JP2005041681A - 車両リフト装置 - Google Patents

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Kaoru Sato
薫 佐藤
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Abstract

【課題】 リフトプレート部の安定性をよくし、車両の整備や点検などの作業を行い易い車両リフト装置を提供する。
【解決手段】 リフトプレート部2を上下動する昇降機構3は、固定ガイド部31と、断面矩形の枠からなるマスト部32と、固定ガイド部31に挿入されたマスト部32を上下動する動力部33とからなる。固定ガイド部31は、リフトプレート部の長手方向に所定の間隔を開けて一対のアウターマスト31aを対向させてなる。マスト部32は、アウターマスト31aの対向面側にインナーマスト32aを摺動可能に挿入してなる。動力部33は、マスト部32の中心軸上に配設したシリンダーと、このシリンダー内に一部挿入されたロッドと、インナーマスト32aの上面とロッドの上面とに連結した上板34とからなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リフトプレート部が安定して上下動し、操作性がよく作業効率が向上する車両リフト装置に関する。
車両を昇降させるリフト装置としては様々な種類があり、例えば地下や床下に埋設される車両リフト装置がある。図13は従来の車両リフト装置100の概略図で(a)は平面図、(b)は正面図である。Fは床面、Gは地面である。車両リフト装置100では、一本の棒状のシャフト101でそれぞれのリフトプレート部102が支持される。そして、油圧によるシャフト101の上昇でリフトプレート部102が上昇し、リフトプレート部102に装着された受けブロック103が車両110のリフトポイントに当接し、車両110をリフトする。
また、左右のリフトプレート部をそれぞれ二本のシャフトで支持し、計四本のシャフトの上下動を同調させることで、リフトプレート部の安定性を図ったものがある(例えば、特許文献1)。
特開2000−53388号公報
しかしながら、従来の車両リフト装置100では棒状のシャフト101を用いるので、リフトプレート部102の水平断面に比べてシャフトの断面は小さく、リフトプレート部102を安定させて昇降させることが難しい。特に、車両110の前部と後部とで重量が異なる場合には、車両110を平行に保ちながら昇降させることが著しく難しくなる。
また、リフトプレート部を支持するシャフトの本数を増やすことで仮にリフトプレート部を安定させて支持することができたとしても、その分、増やしたシャフトについてもシャフトの上下動を同調させる必要がある。
さらには、リフトプレート部を安定して昇降できないと、その分作業者が作業を行うに当たって常に注意を喚起しなければならず、車両の点検や修理など作業の効率性が悪くなる。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、リフトプレート部を安定させて昇降可能とし、しかも作業者にとって車両の整備や点検などの作業を行い易い車両リフト装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、リフトプレート部とこのリフトプレート部を上下動する昇降機構とをそれぞれ一対備えた車両リフト装置において、上記昇降機構は、地下または床下に埋設される固定ガイド部と、この固定ガイド部に嵌合されて上下動するマスト部と、このマスト部を上下動する動力部とから成っており、マスト部の水平断面をリフトプレート部の長手方向に長い矩形とし、マスト部の上面にリフトプレート部を固着したことを特徴とする。
前記固定ガイド部は、好ましくは、前記リフトプレート部の長手方向に所定の間隔を開けて一対のアウターマストを対向させてなり、前記動力部は、前記マスト部の中心鉛直軸上に配設されたシリンダーと、このシリンダー内に挿入されたピストンと、このピストンに固着されたロッドとを備え、マスト部は、アウターマストの対向面側に上下に摺動可能にそれぞれ挿入されたインナーマストと、このインナーマスト上面に固着され、かつピストンまたはロッドの何れかの上面に固着した上板とからなる。
また、好ましくは、前記アウターマストは、リフトプレート部の長手方向と垂直な側枠と、この側枠と略直角をなすフランジと、側枠の対向面上端に軸着されたアウターローラとを有し、フランジとアウターローラとで摺動溝を形成し、前記インナーマストは、アウターマストの側枠より短い側枠と、この側枠のアウターマスト側下端に軸着されたインナーローラと、前記摺動溝に挿入され、かつアウターローラの外周側面と摺動する摺動片とを有し、インナーローラの外周側面がアウターマストのフランジと摺動する。
また、好ましくは、前記固定ガイド部は、リフトプレート部の長手方向に所定の間隔を開けて一対のアウターマストを対向させてなり、前記マスト部は、アウターマストの対向面側に上下に摺動可能にそれぞれ挿入されたミドルマストと、このミドルマスト同士に跨設した横木と、ミドルマストの対向面側に上下に摺動可能にそれぞれ挿入されたインナーマストとからなり、前記動力部は、マスト部の中心鉛直軸上に配設されたシリンダーと、このシリンダー内に挿入されたピストンと、このピストン上面に固着されたロッドと、シリンダーまたはロッドの何れかの上面に立設された歯車と、この歯車に噛み合うリフトチェーンとを有し、歯車の軸が横木に軸着されており、リフトチェーンの一端を固定ガイド部の所定の箇所に固着し、かつ他端をインナーマスト下端の対向面に固着したリフトチェーン連結板に固着してなる。
また、好ましくは、一対の前記昇降機構のうち、一方のシリンダー内の上部屋側と他方のシリンダー内の下部屋側とを油圧配管で接続して、一対のリフトプレート部の上下動を連動させ、一対のリフトプレート部同士の高さを同じにする。
また、好ましくは、前記車両リフト装置は、リフトプレート部毎にプレートケース部を備えており、リフトプレート部の上面が地面または床面と一致するようにこのリフトプレート部をプレートケース部に収納する。
また、好ましくは、前記プレートケース部内には補助リフトが配置されており、この補助リフトが、マスト部を挿入する挿入口が形成された補助プレートと、この補助プレートをリフトプレート部の上下動と連動させて地面または床面まで上昇させる昇降部とからなる。
また、好ましくは、前記車両リフト装置は、前記固定ガイド部に隣接して修理用及び/又は点検用の空間を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、昇降機構のマスト部の水平断面をリフトプレート部の長手方向に長い矩形としたことから、各種車両を安定させて昇降することができる。これにより、車両の点検や修理に集中でき、作業効率が向上する。
また、マスト部である一対のインナーマストを、固定ガイド部である一対のアウターマスト内に挿入して上下動するようにしたので、リフトプレート部の長手方向に合せて、インナーマストやアウターマストの間隔を決めることで、リフトプレート部の大きさに合せて任意に昇降機構を構築することができる。
また、固定ガイド部である一対のアウターマスト内に、一対のミドルマストを介して一対のインナーマストを挿入して上下動するようにしたので、地下や床下に埋設される固定ガイド部の深さを低くすることもできる。それにより、固定ガイド部の埋設にかかるコストを抑えることができるばかりか、今まで地下や床下の深さが足りずに固定ガイド部を埋設できなかった箇所にも埋設可能となる。
また、一対のシリンダーまたはロッドを連動させて同じ幅だけリフトプレート部を上下動するようにしたので、安定して車両を昇降することができる。また、昇降機構によりリフトプレート部をリフトさせた場合でも、補助リフトをリフトさせることで、地面や床面を平らにすることができ、作業者が足元に注意する度合いを低減させることができ、作業効率が向上する。さらに、固定ガイド部に隣接して修理用及び/又は点検用の空間を、ピットケースで画成したことにより、メインテナンスがし易く、修理費や維持費などを削減することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または実質的に同等な部材については同一の符号を付した。
図1は本発明の車両リフト装置の概略構成図、図2は車両リフト装置を構成する昇降機構の概略斜視図、図3は図1のA−A線断面図である。
車両リフト装置1は、図1に示すように、それぞれ任意のリフトプレート部2と、リフトプレート部2を支持して上下動させる昇降機構3とを一対ずつ備える。
昇降機構3は、地下や床下に埋設される固定ガイド部31と、この固定ガイド部31に嵌合されて上下動するマスト部32と、このマスト部32の中心鉛直軸上に挿入されてマスト部32を上下動する動力部33とからなる。固定ガイド部31は、一対のアウターマスト31a をリフトプレート部2の長手方向に所定の間隔を開けて対向させてなる。一対のアウターマスト31a の上端と下端にはそれぞれ横木31bを跨設する。また、必要に応じて、上端と下端の間にも一本以上の横木を跨設する。横木31bでアウターマスト31a の間隔を保ち、かつ固定ガイド部31の強度を高める。さらに、アウターマスト31aの上端には、後述する図7のプレートケース部5の底面などの所定の箇所に固定するための固定用部材31cが鍔状に固着される。アウターマスト31a の上端に跨設する横木31bと固定用部材31cとは、例えば、マスト部32を挿入するための開口を設けた一枚の平板など同一の部材で構成してもよい。
ガイド部32は、一対のインナーマスト32aからなる。インナーマスト32aは、固定ガイド部31の中空内、すなわち、アウターマスト31aの対向面側にそれぞれ挿入される。インナーマスト32aの上面は上板34を介して他のインナーマスト32aと連結される。上板34の上面はリフトプレート部2に連結する。インナーマスト32aの下端等に横木32bが固着されており、インナーマスト32a間の間隔を保ちつつ、ガイド部32に作用する水平方向の力の偏りをなくす。さらに、必要に応じて、インナーマスト32aの間には側板を取り付けることもできる。この側板は、広告文字などを印刷した掲示板や、コンピュータなどで制御されて広告文字などを表示する電光掲示板などとして活用することもできる。
インナーマスト32aの上面は、図3に示すように、リフトプレート部2の長手方向に長い矩形の上板34を介してリフトプレート部2に連結される。上板34の底面には動力部33のロッド33Dが固着されており、ロッド33Dの上下動で上板34が上下動し、結果としてリフトプレート部2が上下動する。
ここで、アウターマスト31aおよびインナーマスト32aを詳細に説明する。
図4(a)は図1のB−B線断面図、図4(b)は図1のC−C線断面図、図4(c)は図4(b)のD−D線断面図である。
アウターマスト31aは、所定の幅を有する側枠31dと、側枠31dの少なくとも一端に形成されたフランジ31eとを有する。フランジ31eは、リフトプレート部2の長手方向に平行であり、フランジ31eと略直角をなす。図2や図4(a)などに示すように、側枠31dの対向面側、すなわち、対となる他方のアウターマスト31a側の上端には、アウターローラ31fを軸着しており、このアウターローラ31fとフランジ31eとで摺動溝31gを形成する。図2や図4では、アウターマスト31aの断面は、フランジ31eを側枠31dの両端に備える略コの字型となっている。後述する摺動片32fが挿入される溝をアウターローラ31fとで形成でき、かつ後述するインナーローラ32gの外周側面と摺動できれば、フランジ31eは対向面側に一つあればよい。
インナーマスト32aは、固定ガイド部31の側枠31dの所定幅より小さい側枠32dを有する。側枠32dは固定ガイド部31の側枠31dと略平行の位置関係にある。この側枠32dの両端にはフランジ32eを有する。このフランジ32eは側枠32dと略直角方向をなす。このフランジ32eの上面で、インナーマスト32aと上板34とを固着しやすくしている。インナーマスト32aは側枠32の外側、つまり、動力部33と反対側に、摺動片32fを有する。摺動片32fは摺動溝31gに挿入される。図2や図4(b),(c)に示すように、側枠32dの外側、すなわち、アウターマスト31aの側枠31d側の下端にはインナーローラ32gを軸着する。摺動片32fは、インナーマスト32aの鉛直方向の長さと略同程度であるが、インナーマスト32aの下端に軸着するインナーローラ32gの外周側面近傍までである。
ここで、インナーローラ32gとアウターローラ31fの軸着位置および大きさは、図4(b)に示すように、インナーローラ32gの外周側面がアウターマスト31aのフランジ31eに摺動し、かつ、図4(a)に示すように、アウターローラ31fの外周側面がインナーマスト32aの摺動片32fに摺接するように、定められる。これにより、インナーマスト32aをアウターマスト31aの摺動溝31gを介して鉛直方向に移動し易くなる。
図1に示すように、昇降機構3のうち固定ガイド部31およびマスト部32は、一対のリフトプレート部2に応じて構成や大きさが異なる必要はない。また、マスト部32を上下動する動力部33の構成は、昇降するリフトプレート部2に対応して異なることはないが、大きさに異なる点があるので、以下、説明上、一対のマスト部32のうち一方の第一マスト部に配設される動力部を第一動力部とし、他方の第二マスト部に配設される動力部を第二動力部とする。
図1に示すように、第一動力部33Aは、内径R1の第一シリンダー33Bを備えており、第一シリンダー33Bの底面は動力部固定板31hと固着する。動力部固定板31hは固定ガイド部31の下端の横木31b上に跨設してある。
第一シリンダー33Bの内部には上下動可能な第一ピストン33Cが挿入されており、第一シリンダー33B内を上部屋35Aと下部屋35Bとに分離する。第一ピストン33Cの上面には半径R2の第一ロッド33Dが固着される。第一ロッド33Dの上面には、図3にも示すように、上板34を介して一方のリフトプレート部2が取り付けられる。
第二動力部33aも、内径r1の第二シリンダー33bを備えており、その底面は動力部固定板31hと固着する。この第二シリンダー33b内に第二ピストン33cが挿入され、第二シリンダー33b内を上部屋35aと下部屋35bとに分離する。第二ピストン33cの上面には第二ロッド33dが固着されており、第二ロッド33dの上面には上板34を介して他方のリフトプレート部2が取り付けられる。
そして、第一シリンダー33B内の上部屋35Aと第二シリンダー33b内の下部屋35bとの間を所定のパイプやホースなどで配管接続する。
図1に矢印で示すように、油圧供給回収系4からの圧油注入に伴い第一ピストン33Cが上昇し、この第一ピストン33Cの上昇で上部屋35Aの減少した体積分の油を第二シリンダー33b内の下部屋35bに注入して、第二シリンダー33b内の第二ピストン33cを押し上げ、第二シリンダー33bの上部屋35aから余分な油が油圧供給回収系4に回収される。第一ピストン33Cおよび第二ピストン33cの下降の場合は図の矢印とは逆向きに圧油が流れ、上昇の場合と逆に第一ピストン33Cや第二ピストン33cなどが動作する。
よって、第一ピストン33Cの上下動と第二ピストン33cの上下動とが連動する。そして、第一シリンダー33B側の上部屋35Aのドーナツ状の断面積と第二シリンダー33b側の下部屋35bの断面積が等しくなるよう設計される。例えば、第一ロッド33Dの半径R2と、第二シリンダー33bの内径r1と、第一シリンダー33Bの内径R1との比を、例えば黄金比、具体的には、3:4:5や5:12:13などとする。一例として、R2=45mm,r1=60mm,R1=75mmが挙げられる。
これにより、第一ピストン33Cと第二ピストン33cが連動して同じだけ上下動するので、リフトプレート部2を連動させて上下動し、常に同じ位置に保つことができる。
図5は油圧供給回収系4の配管図である。油を貯めた油タンク41に対して、フィルタ42を介してモータ43を駆動力とする油圧ポンプ44が配管接続され、油圧ポンプ44の下流側で油圧方向制御バルブ45の第一ポート45aと配管接続される。この油圧方向制御バルブ45は、第一ポート45aの他に、油タンク41側に第二ポート45bをも備え、また油圧ポンプ44と逆側に、すなわち、第一シリンダー33B、第二シリンダー33b側に、第三ポート45cと第四ポート45dとを備える。図面では、油圧方向制御バルブ45をソレノイドやバネなどで模式的に示している。第三ポート45cは、パイロット式のチェック弁46を介在させて第一シリンダー33Bの下部屋35Bに接続される。第四ポート45dは、第二シリンダー33bの上部屋35a上端と接続される。チェック弁46は、第四ポート45dと第二シリンダー33bとの間の配管内の圧力に応じて逆流防止機能が作動する。もっとも、同図には示していないが、第四ポート45dと第二シリンダー33bとの間の配管にも、パイロット式のチェック弁を介在させて、第三ポート85cと第一シリンダー33Bとの間の配管内の圧力に応じて逆流防止機能が作動することで更に安全を図ることができる。
また、第二ポート45bは油タンク41に油を回収できるように配管接続される。第二ポート45bに接続している油タンク41への回収側の配管と、油圧ポンプ44から第一ポート45aへの供給側の配管との間に、リリーフバルブ47を介在して配管接続されており、油圧ポンプ44稼動時でも油圧方向制御バルブ85に対して圧油を供給しないようにしたり、油圧ポンプ44と第一ポート45aとの間の配管内の圧力が異常に上昇した場合に減圧できるようになっている。
なお、油圧モータ44とリリーフ弁47との間の配管には、可変絞り弁48aを介して油圧計48bが取り付けてある。また、配管は、パイプのみならずゴムホースなどを用いることで、フレキシブルに対応可能となっている。
チェック弁46からの第一シリンダー33Bへの配管接続には、ヒューズ弁35Eを介して行う。同様に、第一シリンダー33Bの上部屋35Aからの第二シリンダー33bへの配管接続にも、ヒューズ弁35eを介して行う。ヒューズ弁35E,35eは、ゴムホースや配管の接続口などに亀裂や破損を生じた場合など急激に油の流量が増加した場合に流量抵抗に応じて油圧回路を遮断するためであり、第一ピストン33Cや第二ピストン33cの異常落下が生じた場合にその落下を止める緊急遮断弁として機能する。
第一シリンダー33Bの上部屋35Aと第二シリンダー33bの下部屋35bとの間の配管には、圧力スイッチ4aが介在される。この圧力スイッチ4aで、第一ピストン33Cと第二ピストン33cとの上下動の同調に異常が発生しているか否かを検出できる。
油圧供給回収系4において、第三ポート85cとヒューズ弁35Eとの間、第四ポート85dと第二シリンダー33b内の上部屋35aとの間の少なくとも何れかに、流量調節弁を介在させることで、第一シリンダー33Bおよび第二シリンダー33bの昇降スピードを制御することができる。流量調節弁の機能を、後述する操作ペンダントのスイッチの半押しと全押しとに応じて、ON,OFFすることができる。
図6は、図1に示した動力部とは異なる構成で構築した車両リフト装置1である。同図で、昇降機構3のうち固定ガイド部31およびマスト部32は図1と同一である。
第一動力部33Eは内径R1の第一シリンダー33Fを備えているが、図1と異なり、第一シリンダー33Fは上下動可能になっている。第一シリンダー33Fの上面には上板34を介して一方のリフトプレート部2が取り付けられる。第一シリンダー33F内部には第一ピストン33Gが挿入されており、第一ピストン33Gで第一シリンダー33F内が上部屋35Cと下部屋35Dとに分離する。第一ピストン33Gの下面には、半径R2の第一ロッド33Hが固着する。第一ロッド33Hの底面は動力部固定板31hに取り付けられ、図1と異なり、第一ロッド33Hおよび第一ピストン33Gは不動である。第一ピストン33Gおよび第一ロッド33Hの中心鉛直軸上には供給穴が設けてあり、その供給穴を通じて、動力部固定板31h底面から第一シリンダー33Fの上部屋35Cに圧油を供給したり、逆にそこから圧油を回収したりする。
第二動力部33eも内径r1の第二シリンダー33fを上下動可能に備え、第二シリンダー33fの上面には上板34を介して他方のリフトプレート部2が取り付けられる。第一シリンダー33f内部には第二ピストン33gが挿入されており、第二ピストン33gで上部屋35cと下部屋35dとに分離する。第一動力部33Eと同様、第二ピストン33gの底面には第二ロッド33hが固着されており、第二ロッド33hの底面は動力部固定板31hに不動に取り付けられる。第二ピストン33gおよび第二ロッド33hの中心鉛直軸上には供給穴が設けてあり、その供給穴を通じて、動力部固定板31hの底面から第二シリンダー33fの上部屋35cに圧油を供給したり、逆にそこから圧油を回収したりする。
このように、第一シリンダー33Fや第二シリンダー33fを上下動可能とし、逆に第一ロッド33Hや第二ロッド33hを動力部固定板31hに不動に取り付けるようにして、第一動力部33Eや第二動力部33eを構成してもよい。ここで、第一シリンダー33Fの内径R1、第一ロッドの外径R2および第二シリンダー33fの内径r1は図1と同様で、第一シリンダー33Eの昇降幅と第二シリンダー33eの昇降幅とが同じになるように設定される。そして、油圧供給回収系4から図に矢印で示すように、第一シリンダー33Fの上部屋35Cに圧油が供給されて第一シリンダー33Fが上昇し、それに伴い、第一シリンダー33Fの下部屋35Dの体積が減少しその減少分の油が第二シリンダー33fの上部屋35cに供給される。この第二シリンダー33fの上部屋35cへの圧油供給で第二シリンダー33fが上昇し、それに伴い、第二シリンダー33fの下部屋35dの体積が減少しその減少分の油が油圧供給回収系8に回収される。また、第一ピストン33Fおよび第二ピストン33fが下降する場合には図の矢印とは逆向きに圧油が流れ、上昇の場合と逆に動作する。これにより、第一動力部33Eと第二動力部33eとが連動して動作し、一対のリフトプレート部2を連動させて同じだけ上下動させることができる。
以上のように、昇降機構3を、リフトプレート部2の長手方向に長い断面矩形のマスト部32と、マスト部32と嵌合する固定ガイド部31と、マスト部32を上下動する動力部31とで構成したので、従来の車両リフト装置と比べてリフトプレート部2を安定させて昇降させることができる。
次に、以上の構成を持つ昇降機構3を有する車両リフト装置について、更に好ましい形態について説明する。
図7は、車両リフト装置の好ましい形態を示した斜視図である。図ではリフトプレート部2をリフトさせている場合を点線で、リフトさせていない場合を実線で示してある。
車両リフト装置1は、リフトプレート部2毎にプレートケース部5を備えている。プレートケース部5の枠上面が地面または床面と一致するように、プレートケース部5を床下または地下に設ける。これで、リフトプレート部2を上昇させていないときは、リフトプレート部2の上面が床面または地面と同じ高さとし、リフトプレート部2が床面または地面から突出しないようにする。プレートケース部5は、床下または地下に埋設して組み立てられている設置プレート部6で支持される。
設置プレート部6には、一対のプレートケース部5を連結させたプレートケース連結部7が取り付けてある。このプレート連結部7の上面、すなわち、床面または地面と同じ水平面には点検口が開口されている。開口されている点検口には通常蓋8が被せてあるが、点検や修理の際には蓋8を外すことで、点検口から昇降機構3などの検や修理を容易に行える。
また、リフトプレート部2は、昇降機構3の上面、すなわち、図1の上板34に取付可能であればよいが、好ましくは、図7に示すように、リフトプレート部2の各プレート2aをスライドさせたり旋回させたりして、車両のリフトポイントに対して各プレート2aの位置調整が可能で、しかも、ロック機構などを働かせて各プレート2aが不意にスライドしたり旋回しない方が好ましい。
そのようなリフトプレート部2は各種考えられているところ、図7では、二本のコの字型のレール2b同士をレール2bの長手方向中心付近で連結部2cにより連結している。この連結部2cの上面は、各プレート2aを初期状態、すなわち、スライドしたり、旋回していない状態において、各プレート2aの上面と滑らかに連続している。そして、レール2bに沿ってスライドするスライダー2dを、レール2b間に挿入してある。スライダー2dの上面にはプレート2aを旋回可能に軸着している。また、プレート部2aのスライド方向に垂直方向の長さは、二本のレール幅より大きい。これらのことから、リフトプレート部2の昇降機構3との連結位置は、リフトプレート部2の長手方向については中心になっているのに対して、それと垂直方向には、ややずらしてある。なお、リフトプレート部2とマスト部32との連結のさせ方は、この限りではない。
ところで、リフトプレート部2がプレートケース部5に収納されているときには、リフトプレート部2の上面が床面または地面と同じ高さになるよう調整されることで、車両の乗り入れや整備部品などを移動する場合に好都合である。しかし、リフトプレート部2を昇降機構3で上昇させると、プレートケース部5の上面は開口するので、整備などの作業を行う上で不都合である。そこで、プレートケース部5内に補助リフトを収納し、リフトプレート部2の昇降と連動させて、プレートケース部5上面が開口しないように補助リフトを昇降させるように、車両リフト装置1を構成するのが好ましい。
図8は補助リフト9単体の斜視図、図9はプレートケース部5内に補助リフト9を収納した状態での側面図、図10はその平面図である。図10では昇降機構3を挿入した状態で示してある。補助リフト9は、補助プレート91と、補助プレート91を上下動する昇降部92とで構成されている。昇降部92は、例えば、一対のリンク機構93と、一対のリンク機構93を作動させるリンク機構作動部94とで構成される。リンク機構93は支持フレーム95で支持される。支持フレーム95は、プレートケース部5内の各所定の位置に固定される。
補助プレート91は一対のリンク機構93で支持される。補助プレート91の形状は、昇降機構3によるリフトプレート部2の上昇で床面または地面に開いた開口の形状に対応して定められる。また、補助プレート91には所定の大きさの挿入口91aが形成されており、挿入口91aには昇降機構3のマスト部32が挿入される。
リンク機構93の構成は次の通りである。補助プレート91の長手方向に対して垂直に中心棒93aが配設される。その中心棒93aの両端にそれぞれ二本のリンク棒93bを合わせ軸着する。二本のリンク棒93bのうち、補助プレート91の長手方向外側の一端は、補助プレート91の下面に形成されたレール91bや、支持フレーム95の枠に形成された溝95a内でスライドするように、軸着される。一方、二本のリンク棒93bのうち、補助プレート91の長手方向内側、すなわち、他方のリンク機構93側の他端は、補助プレート91の側面内側に形成された係合箇所91cや、支持フレーム95の枠内側に形成された係合箇所95bに、回動可能に軸着される。
リンク機構作動部94は、内部にピストンを収納したシリンダー94aと、シリンダー94aから突出したロッド94bとを備える。このロッド94bの一端はシリンダー94aに収納したピストンに固着する。シリンダー94aの他端は、固定棒94cを介して一方の中心棒93aに固着する。シリンダー94aの一端にはロッド94bが突出しているので、このロッド94bを、他方の中心棒93aに固着したガイド棒94dの中空に挿入することで、シリンダー94aの他端を支持する。
以上のように構成された補助リフト9において、リンク機構作動部94のロッド94bの先端がガイド棒94dの中空をスライドすることで、中心棒93a間の距離が制御されてリンク機構93が作動し、その結果として、補助プレート91が上下動する。図9において、リンク機構93を作動する前を実線、作動した後を二点鎖線で示している。
これにより、マスト部32の上下動と連動させてリンク機構作動部94を作動することで、リフトプレート部2が床面Fや地面Gより上方にある場合であっても、補助プレート91を上昇させることで、車両を点検したり整備したりする際には床面や地面が開口することなく、効率よく作業を行うことができる。
また、車両リフト装置1では、油圧供給回収系4の油圧方向制御バルブ45などの弁や補助プレート9のリンク機構作動部94を全て手動で制御するわけではなく、コントロールボックスで制御する。
図11は、コントロールボックス10の昇降機構制御部10aを中心とした電気的な入出力系統を示したブロック図である。コントロールボックス10は、操作者がコントロールボックス10の前に出向かなくても、任意の作業場所で操作可能とするため、操作ペンダント10bの入力スイッチが外付けされている。操作ペンダント10bには、スイッチとして、上昇ボタンと下降ボタンの二種類のボタンがあり、それぞれのボタンを半押し状態では昇降スピードが低速として機能する一方、全押し状態では昇降スピードが高速として機能するようになっている。
また、リフトプレート部2が所定の位置にあるときに作動するセンサーが昇降機構3などに取り付けてある。センサーとしては、例えば、第一位置として床面や地面から約7cmの位置で作動する第一位置センサー10c、第二位置として地面や床面から例えば約40cmの位置で作動する第二位置センサー10dが昇降機構3またはプレートケース部5内に設けられる。第一位置センサー10cや第二位置センサー10d等のセンサーは、図7に示すように、昇降機構3のマスト部32に、例えばインナーマスト32eに、ラック35を配設して、ラックに噛む歯車の回転数からリフトプレート部2の位置を算出可能とするセンサーであってもよい。
また、リフトプレート部2は、旋回やスライドができる各プレート2aを備えた場合には、各プレート2aを所定の初期状態に戻してあるかを検出するプレート戻し検出センサー10eが、リフトプレート部2に配設されている。
また、昇降機構3には、落下防止機能、例えば、図7のラック35に噛む歯車の回転を止める機能を備えており、歯車の回転を自由とすることで落下防止機能を解除したことを通知することで落下防止解除センサー10fを構成する。
次に、コントロールボックス10による制御を説明することで、車両リフト装置1の使用形態を説明する。リフトプレート部2の上面が床面または地面と同じ位置にあり、リフトプレート部2には車両が乗り入れられているとする。この状態を第一状態とする。
この第一状態で、操作ペンダント10bの上昇ボタンを作業者が押し続ける。これで、昇降機構制御部10aは操作者からの入力を受けて、モータ43を回転させるよう指令を出すとともに、マスト部32を上昇させる方向に、すなわち、図5で第一ポート45aから第三ポート45cに油タンク41からの圧油が流れ、第四ポート45dから第二ポート45bに第二シリンダー33bの上部屋35aから圧油が回収されるように、油圧方向制御バルブ45を作用させる。これで、マスト部32が上昇し始める。
リフトプレート部2の位置が第一位置となったことを第一位置センサー10cが検知すると、その旨が昇降機構制御部10aに通知される。その通知を受けた昇降機構制御部10aは、油圧方向制御バルブ45を中立状態に、すなわち、図5に示した状態に戻し、モータ43を止めて、マスト部32の上昇を停止する。この状態を第二状態とする。この第二状態で、作業者はリフトプレート部2の各プレート2aをスライドなり旋回なりして各プレート2aに載せたアタッチメントまたは受けブロックを対応するリフトポイントの位置に合わせる。
作業者は、各プレート2aの調整が終わると、操作ペンダント10bの上昇ボタンを押し続ける。これで、昇降機構制御部10aはモータ43を回転させるよう指令を出すとともに、マスト部32を上昇させる方向に油圧方向制御バルブ45を作用させる。これで、マスト部32が上昇し始める。
リフトプレート部2が第二位置、すなわち、タイヤが浮上する位置まで上昇したことを第二位置センサー10dが検知すると、その旨が昇降機構制御部10aに通知される。その通知を受けた昇降機構制御部10aは、油圧方向制御バルブ45を中立状態に戻し、モータ43を止めて、マスト部32の上昇を停止する。この状態を第三状態とする。この第三状態で、昇降機構制御部10aは作業者に対して音声や表示により車両の安定性の確認を促す。
この第三状態において車両の安定性の確認を終えると、再度、作業者が操作ペンダント10bの上昇ボタンを押し続ける。これで、昇降機構制御部10aはモータ43を回転させるよう指令を出すとともに、マスト部32を上昇させる方向に油圧方向制御バルブ45を作用させる。これで、マスト部32が再度上昇し始め、作業者が上昇ボタンを押すことを止めるまで上昇する。
すると、昇降機構制御部10aは落下防止機能を働かせ、油圧方向制御バルブ45を中立状態に戻すとともに、モータ43の回転を止める。この状態を第四状態とする。この第四状態において、作業者は車両の整備や点検などの作業を行う。
作業者は、作業終了後、操作ペンダント10bの下降ボタンを押し続ける。これで、昇降機構制御部10aは、モータ43を回転させるよう指令を出すとともに、先ず、マスト部32を上昇させる方向に油圧方向制御バルブ45を作用させる。これで、マスト部32が僅かに上昇し落下防止機能が解除される。落下防止機能が解除したことを落下防止解除センサー10fが検知して、落下防止解除センサー10fがその旨昇降機構制御部10aに通知する。通知を受けた昇降機構制御部10aは、マスト部32を下降させる方向、すなわち、図5にて第一ポート45aから第四ポート45dに油タンク41からの圧油が流れ、第三ポート45cから第二ポート45bに第一シリンダー33Bの下部屋35Bから圧油が回収されるように、油圧方向制御バルブ45を作用させる。これで、マスト部32が下降し始める。この際、昇降機構制御部10aはコントロールボックス10などに備えられたブザーを鳴らすことで、作業者に注意を促すこともできる。
リフトプレート部2が第一位置まで下降したことを第一位置センサー10cが検知すると、昇降機構制御部10aに通知する。この通知を受けた昇降機構制御部10aは、油圧方向制御バルブ45を中立状態に戻し、モータ43を止める。これで、マスト部32の下降が停止する。この状態を第五状態とする。この状態において、作業者は、リフトプレート部2の各プレート2aをスライドなり旋回なりして各プレート2aを初期状態に戻す。 各プレート2aを初期状態に戻すと、プレート戻し検出センサー10eがその旨検出して、昇降機構制御部10aに通知する。一方、作業者は、操作ペンダント10bの下降ボタンを押し続ける。これで、昇降機構制御部10aは作業者から下降指示の入力を受け、プレート戻し検出センサー10eにより検出通知を受けていることを条件として、モータ43を回転させて、マスト部32を下降させる方向に油圧方向制御バルブ45を作用させる。これで、マスト部32は下降し始める。
すると、リフトプレート部2の上面が床面または地面と同じレベルまで下降する。そして、落下防止機能を作動させ、油圧方向制御バルブ45を中立状態に戻しモータ43を止め、マスト部32の下降を停止する。この状態を第六状態とする。この第六状態は上記第一状態と同じ状態である。
かかる一連の流れにおいて、マスト部32の昇降を停止させた場合には、その都度、マスト部32が落下しないように、落下防止機能を働かせ、その後にマスト部32の昇降を行う場合には、先ず落下防止機能を解除するようにしてもよい。
以上は、昇降機構3を作動させたときの各状態を説明したが、次に、リンク機構作動部94により補助プレート91を作動させる点を説明する。
補助プレート91は、早くとも第二状態から第三状態になるのと並行して、または遅くとも第三状態から第四状態になるのと並行して、昇降機構制御部10aはリンク機構作動部94を作動して、図8乃至図10のリンク機構93の中心棒93a間の距離を縮めることで補助プレート91を上昇させる。同様に、早くとも第四状態から第五状態になるのと並行して、または遅くとも第五状態から第六状態になる手前までに並行して、昇降機構制御部10aはリンク機構作動部94を作動して、リンク機構93の中心棒93a間の距離を伸ばすことで補助プレート91を下降させて、プレートケース部5内に補助プレート91を収納する。
また、図7に示すように、地下や床下に埋設される固定ガイド部31の双方に隣接して固定ガイド部31やマスト部32やプレートケース部5などの各種部品の点検や取替えなど修理ができるように所定の空間を画成するピットケース11が設けてある。これで、車両リフト装置1自体を修理したり、点検したりすることが容易となる。
以上説明したように、本発明の車両リフト装置1では、リフトプレート部2を昇降させる昇降機構3として、一対のアウターマスト31aを対向させてなる固定ガイド部31内にマスト部32を挿入して構成し、しかも、固定ガイド部31およびマスト部32をリフトプレート部2の長手方向に長い断面矩形とした。それにより、リフトさせる車両の重量が場所毎に異なっている場合であっても、リフトプレート部2を安定させて上下動させることができる。
また、一対のリフトプレート部2を昇降させる各昇降機構3のみ連動させて同じだけ昇降するようにすればよいので、各リフトプレート部2を複数のシャフトで支持した場合と比較して、一対の昇降機構3のみ連動させればよいので、機構が複雑でなく維持管理しやすい。さらに、補助リフト9をも備えることで、リフトプレート部2を上昇させた場合にも床面や地面をフラットとすることができ、作業場の安全性が高くまた作業性がよい。
以上の説明において、昇降機構3は一段式であるので、固定ガイド部31の鉛直方向の長さが長くなる。そこで、昇降機構3を多段式とすることで、固定ガイド部の鉛直方向の長さを短くすることができる。
以下、多段式の一例として二段式を適用した場合を説明する。
図12(a)は昇降機構3の概略構成を示す斜視図、(b)はE−E線断面図である。昇降機構3は、一段式と同様の固定ガイド部36と、一対のミドルマスト37Aおよび一対のインナーマスト37aの二段で構成されるマスト部37と、マスト部37の中空内に挿入されてマスト部37を上下動する動力部38とからなる。一対のミドルマスト37Aは、固定ガイド部36のアウターマスト36aの対向面側に挿入される。一対のミドルマスト37Aは動力部38でアウターマスト36aと摺動して上下動する。また、一対のインナーマスト37aは、ミドルマスト37Aの対向面側に挿入される。一対のインナーマスト37aは動力部38でミドルマスト37Aと摺動して上下動する。昇降機構3が一段式の場合と異なり、リフトプレート部2は一対のインナーマスト37a上面にのみ固着する。このとき、リフトプレート部2は上板(図示せず)を介して連結してもよい。
固定ガイド部36は、一段式の場合と同様、一対のアウターマスト36aをリフトプレート部2の長手方向に所定の間隔を保って対向させてなる。アウターマスト36aの上端と下端はそれぞれ一対の横木36bを跨設する。固定ガイド部36の寸法の値により必要に応じて、アウターマスト36aは、その上端と下端の間の任意の位置においても、一本以上の横木(図示せず)を跨設する。アウターマスト36aの上端は、一対の固定用部材36cを鍔状に固着する。固定用部材36cを、図7に示すプレートケース部5の底面などの所定箇所に取り付けることで、固定ガイド部36が設置可能になる。
ミドルマスト37Aは、アウターマスト36aの対向面側に上下動可能に挿入される。ミドルマスト37Aの上端と下端とは、それぞれ一対の横木37Bを跨設する。この一対の横木37Bは、ミドルマスト37A間の距離を維持する。インナーマスト37aは、ミドルマスト37Aの対向面側に挿入される。インナーマスト37a上面は必要に応じて上板(図示せず)を介してリフトプレート部2と連結される。一対のインナーマスト37aの間にはインナーマスト37aと同程度の長さの横板37bを取付可能である。また、一対のインナーマスト37aのうち片方のインナーマスト37aの下端は、中心の動力部33側に突出するように、リフトチェーン連結板37cを固着する。
動力部38は、一対のミドルマスト37Aや一対のインナーマスト37aの中心鉛直軸上にシリンダーやロッドが配設される。例えば、図12では、シリンダー38aの下端は動力部固定板36d上面と固着する。動力部固定板36dは、アウターマスト36aの下端に跨設された一対の横木36bの上面に跨設される。動力部固定板36dはシリンダー38aを不動に支持する。シリンダー38a内には図示しないピストンが上下動可能に挿入される。ピストンの上面にはロッド38cが固着されており、このロッド38cの上端には歯車38dが立設される。歯車38dには図示しない駆動ロック機構が取り付けてあって、この駆動ロック機構は、歯車38dを正転させたり、逆転させたりするほか、歯車38dが回転しないように歯車38dをロックする。歯車38dには、リフトチェーン38eが噛み合わされる。リフトチェーン38eの一端は、インナーマスト37aの下端に固着したチェーン連結板37cに連結する。リフトチェーン38eの他端は、動力部固定板36dにシリンダー38aと並置されたチェーン保持体38bの上面と連結する。
以上の構成により、固定ガイド部36内に一対のミドルマスト37Aおよび一対のインナーマスト37aを挿入した状態から、ピストンを上昇させることで固定ガイド部36内から一対のインナーマスト37Aを上昇させることができる。また、ロッド38cの上面に立設されている歯車38dを駆動ロック機構で正転させることにより、歯車38dに噛み合うリフトチェーン38eの位置がずれ、一対のインナーマスト37aが上昇する。逆に、歯車38dの逆転で一対のインナーマスト37aが下降する。ピストンの下降で一対のミドルマスト37Aが下降する。
なお、以上の説明および図12は、一段式の昇降機構3の場合で説明した図1に対応させて示したが、図6の形式のものでも構わない。また、図12に示したように、固定ガイド部36における横材36b同士を中空の枠フレーム3Cで連結させ、一対のミドルマスト37Aの横材37B同士を中空の枠フレーム3Dで連結させることで、昇降機構3の強度を高めるとともに、一対のミドルマスト37Aの上下動を連動させている。このように、一対のミドルマスト37Aの上下動を枠フレーム3Dで連動させるためには、枠フレーム3Dが上下動する空間を準備する必要があり、この空間は地下や床面に設けることになることから、必ずしも必須ではない。
以上のように、昇降機構3を二段式などの多段式とすることで、一対のミドルマスト37Aや一対のインナーマスト37aを一対のアウターマスト36a内に収めることができる。よって、車両リフト装置全体の高さを低く抑えられる。それにより、車両リフト装置1の設置場所についての制限が緩和され、また設置場所を整える準備作業を容易に行うことができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を示したが、本発明は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内において種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
本発明の車両リフト装置の概略構成図である。 車両リフト装置を構成する昇降機構の概略斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 (a)は図1のB−B線断面図、(b)は図1のC−C線断面図、(c)は(b)のD−D線断面図である。 油圧供給回収系の配管図である。 図1に示した動力部とは異なる構成で構築した車両リフト装置である。 車両リフト装置の好ましい形態を示した斜視図である。 補助リフト単体の斜視図である。 プレートケース部内に補助リフトを収納した状態の側面図である。 プレートケース部内に補助リフトを収納した状態の平面図である。 コントロールボックスの昇降機構制御部を中心とした電気的な入出力系統を示したブロック図である。 (a)は昇降機構の概略構成を示す斜視図、(b)はE−E線断面図である。 従来の車両リフト装置の概略図で(a)は平面図、(b)は正面図である。
符号の説明
1 車両リフト装置
2 リフトプレート部
3 昇降機構
31,36 固定ガイド部
31a,36a アウターマスト
31d 側枠
31e フランジ
31f アウターローラ
31g 摺動溝
32,37 マスト部
32a,37a インナーマスト
32d 側枠
32g インナーローラ
33,38 動力部
33B,33b,33F,33f,38a シリンダー
33D,33d,33H,33h,38c ロッド
37c チェーン連結板
38d 歯車
38e リフトチェーン
34 上板
37A ミドルマスト
5 プレートケース部
35A,35a,35C,35c 上部屋
35B,35b,35D,35d 下部屋
9 補助リフト
91 補助プレート
91a 挿入口
92 昇降部
11 ピットケース

Claims (8)

  1. リフトプレート部とこのリフトプレート部を上下動する昇降機構とをそれぞれ一対備えた車両リフト装置において、
    上記昇降機構は、地下または床下に埋設される固定ガイド部と、この固定ガイド部に嵌合されて上下動するマスト部と、このマスト部を上下動する動力部とから成っており、
    上記マスト部の水平断面を上記リフトプレート部の長手方向に長い矩形とし、
    上記マスト部の上面に上記リフトプレート部を固着したことを特徴とする車両リフト装置。
  2. 前記固定ガイド部は、前記リフトプレート部の長手方向に所定の間隔を開けて一対のアウターマストを対向させてなり、
    前記動力部は、前記マスト部の中心鉛直軸上に配設されたシリンダーと、このシリンダー内に挿入されたピストンと、このピストンに固着されたロッドとを備え、
    前記マスト部は、前記アウターマストの対向面側に上下に摺動可能にそれぞれ挿入されたインナーマストと、このインナーマスト上面に固着され、かつ前記ピストンまたは前記ロッドの何れかの上面に固着した上板とからなることを特徴とする、請求項1に記載の車両リフト装置。
  3. 前記アウターマストは、前記リフトプレート部の長手方向と垂直な側枠と、この側枠と略直角をなすフランジと、前記側枠の対向面上端に軸着されたアウターローラとを有し、前記フランジと前記アウターローラとで摺動溝を形成し、
    前記インナーマストは、前記アウターマストの側枠より短い側枠と、この側枠の前記アウターマスト側下端に軸着されたインナーローラと、前記摺動溝に挿入され、かつ前記アウターローラの外周側面と摺動する摺動片とを有し、前記インナーローラの外周側面が前記アウターマストの前記フランジと摺動することを特徴とする、請求項2に記載の車両リフト装置。
  4. 前記固定ガイド部は、前記リフトプレート部の長手方向に所定の間隔を開けて一対のアウターマストを対向させてなり、
    前記マスト部は、前記アウターマストの対向面側に上下に摺動可能にそれぞれ挿入されたミドルマストと、このミドルマスト同士に跨設した横木と、前記ミドルマストの対向面側に上下に摺動可能にそれぞれ挿入されたインナーマストとからなり、
    前記動力部は、前記マスト部の中心鉛直軸上に配設されたシリンダーと、このシリンダー内に挿入されたピストンと、このピストン上面に固着されたロッドと、前記シリンダーまたは前記ロッドの何れかの上面に立設された歯車と、この歯車に噛み合うリフトチェーンとを有し、前記歯車の軸が前記横木に軸着されており、前記リフトチェーンの一端を前記固定ガイド部の所定の箇所に固着し、かつ他端を前記インナーマスト下端の対向面に固着したリフトチェーン連結板に固着してなることを特徴とする、請求項1に記載の車両リフト装置。
  5. 一対の前記昇降機構のうち、一方のシリンダー内の上部屋側と他方のシリンダー内の下部屋側とを油圧配管で接続して、一対の前記リフトプレート部の上下動を連動させ、一対の前記リフトプレート部同士の高さを同じにすることを特徴とする、請求項2〜4の何れかに記載の車両リフト装置。
  6. 前記車両リフト装置は、前記リフトプレート部毎にプレートケース部を備えており、前記リフトプレート部の上面が地面または床面と一致するようにこのリフトプレート部を前記プレートケース部に収納することを特徴とする、請求項1乃至5の何れかに記載の車両リフト装置。
  7. 前記プレートケース部内には補助リフトが配置されており、
    前記補助リフトが、前記マスト部を挿入する挿入口が形成された補助プレートと、この補助プレートを前記リフトプレート部の上下動と連動させて地面または床面まで上昇させる昇降部とからなることを特徴とする、請求項6に記載の車両リフト装置。
  8. 前記車両リフト装置は、前記固定ガイド部に隣接して修理用及び/又は点検用の空間を設けたことを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記載の車両リフト装置。
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