装置の設計や作業性の点で、非常に重要な意味を持つ。
つまり、通常、実験的には、バイオマス等を反応場に供給する際には、バイオマス中に含まれる空気(約20%の酸素が含まれる)を非反応性のキャリアガス(例えば窒素ガス等)で置換してこのキャリアガスに乗せて供給する。
しかし、5%以下の酸素が混入してもよいのであれば、バイオマス等をキャリアガスに乗せて供給するにしても、わざわざ一旦バイオマス中の空気をキャリアガスで置換するという煩瑣な作業を省略することができるからである。
【0051】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の更なる変形例が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記の説明は、主にコナラ材や杉材等の木質系のバイオマスを例にとったが、他の海藻や魚介類、又はこれらを利用した後の有機性廃棄物などでもまったく同様に説明することができ、これらのバイオマスも本発明の出発物質として当然用いることが可能である。
【0052】
【実施例】
以下、実施例について述べる。
尚、本発明は、これらの実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0053】
[実験条件]
水素製造は、図1に示すオートクレーブ(インコネル製)有するバッチ式水素製造装置と、図2に示すステンレス製の流通式高圧反応装置を用いて行った。
バイオマスは、コナラ材又は杉材(ともにサイズ500μm〜1mm)を用い、CO2吸収物質はCa(OH)2を用いた。
【0054】
生成したガス組成は、ガスクロマトグラフにより測定した。
流通反応装置への供給は、杉材とCa(OH)2を混合し、ホッパーを用いて流速1000cm3/minのN2(キャリアガス)及び水蒸気の下で2.4g/min[0.8g/min(杉材)、1.6g/min(Ca(OH)2)]の供給速度で供給した。
【0055】
[実験1]
バッチ式水素製造装置(図1参照)のオートクレーブ中のCa(OH)2のCa量〔Ca〕のコナラ材の炭素量〔C〕に対するモル比(〔Ca〕/〔C〕)が2、コナラ材の炭素〔C〕に対する水蒸気のモル比(〔H2O〕/〔C〕)が4になるようにしてコナラ材、Ca(OH)2及び水を導入し、温度を650℃に固定して、3気圧、6気圧、18気圧及び25気圧でそれぞれ10分間水素製造を行い、圧力依存性を測定した。
【0056】
[結果]
生成したガス成分はほとんど水素であり(90%前後)、少量のメタン(CH4)が見られた。
CO2吸収物質の分析から、バイオマスの炭素の酸化物は二酸化炭素としてCO2吸収物質に吸収されたことが分かった。
各圧力で得られた水素の生成は、理論収率(投入炭素1モルに対して水素2.05モル)に対して、35%(3気圧)、57%(6気圧)、45%(18気圧)及び35%(25気圧)であった。
即ち、反応温度650℃では、バイオマスによる水の水素への変換率は6気圧近傍で最大となることが分かった。
【0057】
[評価]
6気圧より高い圧力における水素の収率の減少については、前に検討した通りである。
3気圧の場合より6気圧の場合の方が水素の収率が高いのは、この圧力範囲(即ち6気圧以下)では、圧力が増加するに従って、上記反応式(5)の二酸化炭素の吸収反応が速くなる、即ち、上記化学平衡式(1)によって水素の生成速度が速くなるためであると考えられる。
【0058】
[比較実験1]
実験1と同様な装置でCO2吸収物質を入れずに、650℃、6気圧で水素の生成評価を行った。
【0059】
[結果]
生成したガス成分は、水素、二酸化炭素の他に、少量のメタンが検出された。
得られた水素の生成は、上記理論収率に対して20%程度であり、H2生成特性は、CO2吸収物質が共存する場合と比較して大きく低下した。
【0060】
[実験2]
実験1と同様に図1のバッチ式水素製造装置のオートクレーブ中のCa(OH)2のCa量〔Ca〕のコナラ材の炭素量〔C〕に対するモル比(〔Ca〕/〔C〕)が2、コナラ材の炭素〔C〕に対する水蒸気のモル比(〔H2O〕/〔C〕)が4になるようにしてコナラ材、Ca(OH)2と水とを導入し、圧力を10気圧に固定して、600℃、650℃、及び700℃の温度でそれぞれ各10分間水素製造を行い、温度依存性を測定した。
【0061】
[結果]
10気圧の下、各温度で得られた水素の生成は理論収率(投入炭素1モルに対して水素2モル)に対して、40%(600℃)、58%(650℃)及び59%(700℃)であった。
10気圧では、バイオマスによる水の水素への変換率は650℃〜700℃近傍で最大であった。
【0062】
[実験3]
実験2のコナラ材、Ca(OH)2、水の反応において、さらに酸素を1%加えて、650℃、10気圧で水素生成を同様に評価した。
【0063】
[結果]
水の水素への変換率が上がり、62%であった。
この反応条件では、上記実験1、2及び比較実験1に見られたタール分の残存量の低下が見られた。
【0064】
[実験4]
図2の石英製の流通式高圧反応装置に、杉材(サイズ500μm〜1.00mm)をCa(OH)2と水蒸気とを実験2の割合で連続的に導入して、650℃、10気圧で水素生成を同様に評価した。
【0065】
[結果及び評価]
10時間の水素製造中には、バイオマス、水及びCO2吸収物質の反応で生成される水素の生成速度はほぼ一定であり、水の水素への変換率は定常的に72%を示した。
これにより、効果的な連続的水素製造が可能であることが確かめられた。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、水蒸気還元の出発物質をバイオマスに限定したため、CO2吸収物質共存下、30気圧未満という非常に緩やかな反応条件下で効率よく水蒸気の還元を行うことができ、二酸化炭素をほとんど含まない非常にクリーンな水素エネルギーに変換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、バッチ式水素製造装置を説明する模式図である。
【図2】図2は、流通式高圧反応装置を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…オートクレーブ
2…密閉容器
3…ガスバック
4…ガスメータ
5…炉
6…反応管
7…ホッパー
8…振動源
9…背圧レギュレータ
10…固体捕集管
Claims (9)
- バイオマスを二酸化炭素吸収物質の共存下で水蒸気と反応させて、水蒸気を還元し、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を生成する水素製造法であって、
該バイオマスと水蒸気との反応を生ぜしめるための反応場において、圧力30気圧未満、温度500℃〜800℃の条件下で反応させることを特徴とするバイオマスによる水素製造法。 - バイオマスを二酸化炭素吸収物質の共存下で水蒸気及び酸素と反応させて、水蒸気を還元し、生成する二酸化炭素を二酸化炭素吸収物質に吸収させて水素を生成する水素製造法であって、
該バイオマスと水蒸気と酸素との反応を生ぜしめるための反応場において、圧力30気圧未満、温度500℃〜800℃の条件下で反応させることを特徴とするバイオマスによる水素製造法。 - 前記反応場に、生成する二酸化炭素をすべて吸収可能な量の二酸化炭素吸収物質を存在させることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオマスによる水素製造法。
- 前記反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対する二酸化炭素吸収物質のモル数の比が1〜5の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオマスによる水素製造法。
- 前記二酸化炭素吸収物質は、Ca、Mg又はFeの酸化物又は水酸化物、又はCaを含む貝殻のバイオマスを出発物とする酸化物又は水酸化物であることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオマスによる水素製造法。
- 二酸化炭素を吸収して炭酸塩を形成した二酸化炭素吸収物質を反応場から取り出すことを特徴とする請求項1又は2記載のバイオマスによる水素製造法。
- 二酸化炭素を吸収して炭酸塩を形成した二酸化炭素吸収物質を反応場から取り出し、該炭酸塩を分解して二酸化炭素吸収物質に変え、再び反応場に戻すことを特徴とする請求項1又は2記載のバイオマスによる水素製造法。
- 前記反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対する水蒸気のモル数[H2O]の比[H2O]/[C]が2以上になるように水蒸気を供給することを特徴とする請求項1又は2記載のバイオマスによる水素製造法。
- 反応場に供給する酸素の濃度が、該反応場の内部において5%以下であることを特徴とする請求項2記載のバイオマスによる水素製造法。
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